JP2001198801A - 研磨装置および研磨方法 - Google Patents

研磨装置および研磨方法

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JP2001198801A
JP2001198801A JP2000012931A JP2000012931A JP2001198801A JP 2001198801 A JP2001198801 A JP 2001198801A JP 2000012931 A JP2000012931 A JP 2000012931A JP 2000012931 A JP2000012931 A JP 2000012931A JP 2001198801 A JP2001198801 A JP 2001198801A
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polishing
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polishing pad
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Tomohiro Kawa
友宏 側
Keinosuke Kaneshima
敬之介 金島
Katsuki Shingu
克喜 新宮
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの被加工面を制御された温度にて化学
的機械研磨(CMP)法により平坦化するのに適した研
磨装置および研磨方法に関する。 【解決手段】 研磨パッドホルダー(5)内に弾性体(2)を
介して研磨パッド(1)に接するように空間(14)が形成さ
れている研磨工具(100)を使用し、空間(14)へ流体(11)
を供給する第1経路(13)における流体の圧力を、空間(1
4)から流体を排出する第2経路(15)における流体の圧力
よりも大きく維持して、流体を空間(14)へ供給し空間(1
4)から排出させることにより、空間(14)内で流体の流れ
を生じさせるとともに、空間(14)内の流体の圧力を実質
的に所定値に保ち、空間(14)内の流体の圧力を弾性体
(2)を介して研磨パッド(1)に伝達することにより研磨パ
ッド(1)をワークに押し付け、空間(14)内に供給する流
体の温度を制御しながら、研磨パッド(1)をワークに対
して相対的に移動させてワークを研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク(被加工
物)の被加工面を研磨により平坦化するのに適した研磨
装置および研磨方法に関し、特に半導体基板に配線を形
成する工程において、配線形成面または配線の上に形成
した絶縁材料層を、制御された温度にて化学的機械研磨
法により平坦化するのに適した研磨装置および研磨方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワークの被加工面を研磨により平
坦化する加工方法は、多種多様な分野において適用され
ている。その一例として、半導体ウェハの配線工程にお
ける平坦化加工を挙げることができる。
【0003】半導体ウェハの配線工程は、例えば、次の
ように実施される。すなわち、半導体ウェハに、例えば
Al、W、Cu等の導電材料から成る配線を形成した
後、SiO2等の絶縁材料を積層した場合にあっては、
絶縁材料を研磨して平坦化させることが、多層配線プロ
セスのフォトリソグラフィー工程における焦点深度を確
保するために必要である。また、半導体基板に溝部を設
け、この溝部の中に導電材料が埋め込まれるように導電
性材料の膜を形成した後、隣接する溝部内の導電性材料
の絶縁を確保するために、溝部内にある導電性材料の頂
面と基板の頂面とが面一となるように平坦化させる必要
がある。
【0004】上記のような平坦化加工を実施するに際し
ては、化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishin
g;CMPと略す場合がある)法が採用される場合が多
い。CMP法は、研磨液が被加工面でワークと化学反応
することを利用して実施する研磨である。従って、均一
な研磨レートにて、良好な加工精度が達成されるように
研磨を実施するためには、研磨液とワークとの化学反応
を安定的に進行させる必要がある。
【0005】なお、加工精度とは、目的とする加工量
(研磨においては一般に除去されたワークの厚さで表さ
れる)に対する実際の加工量の均一さの度合いに相当
し、一般には、研磨後のワークにおいて最も厚さが大き
い箇所と最も厚さの小さい箇所の厚さの差で表すことが
できる。したがって、目的とする加工量が同じである場
合には、厚さの差が大きいほど加工精度が悪いことにな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】研磨液とワークとの化
学反応に影響を及ぼすファクターの1つとして温度があ
る。例えば、被加工面における研磨液、ワークおよび研
磨パッドの温度が低すぎると、反応が円滑に進行せず、
研磨(加工)レートが低下する場合がある。一方、研磨
時に発生する摩擦熱によって研磨液の温度が高くなる
と、研磨液の気化に起因して研磨液に含まれる砥粒(例
えばシリカ、アルミナ)が凝集し、凝集した砥粒によっ
て被加工面にスクラッチが生じるおそれがある。この凝
集は研磨液の温度が80℃以上になると顕著に認められ
る。このように、CMP法においては、被加工面付近の
研磨液、ワークおよび研磨パッドの温度は、研磨効率の
みならず研磨後のワークの品質にも影響を及ぼす。
【0007】更に、研磨パッドの研磨面が高温に曝され
ると、その寿命が短くなることが判っている。例えば、
研磨パッドが発泡ポリウレタン製である場合には、その
温度が70℃を超えると、変質が開始し、表層において
気泡の目つぶれが生じる。そのような研磨パッドによっ
ては、もはや研磨を進行させることが難しくなり、取り
替えを余儀なくされる場合が多い。同様に、ワークの周
囲に設けられるPOM(ポリオキシメチレン)製のリテ
ーナリングも高温下では変形または劣化しやすい。
【0008】従って、被加工面付近の研磨液、ワークお
よび研磨パッドの温度を制御できれば、研磨(化学反
応)を最適条件下で進行させること、研磨後のワークの
品質を向上させること、および研磨装置の研磨パッドお
よびリテーナリングを長期間使用することが可能になる
と考えられる。そこで、CMP法による研磨を、何らか
の温度制御を伴って実施することが試みられてきた。
【0009】例えば、特開平9−55361号公報にお
いては、研磨中の半導体ウェハ表面の温度をその半導体
ウェハの面内において均一になるように制御するべく、
半導体基板保持機構に複数の温度調節素子を備えた半導
体製造装置が開示されている。同様に特開平8−216
023号公報および特開平8−25214号公報におい
てもワークの温度を制御することが開示されている。ま
た、特開平7−221054号公報においては摺接面に
おける研磨布の温度上昇を定盤の加熱によって行うこと
が、特開平8−243915号公報においては研磨液の
温度を制御することが記載されている。
【0010】これらはいずれも、定盤に取り付けた研磨
布または研磨パッドに半導体ウェハ等のワークを押し付
け、研磨布または研磨パッドをワークに対して相対的に
移動させることにより研磨を実施する研磨装置または研
