JP4398727B2 - チタン酸ジルコン酸鉛に関する安定ゾルの調製方法およびそのようなゾルからのフィルムの作製方法 - Google Patents

チタン酸ジルコン酸鉛に関する安定ゾルの調製方法およびそのようなゾルからのフィルムの作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常はPZTと略記されるとともにPbZrTi(1−x) 、0.45≦x≦0.7という組成を有したチタン酸ジルコン酸鉛に関する安定ゾルの調製方法およびそのようなゾルからのフィルムの作製方法に関するものである。
【0002】
本発明は、また、そのようなゾルからのフィルムの作製方法に関するものである。このようなPZTフィルムは、誘電性・強誘電性・圧電性において公知であり、特に、マイクロエレクトロニクス分野に応用することができ、中でも、アクチュエータやセンサや不揮発メモリやキャパシタの構成に応用することができる。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
PZTゾルの調製方法に関しては、また、ゾルゲル法によってフィルムの形態でPZTベースの材料を作製する方法に関しても、文献として様々なものが存在する。
【0004】
ここでは文献[1]と称す、Integrated Ferroelectronics, 26, 1999, pp. 225-241 という文献においては、最大で5μmという厚さであるとともに1,100〜1,300という範囲の誘電定数を有した多層積層体の作製を可能とするような、PZTゾルの合成が提案されている。しかしながら、ジルコニウムプロポキシドまたはチタニウムプロポキシドから出発するそのようなゾルの調製においては、その文献に開示された実施条件下では、熱処理後にフィルム品質を悪くしてしまう原因をなす部分ゲルが、形成されてしまいやすい。このようなフィルムは、特に、ロブスカイト主要相を汚染してしまうようなパイロクロアタイプの中間結晶相を有している。この著者は、特にこのような中間層に基づく誘電特性の劣化を補償するために、2μmよりも厚いフィルムの形成を試みた。
【0005】
したがって、このタイプの態様においては、不揮発メモリの分野には応用することができない。それは、不揮発メモリの分野においては、フィルム厚さが、0.2μmよりも薄いことが必要とされているからである。
【0006】
ここでは文献[2]と称す、Journal of sol-gel sciene and technology, 2,1994, pp. 605-609 という文献;ここでは文献[3]と称す、J. Mater. Res., 1996, 11, No. 10, pp. 2556-2564 という文献;および、ここでは文献[4]と称す、J. Mater. Res., 1999, 14, No. 5, pp. 1852-1859という文献;には、フィルムの作製を目的として、ジオール内において調製を行うような、PZTゾルの調製が記載されている。しかしながら、そのようなゾルの調製においては、それら文献に開示された実施条件下では、繰返し可能にはまた再現可能には、薄いフィルムを得ることができない。よって、この調製態様は、PZTベースの材料の使用を必須とするようなエレクトロニクスデバイスの工業的生産に対しては、応用することができない。
【0007】
ここでは文献[5]と称す、Journal of sol-gel sciene and technology,
2000, 19, pp. 671-676 という文献においては、例えば1,500という程度の誘電定数といったような電気的に有利な性質を有した薄いフィルムの作製を目的として、PZTゾルの1年間にわたっての安定性を検証している。この著者は、ゾルの長期安定性を担う溶媒として、アセトンの使用を提案した。しかしながら、粘度の経時変化に関する研究により、同じ条件下で生成されたフィルムの厚さが、与えられたゾルに関して1年経過後においては約14%増大するようにして、変化してしまうことが明らかとなった。この厚さ変化は、工業的製造プロセスにおいて必要とされている繰返し性には不適合である。
【0008】
よって、経時的に物理的化学的特性(粘度、凝集状態、等)が変化することなく長期安定性をゾルに対して付与し得るような、PZTゾルの調製方法が要望されている。
【0009】
さらに、繰返し可能なかつ再現可能な電気特性をフィルムに対して付与し得るような、PZTゾルから出発したPZTベースフィルムの作製方法が要望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
