JP4391468B2 - 豆乳含有冷菓用油脂及びそれを用いた豆乳含有冷菓 - Google Patents

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Description

本発明は、豆乳含有冷菓に用いる油脂であって、濃厚感のある風味となめらかな組織を付与することができ、大豆臭さを抑制し得る豆乳含有冷菓用油脂及びそれを用いた豆乳含有冷菓に関する。
従来、豆乳含有冷菓に関する技術として、牛乳等の乳原料を全く使用せず、豆乳のみを主原料とした豆乳アイスクリームの製造方法(例えば、特許文献1参照。)や、豆乳と少なくとも1種類の芋類を主原料として含有することで、乳原料を一切使用せず大豆臭さが無い豆乳アイスクリームが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記特許文献1では、油脂を用いることが全く記載されておらず、また、上記特許文献2では、0.4〜1.2%のように極少量のごま油、菜種油又はしそ油等の一般的な植物油が用いられているため、特許文献1及び2の豆乳含有冷菓は、乳原料を主体としたアイスクリーム規格品と比べると、濃厚感が顕著に不足して高級感が無かったり、大豆臭さや芋臭さがあり、食べにくいという問題点を有するものであった。
一方、冷菓における風味、食感や保型性は、主に油脂由来の物性により左右されるため、各方面から油脂原料と冷菓の関係について検討されている。中でも油脂の構成成分、特に脂肪酸組成を特定した冷菓用油脂に関しては、例えば、SUS型トリグリセリドに富む油脂とラウリン系油脂を特定量配合した冷菓練込み用油脂が挙げられる(例えば、特許文献3参照。)。これは、脂肪酸残基が飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドと、飽和脂肪酸のラウリン酸が豊富な油脂という2種の油脂の組み合せにより、口溶けがシャープで且つコクのある風味食感を呈する冷菓練込み用油脂が得られるというものである。
しかしながら、上記冷菓練込み用油脂は、乳原料を主体とするアイスクリーム規格品において有効であり、そのコクのある風味食感は、脱脂乳、脱脂粉乳及び全脂粉乳のような乳固形分と上記組み合わせ油脂との相乗効果によるものであって、豆乳含有冷菓、特に乳原料不使用若しくは乳原料低含有の豆乳含有冷菓に使用した場合では、口溶けの早いシャープさや、冷感や油っぽさのみが強調され、アイスクリーム規格品特有の濃厚感と比較すると決して満足のいくものではなかった。
また、油脂のSFC値からアプローチした技術では、大豆油、菜種油、パーム油等の植物性油脂を原料とし、油脂の上昇融点が15℃以下で、特定SFC値に調整された練込み用油脂を冷菓に用いると、食したときに水々しく、冷感が強調される冷菓が得られることが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記油脂もやはり乳原料を主体とするアイスクリーム規格品において有効であり、乳原料不使用若しくは乳原料低含有の豆乳含有冷菓の場合では、水々しさや大豆臭さが強調され、アイスクリーム規格品特有の濃厚感やコクを十分得られなかった。
以上述べたように、従来の豆乳含有冷菓の風味・食感は、乳原料が低含有の場合、特に乳原料不使用の場合には、大豆臭さが強調されたり、濃厚感が顕著に不足し、なめらかさに欠けることから、従来の乳原料を主体とするアイスクリーム規格品と比べて、嗜好性の点で改善の余地があった。
特開2004−73154号公報 特開2001−45977号公報 特開平8−298934号公報 特許第3397110号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、乳原料の含有量に拘わらず、特に乳原料不使用の場合であっても、一般的な乳原料を主体とするアイスクリーム規格品と同等な濃厚感となめらかな組織を有し、大豆臭さを抑制し得る豆乳含有冷菓用油脂及びそれを用いた豆乳含有冷菓を提供するにある。
