JP4390652B2 - 光情報記録方法、光情報記録装置及び光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録方法、光情報記録装置及び光情報記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,CD−RWに代表されるような記録材料に相変化材料を用い、照射する光の強度変調で記録・再生・消去・書換えが可能な相変化型光ディスク、特に好ましくはDVD+RW,CD−RWに代表される高速書換え型光ディスクのような光情報記録媒体、このような光情報記録媒体に対する光情報記録方法及び光情報記録装置に関する。
近年、デジタル情報の大容量化が進んでいる。大容量のデジタル情報(例えば、音声・画像など)を蓄積するためには転送速度の高速な情報記録媒体が求められている。特に、書換えが可能であることと可搬性があること、さらに広く普及している再生専用装置でも再生が可能であることから、相変化型の光情報記録媒体が注目されている。特に、CD−RW,DVD−RW,DVD+RWは、既に広く普及しているDVD−ROM再生装置で再生できることから、再生互換性の高い、リムーバブルメディアとして注目されている。
ここに、近年の高速記録化の要求に伴い様々な記録方法が提案されており、その一つとして記録波形の低周波化が挙げられる。例えば、記録速度の高速化に伴い記録データの基準クロック周波数が高くなると、マルチパルス記録での加熱、冷却時間が非常に短くなり、LDの発光波形の立上り時間と立下り時間の制約によって発光パルスが鈍りを生じるため、十分な加熱時間と冷却時間が確保できなくなり記録不良となってしまう。そこで、各々のデータ長に応じてクロック周期でマルチパルス数が増加するのではなく、2クロック周期で1組の加熱パルスと冷却パルスが増加するいわゆる2Tストラテジ方式、より一般的には、nクロック周期(nは2以上の整数)で1組の加熱パルスと冷却パルスが増加するいわゆるnTストラテジ方式が提案され、実用化されている。例えば、非特許文献1によれば、時間的長さnTのマーク形成にm個の照射パルスを照射して記録するとき、n=2m,n=2m+1とする「2T Write Strategy」が記載されている。また、最適記録パワーを設定するγ法についても記述されている。
Orange Book Part III CD−RW Volume3 Ultra−speed(US CD−RWの標準規格書)
前述したような相変化型の光情報記録媒体の転送速度を向上させる手段は、高密度化と走査速度の高速化とが考えられるが、トラックピッチや最小マークサイズを変更する高密度化は、再生に用いる装置の光学系を変更することになり、再生互換性がなくなってしまう。これに対して、走査速度の高速化は再生装置の光学系を変更することなく転送速度を向上できるため、有効な手段とされている。
しかし、相変化型の光情報記録媒体では、記録層材料にレーザ光を照射し、記録層の熱履歴を制御することで情報の記録・書換えを行っている。即ち、記録層材料のダイナミカルな熱特性を利用して情報の記録を行っている。具体的には、溶融・急冷することでアモルファス状態とし、結晶化温度以上に加熱することで結晶状態とすることで、記録を行う。より高い走査速度での記録に対応するためには、より短い加熱時間で結晶化することが必要であり、そのため結晶化速度の速い材料を記録層材料として選定することが必須となる。
また、アモルファスマークの形成にはパルス状に強度変調した光を照射することによって行う。走査速度を高速とした場合はパルスの発光周期を短くする必要があるが、上述のような結晶化速度の高い記録層材料に対しては、隣接するパルスの余熱により結晶化が促進され、アモルファス領域が縮小する傾向にある。そのため、高い変調度を確保することが困難となっている。
これらの課題を解決するためにはパルスの発光周期の時間を長くとることで余熱を防ぐことが可能であるために、パルス照射周期を従来の1T(T;基本クロック周期)とする代わりに、前述した通り、2T或いはそれ以上とする方法がある。このような方法に関する提案例等も多数あり、その一部を例示すると以下のようなものがある。例えば、非特許文献1によれば、時間的長さnTのマーク形成にm個の照射パルスを照射して記録するとき、n=2m,n=2m+1とする「2T Write Strategy」が記載されている。異なる長さのマークを同一のパルス数で記録するためにn=2m+1なる奇数Tのマークを記録する際には最終パルス立上り時間を遅らせ、最終パルス幅を延長し、最終冷却パルス幅を延長することで対応している。
しかし、このような手法を用いた場合、最短マーク(例えば、3Tマーク)は一組の加熱パルスと冷却パルスとで形成する必要がある。そのため、前述のパルス周期を長くする手法が適用できない。従って、さらなる高速記録に対応するためには、この最短マークの形成方法が大きな課題となってくる。
さらに、結晶化速度の速い高速に適した記録層材料は経時安定性が悪くなる傾向にある。記録・書換え時の消去性(アモルファス→結晶)への相変化を高速で行うため、比較的低いエネルギーで記録層の状態変化が発生する。その詳細は現在解析中であるが、記録層の結晶状態が何らかの緩和現象(原子拡散,構造緩和,応力緩和,組織構造の緩和等)により、熱的・光学的特性が経時変化していくと考えられている。
上述のような記録層材料の経時変化の影響は最短マーク・最短スペースの形成に最も大きく影響することが明らかになった。そのため、光情報記録装置は経時変化した光情報記録媒体に合わせて、記録条件(照射パワー,パルス幅,位置など。一般的には「記録ストラテジ」と呼ばれる)を光情報記録媒体の状態に合わせて設定する必要がある。
本発明の目的は、経時変化した光情報記録媒体の場合であっても適正な記録条件を設定できるようにすることである。