磨方法に関するものである。そのような研磨装置等にお
いて使用される研磨布または研磨パッドは、一般にその
直径が600mmよりも大きい。このように大きな研磨布
を、定盤との間に気泡を生じさせることなく、また、研
磨布等に皺を生じさせることなく定盤に貼付することは
難しい。即ち、定盤の直径が大きいほど、研磨布等の貼
付作業には熟練度が要求され、このことは研磨工程全体
の効率を低下させる一因となっていた。
【0011】また、半導体ウェハは一般に、シリコン基
板上に多数の材料が積層されることに起因して、その表
面に周期が数cm、振幅が数μmのうねりが存在するが、
半導体ウェハの研磨に際しては、このうねりに起因する
起伏はそのままにして、被加工面に存在する微細な凹凸
部だけを研磨により平坦化させる必要がある。そのため
には、研磨パッドを当該うねりに追随させるようにして
研磨を実施することが望ましい。
【0012】そこで、本出願人は、研磨パッドの貼付作
業が容易であり、かつワークのうねりに対する研磨パッ
ドの追随性を向上させた研磨装置を特開平7−2017
88号公報において提案している。当該装置の模式的断
面図を図4に示す。当該装置においては、研磨パッド
(401)は弾性体(402)に貼付され、研磨工具内には加
圧した流体を収容できる空間(403)が形成されてい
る。流体の圧力は弾性体(402)を介して研磨パッド(4
01)に伝達されて、それにより研磨パッド(401)はワ
ーク(404)のうねりに追随するように押し付けられ
る。その結果、ワーク(404)の被加工面を均一な研磨
レートで研磨することが可能となる。研磨は、研磨パッ
ド(401)がワーク(404)に押し付けられた状態で、研
磨パッド(401)およびワーク(404)をそれぞれ回転さ
せることによって行う。当該装置によれば直径300mm
程度の小径の研磨パッドを使用できる。
【0013】本発明は、小径の研磨パッドを用い、加圧
した流体によって研磨パッドをワークに押し付け、研磨
パッドをワークに対して相対的に移動させることにより
ワークを研磨する上記の装置および方法において、被加
工面付近の研磨パッドおよび/またはワークが所定温度
となるように制御することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、研磨パッドの温度を制御するシステムを
備えて成る研磨装置であって、当該システムが、 1)研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側の面に
貼付された弾性体、および研磨パッドホルダーを含み、
研磨パッドホルダーは研磨パッドの研磨面に対して垂直
に延在する軸部を有しており、研磨パッドホルダー内に
は弾性体を介して研磨パッドに接するように空間が形成
されている研磨工具; 2)前記空間に流体を供給する第1経路であって、一部
が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第1経路; 3)前記空間から流体を排出する第2経路であって、一
部が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第2経
路; 4)前記空間に供給される流体の温度を制御する手段;
ならびに 5)前記空間内の流体の圧力を制御する手段を含んで成
ることを特徴とする第1の研磨装置を提供する。
【0015】第1の研磨装置は、研磨工具の研磨パッド
ホルダー内に弾性体を介して研磨パッドに接するように
形成された空間(この空間を「研磨パッドホルダー内の
空間」または単に「空間」とも呼ぶ)内の流体の圧力を
制御しつつ、流体が、第1経路を介して実質的に連続し
て空間に供給され、そして第2経路を介して空間から排
出されるようにすることで、空間内で流体の流れを発生
させ、それにより流体と研磨パッドとの間で熱交換が連
続的に行われることを可能にしている。従って、研磨
中、流体の温度を制御し、制御された温度の流体を空間
内へ供給すれば、流体との熱交換によって研磨パッドを
所定の温度に制御することが可能となり、ひいては研磨
時の被加工面付近の温度を制御することが可能となる。
なお、本明細書において「流体」とは、流動性を有する
気体および液体を意味する。
【0016】空間内における流体の流れは、具体的に
は、流体を第1経路を経由させて空間に供給し、前記空
間から第2経路を介して流体を排出させることによって
生じ得る。このとき、第2経路における流体の圧力は第
1経路における流体の圧力よりも小さい。従って、空間
内の流体の圧力は、第1経路における流体の圧力と第2
経路における流体の圧力との間の値となる。よって、本
発明において「空間内の圧力を実質的に所定値に保つ」
とは、流体の流れを生じさせながらも、空間内の流体の
圧力を一定値に保つ意味で使用される。空間内の流体の
圧力は、弾性体を介して研磨パッドに伝達され、それに
より研磨パッドがワークに押し付けられることを確保す
る。あるいは、供給する流体の圧力および排出させる流
体の圧力をともに所定値に制御することにより、空間内
の流体の圧力をより精度良く所定値に保つことができ
る。
【0017】なお、空間内の流体の圧力は、何らかの理
由で例えば研磨パッドに対して外部から大きな力が作用
して空間が変形し、それにより空間内の流体の圧力が一
時的に大きく又は小さくなることがあり得るが、その場
合には第1経路に供給される流体の圧力を小さく又は大
きくすることにより、あるいは第2経路から排出する流
体の流量を瞬時に大きくする又は小さくすることによっ
て極めて短時間で所定圧力に戻すことができる。上記の
「空間内の圧力を『実質的に』所定値に保つ」とは、こ
のように短時間の間に空間内の流体に圧力変化が生じる
場合には、そのような圧力変化が短時間で是正される態
様をも含むことを意味している。
【0018】また、本発明は、ワークおよびリテーナリ
ングの温度を制御するシステムを備えて成る研磨装置で
あって、当該システムが、 1)ワークを支持固定するワーク固定盤; 2)ワーク固定盤に取り付けられたワーク温度調節手段
およびワーク温度検出器; 3)ワーク温度調節手段を制御する手段; 4)リテーナリングの研磨面とは反対側の面の側に位置
するように取り付けられたリテーナリング温度調節手段
およびリテーナリング温度検出器;ならびに 5)リテーナリング温度調節手段を制御する手段を含ん
で成ることを特徴とする第2の研磨装置を提供する。
【0019】第2の研磨装置は、ワークおよびリテーナ
リングを加熱または冷却してその温度を制御することに
より、良好な研磨レートを確保し、また、研磨液の温度
上昇を防止して研磨液中の砥粒の凝集を防止するもので
ある。なお、温度調節手段とは、対象物(ここではワー
クおよびリテーナリング)を加熱および/または冷却す
る手段であって、後述の温度制御手段により作動が制御
され得るものを意味し、温度検出器とは、対象物の温度
情報、例えば対象物の温度や温度の経時変化を測定する
ものを意味する。また、温度調節手段を制御する手段と
は、温度検出器からの温度情報と目的とする温度(設定
温度)に基づいて、対象物の温度を所定温度とするため
に温度調節手段の作動を制御するものを意味する。
【0020】第2の研磨装置は、ワークおよびリテーナ
リングにそれぞれ独立した温度調節手段、温度検出器お
よび温度調節手段を制御する手段が配設されていること
を特徴とする。これは、ワークの被加工面の材料(例え
