JP4400276B2 - 透明ポリウレタン樹脂、透明ポリウレタン樹脂の製造方法及び透明ポリウレタン樹脂を用いた光学用部材のための緩衝用材料 - Google Patents

透明ポリウレタン樹脂、透明ポリウレタン樹脂の製造方法及び透明ポリウレタン樹脂を用いた光学用部材のための緩衝用材料 Download PDF

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Description

本発明は、低硬度であり、柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤および/または溶剤がブリードすることのない透明ポリウレタン樹脂に関する。
ディスプレイおよびレンズ等の光学用部材のための緩衝用材料(光学材料用緩衝材)としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ビニル系樹脂、ブタジエン樹脂、ネオプレン樹脂、スチレン樹脂、およびアクリロニトリル樹脂等が一般に用いられている。
従来、光学材料用緩衝材にポリウレタン樹脂を用いる場合は、一般にポリウレタン樹脂に可塑剤および/または溶剤(以下、可塑剤等とも記す)を含有させることによってポリウレタン樹脂を低硬度にして柔軟性および弾力性を付与していた。しかし、このようなポリウレタン樹脂を緩衝材として用いた光学用部材を耐熱試験した場合、試験条件下でポリウレタン樹脂から可塑剤等がブリードしてしまい、光学用部材を汚染する原因になっていた。また、ポリウレタン工業分野で汎用されているポリオール化合物をポリウレタン樹脂の原料として用いた場合、樹脂の弾力性をある程度維持したまま低硬度のポリウレタン樹脂を得ることは困難であり、得られるポリウレタン樹脂の緩衝性能は充分なものとはいえなかった(例えば、特許文献1、2および3参照)。上述したように光学部材用、特に光学材料用緩衝材として用いるためのポリウレタン樹脂として、透明で、しかも低硬度であり、かつ好適な柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤等がブリードしないポリウレタン樹脂が求められている。
特開昭57−185315号公報 特開平06−116406号公報 特表2002−524591号公報
本発明は、低硬度であり、好適な柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤等がブリードすることがなく、特に光学関連用途に適した透明ポリウレタン樹脂の製造方法およびその製造方法によって製造したポリウレタン樹脂を提供することを目的とするものである。
本発明の第一の透明ポリウレタン樹脂の製造方法は、ポリイソシアネート化合物(A)に対し、数平均分子量が1000〜6000であるポリオキシアルキレンモノオール(B1)、数平均分子量が4500〜25000でありかつ官能基数が2であるポリオキシアルキレンポリオール(C1)、および数平均分子量が1000〜25000でありかつ官能基数が3であるポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物を反応させる透明ポリウレタン樹脂の製造方法であって、(B1)、(C1)、および(D1)の質量を合計した総質量中において、(B1)の割合が20〜50質量%、(C1)の割合が10〜30質量%、かつ(D1)の質量の割合が20〜60質量%であり、(B1)、(C1)および(D1)の合計が、イソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物中90質量%以上であり、可塑剤および溶剤を添加せず、透明ポリウレタン樹脂からなる厚さ1mmのシートのJIS K7105に準拠したヘーズが1%未満であることを要旨とする。
本発明の第二の透明ポリウレタン樹脂の製造方法は、ポリイソシアネート化合物(A)に対し、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、およびポリオキシアルキレンポリオール(C1)および所望によりポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物を反応させてイソシアネート基末端プレポリマー(E)を得、イソシアネート基末端プレポリマー(E)に、さらに数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B2)、数平均分子量が4500〜25000でありかつ官能基数が2であるポリオキシアルキレンポリオール(C2)、および数平均分子量が1000〜25000でありかつ官能基数が3であるポリオキシアルキレンポリオール(D2)を含む水酸基含有化合物を反応させる透明ポリウレタン樹脂の製造方法であって、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)、および(D2)の質量を合計した総質量中において、(B1)および(B2)の合計量が20〜50質量%、(C1)および(C2)の合計量が10〜30質量%、かつ(D1)および(D2)の合計量が20〜60質量%であり、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)および(D2)の合計がイソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物中90質量%以上であり、可塑剤および溶剤を添加せず、透明ポリウレタン樹脂からなる厚さ1mmのシートのJIS K7105に準拠したヘーズが1%未満であることを要旨とする。