なお、本発明における「大豆臭さ」及び「大豆臭」とは、大豆から豆乳を加工する際に生じる青臭み、酵素由来の変質臭及び加熱臭の少なくとも一つを意味するものである。
上記目的は、ジグリセリドを、油脂全体重量中5.5重量%以上含有することを特徴とする豆乳含有冷菓用油脂より達成される。
好ましくは、上記油脂には、上記油脂の構成脂肪酸が、オレイン酸を含有する。また、その構成脂肪酸に更にエイコセン酸を含有することが好ましい。更には、上記油脂は、温度(℃)をx、SFC値(%)をyとするSFC曲線において、x座標が10≦x≦20となる任意の点Pにおける接線の傾き(°)の最大値aがa≧−3であることが好ましい。更に好ましくは、上記油脂は植物性油脂である。
また、上記油脂を豆乳含有冷菓全体重量中5〜20重量%含有する豆乳含有冷菓とすることが好適である。
すなわち、本発明者らは、上記課題を解決するために、種々冷菓原料を検討した結果、冷菓における風味、食感や保型性の一指標と考えられている油脂に着目し、油脂の物性を左右する油脂中の脂肪酸組成について、鋭意検討を行った。すると驚くべきことに、ある特定のグリセリドを特定量含有する油脂を使用すると、乳原料が低含有量であっても、更には乳原料が不使用であっても、豆乳含有冷菓の大豆臭さを抑制しつつ、アイスクリーム規格品のような濃厚感を付与できると共に、なめらかな組織になることが分かった。すなわち、ジグリセリドを油脂全体重量中5.5重量%以上含有する油脂を使用する場合に限り、上記効果を顕著に得ることができた。また、上記ジグリセリドに拘わらず、油脂全体としての構成脂肪酸がオレイン酸を含有し、更にはエイコセン酸をも含有する油脂を用いることにより、更に好適な結果を得ることを見出した。
また、上記油脂であっても、特に、温度(℃)をx、SFC値(%)をyとするSFC曲線において、x座標が10≦x≦20となる任意の点Pにおける接線の傾き(°)の最大値aがa≧−3である場合には、更に好適な結果を得ることを見出し、本発明に到達した。
なお、SFC曲線の傾き最大値と濃厚感との間の正確な作用機序は不明であるが、油脂のSFC曲線において、上記傾き最大値aがa≧−3の範囲にあるときは不飽和脂肪酸の割合が好適となり、豆乳原料特有の口溶けの早さを抑制して、緩やかな口溶けとなる(濃厚感が感じられる)ためと推察される。
本発明の豆乳含有冷菓用油脂を使用すると、乳脂肪分10%以上、乳固形分20%以上のようなアイスクリーム規格品ほど乳原料が十分含有されていない場合、もしくは乳原料不使用の場合であっても、該アイスクリーム規格品と同等な濃厚感、なめらかな組織及びコクを有する大豆臭さの抑制された豆乳含有冷菓を得ることができる。すなわち、本発明によれば、乳原料を控えることができるため、低コレステロールの豆乳含有冷菓を得ることが出来る。更に、乳原料不使用の冷菓の場合、中でも動物性原料不使用の場合には、コ
レステロール値0や、植物性原料100%でありながら、濃厚感、なめらかさ及びコクを有する冷菓を提供することが出来るのである。
また、本発明の豆乳含有冷菓によれば、豆乳由来の大豆レシチン、大豆蛋白の乳化力があるので、乳化剤不使用でも、高オーバーランの冷菓を得ることが出来る。
更には、本発明の豆乳含有冷菓は、従来の製造装置で製造することができるため、新たに装置を作製・購入する必要がないと共に、操業性に劣ることのないものである。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の豆乳含有冷菓用油脂は、ジグリセリドを、油脂全体重量中5.5重量%以上含有する。
