JP3994297B2 - 樹脂組成物及び土木建築材料 - Google Patents

樹脂組成物及び土木建築材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低臭気性があり、空乾性に優れ、また、得られる硬化物が強度、耐水性、耐薬品性、二次接着性、外観に優れる、液状で、ラジカル硬化しうる新規な樹脂組成物及び土木建築材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
土木建築用として使用されている代表的な樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。しかしながら、これらの樹脂は粘度が高く、溶剤に溶解させた状態で使用されている為に溶剤臭がある。
【0003】
上記の溶剤型土木建築用樹脂以外に、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が知られており、これらの土木建築用樹脂では併用されているモノマーが溶剤を兼ねている。
【0004】
このように、従来の土木建築用樹脂は、上記いずれのタイプにおいても溶剤あるいはモノマーの使用が不可欠であり、それらの揮発ならびに臭気を避けることは困難であった。
【0005】
近年、環境問題の点から、揮発性、臭気などが問題となる溶剤・モノマーの使用を規制する社会的な動きが高まっている。しかしながら、樹脂の性能、価格および作業性等あらゆる点を考慮すると、溶剤あるいはモノマーを使用しない樹脂の開発はかなり困難な課題であった。
【0006】
この課題に対して、スチレンおよびメタアクリル酸メチル等の揮発性のモノマーの代わりに、揮発性の低いすなわち分子量の高い(メタ)アクリル誘導体を用いることが提案されている。例えば、特開平5−230160号公報では(1)ウレタン(メタ)アクリレート、(2)分子量150以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、(3)1分子中に少なくとも2個のアリルエーテル基を有するポリアリルエーテルからなる組成物を提案している。この樹脂組成においては、ラジカル硬化の酸素による阻害をアリルエーテル基添加により改良しているが、それでも塗膜表面が非粘着となるのに一晩を要している。一方、特開平7−216040号公報では、低臭性樹脂として、(1)重合性不飽和結合基を含有する樹脂、(2)オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートからなる組成物を提案しているが、これらの例においては強度特性、耐水性、耐薬品性が充分でなく使用用途の制限を受ける。
【0007】
上記の問題のうち、塗膜の乾燥性を改良するため、特開平8−283357号公報では、(1)分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂、(2)乾性油および/またはそれらの脂肪酸化合物を用いた空乾性付与型重合体、(3)分子量160以上の(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体からなる組成物を提案している。また、空気遮断作用向上のために少量のパラフィンおよび/またはワックスを添加することも提案している。
【0008】
このワックスおよび/またはパラフィンの添加は、塗膜表面における空気遮断作用のため、空気乾燥性の向上に寄与する反面、硬化後も塗膜表面に存在し、塗膜の二次接着性および外観などに影響を与えることが多い。
【0009】
本発明においては、樹脂硬化物が優れた強度特性、耐水性、耐薬品性を有するよう、樹脂組成物にフェニル基を有するモノマーを用い、また、硬化阻害を受けないよう、パラフィンワックスを塗膜表面に効率的に分散せしめる分散剤を添加し、塗膜の二次接着性および外観などに影響を与えるパラフィンワックスの添加量を最小限にとどめられるよう改良を行った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低臭気性、常温硬化性、表面乾燥性、乾燥後の塗膜の物性、二次接着性ならびに表面の外観に優れる樹脂組成物にあり、液状および液状から固体になる硬化時のモノマーの揮発、臭気を抑え、かつ、硬化時間が短く常温硬化性に優れるとともに、空気による硬化阻害を受けにくく表面乾燥性に優れ、さらに、塗膜の強度特性、耐水性、耐薬品性、二次接着性および外観に優れたラジカル硬化型低臭性樹脂組成物及び土木建築材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の従来の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、(A)分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー、(B)不飽和ポリエステルからなる空乾性を有しラジカル重合により架橋できる不飽和基を含有する重合体、(C)フェニル基を有し分子量180以上の(メタ)アクリレート基を有するモノマー、(D)パラフィンワックス、(E)前記(A)〜(D)からなる樹脂組成においてパラフィンワックス(D)を分散させうる能力を有する分散剤 E )として、極性基を有するワックスを含むこと、(B)成分が空乾性を有する不飽和ポリエステルからなる重合体であり、及び(A)成分:(B)成分が、75〜99重量%:1〜25重量%で、 (A) (B) (C) が20〜80重量%:80〜20重量%で、 (A) (B) (C) 成分合計に、(D)成分0.05〜2重量%、(E)成分0.03〜2重量%添加してなることを特徴とする樹脂組成物、好ましくは分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂であること、好ましくは分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であること、好ましくは分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂であること、好ましくはフェニル基を有し分子量180以上の(メタ)アクリレート基を有するモノマー(C)が、フェノキシエチル(メタ)アクリレートもしくはフェノキシプロピル(メタ)アクリレートであること、好ましくはパラフィンワックスを分散させうる能力を有する分散剤(E)が、C12以上の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基、および極性基を有する化合物もしくは重合体であること、好ましくはパラフィンワックスを分散させうる能力を有する分散剤(E)が、α−オレフィンを用いた重合体であることこれらの樹脂組成物からなることを特徴とする土木建築材料を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー(A)とは、好ましくはビニルエステルタイプの樹脂であり、具体的にはウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂から選択されるものである。
