JP4398334B2 - ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および液晶表示素子 - Google Patents

ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、超高ガスバリア性を有するガスバリアフィルムに関するものであり、特に、各種デバイスの基板や該基板を被覆するのに適したフィルムに関するものである。また本発明は、耐久性およびフレキシブル性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」という)や液晶表示素子に関するものである。
従来より、プラスチック基板やフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルムが、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。また、包装用途以外にも液晶表示素子、太陽電池、エレクトロルミネッセンス(EL)基板等で使用されている。特に液晶表示素子、EL素子などへの応用が進んでいる透明基材には、近年、軽量化、大型化という要求に加え、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等のフィルム基材が採用され始めている。プラスチックフィルムは上記要求に応えるだけでなく、ロールトゥロール方式が可能であることからガラスよりも生産性が良くコストダウンの点でも有利である。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基材はガラスに対しガスバリア性が劣るという問題がある。ガスバリア性が劣る基材を用いると、水蒸気や空気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させてしまう。この様な問題を解決するためにフィルム基板上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性フィルム基材とすることが知られている。包装材や液晶表示素子に使用されるガスバリア性フィルムとしてはプラスチックフィルム上に酸化珪素を蒸着したもの(特許文献1)や酸化アルミニウムを蒸着したもの(特許文献2)が知られており、いずれも1g/m2/day程度の水蒸気バリア性を有する。近年では、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開発によりフィルム基板へのガスバリア性能について水蒸気バリアで0.1g/m2/day程度まで要求が上がってきている。さらに、ごく近年においてさらなるバリア性を要求される有機ELディスプレイや高精彩カラー液晶ディスプレイなどの開発が進み、これらに使用可能な透明性を維持しつつもさらなる高バリア性(特に水蒸気バリアで0.1g/m2/day未満の性能)を有する基材が要求されるようになってきた。
このような要求に応えるような高いバリア性能を実現するために、低圧条件下でグロー放電させて生じるプラズマを用いて薄膜を形成させるスパッタリング法やCVD法による成膜検討が行われている。また、有機層/無機層の交互積層構造を有するバリア膜を真空蒸着法により作製する技術が提案されている(特許文献3および非特許文献1)。
特公昭53−12953号公報 特開昭58−217344号公報 米国特許第6,413,645号明細書 Thin Solid Film, 290-291(1996)
しかしながら、これらの薄膜形成法は、高温の蒸気として噴出した有機物がフィルム上で凝集し薄膜を形成するため、一時的にフィルムが加熱されて部分的に変形を起こし、その後の積層工程が不均一となり、充分なバリア能が得られないという問題を有していた。また、フレキシブル性と両立させるために薄層構造をとらせることから、微量の異物が存在してもバリア性が損なわれるという問題を有していた。
このように、プラスチック基板で有機EL等を設計すれば、従来のガラスに対して大幅な軽量化を進めることができるが、その一方において上記の様な透過ガスに伴う素子劣化が起こるという問題があった。このため、素子の耐久性と軽量化を両立する技術の発現が望まれていた。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、下記の技術によって課題を解決しうることを見いだして本発明を提供するに至った。
(1)支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有しており、かつ、前記支持体の少なくともバリア層と反対の面上に、帯電防止層を有することを特徴とする、ガスバリアフィルム。
(2)前記帯電防止層が、イオン性高分子化合物を含む、(1)に記載のガスバリアフィルム。
(3)前記帯電防止層が、導電性微粒子が分散している層である、(1)または(2)に記載のガスバリアフィルム。
(4)前記支持体の少なくとも一方の面上に、さらに、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層からなる群より選択される層を少なくとも一層有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(5)前記支持体の熱膨張係数が30ppm/℃以下である(1)〜(4)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
(7)(1)〜(5)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた液晶表示素子。
本発明のガスバリアフィルムは、軽量でありながらガスバリア性が極めて高いという特徴を有する。このため、本発明のガスバリアフィルムを使用した有機EL素子や液晶表示素子は、光学性能に優れており、耐久性が高い。
以下において、本発明のガスバリアフィルムとその利用について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[ガスバリアフィルム]
本発明のガスバリアフィルムは、支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有している。バリア層と有機層の層数は、それぞれ10層以下であることが好ましく、各1層づつであることがより好ましい。バリア層と有機層は隣接していることが好ましいが、バリア層と有機層の間に他の層が存在していても構わない。本発明のガスバリアフィルムのガスバリア性は、IDW'01にG.NISATOらによっつて発表されたCa法にて求めた値が10-4以下である。
以下において、無機物を含むバリア層と有機層について順に説明する
(無機物を含むバリア層)
本発明のガスバリアフィルムでは、無機物を含むバリア層が支持体上に直接形成されていてもよいし、後述する下塗層や有機層などの上に形成されていてもよい。
バリア層に含まれる無機物の種類は特に制限されないが、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ta等の1種以上の無機元素を含む酸化物もしくは窒化物もしくは酸化窒化物などを用いることができる。水蒸気バリア性と高透明性を両立させるには、バリア層に珪素酸化物や珪素酸化窒化物を用いることが好ましい。珪素酸化物(SiOx)を用いる場合は、良好な水蒸気バリア性と高い光線透過率を両立させるために1.6<x<1.9とすることが望ましい。珪素酸化窒化物(SiOxNy)を用いる場合は、密着性向上を重視するときは1<x<2、0<y<1として酸素リッチの膜とすることが好ましく、水蒸気バリア性向上を重視するときは0<x<0.8、0.8<y<1.3として窒素リッチの膜することが好ましい。これらはガスバリアフィルムの使用目的に応じて適宜決定することができる。
バリア層は、意図した態様に形成することができる方法であればいかなる方法によって形成してもよい。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号等の各公報記載の方法で成膜することができる。
バリア層の厚みについては特に限定されないが、5nm〜1000nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、10nm〜1000nmであり、最も好ましくは、10nm〜200nmである。本発明のガスバリアフィルムが複数のバリア層を有する場合は、それらのバリア層の厚みの合計が上記範囲内に入っていることが好ましい。バリア層が厚すぎると曲げ応力によるクラックが発生するおそれがあり、薄すぎると膜が島状に分布するおそれがあるため、いずれも水蒸気バリア性が悪くなる危険性がある。
本発明のガスバリアフィルムは2層以上のバリア層を有していてもよく、その場合は各層が同じ組成を有していても違う組成を有していてもよい。
(有機層)
本発明のガスバリアフィルムは有機層を有する。バリア層の脆性およびバリア性を向上させるために、ガスバリア層に隣接して有機層が形成されていることが好ましい。有機層の厚みについては特に限定されず、10nm〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは、10〜2000nmであり、最も好ましくは10nm〜5000nmである。本発明のガスバリアフィルムが複数の有機層を有する場合は、それらの有機層の厚みの合計が上記範囲内に入っていることが好ましい。有機層の厚みが薄すぎると、厚みの均一性を得ることが困難になり、無機層の構造欠陥を効率よく有機層で埋めることができずに、バリア性の向上が見られないことがある。逆に有機層の厚みが厚すぎると、曲げ等の外力により有機層がクラックを発生し易くなるためバリア性が低下してしまう不具合が発生することもある。
本発明のガスバリアフィルムにおける有機層の形成方法は特に制限されないが、例えば、(1)ゾルゲル法を用いて作成した無機酸化物層を利用して形成する方法、(2)有機物を塗布または真空成膜法で積層した後、紫外線または電子線で硬化させる方法などを用いることができる。(1)および(2)は組み合わせて使用してもよく、例えば、支持体である樹脂フィルム上に(1)の方法で薄膜を形成した後、無機酸化物を含むバリア層を形成し、その後に(2)の方法で有機層を形成してもよい。また、これらを繰り返し行うことにより、バリア層と有機層を交互に有する複層構造を形成してもよい。
(1)ゾルゲル法
ゾルーゲル法による場合は、好ましくは溶液中または塗膜中で金属アルコキシドを加水分解・縮重合させて、緻密な薄膜を得ることができる。このとき、樹脂を併用して、有機−無機ハイブリッド材料にしてもよい。
ゾルーゲル法で用いる金属アルコキシドとしては、アルコキシシランおよび/またはアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを挙げることができる。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドとしては、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が好ましい。
ゾルーゲル反応時に併用するポリマーは、水素結合形成基を有していることが好ましい。水素結合形成基を有する樹脂の例としては、ヒドロキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、メチロールメラミン等とその誘導体);カルボキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリ(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和酸の単位を含む単独または共重合体と、これらのポリマーのエステル化物(酢酸ビニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の単位を含む単独または共重合体)等);エーテル結合を有するポリマー(ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、珪素樹脂等);アミド結合を有するポリマー(>N(COR)−結合(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレンイミンのN−アシル化物);>NC(O)−結合を有するポリビニルピロリドンとその誘導体;ウレタン結合を有するポリウレタン;尿素結合を有するポリマー等を挙げることができる。
また、ゾルーゲル反応時にモノマーを併用し、ゾルーゲル反応時、またはその後に重合させて有機−無機ハイブリッド材料を形成することもできる。
ゾルーゲル反応時には、水、および有機溶媒中で金属アルコキシドを加水分解、および縮重合させるが、このときに触媒を用いることが好ましい。加水分解の触媒としては、一般に酸(有機または無機酸)が用いられる。
酸の使用量は、金属アルコキシド(アルコキシシランおよび他の金属アルコキシドを含有する場合には、アルコキシシラン+他の金属アルコキシド)1モル当たり、好ましくは0.0001〜0.05モルであり、より好ましくは0.001〜0.01モルである。加水分解後、無機塩基やアミンなどの塩基性化合物を添加して溶液のpHを中性付近にし、縮重合を促進してもよい。
また、中心金属にAl、Ti、Zrを有する金属キレート化合物、スズの化合物等の有機金属化合物、有機酸のアルカリ金属塩等の金属塩類など、他のゾルーゲル触媒も併用することができる。
ゾルゲル触媒化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるアルコキシシランに対し、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
ゾルーゲル反応に用いられる溶媒は、ゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性および保存安定性を向上させるものであることが好ましい。溶媒の好ましい例として、例えば水、および水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
ゾルーゲル反応の速度を調節する目的で、多座配位可能な有機化合物を添加して、金属アルコキシドを安定化してもよい。その例としては、β−ジケトンおよび/またはβ−ケトエステル類、およびアルカノールアミンが挙げられる。
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−tert−ブチル、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、5−メチルヘキサンジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
これらの多座配位可能な化合物は、ゾル−ゲル触媒として前記の金属キレート化合物を用いた場合、その反応速度を調節する目的にも用いることができる。
