JP4390608B2 - 炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は炭素繊維およびその製造方法に関し、さらに詳しくは炭素繊維の表面に難黒鉛性炭素前駆体から得られる低温焼成炭素化合物が少なくともその表面に露出した、導電性に優れた炭素繊維およびその製造方法に関する。
従来の炭素材料は、例えば電気二重層キャパシタとして使用する場合においては、静電容量には炭素材料表面に形成された細孔の細孔直径2nm以上の比表面積部分が関与しているといわれている。また、硫酸水溶液を溶媒とする水溶液系キャパシターでも、高電流密度、低温での性能は炭素材料表面に形成された細孔の細孔直径2nm以上の比表面積部分が静電容量に寄与していると考えられている。このため、細孔直径が2nm以上の細孔を有する炭素材料の製造が望まれている。
一方で、炭素材料は集電効果を少しでも上げるために導電性の高いものが望まれているが、しかしながら上記のような細孔を有する炭素材料は一般に賦活処理の容易なフェノール樹脂や等方ピッチなどの難黒鉛性炭素前駆体を前駆体として用いるため、その他の炭素前駆体から得られた炭素繊維と比べて導電性が低いという問題点があった。
これを補う方法として一般に黒鉛性粒状物を繊維中に添加することも行われるが、これらはその形状から接触抵抗が発生しやすく、その結果集電率が低下するとい問題点があった。
上記を解決する方法として、例えば炭素質原料を水蒸気賦活したものをさらにアルカリ賦活する、あるいは炭素質原料を炭化した後、酸化処理し、さらにアルカリ賦活することで、細孔径2nm以上のメソ孔の比表面積が1000m/g以上である活性炭を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ピッチ、フェノール樹脂等の炭素前駆体に希土類金属錯体を添加し、水蒸気賦活することによりメソ孔の発達した活性炭を製造する方法などが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、これらの方法で得た活性炭は粒状であるため、成型性・加工性が悪いといった問題があった。また、従来の繊維状活性炭は先に述べたように、その繊維径が5〜20μmであって、見かけの表面積は小さく、さらなる繊維径の極細化が望まれていた。
炭素繊維径を小さくする方法として、メルトブロー法によるピッチ系炭素繊維の製造方法は知られており、例えばパイプ状の紡糸ピッチノズルの周囲に同心円状に配置したガス流路管から気体を噴出させることにより、吐出された繊維状ピッチの細径化を図る方法(例えば、特許文献2を参照。)、ピッチ吐出ノズル列の両側にスリット状の気体噴出孔を設け、噴出孔から噴出したピッチに接触させることで繊維状ピッチの細径化を図る方法(例えば、特許文献3を参照。)などが開示されている。
さらに、これらの方法では、従来よりも繊維径の細い炭素繊維を製造することができるが、これらの方法で得られる炭素繊維の繊維径は平均で1〜5μm程度であり、これよりも細い極細炭素繊維からなる不織布を得ることは実質上困難であった。
特開平8−119614号公報 特許第2680183号公報 特開2000−8227号公報 第29回炭素材料学会年会要旨集(2002)92頁
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題を解決し、成型、加工性と導電性とを兼備する炭素繊維を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記の炭素繊維を効率よく得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の目的は、
炭素化合物と低温焼成炭素化合物とから構成され、低温焼成炭素化合物が少なくともその表面に露出した炭素繊維によって達成される。
更に、本発明には、低温焼成炭素化合物が、多孔質炭素化合物であること、広角X線測定で評価した網平面間の距離(d002)が0.335nm〜0.360nmの範囲にあり、網平面群の厚さ(Lc)が1.0nm〜150nmの範囲にあり、繊維径が0.001μm〜2μmの範囲にあって、かつ実質的に分岐構造を有さないこと、繊維表面に径が0.1〜200nmの範囲にある細孔を有し、かつ全比表面積が100〜50000m/gの範囲にあることが包含される。
また、本発明の他の目的は、
液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体繊維もしくはそれより製造される炭素繊維に対し、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体を溶融状態もしくは溶液状態で接触させ、その後焼成処理を行う、炭素繊維の製造方法により達成され、熱可塑性炭素前駆体繊維が、液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と熱可塑性樹脂との混合物から製造されることが包含される。
また、本発明の他の目的は、