【0014】
本発明の(A)で用いられるウレタン(メタ)アクリレート樹脂とは、好ましくはポリオール、ポリイソシアネートおよび1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートの反応により得られるものであり、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する。
【0015】
本発明の(A)のウレタン(メタ)アクリレート樹脂に用いられるポリオールとしては、好ましくは数平均分子量が200〜3000、特に好ましくは400〜2000のものである。このポリオールは、代表的にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
【0016】
ここで言うポリエーテルポリオールとは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールA及びビスフェノールFに上記アルキレンオキサイドを付加させたポリオールも含むことが出来る。
【0017】
又、ポリエステルポリオールとは、二塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンの様に環状エステル化合物の開環重合体である。ここで使用する二塩基酸類とは、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。又、多価アルコール類とは、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等を挙げることができる。
【0018】
又、本発明の(A)のウレタン(メタ)アクリレート樹脂に用いるポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIと略す)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができ、それらの単独または2種以上で使用することができる。上記ポリイソシアネートのうちジイソシアネート、特にTDIが好ましく用いられる。
【0019】
本発明の(A)のウレタン(メタ)アクリレート樹脂に用いられる1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
【0020】
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレート樹脂の製造方法の例を挙げれば、▲1▼先ずポリイソシアネートとポリオールを好ましくはNCO/OH=1.3〜2で反応させ、末端イソシアネート化合物を生成させ、次いでそれに水酸基含有(メタ)アクリレート化合物をイソシアネート基に対して水酸基がほぼ等量になるように反応する方法と、▲2▼ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物をNCO/OH=2以上で反応させ、片末端イソシアネートの化合物を生成させ、次いでポリオールを加えて反応する方法等が挙げられる。
【0021】
本発明の(A)のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂とは、好ましくは1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するもので、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られるものである。
【0022】
ここでいうエポキシ樹脂の例を挙げれば、ビスフェノールタイプまたはノボラックタイプのエポキシ樹脂単独、または、ビスフェノールタイプとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹脂などであって、その平均エポキシ当量が好ましくは150から450の範囲のものである。
【0023】
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂として代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られるメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、あるいはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン若しくはメチルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などである。また、上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂などがある。
【0024】
本発明の(A)のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂に用いられる不飽和一塩基酸として代表的なものには、アクリル酸、メタアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)あるいはソルビン酸などがある。なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独でも、2種以上混合しても用いられる。上記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは80〜120℃の温度においてエステル化触媒を用いて行われる。
【0025】
