JP4399347B2 - 強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 - Google Patents
強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4399347B2 JP4399347B2 JP2004363862A JP2004363862A JP4399347B2 JP 4399347 B2 JP4399347 B2 JP 4399347B2 JP 2004363862 A JP2004363862 A JP 2004363862A JP 2004363862 A JP2004363862 A JP 2004363862A JP 4399347 B2 JP4399347 B2 JP 4399347B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- thermoplastic resin
- weight
- resin composition
- reinforced thermoplastic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
すなわち本発明は、少なくとも非晶性熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)、繊維状珪酸カルシウム(C)、およびタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)を含有する強化熱可塑性樹脂組成物であり、非晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート系樹脂またはポリフェニレンエーテル系樹脂であり、非晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部に対する、難燃剤(B)の含有量が0.01〜30重量部であり、該組成物における、繊維状珪酸カルシウム(C)の含有量が3〜30重量%、かつタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)の含有量が3〜30重量%である強化熱可塑性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成形された成形品に存する。
本発明に使用される非晶性熱可塑性樹脂(A)としては、耐熱性、難燃性、成形性のバランスのとれたポリカーボネート系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂が用いられる。
該芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって作られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体が挙げられる。
さらに、難燃性をさらに高める目的で、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、及び/又は、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有の、ポリマーあるいはオリゴマーを使用してもよい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂として、特に好ましくは、2,2ービス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート重合体、および2,2ービス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。
なお、本発明の非晶性熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂である場合、該ポリカーボネート系樹脂は、2種以上のポリカーボネート樹脂を含有していてもよい。
このようなポリカーボネート樹脂の製造方法については、限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造され、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
前記一般式(1)において、Q1がハロゲン原子の場合、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
前記一般式(1)において、Q1が第一級アルキル基である場合の好適な例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基、又はヘプチル基などの、炭素数1〜10のアルキル基である。
第二級アルキル基である場合の好適な例は、イソプロピル基、sec−ブチル基または1−エチルプロピル基などの、炭素数4〜10のアルキル基である。
Q1がアリール基である場合の好適な例はフェニル基であり、アミノアルキル基である場合の好適な例はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基などの、炭素数1〜5程度のアルキル鎖を有するアルキルアミノ基である。アルコキシ基である場合の好適な例としては、アルキル基の好適な例として上述した各基に対応するアルコキシ基が挙げられ、ハロアルコキシ基の例としては、該アルコキシ基における1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されてなる基が挙げられる。
前記一般式(1)において、Q2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基、アルコキシ基、又はハロアルコキシ基を表す。これらの内、第一級および第2級アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基である場合の好適な例としては、Q1におけると同様の基が挙げられる。またQ2がハロアルキル基である場合の好適な例としては、アルキル基の好適な例として上述した各基の、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されてなる基が挙げられる。
前記一般式(1)において、Q1はアルキル基又はフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。Q2としては水素原子が特に好ましい。
なお、本発明の性能を損なわない範囲で、分子量を調節したり、溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の各種特性を改良するために、前記一般式(1)で表される構造以外の繰り返し構造を含む、ポリフェニレンエーテルもまた好適である。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン;α−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン;p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、ビニルトルエン、o−p−ジクロロスチレンなどの核アルキル置換スチレン、などが挙げられる。
芳香族ビニル化合物以外のモノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;アクリル酸及びメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物;、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレート等、各種ビニル化合物が挙げられる。ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、AS樹脂、MS(メチルメタクリレート−スチレン)共重合体などが挙げられる。 これらポリスチレン系樹脂(上述した各重合体)の重量平均分子量は、通常50,000以上、好ましくは100,000以上、より好ましくは150,000以上であり、また通常500,000以下、好ましくは400,000以下、より好ましくは300,000以下である。
本発明で使用されるポリスチレン系樹脂は、上述した各種重合体を、さらにゴムで変性したものであってもよく、ゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。具体的には、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、MBS樹脂、AES樹脂などが挙げられる。
