JP4399906B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂と特定のポリオルガノシロキサンとからなり、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を必須の成分として含まない、難燃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、優れた機械的特性、電気的特性、耐熱性、加水分解性及び寸法安定性を有し、広範囲に使用されている熱可塑性エンジニアリングプラスチック樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹脂に、難燃性を付与する目的で、ハロゲン系難燃剤又はリン系難燃剤を配合することが行われている。しかしながら、近年、ハロゲン系難燃剤あるいはリン系難燃剤を含有する樹脂組成物の環境に及ぼす影響が懸念され、ハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤を含有しない樹脂組成物の要求が高まっている。ハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤を含有しないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関して、米国特許第5169887号公報には、難燃性及び煙放出性が改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂と液状直鎖フェニルシロキサンからなる組成物が開示されている。また、米国特許第5294655号公報には、難燃性が改善された、ポリフェニレンエーテル系樹脂と液状直鎖フェニルシロキサン及びブロック共重合体エラストマーからなる組成物が開示されている。しかしながら、米国特許第5169887号公報及び米国特許第5294655号公報に記載の組成物は、液状フェニルシロキサン無添加の場合と比較すると、難燃性改良効果が認められるものの、まだ、難燃性が不足しており、特に該組成物にポリスチレン系樹脂が添加された場合、難燃性が不十分となってくるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を必須の成分として含まない、難燃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供する点に存する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ポリフェニレンエーテル化合物の難燃性と機械的物性について鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂と特定の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる樹脂組成物が上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の成分(A)100重量部に対して、成分(B)0.5〜100重量部を含有するポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に係るものである。
(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(B):分子中に下記の式(I)、式(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン
R1R2SiO1.0 (I)
R3SiO1.5 (II)
R4R5R6iO0.5 (III)
(式中R1、R2及びR3は、独立して、アルキル基又はアリール基を表し、 R4、R5及びR6は、独立して、アルキル基、アリール基、水酸基又はアルコキシ基を表す。)
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、下式(IV)で表されるフェノール化合物の少なくとも一種を酸化カップリング触媒によって、酸素又は酸素含有ガスで酸化重合させて得られる(共)重合体からなる樹脂を意味する。
(式中、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ水素原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれたものであり、そのうち必ず1個は水素原子である。)
【0006】
式(IV)におけるR7、R8、R9、R10及びR11としては、水素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、アリルを例示することができる。
【0007】
式(IV)で表されるフェノール化合物として、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノールを例示することができる。これらのフェノール化合物の中では、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
【0008】
式(IV)で表されるフェノール化合物は、ビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂で例示される多価ヒドロキシ芳香族化合物と共重合させてもよく、これらの共重合体も本発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるものとする。
【0009】
フェノール化合物を酸化(共)重合させるために用いられる酸化カップリング触媒は特に限定されず、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。フェノール化合物を酸化(共)重合させてポリフェニレンエーテル系樹脂を製造する方法として、米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報及び同第3257357号公報並びに特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開平1−304119号公報に記載された製造方法を例示することができる。
【0010】
本発明で使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂として、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロペニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレンエーテル)、及び、これらの樹脂を構成する繰り返し単位の複数種を含む各種の共重合体を例示することができる。
【0011】
更に、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノールで例示される多置換フェノールと、2,6−ジメチルフェノールで例示される2置換フェノールとの共重合体も、本発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるものとする。
