JP4402255B2 - ポリエーテル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境面で好ましい難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
易燃性合成樹脂の難燃化としては、一般には従来よりハロゲン系化合物、リン系化合物、およびこれらの併用やさらには三酸化アンチモンとを添加する等の難燃化手法が用いられてきた。
しかしながら、これら従来よりの難燃剤は有害であると言われており、最近では特に環境面からハロゲン、アンチモン、リンなどを含有しない難燃性樹脂組成物が求められている。
【0003】
環境に好ましい難燃性樹脂組成物としては、従来より金属水酸化物を多量に配合した材料が開発されているが材料の比重が大幅にアップするだけでなく、耐衝撃性や成形流動性の低下が大きく実用性に乏しいのが現状である。
【0004】
一方、特許第1684119号、特許第1935582号、特開平10−139964号公報、特開平11−140294号公報、特開平11−222559号公報等には特定のシリコーン化合物を配合することにより難燃化された樹脂組成物が開示されている。さらに、シリコーン化合物を添加しても難燃性が得られ難いために、特許第2719486号、特許第2746519号、特開平11−217494号公報等には、シリコーン化合物とパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩とを併用したポリカーボネート樹脂系の難燃性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩はフッ素を含んでおり、ハロゲンを用いない難燃性樹脂組成物とは言えないだけでなく、ポリカーボネート樹脂以外では難燃効果がほとんど見られない。
【0005】
ポリカーボネート樹脂以外のハロゲン系難燃剤を含まない代表的難燃樹脂として、リン系難燃剤を添加したポリフェニレンエーテルおよびそれとポリスチレンとのポリマーブレンド物が知られている。ポリフェニレンエーテル系樹脂においてもシリコーン化合物を配合した難燃樹脂組成物が特許第1935582号に、また変性シリコーンを用いた難燃樹脂組成物が特開2000−109680号に開示されているが、満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハロゲン化合物ややリン化合物を含まずに、環境上好ましく、機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成する技術を鋭意検討した結果、変性ポリフェニレンエーテルに、変性オルガノポリシロキサンを配合してなる新たな難燃化手法によって、機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル樹脂(A)、およびスチレン系樹脂(B)との合計量100重量部に対し、分子内にアミノ基、イミド基、エポキシ基のうち少なくとも1種を有する変性オルガノポリシロキサンを含み、式R SiO 1.0 (D単位、但しRは水素又は炭化水素を表す)で示される単位以外のシロキサン単位のみからなるオルガノポリシロキサンを含むオルガノポリシロキサン(C)0.1〜15重量部、および環状窒素化合物(D)0〜15重量部含有してなるポリエーテル樹脂組成物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリフェニレンエーテル樹脂とは、一般式(I)及び/または(II)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体である。
【0010】
【化1】
Figure 0004402255
【0011】
【化2】
Figure 0004402255
【0012】
(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素を表す。但し、R5、R6は同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
【0013】
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ここでポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等がある。
【0014】
本発明においてはポリフェニレンエーテル樹脂の一部又は全部を、不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテル樹脂を用いることが必須である。この変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、特開平2−276823号公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−59724号公報等に記載されており、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下で、ポリフェニレンエーテル樹脂に不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練し、反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルが溶融しない温度、好ましくは150〜230℃の範囲でラジカル開始剤の存在下または非存在下で、ポリフェニレンエーテル樹脂に不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を撹拌混合し、反応させることによって製造される。 あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