さらに本発明の透明ポリウレタン樹脂は、上述の製造方法を用いて製造されたものでありJIS K6301に準拠して硬さ試験機A型を使用して測定した硬度が5未満であり、かつJIS K6301に準拠して硬さ試験機C型を使用して測定した硬度が30以下であることを要旨とす
また本発明は上述の透明ポリウレタン樹脂を用いた光学用部材のための緩衝用材料を要旨とする。
ポリウレタン樹脂の原料として、特定のポリイソシアネート化合物(A)と、特定のポリオキシアルキレンモノオール(B1、またはB1およびB2)、特定のポリオキシアルキレンポリオール(C1、またはC1およびC2)、および特定のポリオキシアルキレンポリオール(D1、またはD1およびD2)を含む水酸基含有化合物とを用い、かつ前記B1、B2、C1、C2、D1、およびD2の各使用量をこれらの使用量の合計量に対して以下に説明する特定の範囲に調整し、しかも可塑剤および/または溶剤を含有させずに、上述した製造方法を用いてポリウレタン樹脂を製造する。これにより、得られるポリウレタン樹脂が透明で、低硬度で、かつ好適な柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤等がブリードすることがないものとなる。本発明のポリウレタン樹脂は、特に光学用途に用いるポリウレタン樹脂として好ましい。また、本発明のポリウレタン樹脂は、可塑剤等のブリードがないために基材からの剥離が起こりにくい。さらに本発明のポリウレタン樹脂は、樹脂原料を2液型のウレタン組成物として基材へ塗工し、基材上でポリウレタン樹脂を合成することができ、この場合は一旦製造したポリウレタン樹脂を改めて基材と貼り合わせる必要がなく優れた生産性を有する。
上記ポリオキシアルキレンポリオール(C1)および(C2)、ならびに上記ポリオキシアルキレンポリオール(D1)および(D2)は、例えば、活性水素原子含有化合物を開始剤として、重合触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環付加重合させて製造することができる。本明細書中、ポリオキシアルキレンポリオールの「官能基数」とは、そのポリオキシアルキレンポリオールを製造したときに用いた開始剤が有する活性水素原子の数をいう。例えば、ジオールまたはトリオールを開始剤として用いてアルキレンオキシドの重合を行って得られたポリオキシアルキレンポリオールの官能基数はそれぞれ2または3である。また、本明細書中「ポリオキシアルキレンモノオール」とは、開始剤として活性水素原子を1つ有する開始剤を用いてアルキレンオキシドの重合を行って得られたポリオキシアルキレン化合物をいう。
また、本明細書中、ポリオキシアルキレンモノオールおよびポリオキシアルキレンポリオールの「数平均分子量」とは、それぞれの水酸基価(OHv、単位はmgKOH/g)に基づいて以下の式:
数平均分子量=(56100/OHv)×1分子当たりの平均官能基数
を用いて計算した値をいう。ここで、水酸基価とは、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。
〔透明ポリウレタン樹脂の製造方法〕
本発明の透明ポリウレタン樹脂の製造方法に用いる各種原料およびそれを用いた具体的製造方法を以下に説明する。
(ポリイソシアネート化合物(A))
上記ポリイソシアネート化合物(A)としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびアラルキルポリイソシアネートからなる群から選ばれるポリイソシアネートならびにそれらの変性体が好ましい。
具体的なポリイソシアネート化合物(A)としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびリジンジイソシアネート(LDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)および水添MDI(H12MDI)等の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のアラルキルポリイソシアネート、およびこれらの変性体が挙げられ、これらから選ばれる一種以上を用いることができる。前記変性体の具体例としては、前記各種ポリイソシアネート化合物と低分子ジオールおよび/または低分子トリオールとの反応物であるプレポリマー変性体、前記各種ポリイソシアネート化合物と水との反応物であるビュレット体、イソシアヌレート骨格を有する三量体などが挙げられる。本発明に用いるポリイソシアネート化合物(A)としては、無黄変性ポリイソシアネート、具体的には脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、アラルキルポリイソシアネート、およびそれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、脂肪族ポリイソシアネートおよびその変性体からなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、HDIおよびHDIのプレポリマー変性体からなる群から選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。
(ポリオキシアルキレンモノオール(B1)および(B2))
本発明に用いるポリオキシアルキレンモノオール(B1)および(B2)(以下、あわせて単に、ポリオキシアルキレンモノオール(B)とも記す)は、数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオールであり、数平均分子量が2000〜4000であることが特に好ましい。ポリオキシアルキレンモノオール(B)は、水酸化カリウムおよび水酸化セシウム等のアルカリ触媒、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポリフィリン、ならびに複合金属シアン化物錯体等からなる群から選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、分子内に1つの活性水素原子を有する開始剤にアルキレンオキシドを開環重合反応させて製造することができる。
