JP4397406B2 - 受信回路および2値信号生成回路 - Google Patents
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アンプ110は、ASKで変調された受信信号RFinを増幅する。検波回路120は、アンプ110において増幅された受信信号からベースバンド信号S11を分離する。積分回路130は、検波回路120において分離されたベースバンド信号S11を積分し、その平均を参照信号S12としてコンパレータ140に出力する。コンパレータ140は、ベースバンド信号S11と参照信号S12の電圧を比較し、その比較結果に応じたハイレベル又はローレベルのデジタル信号Doutを出力する。
また、搬送波の伝送時においても、積分回路130の時定数より持続時間の長い搬送波が伝送されると、参照信号S12はベースバンド信号S11に近づく。このとき、ベースバンド信号S11には、上述したノイズの他に搬送波のリップルが含まれている。そのため、両者の電圧値が近づくと、デジタル信号Doutにノイズが発生する。
このようなコンパレータの誤動作を抑制するため、例えば下記の特許文献1では、ヒステリシスを持ったコンパレータを用いてASK復調器を構成している。
また、前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより低くなると、上記とは逆に、前記デジタル信号は前記第2の値へ変化し、前記第1の増幅回路のゲインが上昇し、前記比較回路に入力される前記参照信号のレベルが高くなる。これにより、前記デジタル信号を前記第2の値に維持した状態で、前記比較回路に入力される前記参照信号と前記受信信号とのレベル差が広がる。この場合も、両信号のレベル差が広がることによって前記比較回路の誤動作が起こりにくくなり、前記デジタル信号のノイズが抑制される。
前記デジタル信号が前記第1の値へ変化した場合、前記第2の増幅回路のゲインが上昇し、前記比較回路に入力される前記受信信号のレベルが高くなる。これにより、前記デジタル信号を前記第1の値に維持した状態で、前記比較回路に入力される前記参照信号と前記受信信号とのレベル差が広がる。両信号のレベル差が広がると、前記比較回路の誤動作が起こりにくくなり、前記デジタル信号のノイズが抑制される。
また前記デジタル信号が前記第2の値へ変化した場合、前記第2の増幅回路のゲインが低下し、前記比較回路に入力される前記受信信号のレベルが低くなる。これにより、前記デジタル信号を前記第2の値に維持した状態で、前記比較回路に入力される前記参照信号と前記受信信号とのレベル差が広がる。両信号のレベル差が広がると、前記比較回路の誤動作が起こりにくくなり、前記デジタル信号のノイズが抑制される。
また、前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより低くなると、上記とは逆に、前記デジタル信号は前記第2の値へ変化し、前記増幅回路のゲインが低下し、前記比較回路に入力される前記受信信号のレベルが低くなる。これにより、前記デジタル信号を前記第2の値に維持した状態で、前記比較回路に入力される前記参照信号と前記受信信号とのレベル差が広がる。この場合も、両信号のレベル差が広がることによって前記比較回路の誤動作が起こりにくくなり、前記デジタル信号のノイズが抑制される。
好適には、第3の観点に係る2値信号生成回路は、上記2値信号が第1の論理レベルのときに上記参照信号が低くなり、上記2値信号が第2の論理レベルのときに上記参照信号が高くなるように制御される。
好適には、第3の観点に係る2値信号生成回路は、赤外線を電気信号に変換する赤外線検出回路と、上記電気信号を検波して上記入力信号を生成する検波回路とを更に有する。
図1に示す受信回路は、アンプ10と、検波回路20と、積分回路30と、ヒステリシスアンプ40と、コンパレータ50とを有する。
積分回路30は、本発明における積分回路の一例である。
コンパレータ50は、本発明における比較回路の一例である。
ヒステリシスアンプ40は、本発明における第1の増幅回路の一例である。