次にゾルーゲル反応組成物を塗設する方法について述べる。ゾル液はカーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法によって、透明フィルム上に薄膜を形成することができる。この場合、加水分解のタイミングは製造工程中のいかなる時期であっても構わない。例えば、予め必要な組成の液を加水分解部分縮合して目的のゾル液を調製し、それを塗布−乾燥する方法、必要な組成の液を調製し塗布と同時に加水分解部分縮合させながら乾燥する方法、塗布−一次乾燥後、加水分解に必要な水含有液を重ねて塗布し加水分解させる方法等を好適に採用することができる。また、塗布方法としては、様々な形態をとることが可能であるが、生産性を重視する場合には多段の吐出口を有するスライドギーサー上で下層塗布液と上層塗布液のそれぞれが必要な塗布量になる様に吐出流量を調整し、形成した多層流を連続的に支持体に乗せ、乾燥させる方法(同時重層法)が好適に用いられる。
乾燥温度は好ましくは150〜350℃、より好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは150〜200℃である。
塗布、乾燥後のフィルムにをさらに緻密にするため、エネルギー線の照射を行ってもよい。その照射線種に特に制限はないが、支持体の変形や変性に対する影響を勘案し、紫外線、電子線あるいはマイクロ波の照射を特に好ましく用いることができる。照射強度は好ましくは30mJ/cm2 〜500mJ/cm2であり、特に好ましくは50mJ/cm2〜400mJ/cm2である。照射温度は室温から支持体の変形温度の間を制限無く採用することが可能であり、好ましくは30℃〜150℃、特に好ましくは50℃〜130℃である。
(2)有機物を塗布または真空成膜法で積層した後、紫外線または電子線で硬化させる方法
有機物を塗布または蒸着で積層した後、紫外線または電子線で硬化させる方法によって、モノマーを架橋させて得られた高分子を主成分とする有機層を形成することができる。
使用するモノマーは、紫外線或いは電子線で架橋できる基を含有していれば特に限定は無いが、アクリロイル基またはメタクリロイル基、オキセタン基を有するモノマーを用いることが好ましい。例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどのうち、2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーを架橋させて得られる高分子を主成分とすることが好ましい。これらの2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーは2種類以上を混合して用いても、また1官能の(メタ)アクリレートを混合して用いてもよい。また、オキセタン基を有するモノマーとしては、特開2002−356607号公報の一般式(3)〜(6)に記載されている構造を有するものを用いることが好ましい。この場合、これらを任意に混合して用いてもよい。
また、ディスプレイ用途に要求される耐熱性、耐溶剤性の観点から、特に架橋度が高く、ガラス転移温度が200℃以上である、イソシアヌル酸アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートを主成分とすることがさらに好ましい。
有機層を形成させるための方法としては、塗布による方法、真空成膜法等を挙げることができる。塗布方式で形成するときは、従来から用いられている種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。真空成膜法で形成するときは、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましく、有機物質モノマーの成膜速度を制御しやすい抵抗加熱蒸着法がより好ましい。モノマーの架橋方法に関しては何ら制限はないが、電子線や紫外線等による架橋が、真空槽内に容易に取り付けられる点や架橋反応による高分子量化が迅速である点で望ましい。
(機能層の構成)
本発明のガスバリアフィルムは、少なくとも帯電防止層を有し、さらに、他の機能層を有していてもよい。該機能層の例としては、反射防止層、偏光層、カラーフィルター層、紫外線吸収層、光取出効率向上層、防眩層、光学補償層、配向制御層、屈折率制御層、液晶層等の光学機能層;硬化樹脂層(ハードコート層)、応力緩和層等の力学的機能層;導電層等の電気的機能層;防曇層;易接着層;粘着層;防汚層;被印刷層などが挙げられる。機能層として好ましいのは、硬化樹脂層(特に透明硬化樹脂層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層であり、より好ましくは、硬化樹脂層(特に透明硬化樹脂層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層であり、さらに好ましくは、硬化樹脂層である。特に帯電防止層は、高いバリア能を安定的に付与するという点で優れている。
これらの機能層は、上記のバリア層と有機層の積層体の上に形成されるか、積層体が形成されている面とは反対側の面(バック面)に形成されていることが好ましい。また、機能層が最外層となっていることが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムには、帯電防止層のみ形成されていてもよいし、帯電防止層と他の機能層の2層以上形成されていてもよい。2層以上形成されている場合は、同一種の機能層が複数形成されていてもよいし、異なる種類の機能層がそれぞれ形成されていてもよい。2層以上の機能層が形成されている場合の例として、帯電防止層と硬化樹脂層との組み合わせ、帯電防止層と易接着層との組み合わせ、易接着層と帯電防止層と硬化樹脂層との組み合わせなどを挙げることができる。
これらの機能層には、必要に応じて種々の機能を発揮する材料を必要に応じて適宜組み合わせて使用することができる。これらの材料を目的に応じて選択することにより、所望の機能を有する機能層を形成することができる。以下において、代表的な材料である界面活性剤、滑り剤、マット剤について説明し、さらに帯電防止層と硬化樹脂層の詳細について説明する。
(界面活性剤)
まず界面活性剤はその使用目的によって、分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤などに分類されるが、以下に述べる界面活性剤を適宜使用することで、それらの目的は達成できる。本発明では、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタイン)のいずれの界面活性剤も使用することができる。さらにフッ素系界面活性剤も有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止剤として好ましく用いられる。例えば、セルロースアシレート溶液中に使用して塗布することにより層を形成することができる。
本発明のガスバリアフィルムを光学用途に用いる場合は、配向制御層、屈折率制御層、防汚層、粘着層などの機能層に界面活性剤を用いることができる。また、下塗り層、中間層、保護層、バック下塗り層、バック層などにも用いることができる。界面活性剤の使用量は目的を達成するために必要な量であれば特に限定されないが、一般には添加する層の質量に対して0.0001〜5質量%が好ましく、さらには0.0005〜2質量%が好ましい。その場合の塗設量は、1m2当り0.02〜1000mgが好ましく、0.05〜200mgが好ましい。
好ましいノニオン系界面活性剤は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリグリシジルやソルビタンをノニオン性親水性基とする界面活性剤であり、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステルを挙げることができる。
好ましいアニオン系界面活性剤は、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩であり、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物などを挙げることができる。
カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、4級アンモニウム塩、ピリジュム塩などを挙げることができ、より具体的には第1〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイミダゾリウム塩など)を挙げることができる。
両性系界面活性剤としてはカルボキシベタイン、スルホベタインなどを挙げることができ、具体的にはN−トリアルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタインなどを挙げることができる。
これらの界面活性剤は、界面活性剤の応用(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)に記載されている。界面活性剤の使用量は特に限定されず、目的とする界面活性特性が得られる量であればよい。以下に界面活性剤の具体例を記すが、本発明で使用することができる界面活性剤はこれらに限定されるものではない(ここで、‐C64‐はフェニレン基を表わす)。
WA−1 :C1225(OCH2CH210OH
WA−2 :C919−C64−(OCH2CH212OH
WA−3 :ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
WA−4 :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
WA−5 :トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム
WA−6 :ドデシル硫酸ナトリウム
WA−7 :α−スルファコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル ナトリウム塩
WA−8 :セチルトリメチルアンモニウム クロライド
WA−9 :C1123CONHCH2CH2(+)(CH32‐CH2COO(-)
WA−10 :C817SO2N(C37)(CH2CH2O)16
WA−11 :C817SO2N(C37)CH2COOK
WA−12 :C715COONH4
WA−13 :C817SO3
WA−14 :C817SO2N(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Na
WA−15 :C817SO2N(C37)−(CH23−N(+)(CH33・I(-)
WA−16 :C817SO2N(C37)CH2CH2CH2(+)(CH32‐CH2CO O(-)
WA−17 :C817CH2CH2O(CH2CH2O)16
WA−18 :C817CH2CH2O(CH23−N(+)(CH33・I(-)
WA−19 :H(CF28CH2CH2OCOCH2CH(SO3Na)COOCH2CH2CH 2CH2(CF28
WA−20 :H(CF26CH2CH2O(CH2CH2O)16
WA−21 :H(CF28CH2CH2O(CH23−N(+)(CH33・I(-)
WA−22 :H(CF28CH2CH2OCOCH2CH(SO3K)COOCH2CH2CH 2CH2817
WA−23 :C917‐C64SO2N(C37)(CH2CH2O)16
WA−24 :C917‐C64CSO2N(C37)−(CH23−N(+)(CH33・ I(-)
(滑り剤)
本発明のガスバリアフィルムにおいては、支持体上のいずれかの層に滑り剤を含有させることができ、特に最外層に含有させることが好ましい。用いられる滑り剤としては、例えば、特公昭53−292号公報に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4、275、146号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、英国特許第927、446号明細書、特開昭55−126238号および特開昭58−90633号公報に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、米国特許第3、933、516号明細書に開示されているような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−50534に開示されているような直鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルが知られている。
このうちポリオルガノシロキサンとしては、一般的に知られている、ポリジメチルシロキサンポリジエチルシロキサン等のポリアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリアリールシロキサンのほかに、特公昭53−292号,特公昭55−49294号、特開昭60−140341号等の各公報に示されるような、C5以上のアルキル基を持つオルガノポリシロキサン、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するアルキルポリシロキサン、側鎖にアルコキシ、ヒドロキシ、水素、カルボキシル、アミノ、メルカプト基を有するようなオルガノポリシロキサン等の変性ポリシロキサンを用いることもできる。また、シロキサンユニットを有するブロックコポリマーや、特開昭60−19124記載の化合物を用いることもできる。
本発明において滑り剤として用いることができるポリオルガノシロキサンの具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる滑り剤の範囲はこれらの具体例によって限定的に解釈されるものではない。
(S−1) (CH33SiO−(Si(CH32O)a−Si(CH33
a=5〜1000
(S−2) (C653SiO−(Si(CH32O)a−Si(CH33
a=5〜1000
(S−3) (CH33SiO−(Si(C511)(CH3)−O)a−Si(CH33
a=10
(S−4) (CH33SiO−(Si(C1225)(CH3)−O)10
(Si(CH32O)18−Si(CH330
(S−5) (CH33SiO−(Si(CH32O)x
(Si(CH3)((CH23−O(CH2CH2O)10H)−O)y
(Si(CH32O)z−Si(CH33
x+y+z=30
(S−6) (CH33SiO−(Si(CH32O)x−(Si(CH3
{(CH23−O(CH2CH(CH3)−O)10
(CH2CH2O)1037}O)y−(Si(CH32O)z
Si(CH33
x+y+z=35
また、高級脂肪酸およびその誘導体、高級アルコールおよびその誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸の多価アルコールエステル等、また、高級脂肪族アルコール、高級脂肪族アルコールのモノアルキルフォスファイト、ジアルキルフォスファイト、トリアルキルフォスファイト、モノアルキルフォスフェート、ジアルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフェート、高級脂肪族のアルキルスルホン酸、そのアミド化合物またはその塩等を用いることができる。
以下に、高級脂肪酸、高級アルコールおよびそれらの誘導体の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる滑り剤の範囲はこれらの具体例によって限定的に解釈されるものではない。
(S−7) n−C1531COOC3061−n
(S−8) n−C1735COOC3061−n