本発明におけるABS樹脂としては、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、ABS樹脂のブタジエンを主成分とするゴム成分を他のゴム成分、例えば、エチレンープロピレンラバー、アクリルラバー等で置換した樹脂も含まれ、さらにはABS樹脂におけるスチレン及び/又はアクリロニトリルを他のモノマーで置換した樹脂等も含まれる。
ポリスチレン系樹脂として特に好ましくは、ポリスチレン、ゴムで変性したポリスチレン系樹脂およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明で用いるリン酸エステル化合物としては、たとえば、下記一般式(2)
本発明においては、nが1以上の縮合燐酸エステルが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシノールビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、あるいはこれらの置換体、縮縮合体などを例示できる。
かかる成分として好適に用いることができる市販の縮合リン酸エステル化合物としては、たとえば、大八化学工業(株)製「CR733S」(レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート))、「CR741」(ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート))、旭電化工業(株)製「FP500」(レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート))などの商品名で販売されており、容易に入手可能である。
有機スルホン酸金属塩を構成する金属としては、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられ、アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等が挙げられる。中でも、難燃性の点からナトリウム、カリウムが好ましい。
有機スルホン酸金属塩は、2種以上を混合して使用することもできる。
本発明で用いる脂肪族スルホン酸塩としては、好ましくは、フルオロアルカン−スルホン酸金属塩、より好ましくは、パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩が挙げられる。
フルオロアルカン−スルホン酸金属塩としては、好ましくは、フルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられ、より好ましくは、炭素数4〜8のフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
芳香族スルホン酸金属塩の具体例としては、3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。
またポリジオルガノシロキサンは、官能基を含有していてもよい。官能基を含有しているポリジオルガノシロキサンの場合、該官能基はメタクリル基、アルコキシ基またはエポキシ基であることが好ましい。
本発明における難燃剤(B)は、単独で使用しても、複数種併用してもよい。難燃剤(B)の含有量は、その合計が、非晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.01〜30重量部である。好ましくは0.02重量部以上、より好ましくは0.03重量部以上であり、また好ましくは25重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。下限値を下回ると難燃性が不十分となるおそれがあり、上限値を超えると耐熱性や熱安定性の低下を招く場合がある。
ここでフッ素樹脂としては、フルオロエチレン構造を含む重合体または共重合体を意味し、たとえば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在、本発明組成物と同様の用途に通常使用されている、任意の重合体を使用することができる。
ワラストナイトは天然に産出する白色針状結晶性鉱物であり、形状としては繊維状のものや塊状のものがあり、本発明では繊維状のものが好ましく、また合成したものであってもよい。繊維状物は、粉砕方法及び産地によりアスペクト比に差異を生じるが、一般にアスペクト比の大きなβ型のワラストナイトが補強性能の点から望ましい。ワラストナイトの初期の繊維径は平均径2μm以上が好ましく、より好ましくは3μm以上、とりわけ好ましくは4μm以上であり、また好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、とりわけ好ましくは15μm以下である。平均繊維径が2μm未満では加工中に破断しやすく、30μmを超えると補強効果が小さい。
また、ワラストナイトの初期の繊維長は平均長20μm以上が好ましく、より好ましくは25μm以上、とりわけ好ましくは30μm以上であり、また400μm以下が好ましく、より好ましくは300μm以下、とりわけ好ましくは250μm以下である。平均繊維長が20μm未満では補強効果が小さく、400μmを超えると加工中に破断しやすい。
更に、初期の平均繊維長を初期の平均繊維径で除した値(=初期の平均アスペクト比)が、4以上であることが好ましく、より好ましくは5以上、とりわけ好ましくは6以上であり、また50以下であることが好ましく、より好ましくは40以下、とりわけ好ましくは30以下である。平均アスペクト比が4未満では補強効果が小さく、50を超えると加工中に破断しやすい。
なお、コスト面からはタルクが好ましく、剛性の点からはマイカが好ましい。
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物中で、繊維状珪酸カルシウム(C)が3重量%未満である場合は、セルフタップ特性や剛性が低下するおそれがあり、30重量%を越えると反りが大きくなる可能性がある。また、強化熱可塑性樹脂組成物中で、タルク及び/又はマイカからなる無機物(D)が3重量%未満では反りが大きくなるおそれがあり、30重量%を越えるとセルフタップ強度が低下する場合がある。
本発明は、互いに相反する効果を有する成分(C)および(D)を、組成物中に特定量含有させることにより、成形品の反り低減と、セルフタップ強度向上を、ともに実現することができ、結果としてバランスの良い特性を有する強化熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能となった。
繊維状珪酸カルシウム(C)とタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)の比が、重量比で、1/10〜10/1であり、好ましくは1/6〜6/1、とりわけ好ましくは1/4〜4/1である。
繊維状珪酸カルシウム(C)がこの範囲より少ないと、セルフタップ特性や剛性が低下し、逆にタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)がこの範囲より少ないと反りが大きくなる。
また、非晶性熱可塑性樹脂組成物(A)と難燃剤(B)の合計量は、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物中で50〜90重量%であることが好ましい。合計量が50重量%未満の場合は、流動性が低下する傾向があり、逆に90重量%を越えると強度や剛性が不十分となるおそれがある。
溶融混練においては、単軸や二軸の押出機を用いることが好ましく、中でも二軸押出機を用いて、繊維状珪酸カルシウム(C)を押出機の途中からフィードする方法が好ましい。かかる方法により、繊維状珪酸カルシウム(C)の破砕を防止しつつ、安定した生産が可能となる。
円筒形ボス部は、例えば該円筒形ボス内部に直接金属ネジをねじ込むことにより、簡便に接合できることから、有用な接合構造である。セルフタップ特性とは、円筒形ボス内部に直接金属ネジをねじ込んだときの強度であり、金属ネジをねじ込んでいった時にボス部が破壊に至るトルク(破壊トルク)で評価することができる。
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、優れたセルフタップ特性を有しており、このように円筒形ボス部を有する成形品に適用したときに、その特徴がより有効に生かされる。
破壊トルクは、用いる金属ネジの種類や形状、ボス部の寸法によって変化するが、本発明における強化熱可塑性樹脂組成物は、一例を挙げれば、呼び径4mm/長さ8mmのBタイトネジを、内径3.5mm/肉厚2.5mm/高さ10mmのボス部にねじ込んだ時の破壊トルクが、1.0N・m以上であることが好ましく、1.5N・m以上であることがとりわけ好ましい。
