JP4392591B2 - 注型成形用樹脂組成物及び注型成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、ホルムアルデヒド捕捉機能を有するため、ホルムアルデヒドの揮散が極めて少ないラジカル重合性樹脂組成物からなる注型成形用樹脂組成物及び注型成形品に関するものである。
一般に用いられるラジカル重合性樹脂は、機械特性、耐水性、耐薬品性等が良好なうえに、硬化時間が短く、硬化温度に関わらず硬化時間の調整が可能であるため、種々の用途で利用されている。注型成形用コンパウンドの注型成形品は、浴室部材、台所部材、レジンコンクリート等の室内外用途で幅広く使用されている。そして、かかるラジカル重合性樹脂を重合し硬化させるラジカル硬化剤により、重合性不飽和二重結合を有する重合性不飽和樹脂と重合性不飽和単量体とを反応させ硬化物が得られるが、硬化の際にホルムアルデヒドが発生させることが知られている(例えば非特許文献1参照)。
ホルムアルデヒドは、シックハウス等環境問題の原因物質とされ、その放散量が平成15年7月より建築基準法により規制された。
この規制に対して、ホルムアルデヒドの放散量がある値より減少するまで硬化後の放置時間を長くする方法、高温で後硬化を行いホルムアルデヒドを強制的に揮散させ、硬化物中に残存するホルムアルデヒドを放出させる方法、ホルムアルデヒド補足材を後添加しホルムアルデヒドの放散を抑える方法が有用と考えられるが、実質有効な方法は見いだされていないのが実状であった。
Stanford Research Institute Volume1 Number 7 July,1968; Frank R. Mayo
本発明の目的は、ラジカル重合し硬化する時に発生するホルムアルデヒドの捕捉機能を有し、硬化物からホルムアルデヒドの放散を抑えた注型成形用樹脂組成物及び注型成形品を提供することである。
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、ラジカル重合を阻害することなく、有効なホルムアルデヒド補足機能を有する化合物を見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類とジシクロペンタジエン系化合物とを縮合反応させて得られる不飽和ポリエステル樹脂からなる1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)と、エチレン尿素(C)と充填剤(D)とを含有してなる注型成形用樹脂組成物であって、前記エチレン尿素(C)が前記組成物に対して0.01〜10重量%含まれる注型成形用樹脂組成物を提供するものである。
本発明の注型用樹脂組成物及び注型成形品は、特定のホルムアルデヒド捕捉剤を含むため、硬化時に発生するホルムアルデヒドを効率よく捕捉し、かつ上記ホルムアルデヒド捕捉剤が樹脂との相溶性もよく、ラジカル重合反応による硬化を伴う注型成形品の性能を損なわないため、注型成形品に有用である。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)[以下ラジカル硬化性樹脂(A)という]としては、例えば不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマー等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は300より大きいものであり、樹脂の粘度や樹脂硬化物の物性の点で500〜5000のものが好ましい。これらの樹脂は単独で使用しても良いし、必要に応じ2種以上併用しても良い。
前記不飽和ポリエステルとは、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類、必要によりジシクロペンタジエン系化合物とを縮合反応させて得られるものである。
不飽和ポリエステルを調整するにあたって使用するα,β−不飽和二塩基酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。更にこれらの二塩基酸に、アセトアセチル酸又はこの酸クロライドを併用することができる。
多価アルコ−ル類としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、2,2’−メチルエチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができる。
前記不飽和ポリエステルは、性能を損なわない範囲で、ジシクロペンタジエン系化合物で変性したものを使用することも可能である。ジシクロペンタジエン系化合物については、種々の公知の方法により導入可能であり、例えばジシクロペンタジエンとマレイン酸付加生成物(シデカノールモノマレート)を一塩基酸として、ポリエステル骨格に導入することができる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートは、1分子内に少なくとも2個以上エポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で、反応せしめて得られるものである。
かかるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂、ビスフェノールFタイプのエポキシ樹脂、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種又は2種以上混合して用いられる。エポキシ樹脂の平均エポキシ当量は、100〜500なる範囲内にあるものが好ましい。
前記ビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAエチレンオキシド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、前記ノボラックタイプのエポキシ樹脂としては、例えばフェノール・ノボラックまたはクレゾール・ノボラックと、エピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂などを挙げることができる。
更に水素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、テトラブロモビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンアリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカーボネート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等も挙げられるが、これらに限定される物ではない。
