JP4390194B2 - 偏向ミラー、偏向ミラー製造方法、光書込装置及び画像形成装置 - Google Patents

偏向ミラー、偏向ミラー製造方法、光書込装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロマシニング技術を応用した偏向ミラーと、それを用いる光書込装置及び画像形成装置に関する。より詳細には、本発明は、梁により支持されたミラー基板を静電力を利用して駆動し、ミラー基板を梁を軸として往復振動させる構成の偏向ミラーと、それを用いる光書込装置及び画像形成装置に関する。
非特許文献1に記載されている偏向ミラーでは、一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させる。マイクロマシンニング技術によって作成されるこの偏向ミラーは、モーターによりポリゴンミラーを回転させる構成の光走査装置と比較し、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能であるため、小型化が容易で製造コストも低い。また、ポリゴンミラーは複数のミラー面を利用するためミラー面毎の精度のばらつきの問題があるが、ミラー面が1つの偏向ミラーには、そのような問題はない。さらに偏向ミラーは、往復走査による高速走査に容易に対応できる。
このような静電駆動の偏向ミラーとして、梁をS字型として剛性を下げ、小さな駆動力で大きな振れ角が得られるようにしたもの(特許文献1参照)、梁の厚さをミラー基板、フレーム基板よりも薄くしたもの(特許文献2参照)、駆動電極をミラー部の振動方向に重ならない位置に配置したもの(特許文献3,非特許文献2参照)、また、駆動電極をミラーの振れの中心位置から傾斜させて設置することで、ミラーの振れ角を変えずに駆動電圧を下げたもの(非特許文献3参照)が知られている。
以上の偏向ミラーは静電引力を用いて駆動するものであるが、駆動手段として電磁力や圧電素子を利用する偏向ミラーも考案されている。
一般に、これらの偏向ミラーは、低エネルギーで大きな振れ角が得られるように、ミラー基板とねじり梁の材質、形状、寸法で決まる構造体の共振周波数でミラー基板を振動させるように駆動する。
特許第2924200号公報 特開平7-92409号公報 特許第3011144号公報 K.E.Petersen,"Silicon Tortional Scanning Mirror",IBM Journal of Research and Development 24,1980,pp.631-637 Harald Schenk,"An Electrostatically Excited 2D-Micro-Scanning-Mirror with an In-Plane configuration of theDriving Electrodes",The 13th Annual International Workshop on MEMS 2000,(2000),pp.473-478 Harald Schenk,"An Electrostatically Excited 2D-Micro-Scanning-Mirror with an In-Plane configuration of the Driving Electrodes",The 13th Annual International Workshop on MEMS 2000,(2000), pp.645-650
ミラー基板の自由端部(梁と結合されていない側の端部)に対向させて駆動用固定電極を設けるタイプの偏向ミラーは、ミラー基板の自由端部(可動電極として作用する部位)と固定電極とを互いに微小ギャップを介し噛み合う櫛歯状に形成することにより、駆動用の電極面積を広くとることができる。本願出願人は、このような櫛歯状電極を用いる偏向ミラーに係る発明を既に特許出願しており、例えば特願2003−143326号によって、櫛歯状固定電極を上下2段に分割した構造とし、ミラー基板が共振点から外れても安定した大きな振れ角で往復振動する偏向ミラーの発明を特許出願している。
ここで、ミラー基板の自由端部(可動電極)と固定電極との間の静電力をf、角速度をω、ミラー基板の振動空間の粘性抵抗をδ、ミラー基板の慣性モーメントをIとすると、ミラー基板の振れ角θは次式
θ=fK(ω,δ)/I
で与えられる。したがって、静電力を増せば振れ角θも増加する。
静電力fは、真空の誘電率をεo、電極間の電圧をV、電極間のギャップ長をd、電極面積をSとすると次式