よって、本発明の目的は、特に、上記要望を満たすとともに、従来技術による調製方法における欠点や欠陥や制限を有しておらず、さらに、従来技術による調製方法における本来的な問題点を解決し得るような、PZTゾルの調製方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、工業的スケールで応用可能であるよう、特に、繰返し可能かつ再現可能でありさらに作製時間が短縮されているような、そのようなゾルからのPZTフィルムの作製方法を提供することである。
【0012】
この方法は、特に、150〜220nmという程度の厚さの極薄フィルムに関して800〜900という程度の大きな誘電定数を得ることを可能とするものであるべきである。
【0013】
本発明においては、繰返し性または繰返し可能性という用語は、フィルムの特に電気的性質が、あるゾルから作製されたフィルムと、経時的変化を受けたその同じゾルから作製されたフィルムと、において差がないような、フィルム形成プロセスを指しているものとして、理解されたい。
【0014】
本発明においては、再現性または再現可能性という用語は、フィルムの特に電気的性質が、同じ実施条件下において調製された互いに異なるゾルから作製されたフィルムどうしの間において差がないような、フィルム形成プロセスを指しているものとして、理解されたい。
【0015】
上記目的および他の目的は、本発明に基づき、PZTと略記されるとともにPbZrTi(1−x) 、0.45≦x≦0.7という組成を有したチタン酸ジルコン酸鉛に関するゾルの調製方法であって、
(a)チタンベースの前駆体とジルコニウムベースの前駆体と鉛ベースの前駆体とを備えてなる濃縮ゾルをジオール内において調製し;
(b)濃縮ゾルを、時間の関数として一定粘度となるまで、撹拌することなく雰囲気温度において静置し;
(c)ステップ(a)において使用したジオールと互換性のある溶媒を使用して、ステップ(b)において得られたゾルを、希釈する;
という方法によって、達成される。
【0016】
言い換えれば、本発明による調製方法においては、まず最初に、ジオール内においてチタンベースの前駆体とジルコニウムベースの前駆体と鉛ベースの前駆体とを混合することにより、ジオール内において第1濃度を有したゾルを調製する。ここで、ジオール内への混合前に、必要であれば、そのジオールと同じ溶媒または異なる溶媒内に前駆体を前もって溶解させることができることに、注意されたい。前もって溶解させる溶媒は、使用されるジオールと混和性のものでなければならない。その次に、そのようにして得られたゾルを、撹拌することなく雰囲気温度において静置し、時間の関数としてこのゾルの粘度を測定する。粘度が実質的に一定の値に安定したことを観測した後に、ゾルを、最初のステップにおいて使用されたジオールと互換性のある溶媒によって、希釈する。希釈後のゾルは、上記第1濃度よりも低濃度であるような、第2濃度を有している。
【0017】
本発明においては、互換性のある溶媒という用語は、ステップ(a)において使用されたジオールと同じ溶媒であっても異なる溶媒であっても良いけれども、ステップ(a)において使用されたジオールに対して混和性を有している溶媒でなければならないことを意味しているものとして、理解されたい。
【0018】
本発明においては、雰囲気温度という用語は、調整が行われている周囲雰囲気に対応する温度であって、温帯地方における20℃という平均温度に対応する温度を意味しているものとして、理解されたい。言い換えれば、このことは、ステップ(b)が、外部加熱を一切必要としないことを意味している。
【0019】
詳細には、本発明においては、濃度は、単位質量あたりのPZT当量で表現される。すなわち、ゾルの全質量に関して、単位質量あたりにおける PbZrTi(1−x) という組成物の存在比率でもって、表現される。
【0020】
詳細には、本発明においては、一定の値という用語は、実質的に一定の値を意味するものとして理解されたい。
【0021】
