JP4402228B2 - 研磨工具、研磨装置および研磨方法 - Google Patents

研磨工具、研磨装置および研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物の被加工面を研磨により平坦化するのに適した研磨工具、研磨装置および研磨方法に関し、特に半導体基板の表面に配線を形成する工程において、配線形成面または配線の上に形成した絶縁材料層を平坦化するのに適した研磨工具、研磨装置および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被加工物の被加工面を研磨により平坦化する加工方法は、多種多様な分野において適用されている。その一例として、半導体デバイスの配線工程における平坦化加工を挙げることができる。
【0003】
半導体デバイスの配線工程は、例えば、次のように実施される。すなわち、半導体基板に、例えばアルミニウム、銅等の導電材料から成る配線を形成した後、絶縁酸化膜を積層した場合にあっては、絶縁酸化膜を研磨して平坦化させることが、露光工程での焦点深度を確保するうえで必要である。また、半導体基板に溝部を設け、この溝部の中に導電材料が埋め込まれるように導電性材料の膜を形成した場合には、隣接する溝部内の導電性材料の絶縁を確保するために、溝部内にある導電性材料の頂面と基板の頂面とが面一となるように平坦化させる必要がある。
【0004】
半導体ウェハをワークとし、これを平坦化する方法として従来から採用されている研磨方法は、例えば特開平8−339979号公報に記載されている。当該公報に記載されている研磨方法の一例を図7を参照して説明する。
【0005】
図7において、研磨パッド(23)は定盤(21)の上に、その研磨面が上側表面となるように取り付けられている。ワーク(24)である半導体ウェハはガイドリング(27)とともに、中心軸hを中心として回転運動可能なワーク保持装置(25)に取り付けられている。具体的には、ワーク保持装置(25)の一端(図示した態様では下端)に設けられた円盤状のワーク保持ヘッド(26)に真空吸着により保持されている。そして、ワーク保持装置(25)内には、ワーク(24)、シール部材(28)およびワーク保持ヘッド(26)によって空間部(22)が形成されている。
【0006】
研磨の手順は次のとおりである。まず、研磨パッド(23)の上方に所定の隙間が形成されるようにワーク(24)を配置させる。図7においては、研磨パッド(23)の中心軸kとワーク(24)の中心軸hとを一致させずに(即ち、ずらして)、ワーク(24)を配置している。続いて、研磨パッド(23)およびワーク(24)をそれぞれ中心軸kおよび中心軸hを中心として回転(自転)させ、必要に応じて研磨液を両者間の隙間に供給する。研磨液は、例えば研磨がCMP(化学的機械研磨)である場合には、ワーク(24)と化学反応するようなものである。
【0007】
続いて、研磨パッド(23)およびワーク(24)を回転させた状態を維持したまま、ワーク保持装置(25)を下向きに垂直移動させてワーク(24)またはガイドリング(27)を研磨パッド(23)に接触させ、更に軸部(25a)に沿って所定の押圧力を加える。更に、ワーク保持装置(25)の一端から流体をワーク保持装置(25)内の空間部(22)に供給し、この流体の圧力によってワーク(24)が研磨パッド(23)に均一に押し付けられるようにして、研磨を開始する。研磨は、ワーク(24)の研磨パッド(23)への押し付けを止めることにより終了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体ウェハは一般に、シリコン基板上に多数の材料が積層されることに起因して、その表面に、周期が数cm、振幅が数μmのうねりが存在する。半導体ウェハの研磨に際しては、このうねりに起因する起伏はそのままにして、被加工面に存在する微細な凹凸部だけを研磨により平坦化させる必要がある。そのためには、研磨パッドをこのうねりに追随させるようにして研磨を実施することが望ましい。
【0009】
半導体ウェハのうねりを、研磨パッドに追随させる方法としては、研磨パッドが厚さ方向に圧縮する性質を利用することが考えられる。しかし、通常使用される厚さ0.8〜1.3mm程度の研磨パッドは、19.6kPa程度の圧力を加えたときには、約5μm程度圧縮されるにすぎず、また、研磨パッドが取り付けられている定盤は通常、ステンレスや御影石のような固いものであるから、それ自体はまったく圧縮変形できない。従って、半導体ウェハに存在するうねり等の形状寸法如何によっては、研磨パッドの圧縮性を利用して半導体ウェハーのうねり等を研磨パッドに吸収させるには限界がある。
【0010】
更に、研磨パッドの平面度が悪い場合、即ち、研磨パッドの研磨面にもうねり又は凹凸が生じている場合には、両者のうねり等の位置関係によっては両者の密着性が更に悪くなる場合がある。ここで、半導体ウェハの研磨に使用される研磨パッドの平面度について考察してみるに、当該研磨パッドは一般に粘弾性を有するため、平面度が良好となるように定盤上に取り付けることは難しい。また、研磨パッドの平面度は使用により低下するが、粘弾性を有する研磨パッドは、ドレッシングしても平面度を向上させにくいものである。このように、半導体ウェハの研磨に際し、研磨パッドの圧縮性のみによって半導体ウェハと研磨パッドとの間の密着性を確保することは、研磨パッドの性質上、極めて困難である。
【0011】