f=1/2εo(V/d)^2S
で与えられる。この式より、静電力を大きくするためには、電極面積を大きくし、また、電極間のギャップを狭くすればよいことがわかる。
さて、ミラー基板は、慣性モーメントにより振動時に変形が生じる。ミラー基板の変形は、ミラー基板による反射光ビームの品質に直接影響を与えるため、レーザープリンタ等の書き込み光学系などの高精度のビーム径・強度分布を要求される用途に利用する偏向ミラーの場合は、ミラー基板の変形を極力抑える必要となる。そのためには、ミラー基板を厚くして剛性を高めるのが有効であるが、ミラー基板の質量増加により慣性モーメントも同時に増大することから、駆動に必要な静電力が増大し、駆動電圧が高電圧化するという問題がある。
よって、本発明の目的は、光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、及び、該梁を介してミラー基板を支持する支持部材とが一体構造をなし、ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極と、支持部材に形成された可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極とを有し、ミラー基板が可動電極と固定電極の間の静電力によって駆動され梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、その製造を難しくすることなく、ミラー基板の振動時の変形を抑えるために必要なミラー基板の板厚を確保しつつ駆動電圧の低電圧化を図ることにある。本発明の他の目的は、本発明による改良された偏向ミラーを光ビームの偏向手段として用いた、改良された光書込装置及び画像形成装置を提供することにある。
請求項1の発明は、光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、前記固定電極及び前記可動電極が、その厚さ方向の一方の端側が他方の端側より幅が狭い同じ向きの台形状の断面形状を有することを特徴とする偏向ミラーである。
請求項2の発明は、光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、前記固定電極は前記可動電極より厚さが大きく、前記固定電極は、前記ミラー基板の静止時に前記可動電極と対向しない領域に、前記可動電極と対向する領域より幅の広い部分を有することを特徴とする偏向ミラーである。
請求項3の発明は、前記固定電極が、厚さ方向の途中に段差を有し、該段差を境に幅が異なることを特徴とする請求項2に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項4の発明は、前記固定電極が、前記段差の位置を境界として厚さ方向に2分割され、該2分割された各部分は相互に絶縁分離されていることを特徴とする請求項3に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項5の発明は、前記固定電極の前記2分割された各部分のためのコンタクトパッド及び前記可動電極のためのコンタクトバッドが同じ面側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項6の発明は、光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、前記可動電極は前記固定電極より厚さが大きく、前記可動電極は、前記ミラー基板の静止時に前記固定電極と対向しない領域に、対向する領域より幅の大きい部分を有することを特徴とする偏向ミラーである。
請求項7の発明は、前記可動電極が、厚さ方向の途中に段差を有し、該段差を境に幅が異なることを特徴とする請求項6に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項8の発明は、少なくとも前記可動電極及び前記固定電極が単結晶シリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項9の発明は、前記ミラー基板の振動空間を減圧状態に封止する封止手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の発明による偏向ミラーである。
