JP4398334B2 - ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
このように、プラスチック基板で有機EL等を設計すれば、従来のガラスに対して大幅な軽量化を進めることができるが、その一方において上記の様な透過ガスに伴う素子劣化が起こるという問題があった。このため、素子の耐久性と軽量化を両立する技術の発現が望まれていた。
(1)支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有しており、かつ、前記支持体の少なくともバリア層と反対の面上に、帯電防止層を有することを特徴とする、ガスバリアフィルム。
(2)前記帯電防止層が、イオン性高分子化合物を含む、(1)に記載のガスバリアフィルム。
(3)前記帯電防止層が、導電性微粒子が分散している層である、(1)または(2)に記載のガスバリアフィルム。
(4)前記支持体の少なくとも一方の面上に、さらに、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層からなる群より選択される層を少なくとも一層有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(5)前記支持体の熱膨張係数が30ppm/℃以下である(1)〜(4)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
(7)(1)〜(5)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた液晶表示素子。
本発明のガスバリアフィルムは、支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有している。バリア層と有機層の層数は、それぞれ10層以下であることが好ましく、各1層づつであることがより好ましい。バリア層と有機層は隣接していることが好ましいが、バリア層と有機層の間に他の層が存在していても構わない。本発明のガスバリアフィルムのガスバリア性は、IDW'01にG.NISATOらによっつて発表されたCa法にて求めた値が10-4以下である。
以下において、無機物を含むバリア層と有機層について順に説明する
本発明のガスバリアフィルムでは、無機物を含むバリア層が支持体上に直接形成されていてもよいし、後述する下塗層や有機層などの上に形成されていてもよい。
バリア層に含まれる無機物の種類は特に制限されないが、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ta等の1種以上の無機元素を含む酸化物もしくは窒化物もしくは酸化窒化物などを用いることができる。水蒸気バリア性と高透明性を両立させるには、バリア層に珪素酸化物や珪素酸化窒化物を用いることが好ましい。珪素酸化物(SiOx)を用いる場合は、良好な水蒸気バリア性と高い光線透過率を両立させるために1.6<x<1.9とすることが望ましい。珪素酸化窒化物(SiOxNy)を用いる場合は、密着性向上を重視するときは1<x<2、0<y<1として酸素リッチの膜とすることが好ましく、水蒸気バリア性向上を重視するときは0<x<0.8、0.8<y<1.3として窒素リッチの膜することが好ましい。これらはガスバリアフィルムの使用目的に応じて適宜決定することができる。
バリア層の厚みについては特に限定されないが、5nm〜1000nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、10nm〜1000nmであり、最も好ましくは、10nm〜200nmである。本発明のガスバリアフィルムが複数のバリア層を有する場合は、それらのバリア層の厚みの合計が上記範囲内に入っていることが好ましい。バリア層が厚すぎると曲げ応力によるクラックが発生するおそれがあり、薄すぎると膜が島状に分布するおそれがあるため、いずれも水蒸気バリア性が悪くなる危険性がある。
本発明のガスバリアフィルムは2層以上のバリア層を有していてもよく、その場合は各層が同じ組成を有していても違う組成を有していてもよい。
本発明のガスバリアフィルムは有機層を有する。バリア層の脆性およびバリア性を向上させるために、ガスバリア層に隣接して有機層が形成されていることが好ましい。有機層の厚みについては特に限定されず、10nm〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは、10〜2000nmであり、最も好ましくは10nm〜5000nmである。本発明のガスバリアフィルムが複数の有機層を有する場合は、それらの有機層の厚みの合計が上記範囲内に入っていることが好ましい。有機層の厚みが薄すぎると、厚みの均一性を得ることが困難になり、無機層の構造欠陥を効率よく有機層で埋めることができずに、バリア性の向上が見られないことがある。逆に有機層の厚みが厚すぎると、曲げ等の外力により有機層がクラックを発生し易くなるためバリア性が低下してしまう不具合が発生することもある。
本発明のガスバリアフィルムにおける有機層の形成方法は特に制限されないが、例えば、(1)ゾルゲル法を用いて作成した無機酸化物層を利用して形成する方法、(2)有機物を塗布または真空成膜法で積層した後、紫外線または電子線で硬化させる方法などを用いることができる。(1)および(2)は組み合わせて使用してもよく、例えば、支持体である樹脂フィルム上に(1)の方法で薄膜を形成した後、無機酸化物を含むバリア層を形成し、その後に(2)の方法で有機層を形成してもよい。また、これらを繰り返し行うことにより、バリア層と有機層を交互に有する複層構造を形成してもよい。
ゾルーゲル法による場合は、好ましくは溶液中または塗膜中で金属アルコキシドを加水分解・縮重合させて、緻密な薄膜を得ることができる。このとき、樹脂を併用して、有機−無機ハイブリッド材料にしてもよい。
ゾルーゲル法で用いる金属アルコキシドとしては、アルコキシシランおよび/またはアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを挙げることができる。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドとしては、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が好ましい。
ゾルーゲル反応時には、水、および有機溶媒中で金属アルコキシドを加水分解、および縮重合させるが、このときに触媒を用いることが好ましい。加水分解の触媒としては、一般に酸(有機または無機酸)が用いられる。
酸の使用量は、金属アルコキシド(アルコキシシランおよび他の金属アルコキシドを含有する場合には、アルコキシシラン+他の金属アルコキシド)1モル当たり、好ましくは0.0001〜0.05モルであり、より好ましくは0.001〜0.01モルである。加水分解後、無機塩基やアミンなどの塩基性化合物を添加して溶液のpHを中性付近にし、縮重合を促進してもよい。