液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体とを溶融混練したのち口金より紡糸し、その後焼成処理を行う、炭素繊維の製造方法によっても達成され、前記口金より紡糸する以前の任意の段階で、熱可塑性炭素前駆体と難黒鉛性炭素前駆体との溶融混練時にさらに、熱可塑性樹脂を供給して溶融混練した後、口金より紡糸することが包含される。
更に、本発明の目的は、
液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体とを、各々溶融状態で紡糸口金内にて接触させたのち複合紡糸口金より紡糸し、その後焼成処理を行う、炭素繊維の製造方法によっても達成され、前記複合紡糸口金内に、更に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給し、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体と紡糸口金内で接触させたのち複合口金より紡糸することも包含される。
更に、本発明の製造方法には、前記のいずれかの紡糸口金よりの紡糸をメルトブロー法により行うこと、前記焼成処理を1500℃以下で行い、次いで賦活処理を行うこと、熱可塑性炭素前駆体が液晶ピッチであること、が包含される。
本発明によれば、成型、加工性と導電性とを兼備する炭素繊維を提供することができ、本発明の炭素繊維またはこれを含む繊維構造体は、高い導電性を有するので、例えば成型性、加工性、集電性に優れた電極材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明における炭素繊維とは、炭素化合物と、低温焼成炭素化合物とから構成され、低温焼成炭素化合物が少なくともその表面に露出した炭素繊維である。
ここで、炭素化合物とは、液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体から製造された炭素化合物であり、低温焼成炭素化合物とは、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体から得られる化合物である。
また、低温焼成炭素化合物は、多孔質炭素化合物であることが好ましく、このようにすることによって、電極材料にする際の賦活処理が容易なものとなる。
ここで、低温焼成炭素化合物とは、1500℃以下で焼成されて得られた炭素化合物を意味する。
また、炭素繊維全体としては、炭素化合物の表面部分と低温焼成炭素化合物の表面部分とを兼備するため、得られる炭素繊維は両者を併せて有しており、電気二重層キャパシタなどの電極材料に適した炭素材料である。
更に、炭素繊維の複合形態としては、低温焼成炭素化合物がその表面に露出する限り、いかなる形態であってもよく、具体的には、例えば、炭素化合物が繊維状に形成され、低温焼成炭素化合物がその繊維表面の一部または全部を覆っている形態や、低温焼成炭素化合物と炭素化合物とがサイドバイサイド型に複合している形態などを挙げることができる。
本発明の炭素繊維は、広角X線測定で評価した網平面間の距離(d002)が0.335nm〜0.360nmの範囲にあり、網平面群の厚さ(Lc)が1.0nm〜150nmの範囲にあり、繊維径が0.001μm〜2μmの範囲にあって、かつ実質的に分岐構造を有さない事が好ましい。
炭素繊維の繊維径が0.001μm未満であると、かさ密度が小さくハンドリングの観点から好ましくない。一方2μmを越えると比表面積が小さくなり、炭素繊維表面における低温焼成炭素化合物の絶対的な占有面積が小さくなるなどといった問題があり好ましくない。
また、前記網平面間の距離(d002)が0.335nm〜0.360nmの範囲を逸脱すると、炭素繊維の強度が著しく低下してしまい、一方、前記網平面群の厚さ(Lc)が1.0nm未満であると、炭素繊維の弾性率が著しく低下してしまい、また前記網平面群の厚さ(Lc)が150nmを超えると、炭素繊維の弾性率は著しく高くなるものの、強度が著しく低下する。高強度、高弾性率の炭素繊維として、より好ましい範囲は網平面間の距離(d002)が0.335nm〜0.340nmの範囲にあり、網平面群の厚さ(Lc)が10nm〜130nmの範囲にあることである。
本発明の炭素繊維は、繊維表面に径が0.1〜200nmの細孔を有し、且つ全比表面積が100〜50000m/gの範囲にあることが好ましい。
ここで、炭素繊維表面の細孔直径および全比表面積が上記の範囲内にあるときには、電極材料としての能力が更に高いものとなる。該細孔直径の更に好ましい範囲は0.3〜150nmであり、全比表面積のより好ましい範囲としては500〜50000m/g、さらには1000〜50000m/gである。
本発明においては、上記の炭素繊維を少なくとも含む繊維構造体とすることもでき、本発明の炭素繊維単独の集合体からなる繊維構造体、本発明の範囲内で異なる炭素繊維の集合体からなる繊維構造体、本発明の炭素繊維と他の繊維とを混合した繊維構造体を得ることができる。
また、本発明では炭素繊維が集合しているだけでは無く、編物、織物、不織布といった形状に加工された繊維構造体も含まれる。
更に、繊維構造体は、例えば電気二重層キャパシタ用電極材料として使用した場合、成形性、加工性の点から好ましく使用でき、生産性の点から不織布である事が好ましい。
次いで、本発明の炭素繊維を製造するための好ましい態様について説明する。