水酸化カリウムなどの汎用アルカリ触媒や、特に分子量の高いものを得たい場合には複合金属シアン化物錯体触媒を、上記触媒として用いてポリオキシアルキレンモノオール(B)を製造することが好ましい。上記アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、および2,3−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドは一種のみ用いても、また2種以上併用してもよい。本発明のポリオキシプロピレンモノオールの製造には、プロピレンオキシド、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が特に好ましい。また、好ましい開始剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、および2−エチルヘキサノール等のアルキルアルコール、ならびにこれらにアルキレンオキシドを付加した化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
(ポリオキシアルキレンポリオール(C1)および(C2))
本発明におけるポリオキシアルキレンポリオール(C1)および(C2)(以下、あわせて単にポリオキシアルキレンポリオール(C)とも記す)は、数平均分子量が4500〜25000であり、官能基数が2である。ポリオキシアルキレンポリオール(C)は、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、および複合金属シアン化物錯体等からなる群から選ばれる触媒の存在下で、一分子あたり2個の活性水素原子を有する開始剤または開始剤の混合物にアルキレンオキシドを開環重合させることにより製造できる。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール(C)を製造する場合に用いる触媒としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム等の複合金属シアン化物錯体が特に好ましい。特にポリオキシアルキレンポリオール(C)の分子量を高くする場合は、複合金属シアン化物錯体を触媒として用いることにより、高分子量であっても不飽和度が低いポリオキシアルキレンポリオール(C)を製造することができる。
ポリオキシアルキレンポリオール(C)を製造する場合に用いるアルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、および2,3−ブチレンオキシド等が挙げられ、これらのアルキレンオキシドの一種を用いても、また、2種以上を併用してもよい。本発明のポリオキシアルキレンポリオール(C)の製造においては、プロピレンオキシドを単独で用いるか、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを併用することが特に好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオール(C)の製造に用いる上記開始剤としては2個の活性水素原子を有する化合物が好ましい。好ましい開始剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等のジオール、ならびにこれらにアルキレンオキシドを付加した化合物が挙げられる。これらは1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いるポリオキシアルキレンポリオール(C)の数平均分子量は4500〜25000であり、5000〜20000であることがさらに好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール(C)の数平均分子量が4500未満の場合は、得られる透明ポリウレタン樹脂の柔軟性が充分でない場合がある。また、ポリオキシアルキレンポリオール(C)の数平均分子量が25000を超える場合は、粘度が高くなり取り扱いが困難になる場合がある。
(ポリオキシアルキレンポリオール(D1)および(D2))
本発明に用いるポリオキシアルキレンポリオール(D1)および(D2)(以下あわせてポリオキシアルキレンポリオール(D)とも記す)は、数平均分子量が1000〜25000、かつ官能基数が3のポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオキシアルキレンポリオール(D)は、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、および複合金属シアン化物錯体等からなる群から選ばれる触媒の存在下で、活性水素原子を有する開始剤の存在下アルキレンオキシドを開環重合反応させることによって製造できる。