この調製方法は、PZTゾルの安定化ステップ(ステップ(b)に対応)を有しているという利点を有している。ゾルのこの安定化は、特に、ゾルの粘度の安定化が得られるに十分な期間にわたって、ステップ(a)において調製されたゾルを、撹拌することなく雰囲気温度において静置するという事実に基づいている。このステップは、濃縮ゾルの熟成に対応する。熟成時には、溶解した各金属前駆体(すなわち、鉛、チタン、および、ジルコニウムをベースとした各前駆体)が、凝集し、平衡状態となるまで重合する。この重合は、ゾルの粘度が上昇することによって確認される。ゾルの粘度は、時間の関数として、平衡状態に到達した時点で、実質的に一定の値となる。この熟成期間の後に、本発明においては、希釈を行う。この希釈は、希釈後に得られることとなるゾルを、所定の粘度値に決定的に固定するという効果を有している。これにより、同じ操作条件下で形成された複数のゾルからの層成膜に関しての再現性が確保されるとともに、本発明による調製方法により得られたゾルの安定性のために、層成膜の繰返し性が確保される。(従来技術においては)この熟成期間を重要視していないことにより、特に、時期尚早にゾルの希釈が行われてしまい、見かけの粘度が得られてしまう。この見かけの粘度は、熟成期間を重要視して本発明によって得られかつ本発明によって希釈されたゾルの粘度と比較して、大差はない。しかしながら、わずかしか熟成されていないゾル(すなわち、本発明による調製方法における熟成期間が重要視されていないようなゾル、すなわち、本発明による調製方法におけるステップ(b)が重要視されていないようなゾル)を薄層として成膜したときには、生成される厚さが、本発明に基づいて熟成されかつ本発明に基づいて希釈されたゾルを使用して得られる厚さよりも、薄いことが観測されている。実際、ごくわずかしか熟成されなかったゾルは、熟成したゾルと比較して、不可避的に、凝集/派生の度合いが小さい成分を含有している。
【0022】
本発明は、また、PbZrTi(1−x) 、0.45≦x≦0.7という組成を有したチタン酸ジルコン酸鉛(PZTとして知られている)からなるフィルムの作製方法に関するものであって、この方法においては、
(d)上述した調製方法によって得られたゾルからなる少なくとも1つの層を、基体上に成膜し;
(e)ゾルをゲル化させるのに有効な持続時間および温度でもって少なくとも1つの層を乾燥させ;
(f)ゾルの調製に由来する有機物を除去するのに有効な温度および持続時間でもって少なくとも1つの層を焼成し;
(g)少なくとも1つの層の稠密化を得るのに有効な温度および持続時間でもってアニールを行う。
【0023】
有機物という用語は、本発明においては、ゾルの調製に由来する溶媒残留物、および、金属前駆体どうしの相互作用に由来する有機化合物を意味するものとして理解されたい。
【0024】
PZTフィルムのこの作製方法は、再現性のある方法であるという利点を有している。すなわち、同一のゾル調製条件に対してフィルムの電気的性能が常に同一であるという利点を有している。また、PZTフィルムのこの作製方法は、繰返し性のある方法であるという利点を有している。すなわち、安定化された混合ゾルを使用することにより、経時的に再現性を有した方法であるという利点を有している。上記調製方法に起因するものであって物理化学的特性(粘度、溶液内における分子種の凝集状態、等)が経時的に一様なものとされた混合ゾルは、基体上に成膜される厚さの再現性と繰返し性とを保証する。したがって、本発明による作製方法は、再現性かつ繰返し性を有する結果を保証するための製造パラメータの再調整といったようなことを不要とするものであって、工業的規模での実施を完全に想定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の他の特徴点や利点は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【0026】
本発明においては、PZTゾルの形成方法は、経時的に特性が変化しないような安定なゾルを最終的に得るための、一連のステップを備えている。
【0027】
これを行うために、本発明による方法は、ジオール内においてチタンベースの前駆体とジルコニウムベースの前駆体と鉛ベースの前駆体とを混合することにより、ジオール内において濃縮ゾルを調製するという、第1ステップ(ステップ(a))を必要とする。この濃縮ゲルの調製は、任意の公知方法によって行うことができる。例えば、特定の実施形態においては、ジオール内に鉛ベースの前駆体を溶解させることによってジオール内において鉛ベースのゾルを調製し、この鉛ベースのゾルに対して、チタンとジルコニウムとをベースとした混合ゾルを添加する。ここで、その混合ゾルは、同じジオール内に、あるいは、このジオールと互換性がある溶媒内に、特にアルコールの場合にはプロパノールといったようにそのジオールと混和性のある溶媒内に、ジルコニウムベースの前駆体とチタンベースの前駆体とを溶解させることによって調製されたものである。この場合、詳細には、鉛ベースのゾルは、PZTゾルを層の形態で成膜して熱処理を行ったときに10%程度の酸化鉛の損失が観測されたことにより、好ましくは、初期的には化学量論よりも10%過剰なものとされる。その後、上記複数のゾルの混合物を、反応性混合物の沸点近傍の温度において、撹拌しつつ還流することができる。還流により、有利には、互いに混合された複数のゾルの一様化を確保することができる。金属前駆体をベースとした混合ゾルの調製に際して使用されるジオールは、好ましくは、2〜5個の炭素原子数を有したアルキレングリコールとされる。このタイプの溶媒は、特に鉛とチタンとジルコニウムとの配位圏を完結させることによって配位子の一部として部分的に機能する点において、複数の金属前駆体の溶解を容易とすることに寄与する。