そこで、図7を参照して説明したように、流体の圧力を利用して半導体ウェハを研磨パッドに追随させることが行われている。しかし、流体がワークを介して研磨パッドに及ぼす圧力は、研磨パッドの形態如何にかかわらず、研磨パッドの全面において一定であるために、うねりの部分とそれ以外の部分とでは、半導体ウェハと研磨パッドとの間に生じる圧力に差が生じることとなる。換言すれば、うねりが生じている部分では、流体の圧力が半導体ウェハーを研磨パッドへ追随させるのに専ら用いられるために、研磨パッドとの間で生じる圧力は小さくなる傾向にある。半導体ウェハと研磨パッドとの間の圧力が不均一であることは、研磨の均一性を損なう要因となる。
【0012】
このように、一般に使用されている研磨装置により、半導体ウェハ等のワークにおける研磨の均一性を確保することは決して容易ではない。本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、より均一な研磨を可能とする研磨方法を提供することを第1の課題とする。
【0013】
更に、化学反応を伴うCMPにおいては、研磨パッドの研磨面(およびワークの被加工面)の研磨中の温度もまた、研磨レートおよび研磨の均一性等を決定する要素となる。従って、研磨中、研磨パッドの研磨面の温度を精度良くコントロールできれば、研磨の質をより向上させることが可能となる。そこで、本発明は、研磨パッドの研磨面の温度コントロールが容易に、かつ精度良く実施される研磨装置を提供することを第2の課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第の課題を解決するため、本発明は、ワークの被加工面を研磨する研磨工具であって、1つの平面を形成するように延在している薄板状物の一方の面に研磨パッドを保持して成り、薄板状物が、厚さ方向よりも面方向に相対的に大きい熱伝導率を有する熱伝導異方性シートを含むものである研磨工具を提供する。この研磨工具は、研磨パッドを定盤にではなく薄板状物に取り付け、研磨パッドが薄板状物とともに、例えば半導体ウェハーであるワークに存在するうねりに追随し得るようにしたものである。従って、薄板状物は、その曲げ剛性がワークの曲げ剛性よりも小さいものであることが好ましい。
【0015】
薄板状物は、湾曲することなく1つの平面を形成した状態、即ち、面方向にある程度張力が作用した状態で研磨工具を構成するのが好ましい。従って、薄板状物は、上述のようにワークに追随し得るような曲げ剛性を有するとともに、張力によって破断することがないよう、面方向の強度がある程度大きいものでなければならない。従って、薄板状物はステンレス合金、またはこれと同程度の引張破断強度を有するものであることが好ましい。
【0016】
薄板状物は金属製シートであることが好ましい。具体的には、厚さ0.05〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.2mmのステンレス(例えば、SUS316)またはハステロイ等から成るシート状物であることが好ましい。
【0017】
薄板状物を1つの平面を形成した状態に維持するためには、薄板状物の外周を引っ張って張力を作用させることが好ましい。
【0018】
上記本発明の研磨工具は、ワークおよびガイドリングを保持するワーク保持装置、ならびにワークに対して研磨パッドを相対的に移動させる手段とともに本発明の研磨装置を構成する。この研磨装置において、ワーク保持装置は、ワークおよびガイドリングを保持するワーク保持ヘッド、ならびにワークが保持されたときにワークおよびワーク保持ヘッドとともに空間部を形成し得るシール部材を有し、当該空間部に流体を供給することができるようになっている。当該空間部は、ワークと隣接しており、当該空間部に供給される流体はそれが有する圧力により、ワークの被加工面を研磨パッドに均一に押し付ける役割をする。
【0019】
ワーク保持ヘッドは、ワークおよびガイドリングを直接的または間接的に取り付ける面を有する部分に相当する。ワーク保持ヘッドは、例えば、真空吸着用の管路を有していて、ワークを真空吸着により保持できるようなものであってよい。このワーク保持装置においては、ワーク保持ヘッドにシール部材が取り付けられるため、ワークはシール部材を介して間接的にワーク保持ヘッドに取り付けられることとなる。
【0020】
シール部材は、ワークとワーク保持ヘッドとの間において所定体積の空間部が形成されるよう、ワーク保持ヘッドに取り付けられる。従って、シール部材は、その外径がワークの直径とほぼ等しい環状部材であることが好ましく、その高さは、形成しようとする空間部の体積に応じて適宜選択される。例えば、シール部材は幅2〜10mm程度のリング状部材とすることが好ましい。シール部材は、例えば、発泡ポリウレタンのような弾性材料で形成することが好ましい。
【0021】
ガイドリングは、研磨中にワークがワーク保持ヘッドから外れることを防止するために、ワークを囲むように配置される環状体である。ガイドリングは、ワークの縁ダレを防止するために、ガイドリングの研磨パッドと対向する面(この面を「研磨面」とも呼ぶ)がワークの被加工面と面一となるように配置される。
【0022】
ワーク保持装置は、ワークおよびガイドリングを保持するワーク保持ヘッド、ワークが保持されたときにワークの被加工面とは反対側の面に隣接する弾性体膜、ならびにワーク保持ヘッドおよび弾性体膜とともに空間部を形成し得るシール部材を有し、当該空間部に流体を供給することができるようになっているものであってよい。このワーク保持装置において、ワークは弾性体膜を介してワーク保持ヘッドに取り付けられ、流体が供給される空間部は弾性体膜を介してワークに隣接することとなる。弾性体膜は、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、またはポリウレタンから成るものであることが好ましい。
