JP4396347B2 - 延性および伸びフランジ性に優れる高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

延性および伸びフランジ性に優れる高張力鋼板の製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車用鋼板等の加工して用いる用途に好適な延性および伸びフランジ性に優れる高強度鋼板の製造方法に関するものである。
近年、地球環境を保護する観点から、自動車の燃費改善が求められている。また、自動車が衝突した際、乗員を保護する観点から、自動車車体の安全性向上も求められている。このような要求に応えるため、自動車車体の軽量化および高強度化が積極的に進められている。自動車車体の軽量化と高強度化を同時に達成するには、車体を構成する部品を高強度化し薄肉化することが効果的であり、高強度鋼板を自動車部品の素材として使用することが積極的に行われている。
さて、自動車部品の多くは、素材鋼板をプレス加工することによって製品形状とされる。そのため、自動車部品に用いられる鋼板は、高強度であると共に、成形性にも優れていること、すなわち、高い延性および伸びフランジ性を備えた鋼板であることが必要である。延性に優れる高強度鋼板としては、フェライトとマルテンサイトの複合組織を有する二相組織鋼板(DP鋼)や、特許文献1および特許文献2に開示されているような、フェライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトを含む組織からなるTRIP鋼(Transformation Induced Plasticity鋼)が知られている。しかし、DP鋼やTRIP鋼などの複合組織鋼板は、伸びフランジ性に劣るという問題点を有している。
この問題に対しては、伸びフランジ性を改善した高強度鋼板の製造技術が幾つか提案されている。例えば、特許文献3には、鋼板組織をマルテンサイト単相組織にすることにより、高い伸びフランジ性を達成する技術が開示されている。また、特許文献4には、溶融亜鉛めっき処理後に得られる高張力溶融亜鉛めっき鋼板の組織を、焼戻しマルテンサイト、残留オーステナイトを含み、残部をフェライトと低温変態相からなる複合組織とすることにより、延性に優れる鋼板を得る技術が開示されている。
特公平05−064215号公報 特開平04−333524号公報 特開2002−161336号公報 特開2001−003150号公報
しかしながら、特許文献3に開示されたようなマルテンサイト単相組織の鋼板は、伸びフランジ性には優れるものの、延性が大きく劣化する。また、特許文献4に開示された鋼板は、伸びフランジ性は改善されてはいるものの、まだそのレベルは十分なものとはいい難い。
本発明の目的は、従来の高強度鋼板が抱える上記問題点を解決し、延性および伸びフランジ性が共に優れる高強度鋼板の製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記した課題を達成し、連続焼鈍ラインを用いて高延性・高伸びフランジ性を有する鋼板を製造するために、鋼板の組成およびミクロ組織の観点から鋭意研究を重ねた。その結果、焼鈍前の組織をマルテンサイト分率が90%以上となる鋼板素材を最終焼鈍することにより、鋼板に優れた延性および伸びフランジ性を発現せしめることが可能であるという知見を得た。組織中にマルテンサイトを有する鋼をフェライト、オーステナイト2相域に加熱することにより、マルテンサイトのラス間のC濃度が高い部分からはオーステナイトが逆変態により生成し、一方、C濃度の低い部分はフェライトとなる。その結果、焼鈍加熱時の組織は、マルテンサイトのラスを継承した微細なフェライトとオーステナイトとなり、オーステナイトはその後の冷却によりマルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイトとなり、最終的にはフェライトと低温変態相がラス状に細かく分散した組織となる。このよう微細に分散した低温変態相は、伸びフランジ変形時のボイドの生成と成長を抑制し、伸びフランジ性を向上する。
本発明は、上記した知見に基づいて開発されたものである。
すなわち、本発明は、C:0.07〜0.25mass%、Si:2.0mass%以下、Mn:1.0〜3.0mass%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、低温変態相の体積率が90%以上で、マイクロビッカース硬さがHv300以上の、熱延鋼板冷間圧延してなる鋼板素材を加熱し、720〜870℃の温度に5〜300sec保持し、その後、550℃以下まで冷却速度5℃/s以上で冷却することを特徴とする延性および伸びフランジ性に優れる高張力鋼板の製造方法である。
なお、本発明は、上記鋼板素材はさらに、上記成分組成に加えて下記(a)〜(e)群のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする。

(a)群:Al:1.5mass%以下
(b)群:Cr,Moのうちの1種または2種を合計で0.05〜1.0mass%
(c)群:B:0.003mass%以下
