JP4401588B2 - 無機複合粒子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆してなる無機複合粒子、該無機複合粒子の製造方法、該無機複合粒子からなる鋳物用又は骨材用の砂、ならびに該無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなる造形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
無機粒子は、金属鋳造工業においては鋳物砂として古くから使われている。また、コンクリート、セメント、石膏等の建材の骨材としても広く利用されている。材質としては、鋳物砂の場合は耐熱性の観点から、また、建材用の骨材の場合は化学的安定性の観点から、シリカ、アルミナ成分を主成分とするものが多い。いずれの場合においても、それらを用いて得られる造形物の密度均一性と表面の平滑性を保つために、無機粒子の特性として、優れた流動性、充填性ならびに成形性が要求される。
【0003】
鋳物砂として、炭素質や黒鉛質のものが提案されている。たとえば、特開平第7−214230号公報には、コークスを黒鉛化してなる成形性、熱安定性、熱伝導性に優れた鋳物砂および該鋳物砂を用いる鋳物の鋳造方法が、また、特開平第9−206880号公報には、炭素系粒子と耐火性骨材とを混合してなる鋳物砂を用いる鋳型製造方法が開示されている。しかしながら、黒鉛および炭素粒子自体の硬度、強度が小さいため、鋳物砂の再利用時に粉化し再生率が低い。また、黒鉛および炭素粒子は多孔質であるため、鋳型形成時にフラン樹脂、フェノール樹脂等の成形用バインダーを多量に必要とし、鋳物砂本来の特性を発現させにくい。
【0004】
一方、無機粒子の黒鉛による被覆方法としては、特開平第9−143502号公報、特開平第10−25501号公報にそれぞれグラファイト被覆金属粒子およびその製造方法、複合粉末の製造方法および該方法により製造された複合粉末が開示されているが、1600℃以上の高温処理や水中での被覆処理を要するため、製造工程が煩雑化したり、無機粒子が変質する恐れがある。また、特開昭第61−169127号公報にはシェルモールド用レジンコーテッドサンドの製造法が開示されているが、得られたレジンコーテッドサンドは、その表面の潤滑性が劣るため、流動性、充填性等の観点から未だ充分に満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決した、優れた流動性、充填性および成形性を有し、さらに熱伝導性、電気伝導性にも優れる、鋳物砂または骨材として好適な無機複合粒子、該無機複合粒子の簡便な製造方法、該無機複合粒子からなる鋳物用又は骨材用の砂、ならびに該無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなる、表面の平滑性、機械特性等に優れる造形物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆してなる無機複合粒子であって、黒鉛の被覆量が無機粒子100重量部に対して0.1〜50重量部であり、かつ黒鉛に対するバインダーの重量比が0.002〜2である無機複合粒子、
〔2〕 無機粒子100重量部に対し、黒鉛0.1〜50重量部および残炭率5〜95%のバインダー0.1〜50重量部を共に混合する工程を含み、かつ得られる無機複合粒子における黒鉛に対するバインダーの重量比を0.002〜2とする、前記〔1〕記載の無機複合粒子の製造方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の無機複合粒子からなる鋳物用又は骨材用の砂、
ならびに
〔4〕 前記〔1〕記載の無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなる造形物、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の無機複合粒子は、無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆してなるものであって、黒鉛の被覆量が無機粒子100重量部に対して0.1〜50重量部であり、かつ無機複合粒子における黒鉛に対するバインダーの重量比(バインダー/黒鉛)が0.002〜2の範囲内にあるものである。当該無機複合粒子は、かかる構成を有するものであるからこそ、優れた流動性、充填性および成形性を発揮し得、さらに熱伝導性、電気伝導性にも優れる。本発明の所望の効果の発現の観点から、黒鉛による無機粒子の被覆量は、無機粒子100重量部に対し、好ましくは0.5〜25重量部である。