【0028】
本発明の特別の実施形態においては、使用されるジオールは、エチレングリコールとされる。
【0029】
本発明においては、鉛、チタン、および、ジルコニウムをベースとした各前駆体は、様々な種類のものとすることができるものの、市販されていて安価であるものが好ましい。
【0030】
例示するならば、鉛前駆体としては、例えば酢酸塩といったような有機鉛塩、例えば塩化物といったような無機鉛塩、あるいは、例えば1〜4個の炭素原子を有したアルコラートといったような有機金属鉛化合物、を使用することができる。好ましくは、本発明においては、使用される鉛前駆体は、例えば酢酸鉛の三水和物といったような、水和した有機塩とされる。この前駆体は、安定でありかつ入手が容易でありさらに安価であるという利点を有している。しかしながら、そのような水和した前駆体の使用時には、脱水することが好ましい。実際、ゾルどうしを混合する際に水が存在していれば、金属前駆体の時期尚早の加水分解が引き起こされてしまい、重合が起こってしまう。その結果、混合ステップにおいて、鉛とチタンとジルコニウムとをベースとした混合ゾルがもはや存在せず、ゲル状の混合物が形成される。その場合、そのように形成されたゲルから、フィルムを成膜することは困難である。
【0031】
例えば、酢酸鉛三水和物の脱水は、ゾルどうしの混合を行う際に使用したジオール内において蒸留を行うことによって、行われる。
【0032】
チタンの前駆体は、好ましくは、チタニウムイソプロポキシドといったようなアルコキシドとされる。同様に、ジルコニウムの前駆体は、好ましくは、ジルコニウムノルマルプロポキシドといったようなアルコキシドとされる。
【0033】
この濃縮PZTゾルの調整ステップ(ステップ(a))の終了時には、有利には、濃度が単位質量あたりに20%PZT当量以上とされたような、好ましくは、濃度が単位質量あたりに約20%〜約40%PZT当量とされたような、例えば26%の程度とされたような、ゾルを得ることができることに、注意されたい。
【0034】
複数の金属前駆体の混合が行われた後には、本発明の第1ステップの終了時点で得られたゾルは、いわゆる熟成期間を受ける。この熟成期間においては、上述したように、時間の関数として一定の粘度を有したゾルが得られるまで、ゾルを、撹拌することなく雰囲気温度において静置する。
【0035】
第1ステップ(ステップ(a))において得られたゾルは、好ましくは、1〜5週間という期間にわたって、撹拌することなく雰囲気温度において静置される。
【0036】
ゾルの粘度の安定化が観測された後に、特にこのゾルの後工程での使用を容易とし得るよう、ゾルを、濃縮ゾルよりも薄い濃度となるように、希釈する。この場合、単位質量あたり20%PZT当量以上の濃度を有したゾルから出発して、例えば単位質量あたり1〜20%PZT当量という濃度を有したゾルが得られるように、ゾルを希釈することができる。例えば、本発明による方法の第2ステップによって得られた26%という濃度のゾルから出発して、単位質量あたり20%PZT当量というゾルが得られるように、ゾルを希釈することができる。所定濃度までのこの希釈により、一方においては、与えられた値において粘度を固定することができ、他方においては、特に層の形態でゾルを成膜するという用途でゾルを使用可能とする。
【0037】
本発明においては、希釈溶媒は、濃縮ゾルの調製のための溶媒と互換性であるべきである。希釈溶媒は、ゾルの調製のための溶媒と同一のものとも異なるものともすることができ、好ましくは、アルコール類の中から選択される。
【0038】
本発明においては、上記方法によって調製された安定なゾルは、適切な処置の後にPZTフィルムが構成されるように、特に有利な誘電特性を有したPZTフィルムが構成されるように、層の形態で成膜されることを意図している。
【0039】
第1ステップにおいては、基体上に、上記方法に基づいて調製された安定化済みゾルを、少なくとも1つの層の形態で、成膜する。