【0012】
前記のポリフェニレンエーテル系樹脂のうちで好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体である。
【0013】
本発明で用いられるポリフェニレンエーテル系樹脂はまた、上記の(共)重合体にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びビニルトルエンで例示されるスチレン系化合物をグラフトさせて得られるグラフト共重合体であってもよく、かかるグラフト共重合体も本発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるものとする。
【0014】
本発明で使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂としては、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.3〜0.7dl/gのものが好ましく、より好ましくは0.36〜0.65dl/g、特に好ましくは0.40〜0.6dl/gである。固有粘度が低すぎると、燃焼時の無滴下の達成が困難となる場合があり、固有粘度が高すぎると、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形加工性が低下する場合がある。ここで、「無滴下」とは、難燃性の試験法であるUL94垂直燃焼性試験において、燃焼中のサンプルが滴下しないことを意味する。
【0015】
本発明の成分(B)は、分子中に前記の式(I)、式(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサンである。式(I)の構造単位は直鎖構造を形成し、式(II)の構造単位は二次元又は三次元の網目構造や分岐構造を形成する。また、ポリオルガノシロキサンの末端は、式(III)で表される。
【0016】
式(I)及び式(II)におけるR1、R2及びR3は、独立して、アルキル基又はアリール基である。好ましいアルキル基はメチル基であり、好ましいアリール基はフェニル基である。 R1、R2又はR3がアリール基である場合、アリール基の含有量は、R1、R2及びR3の総和に対して、30〜80モル%がであることが好ましい。アリール基の割合が過小の場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相容性が低下し、分散粒径が粗大化し、難燃性が悪化する場合がある。一方、アリール基の割合が過多の場合、耐衝撃性が低下する場合がある。
【0017】
式(III)におけるR4、R5及びR6は、独立して、アルキル基、アリール基、水酸基又はアルコキシ基であり、難燃性と機械的物性のバランスの観点から、メチル基及び/又は水酸基が好ましい。
【0018】
ポリオルガノシロキサンは、25℃で固体状のものが好ましい。25℃で液体状のものは、溶融混練時にポリフェニレンエーテル樹脂との粘度差が大きいため、分散性に劣り、難燃性が悪化する場合がある。
【0019】
本発明の樹脂組成物においては、ポリフェニレンエーテル系樹脂が連続相をなし、ポリオルガノシロキサンが分散相を形成していることが望ましい。ポリオルガノシロキサンの分散相の平均粒径は、0.08〜5μmであることが望ましい。平均粒径が過小の場合は難燃性が悪化する場合が有り、一方平均粒径が過大の場合、射出成形等の加工時に成形品の層状剥離等の不良現象が発生する場合がある。ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は、ミクロトーム等で作製した組成物の超薄切片を透過型電子顕微鏡にて撮影し、その写真から、20個以上のポリオルガノシロキサンの分散粒子を無作為に抽出し、その粒子径を平均したものである。粒子が楕円形の場合は、その長径及び長径の中央に垂線をたて、楕円体との交点間の距離を短径として、d=(長径+短径)/2から求めるdを分散粒子径とする。
【0020】
本発明で使用されるポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンの一般的な製造方法に従って製造することができる。製造方法として、ジオルガノジクロロシランとモノオルガノトリクロロシランとの混合物を加水分解するこによって、両者が部分的に縮合したポリオルガノシロキサンを形成し、次いで、該縮合物とトリオルガノクロロシランとを反応させることによってポリオルガノシロキサンを得る、という方法を例示することができる。
【0021】
(B)中の式(I)で表される構造単位の含有量と、式(II)で表される構造単位の含有量との比率は、10:1〜0.1:1(モル)程度が好ましい。式(II)で表される構造単位の含有量が過少であると、難燃性が低下する場合がある。逆に、式(II)で表される構造単位の含有量が過多であると耐衝撃性が悪化する場合がある。
【0022】
樹脂組成物中における(B)の含有量は、(A)100重量部に対して、0.5〜100重量部であり、好ましくは0.5〜70重量部である。(B)が過多の場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性が不十分となり、一方(B)が過少の場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不十分となる。
【0023】
本願発明の樹脂組成物は、上記の(A)及び(B)に加えて下記の成分(C)を含有してもよい。成分(C)は、ポリスチレン系樹脂であり、式(V)で示される芳香族ビニル化合物から誘導された繰り返し構造単位を、その重合体中に少なくとも25重量%以上有するものが好ましい。
(式中R12は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Zはハロゲン原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、pは0〜5の整数を表す。)
【0024】
かかるスチレン系重合体としては、スチレンもしくはその誘導体たとえば、p−メチルスチレン、 α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の単独重合体及び共重合体があげられる。また、上記した芳香族ビニル系化合物を70〜99重量%とジエンゴム1〜30重量%とからなるゴム変性された高衝撃性ポリスチレン(HIPS)を使用することができる。
【0025】
HIPSを構成するジエンゴムとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系化合物の単独重合体、共役ジエン系化合物と不飽和二トリル化合物又は芳香族ビニル化合物との共重合体更には天然ゴムなどがあげられ、これらを1種又は2種以上用いる事ができる。特に、ポリブタジエン、ブタジエンースチレン共重合体が好ましい。HIPSは、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合又は、それらの組み合わせの方法によって得られる。
【0026】
