JP4394066B2 - 被加工物の研磨方法及びその研磨装置 - Google Patents
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Description
(1)ワークリング内に被加工物保持板を設け、この被加工物保持板に被加工物をセットした状態で、リングポリシャ盤のリングポリシャ面に被加工物の被加工面を接触させ、リングポリシャ盤を回転させると共にこのリングポリシャ盤の回転数と同一回転数で被加工物保持板と一体に被加工物を回転させ(以下、被加工物を同期回転させるという)、被加工面上の相対速度分布を一様化することにより、リングポリシャ面の平面度、面精度を被加工面に精密に転写するようにした研磨方法及びその研磨装置が知られている。
(2)また、ワークリング内に被加工物保持板を設け、この被加工物保持板に被加工物をセットした状態で、リングポリシャ盤のリングポリシャ面に被加工物の被加工面を接触させ、リングポリシャ盤を回転させると共に、リングポリシャ盤の回転時に被加工物とリングポリシャ盤との間に生じる摩擦力により被加工物をリングポリシャ盤の回転方向に沿って連れ回りさせ、被加工物の被加工面を研磨する研磨方法及び研磨装置も知られている。
(3)更に、研磨装置には、被加工物の被加工面の研磨面精度を向上させる目的で、振動を被加工物に与える装置、被加工物の研磨をNC制御等により行う研磨装置、被加工物を揺動させて研磨を行う揺動型研磨装置、被加工物を保持した保持板を上下のターンテーブルの間に挟んで、往復運動を与えることにより研磨を行う研磨装置も知られている。
(4)被加工物としての光学部品の研磨では、特に平面光学部品の角度誤差を修正する研磨方法として、より多く減耗させたい被加工面箇所の背面側に偏加重を加え、直線的な圧力分布の傾きを調整し、角度誤差を修正しながら研磨を行う方法が知られている。
図1は本発明の被加工物の研磨方法に使用する研磨装置の概要を示す斜視図であり、1は研磨装置を示している。ここでは、この研磨装置1は液中型である。この研磨装置1は、支持台2と、円筒状容器としてのワーキングダム3と、ミリングユニット4と、リングポリシャ盤(ターンテーブルともいう)5と、ワーキングユニット6と、ツルーイングユニット7と、修正ツール8と、操作盤9とから大略構成されている。ワーキングダム3には研磨液が貯溜されている。リングポリシャ盤5の上面には所定形状の砥粒案内溝(図示を略す)が形成されている。操作盤9はリングポリシャ盤5、ワーキングユニット6、修正ツール8の回転数制御及びその他の制御、研磨装置1の監視を行う役割を果たす。ワーキングユニット6は取り付け板10に着脱可能かつ交換可能に取り付けられる。
Δh=η・P・V・Δt
また、Qは輪帯幅、Dは被加工物42のトラッキング方向(リングポリシャ盤5の半径方向)、X、Yはリングポリシャ盤5の回転中心Opに対する相対座標軸、Zは高さ方向座標軸、Cnはリングポリシャ盤5の回転中心Opから被加工物42の加工中心までの距離、ω0はリングポリシャ盤5の回転角速度、ω0´は被加工物42の回転角速度である。相対速度Vはリングポリシャ盤5の回転角速度ω0と被加工物42の回転角速度ω0´とを同じにすること(被加工物42の回転をリングポリシャ盤5の回転に同期させることともいう)により、被加工面42の全領域で、相対速度Vを一定(V=Cn・ω0)にすることができる。加工圧力Pはリングポリシャ盤5のリングポリシャ面5aが平面で、加工物42の厚さが均等であるとすると一定となる。また、被加工物42がリングポリシャ盤5からはみ出さない限り、加工時間Δtも被加工面42aの全領域で一定となる。
V=(x2+y2)1/2・ω0
従って、プレストンの経験則から、被加工物42´の被加工面42´aの形状は、凸円錐面の一部をZ軸から切りとったような形になることが推定されるが、この被加工面42´aの湾曲形状成分(Zxy)はリングポリシャ盤5の曲率を僅かに凸面形状とし、かつ、輪帯領域5bの外周側で被加工物42´を往復運動させることにより解消できる。また、被加工物42´のy軸に関しての非対称成分は被加工物42´を半径方向に往復運動させるため消去されており、x軸と平行な平行軸x´に関しての非対称成分は被加工物42´の幅L´が被加工物42´の長さ寸法Lに較べて相対的に小さいので無視できる。