ばSiO2)およびリテーナリングの材料(例えばPO
Mのようなポリアセタール樹脂)の熱伝導率が異なり、
研磨時に生じる摩擦熱がリテーナリングにおいて蓄熱さ
れやすいことに対応するためのものである。即ち、両者
を同一の温度とするには、加熱または冷却の度合いをそ
れぞれ異なるようにする必要があり、そのため、ワーク
およびリテーナリングを独立して温度制御できるように
している。
【0021】ワークおよびリテーナリングの温度を制御
するシステムを備えた上記第2の研磨装置は、先に述べ
た第1の研磨装置に含まれる研磨パッドの温度制御シス
テムをも備えたものであってよく、その場合には、ワー
クの被加工面の温度をより高い精度で制御することが可
能となる。
【0022】本発明はまた、研磨パッドをワークに対し
て相対的に移動させることによりワークを研磨する方法
であって、研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側
の面に貼付された弾性体、および研磨パッドホルダーを
含み、研磨パッドホルダーは研磨パッドの研磨面に対し
て垂直に延在する軸部を有しており、研磨パッドホルダ
ー内には弾性体を介して研磨パッドに接するように空間
が形成されている研磨工具を使用し、前記空間へ流体を
供給する経路における流体の圧力を前記空間から流体を
排出する経路における流体の圧力よりも大きく維持し
て、前記空間へ流体を供給し前記空間から流体を排出す
ることにより前記空間内において流体の流れを生じさせ
るとともに、前記空間内の流体の圧力を実質的に所定値
に保ち、前記空間内の流体の圧力を弾性体を介して研磨
パッドに伝達することにより研磨パッドをワークに押し
付け、前記空間に供給する流体の温度を所定範囲内にあ
る温度に制御し、流体と研磨パッドとの間で熱交換を生
じさせることを特徴とする第1の研磨方法を提供する。
【0023】この方法は、例えば、上記第1の研磨装置
を用いて実施できる。空間に供給される流体の温度を所
定範囲内にある温度に制御することにより、化学反応を
伴う研磨を良好な加工レートで進行させることが可能と
なり、また研磨液の温度の上昇を防止し、それにより研
磨液中に含まれる砥粒が凝集することを防止する。
【0024】また、本発明は、研磨パッドをワークに対
して相対的に移動させることによりワークを研磨する方
法において、ワーク固定盤に支持されたワークの温度
を、ワークの被加工面の反対側の面の側に位置するワー
ク温度調節手段を制御することにより、所定範囲内にあ
る温度に制御し、ワークの周囲に設けられたリテーナリ
ングの温度を、リテーナリングの研磨面の反対側の面の
側に位置するリテーナリング温度調節手段を制御するこ
とにより、所定範囲内にある温度に制御することを特徴
とする第2の研磨方法を提供する。
【0025】この研磨方法は、例えば上記第2の研磨装
置によって実施できる。ワークおよびリテーナリングの
温度は、ワークおよび研磨液の種類等に応じて適宜設定
することができる。ワークおよびリテーナリングの温度
は、同じ温度となるように制御する必要は必ずしもな
く、例えば、ワークを加熱し、リテーナリングを冷却し
てよい。
【0026】上記第1の研磨方法と第2の研磨方法とは
組み合わせることができる。その場合には、研磨パッド
ホルダー内の空間に供給される流体、ワークおよびリテ
ーナリングの温度を、それぞれ異なる温度に設定しても
よい。3系統の独立した温度制御によって、ワークの研
磨をより有利に進行させることが可能となる。
【0027】更に本発明の研磨方法においては、温度お
よび/または流量が所定範囲内にある研磨液を供給して
もよい。研磨液の温度および/または流量をも制御する
ことで、研磨レート等をより精度良く制御でき、研磨後
のワークの品質をより向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の装置および方法の
実施の形態を説明する。最初に、本発明の第1の研磨装
置および当該研磨装置によって実施される本発明の研磨
方法について説明する。本発明の第1の研磨装置は、研
磨パッドの温度を制御するシステムを備えて成る研磨装
置であって、当該システムが、 1)研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側の面に
貼付された弾性体、および研磨パッドホルダーを含み、
研磨パッドホルダーは研磨パッドの研磨面に対して垂直
に延在する軸部を有しており、研磨パッドホルダー内に
は弾性体を介して研磨パッドに接するように空間が形成
されている研磨工具; 2)前記空間に流体を供給する第1経路であって、一部
が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第1経路; 3)前記空間から流体を排出する第2経路であって、一
部が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第2経
路; 4)前記空間に供給される流体の温度を制御する手段;
ならびに 5)前記空間内の流体の圧力を制御する手段を含んで成
るものである。
【0029】本発明の第1の研磨装置において用いられ
る研磨工具は、研磨パッドの研磨面に対して垂直に延在
する軸部を有し、かつ内部に弾性体を介して研磨パッド
に接するように空間が形成された研磨パッドホルダーを
有する。研磨パッドホルダー内の空間は、圧力が制御さ
れた流体を収容するためのものである。当該空間の一面
は、ワークに対向する面に研磨パッドが貼付された弾性
体によって画定されており、それにより空間内に存在す
る流体の圧力が弾性体を介して研磨パッドに伝達される
ことが確保される。
【0030】弾性体は例えば薄いステンレス板のダイヤ
フラムで形成することが好ましい。また研磨パッドは、
ワークの種類に応じて適当なものを選択でき、例えば半
導体ウェハー上に形成されたSiO2から成る膜を研磨
する場合には、発泡ポリウレタンであることが好まし
い。研磨パッドの形状寸法は、ワークの形状寸法に応じ
て決定でき、例えば、直径4〜12インチ(約100〜
300mm)の略円形の半導体ウェハーを研磨する場合に
は、半導体ウェハーの直径よりも100mm程度大きい直
径を有する円形の研磨パッドを用いるとよい。
【0031】研磨工具は、研磨パッドホルダーの軸部を
貫通し、研磨パッドの中央部から研磨液を排出させる研
磨液供給経路を有していてよい。その場合、研磨パッド
および弾性体の中央部には、研磨液の供給が確保される
ように開口部を設ける必要がある。
【0032】本発明の第1の研磨装置においては、流体
を空間に供給するための第1経路の一部、および流体を
空間から排出させるための第2経路の一部が研磨工具を
貫通している。第1経路および第2経路の一部は、好ま
しくは研磨パッドホルダーの軸部を貫通する。第1経路
の一端は、研磨パッドホルダー内の空間に供給される流
体の供給源に接続され、他端は当該空間に通じている。
第2経路の一端は当該空間に通じており、他端は流体を
排出するために研磨装置外に通じている。
【0033】流体は第1経路を経由して空間に供給され
る。第1経路における流体の圧力は、2次側の圧力を所
定値に維持できる適当な圧力調節手段によって、所定値
に維持される。圧力調節手段としては、例えば、圧力調
整弁があり、これは流体供給源と研磨工具との間で第1
経路に介在させるとよい。
【0034】また、第2経路における流体の圧力を所定
値に維持しつつ、流体を第2経路を経由させて排出させ