また、黒鉛に対するバインダーの重量比は、上限が2であり、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下である。一方、下限は0.002であり、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上である。特に、本発明の無機複合粒子は黒鉛に対するバインダーの重量比が前記範囲内にあることを大きな特徴の1つとしている。当該重量比は無機粒子と黒鉛との接着性による無機複合粒子の耐摩耗性の観点から下限値以上であり、その反面、過度に当該重量比を高めると、無機粒子表面に存在する黒鉛の割合が少なくなり、その結果、流動性、充填性、熱伝導性、電気伝導性に優れるという本発明の無機複合粒子の所望の効果が充分には得られにくくなるので上限値以下である。流動性の観点から、当該重量比は0.002〜2であり、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.05〜0.5である。本発明は、無機粒子の黒鉛による被覆量を前記範囲内とし、加えて、とりわけ黒鉛とバインダーの重量比を前記範囲内とすることで、意外にも前記諸特性を最大限に発現する無機複合粒子が得られることを見出したことによるものである。
【0008】
なお、本明細書において、「無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆する」とは、バインダーにより黒鉛を無機粒子表面に付着させて被覆することをいう。黒鉛による無機粒子表面の被覆の程度は、本発明の所望の効果の発現が得られる限り特に限定されるものではない。
【0009】
本発明において用いられる無機粒子としては特に限定されるものではないが、資源および環境に無害であるという観点から、アルミナまたはシリカを主成分とするものが好ましい。特に、酸化アルミニウムおよび/または酸化ケイ素が好ましく、たとえば、珪砂、ムライト、コランダム、シャモット、クリストバラスト、トリジマイト等を挙げることができる。また、黒鉛の被覆し易さ、充填性という観点から、無機粒子の平均粒径としては、好ましくは0.1〜10mmであり、より好ましくは0.2〜2mmである。なお、平均粒径は篩分析法、画像解析法により求めることができる。また、無機粒子の形態としては、流動性、充填性という観点から、球状であることが好ましい。
【0010】
黒鉛としては天然物であるか、人工物であるかを問わず、いずれのものを用いてもよい。従って、本発明においては、天然黒鉛および/または人工黒鉛を好適に用いることができる。本発明の所望の効果の発現の観点からは、その平均粒径は、好ましくは0.001〜1mmであり、より好ましくは0.005〜0.5mmである。黒鉛の形態としては、無機粒子への被覆性という観点から、鱗片状であることが好ましい。
【0011】
また、黒鉛と無機粒子の平均粒径の比(黒鉛の平均粒径/無機粒子の平均粒径)としては、流動性の観点から、好ましくは0.001〜1.0であり、より好ましくは0.01〜0.5である。
【0012】
バインダーは本発明の所望の効果の発現に寄与し得るものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは残炭率5〜95%、より好ましくは残炭率20〜70%を有するフェノール樹脂、フラン樹脂およびピッチからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。残炭率が前記範囲内にある当該樹脂によれば、耐熱性が高いという効果が得られるので好ましい。本発明の無機複合粒子におけるバインダーの量は、無機粒子100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。なお、残炭率(%)は、JIS−K−2425 固定炭素の測定法により求めることができる。
【0013】
次に、本発明の無機複合粒子の製造方法について説明する。本発明の無機複合粒子は、無機粒子に黒鉛とバインダーとをそれぞれ添加し混合して、無機粒子表面をバインダーを用いて黒鉛で被覆することにより得られる。具体的には、本発明の無機複合粒子の製造方法は、無機粒子100重量部に対し、黒鉛0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜25重量部、および残炭率5〜95%、好ましくは20〜70%のバインダーを0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、それぞれ共に混合する工程を含み、かかる工程の後、さらに、好ましくは熱処理の工程を行うことからなり、かつ得られる無機複合粒子における黒鉛に対するバインダーの重量比を上限として2、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、下限として0.002、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上とする方法である。