まず、上記ジグリセリドとは、グリセリンに2分子の脂肪酸がエステル結合したものである。
ジグリセリドの含有量は、豆乳冷菓用油脂全体重量中5.5重量%以上であることが乳脂肪様の濃厚感、食感及び口溶けを付与する点、豆乳由来の大豆臭さを抑制する点、更には親水性に優れるため、豆乳原料と良く混ざり合う点で重要であり、更に好ましくは6〜15重量%とすることが好適である。
上記ジグリセリドの脂肪酸組成は、特に限定されない。後述するオレイン酸やエイコセン酸を含有してもよく、その他の脂肪酸で構成されてもよい。他の脂肪酸としては、例えば、炭素数6〜20の脂肪酸等が挙げられる。
上記油脂には、オレイン酸を含有することが、濃厚感、なめらかな組織及びコク付与の点で好適である。
上記オレイン酸は炭素数18の不飽和脂肪酸で、油脂の脂肪酸残基全体重量中好ましくは30重量%以上、更に好ましくは30〜50重量%含有することが、上記理由の点で好適である。
なお、上記オレイン酸は、上記ジグリセリドの構成脂肪酸であってもよく、例えば、トリグリセリドの構成脂肪酸であってもよい。
また、上記油脂には、更に好ましくは、脂肪酸残基に上記オレイン酸と共に、エイコセン酸を含有することが、緩やかな口溶け、濃厚感を付与し、なめらかな組織を有する点で好適である。
上記エイコセン酸は、炭素数20の不飽和脂肪酸であり、油脂の脂肪酸残基全体における含有量は、特に限定するものではない。
なお、エイコセン酸は上記ジグリセリドの構成脂肪酸であってもよく、例えば、トリグリセリドの構成脂肪酸であってもよい。また、オレイン酸とは同じグリセリンに結合していてもよく、別のグリセリンに結合していてもよい。
本発明の豆乳含有冷菓用油脂は、更に好ましくは、温度(℃)をx、SFC値(%)をyとするSFC曲線において、x座標が10≦x≦20となる任意の点Pにおける接線の傾き(°)の最大値aがa≧−3である油脂であることが、緩やかな口溶けを呈すると共に、濃厚感を付与し、乳原料低含有の場合、特に乳原料不使用の場合であっても、乳脂肪分10%以上、乳固形分20%以上含有したアイスクリーム規格品と比べて嗜好的に劣らない点で好適である。
SFC値とはsolid fat content(固体脂含量)の略称で、一定の温度下で油脂中に存在する固体脂の割合(%)を示した値であり、例えば、核磁気共鳴(NMR)装置等によって求められる。例えば、SFC値が40%とは、固体脂が40%で液体脂が60%含有されることを意味する。上記SFC値は油脂原料固有のものである。そし
て、各温度下でのSFC値を求め、その値をグラフ上にプロットし繋いだ曲線が、図1の符号1に示すようなSFC曲線である。
上記SFC曲線を、図1を用いて説明する。図1の符号1は上述したようにSFC曲線であり、符号2は上記SFC曲線の任意の点Pにおける接線である。なお、この図1においては、x軸が温度(℃)、y軸がSFC値(%)を示している。本発明では、油脂の各温度におけるSFC値をプロットし繋いだ曲線y=f(x)について、10≦x≦20となる任意の点Pにおける接線y=f’(x)=Ax+Bを描き、接線(符号2)の傾きAの最大値をaとする。
本発明に用いる油脂は、この接線の傾き(°)の最大値aがa≧−3であることが、緩やかな口溶けを呈すると共に、濃厚感を付与し、乳原料低含有の場合、特に乳原料不使用の場合であっても、乳脂肪分10%以上、乳固形分20%以上含有したアイスクリーム規格品と比べて嗜好的に劣らない点で好適である。
本発明の油脂の原料としては、例えば、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、ひまわり油、綿実油、米油、オリーブ油、ぺカン油、サフラワー油等の植物性油脂や、乳脂、豚脂、牛脂、魚脂等の動物性油脂等が挙げられるが、これらの中でも、特に植物性油脂は、本発明の効果を顕著に得られる点で好適である。