また、中心金属にAl、Ti、Zrを有する金属キレート化合物、スズの化合物等の有機金属化合物、有機酸のアルカリ金属塩等の金属塩類など、他のゾルーゲル触媒も併用することができる。
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−tert−ブチル、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、5−メチルヘキサンジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
これらの多座配位可能な化合物は、ゾル−ゲル触媒として前記の金属キレート化合物を用いた場合、その反応速度を調節する目的にも用いることができる。
有機物を塗布または蒸着で積層した後、紫外線または電子線で硬化させる方法によって、モノマーを架橋させて得られた高分子を主成分とする有機層を形成することができる。
使用するモノマーは、紫外線或いは電子線で架橋できる基を含有していれば特に限定は無いが、アクリロイル基またはメタクリロイル基、オキセタン基を有するモノマーを用いることが好ましい。例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどのうち、2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーを架橋させて得られる高分子を主成分とすることが好ましい。これらの2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーは2種類以上を混合して用いても、また1官能の(メタ)アクリレートを混合して用いてもよい。また、オキセタン基を有するモノマーとしては、特開2002−356607号公報の一般式(3)〜(6)に記載されている構造を有するものを用いることが好ましい。この場合、これらを任意に混合して用いてもよい。
また、ディスプレイ用途に要求される耐熱性、耐溶剤性の観点から、特に架橋度が高く、ガラス転移温度が200℃以上である、イソシアヌル酸アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートを主成分とすることがさらに好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、少なくとも帯電防止層を有し、さらに、他の機能層を有していてもよい。該機能層の例としては、反射防止層、偏光層、カラーフィルター層、紫外線吸収層、光取出効率向上層、防眩層、光学補償層、配向制御層、屈折率制御層、液晶層等の光学機能層;硬化樹脂層(ハードコート層)、応力緩和層等の力学的機能層;導電層等の電気的機能層;防曇層;易接着層;粘着層;防汚層;被印刷層などが挙げられる。機能層として好ましいのは、硬化樹脂層(特に透明硬化樹脂層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層であり、より好ましくは、硬化樹脂層(特に透明硬化樹脂層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層であり、さらに好ましくは、硬化樹脂層である。特に帯電防止層は、高いバリア能を安定的に付与するという点で優れている。
まず界面活性剤はその使用目的によって、分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤などに分類されるが、以下に述べる界面活性剤を適宜使用することで、それらの目的は達成できる。本発明では、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタイン)のいずれの界面活性剤も使用することができる。さらにフッ素系界面活性剤も有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止剤として好ましく用いられる。例えば、セルロースアシレート溶液中に使用して塗布することにより層を形成することができる。
WA−2 :C9H19−C6H4−(OCH2CH2)12OH
WA−3 :ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
WA−4 :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
WA−5 :トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム
WA−6 :ドデシル硫酸ナトリウム
WA−7 :α−スルファコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル ナトリウム塩
WA−8 :セチルトリメチルアンモニウム クロライド
WA−9 :C11H23CONHCH2CH2N(+)(CH3)2‐CH2COO(-)
WA−10 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)16H
WA−12 :C7F15COONH4
WA−13 :C8F17SO3K
WA−14 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na
WA−15 :C8F17SO2N(C3H7)−(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(-)
WA−16 :C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2CH2N(+)(CH3)2‐CH2CO O(-)
WA−17 :C8F17CH2CH2O(CH2CH2O)16H
WA−18 :C8F17CH2CH2O(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(-)
WA−19 :H(CF2)8CH2CH2OCOCH2CH(SO3Na)COOCH2CH2CH 2CH2(CF2)8H
WA−20 :H(CF2)6CH2CH2O(CH2CH2O)16H
WA−22 :H(CF2)8CH2CH2OCOCH2CH(SO3K)COOCH2CH2CH 2CH2C8F17
WA−23 :C9F17‐C6H4SO2N(C3H7)(CH2CH2O)16H
WA−24 :C9F17‐C6H4CSO2N(C3H7)−(CH2)3−N(+)(CH3)3・ I(-)
本発明のガスバリアフィルムにおいては、支持体上のいずれかの層に滑り剤を含有させることができ、特に最外層に含有させることが好ましい。用いられる滑り剤としては、例えば、特公昭53−292号公報に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4、275、146号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、英国特許第927、446号明細書、特開昭55−126238号および特開昭58−90633号公報に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、米国特許第3、933、516号明細書に開示されているような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−50534に開示されているような直鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルが知られている。
a=5〜1000
(S−2) (C6H5)3SiO−(Si(CH3)2O)a−Si(CH3)3
a=5〜1000
(S−3) (CH3)3SiO−(Si(C5H11)(CH3)−O)a−Si(CH3)3
a=10
(S−4) (CH3)3SiO−(Si(C12H25)(CH3)−O)10−
(Si(CH3)2O)18−Si(CH3)30
(S−5) (CH3)3SiO−(Si(CH3)2O)x−
(Si(CH3)((CH2)3−O(CH2CH2O)10H)−O)y−
(Si(CH3)2O)z−Si(CH3)3
x+y+z=30
(S−6) (CH3)3SiO−(Si(CH3)2O)x−(Si(CH3)
{(CH2)3−O(CH2CH(CH3)−O)10
(CH2CH2O)10C3H7}O)y−(Si(CH3)2O)z−
Si(CH3)3
x+y+z=35
(S−8) n−C17H35COOC30H61−n
(S−9) n−C15H31COOC50H101−n
(S−10) n−C21H43COO−(CH2)7CH(CH3)−C9H19
(S−11) n−C21H43COOC24H49−iso
(S−12) n−C18H37OCO(CH2)4COOC40H81−n
(S−13) n−C50H101O(CH2CH2O)15H
(S−14) n−C40H81OCOCH2CH2COO(CH2CH2O)16H
(S−15) n−C21H41CONH2
(S−14) 流動パラフィンH
(S−15) カルナバワックス
滑り性能は静摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、接触する相手材質との静摩擦係数を小さいことが好ましく、傷などの防止にも役立つ。その際の相手材質との静摩擦係数も0.3以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の静摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の静摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、動摩擦係数も0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、接触する相手材質との動摩擦係数も0.3以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の動摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の動摩擦係数0.30以下が好ましく、さらには0.25以下、特には0.13以下が好ましい。
本技術のフィルムの機能層において、フィルムの易滑性や高湿度下での耐接着性の改良のためにマット剤を使用することが好ましい。その場合、表面の突起物の平均高さが0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。また、その突起物は表面に多数ある程よいが、必要以上に多いとへイズの原因となるため問題である。好ましい突起物は突起物の平均高さを有する範囲であれば、例えば球形、不定形マット剤で突起物を形成する場合はその含有量が0.5〜600mg/m2であることが好ましく、より好ましいのは1〜400mg/m2である。この時、使用されるマット剤としては、既述のフィルム中に添加される微粒子も利用でき、その組成において特に限定されず、無機物でも有機物でもよく2種類以上の混合物でもよい。
本技術に使用される表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やアリール基を有する微粒子の材料のうち、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。二酸化ケイ素、二酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが好ましく、中でもケイ素原子を含有する化合物、特に二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300(以上日本アエロジル(株)製)などの商品名で市販されている。また表面がシリコーンオイルで修飾された二酸化ケイ素微粒子、球状単分散二酸化ケイ素の微粒子も好ましく用いられる。
表面にフェニル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記、二酸化ケイ素の微粒子をトリクロロフェニルシランで処理することにより得ることができる。
これらの微粒子は0.005〜0.3重量%で使用されることが好ましく、さらには0.01〜0.1重量%である。これらにより、本技術に係る微粒子を用いることにより、含有される粒子サイズ10μm以上の凝集粒子が10個/m2以下の、極めて微粒子の分散性に優れたフィルムを得ることができる。これらは、特開2001−2788号公報に記載されている。
帯電防止剤は、樹脂フィルムの取扱の際に樹脂フィルムが帯電するのを防ぐ機能を付与するために効果的に用いる。具体的には、イオン導電性物質や導電性微粒子を含有する層を設けることによって帯電防止を図ることができる。ここでイオン導電性物質とは、電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例としてはイオン性高分子化合物を挙げることができる。
これらのうち、好ましいのは導電性物質が微粒子状をしており、上記樹脂中にこれらを微分散し添加したものである。これらに用いられる好ましい導電性物質として、金属酸化物やこれらの複合酸化物からなる導電性微粒子および特開平9−203810号公報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー粒子などを挙げることができる。好ましい粒子サイズは微粒子の種類に依存するが、例えば5nm〜10μmの範囲である。
また、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以下であって、1次粒子サイズが100Å〜0.2μmで、高次構造の長径が30nm〜6μmである特定の構造を有する粉体を導電層に体積分率で0.01%〜20%含んでいることが好ましい。
ガラス転移点はJIS K7121に記載の方法にて求めることができる。ここで使用する樹脂は下層で使用している樹脂全体の60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、必要に応じて活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂を添加することもできる。これらの樹脂はバインダーとして前述の適当な溶剤に溶解した状態で塗設される。
これらの溶媒のうち、沸点が低い溶媒は蒸発によって空気中の水分を結露させやすく、調液工程、塗布工程にて塗布組成物中に水分を取り込みやすい。特に、降雨時には外部の湿度上昇の影響を受けやすく、相対湿度65%以上の環境ではその影響が顕著になってくる。特に調液工程で樹脂の溶解時間が長時間となったり、塗布工程で塗布組成物が空気に暴露されている時間が長くなったり、塗布組成物と空気との接触面積が広い場合はその影響は大きくなる。
次に、本発明のガスバリアフィルムに機能層として設けることができる硬化樹脂層について説明する。
本発明のガスバリアフィルムを光学フィルムとして使用する場合には、透明硬化樹脂層を設けることが好ましい。透明硬化樹脂層としては活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂が好ましく用いられる。活性線硬化性樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることができ、例えば特開平1−105738号公報に記載されている。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することができる。
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。
塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤または光増感剤は、該組成物の2.5〜6質量%であることが特に好ましい。2.5%未満では樹脂フィルムから溶出する可塑剤および/または紫外線吸収剤によって硬化阻害を受けて耐擦傷性が低下することもあり、逆に6質量%を超えると相対的に紫外線硬化性樹脂成分が減るために逆に耐擦傷性が低下したり、塗布性が悪化したりするなどのため塗膜の面品質を悪くすることがある。
活性線硬化性樹脂層の塗布組成物の固形分濃度は10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
得られるるバーコード層の乾燥時の膜厚は、02〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmであり、特には2〜45μmである。
これらは、前述したマット剤を利用できる。また、前述したように帯電防止層等の樹脂層の上にこれら活性線硬化性樹脂層を設けることもできる。帯電防止層或いは透明硬化樹脂層はそれぞれ単独でもしくは積層して設けることができる。具体的には、特開平6−123806号、特開平9−113728号、特開平9−203810号等各公報の帯電防止付き光学フィルム、偏光板保護フィルム、セルロースアシレートフィルム等のどちらかの面に直接もしくは下引き層を介して設けることができるのである。
本発明のガスバリアフィルムには、反射防止層を設けることもできる。反射防止層の構成としては、単層のものや多層のもの等が各種知られている。多層のものとしては、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した構造のものが一般的である。
反射防止層の構成の例としては、透明基材側から高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材或いは硬化樹脂層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、さらに多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性などから、硬化樹脂層を有する基材上に、高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層の順に塗布して反射防止層を形成することが好ましい。
支持体上に(中屈折層を設ける場合もある)高屈折率層/低屈折率層を順に積層し、高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚光の波長に対しある値に設定することにより光学干渉層を作り、反射防止積層体としたものが反射防止層としては特に好ましい。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定より計算して算出し得る。
透明な支持体上に多層の反射防止層を逐次積層して反射防止層を作製する方法として、チタン、ジルコニウム等の金属アルコキシドおよびその加水分解物から選ばれる化合物、活性エネルギー線反応性化合物および有機溶媒を含有する組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して高屈折率層を形成し、さらにこの上に、低屈折物質および有機溶媒を含有する低屈折率層組成物を塗布し低屈折率塗膜とした後に、活性エネルギーを付与して低屈折率層を形成する方法を挙げることができる。このとき、高屈折率層と低屈折率層の間に中屈折層を設けてもよい。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドの例として、Alのアルコキシドとしては、Al(O−CH3)3、Al(OC2H5)3、Al(O−i−C3H7)3、Al(O−n−C4H9)3;Siの例としては、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(O−i−C3H7)4、Si(O−tert−C4H9)4;Tiの例としては、Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−i−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体、Vの例としては、VO(OC2H5)3;Znの例としては、Zn(OC2H5)2;Yの例としてはY(OC4H9)3;Zrの例としては、Zr(OCH3)4、Zr(OC2H5)4、Zr(O−n−C3H7)4、Zr(O−i−C3H7)4、Zr(O−i−C4H9)4、Zr(O−n−C4H9)4の2〜10量体;Inの例としては、In(O−n−C4H9)3;Snの例としては、Sn(O−n−C4H9)4、Taの例としてはTa(OCH3)5、Ta(O−n−C3H7)5、Ta(O−i−C3H7)5、Ta(O−n−C4H9)5;Wの例としては、W(OC2H5)6;Ceの例としては、Ce(OC3H7)3等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体;Zr(O−i−C3H7)4、Zr(O−n−C4H9)4;Si(OC2H5)4、Si(O−i−C3H7)4が特に好ましい。
上記金属アルコキシド化合物を含む層は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋して網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光による酸発生剤(光酸発生剤)であり、アルミキレート化合物の例としてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、他の光酸発生剤の例としてはベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートやその他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
高屈折率層に好ましく使用される活性エネルギー線反応性化合物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性エネルギー線照射により架橋構造または網目構造を形成するものが好ましい。これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が重合速度、反応性の点から好ましく、例えば、特開昭59−151110号、特開昭59−151112号の各公報などに記載されている。中でも、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。
活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は好ましくは50mJ/m2以上、より好ましくは100mJ/cm2以上、さらに好ましくは400mJ/cm2以上である。紫外線は多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。またこの際には酸素濃度が0.5%以下の条件で行うのが効率的であり、硬化速度の点で好ましい。
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される好ましくは50〜1000keV、より好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体としては、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテル等を挙げることができる。例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロピロピルアクリレート、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアクリレート、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタウルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、トリデカフルオロヘプチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロオクチルアクリレート、ノナデカフルオロデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート(以上のアクリレートはメタクリレート或いはα−フルオロアクリレートであってもよい)、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−ヘプタフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−ペンチルフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−ヘプタフルオロブチルフマレート等の含フッ素不飽和エチレン性単量体を挙げることができるが、本発明で用いることができる化合物はこれらに限定されない。また、共重合相手の単量体はフッ素を含有していても、含有していなくてもよい。
最終的に得られるゲル膜は、反射防止フィルムの低屈折率層として使用するが、その屈折率の調整する必要がある場合もある。例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機ケイ素化合物、屈折率を高めるために有機ケイ素化合物、屈折率をさらに高めるために硼素系有機化合物を添加することができる。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学社製)、スノーテックス(日産化学社製)、等の有機ケイ素化合物、ザフロンFC−110、220、250(東亜合成化学社製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子社製)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素系化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼酸系化合物が挙げられる。これらの添加剤は、ゾルの調製時に加えてもよいし、ゾルの形成後に加えてもよい。これらの添加剤を用いることによって、アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドの加水分解時、或いはその後にシラノール基と反応して、さらに均一に反応してさらに均一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の屈折率をある程度の範囲で変化させることができる。
本発明のガスバリアフィルムには防眩層を設けることもできる。特に光学フィルムとして用いる場合には、防眩層を形成することが好ましい場合がある。防眩層は、表面に凹凸を有する構造をもたせることにより、防眩層表面または防眩層内部において光を散乱させることにより防眩機能発現させるものであるため、微粒子物質を層中に含有した構成をとっている。これらの層として好ましいものは、膜厚が0.5〜5.0μmであって、平均粒子サイズが0.25〜10μmの1種以上の微粒子を含む層であり、平均粒子サイズが当該膜厚の1.1から2倍の二酸化ケイ素粒子と平均粒子サイズ0.005〜0.1μmの二酸化ケイ素微粒子を例えばジアセチルセルロースのようなバインダー中に含有する層である。ここでいう「粒子」としては、無機粒子および有機粒子が挙げられる。本技術に使用することのできる無機粒子としては二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、さらにポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ弗化エチレン系樹脂等が使用できる。
防眩層は、またバインダーとして活性線硬化性樹脂を用いるのが特に好ましく、塗布後活性線照射により前記二酸化ケイ素粒子や二酸化ケイ素微粒子含有活性線硬化性樹脂層を形成させる。偏光板表面の機械的強度を増すことができるという点においてはバインダーとして活性線硬化性樹脂を用いた防眩層とするのがより好ましい。
ここで用いることのできる活性線硬化性樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂をいう。
防眩層の厚みは0.5〜5.0μmであることが好ましく、2.0〜4.0μmであることがより好ましい。
また、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−8−メチルデシル)2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタクリレート、3−パーフロロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3−パーフルオロデシル1,2−エポキシプロパン、3−(パーフロロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。これらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可能である。
本技術のフィルムには、カール防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与するものであるが、この加工を施すことによって、透明樹脂フィルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内側にしてカールしようとするのを防止する働きをするものである。
カール防止層は基材の防眩層または反射防止層を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹脂フィルムの片面に易接着層を塗設する場合もあり、また逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられる。
カール度の測定は、以下の方法で行われる。当該フィルム試料を80℃、相対湿度90%の環境下で48時間放置後、該フィルムを幅手方向50mm、長手方向2mmに切断する。さらに、そのフィルム小片を23℃±2℃、相対湿度55%の環境下で24時間調湿し、曲率スケールを用いて該フィルムのカール値を測定する。
また、これらの最表面層は、易接着層の偏光子への貼合や、また、反射防止層面を保護層フィルム面に貼り付けたりして使用するため、ある程度の親水性を有している必要があり、特に以下に説明する易接着層の23℃、相対湿度60%における水の接触角は50度以下であることが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムには易接着層を塗設することもできる。易接着層とは、例えば、偏光板用保護フィルムとその隣接層、代表的には偏光膜とを接着し易くする機能を付与する層のことをいう。
本技術にて好ましく用いられる易接着層の例としては、−COOM(Mは水素原子またはカチオンを表す)基を有する高分子化合物を含有する層を含むものであり、さらに好ましい態様はフィルム基材側に−COOM基を有する高分子化合物を含有する層を設け、それに隣接させて偏光膜側に親水性高分子化合物を主たる成分として含む層を設けたものである。ここでいう−COOM基を有する高分子化合物としては例えば−COOM基を有するスチレン−マレイン酸共重合体や−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸−無水マレイン酸共重合体などであり、特に−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を用いると好ましい。このような高分子化合物を単独でまたは2種以上併用して用い、好ましい重量平均分子量としては500〜500,000程度のものであるとよい。−COOM基を有する高分子化合物の特に好ましい例は特開平6−094915号、特開平7−333436号各公報記載のものが好ましく用いられる。
ついで本発明のガスバリア性フィルムの支持体に用いられる樹脂について説明する。
支持体に用いられる樹脂は熱可塑性樹脂が好ましく、例えばメタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などを挙げることができる。
樹脂にこれら架橋性樹脂を混合して用いれば、得られる支持体の耐溶剤性、耐熱性、光学特性、強靭性を改善することができるために好ましい。また、樹脂に架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記で挙げた汎用の架橋性樹脂を併用せずに支持体を作製してもよい。
本発明のガスバリアフィルムを液晶表示素子などに使用する場合には、光学的均一性を達成するためにガスバリアフィルムの支持体は非晶性ポリマーであることが好ましい。さらに、レタデーション(Re)、およびその波長分散を制御する目的で樹脂の固有複屈折の符号が異なる樹脂を組み合わせたり、波長分散の大きい(あるいは小さい)樹脂を組み合わせたりすることができる。
本発明のガスバリアフィルムには、レターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で異種樹脂の積層等を好適に行うことができる。
異種樹脂の好ましい組み合わせとしては特に制限はなく、前記したいずれの樹脂も使用可能である。
延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましい。
また、支持体の上に層を形成する際には、支持体の表面に活性化処理を行ってもよい。表面を活性化処理することによって、その上に形成される層との接着性をよくすることができる。表面活性化処理の具体例としては、コロナ処理、グロー放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理を挙げることができる。
本発明のガスバリアフィルムには、例えば以下の層を任意に形成することができる。
(1)下塗層
支持体とその上に形成される層との接着性をよくするために、支持体に下塗層(接着層)を設けてもよい。下塗層の形成にさきだって、支持体に何らかの表面処理を行っておいてもよい。
下塗層は単一層からなるもの(単層法)であってもよいし、複数の層からなるもの(重層法)であってもよい。複数の層からなる場合は、例えば下塗第1層として支持体によく接着する層を設け、その上に下塗第2層としてその上に形成する層とよく接着する層を設けることができる。
下塗液は、一般に良く知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコ−ト法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2、681、294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法により塗布することができる。
本発明のガスバリアフィルムには水吸収剤を使用することが特に好ましい。水吸収剤は、アルカリ土類金属を中心に、水吸収機能を有する化合物から選択することができる。例えば、BaO、SrO、CaO、およびMgOなどが挙げられる。さらに、Ti、Mg、Ba、Caの様な金属元素から選択することもできる。これらの吸収剤粒子の粒子サイズは、好ましくは100nm以下であり、50nm以下で使用されるのがさらに好ましい。
これらの水吸収剤を含む層は前述のバリア層と同様に真空下蒸着法等を使って作成してもよいし、ナノ粒子を各種方法で作成して用いてもよい。層の厚みは1〜100nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。水吸収剤を含む層は、支持体と積層体(バリア層と有機層の積層体)の間、積層体の最上層、積層体の間、或いは、積層体中の有機層或いはバリア層中に添加されていてもよい。バリア層に添加する場合には共蒸着法を用いることが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムでは、支持体と積層体との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することができる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を、無機薄膜層として無機蒸着層またはゾルーゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
本発明のガスバリアフィルムの用途は特に限定されないが、光学特性と機械特性に優れるため、画像表示素子の透明電極用基板として好適に用いることができる。ここでいう「画像表示素子」とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
本発明のガスバリアフィルム(特に帯電防止層を設けたもの)にλ/4板と偏光板を積層し、円偏光板を作成することができる。この場合、λ/4の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアフィルムは、前記透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明のガスバリアフィルムは、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic )型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensatory Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
本発明のガスバリアフィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー(Dupont-Teijin製、Q65A)100重量部と紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Tinuvin P.326)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して、厚さ90μmのPENフイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料およびイエロー染料(公開技報: 公技番号94−6023号記載のI−1,I−4,I−6,I−24,I−26,I−27,II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110℃で48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
(下塗層の塗設)
支持体の両面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電処理をした後、一方の面にゼラチン0.1g/m2、α−スルホジ−2−エチルヘキシル桂皮酸ナトリウム0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.012g/m2、ポリアミド−エピクロロヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液をバーコーターを用いて10mL/m2で塗布した。乾燥ゾーンのローラーや搬送装置がすべて115℃に制御されている条件下で6分間乾燥し、下塗層を形成した。
上記支持体の下塗層形成面とは反対の面上に、平均粒子サイズ0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末の分散物(比抵抗5Ω・cm、2次凝集粒子サイズ約0.08μm)0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2、ポリオキシエチレン−p−ノニルフェノール(重合度10)0.005g/m2およびレゾルシン0.22g/m2を塗布し乾燥することにより、帯電防止層を形成した。
帯電防止層の上に、ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(6mg/m2)/C50H101O(CH2CH2O)16H(9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテル (1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレングリコールモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散した後、アセトン中で分散物(平均粒子サイズ0.01μm)にしてから添加した。マット剤として二酸化ケイ素粒子(0.3μm)を15mg/m2となるように添加した。塗布後に、乾燥ゾーンのローラーや搬送装置がすべて115℃に制御されている条件下で6分間乾燥し、滑り層を形成した。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分で測定)、静摩擦係数0.07(クリップ法で測定)、表面の最外層とバック面の滑り層の動摩擦係数0.12であり、優れた特性を示した。
さらに滑り層の上に、重合開始剤を添加したアクリレート誘導体を20〜30質量%含有するメチルエチルケトン溶液を、酸素濃度が3%以下にコントロールされた窒素雰囲気下で1〜40μm厚で塗布した後、UV光を照射して硬化樹脂層を形成した。
(バリア層の形成)
下塗層の上にバリア層を形成した。バリア層形成には、図1に示すロールトゥーロール方式のスパッタリング装置(1)を用いた。この装置は真空槽(2)を有しており、その中央部にはプラスチックフィルム(6)を表面に接触させて冷却するためのドラム(3)が配置されている。また、上記真空槽(2)にはプラスチックフィルム(6)を巻くための送り出しロール(4)および巻き取りロール(5)が配置されている。送り出しロール(4)に巻かれたプラスチックフィルム(6)はガイドロール(7)を介してドラム(3)に巻かれ、さらにプラスチックフィルム(6)はガイドロール(8)を介してロール(5)に巻かれる。真空排気系としては排気口(9)から真空ポンプ(10)によって真空槽(2)内の排気が常に行われている。成膜系としてはパルス電力を印加できる直流方式の放電電源(11)に接続されたカソード(12)上にターゲット(図示せず)が装着されている。この放電電源(11)は制御器(13)に接続され、さらにこの制御器(13)は真空槽(2)へ配管(15)を介して反応ガス導入量を調整しつつ供給するガス流量調整ユニット(14)に接続されている。また、真空槽(2)には一定流量の放電ガスが供給されるよう構成されている(図示せず)。
テトラエチレングリコールジアクリレート、カプロラクトンアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレートを重量比=7:1.2:1.4で混合した溶液に、ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー651)を1質量%添加して溶剤に溶かし、得られた塗布液を上で調製したフィルムのバリア層の上に塗布し乾燥した後、UV照射して硬化させ、厚さ約1μmの有機層を形成した。
上記のバリア層形成工程と有機層形成工程を交互に繰り返して、バリア層および有機層を各3層ずつ積層したガスバリアフィルム3を作成した。
支持体の材料と帯電防止層の有無を表1に示すように変更して、同じ方法によりガスバリアフィルム1、2、4〜10を作成した。
ガスバリアフィルム1〜10をそれぞれ用いて、以下の手順にしたがって有機EL素子を製造した。
ガスバリアフィルムを真空チャンバー内に導入し、IXOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ0.2μmのIXO薄膜からなる透明電極を形成した。透明電極(IXO)より、アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。
透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成して、これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製、スミライトFS-1300)からなる仮支持体の片面上に、下記組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製) 40質量部
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体)1質量部
ジクロロエタン 3200質量部
また、25mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX−50S、宇部興産製)片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。Al2O3ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、Al2O3をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。これを基板Zとした。
ポリビニルブチラール2000L(Mw=2000、電気化学工業社製) 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物 20質量部
素子作成後25℃相対湿度75%下に1ヶ月放置し、同様にして発光させて、全体における発光部分の面積比(非発光部分はダークスポット)を、日本ポラデジタル社製マイクロアナライザーを用いて求めた。結果は以下の表に示すとおりであった。
PEN=(DuPont-Teijin製、Q65A:熱膨張係数20ppm/℃)
ポリイミド=(宇部興産製、ユーピレックス:熱膨張係数20ppm/℃)
ポリエステル=(ユニチカ製、U−100:熱膨張係数80ppm/℃)
PC=(帝人、ピュアエース:熱膨張係数70ppm/℃)
2 真空槽
3 ドラム
4 送り出しロール
5 巻き取りロール
6 プラスチックフィルム
7 ガイドロール
8 ガイドロール
9 排気口
10 真空ポンプ
11 放電電源
12 カソード
13 制御器
14 ガス流量調整ユニット
15 配管
Claims (7)
- 支持体上に、無機物を含むバリア層と有機層とを少なくとも一層ずつ交互に有しており、かつ、前記支持体の少なくともバリア層と反対の面上に、帯電防止層を有することを特徴とする、ガスバリアフィルム。
- 前記帯電防止層が、イオン性高分子化合物を含む、請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 前記帯電防止層が、導電性微粒子が分散している層である、請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
- 前記支持体の少なくとも一方の面上に、さらに、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層からなる群より選択される層を少なくとも一層有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記支持体の熱膨張係数が30ppm/℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた液晶表示素子。
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