図2に示すヒステリシスアンプ40は、差動増幅回路41と、抵抗42,43,44と、セレクタ回路45とを有する。
差動増幅回路41は、正入力端子と負入力端子を有し、この端子間の電圧を増幅して出力する。正入力端子には、増幅すべき信号Sin(図1の例では積分回路30の出力信号)が入力される。負入力端子には、抵抗42を介して差動増幅回路41の出力信号が帰還される。負入力端子とグランド電位Gとの間には、抵抗43および44が直列に接続される。
セレクタ回路45は、デジタル信号Doutに応じて、差動増幅回路41の出力のノードNA又は抵抗43および44の接続点のノードNBを選択し、その選択したノードをヒステリシスアンプ40の出力ノードNCに接続する。セレクタ回路45は、デジタル信号Doutが「1」の場合にノードNBを選択し、デジタル信号Doutが「0」の場合にノードNAを選択する。セレクタ回路45は、例えば図2に示すように、スイッチ回路46,47を有する。スイッチ回路46は、ノードNAおよびNCの間に接続されており、デジタル信号Doutが「1」の場合にオフ、「0」の場合にオンする。スイッチ回路47は、ノードNBおよびNCの間に接続されており、デジタル信号Doutが「1」の場合にオン、「0」の場合にオフする。
デジタル信号Doutが「1」になると、抵抗43および44の接続点のノードNBが選択されるため、出力信号Soutは入力信号Sinより低電位になる。この場合、ヒステリシスアンプ40のゲインは「1」より小さくなる。一方、デジタル信号Doutが「0」になると、差動増幅回路41の出力ノードNAが選択されるため、出力信号Soutは入力信号Sinより高電位になる。この場合、ヒステリシスアンプ40のゲインは「1」より大きくなる。
搬送波が受信されない期間において、ベースバンド信号S1はローレベルになり、コンパレータ50から出力されるデジタル信号Doutは「0」になる。この期間が長く持続すると、積分回路30で積分された信号はベースバンド信号S1の平均値とほぼ等しくなる。しかし、デジタル信号Doutが「0」のときヒステリシスアンプ40のゲインは「1」より高くなる(高ゲイン)。そのため、ヒステリシスアンプ40から出力される参照信号S2は、図3(A)に示すようにベースバンド信号S1の平均値より高くなる。つまり、デジタル信号Doutを「0」に維持したまま、ベースバンド信号S1の平均値と参照信号S2との電圧差が広がる。この電圧差がノイズの振幅に比べて大きくなるようにヒステリシスアンプ40のゲイン(高ゲイン)を設定することによって、ノイズの影響によるコンパレータ50の誤動作が生じ難くなる。
他方、搬送波が受信される期間において、ベースバンド信号S1はハイレベルになり、コンパレータ50から出力されるデジタル信号Doutは「1」になる。この期間が長く持続した場合も、積分回路30で積分された信号はベースバンド信号S1の平均値とほぼ等しくなる。しかし、デジタル信号Doutが「1」のときヒステリシスアンプ40のゲインは「1」より低くなる(低ゲイン)。そのため、ヒステリシスアンプ40から出力される参照信号S2は、図3(A)に示すようにベースバンド信号S1の平均値より低くなる。つまり、デジタル信号Doutを「1」に維持したまま、ベースバンド信号S1の平均値と参照信号S2との電圧差が広がる。この電圧差がリップル成分やノイズの振幅に比べて大きくなるようにヒステリシスアンプ40のゲイン(低ゲイン)を設定することによって、ノイズの影響によるコンパレータ50の誤動作が生じ難くなる。
このように、本実施形態に係る受信回路では、消費電力の大きいヒステリシスコンパレータの代わりに簡易なヒステリシスアンプ40を用いることによって、ノイズ等によるコンパレータ50の誤動作を抑制できるため、回路構成の簡易化と消費電力の削減を図ることができる。
また、検波回路20に入力される受信信号のレベルを調節するための自動利得制御アンプや、無信号状態を検出するための回路を特別に設けることなく、コンパレータ50の誤動作を抑制できるため、この点においても回路構成の簡易化と低消費電力化を図ることができる。