【0023】
真空吸着によりワークを保持する場合、弾性体膜には吸着用の小孔が形成される。従って、そのような弾性体膜とワーク保持ヘッドおよびシール部材とで形成される空間部は密閉性を有しないものとなるが、ワークを保持させると、小孔部分では、ワーク、ワーク保持ヘッドおよびシール部材で空間部が形成され、それにより空間部の密閉性が確保されることとなる。
【0024】
更に、本発明の研磨装置においては、ワーク保持装置が、ワーク保持ヘッド、シール部材およびガイドリングにより形成される空間部を有し、当該空間部に流体を供給することができるようになっていることが好ましい。当該空間部に供給された流体はそれが有する圧力により、ガイドリングの研磨面、即ち、ワーク保持装置に取り付けられたときにワークの被加工面と面一となるガイドリングの面を研磨パッドに押し付ける役割をする。ガイドリングを流体の圧力を利用して研磨パッドに押し付けることにより、研磨中に生じるワークの被加工面とガイドリングの研磨面との間の段差を小さくすることができ、従って、ワーク外周部の研磨過剰または研磨不足を防止できる。
【0025】
ガイドリングは、一般に、例えばポリアセタール樹脂等の剛性材料で形成され、それ自体変形しない。従って、流体の圧力によりガイドリングを研磨パッドを押し付けるためには、シール部材は弾性を有し、流体の圧力が作用したときに変形して、ガイドリングが研磨パッドに押し付られるように、ガイドリングの位置を、例えば上下に変化させ得るようなものであることが好ましい。そのようなシール部材としては、例えば、シリコンゴムまたはフッ素ゴムのような弾性体から成るO−リングを使用できる。
【0026】
本発明の研磨装置においてワークを研磨パッドに押し付けるのに使用する流体は、空気またはその他の気体であることが好ましく、ワークおよび研磨パッドに悪影響を及ぼさない限りにおいて、水等の液体であってもよい。ガイドリングを研磨パッドに押し付けるのに使用する流体も同様である。
【0027】
本発明の研磨装置は更に、研磨パッドをワークの被加工面に向かって押し付ける研磨パッド押圧手段を含むことが好ましい。この研磨パッド押圧手段は、研磨パッドの一部分である押圧部分に圧力を加え、それにより押圧部分をワークに向かって押し付けるようになっているものであることが好ましい。ここで、研磨パッドの押圧部分とは、ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する部分をいう。後述するように、研磨パッドをワークの被加工面に押し付ける際、当該押圧部分とワークの被加工面とは互いに重なるように位置させられる。所定の押圧部分にのみ圧力を加えることで、押圧に起因して生じる研磨パッドの面方向の引張張力が研磨パッド全体に作用しないため、研磨パッドの耐久性(または寿命)に及ぼす影響を小さくできる。
【0028】
研磨パッド押圧手段は、流体の圧力を研磨パッドの押圧部分に伝達することにより当該押圧部分を研磨パッドに押し付けるものであることが好ましい。流体は空気またはその他の気体であることが好ましく、ワークおよび研磨パッドに悪影響を及ぼさない限りにおいて、水等の液体であってもよい。
【0029】
本発明の第2の課題、即ち研磨液の温度制御に関する課題を解決するために、本発明の研磨工具は、上記研磨工具を構成する薄板状物が厚さ方向よりも面方向に相対的に大きい熱伝導率を有する熱伝導異方性シートを含む。熱伝導異方性シートを含む薄板状物は、例えば、熱伝導異方性シートに金属製シートを積層したものであってよく、その場合、薄板状物の金属製シートの表面に研磨パッドを保持させる。好ましくは、薄板状物は、熱伝導異方性シートを2枚の金属製シートで挟んだ積層体である。
【0030】
面方向に大きい熱伝導率を有する熱伝導異方性シートは、それに加えられた熱を専ら面方向において均一に伝導する性質を有する。よって、当該工具を研磨装置に組み込み、薄板状物の研磨パッドを保持した面とは反対側の面の側から、例えば加熱した場合、熱伝導異方性シートは与えられた熱を面内で均一に拡散させ、従って、研磨パッドの面全体が均一に加熱されることを可能にする。
【0031】
本発明で使用される熱伝導異方性シートは、その面方向の熱伝導率と厚さ方向の熱伝導率の比が4:1〜10:1であることが好ましく、8:1〜10:1であることがより好ましい。熱伝導率の比が4:1よりも小さい場合には面方向における熱伝導が不十分となって所期の効果が得られず、10:1よりも大きい場合にはシートの縁部からの放熱量が大きくなり、研磨パッドを十分に加熱できないおそれがある。
【0032】
熱伝導異方性シートとして好ましく用いられるものとして、グラファイト系シートが挙げられる。本発明では特に面方向の熱伝導率が400W/(m・K)以上、1000W/(m・K)以下であって、面方向の熱伝導率と厚さ方向の熱伝導率との比が4:1〜10:1であるグラフファイト系シートを用いることが好ましい。400W/(m・K)以下であると面方向における熱伝導が不十分となって研磨パッドを均一に加熱できず、1000W/(m・K)以上であると面方向に伝導された熱がシートの縁部から放熱されやすくなり、研磨パッドの加熱または冷却効率が悪くなるおそれがあり、好ましくない。