【0040】
この成膜に際しては、薄層の形態で成膜体を得ることができる任意の技術を使用することができる。本発明においては、成膜される薄層の厚さは、10〜100nmとすることができる。
【0041】
成膜は、有利には、ディップコーティングやスピンコーティングによって行われる。このような技術は、特に、成膜厚さを容易に制御することができ、また、成膜体の微小構造(多孔性、結晶性、等)を調節することができる。スピンコーティングの場合には、成膜のための基体を、回転支持体上においてフラットに配置する。その後、基体をカバーできるくらいの量のゾルを、滴下する。遠心力を作用させることにより、ゾルを、薄層の形態に押し広げる。層厚さは、特に、遠心速度の関数、および、ゾル濃度の関数、とされる。ゾル濃度というパラメータは、単位質量あたりのPZT当量として固定される。当業者であれば、所望の層厚さに関して必要な遠心速度を容易に選択することができる。
【0042】
本発明においては、成膜のための基体は、様々なタイプのものとすることができるものの、好ましくは、熱処理時に例えばイオンの移動によってといったようにして成膜層を汚染するようなものであるべきではなく、好ましくは、成膜層の良好な付着を可能とするものであるべきである。基体の軟化温度は、成膜層の熱処理温度よりも大きいものであるべきであり、基体の熱膨張係数は、アニール時に応力の影響を制限し得るよう、成膜層の熱膨張係数と適合しているべきである。
【0043】
本発明においては、基体は、好ましくは、シリコンウェハとされる。このタイプの基体は、有利には、良好なフラットさを有しており、優秀な表面状態を有しており、さらに、特に、変性を起こすことなく高温アニールを行うことを可能とする。
【0044】
とりわけ、シリコンウェハは、特に半導体形成に組み込むことが意図された場合には、金属化層を有することができる。シリコンウェハは、また、例えば[111]配向といったように、配向させることができる。このことは、成膜層の優越方位に関して、特に好ましい。
【0045】
薄層としてゾルの成膜を行った後に、本発明においては、成膜層は、成膜層のゲル化をもたらすのに有効な温度および持続時間でもって成膜層を乾燥させるというステップを受ける。このステップは、ジオールタイプの溶媒の一部を蒸発させること、希釈溶媒の一部を蒸発させること、および可能であれば、例えばエステルといったような金属前駆体に由来する二次生成物を蒸発させること、を意図している。このステップの終了時には、ゾルは、基体表面に対して付着した一定厚さのゲル層へと、完全に変換される。ゲル化を達成するのに有効な温度および時間持続は、例えばUV〜可視における分光法を使用することによって、当業者であれば容易に決定することができる。
【0046】
例えば、本発明においては、乾燥ステップは、雰囲気温度において1〜10分間にわたって行うことができる。
【0047】
本発明においては、PZTフィルムの形成方法において、成膜ゾルからゲルへの変換終了時に、ゲルの熱処理を行う。
【0048】
本発明においては、この熱処理に際しては、まず最初に、焼成ステップを行う。焼成ステップは、ゾルの調製に由来する有機物を除去するのに適した温度および持続時間で行われる。焼成温度は、成膜層の有機物が完全に除去され得るように、特に、ゾルの調製および希釈のための溶媒と金属前駆体どうしの相互作用によって生成された生成物とが完全に除去され得るように、選択される。有効な温度および持続時間は、例えばIR(赤外)分光法といったような技術によって、当業者であれば容易に決定することができる。最小の焼成温度は、特に水酸基のない層を得ることを可能とし得るような温度に対応する。水酸基の消失は、赤外分光法によって検証することができ、特に、約3500cm−1における広いバンドの消失によって検証することができる。最大の焼成温度は、無機化合物しか含有していないような層すなわち赤外スペクトルにおいて炭素化合物のバンドを一切含有していないような層を得ることを可能とする温度に対応する。
【0049】
与えられた温度における焼成の持続時間は、一定の層厚さを得ることを可能とするような持続時間に対応する。層厚さは、例えば、UV分光技術によって、観測される。焼成ステップは、有機化合物を含有していないような、一様厚さの層が得られると、終了される。
【0050】
焼成ステップは、好ましくは、約300〜約500℃において、約2〜約15分間にわたって、行われる。
【0051】