上記油脂は、未加工油であってもよく、または硬化、分別、ウィンタリング、エステル交換等の処理を施した加工油脂であってもよい。更にこれらの油脂は単独もしくは混合調製しても何ら構わない。
また、上記油脂の融点は、好ましくは25〜37℃、更に好ましくは28〜35℃であることが、緩やかな口溶けを呈し、濃厚感が強調される点で好適である。
本発明の油脂は、例えば、以下のようにして調製することができる。
すなわち、原料となる油脂を準備し、それらを適宜の方法で混合すればよい。なお、脂肪酸組成、その重量、必要に応じてSFC曲線の傾きの最大値を調整するには、例えば、複数の油脂原料を混合する場合では、各原料油脂の混合割合で調整する等適宜の方法で行えばよい。
上記のようにして得られた豆乳含有冷菓用油脂を豆乳含有冷菓に用いる場合には、該油脂の含有量は、豆乳含有冷菓全体重量中、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは12〜18重量%であることが、アイスクリーム規格品と同等な濃厚感、なめらかな組織及び製造適性の点で望ましい。
上記豆乳含有冷菓に用いる豆乳は、特に限定されるものではなく、市販や業務用豆乳等から適宜選択すればよい。
上記豆乳は、公知の製造方法で製造されたものでよく、例えば、大豆を水に浸漬して膨潤大豆とし、これを微粉砕して懸濁液を得、適宜この懸濁液を加熱した後、これを遠心分離機等によって固液分離を行ない、おからに相当する不溶性残渣を除去することにより豆乳を調製すればよい。
上記豆乳には、各種副原料が含有されていてもよい。また、得られた豆乳又は豆乳調製工程中の大豆原料に、適宜蛋白質架橋酵素を作用させ、滅菌処理を行なってもよい。
また、上記豆乳は、通常のストレート豆乳であっても、濃縮豆乳であってもよく、また両者を混合して用いてもよく、適宜選択して用いればよい。この中でも、濃縮豆乳は、濃厚感およびコクの点で好適である。
濃縮豆乳を用いる場合、その濃縮率は特に限定するものではないが、好ましくは1.5倍以上、更に好ましくは1.7倍以上であることが濃厚感、豆乳本来のうまみやコクを付
与し得る点で好適である。
上記豆乳は、豆乳全体重量中の大豆固形分が、ストレート豆乳、濃縮豆乳に拘わらず、好ましくは8〜30重量%であることが、より濃厚感を付与し得、操業性の点で望ましい。濃縮豆乳とした場合には、更に好ましくは豆乳全体重量中の大豆固形分が10〜25重量%、より好ましくは15〜25重量%であることが望ましい。本発明においては、単独の豆乳であっても、それぞれ大豆固形分の異なる2種以上の豆乳を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記豆乳は、原料の保存性の観点から、加糖されていてもよい。
また、上記豆乳は、炭水化物を豆乳全体重量中2重量%以上含有し、かつ重量比で蛋白質1に対し炭水化物0.4以上に設定されることが、大豆臭がなく、豆乳本来の好ましい濃厚感及びうまみやコク付与の点で好適である。更に好ましくは、濃縮豆乳の場合には、炭水化物を濃縮豆乳全体重量中4重量%以上含有することが好適である。
上記炭水化物及び蛋白質は、豆乳由来のもの単独であっても、豆乳以外の原料由来のものとの混合であってもよいが、好ましくは、豆乳由来のもの単独で上記特定含有量及び比率を満たすことが、豆乳特有の濃厚感及び豆乳本来のうまみやコクを付与し得る点で望ましい。
上記濃縮豆乳は、真空蒸発濃縮、凍結濃縮、膜濃縮など、公知の方法を用いて濃縮されればよい。
上記真空蒸発濃縮の装置としては、例えば、エバポレーター、遠心薄膜真空蒸発装置((株)大川原製作所)、プレート式濃縮試験機REV−T2型((株)日阪製作所)、品川式真空濃縮機((株)品川工業所)、多機能型氷温濃縮機(大青工業(株))、大型ロータリーエバポレータN−21NS型(東京理化器械(株))、遠心式濃縮装置(CEHシリーズ)((株)アルバック)等が挙げられる。