【0033】
また、熱伝導異方性シートは、その厚さが0.05〜0.2mm程度であることが好ましい。厚さが小さすぎると強度が不十分となって、例えば、研磨パッドをワークの被加工面に押し付ける際に熱伝導異方性シートが破断するおそれがあり、厚さが大きすぎる場合には曲げ剛性値が高くなり均一な圧力伝達に支障をきたす。
【0034】
上記グラファイト系シートは、例えば特開平3−75211号公報に記載の方法で製造できる。特開平3−75211号公報には、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリ(ピロメリットイミド)、ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンベンゾイミダゾール)、ポリ(フェニレンベンゾビスイミダゾール)、ポリチアゾール、およびポリパラフェニレンビニレンのうちから選ばれた少なくとも1種類の高分子フィルムを、不活性ガス中で2400℃以上の温度で熱処理することにより得られるグラファイトを圧延処理してフィルム状のグラファイトシートを得る方法が記載されている。
【0035】
熱伝導異方性シートを挟む金属製シートは、ステンレス(例えば、SUS316)またはハステロイ等から成るシート状物であることが好ましい。また、熱伝導異方性シートを2枚の金属製シートで挟む場合には、2枚の金属製シートを合わせた厚さが0.05〜0.5mmとなるように、それぞれの厚さを選択するとよい。2枚の金属製シートは、それぞれ異なる厚さを有していてよい。
【0036】
上記のように薄板状物が熱伝導異方性シートを有する研磨工具を組み込んだ研磨装置において、研磨パッドの温度を制御する手段を、薄板状物の研磨パッドが保持されている面とは反対側の面の側(即ち研磨パッドの裏面側)に設けることが好ましい。研磨パッドの温度を制御する手段とは、研磨パッドを所定の温度とするための加熱または冷却装置であり、必要に応じて、研磨パッドの温度を検出する手段、および検出した温度情報に基づいて加熱または冷却装置を制御するコントローラを更に含む。研磨パッドの温度を制御する手段は、例えば、電熱ヒータ、温風ブロー等の加熱装置、または例えば、ペルチェ効果を利用する熱電冷却素子等の冷却装置であってよい。研磨装置には、加熱装置および冷却装置の双方が設けられていてよく、必要に応じて加熱または冷却のいずれをも実施できるようにしてよい。
【0037】
続いて、上記第1の課題を解決する、本発明の研磨方法について説明する。本発明の研磨方法は、1つの平面を形成するように延在している薄板状物の一方の面に研磨パッドを保持して成る研磨工具を用い、ワーク保持装置に保持されたワークの被加工面を研磨する方法であって
ガイドリングを、ワークを囲み、その研磨面がワークの被加工面と面一となるようにワーク保持装置に取り付けること;
ワークの被加工面を流体の圧力によって研磨パッドに押し付けること;および
研磨パッドをワークに対して相対的に移動させること
を含む方法において、
ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する研磨パッドの一部分を押圧部分とし、当該押圧部分を、研磨パッド押圧手段により、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付ける流体の圧力と同じ圧力にてワークの被加工面に押し付け、
研磨パッドの押圧部分がワークの被加工面と重なるように、ワーク保持装置および研磨パッド押圧手段を位置させる
ことを特徴とする研磨方法である。この方法は、例えば、上記において説明した本発明の研磨工具および研磨装置を使用して実施できる。
【0038】
ワークの研磨は、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付け、両者の間に圧力を生じさせ、ワークに対して研磨パッドを相対的に移動させて行う。研磨パッドが保持されている薄板状物の曲げ剛性がワークよりも小さい場合には、研磨パッドの平面度が悪くても研磨パッドをワークのうねりに追随させやすい。なお、研磨を実施する際に、ワークを研磨パッドに対して垂直方向に押し付けた場合に、押し付けた部分が下側へ撓みすぎないようにする必要がある。従って、研磨中、薄板状物には適度な張力を作用させることが好ましい。張力の好ましい範囲は前述したとおりである。
【0039】
本発明の方法は、ワークの被加工面が流体の圧力によって研磨パッドに押し付けられることを含む。流体の圧力は、先に説明した研磨工具を使用してワークに隣接する空間部内に所定圧力の流体を存在させることにより、ワークの被加工面に伝達される。そして、伝達された圧力によってワークの被加工面は研磨パッドに押し付けられる。流体の好ましい圧力範囲は、ワーク、研磨パッドおよび研磨液の種類、ならびに研磨条件等に応じて決定される。例えば、シリコンから成る半導体基板に、絶縁膜として酸化膜を形成し、この膜をシリカを砥粒として含む研磨液を用いてCMP法により研磨する場合、流体の圧力は、4.9〜49kPa、より好ましくは19.6〜39.2kPaとすることが好ましい。
【0040】
ワークの被加工面は、流体の圧力のみならず、それとワーク保持装置の軸部に沿って加えられる圧力とを組み合わせて研磨パッドに押し付けてよい。その場合、流体の圧力は、ワーク保持装置の軸部に沿って加えられる圧力と同じか或いはそれよりも大きくすることが好ましい。流体の圧力がワーク保持装置の軸部に沿って加えられる圧力よりも大きいと、流体がワークの外縁部より漏出する。その場合、流体は、流体の圧力がワーク保持装置の軸部に沿って加えられる圧力と均衡のとれた状態になるまで漏出し、従って、ワークに加えられる流体の圧力はワーク保持装置の軸部に沿って加えられる圧力と同じになる。