請求項1記載の発明は、照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録方法であって、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程と、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程と、前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程と、測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
−0.02≦(A1−A2)≦0.02
となる前記照射パワーPw,Peを記録時に用いる最適な記録条件として設定する工程と、設定された最適な前記照射パワーPw,Peを用いて情報の記録を行う工程と、を備え、前記最適な記録条件として設定する工程では、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求めるようにした。
請求項2記載の発明は、照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録方法であって、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、一組の長さThの前記加熱パルスと長さTcの前記冷却パルスとにより形成される最短マーク用の前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程と、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程と、前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程と、測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
−0.02≦(A1−A2)≦0.02
となる前記長さTh又はTcを記録時に用いる最適な記録条件として設定する工程と、設定された最適な前記長さTh又はTcを用いて情報の記録を行う工程と、を備え、前記最適な記録条件として設定する工程では、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求めるようにした。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光情報記録方法において、試し書きする工程において前記長さTh、Tcを段階的に変化させる変化量を各々ΔTh,ΔTcとしたとき、ΔTc=−2ΔThなる関係で変化させるようにした。
請求項記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の光情報記録方法において、一次関数として近似に用いる前記アシンメトリの測定範囲を、
(A1−A2)>0.2、及び
(A1−A2)<−0.2
とする。
請求項記載の発明は、照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録装置であって、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする手段と、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする手段と、前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する手段と、測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
−0.02≦(A1−A2)≦0.02
となる前記照射パワーPw,Peを記録時に用いる最適な記録条件として設定する手段と、設定された最適な前記照射パワーPw,Peを用いて情報の記録を行う手段と、を備え、前記最適な記録条件として設定する手段は、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求める
請求項記載の発明は、照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録装置であって、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、一組の長さThの前記加熱パルスと長さTcの前記冷却パルスとにより形成される最短マーク用の前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする手段と、前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする手段と、前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する手段と、測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
−0.02≦(A1−A2)≦0.02
となる前記長さTh又はTcを記録時に用いる最適な記録条件として設定する手段と、設定された最適な前記長さTh又はTcを用いて情報の記録を行う手段と、を備え、前記最適な記録条件として設定する手段は、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求める
請求項記載の発明は、請求項記載の光情報記録装置において、試し書きする手段は、前記長さTh、Tcを段階的に変化させる変化量を各々ΔTh,ΔTcとしたとき、ΔTc=−2ΔThなる関係で変化させるようにした。
請求項記載の発明は、請求項5ないし7の何れか一記載の光情報記録装置において、一次関数として近似に用いる前記アシンメトリの測定範囲を、