また、エポキシ伸長等の調整のために、水酸基を2個以上有する化合物を使用しても良く、具体的な化合物として、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルナンジアルコール、テトラブロモビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、1,6−ナフタレンジオール等が挙げられる。
さらに前記不飽和一塩基酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、またはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどが挙げられる。さらに更にこれらの不飽和一塩基酸にアセトアセチル酸を併用することもできる。これらの不飽和一塩基酸は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
前記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは、60〜140℃、特に好ましくは、80〜120℃なる範囲内の温度において、エステル化触媒を用いて行われる。
エステル化触媒としては、公知慣用の化合物が、そのまま使用できるが、例えばトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種の3級アミン類;またはジエチルアミン塩酸塩、スズ、亜鉛、鉄、クロム、バナジウム、リン含有化合物などが挙げられる。
かかるエポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、好ましくは、450〜2,500、特に好ましくは500〜2,200なる範囲内が適切である。分子量が450に満たないと、得られる硬化物に粘着性が生じたり、強度物性が低下したりするようになるし、一方、2,500を越えると、硬化時間が長くなり、生産性が劣るようになる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含むものである。
かかるウレタン(メタ)アクリレートは、例えばポリイソシアネートとポリエーテルポリオール等のポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物とを、イソシアネート基と水酸基との当量比がほぼ同じとなるように各化合物を反応せしめて得られるものである。例えば先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得た後、該プレポリマーに水酸基含有(メタ)アクリル化合物とを反応せしめて得られるものが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを調製するにあたって使用するポリオールとしては、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール等が挙げられる。またポリオールの数平均分子量は200〜3000のものが好ましく、特に好ましくは400〜2000のものである。
前記ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールA及びビスフェノールFに上記アルキレンオキサイドを付加させたポリオールも含む。
ポリエステルポリオールとは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンの様に環状エステル化合物の開環重合体を意味する。ここで使用する飽和二塩基酸類としては、前記した飽和二塩基酸を挙げることができ、
また多価アルコール類としては、前記した多価アルコールを挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIという)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。ポリイソシアネートの市販品としては、例えばバーノックDー750、クリスボンNX(大日本インキ化学工業(株)製品)、デスモジュールL(住友バイエル社製品)、コロネートL(日本ポリウレタン社製品)、タケネートD102(三井武田社製品)、イソネート143L(三菱化学社製)等を挙げることができ、これらの単独または2種以上で使用することができる。前記ポリイソシアネートのうちジイソシアネートが好ましく、特にTDIが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の様な水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物、カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のような3個以上の水酸基を有するアルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
前記のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを、好ましくは数平均分子量500〜30000、特に好ましくは700〜5000になるようにNCO/OH=2〜1.5で反応させ、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを生成させ、次いでそれに水酸基含有アクリル化合物を該プレポリマーのイソシアネート基に対して水酸基がほぼ当量となるように反応させる方法が挙げられる。
また別の方法としては、まず水酸基含有アクリル化合物とポリイソシアネートとを反応させ、次いで得られたイソシアネート基含有化合物とポリエーテルポリオールとを反応させて、好ましくは数平均分子量500〜30000、より好ましくは700〜5000のウレタン(メタ)アクリレートを製造する方法が挙げられる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートとは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和ポリエステル樹脂もしくは不飽和ポリエステル樹脂をいい、飽和ポリエステル樹脂若しくは不飽和ポリエステル樹脂の末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させたものである。かかる樹脂の数平均分子量としては、好ましくは500〜5000、より好ましくは1000〜5000である。