本発明の炭素繊維を製造するための一つの態様は、液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体繊維もしくはそれより製造される炭素繊維に対し、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体を溶融状態もしくは溶液状態で接触させ、その後焼成処理を行って、炭素繊維を得るものである。
本発明の製造方法に用いる熱可塑性炭素前駆体はいずれもいわゆる易黒鉛化性炭素前駆体であり、焼成処理後に他の炭素前駆体からなる炭素化合物と比べて比較的高い導電性を発現しうる。これらの中でも一般的に高強度、高弾性率、および高炭化収率の期待されるメソフェーズピッチが好ましい。なお、メソフェーズピッチとは溶融状態において光学的異方性相(液晶相)を形成しうる化合物を指す。
メソフェーズピッチの原料としては石炭や石油の蒸留残渣を使用してもよく、有機化合物を使用しても良いが、安定化や炭素化もしくは黒鉛化のしやすさから、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料としたメソフェーズピッチを用いるのが好ましい。
また、難黒鉛性炭素前駆体とはポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の炭素前駆体であって、これを焼成して得られるものは低温焼成炭素化合物である。
本発明の製造方法では、難黒鉛性炭素前駆体を溶融状態もしくは溶液状態にして、熱可塑性炭素前駆体繊維に接触、付着させた後焼成するか、前記熱可塑性炭素前駆体繊維を焼成して得られる炭素繊維に溶融状態もしくは溶液状態の難黒鉛性炭素前駆体を接触、付着させることによって、本発明の炭素繊維を得ることができ、得られた炭素繊維は、炭素化合物と低温焼成炭素化合物とから構成され、低温焼成炭素化合物が少なくともその表面に露出したものである。なお、難黒鉛性炭素前駆体が均一に付着しやすいと言う観点から、溶液状態で接触させることが好ましい。
ここで、熱可塑性炭素前駆体繊維が、液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と熱可塑性樹脂との混合物から製造されるものであることが好ましい。このようにすることによって、最終的に得られる炭素繊維の繊維径を小さくすることができる。
すなわち、海成分としての熱可塑性樹脂中に、島成分としての熱可塑性炭素前駆体をミクロ分散させた状態で紡糸し、熱可塑性炭素前駆体(島成分)を安定化させ、その後熱可塑性樹脂(海成分)を除去することで繊維径の小さい炭素繊維を得る事ができる。
ここで、熱可塑性樹脂は、安定化前駆体繊維を製造後、容易に除去される必要がある。このため、酸素または不活性ガス雰囲気下、350℃以上600℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の15wt%以下、より好ましくは10wt%以下、さらには5wt%以下にまで分解する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が好ましく使用される。これらの中でもガス透過性が高く、容易に熱分解しうる熱可塑性樹脂として、例えば下記式(I)で表されるポリオレフィン系の熱可塑性樹脂やポリエチレンなどが好ましく使用される。
Figure 0004390608
上記式(I)で表される化合物の具体的な例としては、ポリ−4−メチルペンテン−1やポリ−4−メチルペンテン−1の共重合体、例えばポリ−4−メチルペンテン−1にビニル系モノマーが共重合したポリマーなどや、ポリエチレンを例示することができ、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンの単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレンと他のビニル系単量体との共重合体等が挙げられる。
エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。他のビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステルなどが挙げられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂は熱可塑性炭素前駆体と容易に溶融混練できるという点から、非晶性の場合、ガラス転移温度が250℃以下、結晶性の場合、結晶融点が300℃以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の使用量としては、熱可塑性炭素前駆体100重量部に対し50〜10000重量部、好ましくは100〜2000重量部を使用しうる。
また、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とのミクロ分散は一般的な混練機であれば特に限定は無く行うことができるが、分散径をより小さくするという点から同方向回転型二軸式混練機が好ましく使用しうる。