ポリオキシアルキレンポリオール(D)を製造する場合に用いる触媒としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム等の複合金属シアン化物錯体が特に好ましい。複合金属シアン化物錯体を触媒として用いた場合、高分子量であり、かつ不飽和度が低いポリアルキレンポリオールを製造することができる。ポリオキシアルキレンポリオール(D)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、および2,3−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドは1種のみ用いても、または2種以上併用してもよく、プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が特に好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオール(D)を製造する場合に用いる開始剤としては3個の活性水素原子を有する化合物が好ましい。前記開始剤としては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパン等のトリオール、ならびにこれらにアルキレンオキシドを付加した化合物が挙げられる。これらは1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオキシアルキレンポリオール(D)の数平均分子量は1000〜25000であり、2000〜20000であることがさらに好ましく、5000〜15000であることが特に好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール(D)の数平均分子量が5000未満の場合は、充分な低硬度かつ良好な柔軟性を有する透明ポリウレタン樹脂が得られない場合がある。また、ポリオキシアルキレンポリオール(D)の数平均分子量が25000を超える場合は、粘度が高くなり取り扱いが困難になる場合がある。
ポリイソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物は、上記ポリオキシアルキレンモノオール(B)、ポリオキシアルキレンポリオール(C)、およびポリオキシアルキレンポリオール(D)を用いるほか、本発明の効果を損なわない範囲でこれらと併用して他の水酸基含有化合物を用いることもできる。そのような水酸基含有化合物としては、上記(B)、(C)、および(D)について記載した上記各分子量範囲に含まれないポリオキシアルキレンモノオールおよびポリオキシアルキレンポリオール、ならびに開始剤として4〜6個、好ましくは4個の活性水素原子を有する化合物を開始剤として用いて製造されるポリオキシアルキレンポリオールを挙げることができる。このような開始剤としては、ペンタエリスリトールおよびソルビトール、ならびにこれらにアルキレンオキシドを付加した化合物が挙げられる。これらの(B)、(C)、および(D)以外のポリオキシアルキレンモノオールおよびポリオールは、ポリイソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物中10質量%以下であることが好ましく、0重量%であることが特に好ましい。
(透明ポリウレタン樹脂の製造方法)
本発明において、透明ポリウレタン樹脂を製造する方法としては、いわゆるワンショット法またはプレポリマー法のいずれの方法を用いることもできる。しかし、本発明の透明ポリウレタン樹脂の製造方法においては、プレポリマー法を用いた場合にワンショット法を用いた場合よりも、得られるポリウレタン樹脂の機械物性が優れる場合が多く、また、ポリウレタン樹脂を製造する際のイソシアネート基と水酸基との反応のコントロールがワンショット法よりもプレポリマー法を用いた場合のほうが容易である。したがって、本発明においては、ポリイソシアネート化合物(A)、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、ポリオキシアルキレンポリオール(C1)、および所望によりポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物と反応させて予めイソシアネート基末端プレポリマー(E)(以下、単にプレポリマー(E)とも記す)を製造し、次いでこのプレポリマー(E)を(i)ポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物と反応させるか、または(ii)ポリオキシアルキレンモノオール(B2)、ポリオキシアルキレンポリオール(C2)、およびポリオキシアルキレンポリオール(D2)を含む水酸基含有化合物と反応させることによりポリウレタン樹脂を製造する、プレポリマー法を用いることが好ましい(上記プレポリマー(E)に反応させる(i)、または(ii)として示した水酸基含有化合物の組み合わせ物を、以下においてあわせて「硬化用ポリオール」とも記す)。本発明においては、特に、前記プレポリマー(E)にさらにポリオキシアルキレンモノオール(B2)、ポリオキシアルキレンポリオール(C2)、およびポリオキシアルキレンポリオール(D2)を含む水酸基含有化合物を反応させる方法が好ましい。
プレポリマー(E)は、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)およびポリオキシアルキレンポリオール(C1)の合計の水酸基数に対し、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基数が過剰となるように、(A)、(B1)、(C1)および所望により(D1)を含む水酸基含有化合物を反応させて製造できる。このとき、イソシアネート基数/水酸基数(モル比)を2〜10とすることが好ましい。イソシアネート基数/水酸基数(モル比)が2未満の場合は、ポリイソシアネート化合物(A)とポリオキシアルキレンモノオール(B1)との反応物が多くなり、次いでポリオール等と反応させても緩衝材用ポリウレタン組成物の分子量が充分に大きくならず、好ましい機械物性が得られない場合がある。