【0041】
ワークに対して研磨パッドを相対的に移動させる方法としては、研磨パッドを、その中心軸を回転軸として回転(自転)させる方法がある。その場合、研磨パッドの中心軸はワークの中心軸と一致しないように(即ち、ずらされて)配置させることが好ましい。また、研磨パッドの回転に加えて、ワークを、その中心軸を中心として回転させ、更に必要に応じて水平方向に揺動させてもよい。研磨パッドの回転条件等は、ワークおよび研磨パッドの種類等に応じて決定でき、ワークの被加工面内における相対速度分布が一様となることを条件として、常套的な研磨条件を任意に採用できる。従って、ここではその詳細な説明を省略する。
【0042】
本発明の研磨方法においては、ワークの被加工面およびガイドリングの研磨面(即ち、研磨パッドに触れる面)を同一圧力の流体で研磨パッドに押し付ける。それにより、研磨中に生じるワークの被加工面とガイドリングの研磨面との間の段差を小さくすることができ、従って、ワーク外周部における研磨過剰または研磨不足を防止できる。
【0043】
更に、本発明においては、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付けたときに、研磨パッドがその厚さ方向において変形することを抑制するために、研磨パッドをワークの被加工面に押し付けて研磨を実施する。研磨パッドのワークの被加工面への押し付けは、研磨パッド押圧手段によって行う。研磨パッド押圧手段とは、ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する研磨パッドの一部分を押圧部分としたときに、この押圧部分をワークに押し付け得るものである。研磨パッドの押圧部分の押し付けは、研磨パッドの押圧部分がワークの被加工面と重なるように、即ち、研磨パッドの押圧部分がワークの被加工面と一致する又はそれを含むように、ワーク保持装置および研磨パッド押圧手段を位置させて行う。それにより、研磨パッドがワークの被加工面全体に押し付けられることとなる。
【0044】
研磨パッドの押圧部分をワークに押し付けることにより、研磨パッドの平面度が研磨の均一性に及ぼす悪影響をより軽減することができ、ワークと研磨パッドとの間に生じる圧力の均一性をより向上させた状態で、研磨を実施できる。
【0045】
研磨パッドの押圧部分をワークの被加工面に押し付ける際に研磨パッドの押圧部分に加える圧力は、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付ける際にワークの被加工面に加えられる流体の圧力と同一にする。従って、流体の圧力を研磨パッドの押圧部分に伝達することによって当該部分をワークの被加工面に押し付ける場合、ワークの被加工面および研磨パッドの押圧部分に作用する流体の圧力は同一とする。ワークの被加工面の両側(または表裏側)から同一の圧力を作用させることにより、ワークの被加工面は均衡のとれた状態となり、その位置が研磨パッド側またはワーク保持装置側へ大きく変動することがなく、従って、安定的に研磨を実施することが可能となる。
【0046】
本発明の研磨方法は研磨パッドの温度を制御することを含んでよく、それにより、ワークの被加工面と研磨パッドとが接触する付近の温度を一定にすることができ、一定の研磨レートにて均一な研磨を実施することが可能となる。研磨パッドの温度制御は、研磨パッドを加熱または冷却することにより行う。この場合、研磨パッドの面内における温度の均一性を確保するため、研磨工具は前述の熱伝導異方性シートを有する薄板状物を含むものであることが好ましい。研磨パッドの加熱または冷却は、研磨工具を構成する薄板状物の研磨パッドが保持されている面とは反対側の面の側、即ち研磨パッドの裏面側から実施されることが好ましい。なお、研磨パッドの温度は、研磨液、ワークおよび研磨パッドの種類、ならびに研磨条件等によって、その最適範囲が決定される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1の(a)は、本発明の研磨工具を構成する薄板状物(1)の一例を示す厚さ方向の模式的断面図である。図示した態様において、薄板状物(1)は円形であり、2枚の円形の金属製シート(1a)が円形の熱伝導異方性シート(1b)を挟み込んで成るものである。この場合、金属製シート(1a)は、2枚を合わせた厚さが上記の好ましい厚さの範囲0.05〜0.5mmとなるように、その厚さを選択する。かかる態様の薄板状物は、例えば、厚さ0.1mmのグラファイト系シートを、厚さ0.05mmのステンレス製シート2枚で挟むことによって形成できる。
【0048】
図1の(b)は、薄板状物(1)が保持手段(2)により保持されている様子を示している。保持手段(2)は薄板状物(1)に張力を作用させて、薄板状物(1)を厚さ方向において撓ませることなく、1つの平面を形成するように延在させている。保持手段(2)は、例えば、環状のクリップ部材であって、円形の薄板状物に均等に張力を加えられるようなものである。
【0049】
図1の(c)は、保持手段(2)によって保持されている薄板状物(1)に研磨パッド(3)を保持させる様子を示している。研磨パッド(3)を薄板状物(1)に保持させる方法としては、例えば、粘着テープまたは接着剤等で研磨パッド3)を薄板状物(1)に貼付する方法がある。研磨パッド(3)は、薄板状物(1)を保持手段(2)で保持する前に薄板状物(1)に貼付等してよい。