(A1−A2)>0.2、及び
(A1−A2)<−0.2
とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明の光情報記録方法に用いられる光情報記録媒体であって、初期の最適なパラメータ情報として、照射パワーPw,Pe、アシンメトリA1,A2、又は、その差(A1−A2)のうちの少なくとも一つの値が予めプリフォーマットされている。
請求項10記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の光情報記録方法に用いられる光情報記録媒体であって、初期の最適なパラメータ情報として、長さTh,Tc、アシンメトリA1,A2、又は、その差(A1−A2)のうちの少なくとも一つの値が予めプリフォーマットされている。
請求項1ないし8記載の発明によれば、最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンが最適値を設定するために最も感度が良い点に着目し、パラメータの応答の良い特殊なパターンを用いて試し書き記録することで、最適な記録パラメータを感度よく正確に設定することが可能となり、特に高速記録に対応した相変化の光情報記録媒体の経時変化が大きいことに起因する最適記録条件を補正することも可能にすることができる。又、近似を用いることで最適な設定パラメータを精度良く求めることができる。
求項10記載の発明によれば、最適条件決定のために必要な初期情報が媒体自身にプリフォーマットされているため、光情報記録媒体と光情報記録装置との互換性を向上させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
[光情報記録媒体]
本発明の光情報記録方法を適用する光情報記録媒体は、書換え型光ディスクに主に適用される、相変化記録型の光情報記録媒体である。具体的には、DVD+RW,DVD−RW,CD−RW,PD(Blu-ray Disc)などである。これらの光情報記録媒体では、基板上に積層されている(多くの場合、無機保護層によって挟まれている)結晶状態の記録層に集光した光を照射することで、記録層材料を融点近傍若しくは融点以上に加熱し溶融させ、その後、照射した光の強度を落とすことによって急冷し、アモルファスマークを形成する。一方、アモルファスマーク部分に集光した光を照射し結晶化温度付近(融点よりも低い温度)若しくは結晶化温度以上で融点以下の温度に加熱することで、結晶状態にし、アモルファスマークを消去する。
結晶−アモルファスの状態変化は可逆的な相変化であるので、温度変調、即ち、照射する光の強度変調のみで上記の相変化を起こすことができる。
また、結晶状態とアモルファス状態とで光学定数が異なる。この光物性の差を用いれば、光によって、アモルファス状態と結晶状態を判別することができる。従って、アモルファスマークによって情報を記録できる。
このような相変化記録材料としては、SbTeを主成分とした材料が主に使われており、GeInSbTe,AgInSbTe,GeGaSbTe,GeSbTe等が広く使われている。また、近年の高速記録(DVDで8倍速,CDの24倍速相当)に対応できる記録層材料としては、GeSbSn,GeInSbSn系,GeInSbSnTe,GaSbSn合金,GaGeSbSn合金,GaGeSbSnTe合金などがある。これらの材料は結晶化速度が速いため、高速記録でもダイレクトオーバーライトが可能となっている。
これらの記録層は透明基板上に積層される。透明基板上には集光した光の位置決め(トラッキング)のための案内溝(グルーブ)を設けても良い。
前述の記録層は加熱による拡散や化学反応を防止するために、上下に保護層を設けても良い。保護層には記録層材料よりも高融点であり、化学反応を起こさない安定な物質が好ましく、かつ、記録・再生に用いる光の波長領域で透明であることが好ましい。具体的には、金属酸化物,硫化物,窒化物の単体若しくは混合物が好ましく、ZnSとSiOの混合物が一般的に用いられている。
また、記録層の上部(基板の反対側)に反射層を設けてもよい。前述の保護層を設ける場合、反射層は、保護層上に形成される。反射層を設けることによって、再生時の反射率を高く保つことができるため、再生信号の信頼性が向上する。反射層材料としては、任意の金属・合金が用いられるが、Al,Ag,Auが一般的である。さらに、これらの金属に任意の金属元素を添加することで合金としても良い。
反射層を設けない場合若しくは反射層を設けても薄い場合は、記録時に記録層近傍に発生する熱を効率的に逃がす熱拡散層が別途必要となる。反射層が十分に厚い場合、反射層が熱拡散層を兼ねることが可能であるが、反射層がない若しくは薄い場合は別途設ける必要がある。熱拡散層としては、熱伝導率の高い任意の金属・合金材料を用いてもよい。複数の記録層を積層した多層記録媒体とする場合は、熱拡散層には高い光透過率も求められる。これらに適した材料としては、透明電極に使用される材料が好ましい。具体的にはITO,Sn酸化物,亜鉛酸化物等が例として挙げられる。
さらに、放熱層上又は反射層上に同様の構成を積層して、多層ディスクとしてもよい。また、樹脂製の保護層を設けてもよく、基板を接着剤等を用いて貼り合わせても良い。
[光情報記録装置]
このような光情報記録媒体への情報記録は、例えば図1に概略的に示すような記録・再生装置で行う。
光情報記録媒体1に照射する光は、光ピックアップ2中のレーザダイオード3から発せられ、コリメータレンズ4、偏光ビームスプリッタ5、1/4は長板6を経て対物レンズ7で集光し媒体記録層近傍に照射することで行う。照射された光は光情報記録媒体1で反射され光ピックアップ2に戻り、偏光ビームスプリッタ5にてフォトダイオード8に入射する。