(A−1)ポリカーボネート系樹脂:ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000、粘度平均分子量21,000(以下、PCと略記する)
(A−2)ポリフェニレンエーテル樹脂:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 30℃クロロホルム中で測定した固有粘度が0.40dl/gのもの)
(A−3)AS樹脂:アクリロニトリル−スチレン共重合体、テクノポリマー社製、商品名:SAN−C (分子量:150,000)
(A−4)ABS樹脂:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、日本A&L社製、商品名:サンタックUT61
(A−5)ポリスチレン樹脂:ポリスチレン、PSジャパン社製、商品名:HF77 (分子量:220,000)
(B−1)リン酸エステル化合物:レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、大
八化学社製、商品名:CR733S
(B−2)リン酸エステル化合物:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、大八化学社製、商品名:CR741
フッ素樹脂:ポリテトラフルオロエテレン、ダイキン工業(株)製、商品名:ポリフロンF−201L (分子量:5,000,000)
(C)繊維状珪酸カルシウム:平均繊維径8μm、平均繊維長136μm(平均アスペクト比17)のワラストナイト、ナイコ社製、商品名:ナイグロス8
(D−1)マイカ:平均粒径40μmの白マイカ、山口雲母社製、商品名:A−41
(D−2)マイカ:平均粒径30μmの金マイカ、クラレ社製、商品名:325HK
(D−3)タルク:平均粒径2μmのタルク、林化成社製、商品名:ミクロンホワイト5000S
(比較として他の充填材)
ガラスフレーク:平均粒径600μm、厚み2〜6μmのガラスフレーク、日本板硝子社製、商品名:REFG−101
ガラス繊維:直径13μm、長さ3mmのチョップドストランド
[実施例1〜8、比較例1〜8]
表1に示す割合にて、繊維状珪酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスフレーク以外の成分を配合した樹脂組成物を、タンブラーミキサーにて均一に混合した。その後、二ヶ所のフィード口を有する二軸押出機(30mmφ)を用いて、シリンダー温度280℃で、該樹脂組成物をメインホッパーより、繊維状珪酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスフレークを下流のホッパーよりフィードし、ペレット化した。
次に、このペレットを用い、射出成形機(住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75T)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、ISO多目的試験片を作成した。
得られた各試験片につき、下記のような方法で評価を行った。結果を表1に示す。
[評価方法]
(1)曲げ弾性率
ISO178による曲げ試験法に従い、三点曲げ試験を行った。
(2)難燃性
UL94垂直燃焼性試験に基づき、1.5mm厚みでの燃焼性を試験した。
(3)セルフタップ特性
樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械製、型締め力150T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、円筒形ボス部を有する試験片を成形した(ボス部の寸法:内径3.5mm/肉厚2.5mm/高さ10mm)。
次いで、得られた試験片のボス部に、呼び径4mm/長さ8mmのBタイトネジをねじ込み、ボス部が破壊に至るトルクを測定し、破壊トルクとした。
(4)反り
樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械製、型締め力150T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、150mm×150mm/高さ20mm/厚み2mmの箱型の試験片を成形した。
次いで、この試験片の天面の反りを、ミツトヨ社製三次元測定機を用いて測定した。測定は、天面の中心線に沿って10mm間隔で15点測定し、両端を結んだ基準線からの最大落ち込み量を反りとした。
(5)金型磨耗性
樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製、型締め力40T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度40℃の条件で、ランナー部に径2mmのピンを立てた試験片を10,000shot成形した。該ピンはNAK80製で替えピンとなっており、材料変更の都度、新品を用いた。
次いで、10,000shot成形後のピンを、ミツトヨ社製三次元測定機を用いてピン径を測定し、成形前に測定しておいたピン径との差を測り、磨耗量とした。
成形前後のピン径の差が小さいほど、金型磨耗性が小さく良好である。
Claims (10)
- 少なくとも非晶性熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)、繊維状珪酸カルシウム(C)、およびタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)を含有する強化熱可塑性樹脂組成物であり、
非晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート系樹脂またはポリフェニレンエーテル系樹脂であり、
非晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部に対する、難燃剤(B)の含有量が0.01〜30重量部であり、
該組成物における、繊維状珪酸カルシウム(C)の含有量が3〜30重量%、かつタルク及び/又はマイカからなる無機物(D)の含有量が3〜30重量%である、強化熱可塑性樹脂組成物。 - 前記ポリカーボネート系樹脂が、ポリカーボネート樹脂、または、ポリカーボネート樹脂と、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂から選択される少なくとも1種とを含む樹脂であり、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂、または、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む樹脂である、請求項1に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 繊維状珪酸カルシウム(C)と、タルク及び/又はマイカからなる無機物(D)の重量比が(C):(D)=1/10〜10/1である、請求項1または2記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 難燃剤(B)がリン酸エステル化合物である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 無機物(D)がタルクである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 無機物(D)がマイカである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 無機物(D)がタルクとマイカの混合物である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の強化熱可塑性樹脂組成物を用いて成形された成形品。
- 円筒形ボス部を有している、請求項8記載の成形品。
- 円筒形ボス部が、その内部に直接、金属ネジをねじ込むための構造である、請求項9記載の成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004363862A JP4399347B2 (ja) | 2003-12-24 | 2004-12-16 | 強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003427965 | 2003-12-24 | ||
JP2004363862A JP4399347B2 (ja) | 2003-12-24 | 2004-12-16 | 強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005206802A JP2005206802A (ja) | 2005-08-04 |