請求項10の発明は、請求項2,3,4,6又は7に記載の発明による偏向ミラーの製造方法であって、2枚のシリコン基板を絶縁層を介し接合してなる基板の両面からの位置合わせ及び高密度プラズマエッチングにより、前記偏向ミラーの可動電極及び固定電極を形成することを特徴とする偏向ミラー製造方法である。
請求項11の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の発明による偏向ミラーと、該偏向ミラーのミラー基板のミラー面に光ビームを入射させる手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させる手段と、を有することを特徴とする光書込装置である。
請求項12の発明は、像担持体と、該像担持体を記録信号により変調された光ビームにより走査する光書込装置とを備え、前記像担持体に前記光ビームの走査により静電潜像が形成される画像形成装置において、前記光書込装置が請求項11に記載の発明による光書込装置からなることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の実施の形態に関連して後に具体的に詳述するように、(1)請求項1乃至9記載の発明によれば、ミラー基板の振動時の変形が抑制され偏向後のレーザ光ビームのビーム径や強度分布の変動が少なく、かつ、低電圧で駆動可能で、製造が格別困難でない、改良された偏向ミラーを実現することができる。(2)請求項5記載の発明によれば、偏向ミラーの実装形態がシンプルになる。(3)請求項9記載の発明によれば、ミラー基板の振動時の粘性抵抗を減らし駆動電圧をさらに低電圧化でき、また、外部からの塵芥等の侵入を防止し偏向ミラーの信頼性を高めることができる。(4)請求項11記載の発明によれば、ビーム径や強度分布の変動の少ない光ビームによる高速書き込みが可能で、静粛性・省電力性の面で優れ、コンパクトな光書込装置を実現できる。(5)請求項12記載の発明によれば、高速・高画質の画像形成が可能で、静粛性・省電力性の面で優れた画像形成装置を実現できる、等の効果を得られる。
まず、本発明に係る偏向ミラーに関し実施の形態を説明する。
本発明の一実施例に係る偏向ミラーの構成を図1及び図2により説明する。図1において、(a)は偏向ミラーの概略平面図、(b)は偏向ミラーのA−A’線概略断面図である。また、図2において、(a)は偏向ミラーの電極部の部分拡大平面図、(b)はそのB−B’線部分概略断面図である。
本実施例に係る偏向ミラーは、酸化膜201を介して接合された低抵抗の単結晶シリコン基板202と中抵抗の単結晶シリコン基板203によって一体的に形成されている。単結晶シリコン基板は、高精度の微細加工が可能であるとともに、弾性体として使用するうえで適度な剛性をもち、かつ、低抵抗することで基板自体を電極として用いることができる利点があるため、本実施例に係る偏向ミラーも単結晶シリコン基板を用いて実現される。
本実施例に係る偏向ミラーは、ミラー基板200と、その対向した2つの端部の中央部を両側から支持するために一直線上に配された2本の梁204,204と、ミラー基板200を周囲から取り囲み、2本の梁204,204を介してミラー基板203を支持する枠部205とが一体構造をなし、この一体構造は単結晶シリコン基板202から一体形成されている。ミラー基板200は、梁204,204をねじり回転軸として揺動可能である。ミラー基板200と梁204,204の寸法は、偏向ミラーとして必要な共振周波数が得られるように設定されている。
ミラー基板200の一面には、使用する光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面206が形成されている。また、枠部205は、単結晶シリコン基板202を貫通するスリット207,208,209により、ミラー基板200と電気的に導通した領域210と、ミラー基板200とは絶縁された領域211とに絶縁分離され、領域210,211には表面の酸化膜を除去してシリコン基板202の面を露出させ、金属薄膜からなるコンタクトパッド212,213がそれぞれ形成されている。
ミラー基板200の梁で支持されていない側の対向した端部(自由端部)に、櫛歯状の可動電極214,215が形成されている。この可動電極214,215と対向する枠部205の部位に櫛歯状の固定電極216,217が形成され、これらの固定電極216,217は可動電極214,215と微小なギャップを介して噛み合う位置関係にある。単結晶シリコン基板202の枠部205の裏面には、酸化膜201を介して枠部205を支持するように単結晶シリコン基板203が接合されている。単結晶シリコン基板203は、ミラー基板200の揺動を妨げないように、枠部205と略同一の平面形状に加工されている。