記録時の光の強度変調はストラテジ作成部9にてパルスパターンが設定さる。また、照射パワーはパワー設定部10にて設定される。各々の出力はレーザドライバ11を介してレーザダイオード3を駆動する。このストラテジ作成部9は、後述する第1のパターン、第2のパターンの作成や、最短マーク用の加熱パルスの長さTh、冷却パルスの長さTcの可変設定等に用いられる。パワー設定部10は加熱パルスの照射パワーPw、冷却パルスの照射パワーPb、消去パルスの照射パワーPeの設定等に用いられる。
記録後の信号再生は、フォトダイオード8によって、反射光が電気信号に変換される。その信号は測定機能を有する信号処理部12にて測定される。
これらの、記録条件と再生信号は演算部13にて対応付けられ、測定値は記録条件をパラメータとした関数として扱われる。従って、演算部13は本発明における試し書き結果による最適条件の設定用に用いられる。
その関数を評価することで最適な記録条件をフィードバックすることが可能となる。
なお、全体を制御するコントローラ14も設けられている。
[記録方式及びその課題]
記録される情報はマーク長、マーク間長変調方式で強度変調されて記録される。マーク長−マーク間長記録の例としては、CDで採用されるEFM(8−14変調),DVDで採用されるEFM+,1−8変調などがある。
マーク長・マーク間長変調は、各々の時間的な長さを基本クロック周期(チャンネルビット)Tに対してnTで表される。ここで、nは有限な任意の自然数になるがその範囲は変調方式によって決定される。EFM+の場合、nは3〜11,14に設定される。
これらの長さのマークを形成するには、強度変調された光を入射及び走査することで行う。記録時の走査速度をvとし、記録時のチャンネルビットをTwとするとき、v×Twを一定とすることで、記録情報の密度を一定に保つことができる。
従って、高速に情報を記録するためには、走査速度vを大きくし、記録時のチャンネルビットTwを短くすることが必要となる。
DVD+RWを通常の8倍速にて記録するためには、
v=3.49m/s×8=27.9m/s
Tw=4.78ns
に相当する。
記録時の強度変調の方法は、「記録ストラテジ」と呼ばれる。本発明の光情報記録方法の場合、光情報記録媒体が相変化型の書換え型の光情報記録媒体であるため、照射パワーPwの加熱パルスと照射パワーPbの冷却パルスとを交互に照射することでマークを形成し、照射パワーPeの消去パルスを照射することによりスペースを形成することで記録を行う。各照射パワーの関係はPw>Pe>Pbとなる。さらに、Pe<0.6Pwであることが好ましく、Pb≦1mWであることが好ましい。そのパルスの数はnTマークに対して、n−1に設定されるのが一般的である。即ち、1Tだけマーク長が増加した場合は前述の加熱パルスと冷却パルスを一組ずつ増加させていくことになる。つまり、照射するパルスの発光周期は1Tに設定される。
しかし、前述のDVDの8倍速相当となると、記録時のチャンネルビット1Twが4.78nsとなってしまう。加熱パルスと冷却パルスとの長さを各々0.5Twに設定するとパルス幅は2.39nsとなる。通常レーザダイオード3の立上り時間、立下り時間は1.7ns以上であるため、0.5Twの発光パルスを照射することが不可能になる。即ち、十分高い加熱パルスの照射パワーに達することができないと同時に、十分低い冷却パルスの照射パワーに達することができない。その結果として、十分な加熱と冷却が行われずマーク形成が困難となる。
その対策として、US CD−RWで採用されたのが2Tストラテジである。2Tストラテジの例を図2に示す。マーク長nTと加熱パルス数mの間には以下の関係が成り立つ。
n=2m (nが偶数のとき)
n=2m−1 (nが奇数のとき)
これにより、パルスの発光周期は2T〜3Tとなる。その結果、DVDの8倍速相当でパルスの発光周期はTw=9.56〜14.34nsとすることができる。その結果、加熱パルスの照射時間と冷却パルスの照射時間を十分取れるため、記録層を急冷状態にすることが可能となり、アモルファスマークを形成できる。
4Tより長いマークは先頭パルスと最終パルスの位置を制御することでマーク長をコントロールできる。
これに対して、最短マークである3Tマークのパターンでは1組の加熱パルスと冷却パルスとでマークを形成する必要がある。この場合、マーク長の制御を加熱パルスの照射時間(長さ)Thと冷却パルスの照射時間(長さ)Tcとを制御することで行うことになる。
従来のUS CD−RWではこの記録ストラテジで十分な品質の記録ができていたが、より高密度のDVD+RWの8倍速では不具合が発生することが明らかになった。
前述の光情報記録媒体の記録層材料の緩和現象により、光情報記録媒体の記録層の結晶状態が経時変化すると、同一の記録ストラテジでは記録できないことが明らかになった。
その現象について以下に説明する。
光情報記録媒体1に通常のデータを記録し、RF信号をオシロスコープで観察すると図3(a)に示すようなアイパターンが観察される。横軸はオシロスコープ上の時間軸を表し、縦軸はフォトダイオード8の出力を電圧値として観察し、多数のスイープを重ね合わせて表示したものである。最短マーク・スペースである3T信号最低電圧値をI3L、最高電圧値をI3Hとする。また、最長マーク・スペースである14T信号の最低電圧値をI14L、最高電圧値をI14Hとする。このときのアシンメトリAは以下の式で定義される。
A={(I3H+I3L)/2+(I14H+I14L)/2}/(I14H−I14L
DVD+RWの規格では、−0.1≦A≦0.15である。