るには、弁を第2経路に設けて、不必要に大量の流体が
排出されるのを防止することが好ましい。第1経路にお
ける流体の圧力が圧力調整弁によって所定値に維持され
る場合、第2経路から一定の流量にて流体を排出させれ
ば、第2経路における流体の圧力もまた近似的に所定値
に維持されることとなる。このように流体を排出させる
弁としては、ニードル弁またはダイヤフラム弁等の流量
調整弁がある。流量調整弁は必要に応じて圧力計ととも
に第2経路に設けるとよい。圧力計は、第2経路の圧力
に応じて、流量調整弁の開閉度を初期設定するために用
いられる。なお、この場合、「圧力を制御する手段」
は、第1経路に設けられた圧力調節手段、好ましくは第
1経路に設けられた圧力調節手段および第2経路に設け
られた流量調整弁で構成されることとなる。
【0035】第2経路には、上述のような流量調整弁の
代わりに、所定圧力を超えると全開し所定圧力未満では
全閉する弁を設けてもよい。その場合、「圧力を制御す
る手段」は、第1経路に設けられた圧力調節手段および
当該弁で構成されることとなる。
【0036】あるいは、第2経路には、上述のような流
量調整弁の代わりに、圧力調節手段、即ち、第2経路に
おける圧力が一定となるように第2経路から排出される
流体の流量が随時変化し得る弁(例えば電空レギュレー
タを用いる弁)を第2経路に設けてもよい。その場合、
「圧力を制御する手段」は、第1経路に設けられた圧力
調節手段と、第2経路に設けた圧力調節手段とで構成さ
れることとなる。
【0037】なお、第2経路における流体の圧力は、第
1経路における流体の圧力よりも小さいため、空間内の
流体は、研磨パッドがワークに押し付けるのに必要な圧
力を提供しながら空間内を通過する。そして後述するよ
うに、供給される流体はその温度が制御されているか
ら、空間内を通過する流体とワークとの間では連続的な
所定の熱交換が生じることとなる。
【0038】本発明において使用される流体は、空気ま
たは窒素等の気体であることが好ましい。また、ワーク
および研磨パッドに悪影響を及ぼさない限りにおいて、
流体は水等の液体であってもよい。
【0039】本発明においては、空間内の流体の圧力は
研磨パッドがワークに押し付けられるよう、研磨装置の
周辺雰囲気の圧力よりも高い圧力となるように制御され
る。具体的には、第1経路における流体のゲージ圧力を
19.6〜49kPa(0.2〜0.5kgf/cm2)とし、
第2経路における流体の圧力を第1経路における流体の
圧力よりも約490Pa(約0.005kgf/cm2)小さく
して流体を排出させることが好ましい。従って、空間内
の流体の圧力は、第1経路における流体の圧力とそれよ
りも約490Pa(約0.005kgf/cm2)程度小さい圧
力との間の値をとる。なお、本発明において、ゲージ圧
とは、研磨装置、特に研磨パッドの外側の圧力を基準と
する圧力をいう。例えば、研磨が大気圧下で実施される
場合には、ゲージ圧は絶対圧力から大気圧の圧力を引い
た値に相当する。
【0040】弾性体を介して伝達された流体の圧力によ
り、研磨パッドはワークのうねりに追随するようにワー
クに押し付けられる。その結果、ワークのうねりに起因
する起伏はそのままにして、被加工面に存在する微細な
凹凸部だけを研磨により平坦化させることが可能とな
る。
【0041】空間内を流れる流体は、それと研磨パッド
との間で生じる連続的な熱交換によって研磨パッドが所
定範囲内の温度に維持されるように、温度制御されて空
間に供給される。従って、本発明の第1の研磨装置は、
空間に供給される流体の温度を制御する手段を備えてい
る。そのような温度制御手段は: 1)流体を加熱および/または冷却することができ、そ
の作動が制御可能である温度調節手段; 2)排出された流体の温度情報を得るための温度検出
器;および 3)温度検出器から得た温度情報と目的とする温度とに
基づいて温度調節手段の作動を制御する制御手段を含ん
で成ることが好ましい。これらは、例えば電気的に接続
して閉ループの制御系を形成するようにするとよい。
【0042】温度調節手段は、研磨工具と流体供給源と
の間の第1経路に設けられる。温度調節手段は、流体を
加熱および/または冷却できるものであればよく、例え
ば熱交換器であってよい。更に本発明においては、空間
に供給される流体の温度は、空間に供給される流体の圧
力を調節する前に調節することが好ましい。従って、圧
力調節手段を第1経路に設ける場合、温度調節手段は、
流体供給源と圧力調節手段との間に配置させるとよい。
即ち、本発明においては供給する流体の圧力を所定値と
することを優先させ、従って、温度を調節した後、更に
圧力を調節した場合に生じる温度変化は無視する、ある
いはその変化を考慮して流体の温度を調節することが好
ましい。
【0043】温度検出器は、第2経路から排出された流
体の温度を測定できるものである。温度検出器は、例え
ば、熱電対または赤外放射温度計であってよい。
【0044】流体の温度制御は具体的には次のようにし
て実施される。例えば、何らかの理由で空間内が高温と
なり、温度検出器で検出される流体の温度が高温となっ
た場合には、研磨液の温度も上昇して研磨液中の砥粒の
凝集が生じるおそれがあるため、供給される流体の温度
を下げる必要があり、従って、温度調節手段を制御する
手段は供給される流体が冷却されるように温度調節手段
を制御する。反対に、温度検出器で検出された流体の温
度が低温であり、それにより研磨液の温度が降温して研
磨レートが小さくなるおそれがある場合には、温度調節
手段を制御する手段は供給される流体が加熱されるよう
に温度調節手段を制御する。制御は、適当な制御手段、
例えばコンピュータによって行うとよい。
【0045】供給される流体の温度は、研磨液、研磨パ
ッドおよびワークの種類、研磨条件(例えば研磨パッド
の回転数)等に応じて適宜設定するとよい。例えば、半
導体ウェハーにSiO2等から成る絶縁膜を形成し、当
該絶縁膜を、アンモニア水溶液にSiO2等を砥粒とし
て分散させた研磨液を用いて、発泡ポリウレタン製の研
磨パッドにより研磨する場合、良好な研磨レートの確保
と研磨液中の砥粒の凝集の防止が達成できるよう、研磨
パッドの温度は50〜70℃に維持されることが望まし
く、そのためには流体の温度を20〜80℃に制御する
ことが好ましい。
【0046】ワークの研磨は研磨パッドをワークに対し
て相対的に移動させることにより実施される。従って、
本発明においては、研磨工具は研磨パッドホルダーの軸
部の中心軸を中心として回転できるように構成されるこ
とが望ましい。その場合には、回転中においても、上記
第1経路を介して流体を供給し、第2経路を介して流体
を排出できるように、第1および第2経路をロータリー
ジョイントに接続することが好ましい。
【0047】上記において説明した研磨パッドの温度制
御システムの一例を具体的に図1に示す。温度制御シス
テムは、研磨工具(100)、第1経路(13)、第2経路
(15)、流体の圧力制御手段として圧力調整弁(10)、
流量調整弁(16)および圧力計(17)、ならびに流体の
温度調節手段として熱交換器(12)を含んでいる。
【0048】研磨工具(100)は、研磨パッド(1)、
弾性体(2)、および研磨パッドホルダー(5)を含
み、研磨パッドホルダー(5)内には空間(14)が形成
されており、研磨パッドホルダー(5)の軸部(5a)
には研磨液供給経路(8)が設けられている。研磨液供
給経路(8)は、研磨液供給源(7)に接続されてお