(S−9) n−C1531COOC50101−n
(S−10) n−C2143COO−(CH27CH(CH3)−C919
(S−11) n−C2143COOC2449−iso
(S−12) n−C1837OCO(CH24COOC4081−n
(S−13) n−C50101O(CH2CH2O)15
(S−14) n−C40H81OCOCH2CH2COO(CH2CH2O)16
(S−15) n−C2141CONH2
(S−14) 流動パラフィンH
(S−15) カルナバワックス
このような滑り剤を用いることにより、引っかき強度にすぐれ、下塗面でのはじき等の発生のない優れたフィルムが得られる。用いる滑り剤の使用量は特に限定されないが、その含有量は0.0005〜2g/m2が好ましく、より好ましくは0.001〜1g/m2、特に好ましくは0.002〜0.5g/m2である。本技術の滑り剤の添加層としては、特にこれに限定されるものではないが、バック面の最外層に含有させることが好ましい。上記の滑り剤を含む表面層は、これを適当な有機溶剤に溶解した塗布液を、支持体、またはバック層にその他の層を付与した支持体上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。また、滑り剤は、塗布液中に分散物の形で添加することもできる。使用される溶剤としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸、蟻酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸などのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステルなど)、芳香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンなど)が好ましい。
上記滑り剤の塗設にあたっては,皮膜形成能のあるバインダーと共に用いることもできる。このようなポリマーとしては,公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応性樹脂、およびこれらの混合物、ゼラチンなどの親水性バインダーを使用することができる。
滑り性能は静摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、接触する相手材質との静摩擦係数を小さいことが好ましく、傷などの防止にも役立つ。その際の相手材質との静摩擦係数も0.3以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の静摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の静摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、動摩擦係数も0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、接触する相手材質との動摩擦係数も0.3以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の動摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の動摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。
(マット剤)
本技術のフィルムの機能層において、フィルムの易滑性や高湿度下での耐接着性の改良のためにマット剤を使用することが好ましい。その場合、表面の突起物の平均高さが0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。また、その突起物は表面に多数ある程よいが、必要以上に多いとへイズの原因となるため問題である。好ましい突起物は突起物の平均高さを有する範囲であれば、例えば球形、不定形マット剤で突起物を形成する場合はその含有量が0.5〜600mg/m2であることが好ましく、より好ましいのは1〜400mg/m2である。この時、使用されるマット剤としては、既述のフィルム中に添加される微粒子も利用でき、その組成において特に限定されず、無機物でも有機物でもよく2種類以上の混合物でもよい。
マット剤としては、例えば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウムなどの無機物の微粉末が挙げられるが、さらに例えば湿式法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。また、粒子サイズの比較的大きい無機物(例えば20μm以上)から粉砕した後、分級(振動ろ過、風力分級など)することによっても得られる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いはポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物も挙げられる。あるいは懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化合物、または無機化合物を用いることができる。また、同様な材質でより粒子サイズの大きな0.1〜10μmの粒子および/または前記の微粒子を添加して防眩層とすることもできる。このとき層の全質量の0.5〜20質量%の微粒子を添加することが好ましい。これらの微粒子としては、好ましくはシリカなどの二酸化ケイ素、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
本技術のこれらの微粒子として、表面に炭素数2〜20のアルキル基またはアリール基を有する微粒子を用いることも好ましい。アルキル基は炭素数4〜12のものがより好ましく、炭素数6〜10のものがさらに好ましい。炭素数が小さい程、分散性に優れ、炭素数が大きい程、ドープと混合した時の再凝集が少ない。
本技術に使用される表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やアリール基を有する微粒子の材料のうち、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。二酸化ケイ素、二酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが好ましく、中でもケイ素原子を含有する化合物、特に二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300(以上日本アエロジル(株)製)などの商品名で市販されている。また表面がシリコーンオイルで修飾された二酸化ケイ素微粒子、球状単分散二酸化ケイ素の微粒子も好ましく用いられる。
表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記、二酸化ケイ素の微粒子をオクチルシランで処理することにより得ることができる。また、表面にオクチル基を有するアエロジルR805(日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
表面にフェニル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記、二酸化ケイ素の微粒子をトリクロロフェニルシランで処理することにより得ることができる。
上記表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やフェニル基を有する微粒子の材料のうち、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂およびアクリル樹脂を挙げることができ、特にポリメチルメタクリレートが好ましい。前述の様に、ケイ素を含有する化合物であることが好ましいが、特に二酸化ケイ素または三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂であることが好ましく、二酸化ケイ素が最も好ましい。
これらの微粒子は0.005〜0.3重量%で使用されることが好ましく、さらには0.01〜0.1重量%である。これらにより、本技術に係る微粒子を用いることにより、含有される粒子サイズ10μm以上の凝集粒子が10個/m2以下の、極めて微粒子の分散性に優れたフィルムを得ることができる。これらは、特開2001−2788号公報に記載されている。
(帯電防止剤)
帯電防止剤は、樹脂フィルムの取扱の際に樹脂フィルムが帯電するのを防ぐ機能を付与するために効果的に用いる。具体的には、イオン導電性物質や導電性微粒子を含有する層を設けることによって帯電防止を図ることができる。ここでイオン導電性物質とは、電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例としてはイオン性高分子化合物を挙げることができる。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、特公昭49−23827号、特公昭47−28937号等の各公報に見られるようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、特公昭57−18175号、特公昭57−18176号、特公昭57−56059号等の各公報などに見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー;特公昭53−13223号、特公昭57−15376号、特公昭53−45231号、特公昭55−145783号、特公昭55−65950号、特公昭55−67746号、特公昭57−11342号、特公昭57−19735号、特公昭58−56858号、特開昭61−27853号、特公昭62−9346号等の各公報に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいのは導電性物質が微粒子状をしており、上記樹脂中にこれらを微分散し添加したものである。これらに用いられる好ましい導電性物質として、金属酸化物やこれらの複合酸化物からなる導電性微粒子および特開平9−203810号公報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー粒子などを挙げることができる。好ましい粒子サイズは微粒子の種類に依存するが、例えば5nm〜10μmの範囲である。
導電性微粒子である金属酸化物としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2およびSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、またSnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
また、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以下であって、1次粒子サイズが100Å〜0.2μmで、高次構造の長径が30nm〜6μmである特定の構造を有する粉体を導電層に体積分率で0.01%〜20%含んでいることが好ましい。
また、分散性粒状ポリマーとしての架橋型カチオン性導電性ポリマーは、粒子内にカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、また、粒子同士も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず塗布後造膜過程において粒子同士の接着性もよいために膜強度が強く、さらに、他の物質(例えば支持体)にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れているという特徴を有する。
帯電防止層に用いられるこれら架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは、一般に粒子サイズが約10nm〜1000nmであり、好ましくは0nm〜300nmの範囲である。ここで用いる分散性粒状性ポリマーとは、視覚的観察によって透明またはわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。下層塗布組成物に上層の膜厚に相当する粒子サイズよりも大きなゴミ(異物)が実質的に含まれない塗布組成物を用いることによって、上層の異物故障を防止することができる。
該微粒子と樹脂の比率は微粒子1質量部に対して、樹脂0.5〜4質量部が密着性の点で好ましく、特に紫外線照射後の密着性では微粒子1質量部に対して、樹脂が1〜2質量部であることが好ましい。さらにまた、導電性有機化合物も利用できる。例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフォスファゼンなどである。これらは、酸供与材としてポリスチレンスルホン酸、過塩素酸などとのコンプレックスで好ましく用いられる。
ここで使用される樹脂は、例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、またはセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、またはコポリブチレン/テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、またはポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂もしくはアクリル樹脂とその他樹脂との共重合体を用いることができるが特にこれらに限定されるものではない。この中ではセルロース誘導体或いはアクリル樹脂が好ましく、さらにアクリル樹脂が最も好ましく用いられる。
帯電防止層等の樹脂層に用いられる樹脂としては、重量平均分子量が40万を超え、ガラス転移点が80〜110℃である前述の熱可塑性樹脂が光学特性および塗布層の面品質の点で好ましい。
ガラス転移点はJIS K7121に記載の方法にて求めることができる。ここで使用する樹脂は下層で使用している樹脂全体の60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、必要に応じて活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂を添加することもできる。これらの樹脂はバインダーとして前述の適当な溶剤に溶解した状態で塗設される。
帯電防止層を塗設するための塗布組成物には、溶剤として、炭化水素、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類などを適宜混合して使用することができるが、溶剤は特にこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒のうち、沸点が低い溶媒は蒸発によって空気中の水分を結露させやすく、調液工程、塗布工程にて塗布組成物中に水分を取り込みやすい。特に、降雨時には外部の湿度上昇の影響を受けやすく、相対湿度65%以上の環境ではその影響が顕著になってくる。特に調液工程で樹脂の溶解時間が長時間となったり、塗布工程で塗布組成物が空気に暴露されている時間が長くなったり、塗布組成物と空気との接触面積が広い場合はその影響は大きくなる。