同一の光情報記録媒体1を温度80℃,湿度85%RHの環境下に100時間放置後、記録を行うとアイパターンは図3(b)に示すようなパターンとなる。即ち、最短マークである3Tマーク直後の3Tスペースの最大電圧値が、他のスペース直後の最高電圧値よりも高くなってしまう。即ち、4Tマーク以上のマーク直後にある3Tスペースの最高電圧値はI3Hであるのに対して、3Tマーク直後の3Tスペースの最高電圧値はI3H+dI3Hとなる。このように、最短マークであり出現頻度の多い3Tスペースの信号レベルが変動してしまうため、経時変化後に記録を行うとジッタが著しく悪化することになる。即ち、経時変化後の光情報記録媒体1は同一の記録条件では記録できない。
この点、従来であれば、このような場合に最適な記録パワー、即ち、最適な加熱パルスの照射パワーPwを設定し直すことで対応できた。即ち、OPC(Optimum Power Control又はOptimum Power Calibration)を行うことで対応することができた。従来のOPCは、CD−RWの標準規格,DVD+RWの標準規格に規定されているγ法を用いるのが一般的であった。つまり、試し書き領域に加熱パルスの照射パワーPwを段階的に変化させ試し書き記録を行い、その試し書き記録部分の変調度(I14H−I14L)/I14Hを測定し、照射パワーPwの関数として扱う。そこから、γを求めて最適な記録パワーを算出する手法である。
しかし、高速記録に対応できる結晶化速度の高い記録層材料を用いた光情報記録媒体1において、同様の方法で照射パワーを設定してもジッタの改善が見られない。
[本発明の原理]
そこで、経時変化後の光情報記録媒体1のジッタを悪化させる主要因であるdI3Hを用いた最適記録条件の設定が不可欠となる。
まず、3Tマーク直後の3Tスペースを考慮しない場合の図3(b)のアシンメトリA1は、
A1={(I3H+I3L)/2+(I14H+I14L)/2}/(I14H−I14L
となる。
一方、全ての3T信号を考慮したアシンメトリA2は
A2={(I3H+α・dI3H+I3L)/2+(I14H+I14L)/2}
÷(I14H−I14L
となる。ここで、αは3T直後の3Tスペースの存在比率を表し、0<α<1である。
従って、A1≠A2が成り立つ。この点に着目し、以下をOPCのパラメータとして設定できる。
いま、X(=A1−A2)を加熱パルスの照射パワーPwの関数とすると図4(a)に示す通りとなる。合わせてジッタの照射パワーPw依存性を図4(b)に模式的に示した。X=0となるPw1でジッタが最小値となり一致する。X>0の状態は、図3(b)に相当し、X<0では図3(c)の状態となる。この傾向は経時変化後のPw2にも再現する。従って、Xが初期と同一となるように照射パワーPwを設定することで、経時変化後でも良好な記録信号とできる。
これは、3Tマークと4T以上のマークとで、記録マークの終端形状のパワー依存性が異なるためにある。つまり、4T以上のマークではマーク最終パルスのパターンを全て同一に設定できるため、終端形状は同一である。しかし、1組のパルスでマークを形成する必要のある3Tマークのみ異なる依存性を示す。さらに、最短スペースである3Tスペースは隣接するマークの形状の影響を最も大きく受ける。その結果として、3Tマーク直後の3Tスペースのみ、経時変化の影響を顕著に受けることとなる。
また、3Tマークのストラテジを調整することで同様の効果を得ることができる。具体的には、図2中に示す最短パルス3Tの加熱パルスの長さTh,冷却パルスの長さTcを調整することでも同様の効果を得ることができる。
以上を考慮すると、本発明の原理として、情報記録直前にXに着目したOPCを行うことで経時変化後の光情報記録媒体1に対しても適正な記録パワー及び記録ストラテジで記録できる。その際のXの範囲は、−0.02〜0.02の範囲であることが好ましい。
しかし、図3(b)及び図3(c)に示すアイパターンからXを測定するのは困難である。そのため、本発明の、より具体的な例としては、以下の2種類のパターン
第1のパターン;通常のEFM+のうち3Tマーク直後の3Tスペースを禁則としたパターン(即ち、最短マーク直後に最短スペースが並ばないパターン)
第2のパターン;通常のEFM+にて変調されたパターン(即ち、最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含むパターン)。
を用意し、試し書きを行うようにしたものである。
第1のパターンで試し書き記録した場合のアイパターンは図3(d)に示す通りとなる。即ち、点線で示した3T直後の3Tスペースのパターンが存在しなくなる。そのため、このような第1のパターンを用いることで、前述のアシンメトリA1を精度良く測定することが可能となる。
なお、光情報記録媒体1には、図5(a)に示すように、所定の領域(例えば、最内周部)にPCA(Power Calibration Area=試し書き領域)21が設けられているので、本来の記録を開始する前にこのPCA領域21に対して試し書きを行うようにすればよい。この場合の1回分の試し書きは、例えば、図5(b)に示すように、記録情報単位である1ECCブロックを用いて行われ(この1ECCブロックは16セクタからなる)、1セクタ毎に例えば、記録パワー(照射パワー)を変化させながら試し書きを行う。
以下、実施例1〜4を参照して、上述の原理に基づく本発明の記録方法等を明らかにする。
[実施例1]
まず、光情報記録媒体1として、DVDの8倍速相当で記録できるDVD+RWメディアを作製した。即ち、DVD+RW用のポリカーボネート製基板に下部保護層,記録層,上部保護層,反射層を順次積層し、反射層上に接着材を塗布し基板と貼り合せることでディスク状の媒体とした。ポリカーボネート製基板には螺旋状の案内溝(グルーブ)が形成されており、その間隔(トラックピッチ)は0.74μmに設定した。また、グルーブにはウォブリングしており、ADIPによりプリフォーマットされている。