(実施例2)
図7は本発明に係わるドライブ機構36の中間プレート38の他の構成を示すものであり、この中間プレート38は十字取り付け板37に連結ロッド40を介して取り付けられる。中間プレート38には十字の案内溝43が形成されている。中間プレート38の下部にはクランク形保持棒44が取り付けられている。このクランク形保持棒44はここでは円板形状の被加工物45をその周面45bで保持する役割を果たす。被加工物45の中心O2と中間プレート38の中心O1(従動軸35の中心)とは偏心されている。クランク形保持棒44は案内溝43に沿って移動され、径の異なる被加工物45を保持できるようになっている。
(実施例3)
図8はワーキングユニット7の他の実施例の斜視図を示している。このワーキングユニット7は、ユニット基板46を有する。ユニット基板46には案内部材47が設けられている。この案内部材47にはガイド部材48を介して往復基板49が摺動可能に設けられている。往復基板49の後端部にはすべり板50が設けられている。往復基板49の先端部にはブラケット51が設けられている。ユニット基板46には取り付け枠52が設けられ、この取り付け枠52の上部には図示を略す取り付け板53が設けられ、この取り付け板53の下部には駆動モータ54が設けられている。取り付け板53の上部には安全カバー55が設けられている。安全カバー55の内部には図示を略す駆動プーリと従動プーリとタイミングベルトとが設けられている。駆動プーリは駆動モータ54の出力軸に取り付けられ、従動プーリはベアリングケース56と一体のスピンドル(図示を略す)に直結されている。そのスピンドルの先端部にはクランク部材57が設けられている。このクランク部材57には長穴58が設けられている。59はそのクランク部材57を往復基板49に固定するためのヒンジピンである。ブラケット51には長穴60が設けられ、ブラケット51は押えネジ61により往復基板49に固定される。ブラケット51の先端は下方に屈曲され、その屈曲部にはブラケット62が設けられている。このブラケット62は起立取り付け板部63と水平板部64とから構成されている。起立取り付け板部63には上下方向に延びる長穴65が設けられ、ブラケット62は押えネジ66により長穴65の締め付け箇所を調整することにより高さが調整され、後述する保持板とリングポリシャ盤5との間隔が1mm〜5mmの範囲で調整される。水平板部64には図9に拡大して示すように摩擦力分解調整基板67が取り付けられている。分解調整基板67には保持板68、69がネジ部材70により取り付けられている。ここでは、被加工物はコーナキューブ71とされ、保持板68と保持板69とは互いに直交して配置され、図10、図11に示すコーナキューブ71の背面71aに臨んでいる。保持板68、69の下部にはコーナキューブ71の背面71aに当接する当接部68a、69aが形成されている。摩擦力分解調整基板67には円弧溝72、73が形成されている。74、75はその円弧溝の押えネジである。水平板部64には角度目盛り76が設けられている。リングポリシャ盤5を矢印E方向に回転させると、コーナキューブ71はその被加工面71bとリングポリシャ盤5との間に発生する摩擦力により保持板68、69に押し付けられ、コーナキューブ71は保持板68、69に整合保持される。ユニット基板46には円弧溝77が形成され、押えネジ78による円弧溝77の押え箇所を調節することにより実施例1と同様にトラッキング運動方向の調整が可能である。また、長穴58に対してヒンジピン59の位置をずらすことにより実施例1と同様にトラッキング運動の振幅を調節可能であり、ブラケット51を長穴60に沿ってずらすことにより輪帯領域5bの選択が可能であり、摩擦力分解調整基板67を円弧溝72、73に沿ってずらすことによりリングポリシャ盤5に対するコーナキューブ71の相対的な姿勢を調節することが可能である。