上記のエステル化触媒としては、たとえばトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアンリン若しくはジアザビシクロオクタンなどの如き三級アミン、トリフェニルホスフィンあるいはジエチルアミン塩酸塩などの如き公知の触媒がそのまま使用できる。
【0026】
本発明の(A)で用いられるポリエステル(メタ)アクリレート樹脂とは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和若しくは不飽和ポリエステルであり、飽和若しくは不飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させたものである。かかる樹脂の数分子量としては、好ましくは500〜5000である。
【0027】
本発明で用いられる飽和ポリエステルとは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応、また、不飽和ポリエステルとはα,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られるものである。
【0028】
ここでいう飽和二塩基酸類とは、前記のポリエステルポリオールの項に示した化合物を挙げることができ、不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。また、多価アルコール類についても、前記のポリエステルポリオールの項に示した化合物を挙げることができる。
【0029】
本発明の(A)のポリエステル(メタ)アクリレート樹脂に用いる(メタ)アクリル化合物としては、不飽和グリシジル化合物、アクリル酸またはメタクリル酸の如き各種の不飽和一塩基酸、およびそのグリシジルエステル類等である。好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートの使用が望ましい。
【0030】
本発明で使用される空乾性を有しラジカル重合により架橋できる不飽和基を含有する重合体(B)の空乾性とは、重合体中にある特定の官能基が導入されることにより、酸素分子による硬化阻害を受けず、空気中でも速やかに硬化が進行することを言う。この目的で使用され得る樹脂としては、例えば、前記の不飽和ポリエステル、ビニルエステル等に必須成分として空乾性基を導入したものが挙げられる。
【0031】
上記の空乾性基の例としては、アリル基をはじめとするアルケニル基、アルケニルエーテル基、およびジシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
【0032】
空乾性基導入方法の例としては、以下の方法を挙げることができる。即ち、▲1▼多価アルコール成分にアリルエーテル基を含有する化合物を併用する。▲2▼多価アルコールと乾性油等の脂肪油とのエステル交換反応で得られるアルコリシス化合物をアルコール成分に併用する。▲3▼二塩基酸成分に環状不飽和脂肪族多塩基酸およびその誘導体を含有する化合物を併用する。▲4▼ジシクロペンタジエニル基を含有する化合物を併用する。
【0033】
これら▲1▼〜▲4▼のうち、▲1▼のアリルエーテル基含有化合物としては、公知のものがいずれも使用できるが、その代表的なものとしては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロ−ルプロパンモノアリルエーテル、トリメチロ−ルプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価アルコール類のアリルエーテル化合物、アリルグリシジルエーテルなどの如きオキシラン環を有するアリルエーテル化合物等が挙げられる。
【0034】
上記▲2▼で用いる乾性油とは、好ましくはヨウ素価130以上の油脂で、例えば、アマニ油、大豆油、綿実油、落花生油、やし油等がある。また、エステル交換反応で得られるアルコリシス化合物に用いる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコールがある。
【0035】
上記▲3▼で用いる環状脂肪族不飽和多塩基酸およびその誘導体を含有する化合物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、α−テルヒネン・無水マレイン酸付加物、トランス−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等がある。
【0036】
上記▲1▼〜▲4▼のうち、▲4▼のジシクロペンタジエニル基を含有する化合物としては、ヒドロキシ化ジシクロペンタジエン等が代表的なものとして挙げられる。
【0037】
本発明に用いられる(C)成分のフェニル基を有する分子量180以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとは、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー(A)および空乾性を有する重合性不飽和基含有重合体(B)との反応成分であり、かつ、フェニル基および(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。好ましくはフェノキシエチル(メタ)アクリレートもしくはフェノキシプロピル(メタ)アクリレートである。フェニル基を有しないモノマーを用い、その量が大きくなった場合、得られる硬化物の強度が十分でなくなり、また、(メタ)アクリロイル基を有しないモノマーを使用し、その量が大きくなった場合、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー(A)との共重合性が悪くなり硬化時間が長くなる欠点が発生する。
【0038】
フェニル基を有する分子量180以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの具体例としては、フェノキシエチルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド(EO)変性アクリレート、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、フェノールプロピレンオキサイド(PO)変性アクリレート、ノニルフェノキシプロピルアクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート、フェノキシエチルメタアクリレート、フェノールEO変性メタアクリレート、ノニルフェニルカルビトールメタアクリレート、ノニルフェノールEO変性メタアクリレート、フェノキシプロピルメタアクリレート、フェノールPO変性メタアクリレート、ノニルフェノキシプロピルメタアクリレート、ノニルフェノールPO変性メタアクリレート、メタアクリロイルオキシエチルフタレート等が挙げられる。