またこの場合、プレポリマー(E)のイソシアネート基含有量が低くなるため、次のポリエーテルポリオール(D)等との反応性も低くなる場合が多い。一方、イソシアネート基数/水酸基数(モル比)が10を超えるとプレポリマー(E)の製造時に未反応ポリイソシアネート化合物(A)が多くなり、機械物性が低下する場合がある。また、プレポリマー(E)を製造する際に、イソシアネート基と水酸基との反応速度を調節するために、公知の触媒を用いることもできる。触媒としては、例えば、錫、鉛、およびチタン等の金属を有する有機金属化合物が好ましく、特に有機錫化合物が好ましい。有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、スタナースオクトエート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート等が例示できる。触媒はイソシアネート基と水酸基との反応速度を調節するための好ましい量を適宜選択して使用できるが、一般に用いる全原料中の触媒量が0.01〜10ppmであることが好ましい。
また、上記プレポリマー(E)の原料となるポリイソシアネート化合物(A)、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)およびポリオキシアルキレンポリオール(C1)、またはポリイソシアネート化合物(A)、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、ポリオキシアルキレンポリオール(C1)および(D1)の合計の質量中、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)が10〜40質量%であることが好ましい。ポリオキシアルキレンモノオール(B1)が40質量%を超えるとポリイソシアネート化合物(A)と未反応のポリオール成分(C1およびD1)が残りやすくなり、最終生成物であるポリウレタン樹脂が脆くなる。
また、上記プレポリマー(E)を製造する際に用いるポリオキシアルキレンモノオール(B1)とポリオキシアルキレンポリオール(C1)の量は、質量比で(B1)/(C1)=50/50〜80/20が好ましい。またプレポリマー(E)の製造にポリオキシアルキレンポリオール(D1)を用いる場合は、(B1)/(D1)が10/90〜10/40が好ましい。ここで(C1)および/または(D1)の使用量が多すぎる場合、最終生成物のポリウレタン樹脂の硬度が充分低くならない場合がある。また、(D1)が多すぎるとプレポリマー(E)の粘度が高くなり、作業性が悪くなる場合がある。また、この場合、硬度を下げるために(B1)の使用量を多くしなければならず、それにより得られる透明ポリウレタン樹脂のべたつきが大きくなるおそれがある。
本発明の透明ポリウレタン樹脂は、上記プレポリマー(E)および上記「硬化用ポリオール」を混合し、脱泡後、離型剤を塗った金型に注液するか、またはポリエチレンテレフタレートフィルム、ガラス、ポリカーボネート板、およびアクリル板などに直接塗布し、さらに所定温度で所定時間硬化させて製造することが好ましい。前記反応温度は、プレポリマー(E)と硬化用ポリオールとの反応性により適宜好ましい温度を決定することができるが、通常50〜130℃である。また、指触により原料成分が指に付着しなくなるまでの時間が5分間〜1時間になるように触媒等により反応時間を調整することが好ましい。また、本発明の透明ポリウレタン樹脂は、プレポリマー(E)と硬化用ポリオールの2成分型組成物として、エアレススプレー等を使用して前記2成分を混合すると同時にスプレーし、硬化させて成形することも可能である。さらに、この硬化反応においても公知のウレタン化反応触媒を用いてもよい。
本発明の透明ポリウレタン樹脂製造に用いるポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基数、ならびにポリオキシアルキレンモノオール(B)、ポリオキシアルキレンポリオール(C)およびポリオキシアルキレンポリオール(D)の合計の水酸基数の比、すなわちイソシアネート基数/水酸基数(モル比)は0.4〜1.1であることが好ましい。前記モル比が1.1を超える場合は、製造した透明ポリウレタン樹脂中に未反応のまま残存するイソシアネート基が経時的に反応することにより、ウレタン樹脂の硬度が経時変化する場合がある。また、前記モル比が0.4未満の場合は、透明ウレタン樹脂の分子鎖どうしの架橋が不充分となり、ウレタン樹脂成形品を得ることが困難になる場合がある。
本発明の透明ポリウレタン樹脂は、PDP(プラズマディスプレイ)などの平面ディスプレイ用緩衝材、パソコン等のディスプレイ保護シートなどの光学用途向けであって、かつ柔軟性が要求される用途に用いる材料として特に適している。このような用途には、JIS K6301に準拠して硬さ試験機A型(以下、JIS A硬度とも記す)を使用して測定した硬度が5未満であり、かつ、JIS K6301に準拠して硬さ試験機C型を使用して測定した硬度(以下、JIS C硬度とも記す)が30以下である透明ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。透明ポリウレタン樹脂の本発明の製造方法に用いるポリオキシアルキレンモノオール(B)、ポリオキシアルキレンポリオール(C)、およびポリオキシアルキレンポリオール(D)の各成分の分子構造および使用量比、ならびにポリイソシアネート(A)の構造および使用量を適宜調整することによって、JIS A硬度およびJIS C硬度を好ましい範囲に調整することができる。