前記飽和ポリエステルは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られるものであり、また不飽和ポリエステルはα,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られ、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を導入するための官能基を有しているものである。
ここでいう飽和二塩基酸類としては、前記した飽和二塩基酸を使用することができ、α,β−不飽和二塩基酸としては、前記した不飽和二塩基酸を使用することができる。また多価アルコール類としては、前記した多価アルコールを用いることができる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートに用いる(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明に使用するラジカル硬化性樹脂(A)として用いる分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマーとは、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリール基、ビニルエーテル基等の重合性不飽和結合基を含有する樹脂をいう。
かかるマクロモノマーの市販品としては、東亞合成化学工業(株)のマクロモノマー AA−6、AA−10、AS−6、AN−6を挙げることができる。
前記の(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーは、例えばメルカプト酢酸などの連鎖移動剤の存在下にビニル単量体をラジカル重合し、得られる末端にカルボキシル基を有する重合体(以下カルボキシル基末端プレポリマーという)に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させることにより合成することができる。
前記のスチリル基を有するマクロモノマーは、例えば前記カルボキシル基末端プレポリマーのカルボキシル基を中和した後、このプレポリマーにクロロメチルスチレンを反応させることにより合成することができる。
また前記アリール基を有するマクロモノマーは、例えばカルボキシル基末端プレポリマーにアリールグリシジルエーテル等を反応させることにより合成することができる。
前記ビニルエーテル基を有するマクロモノマーは、例えばメルカプトエタノールなどの連鎖移動剤の存在下にビニル単量体をラジカル重合して得られる末端に水酸基を有する重合体(以下水酸基末端プレポリマーという)に、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートとブタンジオールモノビニルエーテル等のグリコールモノビニルエーテルを反応させることにより合成することができる。
ここで言う、ビニル単量体としては、酢酸ビニル、スチレン、スチレン置換体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸,N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フェニルマレイミド等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
しかしこれらビニル単量体の中で、重合性不飽和基を付与する反応過程により、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、無水マレイン酸等は使用することが不適当な場合がある。
前記マクロモノマーの数平均分子量は、連鎖移動剤および重合開始剤等の量を適宜選択することにより定められるが、数平均分子量(Mn)は1,000〜40,000が好ましく、2,000〜25,000がより好ましい。
なお、本発明における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量をいう。
ラジカル重合の重合法としては、溶液重合法、バルク重合法および懸濁重合法のいずれをも使用できるが、好ましくは懸濁重合法である。
重合開始剤としては、通常のアゾ系開始剤や過酸化物開始剤を使用することができる。これらのうち、メルカプタン化合物との反応をさけるためには、アゾ系開始剤が好ましい。アゾ系開始剤としては、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)、4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシド、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等のカルボキシル基を有する連鎖移動剤、チオエタノール、チオプロパノール等水酸基を有する連鎖移動剤が挙げられる。
前記分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマーを製造する際のカルボキシル基末端プレポリマーと(メタ)アクリロイル基、アリール基、スチリル基を有する化合物との反応は、溶液重合法、バルク重合法のいずれの方法も使用できる。溶液重合法の場合、懸濁重合でプレポリマーを合成し、このプレポリマーの溶剤として重合性不飽和単量体を用いて反応を行う方法が好ましい。バルク重合法の場合、懸濁重合法でプレポリマーを合成した後、混練機などを使用して、加熱下に溶融状態で反応を行うのが好ましい。いずれの方法の際にも、テトラブチルホスホニウムブロミドの如き反応触媒を使用することができる。
前記水酸基末端プレポリマーとビニルエーテル基を有する化合物との反応は、溶液重合法、バルク重合法いずれの場合も使用できる。このうち、懸濁重合法でプレポリマーを合成した後、このプレポリマーの溶剤として重合性不飽和単量体を用いてプレポリマーとジイソシアネートとグリコールモノビニルエーテルとの反応を行う方法が好ましい。ウレタン化反応の際、トリブチル錫の如き反応触媒を使用しても良い。
かかるグリコールモノビニルエーテルとしては、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル等を挙げることができ、それらの単独または2種以上で使用することができる。上記グリコールモノビニルエーテルの中で、特にブタンジオールモノビニルエーテルが好ましく用いられる。