樹脂組成物中における(C)の含有量は、 (A)100重量部に対して、1〜1000重量部であることが好ましく、更に好ましくは10〜800重量部である。(C)が過多の場合、耐熱性が不十分となることがあり、一方(C)が過少の場合、溶融時の流動性が不十分なことがある。
【0027】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、製造方法として、(A)と(B)とを溶融混練してポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造する方法を例示することができる。溶融混練の方法は特に限定されず、たとえば、押出機を用いる溶融混練方法を例示すことができる。押出機への(A)及び(B)のフィード方法は特に限定されず、両者を一括してフィードする方法;これら成分を分割してフィードする方法;両成分の予備混練物をフィードする方法、を例示することができる。本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が(C)を含む場合、製造方法として、(A)、(B)及び(C)を溶融混練してポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造する方法を例示することができる。溶融混練の方法は特に限定されず、たとえば、押出機を用いる溶融混練方法を例示すことができる。押出機への(A)、(B)及び(C)のフィード方法は特に限定されず、(A)、(B)及び(C)を一括してフィードする方法;これら成分を分割してフィードする方法;これら成分の予備混練物をフィードする方法、を例示することができる。各成分を分割してフィードする場合、(A)、(B)の溶融混練物に(C)を添加し溶融混練する方法;(A)、(C)の溶融混練物に(B)成分を添加し溶融混練する方法;(A)の溶融混練物に(B)、(C)を添加し溶融混練する方法;が例示される。溶融混練の温度は、ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移点(約210℃)以上であればよく、好ましくは220〜400℃、より好ましくは230〜350℃の範囲である。
【0028】
本発明で使用される(A)及び(B)は、本発明の効果を損わない範囲で、必要に応じて、他の成分と組み合わせて用いても構わない。他の成分として、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐衝撃性を向上させるためのスチレン系エラストマーやポリオレフィンなどの熱可塑性重合体;ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を強化したり、該組成物に機能を付与したり、該組成物を増量(コストダウン)したりするための充填剤を例示することができる。
【0029】
前記のスチレン系エラストマーの種類等は特に制限されず、公知のものを用いることもでき、該エラストマーとして、ポリスチレンブロック及びポリブタジエンブロックをそれぞれ少なくとも1個有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;ポリスチレンブロック及びポリイソプレンブロックをそれぞれ少なくとも1個有するスチレン−イソプレンブロック共重合体;ポリスチレンブロック及びイソプレン−ブタジエンの共重合体ブロックをそれぞれ少なくとも1個有するブロック共重合体;前記ブロック共重合体のイソプレンブロックやブタジエンブロックの不飽和結合の部分が選択的に水素添加されたブロック共重合体(以下、「水素添加ブロック共重合体」という);エチレン、プロピレン、ブテン及びジエン成分から選ばれた2種類以上の成分を共重合したポリオレフィンエラストマーにスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体「以下、「スチレングラフトポリオレフィン」という」を例示することができる。これらのうち、水素添加ブロック共重合体やスチレングラフトポリオレフィンが好ましい。
【0030】
前記の熱可塑性重合体としてのポリオレフインの種類等は特に限定されず、公知のものを用いることもでき、ポリオレフインとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを例示することができる。他の熱可塑性重合体として、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート,ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート,ポリメチルメタクリレート等を例示することができる。
【0031】
前記の充填剤の種類等は特に制限されず、充填剤として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、アルミニウムやステンレスなどの強化用繊維;金属のウィスカー、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、カオリン、硫酸マグネシウム、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモンなどの無機充填剤や、酸化防止剤、耐候性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、各種着色剤、帯電防止剤、離型剤等を例示することができる。
【0032】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形方法は特に制限されず、公知の成形方法であってもよく、得られる成形品の形状も特に制限されない。成形方法として、射出成形、押出成形、圧縮成形及び中空成形を例示することができる。
【0033】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から得られる成形品は、特に、難燃性が要求される用途、たとえば、フライバックトランス、偏向ヨーク、コネクター、リレーのハウジング、コイルボビン等の電気・電子部品用途;バッテリーケース等の電槽用途;現像タンク、ファン、ファンハウジング、OA機器のハウジング、OA機器のシャーシ、トレー等の機構部品用途、に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
使用した略号の意味を示す。
PPE:ポリフェニレンエーテル樹脂(クロロホルム溶媒中、30℃で測定した固有粘度が0.46dl/gのポリ(2,6−ポリジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
HIPS:ハイインパクトポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製「H554」)
SEBS:水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クラレ社製「SEPTON8006」)
SIP1:式(I)、(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン(本発明によるもの)(東レ・ダウコーニング社製「SH6018」)