【0050】
研磨パッド(3)はワークの種類等に応じて常套的に用いられているものを選択することができる。例えば、半導体基板上に形成された絶縁膜を研磨する場合、研磨パッドは発泡ポリウレタン等であってよい。また、その厚さは、通常用いられている研磨パッドの厚さと同程度、即ち0.8〜1.3mm程度であってよい。
【0051】
次に、ワークおよびワーク保持装置を図2に示す。図2に示すワーク保持装置(5)は、流体供給管路および真空管路である流体用管路(5b)を有し、この流体用管路(5b)を介して真空吸引することにより、ワーク(4)をワーク保持ヘッド(6)に取り付ける。ワーク(4)のワーク保持ヘッド(6)への取り付けは、ワーク(4)を研磨パッドの上方に位置させるべく搬送する際に、ワーク(4)がワーク保持装置(5)から外れないようにするために必要である。
【0052】
ワーク保持装置(5)には、弾性材料から成るシール部材(8a)が取り付けられている。シール部材(8a)は、後述するように、ワーク(4)が取り付けられたときに、ワーク(4)およびワーク保持ヘッド(6)とともに、図3に示すようにワーク(4)に隣接する空間部(5d)を形成する。空間部(5d)は、ワーク(4)を搬送する際には真空(もしくは低圧)状態になっており、ワーク(4)の被加工面を研磨パッドに押し付ける際には所定圧力の流体で満たされる。
【0053】
図示した態様においては、ワーク保持ヘッド(6)に、弾性材料から成るシール部材(8b)が取り付けられている。シール部材(8b)は、ワーク保持ヘッド(6)およびガイドリング(7)とともに空間部(5e)を形成している。当該空間部(5e)は流体を供給する流体用管路(5c)と繋がっており、この管路(5c)を経由して流体が空間部(5e)に供給される。そして、ガイドリング(7)は空間部(5e)内の流体の圧力によって研磨パッドに押し付けられるようになっている。
【0054】
図3に示すように、ワーク保持装置(5)に保持されたワーク(4)は、研磨パッド押圧手段(9)と対向する位置に移動させられ、研磨パッド(3)の上方に所定の隙間をあけて配置される。ワーク(4)がワーク保持装置(5)に保持された状態では、ワーク(4)、シール部材(8a)およびワーク保持ヘッド(6)により、流体が供給され得る空間部(5d)が形成される。流体は、流体用管路(5b)を介して空間部(5d)に送り込まれる。
【0055】
図示した態様において、研磨パッド押圧手段(9)は研磨パッドの押圧部分(3a)を流体の圧力によってワーク(4)の被加工面に押し付けるようになっている。研磨パッド押圧手段(9)は、流体を供給する流体用管路(9a)、流体の漏出を防止するためのシール部材(8c)、およびシール部材(8c)により形成される空間部(9b)を含んで成る。空間部(9b)には、流体用管路(9a)を介して所定圧力の流体が送り込まれ、流体の圧力はこの空間部(9b)から研磨パッド(3)に均一に伝達される。従って、研磨パッド(3)の押圧部分(3a)の形状寸法は、シール部材(8c)の外周部によって画定されることとなり、図示した態様ではワーク保持装置(5)に取り付けられたガイドリング(7)の外縁部で画定される領域をちょうど含む形状寸法を有している。
【0056】
図4に示すように、ワーク保持装置(5)は研磨パッド(3)に向かって、ワーク(4)が研磨パッドの押圧部分(3a)と重なるように(両者を重ねたときにワーク(4)が研磨パッドの押圧部分(3a)内に収まるように)、ワーク(4)と研磨パッド(3)とが接触するまで移動する。図示した態様ではワーク(4)とシール部材(8a)との間が固着されていないため、後の工程において空間部(5d)に流体を供給したときに流体が漏出する可能性があるが、それを防止するために、ワーク保持装置(5)の軸部(5a)に沿って圧力をワーク(4)に加えることが好ましい。また、図示するように、研磨を開始する前に研磨液(10)を研磨パッド(3)に供給してよい。
【0057】
続いて、図5に示すように空間部(5d)および空間部(5e)に流体を供給し、当該圧力をワーク(4)およびガイドリング(7)に伝達させることによりワーク(4)の被加工面およびガイドリング(7)の研磨面を研磨パッド(3)に押し付ける。空間部(5d)および(5e)に供給する流体は、いずれも空気またはその他の気体であることが好ましく、その圧力は同一とすることが好ましい。また、ワーク保持装置(5)の軸部(5a)に沿ってワーク(4)に圧力を加えている場合、流体の圧力は、その圧力と同じか或いは大きくすることが好ましい。
【0058】
具体的には、例えば、ワークがシリコンから成る半導体基板に酸化膜から成る絶縁膜を形成したものである場合には、ワーク(4)およびリテーナリング(7)に加える流体の圧力は4.9〜49kPaとし、ワーク保持装置(5)の軸部(5a)に沿ってワーク(4)に加える圧力は流体の圧力と同じかあるいはそれより小さくすることが好ましい。
【0059】
図5に示す態様においては、シール部材(8c)によって画定される研磨パッドの押圧部分が、流体用管路(9a)を経由して空間部(9b)に供給された流体により、ワーク(4)の被加工面に押し付けられている。供給される流体は空気またはその他の気体であることが好ましい。流体の圧力は空間部(5d)および(5e)に供給される流体の圧力と同一とすることが好ましい。
【0060】