下部保護層,上部保護層には、ZnSとSiOとの混合物を用いた。その組成比はモル比で70:30とした。その膜厚は各々70nm,9nmに設定した。記録層材料にはGaSbSn合金を用いた。その膜厚は15nmとした。反射層にはAgを用いその膜厚は150nmに設定した。これらの薄膜形成は、全てAr雰囲気を用いたマグネトロンスパッタリング法を用いて行い、膜厚の測定は可変入射角分光エリプソメータを用いて測定した。接着剤は市販のDVD用接着材であるUV硬化樹脂をスピンコーティング法で塗布し、基板を貼り合わせUV照射して硬化させた。
完成したディスク(光情報記録媒体1)の記録層は全面as−depo状態のため急冷状態にあり、アモルファス状態になる。従って、全面結晶化を行う初期化が必要となる。初期化は2Wの高出力レーザ75μm×1μmのサイズに集光し、記録層近傍に照射及び走査することで記録層を溶融結晶化させて行う。初期化の走査速度は18m/sとし、照射するレーザパワーを1400mWとした。完成したサンプルディスクは、未記録状態でDVD+RWの標準規格を満たすディスクとなった。
本実施例の光情報記録方法の検討には、DVD+RW用評価装置であるパルステック社製DDU1000を用いた。その光ピックアップの仕様は以下のとおりである。
対物レンズNA:0.65
波長:660nm
記録パワー設定範囲:10mW〜40mW
再生パワー:0.7mW
LD立上り時間(10−90%):1.5ns
LD立下り時間(90−10%):1.7ns
記録ストラテジとしては、図2に示したような2Tストラテジを用いた。この時、4Tマーク以上の加熱パルスのパルス幅を2.69nsとし、3Tマーク用の加熱パルスのパルス幅(長さ)Thを2.99ns、冷却パルスのパルス幅(長さ)Tcを5.08nsに設定した。また、記録時の走査速度を27.9m/s,チャンネルビットTを4.78nsと設定した。記録ストラテジ及び第1のパターン,第2のパターンはテクトロニクス社製のデータゼネレータDTG5027を用いて作成した(図1に示した構成例の場合であれば、記録ストラテジ及び第1のパターン,第2のパターンはストラテジ作成部9により作成される)。照射パワーに関しては、加熱パルス用の照射パワーPwは20mW〜40mWの間で段階的に変化させ、消去パルス用の照射パワーPeはPe=0.25×Pwとし、冷却パルス用の照射パワーPbはPb=0.1mW固定とし、光情報記録媒体1に10回オーバーライトを行った。
この処理が、光情報記録媒体1の試し書き領域21に対して、照射パワーPw,Peを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程又は手段と、光情報記録媒体1の試し書き領域21に対して、照射パワーPw,Peを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程又は手段として実行される。
その後、走査速度をDVDの1倍速に相当する3.49m/sに設定し、X(=A1−A2)及び第2のパターンで記録した場合のジッタを測定し、照射パワーPwの依存性を調べた。この処理が、第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程又は手段として実行される。その結果を図6に示す。
この図6に示す結果によれば、−0.02≦X≦0.02の範囲でジッタが許容範囲9%以下となり、良好な結果が得られることが判る。従って、本実施例においては、測定されたアシンメトリA1,A2の差X(=A1−A2)が
−0.02≦X≦0.02
となる照射パワーPw,Peを記録時に用いる最適な記録条件として設定し(設定する工程又は手段)、このように設定された最適な照射パワーPw,Peを用いて情報の記録を行うようにすればよいことが判る。
[実施例2]
実施例1で使用したものと同一条件で作成したサンプルを、80℃,85%RHの環境に100時間放置した。その後、室温環境下で実施例1と同様の測定を行った。その結果を図7に示す。この結果、経時変化後でもアシンメトリA1,A2の差X(=A1−A2)が−0.02〜0.02の範囲であればジッタが9%以内に収まることが確認できた。即ち、経時変化後でも、パラメータの応答の良い特殊なパターンを用いた同様な試し書き処理手順を採ることで、最適な記録パラメータを感度よく正確に設定することが可能となり、特に高速記録に対応した相変化の光情報記録媒体1の経時変化が大きいことに起因する最適記録条件を補正できることが判る。
なお、この場合、初期の最適なパラメータ情報として、照射パワーPw,Pe、アシンメトリA1,A2、又は、その差X(=A1−A2)のうちの少なくとも一つの値を予め光情報記録媒体1にプリフォーマットしておけば、経時において最適条件決定のために必要な初期情報が媒体自身にプリフォーマットされている情報を利用できるため、光情報記録媒体1と光情報記録装置との互換性を向上させることができる。
この場合のプリフォーマットとしては、任意の手法を用いることができ、プリピット法、ウォブルエンコード法、フォーマット法がある。特に、ウォブルエンコード法は、CD−RW,DVD+RWで実際に採用されている手法であり、光情報記録媒体のアドレス情報をグルーブ(媒体上の案内溝)のウォブリングにエンコードする技術を利用している。エンコードの方法としては、CD−RWのATIPのように周波数変調を用いても、DVD+RWのように位相変調を用いても良い。ウォブルエンコード法は、光情報記録媒体の基板成形時にアドレス情報と一緒に基板に作成されるため、生産性に優れると同時に、プリピット法のような特殊なROMピットを形成する必要がないため、基板成形も容易に行えるという利点がある。
[実施例3]