本発明に使用するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)[以下重合性不飽和単量体(B)という]としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ-ト、トリアリールシアヌレ-ト、さらにアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、PTMGのジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAEO変性(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジシクロペンタジエン、ジシクロデカンまたはトリアジンの如き各種誘導体類、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアクリレート等を挙げることができる。これらをそのまま又はこれらのオリゴマー等として用いられる。これらの重合性不飽和単量体は、単独でも2種類以上組み合わせて使用しても良い。
さらに硬化物表面の耐摩耗性、耐さっ傷性、耐薬品性等を向上する必要がある場合には、多官能不飽和単量体、好ましくは、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく併用される。3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=1)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO変性(n=3)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンター及びヘキサーアクリレート、ペンタエリスリト-ルテトラ(メタ)アクリレ-ト等が挙げられる。
本発明は、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種の化合物(C)を用いるものである。
Figure 0004392591
一般式(1)中、R及びRは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表すものである。
Figure 0004392591
一般式(2)中、R、R、RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表すものである。
かかる化合物(C)を用いることにより、注型成形用樹脂組成物をラジカル重合させ、硬化させる際、硬化阻害等の問題がなく、効果的にホルムアルデヒド放散量を削減することができるものである。
一般式(1)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトン、N,N−ジメチルアセトアセテート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアニリド等が挙げられる。これらのうち、樹脂と重合するため成形品の耐煮沸性を損なわないため、アセトアセトキシエチルメタクリレートが好ましい。
また一般式(2)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。これらのうち、硬化時間が速い点でアセチルアセトンパーオキサイドが好ましい。
前記分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物としては、例えば一般式(3)で表される化合物が好ましい。
−NH−Y (3)
一般式(3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アミノ基、アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−Rを表すものである。この場合、Rは水素原子、アルキル基である。またYは、−NH−R、−CO−NH−R、−COO−Rを表すものである。この場合、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、水酸基で置換されたアルキル基である。また、RとYとが結合し、環を形成していてもよい。
一般式(3)で表される化合物のうち、Rがアルキル基であり、かつYが−CO−NH−Rである化合物、Rが−NHNH−Rであり、かつYが−NH−Rである化合物、及びRがウレタン結合を有する1価の官能基であり、かつYが−COO−Rである化合物であることが好ましい。
がアルキル基であり、かつYが−CO−NH−Rである一般式(3)で表される化合物(C)としては、例えば尿素、モノメチル尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ジメチル尿素、ジフェニル尿素、メチレン尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アルコシキメチル尿素等が挙げられる。これらのうち、アルコール類、各種有機溶剤、樹脂、単量体に溶解するものが効果発現の点で好ましく、エチレン尿素が特に好ましい。
が−NHNH−Rであり、かつYが−NH−Rである一般式(3)で表される化合物(C)としては、例えばアジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ナフテン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
さらにRがウレタン結合を有する1価の官能基であり、かつYが−COO−Rである一般式(3)で表される化合物(C)としては、ウレタン(メタ)アクリレート等のビニルウレタン化合物等が挙げられる。
かかる化合物(C)の添加量は、注型成形用樹脂組成物の硬化性を損なわない範囲であれば特に制限されないが、前記組成物中、0.01〜10重量%の範囲で添加するのが好ましい。添加量が0.01重量%未満であるとホルムアルデヒド捕捉能力が十分でなく、また10重量%を越えると、得られる硬化物の性能に悪影響を及ぼす場合がある。
分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合を有する化合物、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物は、化合物(C)成分として、注型成形用樹脂組成物に含まれるものであってもよいし、ラジカル硬化性樹脂(A)の骨格内に、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、又は一般式(2)で表される化合物と同様の構造を有する単位を導入したものでもかまわない。