熱処理においては、次に、アニールステップを行う。アニールステップは、成膜層の稠密化を可能とするのに有効な温度および持続時間で行われる。層の稠密化は、安定した厚さの層を得ること、および、ペロブスカイトタイプの結晶構造の層を得ること、に対応する。アニール温度および持続時間は、この結晶化が得られるように、選択される。結晶化は、例えばX線回折分析といったような構造解析によって容易に検証することができる。アニールは、好ましくは、約600〜約800℃において約1〜約5分間という持続時間にわたって、行われる。
【0052】
アニールは、様々な手法によって行うことができる。アニールは、好ましくは、例えば急速加熱アニール(rapid thermal annealing,RTA)技術を使用して得られるような、急速加熱モードによって行われる。
【0053】
本発明においては、少なくとも1つの層の成膜によって構成されたフィルムにおいては、本発明による方法における熱処理の終了時に、ペロブスカイト系に従った単一系でもって結晶化したPZTフィルムを得ることができる。
【0054】
以下、本発明について、本発明を何ら制限するものではなく単なる例示としてのいくつかの実験例を参照して説明する。
【0055】
実験例1
以下の例は、まず最初に、鉛ベースの前駆体である酢酸鉛と、共にアルコキシドの形態とされたチタン前駆体およびジルコニウム前駆体と、から、PbZr0.52Ti0.48 という組成のPZTゾルの調製を示している。
【0056】
使用されたチタニウムアルコキシドおよびジルコニウムアルコキシドは、プロパノール内に重量%で70%という濃度とされた市販のジルコニウムノルマルプロポキシド、および、市販のチタニウムイソプロポキシドである。酢酸鉛は、三水和物の形態であった。
【0057】
粘度は、毛細管チューブを使用してあるいは回転シリンダ粘度計を使用して、約20℃という温度で測定された。
【0058】
この特定の実施形態においては、ゾルの調製は、脱水された鉛ベースのゾルを調製するという準備段階を備えている。
【0059】
(a)鉛ベースの脱水されたゾルの調製
蒸留アセンブリを備えたフラスコ内に、751.07g(1.98mol)の酢酸鉛三水和物と、330g(5.32mol)のエチレングリコールとを、計量して投入した。混合物を約70℃で一様化し、これにより、酢酸鉛の溶解を可能とした。次に、蒸留によって鉛ベースの前駆体を脱水するために、得られた一様溶液の温度を上昇させた。120gの蒸留物を収集した。ゾルの鉛濃度は、2.06mol/kgの程度であった。
【0060】
(b)PbZr 0.52 Ti 0.48 という組成の安定ゾルの調製
アルゴン流中において撹拌しつつ、264g(330ml)のn−プロパノールに対して、225.13g(0.792mol)のチタニウムイソプロポキシドと、401.52g(0.858mol)の、n−プロパノール中の70%ジルコニウムn−プロポキシドと、を添加し、その後、458.7g(412.5ml)のエチレングリコールを添加した。20分間にわたって、雰囲気温度において、撹拌を継続した。
【0061】
三口フラスコ内に、1.815molの、先に調製しておいた鉛前駆体ゾルを計量して、投入した。この量は、フィルムの熱処理時に酸化鉛(PbO)が失われることを修正するために、10%だけ過剰なものとされている。その後、アルゴン流中において、強力な撹拌(600rpm)を行いつつ、Ti/Zrベースのゾルを、急速に添加した。この添加の終了後に、乾燥剤ガードが上部に付属されているコンデンサを所定に配置し、アルゴン流を停止させた。加熱は、還流下で、2時間にわたって行った(101℃)。温度が上昇している最中に、撹拌を250rpmへと減少させた。還流後に、単位質量あたりに26%程度のPZT当量という濃度を有した濃縮混合ゾルが得られた。混合ゾルは、時間の関数として一定粘度が得られるまで、撹拌することなく雰囲気温度に維持した。この例においては、混合ゾルは、1週間にわたって、撹拌することなく雰囲気温度に維持した。その後、濃縮した混合ゾルを、エチレングリコールを添加することによって、単位質量あたり20%PZT当量という濃度へと、すなわち0.75Mという濃度へと、希釈した。
【0062】
図1は、時間の関数として、重量で26%のPZT溶液(本発明による方法の第1ステップの後に得られたもの)の粘度に関しての一定温度での測定(20℃)における変化を示している。図1により、時間の関数として、PZTゾルの粘度が明確に変化していることがわかる。特に、この変化は、熟成時間につれて溶液内の様々な種の重合度が上昇することを表している。1週間という熟成期間を超えると、混合ゾルの粘度は、安定化する傾向があり、最終的には、74センチポアズの程度という一定粘度に対応した水平漸近線へと到達する。その後、この溶液を希釈することができ(ゾル調製方法の最後のステップ)、この希釈は、得られる溶液を、与えられた粘度値に明確に固定するという効果を有している。