流動性の観点から、当該重量比は0.002〜2であり、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.05〜0.5である。無機粒子、黒鉛およびバインダーの使用量範囲を各々上記範囲内とし、黒鉛とバインダーの重量比を適宜調整することにより、本発明の所望の効果を発現し得る、無機粒子表面が黒鉛で被覆されてなる無機複合粒子が得られる。なお、バインダーとしては、フェノール樹脂、フラン樹脂およびピッチからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0014】
各成分の混合方法は公知の方法に従えばよく特に限定されるものではないが、たとえば、ヘンシェルミキサー、アイリッヒミキサー等の高速攪拌型ミキサーか、パンミル等の加圧型ミキサーで混合することが、あるいはニーダー等で加熱混合することが好ましい。混合は、通常5℃以上の温度で行うのが好ましく、また、加熱混合の場合は60〜200℃で行うのが好ましい。混合時間としては0.5〜120分間とするのが好ましい。また、各成分の添加順序は特に限定されるものではない。なお、混合には、混練の態様を含むものとする。
【0015】
さらに、本発明の所望の効果の発現が阻害されない限り、前記各成分以外の成分、たとえば、マイカ、タルク、カオリン等のケイ酸塩、SiC、BeC等の炭化物、Si3 4 、BN等の窒化物、TiO2 、MgO等の酸化物等を無機複合粒子の製造の際に用いることもできる。
【0016】
熱処理を行う方法も特に限定されるものではなく、たとえば、電気加熱、ガス加熱等により、直接あるいは間接的に行えばよい。熱処理とはバインダー中の溶剤モノマーや低分子量の炭化水素を除去あるいは炭素化することをいい、当該処理の雰囲気も特に限定されるものではないが、たとえば、大気中、窒素中、必要に応じて不活性ガス(Ne、Ar)中で行えばよい。熱処理は、60〜1200℃の温度範囲にて行うのが好ましい。
【0017】
以上の方法により得られる無機複合粒子は無機粒子の表面がバインダーにより黒鉛で被覆されてなるものである。流動性、充填性、分散性という観点から、その形態としては球状であるのが好ましく、その平均粒径は0.1〜10mmであるのが好ましい。なお、本発明の無機複合粒子における▲1▼黒鉛の被覆量および▲2▼黒鉛に対するバインダーの重量比は、無機複合粒子の製造時の各成分の仕込み量や、無機複合粒子のX線回折による黒鉛含有率測定と熱分析により測定される。
【0018】
具体的には、無機複合粒子の製造時における各成分の仕込み量が明らかである場合には、使用される全成分が全て無機複合粒子の製造に使用されることを前提として、▲1▼黒鉛の被覆量は、黒鉛の仕込み量を無機粒子の仕込み量を100重量部として換算することにより求まり、▲2▼黒鉛に対するバインダーの重量比は、バインダーの仕込み量(a)から熱処理後のバインダーの揮発分に相当する重量減量(ΔW)を差し引いたバインダー残量(a−ΔW)を黒鉛の仕込み量(b)で除算することにより求まる。すなわち、(a−ΔW)/bを計算して求める。一方、無機複合粒子の製造時における各成分の仕込み量が不明である場合には、▲1▼黒鉛の被覆量は、X線回折装置(リガク製、RINT2500型、Cu−Kα)を用いて無機複合粒子のX線回折パターンを得、黒鉛に対応する(002)ピーク高さより、無機複合粒子中の黒鉛含有量(B)を求めることにより求まり、▲2▼黒鉛に対するバインダーの重量比は、無機複合粒子の重さ(M1)を測定後、空気気流下、800℃で4時間、当該無機複合粒子を加熱し、加熱後の重さ(M2)を測定し、M1からM2を差し引いて、無機複合粒子中の黒鉛とバインダーの合計量(A)を求め、(A−B)/Bを計算することにより求まる。なお、後述の実施例の表に示す、黒鉛に対するバインダーの重量比および無機粒子100重量部に対する黒鉛の被覆量は、無機複合粒子の製造時の各成分の仕込み量から計算する方法により求めた。
【0019】
本発明の無機複合粒子は各粒子間の滑り性が良好であることから、流動性および充填性に優れる。そのため、当該粒子を鋳物砂や骨材としてなる造形物においては均一な型面を形成できる。さらに、熱伝導性および電気伝導性にも優れる。本発明の無機複合粒子は、鋳物砂や、たとえば、コンクリート用などの骨材として好適に用いることができ、特に、鋳物砂として用いる場合には、再利用も容易である。本発明の無機複合粒子からなる鋳物用または骨材用の砂も本発明に包含される。
【0020】