ミクロ分散に要する温度、時間としては、使用する熱可塑性樹脂および熱可塑性炭素前駆体によるが、一般的には温度は100℃〜400℃であり、時間は0.5〜20分間で行うのが好ましい。これら範囲を逸脱すると熱可塑性樹脂の分解、生産性の低下などの理由により好ましくない。また雰囲気としては熱可塑性炭素前駆体の変性を抑制するという目的からできるだけ酸素ガス含有量を低下させた雰囲気であることが好ましい。
ミクロ分散にて達成される熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中での分散径は0.01〜50μmであることが好ましく、0.01〜30μmであることがさらに好ましい。分散径が0.01〜50μmの範囲を逸脱すると、所望の炭素繊維を製造することが困難となることがある。
本発明の炭素繊維を製造するための異なる態様は、前述の熱可塑性炭素前駆体と難黒鉛性炭素前駆体とを溶融混練したのち口金より紡糸し、その後焼成処理を行って炭素繊維を得るものである。
このようにすることによって得られる炭素繊維は、その表面に低温焼成炭素化合物が付着しているだけではなく、得られる炭素繊維内部にまで入り込んでおり、低温焼成炭素化合物の存在割合を多いものとすることができる他、低温焼成炭素化合物と炭素化合物との剥離、脱落等の懸念が無いものとなる。
更に、前記口金より紡糸する以前の任意の段階で、熱可塑性炭素前駆体と難黒鉛性炭素前駆体との溶融混練時にさらに、熱可塑性樹脂を供給して溶融混練した後、口金より紡糸することもでき、この場合には最終的に得られる炭素繊維の繊維径を小さくすることが出来るほか、供給する熱可塑性樹脂量により、最終的に得られる炭素繊維の密度を制御することができるので好ましい。
本発明の炭素繊維を製造するための更に異なる態様は、前記熱可塑性炭素前駆体と、前記難黒鉛性炭素前駆体とを、各々溶融状態で紡糸口金内にて接触させたのち複合紡糸口金より紡糸し、その後焼成処理を行って炭素繊維を得るものである。
ここで用いることのできる複合紡糸口金の複合形態としては、芯鞘型、偏芯芯鞘型、海島型(多芯芯鞘型)をはじめ、サイドバイサイド型、割繊型、およびこれらの複合型等の複合微細構造を有する口金を、本発明の目的を奏する限り、いずれを用いることもできるが、熱可塑性熱可塑性炭素前駆体を芯成分として配し、難黒鉛性炭素前駆体を鞘成分として配したる芯鞘型複合繊維を製造する事が好ましく、このようにして得られた芯鞘型複合繊維をその後焼成することにより、本発明が目的とする炭素繊維を得る事ができる。
また、前記複合紡糸口金内に、更に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給し、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体と紡糸口金内で接触させたのち複合口金より紡糸することもでき、熱可塑性樹脂、熱可塑性炭素前駆体、難黒鉛性炭素前駆体の三元複合紡糸により、所望とする複合繊維を製造することができ、例えば、最終的に得られる炭素繊維の繊維径を小さくすることが出来るほか、供給する熱可塑性樹脂量により、最終的に得られる炭素繊維の密度、炭素化合物と低温焼成炭素化合物との複合形状を制御することができるので好ましい。
本発明のいずれの製造方法においても、焼成処理を行うが、本発明において焼成処理とは熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体を高温処理し炭素化する方法であるが、安定化処理工程、熱可塑性樹脂除去工程、高温焼成工程からなる。
安定化処理工程とは熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体を安定化処理に付して形状を安定化させる工程である。この工程は形状の整った複合繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず炭素化を行った場合、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題が生じる。
該安定化の方法としては酸素などのガス気流処理、酸性水溶液などの溶液処理など公知の方法で行う事ができるが、生産性の面からガス気流下での不融化が好ましい。使用するガス成分としては浸透性、吸着性、安定化処理時間の点から酸素および/またはハロゲンガスを含む混合ガスである事が好ましい。ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、沃素ガスを挙げることができるが、これらの中でも臭素ガス、沃素ガス、特に沃素ガスが好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、温度50〜350℃、好ましくは80〜300℃で、5時間以下、好ましくは2時間以下で所望のガス雰囲気中で処理する事が好ましい。
また、上記安定化工程により熱可塑性炭素前駆体の軟化点は著しく上昇するが、所望の複合繊維を得るという目的から軟化点が400℃以上となる事が好ましく、500℃以上である事がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂除去工程とは、熱可塑性樹脂を使用した時にのみ行う工程であり、熱可塑性樹脂を熱分解除去させる工程であり、具体的には安定化させた熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体のみを分離し、熱可塑性樹脂のみを熱分解させる工程である。