【0015】
不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドなど、さらにはアクリル酸、メタクリル酸などや、これらモノカルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。また、飽和カルボン酸であるが変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本発明で用いる官能的誘導体となり得る化合物も用いることができ、具体的にはリンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中で好ましいのは不飽和カルボン酸無水物であり、特に無水マレイン酸が好適である。
【0016】
不飽和カルボン酸やその官能的誘導体の含有量は、該変性樹脂全体の平均値として未変性ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部あたり、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部がよい。0.1重量部未満では耐衝撃性および難燃性向上効果が小さく、10重量部以上では効果に変わりなくコスト高となる。
本発明で用いられるスチレン系樹脂(B)とは、スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
【0017】
スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、最も好ましいのはスチレンである。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物との合計量に対して20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下である。
【0018】
また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体あるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。具体的には特に、ポリブタジェンおよびスチレン−ブタジェン共重合体が好ましい。また、不飽和ゴム質重合体を用いる場合に、部分的に水添したゴムを用いることが好ましい。該スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレンおよびゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)およびゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。特に好ましいのは、ポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンである。
【0019】
本発明において、(A)ポリフェニレンエーテル樹脂と(B)スチレン系樹脂との混合比率は、重量比で100/0〜10/90、好ましくは90/10〜30/70である。
一般に難燃剤として用いられるオルガノポリシロキサンは、4種のシロキサン単位(M単位:R3SiO0.5、D単位:R2SiO1.0、T単位:RSiO1.5、Q単位:SiO2.0、ここでRはそれぞれ水素または炭化水素基を表す。)のいずれかまたは組み合わせからなるポリマーである。
【0020】
本発明で用いられるオルガノポリシロキサン(C)は、分子末端基又は側鎖基としてアミノ基、イミド基、エポキシ基のうち少なくとも1種を有する変性オルガノポリシロキサンを含むことが必須であり、変性オルガノポリシロキサンはオルガノポリシロキサン(C)の一部または全部として用いられる。アミノ基の結合量は、オルガノポリシロキサン分子中に1個以上あればよく、好ましくは2〜5個程度であるが、それ以上でもかまわない。
【0021】
本発明において用いられるオルガノポリシロキサン(C)は、変性オルガノポリシロキサンまたは未変性オルガノポリシロキサンのいずれかが、4種のシロキサン単位のうち式R SiO 1.0 (D単位)で示される単位以外のシロキサン単位、すなわち式RSiO1.5(T単位)およびまたはSiO2.0(Q単位)、あるいは末端基としてのR3SiO0.5(M単位)で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンを含有することが必須である。
【0022】
本発明においては、 全てがRSiO1.5(T単位)からなるオルガノポリシロキサン、またはR3SiO0.5(M単位)、RSiO1.5(T単位)およびSiO2.0(Q単位)で示されるシロキサン単位の組み合わせからなるオルガノポリシロキサンを、用いられる全オルガノポリシロキサンの20重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらには全てが該オルガノポリシロキサンであることが好ましい。特に好ましいのは、RSiO1.5(T単位)またはRSiO1.5(T単位)とR3SiO0.5(M単位)からなるオルガノポリシロキサンである。
【0023】
本発明において用いられる変性オルガノポリシロキサンは、必ずしも式R1SiO1.0(D単位)で示される単位以外のシロキサン単位から構成される必要はないが、好ましくはR3SiO0.5(M単位)、RSiO1.5(T単位)およびSiO2.0(Q単位)から構成されるべきである。式R SiO 1.0 (D単位)で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンは、難燃性向上に対する寄与が小さいか、ほとんど認められないために意味がない。
【0024】