上記炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒として、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。特にこれらに限定されるものではないが、これらを適宜混合した溶媒も好ましく用いられる。
本技術における塗布組成物を塗布する方法として、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押し出しコート或いは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等が挙げられる。これらの方法を適宜用いることにより、乾燥膜厚が好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布することができる。
(硬化樹脂層)
次に、本発明のガスバリアフィルムに機能層として設けることができる硬化樹脂層について説明する。
本発明のガスバリアフィルムを光学フィルムとして使用する場合には、透明硬化樹脂層を設けることが好ましい。透明硬化樹脂層としては活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂が好ましく用いられる。活性線硬化性樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができ、例えば特開昭59−151110号公報に記載されている。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができ、例えば特開昭59−151112号公報に記載されている。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることができ、例えば特開平1−105738号公報に記載されている。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することができる。
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。
また、上記光反応開始剤も光増感剤としても使用できる。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等およびこれらの誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用に際しては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤または光増感剤は、該組成物の2.5〜6質量%であることが特に好ましい。2.5%未満では樹脂フィルムから溶出する可塑剤および/または紫外線吸収剤によって硬化阻害を受けて耐擦傷性が低下することもあり、逆に6質量%を超えると相対的に紫外線硬化性樹脂成分が減るために逆に耐擦傷性が低下したり、塗布性が悪化したりするなどのため塗膜の面品質を悪くすることがある。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
活性線硬化性樹脂層の塗布組成物の固形分濃度は10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
活性線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2であればよく、好ましくは50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用できる。紫外線照射は1回でもよく、2回以上でもよい。
活性線硬化性樹脂層を塗設する際の溶媒として前述の樹脂層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、或いは混合されて利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布装置としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の装置を用いることができる。塗布量はウェット膜厚で0.1〜200μmが適当で、好ましくは、0.5〜100μmである。塗布速度は好ましくは5〜200m/minで行われる。膜厚が厚い場合は、2回以上に分割して塗布し透明硬化樹脂層としてもよい。紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
得られるるバーコード層の乾燥時の膜厚は、02〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmであり、特には2〜45μmである。
このような被膜層には滑り性を付与するために、前述の無機或いは有機の微粒子を加えることもできる。
これらは、前述したマット剤を利用できる。また、前述したように帯電防止層等の樹脂層の上にこれら活性線硬化性樹脂層を設けることもできる。帯電防止層或いは透明硬化樹脂層はそれぞれ単独でもしくは積層して設けることができる。具体的には、特開平6−123806号、特開平9−113728号、特開平9−203810号等各公報の帯電防止付き光学フィルム、偏光板保護フィルム、セルロースアシレートフィルム等のどちらかの面に直接もしくは下引き層を介して設けることができるのである。
(反射防止層)
本発明のガスバリアフィルムには、反射防止層を設けることもできる。反射防止層の構成としては、単層のものや多層のもの等が各種知られている。多層のものとしては、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した構造のものが一般的である。
反射防止層の構成の例としては、透明基材側から高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材或いは硬化樹脂層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、さらに多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性などから、硬化樹脂層を有する基材上に、高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層の順に塗布して反射防止層を形成することが好ましい。
支持体上に(中屈折層を設ける場合もある)高屈折率層/低屈折率層を順に積層し、高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚光の波長に対しある値に設定することにより光学干渉層を作り、反射防止積層体としたものが反射防止層としては特に好ましい。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定より計算して算出し得る。
屈折率の高低は層内に含まれる金属或いは化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物はさらに低い。これらの材料の組み合わせによって屈折率を適宜調整することができる。
透明な支持体上に多層の反射防止層を逐次積層して反射防止層を作製する方法として、チタン、ジルコニウム等の金属アルコキシドおよびその加水分解物から選ばれる化合物、活性エネルギー線反応性化合物および有機溶媒を含有する組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して高屈折率層を形成し、さらにこの上に、低屈折物質および有機溶媒を含有する低屈折率層組成物を塗布し低屈折率塗膜とした後に、活性エネルギーを付与して低屈折率層を形成する方法を挙げることができる。このとき、高屈折率層と低屈折率層の間に中屈折層を設けてもよい。
高屈折率層は、活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドおよびその加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物と、活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物と、好ましくは活性エネルギー線反応性化合物とを含有する高屈折率組成物を透明支持体上に塗設した後、塗膜に活性エネルギー線を照射することがにより形成することが好ましい。これによって任意の屈折率を有する高屈折率層を形成することができる。
高屈折率層に使用される金属アルコキシドやその部分加水分解物および後述する一般式(II)の活性エネルギー線反応性金属アルコキシド化合物を構成する金属として、Al、Si、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Y、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Sb、Sr、La、Ta、Tl、W、CeおよびNdを挙げることができる。活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物は、特に紫外線照射により、これらを含有する層の屈折率を変化させるのに役立つ。好ましい金属としては、Al、Si、Ti、V、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sr、Ta、Tl、WおよびCeであり、特に屈折率を変化させ易くて好ましい金属はTi、Zr、Tl、In(In−Sn錯体として)、Sr(Sr−TiO2錯体として)である。Tiの場合、光に反応することは知られているが、Ti化合物を含む層の屈折率を光により変化させることについては知られていない。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドは、炭素原子数1〜10の化合物がよいが、好ましくは炭素原子数1〜4の化合物である。また金属アルコキシドの加水分解物はアルコキシド基が加水分解を受けて−金属原子−酸素原子−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドの例として、Alのアルコキシドとしては、Al(O−CH33、Al(OC253、Al(O−i−C373、Al(O−n−C493;Siの例としては、Si(OCH34、Si(OC254、Si(O−i−C374、Si(O−tert−C494;Tiの例としては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体、Vの例としては、VO(OC253;Znの例としては、Zn(OC252;Yの例としてはY(OC493;Zrの例としては、Zr(OCH34、Zr(OC254、Zr(O−n−C374、Zr(O−i−C374、Zr(O−i−C494、Zr(O−n−C494の2〜10量体;Inの例としては、In(O−n−C493;Snの例としては、Sn(O−n−C494、Taの例としてはTa(OCH35、Ta(O−n−C375、Ta(O−i−C375、Ta(O−n−C495;Wの例としては、W(OC256;Ceの例としては、Ce(OC373等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体;Zr(O−i−C374、Zr(O−n−C494;Si(OC254、Si(O−i−C374が特に好ましい。
上記金属アルコキシドは加水分解(部分または完全加水分解)して使用してもよい。また、酸性触媒または塩基性触媒の存在下で、例えば上記の金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解してもよい。この酸性触媒としては、例えば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ酸、酢酸等の有機酸がよく、また塩基性触媒としては、例えばアンモニア等が挙げられる。
上記金属アルコキシド化合物を含む層は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋して網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光による酸発生剤(光酸発生剤)であり、アルミキレート化合物の例としてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、他の光酸発生剤の例としてはベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートやその他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
使用する活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドおよび/またはその加水分解物を含む塗布組成物には、塗布液の保存安定化のためにβ−ジケトンと反応させてキレート化合物を添加することにより安定な塗布組成物とすることができる。
高屈折率層に好ましく使用される活性エネルギー線反応性化合物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性エネルギー線照射により架橋構造または網目構造を形成するものが好ましい。これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が重合速度、反応性の点から好ましく、例えば、特開昭59−151110号、特開昭59−151112号の各公報などに記載されている。中でも、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。
活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂も好ましく用いられる。活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)が好ましい。活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有するもの以外に、モノエポキサイドも所望の性能に応じて配合して使用することができる。活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂はラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
特開昭50−151996号、特開昭50−158680号等各公報に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、特開昭52−30899号、特開昭59−55420号、特開昭55−125105号等の各公報に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、特開昭56−149402号、特開昭57−192429号等各公報に記載のオキソスルホニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等を好ましく用いることができる。また、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等も用いることができる。さらに、上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの光増感剤を併用することもできる。