り、研磨液(6)が研磨パッド(1)の中央部から供給
されるようになっている。研磨パッド(1)は研磨液を
供給できるように中央に開口部を有する構成であり、開
口部の外周が内周側取付部材(3)で、研磨パッドの外
縁部が外周側取付部材(4)で気密的に研磨パッドホル
ダー(5)に取り付けられている。
【0049】研磨工具(100)の研磨パッドホルダーの
軸部(5a)には、第1経路(13)および第2経路(1
5)の一部が貫通しており、それぞれ一端が研磨パッド
ホルダー内の空間(14)に通じている。第1経路(13)
の他端は流体供給源(9)に接続され、第2経路(15)
の他端は流体の排出口として研磨工具外に通じている。
なお、図1においては図面が煩雑になることを避けるた
めに、第1経路および第2経路は、研磨工具内に位置す
る部分のみを図示し、その他の部分については、そこを
通過する流体(11)の流れのみを矢印にて図示する。
【0050】空間(14)に供給する流体(11)は、流体
供給源(9)から、温度調節手段(12)によって所定の
温度に加熱または冷却された後、圧力調整弁(10)に送
られ、そこで所定の圧力にされる。所定圧力に調整され
た流体(11)は、研磨工具(100)内の第1経路を経由
して空間(14)内に送り込まれ、さらに第2経路(15)
を通過して流量調整弁(16)から排出される。図示した
態様において、第2経路(15)は分岐していて、一方は
流量調整弁(16)に、他方は温度検出器(18)に通じて
いる。流量調整弁(16)は、弁の開閉度の調節により流
量を変えることができる。流量調整弁の開閉度は、第1
経路における流体の圧力との関係において第2経路にお
ける流体の圧力を所定値に維持しつつ流体が流量調整弁
(16)から排出されるように、圧力計(17)の示度を観
察しながら行う。空間(14)で流速を生じさせるには、
第2経路における流体の圧力、即ち圧力計(17)が示す
値は、第1経路における流体の圧力、即ち、圧力調整弁
(10)の出口(2次側)における流体の圧力よりも小さ
くなければならず、流量調整弁はこの条件を満たすよう
に調節される。
【0051】温度検出器(18)に送られる流体は、排出
される流体の温度情報を得るために利用される。温度検
出器(18)で得た温度情報は、例えば電気信号に変換さ
れて、熱交換器(12)を制御する制御手段(19)に送ら
れ、当該制御手段(19)は供給される流体の温度を適当
なものとするために熱交換器(12)を制御する。このよ
うに、図示した態様においては、温度検出器(18)、制
御手段(19)および熱交換器(12)によって閉ループの
制御系が構成されており、当該システムによって流体
(11)の温度は制御され安定する。
【0052】図示した態様においては、研磨液が研磨パ
ッドの中央部から供給されるようになっているが、研磨
液は例えばワーク上に滴下してもよく、その場合、図1
に示す研磨液供給経路(8)は不要となり、研磨パッド
の中央部に開口部を形成する必要もなく、研磨パッドは
専ら外縁部で研磨パッドホルダーに保持されることとな
る。
【0053】研磨液は、一定範囲内にある温度に制御し
てワークへ供給してよい。例えば図1に示す態様におい
ては、研磨液供給源(7)に熱交換器等を接続して、研
磨液を所定温度に加熱または冷却するとよい。
【0054】また、研磨液は、100cm3/分程度の流
量でワークへ供給することが好ましい。
【0055】空間内の圧力をより良い精度にて制御する
ためには、第1経路および第2経路の双方に圧力調節手
段を設け、それぞれの経路における流体の圧力が所定値
となるようにすることが好ましい。この場合において
も、第2経路の流体の圧力は第1経路の流体の圧力より
も小さく、従って、空間内の流体の圧力は、第1経路に
おける流体の圧力と第2経路における流体の圧力との間
の値をとることとなる。
【0056】第1経路および第2経路に設ける圧力調節
手段として、例えば、電空レギュレータ(または電磁
弁)を組み合わせた弁を使用できる。圧力制御が可能な
電空レギュレータを第1および第2経路の双方に配する
ことにより、第2経路に流量調整弁を設ける場合より
も、例えば、外的な要因によって空間内の流体の圧力が
変化したときに速やかに所定の圧力に戻すことが可能で
あり、より良い精度で空間内の流体の圧力を制御でき
る。電空レギュレータによれば、外部からの電気信号に
より供給する流体の圧力および排出する流体の圧力を随
時変化させることができる。従って、研磨を実施してい
る間に、いずれか一方または両方の電空レギュレータの
設定圧力を電気信号によって変化させれば、容易に研磨
パッドホルダー内の空間内にある流体の圧力を変更し
得、従って、研磨(加工)条件を外部から容易に変更し
得る。
【0057】例えば、第1経路における流体の圧力が3
9.2kPa(0.4kgf/cm2)となるように第1経路に
設けた第1電空レギュレータを設定し、第2経路におけ
る流体の圧力が38.7kPa(0.395kgf/cm2)と
なるように第2経路に設けた第2電空レギュレータを設
定すれば、第1経路における流体と第2経路における流
体の圧力差は約500Pa(約0.005kgf/cm2)とな
り、空間内における流体の圧力は38.7〜39.2kP
a(0.395〜0.4kgf/cm2)の間に維持される。
また、第1経路における流体の圧力が40.2kPa
(0.41kgf/cm2)となるように第1経路に設けた第
1電空レギュレータを設定し、第2経路における流体の
圧力が39.2kPa(0.40kgf/cm2)となるように
第2経路に設けた第2電空レギュレータを設定すれば、
第1経路における流体と第2経路における流体の圧力差
は約1kPa(約0.01kgf/cm2)となり、先に例示し
た場合の2倍の流速で空間内を流体が移動し、研磨パッ
ドとの間の熱交換がより促進される。この場合、空間内
の流体の圧力は39.2〜40.2kPa(0.40〜
0.41kgf/cm2)の間に維持される。
【0058】電空レギュレータを用いる研磨パッドの温
度制御システムの例を図2に示す。なお、図1と同符号
の部材または要素は、対応する図1の部材または要素と
同じ機能を奏するものであるから、ここではその説明を
省略する。図2において、第1経路および第2経路に
は、それぞれ第1電空レギュレータ(21)および第2電
空レギュレータ(23)が接続されている。各電空レギュ
レータ(21)(23)は流体供給源(9)と接続してお
り、流体供給源(9)の流体の圧力が作用することによ
り、第1経路および第2経路内にある流体の圧力を調整
できるようになっている。第1および第2電空レギュレ
ータ(21)(23)は、それぞれ外部信号(22)(24)に
より、第1経路内および第2経路内の流体の圧力が所定
値になるように制御される。電空レギュレータは遠隔操
作によって制御するものであるから、排出される流体の
圧力は操作部において表示され、従って、図1の圧力計
(17)に相当する圧力計は設置されていない。流体(1
1)は、第2経路(15)から第2電空レギュレータ(2
3)の弁(23a)を経由して排出される。
【0059】次に本発明の第2の研磨装置および当該研
磨装置によって実施される本発明の研磨方法について説
明する。本発明の第2の研磨装置は、ワークおよびリテ
ーナリングの温度を制御するシステムを備えて成り、当
該システムが、 1)ワークを支持固定するワーク固定盤; 2)ワーク固定盤に取り付けられたワーク温度調節手段