【0039】
本発明では、樹脂硬化物の強度等は劣るが、本発明の効果を損なわない範囲で、フェニル基を含有しない(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを併用することができる。具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、ポリカプロラクトンアクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ステアリル、ポリカプロラクトンメタアクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノメタアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメタアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタアクリレート等があるが、これらのうち、樹脂組成物の低臭性を維持するためには分子量180以上のモノマーが好ましい。
【0040】
本発明のフェニル基を有する分子量180以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(C)とともに、一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物も使用可能であり、硬化物表面の耐摩耗性、耐さっ傷性、耐煽動性、耐薬品性等を向上させる目的で好適に用いられる。この一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物、即ち多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート等があり、これらは単独で、又は2種以上の併用で用いられる
【0041】
本発明に用いられるパラフィンワックス(D)は、硬化反応中、塗膜表面において空気遮断作用を示し、本組成物の空気乾燥性を向上させるものである。融点の異なるパラフィンワックスを単独あるいは混合させて用いることができる。その添加量としては、成分(A)(B)(C)合計量に対して、好ましくは0.05〜2重量%である。
【0042】
本発明に用いられる分散剤(E)は、硬化反応中、塗膜表面において成分(D)のパラフィンワックスを均一に分散させる作用を示し、空気遮断を目的に添加するパラフィンワックスの添加量を最小限にとどめる働きをするものである。
【0043】
本発明に用いられる分散剤(E)としては、上記の作用を示すと同時に、分散剤自らも空気遮断作用を示す化合物を用いることが好ましく、例えば、極性基を有するワックス等がある。
【0044】
極性基を有するワックスとしては、具体例としてα−オレフィンとα,β−不飽和二塩基酸の共重合体、α−オレフィンから得られるアルキレンオキサイドとα,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸の無水物の共重合体などが挙げられる。好ましくはC 12 以上の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基、および極性基を有する化合物もしくは重合体である
【0045】
ここで用いるα−オレフィンの炭素数としては、12以上が好適である。また、共重合体の分子量としては1000〜10000が好ましく、特に好ましくは2000〜3000の範囲である。共重合体の分子量が小さくなると液状となり、塗膜の乾燥性が悪くなり、分子量が大きくなると、樹脂組成物が高粘度となり作業性が悪くなる。その添加量としては、成分(A)(B)(C)合計量に対して、好ましくは0.05〜2重量%である。
【0046】
本発明において、(D)(E)成分と同様、表面乾燥性を向上させる目的でコバルト系、バナジウム系、マンガン系等の有機酸金属石鹸類を併用することが好ましく、コバルトの有機酸塩が好適に使用できる。その添加量としては、成分(A)(B)(C)100重量部に対して好ましくは0.1〜3重量部、より好ましくは0.3〜1重量部である。
【0047】
本発明の組成比率は、好ましくは(A)成分:(B)成分が、75〜99重量%:1〜25重量%で、(A)+(B):(C)が20〜80重量%:80〜20重量%で、(A)+(B)+(C)成分合計量に、(D)成分0.05〜2重量%、(E)成分0.03〜2重量%であるのが好ましい。(A)+(B):(C)において(A)+(B)成分が20重量%より少ないと硬化物の機械的強度が充分でなく、80重量%を越えると組成物の粘度が高く液状樹脂として使用しにくい。また、(A)+(B)成分において(B)成分が1重量%より少ないと空気乾燥性が劣り、25重量%を越えると硬化物の機械的強度が充分でなくなる。更に、本発明において、(D)成分及び(E)成分がその下限より少ないと空気乾燥性が悪くなり、上限を越えると硬化物の2次接着性が悪く、塗膜外観が悪化する。
【0048】
本発明の組成物には、硬化速度を調整するためラジカル硬化剤、光ラジカル開始剤、硬化促進剤、重合禁止剤を使用することができる。
【0049】
ラジカル硬化剤とは、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等公知公用のものが使用される。
【0050】
光ラジカル開始剤とは、光増感剤であり具体的にはベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系等が挙げられる。
【0051】
硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4-(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4-(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン類が挙げられる。
【0052】