そして、研磨パッド(3)を運動させることにより、研磨パッド(3)をワーク(4)に対して相対的に移動させる。図示した態様においては、研磨パッド(3)を、研磨パッド(3)およびワーク(4)の加圧方向に対して垂直な面で、左右方向に直線運動させている。直線運動に加えて、あるいはそれに代えて、研磨パッドをその中心軸を回転軸として回転(自転)させてもよい。
【0061】
また、研磨パッド(3)の運動に加えて、あるいはそれに代えて、ワーク(4)を運動させてよい。ワーク(4)の運動はワーク保持装置(5)を適当な駆動手段を用いて運動させることにより実施する。ワーク(4)は研磨パッド(3)と同じように直線運動させてよく、あるいはその中心軸を回転軸として回転(自転)させてもよい。ワーク(4)を運動させる場合には、ワーク(4)の被加工面と研磨パッド(3)の押圧部分(3a)とが互いに重なり合った状態を維持するために、ワーク(4)の運動に合わせて研磨パッド押圧手段(9)を運動させる必要がある。
【0062】
研磨パッド(3)の運動条件、および必要に応じてワーク(4)を運動させる際の運動条件は、いずれも研磨パッド、ワークおよび研磨液の種類等に応じて適宜決定することができる。例えば、シリコンから成る半導体基板に絶縁膜として酸化膜を形成したワークを研磨する場合において、上述した範囲の圧力を有する流体を供給し、ワーク保持装置(5)の軸部(5a)に沿って圧力を加えるときは、研磨パッド(3)をその中心軸が5〜50mmの振幅で往復運動するように移動させるとよい。
【0063】
本発明の研磨方法は、更に研磨パッドの温度制御を伴うものであってよい。研磨パッドの温度制御は、適当な温度制御手段、例えば加熱装置または冷却装置によって実施される。図6に示すように、温度制御手段(11)は、研磨工具の薄板状物(1)の研磨パッド(3)が貼付された面とは反対側の面の方向に設けられる。図示した態様では、温度制御手段は、研磨パッド(3)の一部のみを直接加熱するようになっているが、研磨工具の薄板状物(1)に熱伝導異方性シート(1b)が設けられているので、研磨パッド(3)は、その研磨面全体にわたって実質的に均一に温度制御される。なお、図示していないが、本発明の研磨装置には、研磨パッドの温度を検出する手段、および検出された温度情報に基づいて加熱装置等を制御するコントローラが含まれていてもよい。
【0064】
研磨は、ワーク(4)の被加工面の研磨パッド(3)への押し付け、および研磨パッド(3)のワーク(4)の被加工面への押し付けを同時に止めることによって完了する。研磨終了後、ワーク(4)を真空吸着により再びワーク保持装置(5)で保持し、ワーク(4)を所定の場所へ移動させるとよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の研磨工具は、研磨パッドを曲げ剛性がワークのそれよりも小さい薄板状物上に保持させるため、研磨パッドの平面度が悪い場合であっても、ワークのうねりに研磨パッドを比較的追随させやすいという利点を有する。そして、本発明の研磨工具を含む研磨装置を用い、流体の圧力によりワークの被加工面を研磨パッドに押し付けることを含む方法によって研磨を実施すると、ワークの被加工面と研磨パッドとの間で生じる圧力を均一にすることができ、従って、ワークを均一に研磨することが可能となる。更に、研磨パッドの所定部分をワークの被加工面に押し付けることによって、研磨パッドの厚さ方向における変形を有効に防止して、安定した研磨を実施できる。
【0066】
また、本発明の研磨装置は、研磨工具の薄板状物の研磨パッドが保持されている面の裏面側に研磨パッド温度制御手段を設けることにより、例えばCMP法で研磨を実施する場合に研磨レートを最適化することが可能となる。更に、熱伝導異方性シートを含む薄板状物を研磨工具として用いると、研磨パッドはより均一に温度制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1の(a)〜(c)は、それぞれ本発明の研磨工具を構成する各段階を示す模式図である。
【図2】 図2はワーク保持装置の模式的断面図である。
【図3】 図3は本発明の研磨方法の一例における一工程を示す模式的断面図である。
【図4】 図4は本発明の研磨方法の一例における一工程を示す模式的断面図である。
【図5】 図5は本発明の研磨方法の一例における一工程を示す模式的断面図である。
【図6】 図6は本発明の研磨方法における研磨パッドの温度制御工程の一例を示す模式的断面図である。
【図7】 図7は従来の研磨方法を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1...薄板状物、1a...金属製シート、1b...熱伝導異方性シート、2...保持手段、3...研磨パッド、3a...押圧部分、4...ワーク、5...ワーク保持装置、5a...軸部、5b...流体用管路、5c...流体用管路、5d...空間部、5e...空間部、6...ワーク保持ヘッド、7...ガイドリング、8a...シール部材、8b...シール部材、8c...シール部材、9...研磨パッド押圧手段、9a...流体用管路、9b...空間部、10...研磨液、11...温度制御手段、21...定盤、22...空間部、23...研磨パッド、24...ワーク、25...ワーク保持装置、25a...軸部、26...ワーク保持ヘッド、27...ガイドリング、28...シール部材。

Claims (13)