可動電極214,215と固定電極216,217は、図2に拡大して示すように、それぞれの基板表面(上端)側から裏面(下端)側に向かって(厚さ方向に向かって)幅が徐々に拡大する台形状の断面形状とされている。したがって、電極間ギャップは、固定電極216,217の上端で最も広く、下端に向かって連続的に狭くなり、下端で最も狭くなる。この電極間ギャップが最も狭い領域で静電力が最も効果的に作用するので、この最も狭い電極間ギャップの幅を所定の十分に狭い幅に高精度に制御することにより、駆動電圧の低電圧化を達成できる。そして、各電極は台形状の断面形状であるため、振動時のミラー基板200の変形を抑制するためにミラー基板200の板厚が大きくなり、電極間ギャップの深さ(図2(b)では上下方向の寸法)が大きくなっても、電極加工の際に、固定電極下端部分におけるギャップを所定の十分に狭い幅となるように高精度に制御することは容易である。この点について後に偏向ミラーの製造工程に関連しさらに説明する。
図3は、本実施例に係る偏向ミラーの製造方法の一例を説明するための概略断面図である。この図面に沿って、偏向ミラーの製造工程を順に説明する。
工程a: 板厚525μmの低抵抗単結晶シリコン基板401と中抵抗単結晶シリコン基板402を十分に洗浄する。単結晶シリコン基板402の表面に5000Åの厚さに熱酸化膜を成膜し、清浄度を保ったまま、この熱酸化膜403を介して、2枚の単結晶シリコン基板401,402を接触させて減圧下で仮接合させた後、1100℃の高温下で熱処理し直接接合する。以下、単結晶シリコン401,402の接合体をシリコンウェハと呼ぶことがある。
工程b: シリコンウェハのミラー基板、梁、枠部を形成する側の低抵抗単結晶シリコン基板401を、ラッピング・ポリッシング装置を用いて板厚100μmまで研削、研磨する。
工程c: 接合、研磨後のシリコンウェハの表面に5000Åの厚さに熱酸化膜を成膜する。これにより、研磨した側のシリコン基板401の表面にエッチングマスクとして利用される熱酸化膜404が形成され、研磨していない側のシリコン基板402の熱酸化膜は初期の5000Åからさらに厚さが増大する。
工程d: シリコン基板401の熱酸化膜404をレジストマスクでパターニングし、梁204,204とミラー基板200の周囲、枠部205の内側、スリット207,208,209に対応する部分の熱酸化膜404を「CF4+H2」ガスを用いたドライエッチングにより除去する。
工程e: 上記工程でパターニング後の熱酸化膜404をマスクとして、単結晶シリコン基板401を酸化膜403に到達するまで貫通エッチングする。このエッチングにはSF6とC4F8を交互に用いた高密度プラズマによる高速深掘りエッチング装置を用いるが、酸化膜403はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜403に達したときにエッチングが停止する。
この段階で可動電極214,215と固定電極216,217が実質的に形成されたことになる。それら電極は図2(b)に示すような断面形状とするため、ミラー基板の板厚(本工程段階における単結晶シリコン基板401の板厚に相当)が厚く、エッチング深さが大きくなった場合においても、各電極を上端から下端まで均一な幅の断面形状とし、かつ、電極間ギャップを上端から下端まで所定の十分に狭い幅に制御するときに比べると、固定電極216,217の下端側での電極間ギャップを所定の十分に狭い幅に高精度に制御することは一般にかなり容易である。
工程f:単結晶シリコン基板402に形成された熱酸化膜をレジストマスクでパターニングし、枠部205の内側の酸化膜をCF4+H2ガスを用いたドライエッチングにより除去する。
工程g: 加工された単結晶シリコン基板401の形状に合わせて両面アライメントにより位置合わせをすることによって、レジストマスクでパターニングされた厚さ5000Åの酸化膜マスクで、単結晶シリコン基板402を酸化膜403に到達するまで貫通エッチングする。このとき、単結晶シリコン基板401の枠部205に形成された固定電極216,217よりも十分外側まで単結晶シリコン基板402をエッチング除去する。このエッチングにはSF6とC4F8を交互に用いた高密度プラズマによる高速深掘りエッチング装置を用いる。界面の酸化膜403はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜403に達したときにエッチングが停止する。