透明ポリウレタン樹脂のJIS A硬度を5未満、およびJIS C硬度を30以下にするためには、上述したようにイソシアネート基数/水酸基数(モル比)を調整するほか、使用するポリオキシアルキレンモノオールおよびポリオキシアルキレンポリオールの各使用量を以下のように調整することが好ましい。
すなわち、ポリオキシアルキレンモノオール(B)の使用量は、(B)+(C)+(D)の総質量中の20〜50質量%であることが好ましく、25〜45質量%であることがさらに好ましい。ポリオキシアルキレンモノオール(B)の使用量が20質量%より少ないと、得られる透明ウレタン樹脂のJIS A硬度が5以上になる場合があり、また、ポリオキシアルキレンモノオール(B)の使用量が50質量%より多いと、プレポリマー(E)と上記硬化用ポリオールとを反応させた場合に硬化がおそく、かつ非常にべたつきの大きなポリウレタン樹脂になる場合がある。
また、ポリオキシアルキレンポリオール(C)の使用量は、(B)+(C)+(D)の総質量中の10〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがさらに好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール(C)の使用量が10質量%より少ないと、得られるポリウレタン樹脂のJIS A硬度が5以上になる場合があり、また、ポリオキシアルキレンポリオール(C)の使用量が30質量%より多いと、プレポリマー(E)と上記硬化用ポリオールとを反応させた場合に硬化が遅く、かつ非常にべたつきの大きなポリウレタン樹脂になる場合がある。
また、ポリオキシアルキレンポリオール(D)の使用量は、(B)+(C)+(D)の総質量中の20〜60質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール(D)の使用量が20質量%未満の場合には、プレポリマー(E)と上記硬化用ポリオールとを反応させた場合に硬化が遅くかつ得られるポリウレタン樹脂が非常にべたつきの大きなものになる場合があり、また、ポリオキシアルキレンポリオール(D)の使用量が60質量%を超える場合は、JIS A硬度が5未満のポリウレタン樹脂が得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明の透明ポリウレタン樹脂には、ポリウレタン技術分野で公知の各種添加剤を用いることができる。添加剤としては、上述したウレタン化反応触媒のほかに、老化防止剤、消泡剤、および難燃剤等が挙げられる。
上記老化防止剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、およびヒンダードアミン系の老化防止剤が挙げられる。
上記難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスフェート、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル、および臭素・リン化合物等が挙げられる。上記消泡剤としては、例えば、ディスパロンOX−710(商品名、楠本化成社製)等が挙げられる。
エラストマーとしてポリウレタン樹脂を用いる場合は添加剤として可塑剤を用いて樹脂に柔軟性を付与することが一般に行われるが、本発明の透明ポリウレタン樹脂は上述した構成を採用することにより樹脂自身を柔軟にしたものであり、かつ実質的に可塑剤または溶剤を含有しないものである。ここで、前記可塑剤または溶剤とは、イソシアネート基との反応性を有しない化合物をいい、例えば、ポリグライム、環状ポリカーボネート、酢酸オクチル、高沸点溶剤、フタル酸エステル系可塑剤等が挙げられる。本発明の透明ポリウレタン樹脂は、柔軟性を付与するための可塑剤または溶剤を必要とせず、可塑剤または溶剤を含まないため、透明ウレタン樹脂から可塑剤または溶剤がブリードするおそれがない。このため、本発明の透明ウレタン樹脂は他の被着体と接着または密着させた場合でも可塑剤等のブリードによる接着性または密着性の低下などが少なく、また透明ポリウレタン樹脂からブリードした可塑剤によって周辺を汚染することが少ない。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の「水酸基価」はJIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。「不飽和度」はJIS K1557 6.7に準拠して測定した値である。
〔ポリオキシアルキレンモノオール(以下、単にモノオールとも記す)およびポリオキシアルキレンポリオール(以下、単にポリオールとも記す)〕
以下の実施例および比較例で用いたモノオールおよびポリオールは以下のとおりである。また「DMC」は複合金属シアン化物錯体である亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体を表す。
モノオール(b1):n−ブタノールにDMCを用いてプロピレンオキシド(PO)を付加して得られた、水酸基価18.1mgKOH/gのポリオキシプロピレンモノオール。
ポリオール(c1):プロピレングリコール(PG)のPO付加体(水酸基価112mgKOH/g)にDMCを用いてさらにPOを付加して得られた、水酸基価18.1mgKOH/g、不飽和度0.005meq/gのポリオキシプロピレンジオール。