およびワーク温度検出器; 3)ワーク温度調節手段を制御する手段; 4)リテーナリングの研磨面とは反対側の面の側に位置
するように取り付けられたリテーナリング温度調節手段
およびリテーナリング温度検出器;ならびに 5)リテーナリング温度調節手段を制御する手段を含ん
で成るものである。
【0060】ワーク固定盤は研磨中、ワークが所定位置
からずれないようにワークを支持固定するものである。
ワーク固定盤は、具体的には、真空吸着用の開口部を有
する吸着盤および真空となる空間を含むものであること
が好ましい。また、ワーク固定盤にはワーク温度調節手
段が取り付けられ、ワークの温度は当該固定盤を介して
ワーク温度調節手段によって調節されるため、ワーク固
定盤は熱伝導率の大きい材料で形成されることが好まし
く、具体的には、テフロンコーティングしたステンレス
またはSiC等から成ることが好ましい。
【0061】ワークの被加工面とは反対側の面の側に位
置するようにワーク固定盤に取り付けられるワーク温度
調節手段およびワーク温度検出器は、できるだけワーク
に近接するように設置することが望ましく、ワークと接
触するように設置することがより望ましい。ワークから
離れていると、ワークを効率良く加熱または冷却するこ
とが困難となり、またワークの温度を正しく検出できな
くなる。
【0062】研磨中、ワークの温度は、研磨液およびワ
ークの種類、ならびに研磨条件等に応じて所定範囲内に
ある温度に制御する必要があり、そのためにはワークを
加熱または冷却する必要がある。ワークの加熱または冷
却は、ワーク温度調節手段によって実施される。ワーク
温度調節手段は、ぺルチェ効果を利用した熱電加熱素子
および/または熱電冷却素子とすることが好ましい。こ
のような素子は、小型であって取り付けが容易であり、
例えば遠隔操作により電流を素子に流すだけでワークを
加熱または冷却できるため、本発明においては好ましく
用いられる。
【0063】また、少なくとも1つの熱電加熱素子およ
び熱電冷却素子をワーク固定盤に取り付け、加熱が必要
な場合には熱電加熱素子に専ら電流を流し、冷却が必要
な場合には熱電冷却素子に専ら電流を流すことによっ
て、ワークの加熱および冷却を自在に実施できるように
してもよい。或いは、ペルチェ効果を利用する1つの素
子において、電流の向きを任意に変化させることによ
り、当該素子が加熱素子および冷却素子の両方として機
能し得るようにしてよい。
【0064】ワーク温度調節手段は複数個設けてよく、
また、ワークを均一に加熱するためにリング形状として
もよい。
【0065】ワーク温度検出器は、ワークの被加工面付
近の温度を測定できるものであればよく、例えば、熱電
対、赤外放射温度計等であってよい。温度検出器は複数
個設けてもよく、その場合には各検出器で測定された温
度の平均をワークの温度とすることができる。
【0066】ワーク温度調節手段を制御する手段は、ワ
ーク温度検出器で得た情報と目的とするワークの温度
(ワークの設定温度)に基づいて、ワーク温度調節手段
を制御するものであり、ワーク温度検出器およびワーク
温度調節手段と電気的に接続され、それらとともに電気
回路を形成する。例えば、ワーク温度検出器にて測定し
たワークの被加工面付近の温度が設定温度よりも高くな
っている場合には、当該制御手段は、ワーク温度調節手
段による冷却を促進するために、必要な電気信号をワー
ク温度調節手段に送る。当該制御手段による温度調節手
段の制御は、例えばコンピュータによって自動的に実施
されることが効率面において望ましい。
【0067】ワーク温度検出器で検出されるワークの温
度の好ましい範囲は、研磨液およびワークの種類、なら
びに研磨条件等に応じて決定される。例えば、半導体ウ
ェハーにSiO2等から成る絶縁膜を形成し、当該絶縁
膜を、アンモニア水溶液にSiO2等を砥粒として分散
させた研磨液を用いて研磨する場合には、良好な研磨レ
ートを確保し、また研磨液の温度上昇による砥粒の凝集
を防止するために、ワークの温度は50〜70℃に制御
することが好ましい。
【0068】リテーナリングは、ワークの外周における
過剰な研磨を防止するために設けられる。従って、リテ
ーナリングは、ワークの全周を囲み、その一方の面が研
磨面としてワークの被加工面と面一となるように配置さ
れる。リテーナリングは、常套的に用いられているもの
を使用でき、例えば、ポリアセタール樹脂(例えばPO
M)のようなエンジニアリングプラスチックから成るも
のを使用できる。
【0069】リテーナリングとワークは研磨パッドによ
って同時に研磨されるが、異なる素材から成るため、熱
伝導率の違いに起因して研磨の際に生じる摩擦熱が異な
り、従って、ワークの被加工面およびリテーナリングの
研磨面における温度はそれぞれ異なることとなる。そこ
で、本発明においては、リテーナリングの温度を独立し
た温度制御システムによって制御する。
【0070】リテーナリング温度調節手段およびリテー
ナリング温度検出器は、リテーナリングの研磨面とは反
対側の面の側に、リテーナリングとできるだけ近接する
ように設置することが好ましく、リテーナリングと接触
するように設置することがより好ましい。リテーナリン
グから離れていると、リテーナリングを効率良く加熱ま
たは冷却することが困難となり、またリテーナリングの
温度を正しく検出できなくなる。
【0071】リテーナリング温度調節手段、リテーナリ
ング温度検出器およびリテーナリング温度調節手段を制
御する手段は、それぞれワーク温度調節手段、ワーク温
度検出器およびワーク温度調節手段を制御する手段と同
様のものである。従って、ここではその詳細な説明を省
略する。またワーク温度調節手段を制御する手段とリテ
ーナリング温度調節手段を制御する手段とは、ワークお
よびリテーナリング温度調節手段がそれぞれ独立して制
御され得る限りにおいて、1つの制御装置として存在し
てよい。
【0072】一般に、POM等のポリアセタール樹脂か
ら成るリテーナリングは、蓄熱しやすく、従って温度が
上昇する傾向にある。温度上昇はリテーナリングの変形
を招くため、研磨中、リテーナリングはその温度が60
℃以下となるように冷却されることが好ましい。
【0073】本発明の第2の研磨装置においては、ワー
クおよびリテーナリングは一体的に回転させ得る回転手
段を有していることが好ましい。具体的には、中心軸を
回転軸として回転(自転)し得るターンテーブル上にワ
ークおよびリテーナリングを配置させることが好まし
い。その場合、ワークおよびリテーナリング温度調節手
段ならびにワークおよびリテーナリング温度検出器に接
続されている配線はターンテーブルのスピンドル軸内に
形成した貫通孔を介して、軸受で回転支持してスピンド
ルに内装するとよく、スピンドルに内装した電気配線は
中空のスリップリングを介してワークおよびリテーナリ
ング温度調節手段を制御する手段に接続するとよい。
【0074】リテーナリングがそれ自体、十分な強度を
有するものでない場合、リテーナリングの研磨面とは反
対側の面に、厚さ方向に対して垂直な方向の断面形状が
リテーナリングのそれと同じであるバックアップ板を配
置し、これでリテーナリングを支持するとよい。その場
合、リテーナリング温度調節手段およびリテーナリング
温度検出器はバックアップ板に取り付けられる。従っ
て、バックアップ板は、これを介してリテーナリング温
度調節手段がリテーナリングを効率良く加熱または冷却
できるよう、熱伝導率の大きい材料から成ることが好ま
しく、具体的には、テフロンコーティングしたステンレ