熱可塑性樹脂の除去は、酸素存在雰囲気および不活性ガス雰囲気のどちらでもよい。酸素存在雰囲気で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う酸素存在雰囲気下とは、酸素濃度が1〜100%のガス雰囲気を指しており、酸素以外に二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガスや、沃素、臭素等の不活性ガスを含有していても良い。これら条件の中でも、特にコストの関係から空気を用いることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のときには熱分解を充分行うことができず好ましくなく、また600℃以上であると熱可塑性樹脂の熱分解は充分行うことができるものの、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体の熱分解も起こってしまうため好ましくない。
熱可塑性樹脂を分解する温度としては、酸素雰囲気下380〜500℃であることが好ましく、特に400〜450℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。
上記処理を施すことで、熱可塑性樹脂は使用した初期重量の15wt%以下にまで分解される。また安定化された熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体は使用した初期重量の80wt%以上が残存する。
また、不活性ガス雰囲気下で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う不活性ガス雰囲気下とは、酸素濃度30ppm以下、より好ましくは20ppm以下の二酸化炭素、窒素、アルゴン等のガスをさす。なお、沃素、臭素等のハロゲンガスを含有していても良い。
また、本工程で使用する不活性ガスとしては、コストの関係から二酸化炭素と窒素が好ましく用いることができ、特に窒素が好ましい。
熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のときには熱分解を充分行うことができず好ましくない。また600℃以上であると熱分解は充分行うことができるものの、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体の熱分解も起こってしまい好ましくない。
安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を分解する温度としては、不活性ガス雰囲気下380〜550℃とすることが好ましく、特に400〜530℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。上記処理を施すことで、使用した熱可塑性樹脂の初期重量の15wt%以下にまで分解される。また、安定化された熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体は使用した初期重量の80wt%以上が残存する。
また熱可塑性樹脂を除去する別の方法として、熱可塑性樹脂を溶剤で除去する方法を採択しても良い。この方法では、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体の溶剤への溶解をできるだけ抑え、かつ熱可塑性樹脂を分解除去し、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体のみを分離する必要がある。熱可塑性樹脂を溶剤で除去する温度としては、50〜250℃、さらには80〜200℃が特に好ましい。
高温焼成工程とは、安定化された熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体を炭素化する工程であり、具体的には安定化させた熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体を不活性ガス雰囲気下で高温処理する工程である。
安定化処理工程、また必要により熱可塑性樹脂除去工程を経た安定化された熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化し目的とする複合繊維を製造するものである。
高温焼成工程は一般に炭素化もしくは黒鉛化といわれる公知の方法で行うことができる、使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等があげられ、温度は500℃〜3500℃、好ましくは800℃〜3000℃である。
なお高温焼成する際の酸素濃度は20ppm以下、さらには10ppm以下であることが好ましい。上記の方法を実施することで、本発明の炭素繊維を得る事ができる。
また本発明のいずれの製造方法においても、口金よりの紡糸をメルトブロー法により行うことが好ましい。このように行うことによって、最終的に得られる炭素繊維も不織布状のものとなるので、取り扱い性が格段に向上する。