活性エネルギー線反応性の金属アルコキシドの具体的例として、ビニルトリメトキシチタン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)チタン、ジビニロキジメトキシチタン、グリシジルオキシエチルトリエトキシチタン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロピルチタン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルチタン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルチタン、アクリロイルオキシジメトキシエチルチタン、ビニルトリメトキシジルコン、ジビニロキジメトキシジルコン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシジルコン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルジルコン、アクリロイルオキシジメトキシエチルジルコン、ビニルジメトキシタリウム、ビニルジ(β−メトキシ−エトキシ)タリウム、ジビニロキシメトキシタリウム、アクリロイルオキシエチルジエトキシタリウム、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)−n−プロピルタリウム、アクリロイルオキシメトキシエチルタリウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン等を挙げることができる。
高屈折率層に使用する活性エネルギー線反応性基と、好ましく使用される活性エネルギー線反応性化合物の反応基に対する活性エネルギー線による光重合の挙動はほとんど変わりなく、前述の活性エネルギー線化合物の光増感剤や光開始剤などは同様なものが用いられる。
活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は好ましくは50mJ/m2以上、より好ましくは100mJ/cm2以上、さらに好ましくは400mJ/cm2以上である。紫外線は多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。またこの際には酸素濃度が0.5%以下の条件で行うのが効率的であり、硬化速度の点で好ましい。
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される好ましくは50〜1000keV、より好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
最外層としての低屈折率層には、該層の屈折率を低下させるためにフッ素原子或いはケイ素原子を含有する低屈折率物質が含まれていることが好ましい。低屈折率物質としては、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、およびSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物が挙げられ、特に特開平7−126552号、特開平7−188582号、特開平8−48935号、特開平8−100136号、特開平9−220791号、特開平9−272169号等の各公報に記載されている化合物が好ましく用いられる。
本技術に好ましく使用し得るフッ素含有樹脂としては、フッ素含有不飽和エチレン性単量体成分を主として含有する重合物およびフッ素含有エポキシ化合物を挙げることができる。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体としては、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテル等を挙げることができる。例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロピロピルアクリレート、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアクリレート、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタウルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、トリデカフルオロヘプチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロオクチルアクリレート、ノナデカフルオロデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート(以上のアクリレートはメタクリレート或いはα−フルオロアクリレートであってもよい)、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−ヘプタフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−ペンチルフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−ヘプタフルオロブチルフマレート等の含フッ素不飽和エチレン性単量体を挙げることができるが、本発明で用いることができる化合物はこれらに限定されない。また、共重合相手の単量体はフッ素を含有していても、含有していなくてもよい。
上記フッ素含有単量体と共重合し得る単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルケトン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、エチル−α−フルオロアクリレート、プロピル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−フルオロアクリレート、シクロヘキシル−α−フルオロアクリレート、ヘキシル−α−フルオロアクリレート、ベンジル−α−フルオロアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−フルオロアクリル酸、スチレン、スチレンスルホン酸等を挙げることができる。
上記フッ素含有エチレン性不飽和単量体の単独の樹脂の屈折率は、ほぼ1.33〜1.42の範囲にあり、また共重合し得るフッ素を含有しない単量体の単独樹脂リマーの屈折率は、1.44以上で、これらを任意の割合で共重合して目的の屈折率のフッ素含有樹脂として用いることができる。また、本技術のフッ素含有樹脂とフッ素を含まない樹脂とを任意の割合で混合して目的の屈折率のものとして使用してもよい。低屈折率物質のフッ素含有量は、50質量%以上であることが好ましく、ものによって異なるが、特に好ましくは60〜90質量%である。フッ素含有重合体の場合は、フッ素含有率がこのような範囲にあると有機溶媒に対して良好な溶解性を有するため加工し易いばかりでなく、下の基体や層に対する接着性が優れ、高い透明性と低い屈折率の層を得ることができる。
使用する含フッ素のアルケン、アクリレート、ビニルエステル或いはビニルエーテル等を重合させる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の具体的な例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機系ラジカル重合開始剤、過酸化水素−硫酸第1鉄アンモニウム、過硫酸アンモニウム−メタ亜硫酸ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等の各種ラジカル重合開始剤等を挙げることができ、これらを用いて溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合または放射線重合等の公知のラジカル重合をすることができる。この際、反応温度は10〜100℃、反応時間は1〜100時間であることが好ましい。このようにして得られるフッ素含有樹脂の数平均分子量は1000〜300000であることが望ましい。フッ素含有樹脂としてのフッ素含有エポキシ樹脂は、例えば下記のようなエポキシ化合物を常法で反応させることによって得ることができる。
フッ素含有エポキシ化合物としては、フッ素系アルコールのモノ,ジ、トリさらにはオリゴグリシジルエーテルが好ましい。中でも含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの他にフッ素を含有しないエポキシ化合物を屈折率があまり上がらない程度に少量使用してもよい。ここで使用するフッ素含有エポキシ化合物の構造には制限ないが、屈折率を高めるようなベンゼン核を有するエポキシ化合物や脂環式のエポキシ化合物の使用は少ない方がよい。
別の好ましい低屈折率物質は、シリケートオリゴマーから形成される化合物である。シリケートオリゴマーから形成される化合物に使用するシリケートオリゴマーとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラ−2,2,2−トリフルオロエトキシシラン、テトラ−2−フルオロエトキシシラン、テトラ−2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,3−ジフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラ−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラシクロヘキシルオキシシランまたはテトラフェノキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。
上記の如くテトラアルコキシシランに触媒、水を添加して得られる加水分解物に溶媒を配合し、次いで硬化触媒と水を添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られる。かかる溶媒としては、メタノール、エタノールを1種または2種使用するのが安価であること、および得られる皮膜の特性が優れ硬度が良好であることから好ましい。イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール等も用いることができるが、得られた皮膜の硬度が低くなる傾向にある。溶媒量は部分加水分解物100質量部に対して50〜400質量部、好ましくは100〜250質量部である。硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、酸、特に酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等が好ましく用いられる。シリケートオリゴマー中のSiO2含有量は1〜100%、好ましくは10〜99%である。SiO2含有量が1%未満では耐久性の向上が見られない。
これらのシリケートオリゴマーからケイ素層を形成させる方法については特に制限されないが、例えばシリケートオリゴマーを光学フィルムの光学性能を阻害しない溶媒、例えばアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコールアセテート、メトキシブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、ミネラムスピリット、クレゾール、キシレノール、フフラール等であり、これらでシリケートオリゴマーを希釈し、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、リップコーター等、公知の装置により基材に塗設、加熱処理すればよい。
さらに別の好ましい低屈折率物質は、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物であって、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物とを含むゾル液を用い、SiO2ゲル膜として低屈折率層が形成されるものである。SiO2ゾルは、ケイ素アルコキシドを塗布に適した有機溶媒に溶解し、一定量の水を添加して加水分解を行って調製される。SiO2ゾルの形成に使用するケイ素アルコキシドの好ましく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピオキシシラン、テトラ−n−プロピオキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタイソプロピオキシシラン、テトラペンタ−n−プロピオキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメキメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロピオキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解することによりSiO2ゾルとすることができる。使用する溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素、或いはこれらの混合物が挙げられる。アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドを、それらが100%加水分解および縮合したとして生じるSiO2換算で、濃度を0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%になるように上記溶媒中に溶解する。SiO2ゾルの濃度が0.1質量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方、10質量%を超えると透明均質膜の形成が困難となる。また、本技術においては、以上の固形分以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
この溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、好ましくは15〜35℃、より好ましくは22〜28℃の温度で、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは2〜5時間攪拌を行う。上記加水分解においては、触媒を用いることが好ましく、これらの触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸または酢酸等の酸が好ましい。これらの酸を好ましくは約0.001〜40.0mol/L、より好ましくは0.005〜10.0mol/L程度の水溶液として加え、該水溶液中の水分を加水分解用の水分とすることができる。