本発明の注型成形用樹脂組成物には、通常硬化剤、すなわちラジカル重合開始剤、及び硬化促進剤、すなわちラジカル重合促進剤が添加される。
かかる硬化剤としては、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等公知のものが使用される。かかる硬化剤の添加量は、本発明の目的を達成することのできる範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは重合性樹脂と重合性単量体の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であり、かかる範囲で使用することで硬化時間、樹脂硬化物物性などの優れた樹脂組成物を得ることができる。上記硬化剤は2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の注型成形用樹脂組成物の硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物等、N,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等のアミン類が挙げることができる。これらの硬化促進剤のうち、アミン類、金属石鹸系類が好ましい。
これらの硬化促進剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。またこれらの硬化促進剤は、予め樹脂に添加しておいても良いし、注型成形用樹脂組成物を作製するときに添加しても良い。
硬化促進剤の添加量は、本発明の目的を達成することのできる範囲であれば特に制限されるものではないが、好ましくは本発明に用いられる樹脂の合計量100重量部に対して0.1〜5重量部である。
さらに硬化時間を調整するために、この樹脂組成物には、重合禁止剤が好ましく使用される。重合禁止剤としては、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を挙げることができる。これらの重合禁止剤を、樹脂組成物に10〜1000ppm添加するのが好ましく、50〜200ppm添加するのが特に好ましい。かかる範囲で使用することにより樹脂の貯蔵安定性、注型成形硬化時間、硬化物の強度発現の優れた注型成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明に使用する充填剤(D)としては、例えば炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
浴槽や人工大理石などのように、特に成形品の外観が重要視される場合は、水酸化アルミニウムが透明性に優れるという点で好ましい。また透明性を必要としないレジンコンクリート等の用途の場合、炭酸カルシウムが好ましい。これらは必要に応じ、2種類以上を併用しても良い。
この充填剤の添加量としては、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは10〜350重量部、より好ましくは50〜250重量部である。
ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)と化合物(C)と充填剤(D)とを調合するには特に制限はないが、これらを均一に混合するため、例えば攪拌機、ニーダー、ロールミル、スクリュウ押出式混練機等の装置を用いることが好ましい。混合の際には、摩擦熱で混和物がゲル化しないように注意することが必要である。またこの注型成形用樹脂組成物は、硬化する前に減圧する等により、混合した際に巻き込んだ空気を充分脱泡することが、硬化性、透明性、耐熱水性の点から好ましい。
本発明の注型成形用樹脂組成物には、更に骨材を添加することができる。
注型成形品がレジンコンクリートの場合、骨材としては、例えば砕石、砂岩、寒水石、大理石、石英、花崗岩、石灰石、珪石、珪砂、川砂等が好ましく用いられる。軽量化の為に、焼結頁岩、パーライト、シラスバルーン、ガラスバルーン等の軽量骨材を使用できる。また骨材の平均粒径は、成形品の大きさ、厚さによって異なるが、好ましくは0.05〜50mm、より好ましくは、0.1〜20mmである。
骨材の添加量は、レジンコンクリート組成物中に、好ましくは12.5〜92.5重量%である。また、JIS G 5901-1968で規定される1号珪砂(平均粒径5〜2.5mm)、2号珪砂(粒径2.5〜1.2・mm)、3号珪砂(粒径1.2〜0.6mm)、4号珪砂(粒径0.6〜0.3mm)、5号珪砂(粒径0.3〜0.15mm)、6号珪砂(粒径0.15〜0.074mm)、7号珪砂(粒径0.074mm以下)も使用できる。
注型成形用樹脂組成物は、そのまま加熱するだけでも硬化し、本発明の注型成形品を得ることができる。この際、適宜適温で短時間で必要な硬化度を得る点で、硬化触媒として有機過酸化物等を使用するのが好ましい。
また注型成形品を製造するに際し、注型成形用樹脂組成物以外に、必要に応じて各種添加剤、例えば、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、増粘剤、無機系および有機系の繊維基材、消泡剤、カップリング剤、内部離型剤、熱可塑性樹脂等の低収縮剤、低収縮剤がラジカル重合性樹脂と非相溶の場合は相溶化剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤等の添加成分を加えてもよい。
注型成形品の成形方法には、公知の方法を採用することができるが、硬化工程において、硬化収縮による成型品の型離れを避けるために、硬化収縮に追従するように圧力を加えたり、上型と下型に適宜温度差を付けたりすることが好ましい。また成型品に強度を持たせるため、補強材や模様付けのための材料を型内にいれて、人造大理石樹脂混和物を注型成形すること等の工夫をしてもよい。
本発明の注型成形品は、例えば屋内部材、バスタブ、キッチンカウンター、洗面カウンター、洗面化粧台、各種人造大理石成形品、パイプや管材、マンホール、排水ます、建材ブロック、舗装体ブロック、蓋、補修材等の土木建築用成形品、景観用成形品、イス、ベンチ、C.C.(情報通信電力地下埋設用)ボックス、情報関連成形品、電力関連成形品等の用途に用いられる。また、バスタブ等のように特に美観と耐薬品汚染性が必要とされる成形品には、その表面にゲルコートやトップコート等を施こすことができる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本文に「部」とあるのは、重量部を示す。