しかも、ヒステリシスアンプ40のゲインを切り替えることによって、ベースバンド信号S1の平均値と参照信号S1とのレベル差が発生することから、このレベル差を搬送波のリップル成分の変化に合わせて変化させることができる。つまり、受信レベルに応じて搬送波のリップル成分が大きくなると、これに合わせてヒステリシスの不感範囲が広くなる。したがって、受信レベルに応じてリップル成分が大きく変化する場合でも、コンパレータ50の誤動作を効果的に抑制できる。
図4に示す赤外線通信用の受信回路は、図1に示す受信回路の前段に赤外線検出部70を設けたものである。赤外線検出部70は、例えば図4に示すように、フォトダイオード71と、キャパシタ72と、抵抗73とを有する。フォトダイオード71のカソードは電源ラインVccに接続される。フォトダイオード71のアノードは、抵抗73を介してグランド電位Gに接続されるとともにキャパシタ72を介してアンプ10の入力に接続される。
フォトダイオード71において受光された赤外線信号は、光の強度に応じた電流信号に変換される。この電流信号が抵抗73に流れることで電圧信号に変換され、キャパシタ72を介してアンプ10に入力される。
図5に示す受信回路は、図1に示す受信回路におけるヒステリシスアンプ40を積分回路30の前段から後段に移したものである。すなわち図5の例において、ヒステリシスアンプ40は、積分回路30に入力される検波後のベースバンド信号S1を増幅する。ヒステリシスアンプ40のゲインは、先に説明した通り、コンパレータ50のデジタル信号Doutに応じて切り替えられる。積分回路30の出力は、そのまま参照信号S2としてコンパレータ50に入力される。
他方、ベースバンド信号S1のレベルが参照信号S2のレベルより低くなると、デジタル信号Doutが「1」から「0」へ変化し、ヒステリシスアンプ40のゲインが上昇する。ゲイン上昇により、積分回路30に入力される信号のレベルが高くなるので、積分回路30から出力される参照信号S2のレベルが高くなる。これにより、デジタル信号Doutを「0」に維持した状態でベースバンド信号S1と参照信号S2との電圧差が広がる。
したがって、図5に示す受信回路においても、図1に示す受信回路と同様に、ノイズ成分の影響によるコンパレータ50の誤動作を効果的に抑制できる。
図6に示す受信回路は、図1に示す受信回路にヒステリシスアンプ60を追加したものである。
ヒステリシスアンプ60は、コンパレータ50に入力されるベースバンド信号S1を増幅する回路であり、既に説明したヒステリシスアンプ40と同様に、コンパレータの出力(デジタル信号Dout)に応じてゲインを切り替える。ただし、ヒステリシスアンプ60によるゲインの切り替え方向はヒステリシスアンプ40と逆であり、デジタル信号Doutが「0」から「1」へ変化するとゲインを上げ、デジタル信号Doutが「1」から「0」へ変化するとゲインを下げる。ヒステリシスアンプ60は、例えば図2に示す簡易な回路構成で実現可能である。
なお、ヒステリシスアンプ60は、本発明における第2の増幅回路の一実施形態である。
他方、ベースバンド信号S1のレベルが参照信号S2のレベルより低くなると、デジタル信号Doutが「1」から「0」へ変化し、ヒステリシスアンプ40のゲインは上昇、ヒステリシスアンプ60のゲインは低下する。ヒステリシスアンプ40のゲインが上昇すると、コンパレータ50に入力される参照信号S2のレベルが高くなる。また、ヒステリシスアンプ60のゲインが低下すると、コンパレータ50に入力されるベースバンド信号S1のレベルが低くなる。これにより、デジタル信号Doutを「0」に維持した状態でベースバンド信号S1と参照信号S2との電圧差が広がるため、コンパレータ50の誤動作が起こりにくくなる。
したがって、図6に示す受信回路においても、図1に示す受信回路と同様に、ノイズ成分の影響によるコンパレータ50の誤動作を効果的に抑制できる。
また、2つのヒステリシスアンプ(40,60)によってコンパレータ50の2つの入力信号(S1,S2)の相対的なレベル差を任意に設定できるため、設計の自由度が向上する。
図7に示す受信回路は、図6に示す受信回路におけるヒステリシスアンプ40を省略したものである。