(d)群:Ti,Nb,Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.01〜0.3mass%
(e)群:Ca,REMのうちの1種または2種を合計で0.01mass%以下
さらに、本発明における上記鋼板素材は、熱延鋼板を冷間圧延した後、850℃以上の温度に加熱して5秒以上保持後、冷却速度50℃/sec超えで350℃以下まで冷却したものであることを特徴とする。
また、本発明は、上記いずれかの方法で得られた鋼板に、溶融亜鉛めっき処理あるいはさらに合金化処理を施すことを特徴とする。
本発明によれば、延性および伸びフランジ性に優れる高強度鋼板を得ることができるので、自動車用部品等の加工用素材に好適に用いることができ、ひいては、車体軽量化に寄与することができる。
本発明の高張力鋼板の製造に用いる鋼板素材について説明する。
本発明の高張力鋼板の製造方法においては、鋼板素材を予め、下記特定の組織と特定の硬さを有するものにしておく必要がある。
低温変態相分率:90vol%以上
本発明の鋼板素材は、最終焼鈍に先立つ前組織が、低温変態相90vol%以上からなることが必要である。最終焼鈍前の低温変態相が90vol%未満では、焼鈍後に粗大なフェライトや低温変態相が生成し、伸びフランジ性が低下するからである。なお、本発明では、低温変態相とはマルテンサイトあるいはベイナイトのことを言う。
マイクロビッカース硬さ:Hv 300以上
最終焼鈍前の低温変態相がマイクロビッカース硬さHv 300未満では、焼鈍時に生成するオーステナイト粒が粗大化し、伸びフランジ性が低下する。よって、鋼板素材の硬さは、Hv 300以上に制限する必要がある。鋼板素材の硬さの上限は特に規定しないが、本発明における成分系では、Hv 700以下である。
次に、上記の鋼板素材の好適な成分組成について説明する。
C:0.07〜0.25mass%
Cは、鋼板の高強度化に有用な元素であり、特に低温変態相の生成に有効な元素である。そのため、C含有量は0.07mass%以上であることが好ましい。また、0.25mass%を超えると溶接性が劣化する傾向にある。よって、Cは0.07〜0.25mass%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、0.10〜0.20mass%である。
Mn:1.0〜3.0mass%
Mnは、固溶強化によって鋼を高強度化するとともに、鋼の焼入れ性を向上し、低温変態相の生成を促進する作用を有する。このような作用は、Mn含有量が1.0mass%以上で認められる。一方、3.0mass%を超えて含有しても、それらの効果が飽和して含有量に見合う効果が得られず、コストの上昇を招くだけである。そのため、Mnは1.0〜3.0mass%の範囲で添加することが好ましい。より好ましくは、1.5〜2.5mass%である
Si:2.0mass%以下
Siは、固溶強化によって鋼を高強度化するとともに、焼鈍時に生成するフェライト相中の固溶C量を低減してフェライト相を清浄化し、延性を向上する作用を有する。しかし、Siは、2.0mass%を超えて含有してもその効果は飽和するだけでなく、鋼板表面に生成するスケールの性状を悪化させ、表面品質の低下を招く。よって、Siは、2.0mass%以下に制限することが好ましい。なお、本発明を用いて溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、めっき性を確保するために、Si添加量を1mass%以下に制限するのが好ましい。より好ましくは、0.6mass%以下である
本発明の鋼板素材は、上記必須成分に加えてさらに、下記に(a)〜(e)群のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することができる。
(a)群:Al:1.5mass%以下
Alは、Siと同様、フェライトを清浄化して延性を向上させる作用を有する。一方、Alは、強いフェライト生成能を有するため、1.5mass%を超えて含有すると、90%以上のマルテンサイト組織を得ることが困難となる。そのため、Alの含有量は、1.5mass%以下の範囲に限定するのが好ましい。
(b)群:Cr,Moのうちの1種または2種を合計で0.05〜1.0mass%
CrおよびMoは、鋼の焼入れ性を向上し、低温変態相の生成を促進する元素である。このような作用は、CrおよびMoのうちの1種または2種を合計で0.05mass%以上含有したときに得ることができる。一方、合計で1.0mass%を超えて含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果を得られない。そのため、Cr,Moは合計で、0.05〜1.0mass%の範囲で添加するのが好ましい。
(c)群:B:0.003mass%以下
Bは、鋼の焼入れ性を向上する元素であり、必要に応じて添加することができる。しかし、過剰に添加してもその効果が飽和するため、Bは0.003mass%以下添加することができる。好ましい範囲は0.001〜0.002mass%である。
(d)群:Ti,Nb,Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.01〜0.3mass%