最終的に得られるゲル膜は、反射防止フィルムの低屈折率層として使用するが、その屈折率の調整する必要がある場合もある。例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機ケイ素化合物、屈折率を高めるために有機ケイ素化合物、屈折率をさらに高めるために硼素系有機化合物を添加することができる。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学社製)、スノーテックス(日産化学社製)、等の有機ケイ素化合物、ザフロンFC−110、220、250(東亜合成化学社製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子社製)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素系化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼酸系化合物が挙げられる。これらの添加剤は、ゾルの調製時に加えてもよいし、ゾルの形成後に加えてもよい。これらの添加剤を用いることによって、アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドの加水分解時、或いはその後にシラノール基と反応して、さらに均一に反応してさらに均一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の屈折率をある程度の範囲で変化させることができる。
次に、上記フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、およびSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも一つの低屈折率物質を含有する低屈折率層(前記高屈折率層の上に設けられている)には前記高屈折率層のところで挙げられた活性エネルギー線反応性化合物が添加されていてもよい。そのうち好ましく用いられるのはエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物である。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物で、前記と同様の活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始物質として放出することが可能な化合物である。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物としては、(イ)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応により得られ、重合度の異なる混合物として得られる);(ロ)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロロヒドリン、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物等を挙げることができる。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。これらについては、前記一般式(I)と同様であるので、ここでは省略する。これらの活性エネルギー線反応性化合物は前記高屈折率層のところで述べられたようなものと同様の紫外線や、電子線等の活性エネルギー線、またはプラズマ処理、或いは熱エネルギーの付与により硬化されることも同様である。
(防眩層)
本発明のガスバリアフィルムには防眩層を設けることもできる。特に光学フィルムとして用いる場合には、防眩層を形成することが好ましい場合がある。防眩層は、表面に凹凸を有する構造をもたせることにより、防眩層表面または防眩層内部において光を散乱させることにより防眩機能発現させるものであるため、微粒子物質を層中に含有した構成をとっている。これらの層として好ましいものは、膜厚が0.5〜5.0μmであって、平均粒子サイズが0.25〜10μmの1種以上の微粒子を含む層であり、平均粒子サイズが当該膜厚の1.1から2倍の二酸化ケイ素粒子と平均粒子サイズ0.005〜0.1μmの二酸化ケイ素微粒子を例えばジアセチルセルロースのようなバインダー中に含有する層である。ここでいう「粒子」としては、無機粒子および有機粒子が挙げられる。本技術に使用することのできる無機粒子としては二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、さらにポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ弗化エチレン系樹脂等が使用できる。
これらのうちでも、本技術で応用される防眩性を達成するには、シリカなどの二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。ここで好ましく用いられる二酸化ケイ素粒子は、合成非晶質シリカの中でも湿式法によって作られる超微粉含水珪酸が光沢度を下げる効果が大きく好ましい。湿式法とは珪酸ナトリウムと鉱酸および塩類を水溶液中で反応させる方法で、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
防眩層は、またバインダーとして活性線硬化性樹脂を用いるのが特に好ましく、塗布後活性線照射により前記二酸化ケイ素粒子や二酸化ケイ素微粒子含有活性線硬化性樹脂層を形成させる。偏光板表面の機械的強度を増すことができるという点においてはバインダーとして活性線硬化性樹脂を用いた防眩層とするのがより好ましい。
ここで用いることのできる活性線硬化性樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂をいう。
活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的具体例として挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂であってもよい。紫外線硬化性樹脂の例としては紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性アクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂および紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられる。
本技術に用いることのできる紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等の光重合モノマーオリゴマーである。これらのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で硬化性が大きい、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、また低臭気性で低毒性であり安全性も比較的高いのが特徴である。
上記の紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂には、その効果を損なわない範囲で他の紫外線硬化性樹脂、例えば紫外線硬化性エポキシ系樹脂を含有して使用してもよい。アクリレート系樹脂は厚膜塗布した硬化塗膜は、硬化収縮によりカーリングが強くなり、取り扱い作業上支障をきたす場合がある。エポキシ系樹脂はアクリレート系樹脂と比べて一般に硬化収縮が小さく硬化塗膜のカーリングも小さい。ここでいう紫外線硬化性エポキシ系樹脂とはエポキシ基を分子内に2個以上含む化合物で、カチオン重合開始剤を含有し、紫外線を照射することにより架橋反応するエポキシ樹脂である。
用いることのできる電子線硬化性樹脂の例としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
中でも、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。活性線硬化性樹脂の硬化は、電子線または紫外線のような活性線照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
防眩層の厚みは0.5〜5.0μmであることが好ましく、2.0〜4.0μmであることがより好ましい。
これら、反射防止層または防眩層とその基材の反対側に易接着層を有する光学フィルムの各構成層の硬化に用いられる活性輻射線の代わりに、活性エネルギーを与える手段としてプラズマ処理、熱などの方法も好ましい。プラズマ処理としては特開平2000−327310号公報に記載の方法が好ましく用いることができる。また、活性エネルギーを付与する熱処理としては、反射防止層または防眩層の塗布乾燥後に熱処理することも有効である。70℃以上で30秒〜10分、より好ましくは30秒〜5分加熱することが好ましい。これらの防眩層を設けることにより、可視光の透過率が低下しないことが望ましく、ヘイズ値が3%以上であることが好ましい。また、その時の透過率は550nmにおける透過率で90%以上であることが好ましい。防眩層の表面層は、臨界表面張力が20×10-6N/cm以下であることが好ましい。臨界表面張力が20×10-6N/cmより大きい場合は、表面層に付着した汚れが取れにくくなる。含フッ素系のフッ素材料が汚れ防止の点において好ましい。
含フッ素材料としては、有機溶剤に溶解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアクリレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシラン、さらに、TEFRON(登録商標) AF1600(デュポン社製、n=1.30)、CYTOP(旭硝子(株)社製、n=1.34)、17FM(三菱レーヨン(株)社製、屈折率n=1.35)、LR201(日産化学工業(株)社製、n=1.38)等を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。
また、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−8−メチルデシル)2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタクリレート、3−パーフロロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3−パーフルオロデシル1,2−エポキシプロパン、3−(パーフロロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。これらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可能である。
(カール防止層)
本技術のフィルムには、カール防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与するものであるが、この加工を施すことによって、透明樹脂フィルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内側にしてカールしようとするのを防止する働きをするものである。
カール防止層は基材の防眩層または反射防止層を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹脂フィルムの片面に易接着層を塗設する場合もあり、また逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられる。
カール防止加工の具体的方法としては、溶剤塗布によるもの、溶剤とセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等の透明樹脂層を塗設するもの等が挙げられる。溶剤による方法とは、具体的には偏光板用保護フィルムとして用いるセルロースアシレートフィルムを溶解させる溶剤または膨潤させる溶剤を含む組成物を塗布することによって行われる。これらのカールを防止する機能を有する層の塗布液は従ってケトン系、エステル系の有機溶剤を含有するものが好ましい。好ましいケトン系の有機溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−へプチルケトン等であり、好ましいエステル系の有機溶剤の例としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。しかしながら、用いる溶剤としては溶解させる溶剤および/または膨潤させる溶剤の混合物の他、さらに溶解させない溶剤を含む場合もあり、これらを透明樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物および塗布量を用いて行う。この他にも、透明ハード加工や帯電防止加工を施してもカール防止機能を発揮する。
本発明のガスバリアフィルムにおいては、基材の防眩層または反射防止層を有する側と反対側にカールを防止する機能を有する層を好ましく設けることができる。また、こうして製造されたフィルムは23℃、相対湿度60%におけるカール度が−10以上+10以下であることが望ましい。
カール度の測定は、以下の方法で行われる。当該フィルム試料を80℃、相対湿度90%の環境下で48時間放置後、該フィルムを幅手方向50mm、長手方向2mmに切断する。さらに、そのフィルム小片を23℃±2℃、相対湿度55%の環境下で24時間調湿し、曲率スケールを用いて該フィルムのカール値を測定する。
カール値は1/Rで表され、Rは曲率半径で単位はmを用いる。カール値については、フィルムの変形が少ないものが好ましく、変形方向は+方向でも−方向でもかまわない。即ち、カール値の絶対値が小さければ良く、具体的には、該フィルムのカール値の絶対値が10より大きいと、該フィルムを用いて偏光板等を作製した場合、高温高湿下(例えば、80℃、相対湿度90%で48時間放置する)での反り等の変形が大きくなり使用に耐えない。該フィルムのカール値が10以下であれば、該フィルムを用いて偏光板等を作製した場合、高温高湿下(例えば、80℃、相対湿度90%で48時間放置する)でも反りなどの変形が小さく使用することができる。
これらのカール防止層その他の層の塗設にもかかわらず、本発明のガスバリアフィルムを光学フィルムとして用いる場合はヘイズ値が3%以上であり、かつ、550nmにおける透過率が90%以上であることが好ましい。
また、これらの最表面層は、易接着層の偏光子への貼合や、また、反射防止層面を保護層フィルム面に貼り付けたりして使用するため、ある程度の親水性を有している必要があり、特に以下に説明する易接着層の23℃、相対湿度60%における水の接触角は50度以下であることが好ましい。
(易接着層)
本発明のガスバリアフィルムには易接着層を塗設することもできる。易接着層とは、例えば、偏光板用保護フィルムとその隣接層、代表的には偏光膜とを接着し易くする機能を付与する層のことをいう。
本技術にて好ましく用いられる易接着層の例としては、−COOM(Mは水素原子またはカチオンを表す)基を有する高分子化合物を含有する層を含むものであり、さらに好ましい態様はフィルム基材側に−COOM基を有する高分子化合物を含有する層を設け、それに隣接させて偏光膜側に親水性高分子化合物を主たる成分として含む層を設けたものである。ここでいう−COOM基を有する高分子化合物としては例えば−COOM基を有するスチレン−マレイン酸共重合体や−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸−無水マレイン酸共重合体などであり、特に−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を用いると好ましい。このような高分子化合物を単独でまたは2種以上併用して用い、好ましい重量平均分子量としては500〜500,000程度のものであるとよい。−COOM基を有する高分子化合物の特に好ましい例は特開平6−094915号、特開平7−333436号各公報記載のものが好ましく用いられる。