工程h: 周囲が貫通されたミラー基板200を保持している部分の酸化膜403をフッ酸によるウエットエッチングで除去する。これにより、ミラー基板200は枠部205と完全に分離り、梁204,204を軸として揺動可能な状態となる。また、単結晶シリコン基板401,402の表面の熱酸化膜も同時にエッチング除去される。
工程i: 酸化膜がエッチング除去された単結晶シリコン基板401の表面の枠部205とミラー基板200の部分に、マスク成膜により、コンタクトパット212,213及びミラー面206としてのAl薄膜405をスパッタ法で成膜する。なお、ここではコンタクトパットとしてAl薄膜をスパッタ法で形成しているが、十分な密着性とシリコン基板との導通が得られればAu等の他の材料も選択可能であり、また、成膜方法についても真空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
ここで、例えば、工程gのようにエッチング加工した単結晶シリコン基板402の側から、単結晶シリコン基板401に各電極を形成するためのエッチング加工を行うような製造工程とすることも可能である。この場合には、例えば、電極断面形状を、図2(b)に示した断面形状と上下を逆にした倒立台形状とすると、一般的に、固定電極上端部分での電極間ギャップを所定の十分に狭い幅に制御することは容易である。なお、両電極の断面形状が必ずしも正立又は倒立台形状に限定されるわけではなく、少なくとも一方の電極の断面形状が台形状であるか、もしくは、上端(又は下端)側の幅が下端(又は上端)側より狭い形状であるならば、同様の効果を得られる。
なお、エッチングの方法及び条件を選ぶことにより、エッチング深さが増すに従いエッチング範囲を横方向へ拡大させるようなエッチング加工も可能である。このようなエッチング加工を行う場合においても、電極厚さ方向の全域にわたって電極間ギャップを十分に狭い幅に制御するときに比べ、電極間ギャップの最も狭い部分を所定の十分に狭い幅に制御することは遙かに容易である。
次に、本実施例に係る偏向ミラーの駆動について説明する。本実施例に係る偏向ミラーの駆動方法は、基本的に従来の同種の偏向ミラーと同様である。すなわち、コンタクトパット212を接地する。枠部205、梁204,204及びミラー基板206は、低抵抗の単結晶シリコン基板203によって一体形成されているため同電位となる。枠部205の2つの固定電極216,217と同一電位にあるコンタクトパットに213にパルス電圧を印加すると、微小ギャップを介して噛み合うが如く対向する固定電極216,217と可動電極214,215の間に静電引力が発生するが、両電極間に微少量の初期位置ずれがあるため、両電極が最短距離となる方向にミラー基板200に回転モーメントが作用し、ミラー基板200が起動させられる。このようにしてミラー基板200の振動が起動する。この後、ミラー基板200は共振振動により振れ角を増大し、ある振れ角で安定した往復振動を続ける。ここで、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、以上の説明から理解されるように、ミラー基板200の振動時の変形を抑えるためにミラー基板200を厚くしても、固定電極216,217と可動電極214,215の幅の大きな部分が対向する期間における電極間ギャップを十分に狭い幅にすることができるため、その期間に電極間電圧が低くても大きな静電力が効果的に作用する。よって、低い駆動電圧でミラー基板200の大きな振れ角を得ることができる。
本発明の他の実施例に係る偏向ミラーの構成を図4及び図5により説明する。図4において、(a)は偏向ミラーの概略平面図、(b)は偏向ミラーのA−A’線概略断面図である。また、図5において、(a)は偏向ミラーの電極部の部分拡大平面図、(b)はそのB−B’線部分概略断面図である。
本実施例に係る偏向ミラーと前記実施例1に係る偏向ミラーとの構成の対比を容易にするため、図4及び図5において図1及び図2と同一部分又は対応部分に同一の参照符号が付されている。
本実施例に係る偏向ミラーと前記実施例1に係る偏向ミラーとの最も大きな構成の違いは、(1)固定電極の厚さが可動電極の厚さより大きいこと、(2)固定電極はミラー基板の静止時(偏向ミラー製造時)に可動電極と対向しない領域に、対向する領域より幅の広い部分を有すること、(3)固定電極が厚さ方向の段差の位置を境にして上下に絶縁分離された2つの部分に分割されたことである。