  1. ワークの被加工面を研磨する研磨工具であって、1つの平面を形成するように延在している薄板状物の一方の面に研磨パッドを保持して成り、薄板状物が、厚さ方向よりも面方向に相対的に大きい熱伝導率を有する熱伝導異方性シートを含むものである研磨工具。
  2. 薄板状物が、厚さ方向よりも面方向に相対的に大きい熱伝導率を有する熱伝導異方性シートを2枚の金属製シートに挟んだ積層体である請求項に記載の研磨工具。
  3. 熱伝導異方性シートがグラファイト系シートであり、金属製シートがステンレス製シートである請求項または請求項に記載の研磨工具。
  4. ワークの被加工面を研磨パッドにより研磨する装置であって:
    a)請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨工具;
    b)ワークおよびガイドリングを保持するワーク保持ヘッド、ならびにワークが保持されたときにワークおよびワーク保持ヘッドとともに空間部を形成し得るシール部材を有し、当該空間部に流体が供給され得るワーク保持装置;ならびに
    c)ワークに対して研磨パッドを相対的に移動させる手段
    を含む研磨装置。
  5. ワークの被加工面を研磨パッドにより研磨する装置であって:
    a)請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨工具;
    b)ワークおよびガイドリングを保持するワーク保持ヘッド、ワークが保持されたときにワークの被加工面とは反対側の面に隣接する弾性体膜、ならびにワーク保持ヘッドおよび弾性体膜とともに空間部を形成し得るシール部材を有し、当該空間部に流体が供給され得るワーク保持装置;ならびに
    c)ワークに対して研磨パッドを相対的に移動させる手段
    を含む研磨装置。
  6. ワーク保持装置が、ワーク保持ヘッド、シール部材およびガイドリングにより形成される空間部を有し、当該空間部に流体が供給され得るものである請求項またはに記載の研磨装置。
  7. 研磨パッドをワークの被加工面に押し付ける研磨パッド押圧手段を更に含み、研磨パッド押圧手段は、ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する研磨パッドの一部分を押圧部分とした場合に、当該押圧部分に圧力を加えるものである請求項のいずれか1項に記載の研磨装置。
  8. 研磨パッド押圧手段が、研磨パッドの押圧部分に流体の圧力を伝達することにより、研磨パッドの押圧部分をワークの被加工面に押し付けるものである請求項に記載の研磨装置。
  9. 薄板状物の研磨パッドが保持されている面とは反対側の面の側に、研磨パッドの温度を制御する手段を有する請求項のいずれか1項に記載の研磨装置。
  10. 1つの平面を形成するように延在している薄板状物の一方の面に研磨パッドを保持して成る研磨工具を用い、ワーク保持装置に保持されたワークの被加工面を研磨する方法であって
    ガイドリングを、ワークを囲み、その研磨面がワークの被加工面と面一となるようにワーク保持装置に取り付けること;
    ワークの被加工面を流体の圧力によって研磨パッドに押し付けること;および
    研磨パッドをワークに対して相対的に移動させること
    を含む研磨方法において、
    ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する研磨パッドの一部分を押圧部分とし、当該押圧部分を、研磨パッド押圧手段により、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付ける流体の圧力と同じ圧力にてワークの被加工面に押し付け、
    研磨パッドの押圧部分がワークの被加工面と重なるように、ワーク保持装置および研磨パッド押圧手段を位置させる
    ことを特徴とする研磨方法
  11. 1つの平面を形成するように延在している薄板状物の一方の面に研磨パッドを保持して成る研磨工具を用い、ワーク保持装置に保持されたワークの被加工面を研磨する方法であって
    ガイドリングを、ワークを囲み、その研磨面がワークの被加工面と面一となるようにワーク保持装置に取り付けること;
    ワークの被加工面およびガイドリングの研磨面を同一圧力の流体で研磨パッドに押し付けること;ならびに
    研磨パッドをワークに対して相対的に移動させること
    を含む研磨方法において、
    ワーク保持装置に取り付けられたガイドリングの外縁部で画定される領域内に収まり、かつワークの被加工面を完全に覆う形状寸法を有する研磨パッドの一部分を押圧部分とし、当該押圧部分を、研磨パッド押圧手段により、ワークの被加工面を研磨パッドに押し付ける流体の圧力と同じ圧力にてワークの被加工面に押し付け、
    研磨パッドの押圧部分がワークの被加工面と重なるように、ワーク保持装置および研磨パッド押圧手段を位置させる
    ことを特徴とする研磨方法。
  12. 請求項10または11のいずれか1項に記載の方法において、薄板状物の研磨パッドを保持している面とは反対側の面の側から、研磨パッドを加熱または冷却することにより研磨パッドの温度を制御することを特徴とする研磨方法。
  13. ワークの被加工面およびガイドリングの研磨面を、ワーク保持装置に圧力を加えることにより研磨パッドに押し付けることを含む請求項1〜1のいずれか1項に記載の研磨方法。
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