また親水性高分子化合物として好ましくは、親水性セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルービニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化されたポリエチレンテレフタレート等)、親水性ポリビニル誘導体(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルインダゾール、ポリビニルピラゾール等)が挙げられ、単独或いは2種以上併用して用いられる。
(支持体)
ついで本発明のガスバリア性フィルムの支持体に用いられる樹脂について説明する。
支持体に用いられる樹脂は熱可塑性樹脂が好ましく、例えばメタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などを挙げることができる。
支持体に用いられる樹脂は、熱膨張係数が30ppm/℃以下であるのものが好ましい。本明細書の熱膨張係数は、TMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)にて測定したものである。熱膨張係数が30ppm/℃以下である樹脂として、例えば、PET(東レルミラー製、15ppm/℃)、PEN(DuPont-Teijin製、Q65A、20ppm/℃)、PI(宇部興産製、ユーピレックス、20ppm/℃)、アラミド樹脂(帝人製、2ppm/℃)などを挙げることができる。
また、本発明で用いる熱膨張係数が30ppm/℃以下の樹脂は、ガラス転移点(Tg)が150℃以上の樹脂に、ゾルゲル法、ガラスクロス、ガラスファイバー等の無機物を添加して熱膨張係数を30ppm以下に調整したものであってもよい。ここで用いるガラス転移点(Tg)が150℃以上の樹脂として好ましいものは(括弧内はTgを示す)、ポリカーボネート樹脂(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン樹脂(例えば日本ゼオン(株)製ゼオノア1600:160℃、JSR(株)製アートン:170℃)、ポリアリレート樹脂(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES:220℃)、ポリスルホン樹脂(PSF:190℃)、ポリエステル樹脂(例えば鐘紡(株)製O−PET:125℃、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の実施例1の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例−4の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物:300℃以上)が挙げられる。
また、下記式(A)で表わされるビスフェノールをビスフェノール成分とするポリカーボネート樹脂も、熱膨張係数が30ppm/℃以下の好ましい樹脂例として挙げられる。
Figure 0004398334
ここで、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基であり、Xは炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のアラアルキレン基、炭素数1〜5のハロアルキレン基である。Xが採りうるシクロアルキレン基の好ましい具体例として、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基、ノルボルナン−2,2−ジイル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8、8'−ジイル基、特に1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基が挙げられる。また、Xが採りうるアラアルキレン基の好ましい具体例として、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,1−(1−フェニル)エチレン基、9,9−フルオレニレン基が挙げられる。さらに、Xが採りうるハロアルキレン基の好ましい具体例として、2,2−ヘキサフルオロプロピレン基、2,2−(1,1,3,3−テトラフルオロ−1,3−ジクロロ)プロピレン基が挙げられる。
本発明において支持体として使用される樹脂の構造単位は、1種類のみからなるものであってもよいし、2種類以上からなるものであってもよい。また本発明の効果を損なわない範囲で、上で例示した以外の構造単位を含んでいてもよい。その置換量は通常50モル%以下であるが、好ましくは10モル%以下である。また、本発明において支持体として使用される樹脂は2種以上の樹脂をブレンドしたものであってもよく、その場合は上で例示した樹脂以外のものとブレンドしたものであってもよい。
本発明において支持体として使用される樹脂の分子量は数平均分子量で10000〜300000(ポリスチレン換算)であることが好ましく、さらに好ましくは20000〜200000であり、最も好ましくは30000〜150000である。分子量が低いとプラスチック基板として使用する場合、機械的強度が不十分となる。
本発明における支持体として、耐溶剤性、耐熱性などの観点から架橋樹脂も好ましく用いることができる。架橋樹脂の種類としては熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のいずれも種々の公知のものを特に制限なく用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。架橋方法としては、共有結合を形成する反応であれば特に制限なく用いることができ、ポリアルコール化合物とポリイソシアネート化合物を用いてウレタン結合を形成するような室温で反応が進行する系も特に制限なく使用できる。ただし、このような系は製膜前のポットライフが問題になる場合が多く、通常、製膜直前にポリイソシアネート化合物を添加するような2液混合型として用いられる。一方で1液型として用いる場合、架橋反応に携わる官能基を保護しておくことが有効であり、ブロックタイプ硬化剤として市販もされている。市販されているブロックタイプ硬化剤として、三井武田ケミカル(株)製B−882N、日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2513(以上ブロックポリイソシアネート)、三井サイテック(株)製サイメル303(メチル化メラミン樹脂)などが知られている。また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることのできるポリカルボン酸を保護した下記B−1のようなブロック化カルボン酸も知られている。
Figure 0004398334
放射線硬化樹脂は、ラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂に大別される。ラジカル硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のラジカル重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な例として分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に複数個のアクリル酸エステル基を有する化合物が挙げられる。ラジカル硬化性樹脂の代表的な硬化方法として、電子線を照射する方法、紫外線を照射する方法が挙げられる。通常、紫外線を照射する方法においては紫外線照射によりラジカルを発生する重合開始剤を添加する。なお、加熱によりラジカルを発生する重合開始剤を添加すれば、熱硬化性樹脂として用いることもできる。カチオン硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のカチオン重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な硬化方法として紫外線の照射により酸を発生する光酸発生剤を添加し、紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。カチオン重合性化合物の例としては、エポキシ基などの開環重合性基を含む化合物やビニルエーテル基を含む化合物を挙げることができる。
本発明の支持体には、上記で挙げた熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のそれぞれ複数種を混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂を併用してもよい。また、架橋性樹脂と架橋性基を有さないポリマーと混合して用いてもよい。
樹脂にこれら架橋性樹脂を混合して用いれば、得られる支持体の耐溶剤性、耐熱性、光学特性、強靭性を改善することができるために好ましい。また、樹脂に架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記で挙げた汎用の架橋性樹脂を併用せずに支持体を作製してもよい。
本発明のガスバリアフィルムを液晶表示素子などに使用する場合には、光学的均一性を達成するためにガスバリアフィルムの支持体は非晶性ポリマーであることが好ましい。さらに、レタデーション(Re)、およびその波長分散を制御する目的で樹脂の固有複屈折の符号が異なる樹脂を組み合わせたり、波長分散の大きい(あるいは小さい)樹脂を組み合わせたりすることができる。
本発明のガスバリアフィルムには、レターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で異種樹脂の積層等を好適に行うことができる。
異種樹脂の好ましい組み合わせとしては特に制限はなく、前記したいずれの樹脂も使用可能である。
本発明のガスバリアフィルムを構成する支持体は延伸されていてもよい。延伸により耐折強度など機械的強度が改善され、取扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオリエンテーションリリースストレス(ASTM D1504、以下ORSと略記する)が0.3〜3GPaであるものは機械的強度が改善され好ましい。ORSは延伸フイルムまたはシートに凍結されている、延伸により生じた内部応力である。
延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましい。
支持体に用いる樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要により可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤、および潤滑剤などの樹脂改質剤を添加してもよい。
また、支持体の上に層を形成する際には、支持体の表面に活性化処理を行ってもよい。表面を活性化処理することによって、その上に形成される層との接着性をよくすることができる。表面活性化処理の具体例としては、コロナ処理、グロー放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理を挙げることができる。
本発明のガスバリアフィルムの厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(任意に形成しうる層)
本発明のガスバリアフィルムには、例えば以下の層を任意に形成することができる。
(1)下塗層
支持体とその上に形成される層との接着性をよくするために、支持体に下塗層(接着層)を設けてもよい。下塗層の形成にさきだって、支持体に何らかの表面処理を行っておいてもよい。
下塗層は単一層からなるもの(単層法)であってもよいし、複数の層からなるもの(重層法)であってもよい。複数の層からなる場合は、例えば下塗第1層として支持体によく接着する層を設け、その上に下塗第2層としてその上に形成する層とよく接着する層を設けることができる。
単層法においては、支持体を膨張させ、下塗層の素材と界面混合させることによって良好な接着性を達成している場合が多い。本技術に使用する下塗層用のポリマーとして、水溶性ポリマー、セルロースアシレート、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ナトリウム、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、セルロースアシレートとしてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などが挙げられる。
重層法における下塗第1層の材料としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、等のオリゴマーもしくはポリマーなどが挙げられる。これらの材料については E.H.Immergut, Polymer Handbook, IV187-231, Interscience Pub.New York 1966などに詳しく記載されている。
下塗層には、機能層の透明性などを実質的に損なわない程度に無機または有機の微粒子をマット剤として含有させることができる。無機の微粒子のマット剤としては、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。有機の微粒子マット剤としては、ポリメチルメタクリレート、セルロ−スアセテートプロピオネ−ト、ポリスチレン、米国特許第4、142、894号明細書に記載されている処理液可溶性のもの、米国特許第4、396、706号明細書に記載されているポリマーなどを挙げることができる。これらの微粒子マット剤の平均粒子サイズは0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜5μmであることがより好ましい。また、その含有量は0.5〜600mg/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜400mg/m2である。
下塗液は、一般に良く知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコ−ト法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2、681、294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法により塗布することができる。
(2)水吸収剤を含む層
本発明のガスバリアフィルムには水吸収剤を使用することが特に好ましい。水吸収剤は、アルカリ土類金属を中心に、水吸収機能を有する化合物から選択することができる。例えば、BaO、SrO、CaO、およびMgOなどが挙げられる。さらに、Ti、Mg、Ba、Caの様な金属元素から選択することもできる。これらの吸収剤粒子の粒子サイズは、好ましくは100nm以下であり、50nm以下で使用されるのがさらに好ましい。