実施例2で使用したサンプル(光情報記録媒体1)の未記録部分に実施例1と同様の方法で記録を行った。但し、加熱パルス用の照射パワーPwは30mWで固定とした。即ち、実施例2(図7)では、ジッタが10%を超えてしまう記録パワーである。そこで、本実施例では、記録ストラテジの設定パラメータである最短マーク用の加熱パルスの長さThと冷却パルスの長さTcとを表1に示す条件で段階的に変化させながら、サンプル(光情報記録媒体1)の試し書き領域21に試し書きを行なった。
Figure 0004390652
この処理が、光情報記録媒体1の試し書き領域21に対して、一組の長さThの加熱パルスと長さTcの冷却パルスとにより形成される最短マーク用の長さTh,Tcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程又は手段と、光情報記録媒体1の試し書き領域21に対して、長さTh,はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程又は手段として実行される。この際、長さThを0.3ns増加させた場合には、長さTcを0.6ns減少させるようにした。即ち、各々の変化量をΔTh,ΔTcと置くと、ΔTh=2ΔTcとなる関係を満たすように両者を段階的に変化させるようにした。これにより、最適値を効率よく探すことができる。
その後、X(=A1−A2)及びジッタを測定し、長さThの依存性を調べた。この処理が、第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程又は手段として実行される。その結果を図8に示す。
この図8に示す結果によれば、実施例1,2の場合と同様に、−0.02≦X≦0.02の範囲でジッタが許容範囲9%以下となり、良好な結果が得られることが判る。従って、本実施例においては、測定されたアシンメトリA1,A2の差X(=A1−A2)が
−0.02≦X≦0.02
となる長さTh,Tcを記録時に用いる最適な記録条件として設定し(設定する工程又は手段)、このように設定された最適な長さTh,Tcを用いて情報の記録を行うようにすればよいことが判る。
なお、この場合も、初期の最適なパラメータ情報として、長さTh,Tc、アシンメトリA1,A2、又は、その差X(=A1−A2)のうちの少なくとも一つの値を予め光情報記録媒体1にプリフォーマットしておけば、経時において最適条件決定のために必要な初期情報が媒体自身にプリフォーマットされている情報を利用できるため、光情報記録媒体1と光情報記録装置との互換性を向上させることができる。
[実施例4]
本実施例では、実施例1のデータから、X(=A1−A2)を加熱パルスの照射パワーPwの1次関数として近似した。即ち、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの連続関数として近似して各パラメータの最適値を求めるようにした。その結果を図9に示す。
線形近似を用いた場合、X=0近傍の測定データが近似直線と一致しない。これは、測定値が非常に近いため、第1のパターン1と第2のパターン2との差異が少なく誤差が大きくなっているためと考えられる。そのため、−0.02≦X≦0.02の範囲を除外する、つまり、(A1−A2)>0.2、及び(A1−A2)<−0.2とすることで近似直線と一致することを確認できたものである。即ち、近似を用いてパラメータの最適値を求めるには、上記の範囲を除くことが好ましい。
本発明の一実施の形態の光情報記録装置の概略構成例を示すブロック図である。 2Tストラテジ方式の波形例を示す波形図である。 各種条件下におけるアイパターン例を示す特性図である。 Pw−X並びにPw−ジッタ特性図である。 試し書き領域及び試し書き方式に関する説明図である。 実施例1のPw−X&ジッタ特性図である。 実施例2のPw−X&ジッタ特性図である。 実施例3のTh−X&ジッタ特性図である。 実施例4のPw−X&ジッタ特性図である。
符号の説明
1 光情報記録媒体
21 試し書き領域

Claims (10)

  1. 照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録方法であって、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程と、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程と、
    前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程と、
    測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
    −0.02≦(A1−A2)≦0.02
    となる前記照射パワーPw,Peを記録時に用いる最適な記録条件として設定する工程と、
    定された最適な前記照射パワーPw,Peを用いて情報の記録を行う工程と、
    を備え、
    前記最適な記録条件として設定する工程では、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求めるようにしたことを特徴とする光情報記録方法。
  2. 照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録方法であって、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、一組の長さThの前記加熱パルスと長さTcの前記冷却パルスとにより形成される最短マーク用の前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする工程と、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする工程と、
    前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する工程と、