他方、ベースバンド信号S1のレベルが参照信号S2のレベルより低くなると、デジタル信号Doutが「1」から「0」へ変化し、ヒステリシスアンプ60のゲインは低下する。ヒステリシスアンプ60のゲインが低下すると、コンパレータ50に入力されるベースバンド信号S1のレベルが低くなる。これにより、デジタル信号Doutを「0」に維持した状態でベースバンド信号S1と参照信号S2との電圧差が広がるため、コンパレータ50の誤動作が起こりにくくなる。
したがって、図6に示す受信回路においても、図1に示す受信回路と同様に、ノイズ成分の影響によるコンパレータ50の誤動作を効果的に抑制できる。
また、上述の実施例においては、参照信号をベースバンド信号に基づいて生成しているが、ベースバンド信号とは関係のない独立な参照信号としてコンパレータに供給する構成としてもよい。この場合、コンパレータの出力に応じて参照信号に所定のオフセット電圧を印加する構成としてよい。
更には、コンパレータにおいて、ベースバンド信号を負側の入力端子に供給し、参照信号を正側の入力端子に供給する構成としてもよい。
Claims (7)
- 検波された受信信号を積分し、その積分結果を参照信号として出力する積分回路と、
前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより高い場合には第1の値を持ち、前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより低い場合には第2の値を持つデジタル信号を出力する比較回路と、
前記比較回路に入力される前記参照信号又は前記積分回路に入力される前記受信信号を増幅する第1の増幅回路であって、前記デジタル信号が前記第2の値から前記第1の値へ変化するとゲインを下げ、前記デジタル信号が前記第1の値から前記第2の値へ変化するとゲインを上げる第1の増幅回路と
を有する受信回路。 - 前記比較回路に入力される前記受信信号を増幅する第2の増幅回路であって、前記デジタル信号が前記第2の値から前記第1の値へ変化するとゲインを上げ、前記デジタル信号が前記第1の値から前記第2の値へ変化するとゲインを下げる第2の増幅回路を更に有する、
請求項1に記載の受信回路。 - 検波された受信信号を積分し、その積分結果を参照信号として出力する積分回路と、
前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより高い場合には第1の値を持ち、前記受信信号のレベルが前記参照信号のレベルより低い場合には第2の値を持つデジタル信号を出力する比較回路と、
前記比較回路に入力される前記受信信号を増幅する増幅回路であって、前記デジタル信号が前記第2の値から前記第1の値へ変化するとゲインを上げ、前記デジタル信号が前記第1の値から前記第2の値へ変化するとゲインを下げる増幅回路と
を有する受信回路。 - デジタル情報を含む入力信号と参照信号とを比較して2値信号を出力する比較回路と、
上記比較回路から出力される上記2値信号の論理レベルに応答して上記参照信号のレベルを制御する参照信号制御回路と、
を有し、
上記参照信号制御回路が上記参照信号を供給する増幅回路を含み、
上記2値信号が第1の論理レベルのときに上記参照信号が第1の信号レベルとなり、上記2値信号が第2の論理レベルのときに上記参照信号が上記第1の信号レベルと異なる第2の信号レベルとなるように、上記増幅回路の利得が上記2値信号の論理レベルに応じて変化する、
2値信号生成回路。 - 上記入力信号を積分して当該積分信号を上記増幅回路に供給する積分回路を更に有する
請求項4に記載の2値信号生成回路。 - 上記2値信号が第1の論理レベルのときに上記参照信号が低くなり、上記2値信号が第2の論理レベルのときに上記参照信号が高くなるように制御される
請求項5に記載の2値信号生成回路。 - 赤外線を電気信号に変換する赤外線検出回路と、上記電気信号を検波して上記入力信号を生成する検波回路とを更に有する
請求項4乃至6の何れかに記載の2値信号生成回路。
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