重合禁止剤としては、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を挙げることができる。好ましくは樹脂組成物に、10〜1000ppm添加しうるものである。
【0053】
硬化剤の添加量は、好ましくは樹脂組成物の合計量100重量部に対して、0.1〜6重量部である。又、硬化促進剤の添加量は、0.1〜5重量部使用する。本発明においてはアミン系、金属石鹸系促進剤が好ましい。なお、硬化促進剤は、2種以上の組み合わせで使用しても良く、更に予め樹脂に添加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0054】
本発明では、各種添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、顔料、増粘剤、低収縮剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、補強材等を使用してもよい。
【0055】
充填剤としては、例えば水硬性ケイ酸塩材料、炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム、セルロース系、硅砂、川砂、寒水石、大理石屑、砕石等が挙げられる。
【0056】
本発明の樹脂組成物は、FRP成形品、パテ、塗料、注型品、被覆剤、具体的には、床材及び壁面コーティング材、道路マーキング材、舗装材、ライニング材等の特に硬化時に臭いを問題とされるような土木建築材料に有用である。
【0057】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0058】
[参考例1] ウレタンメタアクリレート重合体−〓〔UMA−〓〕の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量399.3)1597部、トリレンジイソシアネート1392部を仕込み、窒素雰囲気中80℃まで昇温し、2.5時間反応させ、NCO等量370になったところで、50℃まで冷却した後、窒素/空気(流量比1/1)混合気流下でトルハイドロキノン0.305部、ヒドロキシエチルメタアクリレート1100部を加え、90℃まで再度昇温させる。3時間反応させ、残存NCO量0.0644%のウレタンメタアクリレート重合体を得た。この重合体を以下[UMA−I]とする。
【0059】
[参考例2] ウレタンメタアクリレート重合体−II〔UMA−II〕の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量984.2)2461部、トリレンジイソシアネート739.5部、イソホロンジイソシアネート166.8部を仕込み、窒素雰囲気中80℃まで昇温し、3時間反応させ、NCO等量697になったところで、50℃まで冷却した後、窒素/空気(流量比1/1)混合気流下でトルハイドロキノン0.337部、ヒドロキシエチルメタアクリレート657.7部を加え、90℃まで再度昇温させる。3時間反応させ、残存NCO量0.0343%のウレタンメタアクリレート重合体を得た。この重合体を以下[UMA−II]とする。
【0060】
[参考例3] 空乾性不飽和ポリエステル〔空乾性UPE〕重合体の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール576部、無水フタル酸285部、無水マレイン酸81部、ピペリレン・無水マレイン酸付加物457部を公知の条件で加熱脱水縮合させて酸価10.2の空乾性ポリエステル樹脂を得た。この重合体を以下[空乾性UPE]とする。
【0061】
[参考例4〜5]
参考例1〜2で合成したUMAI〜IIおよび参考例3で合成した空乾性UPEを、フェノキシエチルメタアクリレート(PhOEMA)に混合溶解し、表1に示す樹脂液を得た。樹脂組成物100部に対し、N、N−ビス-2-(ヒドロキシエチル)-p-トルイジン0.1部、50%ベンゾイルパーオキサイド2部を添加し、攪拌後脱泡し、2mmの厚の注型板を作製した。室温で一晩放置後、引張り試験テストピースを作製し、引張り強度、及び引張り伸び率の測定を行った。結果を表1に示すが、フェニル基を有するモノマーを用いることにより、比較参考例1〜2に示すフェニル基を有しないモノマーを使用した場合に比べ、樹脂硬化物の強度が大きくなる。
【0062】
[比較参考例1〜2]
上記実施例で用いた重合体を、フェニル基を含有しない高分子量モノマー、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメタアクリレート(DPGMEMA)で溶解させて樹脂液とし、同様の評価を行った。結果を参考例4〜5のものと並べて表1に示した。
【0063】
【表1】
Figure 0003994297
【0064】
Figure 0003994297
【0065】
[参考例6] ウレタンメタアクリレート重合体−III〔UMA−III〕の合成温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量692.6)1668部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量630.3)650.5部、トリレンジイソシアネート1018部、イソホロンジイソシアネート229.4部を仕込み、窒素雰囲気中80℃まで昇温し、2.5時間反応させ、NCO等量510になったところで、50℃まで冷却した後、窒素/空気(流量比1/1)混合気流下でトルハイドロキノン0.356部、ヒドロキシエチルメタアクリレート952.6部を加え、90℃まで再度昇温させる。3時間反応させ、残存NCO量0.0427%のウレタンメタアクリレート重合体を得た。この重合体を以下[UMA−III]とする。
【0066】
[参考例7] エポキシメタアクリレート重合体〔EPMA〕の合成
温度計、攪拌機、ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、エピクロン830(大日本インキ化学工業(株)製エポキシ樹脂:エピクロルヒドリンとビスフェノールAの反応物:数平均分子量344)2970部、メタアクリル酸1456部、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.55部、トリエチルアミン13.3部を仕込み、窒素/空気(流量比1/1)混合気流下90℃まで昇温し、2時間反応させる。次いで、反応温度を105℃まで昇温させ、30時間反応を続け、酸価8.87、エポキシ当量23900のものを得た。この重合体を以下[EPMA]とする。