    測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
    −0.02≦(A1−A2)≦0.02
    となる前記長さTh又はTcを記録時に用いる最適な記録条件として設定する工程と、
    定された最適な前記長さTh又はTcを用いて情報の記録を行う工程と、
    を備え、
    前記最適な記録条件として設定する工程では、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求めるようにしたことを特徴とする光情報記録方法。
  3. 試し書きする工程において前記長さTh、Tcを段階的に変化させる変化量を各々ΔTh,ΔTcとしたとき、ΔTc=−2ΔThなる関係で変化させるようにした、ことを特徴とする請求項2記載の光情報記録方法。
  4. 1次関数として近似に用いる前記アシンメトリの測定範囲を、
    (A1−A2)>0.2、及び
    (A1−A2)<−0.2
    とする、ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の光情報記録方法。
  5. 照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録装置であって、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする手段と、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記照射パワーPw又はPeを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする手段と、
    前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する手段と、
    測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
    −0.02≦(A1−A2)≦0.02
    となる前記照射パワーPw,Peを記録時に用いる最適な記録条件として設定する手段と、
    定された最適な前記照射パワーPw,Peを用いて情報の記録を行う手段と、
    を備え、
    前記最適な記録条件として設定する手段は、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求める、ことを特徴とする光情報記録装置。
  6. 照射パワーPwの加熱パルス、照射パワーPbの冷却パルス及び照射パワーPeの消去パルス(ただし、Pw>Pe>Pb)を用い、マーク長、マーク間長変調方式に従い強度変調された光として前記加熱パルスと前記冷却パルスとの組合せによるパルス光を光情報記録媒体に照射及び走査することでマークを形成し、前記消去パルス光を前記光情報記録媒体に照射及び走査することでスペースを形成し、チャンネルビットTに対してnT(nは有限の任意の自然数)なる時間的長さを持つ情報を記録する光情報記録装置であって、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、一組の長さThの前記加熱パルスと長さTcの前記冷却パルスとにより形成される最短マーク用の前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ばない第1のパターンを試し書きする手段と、
    前記光情報記録媒体の試し書き領域に対して、前記長さTh又はTcを段階的に変化させながら最短マーク直後に最短スペースが並ぶパターンを含む第2のパターンを試し書きする手段と、
    前記第1のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA1と前記第2のパターンで試し書きされた領域のアシンメトリA2とを測定する手段と、
    測定されたアシンメトリA1,A2の差(A1−A2)が
    −0.02≦(A1−A2)≦0.02
    となる前記長さTh又はTcを記録時に用いる最適な記録条件として設定する手段と、
    定された最適な前記長さTh又はTcを用いて情報の記録を行う手段と、
    を備え、
    前記最適な記録条件として設定する手段は、(A1−A2)を段階的に変化させるパラメータの1次関数として近似して各パラメータの最適値を求める、ことを特徴とする光情報記録装置。
  7. 試し書きする手段は、前記長さTh、Tcを段階的に変化させる変化量を各々ΔTh,ΔTcとしたとき、ΔTc=−2ΔThなる関係で変化させるようにした、ことを特徴とする請求項記載の光情報記録装置。
  8. 1次関数として近似に用いる前記アシンメトリの測定範囲を、
    (A1−A2)>0.2、及び
    (A1−A2)<−0.2
    とする、ことを特徴とする請求項5ないし7の何れか一記載の光情報記録装置。
  9. 請求項1記載の発明の光情報記録方法に用いられる光情報記録媒体であって、
    初期の最適なパラメータ情報として、照射パワーPw,Pe、アシンメトリA1,A2、又は、その差(A1−A2)のうちの少なくとも一つの値が予めプリフォーマットされていることを特徴とする光情報記録媒体。
  10. 請求項2又は3記載の発明の光情報記録方法に用いられる光情報記録媒体であって、
    初期の最適なパラメータ情報として、長さTh,Tc、アシンメトリA1,A2、又は、その差(A1−A2)のうちの少なくとも一つの値が予めプリフォーマットされていることを特徴とする光情報記録媒体。
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