Ti,NbおよびVは、炭窒化物を形成し、鋼を析出強化によって高強度化する作用を有しており、必要に応じて添加することができる。このような作用は、Ti,Nb,Vのうちから選ばれる1種または2種以上を合計で0.01mass%以上添加したときに発現する。一方、合計で0.3mass%を超えて添加すると、過度に高強度化して延性の低下を招く。そのため、Ti,Nb,Vのうちの1種または2種以上の含有量は、合計で0.01〜0.3mass%の範囲とするのが好ましい。
(e)群:Ca,REMのうちの1種または2種を合計で0.01mass%以下
Ca,REMは、硫化物系介在物の形態を制御する作用を有し、これにより、鋼板の伸びフランジ性を向上させる。しかし、この効果は、Ca,REMの合計含有量が0.01mass%を超えると飽和するため、合計で0.01mass%以下に制限するのが望ましい。
本発明の鋼板素材は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなるものである。なお、不可避的不純物としてのPおよびSは、P:0.05mass%以下、S:0.02mass%以下であれば許容することができる。
次に、上記鋼板素材の組織、硬さを得るための好適な製造条件について説明する。
熱延鋼板をそのまま、即ち、最終焼鈍に先立つ予備焼鈍を施さないで、最終焼鈍して高強度鋼板を製造する場合には、上記熱延鋼板は、上述した鋼板組織および硬さを有する鋼板素材であることが必要である。そのためには、上記熱延鋼板は、上述した成分組成に調整された鋼スラブを、仕上圧延温度を860℃以上とする熱間圧延を行った後、圧延後から巻き取るまでを冷却速度を100℃/sec以上とし、350℃以下で巻き取ることにより製造する必要がある。仕上圧延温度が860℃未満あるいは冷却速度が100℃/sec未満では、圧延後の冷却時にフェライトが生成しやすくなり、圧延後に90vol%以上の低温変態相を得ることができない。また、巻取温度が350℃を超えると、低温変態相の硬さをHv 300以上にすることができない。
上記以外の条件で製造した熱延鋼板あるいは熱延鋼板をさらに冷間圧延した冷延鋼板を鋼板素材として最終焼鈍し、高強度鋼板を製造する場合には、それら熱延鋼板および冷延鋼板は、最終焼鈍に先立って予備焼鈍を行い、上述した鋼板組織および硬さに調整した鋼板素材とする必要がある。そのためには、上記予備焼鈍は、850℃以上の温度域に5秒以上保持したのち、冷却速度50℃/sec以上で350℃以下まで冷却することが必要である。焼鈍温度が850℃未満あるいは保持温度が5秒未満では、再オーステナイト化が不十分となり、また、冷却速度が50℃/sec未満では冷却時にフェライト相が生成し、予備焼鈍後に90vol%以上の低温変態相を得ることができない。また、冷却停止温度が350℃を超えると、鋼板の硬さHv 300以上にすることができない。よって、予備焼鈍の条件は、焼鈍温度850℃以上、保持時間5秒以上、冷却速度50℃/sec以上、冷却停止温度350℃以下とする。好ましい予備焼鈍の条件は、焼鈍温度900℃以上、保持時間20秒以上、冷却速度100℃/sec以上、冷却停止温度300℃以下である。
最終焼鈍条件
本発明は、上記の鋼板組織および硬さに調整した鋼板素材を最終焼鈍し、延性および伸びフランジ性に優れた高強度鋼板とする。この最終焼鈍は、720〜870℃の温度範囲に5〜300sec保持した後、550℃以下まで5℃/sec以上の冷却速度で冷却する条件で行う必要がある。焼鈍温度が720℃未満あるいは焼鈍時間が5秒未満では、再オーステナイト化が不十分となり、最終的にラス状の低温変態相が得られず、延性および伸びフランジ性が共に低下する。また、焼鈍温度が870℃を超えたり、焼鈍時間が300秒を超えたりすると、焼鈍後に生成する低温変態相が粗大となり、伸びフランジ性が低下する。よって、焼鈍温度は720〜870℃とし、焼鈍時間は5〜300秒とする。また、冷却速度が5℃/sec未満あるいは冷却停止温度が550℃を超える場合には、パーライトの生成やセメンタイトの析出が起こり、伸びフランジ性が低下するので好ましくない。好ましくは、焼鈍温度は750〜850℃とし、焼鈍時間は20〜120秒、冷却速度は20℃/sec以上、冷却停止温度は500℃以下である。
なお、上述した予備焼鈍および最終焼鈍は、冷却速度を確保する上から、連続焼鈍ライン(CAL)あるいは連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)を好適に用いることができる。
なお、本発明の製造方法は、高強度熱延鋼板や高強度冷延鋼板のほか、それらに溶融亜鉛めっき処理を施した高強度溶融亜鉛めっき鋼板あるいはさらに合金化処理した高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造にも適用することができる。