ポリオール(d1):グリセリンのPO付加体(水酸基価168mgKOH/g)を開始剤として、DMCを用いてさらにPOを付加後、KOH触媒にてエチレンオキシド(EO)を付加して得られた、オキシエチレン基含有量12質量%、水酸基価16.8mgKOH/g、不飽和度0.005meq/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d2):グリセリンのPO付加体(水酸基価168mgKOH/g)を開始剤として、DMCを用いてさらにPOを付加して得られた、水酸基価14.0mgKOH/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d3):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウムを用いてPOを付加して得られた、水酸基価33.0mgKOH/g、不飽和度0.06meq/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d4):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウムを用いてPOを付加して得られた、水酸基価160mgKOH/g、不飽和度0.04meq/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d5):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウムを用いてPOを付加して得られた、水酸基価112mgKOH/g、不飽和度0.04meq/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d6):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウムを用いてPOを付加して得られた、水酸基価56.0mgKOH/g、不飽和度0.05meq/gのポリオキシプロピレントリオール。
〔例1(プレポリマーの製造例1)〕
撹拌機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けた4ツ口フラスコに、プレポリマー変性ヘキサメチレンジイソシアネート300g(商品名:デュラネートD−101、イソシアネート基含有量:19.7質量%、旭化成株式会社製)、モノオール(b1)268g、およびポリオール(c1)132gを入れて混合し、温度100℃で4時間反応させ、イソシアネート基含有量7.61質量%のプレポリマー(X1)を得た。
〔例2(プレポリマーの製造例2)〕
例1で用いた原料に代えて、例1で用いたプレポリマー変性ヘキサメチレンジイソシアネート300g、モノオール(b1)268g、ポリオール(c1)132g、およびポリオール(d1)400gを用いた以外は例1と同様にして、イソシアネート基含有量4.33質量%のプレポリマー(X2)を得た。
〔例3(プレポリマーの製造例3)〕
例1で用いた原料に代えて、プレポリマー変性ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:デュラネートD−201、イソシアネート基含有量:16.1質量%、旭化成株式会社製)370g、モノオール(b1)268g、ポリオール(c1)132g、およびポリオール(d1)1200gを用いた以外は例1と同様にして、イソシアネート基含有量4.33質量%のプレポリマー(X3)を得た。
〔例4(プレポリマーの製造例4)〕
例1で用いた原料に代えて、ヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネート基含有量:50.0質量%)8.40g、およびポリオール(d6)50.0gを用いた以外は例1と同様にして、イソシアネート基含有量3.6質量%のプレポリマー(X4)を得た。
〔例5(透明ポリウレタン樹脂の実施例)〕
上記プレポリマー(X1)70.0gに対して、モノオール(b1)186.5g、ポリオール(c1)93.2g、ポリオール(d1)300.0g、触媒としてジブチル錫ジラウレート500ppm、消泡剤(商品名:ディスパロンOX−710、楠本化成株式会社製)500ppm、および酸化防止剤(商品名:イルガノックス245、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)3000ppmを添加し、混合撹拌した後、さらに減圧脱泡して反応混合物とした。この反応混合物を、離型剤を塗った金型に注液し、100℃で20分間加熱後、脱型して透明ポリウレタン樹脂の成形シートを得た。得られた成形シートは以下に述べる評価試験に用いた。
〔例6〜8(実施例)および例9〜10(比較例)〕
上記例5と同様の方法を用い、表1に示した原料組成を用いて、例6〜8(実施例)および例9〜10(比較例)のポリウレタン樹脂成形シートを得た。
〔評価試験〕
1.硬度試験
JIS K6301に準拠して硬さ試験機A型およびC型(商品名:Durometer A型およびC型、高分子計器株式会社製)を使用し、例5〜10で得られたポリウレタン樹脂の硬度を測定して「JIS A硬度」および「JIS C硬度」を測定した。
2.ブリード試験
例5〜10で得られたポリウレタン樹脂の成形シートを120℃のオーブンに10日間放置し、10日経過後の成形シートの表面からのブリードアウトの有無を目視で観察した。ブリードアウトが見られなかったものを○、ブリードアウトが見られたものを×とした。
3.耐衝撃性試験
例5〜10で得られたポリウレタン樹脂の成型シートの耐衝撃性を、IEC規格(Publication 65、1985に記載)で規定されるスプリングインパクトハンマーを用いて測定した。耐衝撃性が0.5J以上のものを○、耐衝撃性が0.5J未満のものを×とした。
4.透明性試験
例5〜10で得られたポリウレタン樹脂の成形シートを重ねて1mm厚さの積層シートにし、JIS K7105に準拠してこの積層シートのヘーズを測定した。ヘーズが1%未満のものを○、ヘーズが1%以上のヘーズのものを×とした。
以上の1〜5の評価試験結果を表1に示した。
Figure 0004400276