メルトブロー法では紡糸口金より吐出される溶融物に対して高温ガスをブローし不織布を得るが、ここで、メルトブローの条件としては、吐出口金温度が150〜400℃、ガス温度が150〜400℃の範囲が好適に用いられる。メルトブローの気体噴出速度は所望とする繊維径に依存するが、気体噴出速度は、通常2000〜100m/sであり、より好ましくは1000〜200m/sである。
メルトブロー法にて紡糸された繊維の繊維径は一般に10μm以下と通常の紡糸繊維と比べて細いため、その後の安定化処理工程が効率的に実施できるという点、また成形性や取り扱い性に優れた繊維構造体を効率的に製造できるという点から、電極材料の製造方法として得に好ましい方法である。
更に、本発明の製造方法においては、前記の焼成処理を1500℃以下で行う、次いで賦活処理を行うことが好ましい。
この賦活方法としては通常の賦活方法、水蒸気賦活やアルカリ賦活あるいはこれら二つの方法を組み合わせた方法により製造することができる。
水蒸気賦活の方法としては、通常の粒状活性炭の賦活方法であり、水蒸気の存在下で700℃〜1500℃の温度で行なわれる。より好ましい温度範囲は、800℃〜1300℃である。賦活処理の時間としては、3〜180分間実施するのが良い。
該賦活処理の時間が3分未満であると、比表面積が著しく低下し好ましくない。一方、180分より長時間であると、生産性の低下を引起こすだけでなく、炭化収率を著しく低下させるため好ましくない。
アルカリ賦活の方法としては原料に水酸化アルカリや炭酸アルカリを含浸させ、所定の温度域まで等速昇温させることにより活性炭を得る手法である。アルカリ賦活で用いられる賦活剤としては、例えばKOH、NaOH等のアルカリ金属の水酸化物、Ba(OH)等のアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられるが、これらの中でもKOH、NaOHが好ましい。アルカリ賦活する時の条件は、用いる賦活剤により異なるため一概に言えないが、例えばKOHを用いた場合には温度400〜1000℃、好ましくは550〜800℃まで昇温する。
アルカリ賦活の処理時間も昇温速度、処理温度に応じて適宜選定すればよいが、550〜800℃で1秒間〜数時間、好ましくは1秒間〜1時間であることが好ましい。賦活剤は通常水溶液の状態として用いられ、濃度としては0.1〜90wt%程度が採用される。
賦活剤の水溶液濃度が0.1wt%未満であると、高比表面積の不織布を製造することができず好ましくない。また、90wt%を超えると、高比表面積の不織布を製造することができないだけでなく、炭化収率を低減させるため好ましくない。より好ましくは1〜50wt%である。
なお、賦活工程は焼成処理の前に行ってもよく、また必要に応じて焼成処理工程を2回に分け、その途中で賦活処理を行ってもよい。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
熱可塑性樹脂中の熱可塑性炭素前駆体の分散粒子径および不織布を構成する炭素繊維の繊維径は、走査電子顕微鏡S−2400(株式会社日立製作所製)にて測定した。
[実施例1]
熱可塑性樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(TPX:グレードRT-18[三井化学株式会社製])100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学株式会社製)10部を同方向二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して混合物を作成した。この条件で得られた混合物の、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった。
次いで、上記混合物をメルトブロー法により紡糸して不織布を作成したが、その際には、340℃で吐出孔より吐出し、吐出孔直下で360℃、500m/分の空気を溶融状態にある繊維に吹き付けることで、繊維径0.5〜5μmの不織布を作成した。
この不織布100重量部に対して5重量部の沃素が含有されるように、空気とともに1リットル容積の耐圧ガラス内に仕込み、180℃で20時間保持して安定化処理を施すことで、安定化された不織布を作成した。
次に、安定化された不織布を窒素ガス雰囲気下、昇温速度5℃/分で550℃まで昇温することで熱可塑性樹脂を除去して熱可塑性炭素前駆体からなる不織布を作成した。この繊熱可塑性炭素前駆体からなる不織布をアルゴンガス雰囲気下、室温から3時間で2800℃まで昇温することで炭素化された不織布を作成した。得られた炭素化された不織布の平均繊維径は400nmであった。
得られた炭素化された不織布を10%のポリアクリロニトリルDMF溶液に浸漬し、DMFを溜去をした後空気下で250℃、3時間保持してポリアクリロニトリルの安定化処理を行った。その後水蒸気による賦活処理を850℃、1時間行うことにより、目的とする炭素繊維を含む繊維構造体を得た。この繊維構造体の比表面積を測定したところ、1100m/gであった。
[実施例2]