JP4399347B2 true JP4399347B2 (ja) | 2010-01-13 |
Family
ID=34914025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004363862A Active JP4399347B2 (ja) | 2003-12-24 | 2004-12-16 | 強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4399347B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170052828A (ko) * | 2015-11-05 | 2017-05-15 | 주식회사 엘지화학 | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006049263A1 (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-11 | Teijin Chemicals Ltd. | 樹脂組成物およびフラットパネルディスプレイ固定枠 |
KR20140144083A (ko) * | 2013-06-10 | 2014-12-18 | 제일모직주식회사 | 폴리에스테르 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 |
KR101854012B1 (ko) * | 2015-08-31 | 2018-05-03 | 롯데첨단소재(주) | 열가소성 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 |
JP6774329B2 (ja) * | 2016-12-28 | 2020-10-21 | 住友化学株式会社 | 液晶ポリエステル樹脂組成物 |
JP6899258B2 (ja) * | 2017-05-17 | 2021-07-07 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 樹脂組成物および成形品 |
JP2018193472A (ja) * | 2017-05-17 | 2018-12-06 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 樹脂組成物および成形品 |
KR102227120B1 (ko) * | 2017-11-30 | 2021-03-12 | 롯데첨단소재(주) | 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품 |
CN115232406A (zh) * | 2022-09-23 | 2022-10-25 | 广州仕天材料科技有限公司 | 一种硅酸钙矿物纤维改性的聚丙烯复合材料及其制备方法与应用 |
-
2004
- 2004-12-16 JP JP2004363862A patent/JP4399347B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170052828A (ko) * | 2015-11-05 | 2017-05-15 | 주식회사 엘지화학 | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 |
KR102058913B1 (ko) * | 2015-11-05 | 2019-12-24 | 주식회사 엘지화학 | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005206802A (ja) | 2005-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5419916B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP4817784B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP4817785B2 (ja) | 高熱伝導絶縁性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP5073203B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、その成形品並びにフィルム及びシート | |
JP2007091985A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
KR101293789B1 (ko) | 난연성 열가소성 수지 조성물 | |
US7642305B2 (en) | Reinforced thermoplastic resin composition and molded products thereof | |
TWI398463B (zh) | An aromatic polycarbonate resin composition and a molded body using the same | |
JP2005320515A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
KR101256261B1 (ko) | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 | |
JP4768302B2 (ja) | 高熱伝導絶縁性ポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体 | |
JP4399347B2 (ja) | 強化熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた成型品。 | |
WO2007061038A1 (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2003049077A (ja) | 充填材含有難燃樹脂組成物および製法 | |
JP2011168633A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法、およびそれからなる成形品 | |
JP2005112994A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4001741B2 (ja) | ポリカーボネート系難燃樹脂組成物 | |
US6495621B1 (en) | Molding material for OA machine parts with improved vibration damping properties | |
JP2005146219A (ja) | 強化ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP2007169616A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品 | |
JP5073892B2 (ja) | 耐衝撃性に優れたポリカーボネート系難燃樹脂組成物 | |
JP2003041112A (ja) | ポリカーボネート系難燃樹脂組成物及び薄肉成形体 | |
KR20220161918A (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 | |
JPH0711119A (ja) | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 | |
JP5017889B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070110 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070110 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090602 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091020 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091026 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4399347 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |