JP4398081B2 - 回折格子製造方法、回折格子成型金型及び光学素子 - Google Patents

回折格子製造方法、回折格子成型金型及び光学素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折格子製造方法、回折格子成型金型及び光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置では液晶の画素の境目がハツキリと見え、映像にざらつきがあるように見えることを防ぐために、回折格子による光学的ローパスフィルタによって、液晶の画素の境目を見え難くする手段が採用されている。
【0003】
しかしながら、矩形の回折格子による光学ローパスフィルタでは、高次回折光で回折し、そのため、フレアが回折格子の縞と直交方向に発生し、鮮明な表示画像が得られなくなる。
【0004】
従来においても、特開平5−227456号公報に開示されている液晶投写型ビューファインダに関する発明のように、1次光までしか回折しない正弦波形状の回折格子パターンによる光学ローパスフィルタを使用すれば、フレアが発生しないことが知られている。
【0005】
そして、このような回折格子を製造する回折格子用スタンパの製造方法の発明が、特開平6−201908号公報に開示されている。この回折格子用スタンパの製造方法は、ガラス基板上にレジストを用いて凹凸状の回折格子パターンを形成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術には以下のような問題がある。特開平6−201908号公報に開示されたような製造方法や、切削、エッチング等による回折格子パターンの製造方法では、正弦波形状又はこれに近似した回折格子パターンを持ったローパスフィルタを作製することは難しく、実際には台形波形状や矩形形状の回折格子パターンを持ったローパスフィルタを作製しているのが現状である。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、正弦波形状の回折格子に近い形状の回折格子をもった光学素子を提供すること、及びかかる回折格子を容易に製造できる回折格子製造方法、回折格子成形金型を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の回折格子製造方法は、素材の凹凸パターン形状の回折格子形成面から、少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子を、ポリシング研磨加工により作製することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回折格子製造方法において、前記素材の回折格子形成面の凹凸パターン形状は、矩形又は台形波形状であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明の回折格子成型金型は、ポリシング研磨加工により形成された少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子形成面を光学素子用の成形面に備えていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の回折格子成型金型において、前記凹凸パターン形状は、コーナー部に曲線を有する台形波形状又は曲線の連なる凹凸パターン形状であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明の光学素子は、ポリシング研磨加工により形成された少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子を素材面に有することを特徴とするものである。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光学素子において、前記凹凸パターン形状は、コーナー部に曲線を有する台形波形状又は曲線の連なる凹凸パターン形状であることを特徴とするものである。
【0014】
以下に、本発明の作用について説明する。本発明回折格子製造方法においては、矩形又は台形波形状からなる凹凸パターン形状の回折格子形成面を、研磨加工、即ち、ポリシング加工するものであり、凹凸パターン形状のため、回折格子形成面の場所により研磨の圧力が異なってくる。
【0015】
そのため、研磨の圧力が大きいところは研磨量が多くなり、研磨の圧力が小さいところは研磨量が少なくなり、研磨加工、即ち、ポリシング研磨加工でコーナ部に曲線を持つ矩形又は台形波形状の凹凸パターン形状を持った回折格子、又は、曲線の連なる凹凸パターン形状を持った回折格子を作製することが可能となる。
【0016】
即ち、直接、光学素子の素材の凹凸パターン形状の回折格子形成面をポリシング加工することにより、コーナ部に曲線を持つ台形波形状からなる凹凸パターン形状の回折格子、又は、曲線が連なる凹凸パターン形状の回折格子を作製することができる。
【0017】
また、回折格子成形金型も、矩形又は台形形状からなる凹凸パターン形状の回折格子形成面をポリシング加工することにより、コーナ部に曲線を持つ矩形又は台形波形状の凹凸パターン形状の回折格子形成面、若しくは、曲線で連なる凹凸パターン形状を持つ回折格子形成面を、回折格子用の成形面として備えた構造のものを作製することができる。
【0018】
このような回折格子成形金型を用いることにより、成形品である光学素子として、コーナ部に曲線を持つ矩形又は台形波形状からなる凹凸パターン形状の回折格子、又は、曲線の連なる矩形又は台形波形状からなる凹凸パターン形状の回折格子を持った光学素子を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1乃至図8を参照して本発明の実施の形態1を説明する。
【0021】
図1は本実施の形態1における研磨加工であるポリシング加工前の光学素子であるローパスフィルタ1の概略斜視図を示す。図2はポリシング加工前の矩形回折格子4の断面形状を示す。図3はローパスフィルタ1における矩形回折格子4をポリシング加工中の状態の側面図を示す。図4はローパスフィルタ1における矩形回折格子4のポリシング加工中の状態の平面図を示す。
【0022】
図5、図6は、各々前記ローパスフィルタ1における矩形回折格子4の回折格子面2のポリシング加工の動きを示す説明図を示す。図7はポリシング加工前の矩形回折格子4とポリシング加工終了時のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子面13を合わせて示す断面図である。図8はポリシング加工終了時のローパスフィルタ1Aの概略斜視図を示す。
【0023】
本実施の形態1において、ポリシング加工前のローパスフィルタ1の形状は、矩形回折格子面2と鏡面3を持つ厚さ1mm、縦20mm、横30mmの平板状で、材質はガラスである。
【0024】
また、矩形回折格子4は、矩形形状の回折格子面2の全面に作製されており、矩形回折格子4の凹凸パターン形状は、図2に示すように回折格子ピッチaが1mm、回折格子溝深さbが0.4μm、回折格子溝幅cが0.5mmとなっている。この矩形回折格子4はエッチング法により作製している。
【0025】
次に、前記ローパスフィルタ1に対するポリシング加工について説明する。まず、図3に示すように、回折格子面2とポリシャ5のポリシャ研磨面6にはダイセモンドペースト(図示せず)が塗られており、回折格子面2には研磨液も塗られている。
【0026】
尚、前記ポリシャ5の材質は、布で、ポリシャ研磨面6の大きさは、直径6mmである。また、ダイヤモンドペーストの粒径は8μm以下である。そして、前記ローパスフィルタ1は、回折格子面2をポリシャ5の回転駆動により押圧、さらに、同時に移動させることにより、ポリシング加工が行われていく。
【0027】
前記ポリシャ5の回折格子面2に対する押圧力dは、0.01MPaで、ポリシャ回転数eは330rpmで、ポリシャ移動速度fは3mm/secに設定している。
【0028】
ポリシャ5の移動は、図5に示す矩形回折格子4の格子方向と平行に動き、ピッチ送りして、矩形回折格子4の格子方向と平行に移動することを繰り返す平行移動方法g、又は、図6に示す矩形回折格子4の格子方向と直交方向に動き、ピッチ送りして、矩形回折格子4の格子方向と直交方向に動くことを繰り返す移動方法hのいずれの方法を採用しても構わないが、回折格子形状にムラが出ないようにするためには前記両方法を合わせて行うことが好ましい。
【0029】
また、ポリシャ5のピッチ送り量iは、前記両方法とも0.4mmである。また、前記ポリシヤ5の移動が矩形回折格子4の全面に亙って完了したときを1工程とすると、この工程を複数回繰り返して行く必要がある。本発明の実施の形態1では80回分、この工程を繰り返した。
【0030】
前記ポリシング加工により、コーナ部に曲線を有する台形波回折格子面13を持った図8に示す回折格子1Aを作製することが可能であるが、このことについてさらに言及する。
【0031】
通常、ポリシャ5は平坦な面ではポリシャ研磨面6の全面が被研磨面に均等な圧力で当たり、均等に研磨されていく。しかし、矩形回折格子4には当然凹凸があるため、均等に圧力がかからない。
【0032】
一番圧力がかかる部分は、図7に示すように、矩形回折格子4の凸部コーナ部7である。次に圧力がかかるのは矩形回折格子4の凸部平坦部8である。その次が、矩形回折格子4の凹部平坦部9、最後が矩形回折格子4の凹部コーナ部10である。
【0033】
また、ポリシャ5が回転しているため、矩形回折格子4の立ち上がり部11もポリシャ5の回転によって圧力がかかり、その大きさは溝深さjが浅いほど大きくなる傾向がある。このため、研磨量が場所によって異なり、圧力の高い部分が多く、低い箇所が少なくなる。
【0034】
以上のような工程により、凸部コーナ部7、凹部コーナ部10が曲線形状を呈する台形波回折格子面13をもったローパスフィルタ1Aが作製される。
【0035】
本実施の形態1では、作製したローパスフィルタ1Aの溝深さjは、0.35μmになっている。このようにして、凸部コーナ部7、凹部コーナ部10に曲線を有する台形波回折格子面13と鏡面3を有するローパスフィルタ1Aを作製することができる。
【0036】
本実施の形態1では、前記ポリシャ研磨面6の大きさは直径6mmであるが、この大きさは回折格子ピッチaよりも大きければよく、例えば直径1mm以上であれば適用可能であり、前記回折格子ピッチaの2倍以上、10倍以下の範囲、最も好ましいのは回折格子ピッチaの6倍程度である。
【0037】
本実施の形態1によれば、ローパスフィルタ1Aの光学特性として高次回折光を±8次光までの回折に抑えることかでき、正弦波形状にに近い回折格子に近似した光学特性を得ることができるローパスフィルタ1Aを提供できる。また、容易に正弦波に近い形状の回折格子を持ったローパスフィルタ1Aを作製できる製造方法を提供できる。
【0038】
(実施の形態2)
図9乃至図15を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
【0039】
図9はポリシング加工前の矩形回折格子形成面(等間隔の線を付して示す)102を有する回折格子入子101の斜視図である。図10はポリシング加工前の矩形回折格子103の断面図である。図11はポリシング加工終了時の回折格子入子104の斜視図である。図12はポリシング加工終了時のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子106の断面図である。図13はローパスフィルタ成型用の金型107の開閉方向と垂直な方向から見た断面図を示している。図14はローパスフィルタ117の斜視図である。図15はローパスフィルタ117におけるコーナ部に曲線を有する台形波回折格子120の断面形状を示す断面図である。
【0040】
本発明の実施の形態2において、ポリシング加工前の回折格子入子101の矩形回折格子形成面102を作製する代表的な方法の概略を以下に説明する。
【0041】
まず始めに、シリコンウェハにレジスト加工により、回折格子パターンを作製する。そして、回折格子パターンを作製した面をコーティングする。更にコーティング処理後、電鋳を行い、回折格子パターンを入子作成用の電鋳品に転写させ、シリコンウェハを剥離する。その後、回折格子入子101の大きさにワイヤカット、エンドミル等で仕上げる。以上が回折格子入子101における矩形回折格子103をもった矩形回折格子形成面102を作製する代表的な方法である。
【0042】
前記回折格子入子101の材質はニッケルであり、矩形回折格子103の形状は実施の形態1と同様である。
【0043】
次に、実施の形態1と同様なポリシャ5を用いたポリシング加工を行い、図11に示すコーナ部に曲線を有する台形波回折格子形成面105を持った回折格子入子104を作製する。ポリシャ5を用いたポリシング加工の方法は実施の形態1と同様であるため、その詳細説明を省略するが、この場合のポリシャ5の押圧力は材質が異なるため、0.02MPaに設定している。
【0044】
このポリシング加工によって、回折格子入子104にはコーナ部に曲線を有する台形波回折格子106を持った回折格子形成面105が形成される。図12に示す前記回折格子入子104のコーナ部に形成される曲線を有する台形波回折格子106の形状は、実施の形態1のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子12と同様である。
【0045】
次に、本実施の形態2における金型107の構成について図13を参照して説明する。
【0046】
図13に示す金型107は、可動金型108と、固定金型109とからなり、固定金型109にはコーナ部に曲線を有する台形波形状の回折格子形成面105を有する回折格子入子104が挿入されている。また、可動金型108には、鏡面110を有する境面入れ子111が挿入されている。
【0047】
更に、前記可動金型108には、成形品を可動金型108から押し出すための押し出しピン112と、この押し出しピン112を作動させるための押し出し板113を設けている。更に、型閉め時にはキャビティ114を形成するようになり、キャビティ114にはスプルー115、ランナー116を介して樹脂が流れ込むようになっている。
【0048】
この金型107は以下のように作動する。前記可動金型108が射出成形機により固定金型109と接し、キャビティ114を形成するようになる。キャビティ114を形成した後、樹脂が射出成形機よりスプルー115、ランナー116を介してキャビティ14に流れ込み、充填、固化して、成形品が形成された後、射出成形機により可動金型108が固定金型109より離れる。その時、成形品は可動金型108に接したまま、固定金型109から離れる。
【0049】
その後、押し出しピン112が射出成形機により、押し出し板113を介して作動して成形品を可動金型108より離し、図示しない取り出し装置等によって金型107外へ搬出される。
【0050】
このように金型107が作動することにより、図15に示すような台形波回折格子120をもつた図14に示すような成形品であるローパスフィルタ117が作製される。尚、ローパスフィルタ117は、コーナ部に曲線を有する台形波回折格子面118と鏡面119を持つ、厚さ1mm、縦20mm、横30mmのアクリル製の平板である。
【0051】
尚、前記ローパスフィルタ117のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子面118の形状は、実施の形態1のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子面13と同様である。
【0052】
本実施の形態2によれば、射出成形により、コーナ部に曲線を有する台形波形状の回折格子形成面105が、成形品であるローパスフィルタ117のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子面118に転写され、この結果、ローパスフィルタ117の光学特性として高次回折光を±8次光までの回折に抑えることができ、正弦波形状の回折格子に近い光学特性を得ることができるローパスフィルタ117を提供できる。
【0053】
また、本実施の形態2によれば、前記ローパスフィルタ117を金型107を用いた射出成形にて製造するため、量産性に優れた製造方法を提供できる。
【0054】
(実施の形態3)
図16から図22を参照して本発明の実施の形態3の説明を行う。
【0055】
図16はポリシング加工前の回折格子入子201の斜視図である。図17はポリシング加工前の矩形回折格子203の断面図である。図18は回折格子入子201におけるポリシング加工終了時の曲線の連なる凹凸パターン形状の回折格子206の断面形状を示す断面図である。図19はポリシンク加工終了時の回折格子形成面を持った回折格子入子208の斜視図である。図20は金型107の開閉方向と垂直な方向から見た断面図である。図21はローパスフィルタ209の斜視図である。図22はローパスフィルタ209の曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子212の断面図である。
【0056】
本実施の形態3において、実施の形態1、2と同様な構成部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。
【0057】
ポリシング加工前の回折格子入子201の矩形回折格子形成面202の矩形回折格子203の形状に関しては、図17に示すように、回折格子ピッチkが1mm、回折格子溝深さlが0.45μm、回折格子溝幅mが0.5mmである。
【0058】
ポリシング加工の方法は発明の実施の形態2と同様であるが、本実施の形態3では、加工工程回数を2倍の160回にしている。
【0059】
このとき、ポリシング加工時のポリシング状態は実施の形態1の場合と同様であるが、更に加工工程数を増やすことにより、回折格子凸部コーナ部204、回折格子凹部コーナ部205の曲線は大きくなり、最終的にはこの曲線が連なり、図18に示す曲線の連なった凹凸パターン形状の回折格子206を作製することができる。
【0060】
ただし、加工工程が2倍になるため、溝深さnの変化も2倍になる。よって、この曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子206の溝深さnを0.35μmに仕上げることができる。
【0061】
金型107の構成は、実施の形態2の場合と同様であるが、固定金型109に挿入される入子は、図19に示す曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子形成面207を有する回折格子入子208である。
【0062】
本実施の形態3の金型107の作動は、既述した実施の形態2の場合と同様である。
【0063】
これにより、図22に示す凹凸パターン形状の回折格子212をもった図21に示すローパスフィルタ209を作製することができる。尚、前記ローパスフィルタ209は、曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子面210と鏡面211を持ち、厚さ1mm、縦20mm、横30mmのアクリル製の平板であり、ローパスフィルタ209の曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子212の形状は、前記回折格子入子208の曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子206の形状と同様である。
【0064】
尚、本実施の形態3では、回折格子溝深さlを0.45μmにし、ポリシング加工工程を発明の実施の形態2よりも2倍にすることにより、図18に示す曲線の連なった凹凸パターン形状の回折格子206を作製したが、その他の加工条件を変更することによっても対応は可能である。例えば、回折格子溝深さlを0.4μmにし、ポリシャ押圧力を0.01MPaとし、加工工程を発明の実施の形態2の場合よりも2倍にすることによっても実施可能である。
【0065】
本実施の形態3によれば、既述した実施の形態1、2の場合よりもより正弦波形状に近い回折格子を得ることができ、高次回折光を±3次光までの回折に減らすことが可能となり、優れた光学特性をもったローパスフィルタ209を提供できる。
【0066】
(実施の形態4)
図23乃至図27を参照して本発明の実施の形態4について説明する。
【0067】
図23はポリシング加工前の光学素子であるレンズ301を示す側面図である。図24はポリシング加工前のレンズ301における矩形回折格子球面の断面図である。図25はレンズ301に対するポリシングの動きを回折格子面側から見た平面図である。図26はポリシング加工終了時のレンズ307における曲線のつながった凹凸バターン形状の回折格子305の断面形状を示す断面図である。図27はポリシング加工終了時のレンズ307を示す側面図である。
【0068】
本実施の形態4において、既述した実施の形態1、2、3と同様な構成部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。
【0069】
ポリシング加工前のレンズ301は、例えば半径90mmの球面形状を有し、有効径が直径30mmで、この球面の面頂を中心にして、回折格子方向が同心円状になっている矩形回折格子球面302と、半径60mmの球面で有効径は直径25mmである球面303とを有しており、レンズ301の外形の大きさは直径40mmで厚さが20mmである。
【0070】
尚、レンズ301における矩形回折格子球面302の矩形回折格子304の形状は、球面の円弧の長さで回折格子ピッチoが1mm、球面からの溝深さpが0.45μm、球面の円弧の長さで回折格子溝幅qが0.5mmである。尚、レンズ301は切削加工により作製されており、材質はガラスである。
【0071】
本実施の形態4のポリシング加工の方法は、既述した実施の形態3の場合と同様であるが、ポリシャ5の押圧力は材質が異なるため、0.01MPaにしている。
【0072】
尚、本実施の形態4においておけるポリシャ5の移動に関しては、矩形回折格子304が同心円状になっているが、その点は無視しても支障はなく、図25に示すポリシャ移動方法rで構わない。
【0073】
また、前記矩形回折格子球面302は球面になっているが、ポリシング加工ではポリシャ5のポリシャ研磨面はその押圧力によって被研磨面に対して倣う様に移動するため、ポリシャ研磨面は常に全面で被研磨面に一定の押圧力で接するように動作する。
【0074】
従って、ポリシャ5によるポリシング加工により、図26に示すように、球面上に曲線の連なった凹凸パターン形状で、溝深さsの回折格子305が作製される。このことにより、図27に示すように、曲線の連なった凹凸パターン形状の回折格子球面306と、球面303とを有するレンズ307を作製することができる。
【0075】
本実施の形態4によれば、球面に正弦波に近い曲線をつなげた凹凸パターン形状の回折格子球面306を備えたレンズ307を容易に作製できる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、コーナ部に曲線を持つ台形波形状からなる凹凸パターン形状、又は、曲線が連なる凹凸パターン形状のような正弦波形状に近い形状の回折格子を容易に作製することができる回折格子製造方法を提供することができる。
【0077】
また、本発明によれば、コーナ部に曲線を持つ矩形又は台形波形状の凹凸パターン形状の回折格子形成面、若しくは、曲線で連なる凹凸パターン形状を持つ正弦波形状に近い形状の回折格子形成面を、回折格子用の成形面として備え、量産性に優れた回折格子成形金型を提供することができる。
【0078】
さらに、本発明によれば、上記発明の回折格子製造方法又は回折格子成形金型を適用することによって、コーナ部に曲線を持つ矩形又は台形波形状からなる凹凸パターン形状の回折格子、又は、曲線の連なる矩形又は台形波形状からなる凹凸パターン形状のような正弦波形状に近い形状の回折格子を持ち、液晶表示画像におけるざらつき感低減等の効果を奏する光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のポリシング加工前の光学素子であるローパスフィルタの概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1のポリシング加工前の矩形回折格子4の断面形状を断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のローパスフィルタにおける回折格子をポリシング加工中の状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるローパスフィルタにおける回折格子のポリシング加工中の状態を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるローパスフィルタにおける回折格子の回折格子面のポリシング加工の動きを示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるローパスフィルタにおける回折格子の回折格子面のポリシング加工の動きを示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるポリシング加工前の矩形回折格子とポリシング加工終了時のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子を合わせて示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1におけるポリシング加工終了時のローパスフィルタの概略斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるポリシング加工前の回折格子入子の斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2におけるポリシング加工前の矩形回折格子の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2におけるポリシング加工終了時の回折格子入子の斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態2におけるポリシング加工終了時のコーナ部に曲線を有する台形波回折格子の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2におけるローパスフィルタ成型用の金型の開閉方向と垂直な方向から見た断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2におけるローパスフィルタの斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態2におけるローパスフィルタにおけるコーナ部に曲線を有する台形波回折格子の断面形状を示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3におけるポリシング加工前の回折格子入子の斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態3におけるポリシング加工前の矩形回折格子の断面図である。
【図18】本発明の実施の形態3におけるポリシング加工終了時の曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子の断面形状を示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態3におけるポリシンク加工終了時の回折格子入子の斜視図である。
【図20】本発明の実施の形態3における金型の開閉方向と垂直な方向から見た断面図である。
【図21】本発明の実施の形態3におけるローパスフィルタの斜視図である。
【図22】本発明の実施の形態3におけるローパスフィルタの曲線のつながった凹凸パターン形状の回折格子の断面図である。
【図23】本発明の実施の形態4におけるポリシング加工前の光学素子であるレンズを示す側面図である。
【図24】本発明の実施の形態4におけるポリシング加工前のレンズにおける矩形回折格子球面の断面図である。
【図25】本発明の実施の形態4におけるレンズに対するポリシングの動きを回折格子面側から見た平面図である。
【図26】本発明の実施の形態4におけるポリシング加工終了時のレンズにおける曲線のつながった凹凸バターン形状の回折格子の断面形状を示す断面図である。
【図27】本発明の実施の形態4におけるポリシング加工終了時のレンズを示す側面図である。
【符号の説明】
1 ローパスフィルタ
1A ローパスフィルタ
2 回折格子面
3 鏡面
4 矩形回折格子
5 ポリシャ
6 ポリシャ研磨面
7 凸部コーナ部
8 凸部平坦部
9 凹部平坦部
10 凹部コーナ部
11 立ち上がり部
12 台形波回折格子
13 台形波回折格子面
14 キャビティ
101 回折格子入子
102 矩形回折格子形成面
103 矩形回折格子
104 回折格子入子
105 回折格子形成面
106 台形波回折格子
107 金型
108 可動金型
109 固定金型
110 鏡面
111 鏡面入子
112 押し出しピン
113 押し出し板
114 キャビティ
115 スプルー
116 ランナー
117 ローパスフィルタ
118 台形波回折格子面
119 鏡面
120 台形波回折格子

Claims (6)

  1. 素材の凹凸パターン形状の回折格子形成面から、少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子を、ポリシング研磨加工により作製することを特徴とする回折格子製造方法。
  2. 前記素材の回折格子形成面の凹凸パターン形状は、矩形又は台形波形状であることを特徴とする請求項1記載の回折格子製造方法。
  3. ポリシング研磨加工により形成された少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子形成面を光学素子用の成形面に備えていることを特徴とする回折格子成型金型。
  4. 前記凹凸パターン形状は、コーナー部に曲線を有する台形波形状又は曲線の連なる凹凸パターン形状であることを特徴とする請求項3記載の回折格子成型金型。
  5. ポリシング研磨加工により形成された少なくともコーナ部が曲線で連なる凹凸パターン形状の回折格子を素材面に有することを特徴とする光学素子。
  6. 前記凹凸パターン形状は、コーナー部に曲線を有する台形波形状又は曲線の連なる凹凸パターン形状であることを特徴とする請求項5記載の光学素子。
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