本発明の造形物は本発明の無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなるものであり、当該無機複合粒子を用いて公知の方法に従って調製することができる。当該造形物は、本発明の無機複合粒子の優れた物性により、種々の物性に優れる。
【0021】
たとえば、無機複合粒子を鋳物砂として用い、シェルモールド法やガス分圧法に従って当該鋳物砂を成形し、所望の形態を有する表面を備えた形状にすることにより鋳型を製造することができる。特にシェルモールド法が好ましい。得られた鋳型は密度が均一であり、熱伝導性に優れ、当該鋳型を用いて鋳物を作製した場合、鋳物が均一に冷却され、鋳物組織の均一化に有効である。また、鋳物製造時におけるクラックの発生が防止される。しかも、優れた表面の平滑性により鋳肌のなめらかな鋳物を鋳造することができる。さらに、機械特性、特に快削性が良好であり、電気伝導性を有することから放電加工等による加工も可能で、快削性鋳型、中子として利用できる。
【0022】
一方、無機複合粒子を、たとえば、コンクリート用の骨材として用いた場合、得られるコンクリートには電気伝導性が付与され、その結果、電磁波シールド機能を発揮し得るようになる。また、無機複合粒子は均一に分散し、コンクリート内で黒鉛が均一に分布することになり、亀裂伝播が抑制され、従って、コンクリートの破壊靱性の向上がもたらされる。
【0023】
【実施例】
実施例および比較例における物性値の測定方法等を以下にまとめて示す。
(1)試料の観察
試料を実体顕微鏡(倍率:30倍;ニコン社製)を用いて観察した。
【0024】
(2)流動性
流動性は、試料の流動時間(秒)および安息角度(°)を測定することにより評価した。流動時間が短いほど、また、安息角度が小さいほど流動性に優れる。流動時間、安息角度は、ホソカワミクロン社製パウダーテスターにより測定した。
【0025】
(3)充填性
充填性は、試料の嵩密度(g/ml)を求めることにより評価した。嵩密度が大きいほど充填性に優れる。嵩密度は、ホソカワミクロン社製パウダーテスターにより測定した。
【0026】
(4)電気伝導性
電気伝導性は、試料の50回タッピング充填層50mm間の電気抵抗(Ω)をテスター(カスタム社製)により測定して評価した。電気抵抗が小さいほど電気伝導性に優れる。なお、前記充填層は、ホソカワミクロン社製パウダーテスターにより作製した。また、後述の表1には、当該充填層の充填密度(g/ml)を示す。
【0027】
(5)熱伝導性
試料100重量部に液状レジン(ノボラックタイプ、住友デュレス製、PR−53522)を1重量部と硬化剤としてヘキサミンを0.1重量部とを添加して混合し、9.8×107 Pa(1t/cm2 )の圧力で直径40mm×厚さ10mmの円板に成形し、110℃で8時間熱処理し、試験ブロックを得た。熱伝導性は、当該試験ブロックの片面を100℃に加熱し、もう片面の温度を熱電対により測定して熱伝導率(W/m・K)を算出し、当該熱伝導率により評価した。熱伝導率が大きいほど熱伝導性に優れる。
【0028】
(6)快削性
熱伝導率の測定に用いたのと同様の試験ブロックの表面を研削し、加工後表面の平滑性を評価した。
【0029】
実施例1および2
実施例1では無機粒子として珪砂(平均粒径:0.22mm)を、実施例2では無機粒子として球状ムライト粒子(平均粒径:0.33mm)を用い、各々5000gに対し、185メッシュ以下の鱗片状黒鉛(平均粒径:0.07mm)250gとレゾールタイプのフェノール樹脂(残炭率:46%;不揮発分76%、住友デュレス製、PR−51708)100gを添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用いて30℃にて1000rpmで5分間混合した後、120℃で16時間熱処理し、無機複合粒子を得た。当該無機複合粒子を実体顕微鏡で観察したところ、遊離の黒鉛はほとんど存在せず、黒鉛が均一に被覆されていることが確認できた。図1に実施例1で得られた無機複合粒子の実体顕微鏡写真を示す。
【0030】
次いで、前記無機複合粒子を鋳物砂として用い、成形用バインダーとして花王ステップS−651を1%添加し、シェルモールド法に従って成形し、鋳型を得、当該鋳型を用いて鋳物(組成FC−15)を鋳造した。得られた無機複合粒子を試料とする物性等の測定結果を表1に示す。また、無機複合粒子における黒鉛とバインダーの重量比および黒鉛の被覆量を併せて示す。
【0031】
なお、快削性については研削加工後の表面の平滑性により、また、鋳物表面の平滑性については目視により、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:非常に良好
○:良好
△:大きなチッピングあり(凸凹が目立つ)
×:不良
【0032】
実施例3