上記凍結濃縮の装置としては、例えば、凍結濃縮装置NFC(ニロジャパン(株))、凍結濃縮システムFREECIS(新日本空調(株))、前進凍結濃縮装置((株)前川製作所)等が挙げられる。
上記膜濃縮としては、日本ポール(株)、日本ガイシ(株)等で販売される、一般的な膜を用いて行なえばよい。
上記の濃縮方法の中でも、(株)大川原製作所製の遠心薄膜真空蒸発装置(エバポール(登録商標)等)を用いた真空蒸発濃縮は、大豆の臭みがなく、短時間で所定の比率に濃縮できる点で好適である。
豆乳含有冷菓中の豆乳の含有量は、特に限定されないが、冷菓全体重量中、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは40〜70重量%であることが、風味、濃厚感及びなめらかな組織の点で好適である。
また、本発明の豆乳含有冷菓の原料は、上記の豆乳、油脂以外は、適宜選択して用いればよい。例えば、糖質甘味料(砂糖、水あめ、果糖、ぶどう糖、糖アルコール、トレハロース等)や、スクラロース等の高甘味度甘味料や、安定剤(グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、カラギナン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、水溶性セルロース、ゼラチン、ペクチン等)や、澱粉(イネ・小麦・米等の穀類由来の澱粉や、トウモロコシ由来の澱粉や、馬鈴薯・タピオカ等のいも類由来の澱粉等、もしくはこれらの加工澱粉や化工澱粉等)や、乳化剤(レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、また、酢酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、りんご酸モノグリセリド等の各種有
機酸モノグリセリド等)や、食塩や、着香料や、着色料や、酸味料や、風味原料(コーヒー、ココア、茶類、チョコレート原料、果汁、果肉、種実類、蜂蜜、メープルシロップ、酒類等)や、各種栄養素(蛋白質や、アミノ酸や、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デキストリンなどの食物繊維や、ビタミン類や、ミネラル類等)や、卵、卵加工品や、ヨーグルト、脱塩ホエー、チーズ等の乳製品等が挙げられる。特に、果汁、中でもメロン果汁を用いると、豆乳の濃厚感が高める傾向にあり、好適に用いられる。また、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デキストリンを用いると、得られる豆乳含有冷菓の濃厚感やなめらかな組織は維持されつつも、カロリーを抑えることが出来る点及び匙通りの点で好適である。更に好ましくは、澱粉を用いることが、特に分子量2,000〜10,000のコーンスターチを用いることが、冷菓ミックスをフリージングするときに粘度を加えることができ、冷菓の濃厚感や増量感を付与する点で好適である。
本発明における冷菓とは、冷凍状態で喫食可能な食品である。上記冷菓は、乳固形分含有量や乳脂肪分含有量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓に分類されているが、これらの何れであってもよい。これら冷菓の中でも、乳脂肪分10%未満、乳固形分が20%未満の冷菓は、濃厚感が劣る傾向にあることから、本発明の効果を顕著に得られる点で好適に用いることができる。特にラクトアイス、氷菓、この中でも特に氷菓は、乳原料由来の濃厚感を殆ど若しくは全く期待できない点で本発明の効果を顕著に得ることができる。