R1、R2及びR3:フェニル基 70mol%、メチル基 30mol%
R4、R5及びR6:水酸基 6wt%(ポリオルガノシロキサンに対する水酸基の重量%)、残りはメチル基
25℃で固体である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(AS−8020、東ソー製)にて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は1130であった。
SIP2:式(I)、(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン(本発明によるもの)(東レダウコーニング社製「R910」)
R1、R2及びR3:メチル基
R4、R5及びR6:メチル基
25℃で固体である。
SIP3:式(I)、(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン(本発明によるもの)(東レダウコーニング社製「DC3074」)
R1、R2及びR3:フェニル基 70mol%、メチル基 30mol%
R4、R5及びR6:メトキシ基 18wt%(ポリオルガノシロキサンに対するメトキシ基の重量%)、残りはメチル基
25℃で液体である。(動粘性率:1.5×10-5m2/s)
GPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は1340であった。
SIP4:式(I)、(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン(本発明によるもの)(東レダウコーニング社製「DC3037」)
R1、R2及びR3:フェニル基:35mol%、メチル基:65mol%
R4、R5及びR6:メトキシ基:18wt%(ポリオルガノシロキサンに対するメトキシ基の重量%)、残りはメチル基
25℃で液体である。(動粘性率:1.2×10-4m2/s)
GPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は1060であった。
SIP5:式(II)の単位を含有しない直鎖状ポリオルガノシロキサン(本発明によらないもの)(東レダウコーニング社製「SF8417」) アミノ基含有(アミノ当量1800)
25℃で液体であった。(動粘性率:1.2×10-3m2/s)
SIP6:式(I)、(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサン(本発明によるもの)(東レ・ダウコーニング社製「DC6−2230」)
R1、R2及びR3:フェニル基 55mol%、メチル基 45mol%
R4、R5及びR6:水酸基 6wt%(ポリオルガノシロキサンに対する水酸基の重量%)、残りはメチル基
25℃で固体である。
GPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は4010であった。
【0035】
次に、物性値等の評価方法を以下に示す
(1)曲げ弾性率
ASTM D790に従い、3.2mm厚さ試験片を使用して、曲げ弾性率を測定した。
(2)燃焼試験(難燃性)
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をシリンダー温度320℃、金型温度80℃の条件で3.2mm厚、1.6mm厚及び0.8mm厚のテストピースを射出成形してUL94垂直燃焼性試験を行った。
判定において、非該当とは、燃焼時間が規定の時間以上もしくはクランプまで試験片が燃焼することを意味し、V0、V1及びV2の判定よりも燃焼性が劣る。
(3)ポリオルガノシロキサンの平均分散粒径測定
ミクロトームを用い3.2mmのテストピートの断面中央部から超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡写真を撮影した。この写真から、20個のポリオルガノシロキサン粒子を無作為に抽出し、それぞれの粒子径を測定し、平均粒子径を求めた。
【0036】
実施例1
表1に示す配合割合の各成分をシリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した連続2軸混錬機(東洋精機製20mm押出し機)のホッパーより投入し溶融混練してペレット化した。このペレットをシリンダー温度320℃、金型温度80℃で射出成形し、3.2mm厚、1.6mm厚及び0.8mm厚の試験片を作製した。評価結果を表1に示す。
【0037】
実施例2〜5及び比較例1〜2
表1に示す配合割合の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0038】
実施例6及び比較例3
連続2軸押し出機として、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpmに設定した東芝機械製TEM−50Aを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
【0039】
実施例1と比較例3の比較から、同一組成であっても、ポリオルガノシロキサンの分散粒子径が、0.08μm以下になると難燃性が悪化することがわかる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、難燃性及び耐衝撃性に優れ、かつハロゲン及びリンを含有しない、もしくは含有量を低減した脂組成物を提供することができた。
Claims (3)
- 下記の成分(A)100重量部に対して、成分(B)0.5〜100重量部を含有し、前記成分(A)が連続相をなし、前記成分(A)中に分散した前記成分(B)の平均分散粒子径が0.08〜0.25μmであることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(B):分子中に下記の式(I)、式(II)及び(III)の構造単位を含有するポリオルガノシロキサンであって、25℃で固体であるポリオルガノシロキサン
R1R2SiO1.0 (I)
R3SiO1.5 (II)
R4R5R6SiO0.5 (III)
(式中R 1 、R 2 及びR 3 の総和の30〜80モル%がアリール基であり、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水酸基及びメチル基であって、前記水酸基の含有量はポリオルガノシロキサンの総量に対し、6重量%である。) - 前記成分(A)100重量部に対して、成分(B)0.5〜100重量部及び下記の成分(C)1〜1000重量部を含有する請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
(C):ポリスチレン系樹脂 - 前記成分(B)のR1、R2及びR3の総和の30〜80モル%がフェニル基である請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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