図4を参照すれば、本実施例に係る偏向ミラーは、酸化膜201を介して接合された低抵抗の単結晶シリコン基板502と低抵抗の単結晶シリコン基板503によって一体的に形成されている。単結晶シリコン基板は高精度の微細加工が可能であるとともに、弾性体として使用するうえで適度な剛性をもち、かつ、低抵抗することで基板自体を電極として用いることができる利点があるため、本実施例においても、単結晶シリコン基板を用いて偏向ミラーを実現している。
シリコン基板202から、ミラー基板200と、その対向した2つの端部の中央部を両側から支持するために一直線上に配置された2本の梁204,204と、ミラー基板200の周囲を囲む、2本の梁204,204を介してミラー基板200を支持する枠部205からなる一体構造が形成されている。ミラー基板200と梁204,204の寸法は、偏向ミラーとして必要な共振周波数が得られるように設定されている。
ミラー基板200の一面には、使用する光に対し十分な反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面206が形成されている。また、枠部205は、シリコン基板202を貫通するスリット207,208,209により、ミラー基板200と電気的に導通した領域210とミラー基板200とは絶縁された領域211とに絶縁分離され、それぞれの領域には金属薄膜からなるコンタクトパッド212,213が形成されている。
ミラー基板200の梁204,204で支持されていない側の端部(自由端部)に、櫛歯状の可動電極214,215が形成されている。可動電極214,215と対向する枠部205の部位に、櫛歯状の上段側固定電極216,217が形成されている。これら上段側固定電極216,217は、ミラー基板200の静止時に(後述のように一般に偏向ミラーの製造時にも)、可動電極214,215と微小なギャップを介して噛み合う形で対向する位置関係にある。
シリコン基板203は、ミラー基板200の揺動を妨げないように枠部205と略同一の平面形状に加工され、その上段側固定電極216,217に対応する部位に、ミラー基板200の振動時に可動電極214,215と微小ギャップを介して噛み合う位置関係にある櫛歯状の下段側固定電極516,517が形成される。下側固定電極516,517は、上段側固定電極216,217より幅が広く、また、絶縁膜201により上段側固定電極216,217と絶縁分離されている。
このように、本実施例に係る固定電極は、絶縁膜201の位置に段差を有し、この段差を境にして上側の領域より下側の領域の方が幅が広く、また、電気的に分離した上下2つの部分に分割された2段電極構造となっている。
シリコン基板203は、それを貫通するスリット518,519により、固定電極516と電気的に導通した領域と固定電極517と電気的に導通した領域とに絶縁分離され、それぞれの領域には金属薄膜からなるコンタクトパッド520,521が形成されている。
固定電極について図5によりさらに説明する。図5(b)に拡大して示すように、上段側固定電極216,217に比べ下段側固定電極516,517の方が幅(図中左右方向のサイズ)が大きい。よって、ミラー基板200が静止している状態(偏向ミラーの製造時)、つまり可動電極214,215が上段側固定電極216,217と対向している状態での電極間ギャップに比べ、ミラー基板が揺動し、可動電極214,215が図5(b)に破線で示すように移動して下段側固定電極516,517と対向した状態での電極間ギャップは狭くなる。したがって、下段側固定電極516,517とミラー基板200との間のギャップ幅を十分に狭くすることにより、両電極間に大きな静電力を効率的に作用させ、低電圧でもミラー基板200を大きな振れ角で振動させることができる。そして、偏向ミラーの製造段階においては、下段側固定電極516,517の間に可動電極214,215は存在しないため、下段側固定電極516,517の歯と歯の間隔を十分に広くとることができ、したがって、エッチング加工において、同電極と可動電極とのギャップ幅を所定の十分に小さな幅となるように下段側固定電極516,517の幅を高精度に制御することは容易である。また、上段側固定電極216,217と可動電極214,215との間のギャップ幅はそれほど狭くしなくとも低電圧駆動が可能であるため、ミラー基板200の振動時変形を抑えるために板厚を大きくした場合にも、可動電極214,215及び上段側固定電極216,217のエッチング加工が容易である。このような加工上の利点については後に製造工程に関連してさらに説明する。