本発明において用いられるオルガノポリシロキサン(C)は、重量平均分子量が400以上500,000未満、好ましくは1,000以上100,000未満、さらに好ましくは2,000以上10,000未満である。
本発明では、使用する全オルガノポリシロキサンにおいて、前記Rで示される全シロキサン単位中の結合炭化水素基は少なくとも20モル%、好ましくは30〜90モル%がフェニル基を有するものである。また、アミノ基以外の末端結合基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、または炭化水素基のいずれも使用される。分子末端基としてアミノ基を有する変性オルガノポリシロキサンは、シリコーンメーカーから入手でき、常温で液状或いは固体状を問わない。
【0025】
オルガノポリシロキサン(C)添加量は、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)、およびスチレン系樹脂(B)の合計量100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明において、環状窒素化合物(D)はオルガノポリシロキサン(C)と併用することにより相乗効果を発揮し、難燃性をさらに向上させるために必要に応じて用いられる。
【0026】
本発明の環状窒素化合物(D)とは、基本的に分子中にハロゲンやリンを含まないトリアジン骨格を有する化合物およびメラミン誘導体である。その具体例としては、メラミン、アンメリド、アンメリン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メトン、メロン等のトリアジン骨格を有する化合物およびこれらの硫酸塩等が挙げられるが、メラム、メレム、メトン、メロンがより好ましく、メレムが特に好ましい。環状窒素化合物(D)は、難燃性樹脂組成物の性能の為には微粉化されたものが好ましい。微粉化された粒子径は、好ましくは平均粒子径30μm以下、より好ましくは0.05〜5μmに微粉化されたものである。微粉化された粒子を高級脂肪酸の金属塩や脂肪酸アミド類などの分散剤や滑剤で分散処理したもの、或いはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムキレート剤等で表面処理したものは、本発明難燃性樹脂組成物の機械物性や表面外観においてさらに好ましい。
【0027】
オルガノポリシロキサン(C)と環状窒素化合物(D)とを併用添加することにより、燃焼時の滴下を防止するだけでなく、燃焼時間においても大幅に短縮され、両成分の相乗効果が発揮される。また、添加量を抑制できるために樹脂本来の特性を犠牲にすることなく、経済的にも有利であり、ハロゲンガスやホスフィンガスの発生もないため安全環境面に優れた材料を提供することができる。
環状窒素化合物(D)添加量は、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)およびスチレン系樹脂(B)の合計量100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
【0028】
オルガノポリシロキサン(C)と環状窒素化合物(D)の添加量および併用比率は、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との混合比、および所望の難燃性能を満足する量を適宜選択すればよいが、組成物の機械的特性や経済面を考慮すれば極力制限されるべきである。
本発明のポリエーテル樹脂樹脂組成物には、ガラス繊維、ガラスフレーク、カオリンクレー、タルク等の無機充填剤やその他の繊維状補強剤等を配合し、流動性と耐熱性に優れた高強度複合体を得ることができる。また、耐衝撃付与剤としてゴム状重合体、例えばスチレン−ブタジェンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体およびそれらの水素添加エラストマーが好適に用いられる。
【0029】
本発明のポリエーテル樹脂組成物には、更に他の特性を付与するため、または本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、あるいはその他の樹脂を添加することができる。また、従来より知られた各種難燃剤および難燃助剤、例えば結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、さらにはシリカ、カオリンクレー、タルクなどの無機ケイ素化合物を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
【0030】
本発明のポリエーテル樹脂組成物の製造方法は、特に規定するものではなく、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による混練りが、生産性の面で好ましい。混練り温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては200〜360℃の範囲、好ましくは240〜320℃の範囲である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0031】
実施例および比較例で用いた各成分は以下のものである。
(1)ポリフェニレンエーテル(PPE)
PPE−1: 30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.54の未変性のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
PPE−2: PPE−1を100重量部、無水マレイン酸2重量部及びジクミルパーオキサイド0.3重量部を混合し押し出し機を用いて、設定温度320℃で溶融混練し、無水マレイン酸で官能化された変性ポリフェニレンエーテルを得た。赤外分光測定では、1790cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した無水マレイン酸由来のピークが観測され、その付加量は1.1重量%であった。