上記原料を用いた豆乳含有冷菓は、例えば以下のようにして調製することができる。
まず、(1)香味料(香料、風味原料、酸味料等の加熱による変質・飛散の可能性がある原料)以外の原料を配合する。
次いで、(2)各原料を混合、溶解して冷菓ミックスを調製する。この場合、大豆固形分が比較的高い豆乳を使用する場合は、泡立ちやすいので、特に投入方法に注意して混合する。温度は、あまり高くするのは好ましくなく、通常は50〜70℃程度である。
このようにして調整した冷菓ミックスを、(3)均質化する。均質化圧などの条件は、均質機により一概に規定できないが、通常、2段式では合計4.9〜14.7Mpaがよい。均質化温度は、50〜70℃程度が一般的である。
次いで、均質化したミックスを、(4)殺菌する。殺菌は、例えばプレート式、チューブ式熱交換機等で実施すればよく、特にその方式や装置を特定するものではない。
次に、殺菌したミックスを、(5)エージングする。即ち、0〜5℃に冷却後3〜84時間一時的に貯蔵する。
ついで、ミックスを攪拌しながら、(6)香味料を添加する。
しかる後、(7)フリージングする。この工程は、ミックスをフリーザーにより急激に冷却させて水分を凍結させながら適当量の空気を混入させ、ミックス中に微細な空気の泡と氷の結晶粒、脂肪粒子を分散させ、半流動状のソフトクリーム状にする工程である。どの程度の空気を含んでいるかを、オーバーランで表現するが、本発明では、10〜50%程度が、食感及びさじ通りの点から望ましい。
この後、所定の容器やコーンカップ、クッキー生地、モナカの皮等の焼成食品やシート状食品に(8)充填・成形・包装した後、−20〜−40℃に急冷却し、一定の形を保持し凍結させ(9)硬化を行い、出荷される迄貯蔵しておく。
なお、フリージング工程は、ミックスを直接モールドに充填・凍結する等の凍結方法に置換してもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を例示する。
≪油脂の分析≫
(ジグリセリドの定量分析)
表2に記載の植物性油脂A及びB(植物性油脂Aはパーム油及びパーム核油の混合油脂
、植物性油脂Bはヤシ油とパーム油の混合油脂)をそれぞれ4.0g採取し、各油脂をクロロホルム-メタノール混合溶液(2:1V/V)150mlで溶解した。その後、加熱還流で完全に溶解させ、クロロホルム転溶、定容・分取の後、内標準としてジパルミチンを1mg添加し、シリカゲルカラムによる処理を行った。シリカゲルカラムの溶出は、ジエチルエーテル−ヘキサン−酢酸溶液(10:90:0.5V/V/V)200mlで洗浄した後、ジエチルエーテル−ヘキサン溶液(50:50V/V)150mlで目的のジグリセリドを溶出させて試料溶液を得た。この試料溶液の溶媒を留去後、アセチル化し、ガスクロマトグラフで分析した。なお、ブランクとして、上記油脂及び内標準を添加しない他は、同様に操作し、内標準の面積を補正した。また、ジグリセリド量は、ブランクを用いて算出した。
(脂肪酸の定量及び脂肪酸組成分析)
植物性油脂A及びBをそれぞれ2.0g採取し、各油脂をクロロホルム-メタノール混合溶液(2:1V/V)150mlで溶解した。その後、加熱還流で完全に溶解させ、クロロホルム転溶、定容・分取の後、内標準として3mg/mlのペプタデカン酸ヘキサン溶液を2.0ml加えた。次いで、けん化、メチルエステル化して誘導体化した後、ガスクロマトグラフで分析した。なお、ブランクとして、上記油脂及び内標準を添加しない他は、同様に操作し、内標準の面積を補正した。また、脂肪酸組成は、ブランクを用いて算出した。
上記の結果を、表1に示す。
Figure 0004391468
<実施例1〜6、比較例1>
≪豆乳含有冷菓の製法≫