スから成るものであることが好ましい。バックアップ板
を使用する場合において、ターンテーブルを使用すると
きは、バックアップ板がターンテーブル上に載置される
こととなる。
【0075】上記において説明したワークおよびリテー
ナリングの温度制御システムの一例を図3に示す。図3
において、ワーク(31)は吸着盤(32)および真空空間
(33)を含む固定盤(35)に真空吸着により固定されて
いる。ワーク(31)の温度制御システムは、固定盤(3
5)に埋め込まれた温度検出器(36a)および熱電冷却
素子(37a)、ならびにそれらと電気的に接続されてい
る比較回路(48)を含んでいる。リテーナリング(38)
はワーク(31)の全周に配置され、バックアップ板(3
9)によって支持されている。リテーナリング(38)の
温度制御システムは、バックアップ板(39)の下に配置
された温度検出器(36b)および熱電冷却素子(37
b)、ならびにそれらと電気的に接続されている比較回
路(48)を含んでいる。
【0076】図示した態様において、ワーク(31)の温
度検出器(36a)からの温度情報信号(53)は比較回路
(48)にて設定温度信号(50a)と比較され、比較結果
が制御信号(54)として増幅回路(49)に送られる。増
幅回路(49)に送られた制御信号(54)は、増幅回路
(49)で増幅される設定温度信号(50b)を、温度情報
(53)に基づいてワーク(31)を適切に冷却し得るよう
に変化させる。変化させた信号は電圧を印加する電圧信
号(55)として熱電冷却素子(37a)に送られる。リテ
ーナリング(38)の温度も同様にして制御される。な
お、図3においては、図面が煩雑になることを避けるた
め、ワーク(31)の温度制御に係る信号のみを示してい
る。
【0077】ワーク(31)およびリテーナリング(38)
は、それぞれ固定盤(35)およびバックアップ板(39)
を介してターンテーブル(40)上に載置されている。温
度検出器(36a)(36b)および熱電冷却素子(37a)
(37b)から外部へ通じている電気的な配線(44)は、
スピンドル軸(41)に形成された貫通孔内に通され、軸
受(43)で回転支持されてスピンドル(42)に内装され
る。スピンドル軸(41)は、その中央に真空吸着のため
の流体用経路(45)となる中空管状路(34)を有し、更
に、その周囲に電気配線(44)を配するための電気経路
(46)有している。回転する電気経路(46)は中空のス
リップリング(47)を介して、比較回路(48)および増
幅回路(49)に接続されている。中空管状路(34)はロ
ータリージョイント(51)に接続され、そこから真空ポ
ンプ、または吸着面を洗浄するための純水供給源(52)
に接続される。
【0078】このように、本発明の第2の研磨装置にお
いては、ワークおよびリテーナリングの温度制御をそれ
ぞれ独立して実施することを特徴とする。但し、リテー
ナリングが、ワークと似た物理的および化学的性質を有
する材料、例えば、SiCまたはSiO2等から成る場
合には、ワークとリテーナリングにおいて発生する熱量
が等しくなるため、ワーク温度調節手段およびリテーナ
リング温度調節手段を1つの制御手段によって制御する
ことも可能である。
【0079】上記において説明した第1の研磨装置の研
磨パッドの温度制御システムならびに第2の研磨装置の
ワークおよびリテーナリング温度制御システムは組み合
わせて使用してもよい。その場合、例えば図1に示す研
磨工具の研磨パッドを上方から図3に示すワークに押し
付け、研磨パッドならびにワークおよびリテーナリング
を回転させることにより研磨を実施するとよい。その場
合において、研磨パッドホルダー内の空間に供給する流
体の温度、ワークの温度、およびリテーナリングの温度
は、それぞれ異なる温度範囲となるように制御してよ
い。例えば、半導体ウェハーにSiO2等から成る絶縁
膜を形成し、当該絶縁膜を、アンモニア水溶液にSiO
2等を砥粒として分散させた研磨液を用いて研磨する場
合には、空間に供給する流体の温度は20〜80℃、ワ
ークの温度は50〜70℃、リテーナリングの温度は6
0℃以下に制御することが好ましい。
【0080】なお、上記の説明において示した温度範囲
は、半導体ウェハ上に形成した酸化膜を研磨する場合に
特に適したものであり、ワークの被加工面の素材および
形状等に応じて好ましい温度範囲は変わる。
【0081】以上においては研磨パッドの温度制御シス
テム、ならびにワークおよびリテーナリングの温度制御
システムを中心として本発明の研磨装置および研磨方法
を説明したが、その他の部材または要素については常套
的に用いられているもの、または特開平7−20178
8号公報において用いられているものを任意に採用する
ことができる。例えば、研磨工具は、研磨パッドを回転
させる駆動手段、および研磨パッドをワークへ近づける
ために研磨工具を移動させる手段を含むものであってよ
い。また、研磨工具は、適当な駆動手段によって研磨中
に研磨パッドを水平方向に揺動させ得るものであってよ
い。
【0082】また、本発明の研磨装置および研磨方法
は、CMP法による研磨にのみ適用されるものでなく、
機械的研磨(MP;mechanical polishing)法やメカノ
ケミカルポリッシング(MCP;mechano chemical pol
ishing)法にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】本発明の研磨装置および研磨方法によれ
ば、ワークの被加工面付近における研磨パッドならびに
/またはワークおよびリテーナリングの温度を所定範囲
に制御することができ、それにより効率良く研磨を実施
できるという効果がもたらされる。更に、研磨パッドと
研磨パッドホルダー内の空間内を流れる流体との間で熱
交換が起こるようにすることで、研磨パッドが高温に曝
されることを防止し、研磨パッドの寿命を向上させるこ
とができる。また、リテーナリングの温度を独立して制
御することによって、リテーナリングが高熱により変形
することを有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の研磨装置の研磨パッドの温度制御シ
ステムの一例を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明の研磨装置の研磨パッドの温度制御シ
ステムの一例を示す模式的断面図である。
【図3】 本発明の研磨装置のワークおよびリテーナリ
ングの温度制御システムの一例を示す模式的断面図であ
る。
【図4】 従来の研磨装置の一例を示す模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
100...研磨工具、1...研磨パッド、2...弾性体、
3...内周側取付部材、4...外周側取付部材、5...研
磨パッドホルダー、5a...研磨パッドホルダーの軸
部、6...研磨液、7...研磨液供給源、8...研磨液供
給経路、9...流体供給源、10...圧力調整弁、11...流
体、12...熱交換器、13...第1経路、14...空間、15...
第2経路、16...流量調整弁、17...圧力計、18...温度
検出器、19...制御手段、21...第1電空レギュレータ、
22...外部信号、23...第2電空レギュレータ、23a...
弁、24...外部信号、31...ワーク、32...吸着盤、33...