[合成例1]
温度計、攪拌機、ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、プロピレングリコール1395.5部、無水フタル酸1568.8部、無水マレイン酸675.2部を仕込み、リン酸0.1部を加え、窒素雰囲気中210℃まで昇温し12時間反応させ、ソリッド酸価29.4になったところでトルハイドロキノン0.19部を添加し100℃まで冷却した。これにスチレンモノマー1397部を加え、均一溶液とし不飽和ポリエステル樹脂4655部を得た。
比較例4及び比較例1及び3]
合成例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂100部に、高白色水酸化アルミ326S(住友化学(株)製)200部、6%ナフテン酸コバルト(Co−NAPHTHENATE 6%、大日本インキ化学工業製)0.5部、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステル0−50、化薬アクゾ社製)1部を加え良く混合した。
次いで、前記混合物に化合物(C)及び化合物(D)を、表−1のように配合後、脱気し、注型成形用樹脂組成物を得た。
また60cm×90cm、厚み10mmの洗面ボウル付きカウンターのFRP成形型に離型剤を塗布し、ゲルコートとしてポリライト GC251(大日本インキ化学工業(株)製)に硬化触媒を加えてスプレーで塗布し、常温で30分放置後、60℃の炉に30分入れ、室温まで冷却した。
硬化触媒を添加した前記注型成形用樹脂組成物を前記成形型に流し入れ室温で30分放置した後、60℃の炉に1時間入れた。成形型が室温まで冷却した後、脱型し、洗面カウンターを得た。
この洗面カウンターについて、成形性、耐煮沸性及びホルムアルデヒド放散量を測定した。測定方法及び評価基準は以下の通りである。この結果は表−1に示す。
<成形性の測定>
前記実施例で得られた洗面カウンターに割れや微小クラックの有無を観察した。割れや微小クラックが無いものを「無し」とした。
<耐煮沸性の測定>
前記実施例で得られた洗面カウンターの平面部から10cm×10cmを切り出し、これを試験片として、98℃の型面煮沸装置に取り付け、500時間後の表面状態を目視観察した。洗面カウンターの外観に変化が認められないものを「外観変化なし」とした。
<ホルムアルデヒド放散量の測定>
前記実施例で得られた洗面カウンターの平面部から15cm×15cmを2枚切りだし、これを試験片として、JIS K 5601−4−1デシケーター法に準拠して測定した。 成形品は温度23℃、湿度50%の環境試験室内(4m×4m×2m)で1日間の養生を行った。
Figure 0004392591

* ;エチレン尿素
**;アセトアセトキシエチルメタクリレート
<レジンコンクリート成形の実施例>
マンホール、管材、下水升等の上下水道関連製品やセメントコンクリートのひび割れ補修、灯篭等の景観成形物等の用途に用いられている。成形方法として離型処理された型に硬化剤の入ったコンパウンドを必要量入れ、常温または必要に応じて30〜50℃の硬化炉にて硬化させ、その後脱型し製品を得る。
<コンパウンドの配合>
[合成例2]
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計、及び滴下装置を取り付けた2リットルの四口フラスコにジシクロペンタジエン746部、無水マレイン酸554部を仕込み、125℃まで昇温後、水102部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、ジエチレングリコール300部を仕込み、徐々に205℃まで昇温し酸価が約40になったところでトルハイドロキノン0.0800部、ターシャリーブチルカテコール0.0800部仕込み終了した。この不飽和ポリエステルに、スチレンモノマー642部を混合し、均一溶液としジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル樹脂(D−1)を得た。
[実施例2および比較例2]
合成例2で得られたジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル樹脂(D−1)を、表−2のように配合してコンパウンドを得てそれを型に流し入れ、硬化後の成形品観察とホルムアルデヒド放散量の測定を行なった。
<硬化後の成形品観察>
40mm×40mm×1000mmの直方体の成形物が得られる金型(900mmの間隔で開けられた孔を持っている)を用いる。この金型の内側にナットを、外側から孔にボルトを通して固定し、ナットが成形体にインサートされ硬化収縮による応力がかかる状況にした。このようにして得られた型に硬化剤の入ったコンパウンドを流し入れ室温で硬化させ成形体を得た。この成形体のナット周辺に発生するクラックの状況を目視で観察した。
<ホルムアルデヒド放散量の測定>
JIS K 5601−4−1デシケーター法に準拠してホルムアルデヒド放散量を測定した。150mm×150mm×10mmの型に硬化剤の入ったコンパウンドを流し入れ室温で硬化させ成形品を得た。成形品は温度23℃、湿度50%の環境試験室内(4m×4m×2m)で1日間の養生を行なった。
Figure 0004392591
* ;ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル樹脂(D−1)
**;エチレン尿素

Claims (2)

  1. α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類とジシクロペンタジエン系化合物とを縮合反応させて得られる不飽和ポリエステル樹脂からなる1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)と、エチレン尿素(C)と充填剤(D)とを含有してなる注型成形用樹脂組成物であって、前記エチレン尿素(C)が前記組成物に対して0.01〜10重量%含まれる注型成形用樹脂組成物。
  2. 請求項に記載の注型成形用樹脂組成物を成形してなる注型成形品。
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