表1に示される植物性油脂A及びBを用い、表2の配合に従い、先に示した一般的な公知の製造方法で下記の通り調製することにより豆乳含有冷菓を得た。なお、表2に記載の各油脂のSFC曲線最大傾き(°)は、NMR ANALYZER NMS120(BRUKER社製)にて、各油脂を80℃で30分間、60℃で30分間、0℃で60分間順次エージングした後に、測定温度(10、20、25、30、35℃)におけるSFC値を測定し、得られたSFC曲線から算出した。また、以下文章の前に付した符号は、先に示した製造方法の符号と整合させている。
すなわち、(1)豆乳、温めて液状にした植物性油脂、砂糖等の表2に記載したバニラ香料以外の原料を計量して配合し、冷菓ミックスを調製する。(2)冷菓ミックスの品温が60℃となるように混合する。(3)2段式手段(合計14.7Mpa、60℃)で均質化する。(4)チューブ式殺菌方法(88℃15秒以上)で殺菌を行なう。(5)5℃24時間の条件でエージングを行なう。(6)エージングされたミックスを攪拌しながら
バニラ香料を添加する。(7)オーバーラン20%となるようにフリージングする。(8)120ml/個の条件でカップに充填、ヒートシールして蓋をする。(9)−35℃以下で硬化させる。
なお、実施例1〜6及び比較例1の豆乳は、濃縮豆乳と、ストレート豆乳(大豆固形分8重量%)とを混合し、最終的に表2記載の大豆固形分になるよう調製した。
上記のようにして得られた各実施例及び比較例の豆乳含有冷菓について、製造適性を評価し(表2には記載せず)、風味(濃厚感)、風味(大豆臭)、口溶け感及び組織のなめらか度合いについて、専門パネラー10名の官能評価を、乳脂肪分15%、乳固形分25%のアイスクリーム規格品との比較によって実施した。その結果を表2に示す。
Figure 0004391468
表2に記載のとおり、実施例1〜6では、製造適性、風味、口溶け感、組織共に、良好な豆乳含有冷菓であった。更に、豆乳が多量に含有されていたにも拘わらず、大豆臭が抑制され、食べやすかった。特に、実施例1及び5は、乳原料不使用にも拘わらず、乳脂肪分15%、乳固形分25%のアイスクリーム規格品と殆ど変わらない濃厚感があり、緩やかな口溶けを呈し、その組織が極めてなめらかで、食感がよく、高級感のある豆乳含有冷菓であった。また、実施例1及び5は、乳原料を少量含有する実施例6よりも豆乳本来のうまみやコクが加わり、より濃厚に感じられるものであった。
それに対し、比較例1は、濃厚感が不足して高級感がなく、口中ですぐに溶けてしまい、アイスクリーム規格品特有の緩やかな口溶けとは程遠い豆乳含有冷菓であった。また、大豆臭が抑制されておらず、大豆独特の臭さが感じられ、食べにくいものであった。
SFC曲線と接線の説明図
符号の説明
1 y=f(x)
2 y=f’(x)=Ax+B

Claims (6)

  1. ジグリセリドを、油脂全体重量中5.5重量%以上含有することを特徴とする豆乳含有冷菓用油脂。
  2. 上記油脂の構成脂肪酸が、オレイン酸を含有する請求項1記載の豆乳含有冷菓用油脂。
  3. 更に、上記油脂の構成脂肪酸がエイコセン酸を含有する請求項1又は2記載の豆乳含有冷菓用油脂。
  4. 上記油脂の温度(℃)をx、SFC値(%)をyとするSFC曲線において、x座標が10≦x≦20となる任意の点Pにおける接線の傾き(°)の最大値aがa≧−3である請求項1乃至3の何れか1項に記載の豆乳含有冷菓用油脂。
  5. 上記油脂が、植物性油脂である請求項1乃至4の何れか1項に記載の豆乳含有冷菓用油脂。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の豆乳含有冷菓用油脂を、豆乳含有冷菓全体重量中5〜20重量%含有する豆乳含有冷菓。

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