リングポリシャ盤5の回転数n0は2rpm、トラッキング振動数nTは3往復/分、トラッキング幅(往復振幅)aは±30mm、リングポリシャ盤5の回転中心Opから往復中心までの距離y0は275mmの条件で研磨を行った。
(実施例4)
図14〜図16はコーナキューブ71をダブルクランク機構88に保持させて、円弧周回型のトラッキング運動を行わせるように構成した実施例を示し、図14〜図16において、89は駆動リングである。この駆動リング89には、図16に示すようにその外周に摺接保持ローラ90が設けられ、駆動ローラ91により回転中心O3を中心に回転するようにされている。駆動リング89の内壁には半径方向に向かって延びるブラケット92がネジ止め固定されている。このブラケット92は駆動リング89の周回り方向4箇所に90度毎に設けられている。このブラケット92には吊棒93が設けられ、この吊棒93の下端部には取り付け円形基板94が固定されている。この円形基板94の上部にはベアリング95、ベアリングケース96がベアリング押え板97と固定ネジ98とにより固定されている。ベアリング95にはシャフト99が固定されている。シャフト99の本数Nは、リングポリシャ盤5の輪帯幅Qとコーナキューブ71の大きさとから決定されるピッチ円直径を等分することにより求められ、ここでは、シャフト99の本数Nは8とされている。このシャフト99の下部には吊棒100が設けられ、この吊棒100には直角V形の保持板101がネジ102により固定されている。この保持板101はコーナキューブ71の背面71aに当接される。シャフト99の上部にはネジ103により方位規制継手盤104が固定されている。この方位規制継手盤104の上部にはクランク円板105がネジ106により固定されている。このクランク円板105は保持板101の張り出し方向と逆方向に向かって張り出されている。このクランク円板105の上方には方位安定リング板107が設けられている。この方位安定リング板107には、滑り軸受108が設けられ、この滑り軸受108にはクランク円板105に設けられたヒンジピン109が嵌合されている。
5…リングポリシャ盤
5a…リングポリシャ面
5b…輪帯領域
24…往復基板
39…被加工物保持板
42…被加工物
42a…被加工面
Claims (2)
- 被加工物保持板に、リングポリッシャ盤の輪帯領域の輪帯幅よりも1.2倍の長さを有する長方形の平行平面光学部品の被加工物の姿勢を規制してセットし、リングポリッシャ盤のリングポリッシャ面に被加工物の被加工面を接触させ、リングポリッシャ盤を回転させながら前記被加工物を無回転状態でかつ姿勢を一定方位に維持した状態でしかも前記被加工物の長手方向を前記リングポリシャの回転方向に接する接線方向として前記リングポリッシャ盤の回転方向と交差する方向に前記被加工物を前記輪帯領域の外周側でトラッキング運動させて前記被加工物の被加工面を研磨することを特徴とする被加工物の研磨方法。
- 輪帯領域の輪帯幅よりも1.2倍の長さを有する長方形の平行平面光学部品の被加工物の被加工面に摺接されるリングポリッシャ盤と、被加工物の姿勢を規制し該被加工物を保持する被加工物保持板と、該被加工物保持板をトラッキング方向に往復駆動する往復駆動機構と、前記被加工物保持板に前記被加工物の背面に当接されて該被加工物に加わる摩擦力成分に抗する方向の効力を与える当接部とを備え、前記リングポリッシャ盤を回転させながら前記被加工物を無回転状態でかつ姿勢を一定方位に維持した状態でしかも前記被加工物の長手方向を前記リングポリッシャ盤の回転方向に接する接線方向として前記リングポリシャ盤の回転方向と交差する方向に前記被加工物を前記輪帯領域の外周側でトラッキング運動させて前記被加工物の被加工面を研磨するように構成されたことを特徴とする被加工物の研磨装置。
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