該変性ポリフェニレンエーテルをPPE−2とする。
【0032】
(2)ゴム補強ポリスチレン(HIPS)
ゴム含量12%、30℃、トルエン溶液で測定したマトリックスポリスチレンのηsp/cが0.64、体積平均ゴム粒子径が1.5μmのゴム補強ポリスチレン。
【0033】
(3)オルガノポリシロキサン
(Si−1): 主鎖構造のT単位が100%、結合フェニル基/メチル基=70/30(モル比)、重量平均分子量3500、末端に付加したアミノ基当量800mg/gの変性オルガノポリシロキサン。
(Si−2): 主鎖構造がD単位および末端がM単位からなり、25℃の粘度が750センチストークス、末端に付加したアミノ基とアルコキシ基との合計当量1900mg/gの変性ジメチルポリシロキサン。
(Si−3): 結合フェニル基/メチル基=70/30(モル比)、末端OH約3重量%、重量平均分子量1800、主鎖構造のT単位が100%の未変性オルガノポリシロキサン。
【0034】
(Si−4): T単位55モル%とM単位45モル%とからなり、結合フェニル基/プロピル基/メチル基=37/18/45(モル比)、重郎平均分子量が2500の未変性オルガノポリシロキサン。
(Si−5): 主鎖構造がD単位からなり、25℃の粘度が500センチストークス、結合フェニル基/メチル基=70/30(モル比)の未変性オルガノポリシロキサン。
(Si−6): 結合フェニル基/メチル基=45/65(モル比)、末端メトキシ約10重量%、重量平均分子量1700、 T単位およびD単位からなりT単位/D単位=60/40(モル比)の未変性オルガノポリシロキサン。
【0035】
(4)環状窒素化合物
平均粒径約1.8μmのメレム。
【0036】
実施例および比較例の樹脂組成物の物性評価は、以下の方法及び条件で行った。
(1)難燃性
UL−94 垂直燃焼試験に基ずき、1/16インチ厚みの射出成形試験片を用いて測定し、燃焼時間と燃焼時の滴下物の有無を評価した。難燃性のレベルは、V−0が最も優れ、V−1、V−2のランクになるにしたがって劣り、燃焼時間が30秒を越えた場合はランク外である。
(2)耐熱温度
ASTM D648に基づき荷重1.83MPa にて荷重たわみ温度を測定し、耐熱性の尺度とした。
(3)アイゾッド衝撃強度
ASTM D256に基づき測定した。
【0037】
【実施例1〜4、比較例1〜7】
各成分を表1に示す割合で混合し、加熱シリンダーの最高温度を300℃に設定したスクリュー直径25mmの二軸押出機に供給して、スクリュー回転数300rpmで溶融混練りし、ストランドを冷却裁断して難燃性樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形により物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表1の結果を得た。
【0038】
【表1】
Figure 0004402255
【0039】
【発明の効果】
本発明は、ハロゲン化合物ややリン化合物を含まずに、環境上好ましく、樹脂本来の特性を損なわずに、かつ高度の難燃性を有する難燃性樹脂組成物を提供する。

Claims (7)

  1. 不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル樹脂(A)、およびスチレン系樹脂(B)との合計量100重量部に対し、分子内にアミノ基、イミド基、エポキシ基のうち少なくとも1種を有する変性オルガノポリシロキサンを含み、式R SiO 1.0 (D単位、但しRは水素又は炭化水素を表す)で示される単位以外のシロキサン単位のみからなるオルガノポリシロキサンを含むオルガノポリシロキサン(C)0.1〜15重量部、および環状窒素化合物(D)0〜15重量部含有してなるポリエーテル樹脂組成物。
  2. ポリフェニレンエーテル樹脂(A)が不飽和カルボン酸無水物で変性された変性ポリフェニレンエーテル含むことを特徴とする請求項1記載のポリエーテル樹脂組成物。
  3. ポリフェニレンエーテル樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との混合比率が、重量比で90/10〜30/70であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリエーテル樹脂組成物。
  4. オルガノポリシロキサン(C)が、式RSiO1.5(T単位、但しRは水素又は炭化水素を表す)およびまたはSiO2.0(Q単位)で示されるシロキサン単位からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル樹脂組成物。
  5. オルガノポリシロキサン(C)が、式RSiO1.5(T単位、但しRは水素又は炭化水素を表す)および末端結合としてのR3SiO0.5(M単位、但しRは水素又は炭化水素を表す)で示されるシロキサン単位からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル樹脂組成物。
  6. オルガノポリシロキサン(C)が、全オルガノポリシロキサンの結合炭化水素基の20〜90モル%がフェニル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエーテル樹脂組成物。
  7. 環状窒素化合物(C)が、メレムであることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリエーテル樹脂組成物。
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