表1に示されるように、例9〜10(比較例)と比べて、例5〜8(実施例)のポリウレタン樹脂の硬度AおよびCは低く、高い柔軟性を有していることがわかる。また、耐衝撃性試験の結果から、実施例のポリウレタン樹脂は、衝撃吸収力に優れていることがわかる。また、ブリード試験の結果から、実施例のポリウレタン樹脂は120℃に10日放置した後でも樹脂からのブリードがないことがわかる。さらに、透明性試験結果から実施例のポリウレタン樹脂が透明であることがわかる。
本発明の製造方法を用いて製造された透明ポリウレタン樹脂は、柔軟で、かつ優れた衝撃吸収力を有し、樹脂からの可塑剤または溶剤のブリードアウトがないため、光学用フィルム、ディスプレイおよびレンズ等の光学用部材のための緩衝用材料、ディスプレイおよびレンズ等の光学部材の飛散防止材および表面反射防止材、パソコンおよびワープロ等のモニター等の電磁シールドや静電気防止材用透明樹脂などに使用することができる。本発明の透明ポリウレタン樹脂シートにさらに粘着剤層等を積層して用いることもできる。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート化合物(A)に対し、数平均分子量が1000〜6000であるポリオキシアルキレンモノオール(B1)、数平均分子量が4500〜25000でありかつ官能基数が2であるポリオキシアルキレンポリオール(C1)、および数平均分子量が1000〜25000でありかつ官能基数が3であるポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物を反応させる透明ポリウレタン樹脂の製造方法であって、
    前記(B1)、前記(C1)、および前記(D1)の質量を合計した総質量中において、前記(B1)の割合が20〜50質量%、前記(C1)の割合が10〜30質量%、かつ前記(D1)の質量の割合が20〜60質量%であり、
    前記(B1)、前記(C1)および前記(D1)の合計が、前記イソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物中90質量%以上であり、
    可塑剤および溶剤を添加せず、
    前記透明ポリウレタン樹脂からなる厚さ1mmのシートのJIS K7105に準拠したヘーズが1%未満である
    ことを特徴とする透明ポリウレタン樹脂の製造方法。
  2. 前記ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基数と、
    前記ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、前記ポリオキシアルキレンポリオール(C1)、および前記ポリオキシアルキレンポリオール(D1)の合計の水酸基数との比(モル比)が0.4〜1.1であることを特徴とする請求項1記載の透明ポリウレタン樹脂の製造方法。
  3. ポリイソシアネート化合物(A)に対し、ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、およびポリオキシアルキレンポリオール(C1)および所望によりポリオキシアルキレンポリオール(D1)を含む水酸基含有化合物を反応させてイソシアネート基末端プレポリマー(E)を得、
    前記イソシアネート基末端プレポリマー(E)に、さらに数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B2)、数平均分子量が4500〜25000でありかつ官能基数が2であるポリオキシアルキレンポリオール(C2)、および数平均分子量が1000〜25000でありかつ官能基数が3であるポリオキシアルキレンポリオール(D2)を含む水酸基含有化合物を反応させる透明ポリウレタン樹脂の製造方法であって、
    前記(B1)、前記(B2)、前記(C1)、前記(C2)、前記(D1)、および前記(D2)の質量を合計した総質量中において、前記(B1)および(B2)の合計量が20〜50質量%、前記(C1)および(C2)の合計量が10〜30質量%、かつ前記(D1)および(D2)の合計量が20〜60質量%であり、
    前記(B1)、前記(B2)、前記(C1)、前記(C2)、前記(D1)および前記(D2)の合計が前記イソシアネート化合物(A)と反応させる水酸基含有化合物中90質量%以上であり、
    可塑剤および溶剤を添加せず、
    前記透明ポリウレタン樹脂からなる厚さ1mmのシートのJIS K7105に準拠したヘーズが1%未満である
    ことを特徴とする透明ポリウレタン樹脂の製造方法。
  4. 前記イソシアネート基末端プレポリマー(E)が、
    前記ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基数と、
    前記ポリオキシアルキレンモノオール(B1)、前記ポリオキシアルキレンポリオール(C1)、および前記ポリオキシアルキレンポリオール(D1)の合計の水酸基数との比(モル比)が2〜10であることを特徴とする請求項3記載の透明ポリウレタン樹脂の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の透明ポリウレタン樹脂の製造方法を用いて製造され、
    JIS K6301に準拠して硬さ試験機A型を使用して測定した硬度が5未満であり、かつJIS K6301に準拠して硬さ試験機C型を使用して測定した硬度が30以下であることを特徴とする透明ポリウレタン樹脂。
  6. 請求項5記載の透明ポリウレタン樹脂を用いたことを特徴とする光学用部材のための緩衝用材料。
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