表1に示す成分組成を有する鋼A〜Jを転炉で溶製し、連続鋳造法で鋳片(スラブ)とし、この鋳片を表2に示す条件で板厚2.6mmまで熱間圧延し、次いで酸洗したのち、一部の熱延鋼板については熱延のまま最終焼鈍し、その他については板厚1.0mmまで冷間圧延を行った後、連続焼鈍ラインで表2に示す条件で予備焼鈍した後、最終焼鈍を行った。最終焼鈍は、連続焼鈍ライン(CAL)あるいは連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)を用い、表3に示す条件で行った。なお、CGLで焼鈍した鋼板は、焼鈍後、溶融亜鉛めっき処理を施し、さらにその一部については、めっき後、再加熱して溶融亜鉛めっき被膜の合金化処理を施した。この時の溶融亜鉛めっき処理は、浴温475℃のめっき槽に鋼板を浸漬して引き上げ、ガスワイピングにより片面当たりの目付量が50g/m2となる条件で行った。また、合金化処理は、めっき後、10℃/secの加熱速度で500〜550℃の温度まで昇温し、20sec間保持したのち冷却する条件で行った。
Figure 0004396347
Figure 0004396347
上記のようにして得た各種鋼板について、下記の要領でミクロ組織および機械的特性を調査した。また、最終焼鈍前の鋼板素材についてもミクロ組織および硬さを調査した。
<ミクロ組織>
鋼板のミクロ組織は、圧延方向断面を光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡にて観察し、低温変態相の体積率(vol%)の測定および低温変態相の種類の判定を行った。
<硬さ測定>
鋼板素材の硬さ測定は、マイクロビッカース硬度計を用いて、荷重1000g、負荷時間15secの条件で行った。
<引張特性>
機械的特性は、鋼板から圧延直角方向に採取したJIS 5号引張試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠し、降伏強さYP、引張強さTS、伸びElを測定した。また、この値から、降伏比YR(YS/TS)、引張強さと伸びの積(TS×El)を求めた。
<穴拡げ率λ>
鋼板に、直径di(10mmφ)の初期穴を打抜き、この穴に60°円錐ポンチを押し当てて穴拡げ加工を行い、穴縁の亀裂が板厚を貫通した時の穴径をdbを求め、次式によって穴拡げ率λを求めた。また、この値から、引張強さと穴拡げ率の積(TS×λ)を求めた。
λ(%)={(db−di)/di}×100
ここで、di:初期穴径(mm)、db:亀裂が板厚を貫通した時の穴径(mm)
上記測定の結果を、表3に併せて示した。また、表3に示した本発明例の鋼板と比較例の鋼板についての引張強さと伸びの積(TS×El)と引張強さと穴拡げ率の積(TS×λ)を比較して図1に示した。表3および図1から明らかなように、本発明例の鋼板は、引張強さと伸びの積(TS×El)が19435MPa・%以上でかつ引張強さと穴拡げ率の積(TS×λ)が71300MPa・%以上と優れた強度、延性ならびに伸びフランジ性を示す。これに対して、本発明の範囲をはずれる比較例の鋼板は、引張強さと穴拡げ率の積(TS×λ)が高々39900MPa・%でしかなく、本発明の鋼板と比較して伸びフランジ性が大きく劣っていることがわかる。
Figure 0004396347
本発明は、高い強度を有すると共に、延性および伸びフランジ性が要求される自動車用薄鋼板の製造方法に適用することができ、自動車の軽量化、低燃費化が可能となり、ひいては地球環境の改善に大きく貢献する。
発明例の鋼板と比較例の鋼板についての引張強さと伸びの積(TS×El)と引張強さと穴拡げ率の積(TS×λ)を比較して示すグラフである。

Claims (4)

  1. C:0.07〜0.25mass%、Si:2.0mass%以下、Mn:1.0〜3.0mass%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、低温変態相の体積率が90%以上で、マイクロビッカース硬さがHv300以上の、熱延鋼板を冷間圧延してなる鋼板素材を加熱し、720〜870℃の温度に5〜300sec保持し、その後、550℃以下まで冷却速度5℃/s以上で冷却することを特徴とする延性および伸びフランジ性に優れる高張力鋼板の製造方法。
  2. 上記鋼板素材はさらに、上記成分組成に加えて下記(a)〜(e)群のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項に記載の高張力鋼板の製造方法。

    (a)群:Al:1.5mass%以下
    (b)群:Cr,Moのうちの1種または2種を合計で0.05〜1.0mass%
    (c)群:B:0.003mass%以下
    (d)群:Ti,Nb,Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.01〜0.3mass%
    (e)群:Ca,REMのうちの1種または2種を合計で0.01mass%以下
  3. 上記鋼板素材は、熱延鋼板を冷間圧延した後、850℃以上の温度に加熱して5秒以上保持後、冷却速度50℃/sec超えで350℃以下まで冷却したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の高張力鋼板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で得られた鋼板に、溶融亜鉛めっき処理あるいはさらに合金化処理を施すことを特徴とする高張力鋼板の製造方法。
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