これらの水吸収剤を含む層は前述のバリア層と同様に真空下蒸着法等を使って作成してもよいし、ナノ粒子を各種方法で作成して用いてもよい。層の厚みは1〜100nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。水吸収剤を含む層は、支持体と積層体(バリア層と有機層の積層体)の間、積層体の最上層、積層体の間、或いは、積層体中の有機層或いはバリア層中に添加されていてもよい。バリア層に添加する場合には共蒸着法を用いることが好ましい。
(3)プライマー層・無機薄膜層
本発明のガスバリアフィルムでは、支持体と積層体との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することができる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を、無機薄膜層として無機蒸着層またはゾルーゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
[画像表示素子]
本発明のガスバリアフィルムの用途は特に限定されないが、光学特性と機械特性に優れるため、画像表示素子の透明電極用基板として好適に用いることができる。ここでいう「画像表示素子」とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
(円偏光板)
本発明のガスバリアフィルム(特に帯電防止層を設けたもの)にλ/4板と偏光板を積層し、円偏光板を作成することができる。この場合、λ/4の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアフィルムは、前記透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明のガスバリアフィルムは、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic )型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensatory Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
(タッチパネル)
本発明のガスバリアフィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
(有機EL素子)
本発明のガスバリアフィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<1.支持体の調製>
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー(Dupont-Teijin製、Q65A)100重量部と紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Tinuvin P.326)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して、厚さ90μmのPENフイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料およびイエロー染料(公開技報: 公技番号94−6023号記載のI−1,I−4,I−6,I−24,I−26,I−27,II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110℃で48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
<2.機能性層の形成>
(下塗層の塗設)
支持体の両面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電処理をした後、一方の面にゼラチン0.1g/m2、α−スルホジ−2−エチルヘキシル桂皮酸ナトリウム0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.012g/m2、ポリアミド−エピクロロヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液をバーコーターを用いて10mL/m2で塗布した。乾燥ゾーンのローラーや搬送装置がすべて115℃に制御されている条件下で6分間乾燥し、下塗層を形成した。
(帯電防止層の塗設)
上記支持体の下塗層形成面とは反対の面上に、平均粒子サイズ0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末の分散物(比抵抗5Ω・cm、2次凝集粒子サイズ約0.08μm)0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2、ポリオキシエチレン−p−ノニルフェノール(重合度10)0.005g/m2およびレゾルシン0.22g/m2を塗布し乾燥することにより、帯電防止層を形成した。
(滑り層の塗設)
帯電防止層の上に、ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C613CH(OH)C1020COOC4081(6mg/m2)/C50101O(CH2CH2O)16H(9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテル (1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレングリコールモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散した後、アセトン中で分散物(平均粒子サイズ0.01μm)にしてから添加した。マット剤として二酸化ケイ素粒子(0.3μm)を15mg/m2となるように添加した。塗布後に、乾燥ゾーンのローラーや搬送装置がすべて115℃に制御されている条件下で6分間乾燥し、滑り層を形成した。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分で測定)、静摩擦係数0.07(クリップ法で測定)、表面の最外層とバック面の滑り層の動摩擦係数0.12であり、優れた特性を示した。
(硬化樹脂層の形成)
さらに滑り層の上に、重合開始剤を添加したアクリレート誘導体を20〜30質量%含有するメチルエチルケトン溶液を、酸素濃度が3%以下にコントロールされた窒素雰囲気下で1〜40μm厚で塗布した後、UV光を照射して硬化樹脂層を形成した。
<3.バリア層と有機層の形成>
(バリア層の形成)
下塗層の上にバリア層を形成した。バリア層形成には、図1に示すロールトゥーロール方式のスパッタリング装置(1)を用いた。この装置は真空槽(2)を有しており、その中央部にはプラスチックフィルム(6)を表面に接触させて冷却するためのドラム(3)が配置されている。また、上記真空槽(2)にはプラスチックフィルム(6)を巻くための送り出しロール(4)および巻き取りロール(5)が配置されている。送り出しロール(4)に巻かれたプラスチックフィルム(6)はガイドロール(7)を介してドラム(3)に巻かれ、さらにプラスチックフィルム(6)はガイドロール(8)を介してロール(5)に巻かれる。真空排気系としては排気口(9)から真空ポンプ(10)によって真空槽(2)内の排気が常に行われている。成膜系としてはパルス電力を印加できる直流方式の放電電源(11)に接続されたカソード(12)上にターゲット(図示せず)が装着されている。この放電電源(11)は制御器(13)に接続され、さらにこの制御器(13)は真空槽(2)へ配管(15)を介して反応ガス導入量を調整しつつ供給するガス流量調整ユニット(14)に接続されている。また、真空槽(2)には一定流量の放電ガスが供給されるよう構成されている(図示せず)。
ターゲットとしてSiをセットし、放電電源(11)としてパルス印加方式の直流電源を用意した。上で調製したフィルムをプラスチックフィルム(6)として送り出しロール(4)に掛け、巻き取りロール(5)まで通した。スパッタリング装置(1)への基材の準備が終了後、真空槽(2)の扉を閉めて真空ポンプ(10)を起動し、真空引きとドラムの冷却を開始した。到達圧力が4×10-4Pa、ドラム温度が5℃になったところで、プラスチックフィルム(6)の走行を開始した。放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源(11)をONし、放電電力5kW、成膜圧力0.3PaでSiターゲット上にプラズマを発生させ、3分間プレスパッタを行った。この後、反応ガスとして酸素を導入した。放電が安定してからアルゴンおよび酸素ガス量を徐々に減らして成膜圧力を0.1Paまで下げた。0.1Paでの放電の安定を確認してから、一定時間酸化ケイ素の成膜を行った。成膜終了後、真空槽(2)を大気圧に戻して酸化ケイ素を成膜してバリア層としたフィルムを取り出した。
(有機層の形成)
テトラエチレングリコールジアクリレート、カプロラクトンアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレートを重量比=7:1.2:1.4で混合した溶液に、ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー651)を1質量%添加して溶剤に溶かし、得られた塗布液を上で調製したフィルムのバリア層の上に塗布し乾燥した後、UV照射して硬化させ、厚さ約1μmの有機層を形成した。
(バリア層・有機層の積層)
上記のバリア層形成工程と有機層形成工程を交互に繰り返して、バリア層および有機層を各3層ずつ積層したガスバリアフィルム3を作成した。
支持体の材料と帯電防止層の有無を表1に示すように変更して、同じ方法によりガスバリアフィルム1、2、4〜10を作成した。
<4.有機EL素子の製造>
ガスバリアフィルム1〜10をそれぞれ用いて、以下の手順にしたがって有機EL素子を製造した。
ガスバリアフィルムを真空チャンバー内に導入し、IXOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ0.2μmのIXO薄膜からなる透明電極を形成した。透明電極(IXO)より、アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。
透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成して、これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製、スミライトFS-1300)からなる仮支持体の片面上に、下記組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製) 40質量部
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体)1質量部
ジクロロエタン 3200質量部
基板Xの有機薄膜層の上面に転写材料Yの発光性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、基板Xの上面に発光性有機薄膜層を形成した。これを基板XYとした。
また、25mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX−50S、宇部興産製)片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。Al23ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、Al23をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。これを基板Zとした。
ポリビニルブチラール2000L(Mw=2000、電気化学工業社製) 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物 20質量部
Figure 0004398334
1−ブタノール: 3500質量部
基板XYと基板Zを用い、電極同士が発光性有機薄膜層を挟んで対面するように重ね合せ、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、貼り合せることにより有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に、ソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて直流電流を印加し発光させたところ、発光は良好であった。
素子作成後25℃相対湿度75%下に1ヶ月放置し、同様にして発光させて、全体における発光部分の面積比(非発光部分はダークスポット)を、日本ポラデジタル社製マイクロアナライザーを用いて求めた。結果は以下の表に示すとおりであった。
Figure 0004398334
PET=(東レ製、ルミラー:熱膨張係数15ppm/℃)
PEN=(DuPont-Teijin製、Q65A:熱膨張係数20ppm/℃)
ポリイミド=(宇部興産製、ユーピレックス:熱膨張係数20ppm/℃)
ポリエステル=(ユニチカ製、U−100:熱膨張係数80ppm/℃)
PC=(帝人、ピュアエース:熱膨張係数70ppm/℃)
表1から明らかなように、本発明の条件を満たすガスバリアフィルムを用いた有機EL素子は、高湿度下に保存した後であっても良好な性能を示した。
本発明のガスバリアフィルムは、軽量でありながらガスバリア性が極めて高い。このため、本発明のガスバリアフィルムは、有機EL素子や液晶表示素子に効果的に使用することができる。また、本発明のガスバリアフィルムは、光学性能に優れており、耐久性も高い。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
ロールトゥーロール方式のスパッタリング装置の概略説明図である。
符号の説明
1 スパッタリング装置
2 真空槽
3 ドラム
4 送り出しロール
5 巻き取りロール
6 プラスチックフィルム
7 ガイドロール
8 ガイドロール
9 排気口
10 真空ポンプ
11 放電電源
12 カソード
13 制御器
14 ガス流量調整ユニット
15 配管

Claims (7)

  1. 支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有しており、かつ、前記支持体の少なくともバリア層と反対の面上に、帯電防止層を有することを特徴とする、ガスバリアフィルム。
  2. 前記帯電防止層が、イオン性高分子化合物を含む、請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記帯電防止層が、導電性微粒子が分散している層である、請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記支持体の少なくとも一方の面上に、さらに、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層からなる群より選択される層を少なくとも一層有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記支持体の熱膨張係数が30ppm/℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた液晶表示素子。
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