なお、上段側固定電極216,217と可動電極200の断面形状を図2(b)に示すような台形状とし、また、下段側固定電極516,517を倒立した台形状の断面形状とすることも可能であり、かかる電極断面形状とする構成も本発明に含まれる。
図6は、本実施例に係る偏向ミラーの製造方法の一例を説明するための概略断面図である。この図面に沿って、偏向ミラーの製造工程を順に説明する。
工程a: 板厚525μmの低抵抗単結晶シリコン基板701と中抵抗単結晶シリコン基板702を十分に洗浄する。シリコン基板702の表面に5000Åの厚さに熱酸化膜を成膜し、清浄度を保ったまま、この熱酸化膜703を介して、2枚のシリコン基板701,702を接触させて減圧下で仮接合させた後、1100℃の高温下で熱処理することで直接接合した。以下、シリコン基板701,702の接合体をシリコンウェハと呼ぶことがある。
工程b: シリコンウェハのミラー基板、梁、枠部を形成する側の低抵抗シリコン基板701を、ラッピング・ポリッシング装置を用いて板厚100μmまで研削、研磨する。
工程c: 研磨後のシリコンウェハの表面に5000Åの厚さに熱酸化膜を成膜する。これにより、研磨した側のシリコン基板701にエッチングマスクとして利用される熱酸化膜704が形成され、研磨していない側のシリコン基板702の熱酸化膜は初期の5000Åからさらに厚さが増大する。
工程d: シリコン基板701の熱酸化膜704をレジストマスクでパターニングし、梁204,204とミラー基板200の周囲、枠部205の内側、スリット207,208,209に対応する部分の酸化膜704を「CF4+H2」ガスを用いたドライエッチングにより除去する。
工程e: 上記工程でパターニング後の熱酸化膜をマスクとして、シリコン基板701を酸化膜703に到達するまで貫通エッチングする。このエッチングにはSF6とC4F8を交互に用いる高密度プラズマによる高速深掘りエッチング装置を用いるが、酸化膜703はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜703に達したときにエッチングが停止する。この段階で、可動電極214,215と、上段側固定電極216,217が実質的に形成されたことになる。ミラー基板200の振動時の変形を抑制するためにシリコン基板701の厚さが増し、したがって電極形成のエッチング深さが大きくなった場合においても、可動電極214,215と上段側固定電極216,217の間のギャップ幅はそれほど狭くしなくともよいので、電極形成のためのエッチングは容易である。
工程f: シリコン基板702の熱酸化膜をレジストマスクでパターニングして、枠部205の内側の酸化膜を「CF4+H2」ガスを用いたドライエッチングにより除去する。
工程g: 加工されたシリコン基板701の形状に合わせて両面アライメントにより位置合わせをすることによって、レジストマスクでパターニングされた厚さ5000Åの酸化膜マスクで、シリコン基板702を酸化膜703に到達するまで貫通エッチングする。このとき、シリコン基板701の枠部205に形成された上段側固定電極216,217の下側に、下段側固定電極516,517が残るようにエッチング除去する。このエッチングにはSF6とC4F8を交互に用いる高密度プラズマによる高速深掘りエッチング装置を用いる。界面の酸化膜703はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜703に達したときにエッチングが停止する。
この段階で下段側固定電極516,517も実質的に完成する。可動電極214,215と下段側固定電極516,517に所定の十分に狭いギャップ幅を確保するための下段側固定電極516,517の各歯の間隔は、その所定のギャップ幅より十分に大きい。よって、シリコン基板702の板厚が大きい場合であっても、下段側固定電極516,517の形成のためのエッチングは容易であり、また、可動電極214,216と下段側固定電極516,517のギャップ幅を十分に狭い所定の幅となるように下段側固定電極516,517の幅を精度よくかつ容易に制御することができる。