【0063】
本発明によるゾル調製方法は、非常に長い期間にわたって非常に安定なゾルを調製することを、可能とする。
【0064】
本発明に基づいて調製されたゾルの安定性を強調するために、実験例1において調製されたゾルに関して、時間の関数としての粘度測定を行った。
【0065】
実験例1に基づいて、希釈後に得られたゾルは、33.4センチポアズという初期粘度を有していた(20℃において測定した)。この同じゾルに関する新たな粘度測定を、12ヶ月という時間経過後に行った。33.25センチポアズという粘度(最初の場合と同じ条件下で測定を行った)が得られた。すなわち、無視できる程度の変化であった。したがって、この12ヶ月という期間においては、溶液の化学変化が起こらず、本発明による方法により調製されたゾルが、時間的に完璧に安定していることが、結論づけられた。この結果の再現性は、共に上述した操作モードに従って実施された互いに異なる2つの調製に関して、観測された。
【0066】
実験例2
この実験例は、上述したようにして調製されたゾルを基体上において3層にわたって成膜することによるPZTフィルムの作製を示している。選択された基体は、[111]に配向し、直径が12.5〜15cmであるシリコンウェハとされた。このシリコンウェハは、陰極線スパッタリング法による100nm〜200nmという厚さの白金層によって、金属化されている。白金層は、下部電極として機能する。この例において使用された成膜技術は、スピンコーティングである。この技術においては、与えられた濃度のゾルに対して、デバイスの回転速度を適切に選択することによって、成膜厚さを容易に制御することができる。成膜は、フィルム内への侵入粒子の存在を制限するために、ダストのない領域において行われ、さらに、蒸発条件の再現性を保証するために、制御された環境下(温度および相対湿度が制御されている)で行われた。
【0067】
単位質量あたりにおいて20%PZTへと希釈されたゾルは、シリコンウェハ上への成膜前に、0.2μmのフィルタによって濾過された。この成膜に際し、成膜される単位層あたりの最終厚さが60〜70nmとなるよう、回転速度は、4,000rpmへと調節された。
【0068】
その後、成膜した層を、雰囲気温度において8分間にわたって乾燥させることにより、ゲル化させた。成膜体の乾燥後には、層を、300℃において15分間にわたって、焼成した。
【0069】
焼成後には、成膜した層を、800℃において5分間という持続時間にわたって空気雰囲気下でアニールすることによって、稠密化処理を行った。
【0070】
この例においては、層の成膜操作および上記熱処理操作を、3回繰り返した。これにより、195nmという程度の厚さのフィルムを得た。
【0071】
このようにして形成されたフィルムは、195nmという程度の厚さを有しかつ820という程度の誘電定数を有したセラミック材料である。
【0072】
作製したフィルムをX線構造解析することにより、基体の[111]方向に従った好ましい配向を有した単一ペロブスカイト結晶相が得られていることが、確認された。パイロクロアタイプの寄生相は、この作製方法においては全く検出されなかった。
【0073】
実験例3
この例においては、PZTをベースとしたフィルムの形成方法に関する再現性を検証した。
【0074】
上記実験例による混合ゾルから得られたフィルムの電気的性能の再現性を示すために、上記方法に従って調製した4個のゾルを原料として、実験例1,2に従った同一操作条件下において、4回の試行を行った。得られた各フィルムは、シリコンウェハ上に3層成膜された積層とされた。
【0075】
結果を以下の表に示す。
【表1】
Figure 0004398727
【0076】
上記結果から、同様にして調製されたゾルから同じ成膜条件でもって得られた各フィルム厚さが、4回の試行にわたって互いに同様であること、および、誘電性能が、互いに非常に似通っていることが、わかる。
【0077】
よって、本発明による方法は、その再現性のために、例えば工業的エレクトロニクス素子製造プロセスといったようなものに対して、完全に適合している。
【0078】
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[5]: Journal of sol-gel sciene and technology, 2000, 19, pp. 671-676.