真空空間、34...中空管状路、35...固定盤、36a...ワ
ーク温度検出器、36b...リテーナリング温度検出器、3
7a...ワーク温度調節手段(熱電冷却素子)、37b...
リテーナリング温度調節手段(熱電冷却素子)、38...
リテーナリング、39...バックアップ板、40...ターンテ
ーブル、41...スピンドル軸、42...スピンドル、43...
軸受、44...電気配線、45...流体用経路、46...電気経
路、47...スリップリング、48...比較回路、49...増幅
回路、50a,50b...設定温度信号、51...ロータリージ
ョイント、52...真空ポンプまたは純水供給源、53...温
度情報信号、54...制御信号、55...電圧信号、401...研
磨パッド、402...弾性体、403...空間、404...ワーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新宮 克喜 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 AA12 AB04 AC04 BA05 BA08 BB04 CB01 CB03 DA17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨パッドの温度を制御するシステムを
    備えて成る研磨装置であって、当該システムが、 1)研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側の面に
    貼付された弾性体、および研磨パッドホルダーを含み、
    研磨パッドホルダーは研磨パッドの研磨面に対して垂直
    に延在する軸部を有しており、研磨パッドホルダー内に
    は弾性体を介して研磨パッドに接するように空間が形成
    されている研磨工具; 2)前記空間に流体を供給する第1経路であって、一部
    が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第1経路; 3)前記空間から流体を排出する第2経路であって、一
    部が研磨パッドホルダーの軸部を貫通している第2経
    路; 4)前記空間に供給される流体の温度を制御する手段;
    ならびに 5)前記空間内の流体の圧力を制御する手段を含んで成
    ることを特徴とする研磨装置。
  2. 【請求項2】 上記圧力を制御する手段が、第1経路に
    おける流体の圧力を所定値にする圧力調節手段を含んで
    成ることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  3. 【請求項3】 上記圧力を制御する手段が、第1経路に
    おける流体の圧力を所定値にする圧力調節手段、および
    第2経路における流体の圧力を所定値にする圧力調節手
    段を含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の研磨
    装置。
  4. 【請求項4】 上記圧力を制御する手段が、第1経路に
    連結している第1電空レギュレータおよび第2経路に連
    結している第2電空レギュレータを含んで成ることを特
    徴とする請求項3に記載の研磨装置。
  5. 【請求項5】 研磨工具が、研磨パッドホルダーの軸部
    を貫通し、研磨パッドの中央部から研磨液を排出させる
    研磨液供給経路を有する、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の研磨装置。
  6. 【請求項6】 ワークおよびリテーナリングの温度を制
    御するシステムを備えて成る研磨装置であって、当該シ
    ステムは、 1)ワークを支持固定するワーク固定盤; 2)ワーク固定盤に取り付けられたワーク温度調節手段
    およびワーク温度検出器; 3)ワーク温度調節手段を制御する手段; 4)リテーナリングの研磨面とは反対側の面の側に位置
    するように取り付けられたリテーナリング温度調節手段
    およびリテーナリング温度検出器;ならびに 5)リテーナリング温度調節手段を制御する手段を含ん
    で成ることを特徴とする研磨装置。
  7. 【請求項7】 ワーク温度調節手段および/またはリテ
    ーナリング温度調節手段が熱電加熱素子および/または
    熱電冷却素子である請求項6に記載の研磨装置。
  8. 【請求項8】 ワークおよびリテーナリングを一体的に
    回転させる回転手段を更に含む請求項6または請求項7
    に記載の研磨装置。
  9. 【請求項9】 リテーナリングの研磨面とは反対側の面
    にバックアップ板が設けられ、リテーナリング温度調節
    手段およびリテーナリング温度検出器が、バックアップ
    板に取り付けられている請求項6〜8のいずれか1項に
    記載の研磨装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    研磨パッドの温度制御システムと、請求項6〜9のいず
    れか1項に記載のワークおよびリテーナリングの温度制
    御システムを備えて成る研磨装置。
  11. 【請求項11】 研磨パッドをワークに対して相対的に
    移動させることによりワークを研磨する方法であって、 研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側の面に貼付
    された弾性体、および研磨パッドホルダーを含み、研磨
    パッドホルダーは研磨パッドの研磨面に対して垂直に延
    在する軸部を有しており、研磨パッドホルダー内には弾
    性体を介して研磨パッドに接するように空間が形成され
    ている研磨工具を使用し、 前記空間へ流体を供給する経路における流体の圧力を前
    記空間から流体を排出する経路における流体の圧力より
    も大きく維持して、前記空間へ流体を供給し前記空間か
    ら流体を排出することにより前記空間内において流体の
    流れを生じさせるとともに、前記空間内の流体の圧力を
    実質的に所定値に保ち、 前記空間内の流体の圧力を弾性体を介して研磨パッドに
    伝達することにより研磨パッドをワークに押し付け、 前記空間に供給する流体の温度を所定範囲内にある温度
    に制御し、 流体と研磨パッドとの間で熱交換を生じさせることを特
    徴とする研磨方法。
  12. 【請求項12】 研磨パッドをワークに対して相対的に
    移動させることによりワークを研磨する方法において、 ワーク固定盤に支持されたワークの温度を、ワークの被
    加工面の反対側の面の側に位置するワーク温度調節手段
    を制御することにより、所定範囲内にある温度に制御
    し、 ワークの周囲に設けられたリテーナリングの温度を、リ
    テーナリングの研磨面の反対側の面の側に位置するリテ
    ーナリング温度調節手段を制御することにより、所定範
    囲内にある温度に制御することを特徴とする研磨方法。
  13. 【請求項13】 研磨パッドをワークに対して相対的に
    移動させることによりワークを研磨する方法であって、 研磨パッド、研磨パッドの研磨面とは反対側の面に貼付
    された弾性体、および研磨パッドホルダーを含み、研磨
    パッドホルダー内に弾性体を介して研磨パッドに接する
    ように空間が形成されている研磨工具を使用し、 前記空間へ流体を供給する経路における流体の圧力を前
    記空間から流体を排出する経路における流体の圧力より
    も大きく維持して、前記空間へ流体を供給し前記空間か
    ら流体を排出することにより前記空間内において流体の
    流れを生じさせるとともに、前記空間内の流体の圧力を
    実質的に所定値に保ち、 前記空間内の流体の圧力を弾性体を介して研磨パッドに
    伝達することにより研磨パッドをワークに押し付け、 前記空間に供給する流体の温度を所定範囲内にある温度
    に制御し、 流体と研磨パッドとの間で熱交換を生じさせ、 ワーク固定盤に支持されたワークの温度を、ワークの被
    加工面の反対側の面の側に位置するワーク温度調節手段
    を制御することにより、所定範囲内にある温度に制御
    し、 ワークの周囲に設けられたリテーナリングの温度を、リ
    テーナリングの研磨面の反対側の面の側に位置するリテ
    ーナリング温度調節手段を制御することにより、所定範
    囲内にある温度に制御することを特徴とする研磨方法。
  14. 【請求項14】 所定範囲内にある温度の研磨液を供給
    する請求項11〜13のいずれか1項に記載の研磨方
    法。
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