実施例1において、黒鉛粉末を150gに、レゾールタイプのフェノール樹脂をフラン樹脂(残炭率:33%;不揮発分74%、平均分子量Mw=248)18gとし、実施例1と同様に混合し、無機複合粒子を得た。本実施例においては熱処理を省いた。結果を表1に示す。
【0033】
実施例4
実施例1において、黒鉛粉末を500gに、レゾールタイプのフェノール樹脂を石炭系ピッチ(残炭率:63%;大阪化成製HSB)315gとし、ピッチ可溶性溶媒としてさらにトルエンを100g添加した以外は実施例1と同様に混合し無機複合粒子を得た。本実施例においては、窒素気流下、800℃で4時間熱処理を行った。結果を表1に示す。
【0034】
比較例1および2
比較例1および2では、それぞれ実施例1および2と同様の珪砂および球状ムライト粒子を鋳物砂として用い、実施例1と同様にして鋳型を得、鋳物を鋳造した。図2に比較例1で用いた無機粒子(珪砂)の実体顕微鏡写真を示す。当該無機粒子は実施例1において用いた無機粒子と同様のものであり、従って、当該写真は黒鉛で被覆されていない当該無機粒子の状態を示す。また、当該無機粒子を試料とする物性等の測定結果を表1に示す。
【0035】
比較例3
実施例1において、黒鉛粉末を50g、レゾールタイプのフェノール樹脂(残炭率:46%;不揮発分76%、住友デュレス製、PR−51708)75g、ノボラックタイプのフェノール樹脂(残炭率:47%;住友デュレス製、PR−51350B)123gとした以外は実施例1と同様にして無機複合粒子を得た。結果を表1に示す。
【0036】
比較例4
実施例1において、フェノール樹脂を0.4gとした以外は実施例1と同様にして無機複合粒子を得た。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004401588
【0038】
表1から、実施例1〜4の本発明の無機複合粒子は、バインダーにより黒鉛が被覆されていない、比較例1および2の通常の無機粒子と比べ、流動性、充填性、電気伝導性および熱伝導性に優れており、得られた鋳型の快削性も優れることが分かる。さらに、得られた鋳物の表面の平滑性も、比較例1および2の場合と比べ、実施例1〜4の場合に優れることが分かる。また、本発明の無機複合粒子では黒鉛とバインダーの重量比が最適化されており、黒鉛とバインダーの重量比が本発明にかかる当該重量比の範囲を外れた例である比較例3および比較例4と比べ、流動性、充填性、熱伝導性等に優れることが分かる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた流動性、充填性および成形性を有し、さらに熱伝導性、電気伝導性にも優れる、鋳物砂または骨材として好適な無機複合粒子、該無機複合粒子からなる鋳物用又は骨材用の砂、ならびに該無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなる、表面の平滑性、機械特性等に優れる造形物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた無機複合粒子の実体顕微鏡写真(倍率:30倍)である。
【図2】図2は、比較例1で用いた無機粒子の実体顕微鏡写真(倍率:30倍)である。

Claims (8)

  1. 無機粒子に黒鉛をバインダーで被覆してなる無機複合粒子であって、黒鉛の被覆量が無機粒子100重量部に対して0.1〜50重量部であり、かつ黒鉛に対するバインダーの重量比が0.002〜2である無機複合粒子。
  2. 無機粒子の平均粒径が0.1〜10mmである請求項1記載の無機複合粒子。
  3. 無機粒子が酸化アルミニウムおよび/または酸化ケイ素である請求項1または2記載の無機複合粒子。
  4. 無機粒子100重量部に対し、黒鉛0.1〜50重量部および残炭率5〜95%のバインダー0.1〜50重量部を共に混合する工程を含み、かつ得られる無機複合粒子における黒鉛に対するバインダーの重量比を0.002〜2とする、請求項1〜3いずれか記載の無機複合粒子の製造方法。
  5. さらに熱処理の工程を含む、請求項4記載の無機複合粒子の製造方法。
  6. バインダーが、フェノール樹脂、フラン樹脂およびピッチからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項4または5記載の無機複合粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜3いずれか記載の無機複合粒子からなる鋳物用又は骨材用の砂。
  8. 請求項1〜3いずれか記載の無機複合粒子を鋳物砂または骨材としてなる造形物。
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