島成分を40個含む海島型複合紡糸口金(島相重量:海相重量)=(70:30)を用い、島成分の熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学株式会社製)を用い、海成分の難黒鉛性炭素前駆体として等方ピッチを用い、これらを各々溶融状態で紡糸口金にて接触させた後、口金よりメルトブロー法により不織布を作成した。その際には、340℃で吐出孔より吐出し、吐出孔直下で350℃空気を溶融状態にある繊維に吹き付けた。得られた不織布の繊維径は0.5〜5μmであり、その中に含まれる島成分である繊維状熱可塑性炭素前駆体の平均直径は700nmであった。
この不織布100重量部に対して5重量部の沃素が含有されるように、空気とともに1リットル容積の耐圧ガラス内に仕込み、180℃で10時間保持し、その後窒素ガス雰囲気下、昇温速度5℃/分で500℃まで昇温することにより熱可塑性炭素前駆体および難黒鉛性炭素前駆体の安定化処理を行った。
次に水蒸気による賦活処理を850℃、1時間行い、その後2800℃まで昇温することにより目的とする繊維構造体を得た。
得られた繊維構造体の平均繊維径は600nmであり、比表面積は1000m/gであった。
本発明の炭素繊維は、電極材料、例えば電気二重層キャパシタの電極材料として好適に使用でき、特にメルトブロー法等により製造された繊維構造体は成形性、加工性、生産性の点から特に好適に使用しうる。
また用途によってはミリング処理等によりフィラー形状として使用することも好ましく実施しうる。

Claims (16)

  1. 繊維径が0.001μm〜2μmの範囲にあって、炭素化合物と、多孔質炭素化合物であり、1500℃以下で焼成されて得られた低温焼成炭素化合物とから構成され、低温焼成炭素化合物が少なくともその表面に露出し、全比表面積が1000〜50000m /gの範囲にある炭素繊維。
  2. 広角X線測定で評価した網平面間の距離(d002)が0.335nm〜0.360nmの範囲にあり、網平面群の厚さ(Lc)が10nm〜130nmの範囲にありかつ実質的に分岐構造を有さない請求項1記載の炭素繊維。
  3. 繊維表面に径が0.1〜200nmの範囲にある細孔を有する請求項1〜のいずれか記載の炭素繊維。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の炭素繊維を少なくとも含む繊維構造体。
  5. 液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体繊維もしくはそれより製造される炭素繊維に対し、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体を溶融状態もしくは溶液状態で接触させ、その後焼成処理を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  6. 熱可塑性炭素前駆体繊維が、液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と熱可塑性樹脂との混合物から製造される、請求項に記載の炭素繊維の製造方法。
  7. 液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体とを溶融混練したのち口金より紡糸し、その後焼成処理を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  8. 前記口金より紡糸する以前の任意の段階で、熱可塑性炭素前駆体と難黒鉛性炭素前駆体との溶融混練時にさらに、熱可塑性樹脂を供給して溶融混練した後、口金より紡糸する、請求項記載の炭素繊維の製造方法。
  9. 液晶ピッチ、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体と、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、等方性ピッチより選ばれる少なくとも一種の難黒鉛性炭素前駆体とを、各々溶融状態で紡糸口金内にて接触させたのち複合紡糸口金より紡糸し、その後焼成処理行う、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  10. 前記複合紡糸口金内に、更に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給し、熱可塑性炭素前駆体および/または難黒鉛性炭素前駆体と紡糸口金内で接触させたのち複合口金より紡糸する、請求項記載の炭素繊維の製造方法。
  11. 前記紡糸口金よりの紡糸をメルトブロー法により行う、請求項7〜10のいずれか記載の炭素繊維。
  12. 前記焼成処理を1500℃以下で行い、次いで賦活処理を行う、請求項10〜11のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  13. 熱可塑性炭素前駆体が液晶ピッチである、請求項5〜12のいずれか記載の炭素繊維の製造方法。
  14. 請求項1記載の炭素繊維からなる電極。
  15. 請求項14に記載の電極を用いた電池。
  16. 請求項1記載の炭素繊維の電極材料としての使用方法。
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