【0067】
[参考例8] ポリエステルメタアクリレート〔PEMA〕の合成
温度計、攪拌機、ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、トリエチレングリコール465部、ジエチレングリコール175部、無水フタル酸740部を仕込み、窒素雰囲気中205℃まで昇温し12時間反応させ、ソリッド酸価27.4になったところで100℃まで冷却した。これにグリシジルメタアクリレート87.0部を加え、130℃で1.5時間反応させて、ソリッド酸価0.80のものを得た。この重合体を以下[PEMA]とする。
【0068】
[実施例1〜4]
参考例3で合成した空乾性UPE、および参考例6〜8で合成したUMA−III、EPMA、PEMAをPhOEMAに溶解させた。樹脂組成物100部に対して、8%オクチル酸コバルト(Co-Oct)1部、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−P−トルイジン(PTD-2EO)0.35部、130,135,140,145゜Fパラフィンワックスの4種等量混合物0.1部、長鎖アルキル基と極性基を有する重合体(極性基を有するWAX)0.2部、50%ベンゾイルパーオキサイド(BPO)2部を添加、攪拌し25℃でガラス板上に2mmの厚さになる様に流入し、試験片を作成した。その時に、表面の粘着性が取れる時間(タックフリータイム)を測定した。測定結果は表2に示した。マトリックス樹脂に関係なく短時間でタックフリーが得られた。
【0069】
【表2】
Figure 0003994297
【0070】
[実施例5〜6]
実施例1〜2の試験片を用いて耐水性、耐薬品性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
Figure 0003994297
【0072】
[実施例7]
実施例1の樹脂組成物(添加剤を含む)100部に対して、硅砂150部、炭酸カルシウム粉50部を加え、直径21mm、高さ25mmの円筒状に成形し、圧縮強度を測定した。結果を表4に示した。
【0073】
[比較例1]
参考例3で合成した空乾性UPE、参考例6で合成したUMA−III、メタアクリル酸メチル(MMA)を混合溶解し、上記実施例7と同様の骨材配合を行い、圧縮試験を行った。結果を表4に示す。MMAを用いる従来の樹脂組成物に比べて、臭気および強度の点で改善されている。特に、臭気の改善効果が大である。
【0074】
【表4】
Figure 0003994297
【0075】
[実施例8]
実施例1の樹脂組成物を2mmの厚さになるようガラス板上に流し、2.5時間後タックフリーとなっている塗膜表面上に、実施例2の樹脂組成物を厚さ0.5mmとなるように流した。1日後ガラス板より2層になっている樹脂硬化物を剥し、180度折り曲げて破断させた断面を目視で確認し、下層の樹脂と上層の樹脂の接着具合を確認した。
【0076】
[比較例2]
実施例1および実施例2の樹脂組成物から極性基を有するWAXを除いて、実施例8と同様の実験を行った。結果を実施例8のものと併せて表5に示した。
【0077】
【表5】
Figure 0003994297
【0078】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー重合体、空乾性を有しラジカル重合により架橋できる不飽和基を含有する重合体、フェニル基を有する分子量180以上の低揮発性(メタ)アクリレートモノマー、パラフィンワックスおよびパラフィンワックスを分散させうる分散剤からなる新規な樹脂組成物に関わるものであり、揮散性の高いモノマーを使用せず、低臭性、低毒性に効果があり、ラジカル硬化可能であり、空気乾燥性を有し、硬化物が強度特性、耐水性、耐薬品性、二次接着性および外観に優れ、FRP成形品、被覆材、塗料、パテ、注型品等の製品、土建材料用途に有用である。

Claims (8)

  1. (A)分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマー、(B)空乾性を有しラジカル重合により架橋できる不飽和基を含有する重合体、(C)フェニル基を有し分子量180以上の(メタ)アクリレート基を有するモノマー、(D)パラフィンワックス、(E)前記(A)〜(D)からなる樹脂組成においてパラフィンワックス(D)を分散させうる能力を有する分散剤 E )からなり、分散剤(E)として極性基を有するワックスを含むこと、(B)成分が空乾性を有する不飽和ポリエステルからなる重合体であること、及び(A)成分:(B)成分が、75〜99重量%:1〜25重量%で、 (A) (B) (C) が20〜80重量%:80〜20重量%で、 (A) (B) (C) 成分合計量に、(D)成分0.05〜2重量%、(E)成分0.03〜2重量%添加してなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(A)が、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  5. フェニル基を有し分子量180以上の(メタ)アクリレート基を有するモノマー(C)が、フェノキシエチル(メタ)アクリレートもしくはフェノキシプロピル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  6. パラフィンワックスを分散させうる能力を有する分散剤(E)が、C12以上の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基、および極性基を有する化合物もしくは重合体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  7. パラフィンワックスを分散させうる能力を有する分散剤(E)が、α−オレフィンを用いた重合体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1からいずれか記載の樹脂組成物からなることを特徴とする土木建築材料。
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