【図面の簡単な説明】
【図1】 時間t(単位:週)の関数として、単位質量あたりにおいて26%PZT当量へと濃縮されたPZTゾル(PbZr0.52Ti0.48 )(このゾルは、本発明による方法におけるステップ(a)の結果である)に関しての雰囲気温度で測定した粘度η(単位:センチポアズ,cp)の変化を示すグラフである。

Claims (18)

  1. PZTと略記されるとともにPbZrTi(1−x) 、0.45≦x≦0.7という組成を有したチタン酸ジルコン酸鉛に関するゾルの調製方法であって、
    (a)チタンベースの前駆体とジルコニウムベースの前駆体と鉛ベースの前駆体とを備えてなる濃縮ゾルをジオール内において調製し;
    (b)前記濃縮ゾルを、一定粘度に到達し得るよう1〜5週間という持続時間にわたって、撹拌することなく雰囲気温度において静置し;
    (c)前記ステップ(a)において使用した前記ジオールと互換性のある溶媒を使用して、前記ステップ(b)において得られたゾルを、希釈する;
    ことを特徴とする調製方法。
  2. 請求項1記載の調製方法において、
    前記ステップ(a)における前記濃縮ゾルを、単位質量あたりに20〜40%PZT当量という濃度を有したものとすることを特徴とする調製方法。
  3. 請求項2記載の調製方法において、
    前記ステップ(a)における前記濃縮ゾルを、単位質量あたりに26%PZT当量という濃度を有したものとすることを特徴とする調製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の調製方法において、
    前記ジオールを、2〜5個という炭素原子数を有したアルキレングリコールとすることを特徴とする調製方法。
  5. 請求項4記載の調製方法において、
    前記ジオールを、エチレングリコールとすることを特徴とする調製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の調製方法において、
    前記鉛ベースの前駆体を、有機鉛塩、無機鉛塩、および、有機金属鉛化合物、からなるグループの中から選択されたものとすることを特徴とする調製方法。
  7. 請求項6記載の調製方法において、
    前記鉛ベースの前駆体を、酢酸鉛の三水和物とすることを特徴とする調製方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の調製方法において、
    前記チタンベースの前駆体を、チタニウムアルコキシドとすることを特徴とする調製方法。
  9. 請求項8記載の調製方法において、
    前記チタンベースの前駆体を、チタニウムイソプロポキシドとすることを特徴とする調製方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の調製方法において、
    前記ジルコニウムベースの前駆体を、ジルコニウムアルコキシドとすることを特徴とする調製方法。
  11. 請求項10記載の調製方法において、
    前記ジルコニウムベースの前駆体を、ジルコニウムノルマルプロポキシドとすることを特徴とする調製方法。
  12. PZTとして知られているとともにPbZrTi(1−x) 、0.45≦x≦0.7という組成を有したチタン酸ジルコン酸鉛からなるフィルムの作製方法であって、
    (d)請求項1〜11のいずれか1項に記載された調製方法によって得られたゾルからなる少なくとも1つの層を、基体上に成膜し;
    (e)前記ゾルをゲル化させるのに有効な持続時間および温度でもって前記少なくとも1つの層を乾燥させ;
    (f)前記ゾルの調製に由来する有機物を除去するのに有効な温度および持続時間でもって前記少なくとも1つの層を焼成し;
    (g)前記少なくとも1つの層の稠密化を得るのに有効な温度および持続時間でもってアニールを行う;
    ことを特徴とする作製方法。
  13. 請求項12記載の作製方法において、
    前記成膜を、ディップコーティングによって行うことを特徴とする作製方法。
  14. 請求項12記載の作製方法において、
    前記成膜を、スピンコーティングによって行うことを特徴とする作製方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の作製方法において、
    前記基体を、シリコンウェハとすることを特徴とする作製方法。
  16. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の作製方法において、
    前記乾燥操作を、雰囲気温度において1〜10分間という持続時間にわたって行うことを特徴とする作製方法。
  17. 請求項12〜16のいずれか1項に記載の作製方法において、
    前記焼成操作を、300〜500℃という温度において2〜15分間という持続時間にわたって行うことを特徴とする作製方法。
  18. 請求項12〜17のいずれか1項に記載の作製方法において、
    前記アニール操作を、600〜800℃という温度において1〜5分間という持続時間にわたって行うことを特徴とする作製方法。
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