工程h: 周囲が貫通されたミラー基板200を保持している部分の酸化膜703をフッ酸によるウエットエッチングで除去する。これにより、ミラー基板200は梁204,204を軸として揺動可能な状態となる。また、シリコン基板701,702の表面の熱酸化膜も同時にエッチング除去される。
工程i: 酸化膜がエッチング除去された表側のシリコン基板701の表面の枠部205とミラー基板200の部分、及び、シリコン基板702の表面に、マスク成膜により、コンタクトパッド212,213及びミラー206となるAl薄膜705を、コンタクトパッド520,521となるAl薄膜706をスパッタ法で成膜する。なお、ここではAl薄膜をスパッタ法で形成しているが、十分な密着性とシリコン基板との導通が得られればAu等の他の材料も選択可能であり、成膜方法についても真空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の方法を用いてもよい。
次に、本実施例に係る偏向ミラーの動作を次に説明する。本実施例に係る偏向ミラーの駆動方法は、前記の特願2003−143326号に係る偏向ミラーと同様である。例えば、コンタクトパッド212を接地することにより、枠部205及び梁204,204を通じてミラー基板200を接地する。そして、上段側固定電極216,217と電気的に接続したコンタクトパッド213に電圧を印加すると、微小ギャップを介して向かい合った上段側固定電極216,217と可動電極214,215の間に静電引力が働き、両電極間の微小の初期位置ずれにより、両電極が最短距離となる向きにミラー基板200に回転のモーメントが働き、ミラー基板200が起動する。このようにして起動した後は、上段側固定電極216,217に振動周期の半分の周期のパルス電圧を、下段側固定電極516,517にそれぞれ振動周期と同じ周期で位相が互いに180゜ずれたパルス電圧を印加することにより、共振振動により振れ角を増大させていくことができる。上段側固定電極216,217によりミラー基板200に第1のトルクを作用させ、可動電極214,215が上段側固定電極216,217との最近接位置を通過した直後に、可動電極214,215が向かってくる側の下段側固定電極516又は517にパルス電圧を印加することで第2のトルクが作用し、ミラー基板200を加速する。この時に、下段側固定電極516,517と可動電極214,215との間のギャップ幅が十分に狭く、静電力を効率的に作用させることができるため、ミラー基板200の板厚が厚くその慣性モーメントが大きい場合でも、低い駆動電圧でミラー基板を大きな振れ角で振動させることができる。
なお、上段側固定電極216,217と下段側固定電極516,517が電気的に分離されない電極構造としてもよい。すなわち、固定電極を電気的には分割せず、その厚さ方向(上下方向)の途中に段差を設け、この段差の位置を境にして上側部分に比べ下側部分の厚さを大きくすることもでき、かかる電極構造も本発明に含まれる。
また、図示しないが、また、製造工程の変更を伴うが、可動電極と固定電極との厚さの大小関係を逆にし、ミラー基板の静止時(偏向ミラー製造時)に、固定電極と対向しない可動電極の領域の幅を、固定電極と対向する領域の幅より広くすることも可能であり、かかる電極構造も前記実施例2と同様の効果を奏することは明らかである。このような電極構造の偏向ミラーも当然に本発明に包含される。
本発明の偏向ミラーの別の実施例の構成を図7により説明する。図7において、(a)は偏向ミラーの概略平面図、(b)は偏向ミラーのA−A’線概略断面図である。本実施例に係る偏向ミラーと前記実施例2に係る偏向ミラーとの構成の対比を容易にするため、図7において図4と同一部分又は対応部分に同一の参照符号が付されている。
本実施例に係る偏向ミラーと前記実施例2に係る偏向ミラーとの構成の違いは、枠部205及び酸化膜201を部分的にエッチング除去することにより露出させたシリコン基板203の面に、下段側固定電極516,517のためのコンタクトパッド520,521が形成されていることである。このように、全ての電極のためのコンタクトパッドを偏向ミラーの同じ面側に設けると、偏向ミラーの実装時の電極取り出し方向が一方向となり、偏向ミラーの実装形態をシンプルにできるという利点がある。
本発明に係る偏向ミラーは、ミラー基板の振動空間を減圧状態に封止して粘性抵抗を減少させると、駆動電圧がさらに低電圧化され、また塵芥等の侵入が阻止され信頼性が向上させることができる。そのための封止手段は基本的に任意の構成のものでよいが、その一例を図8により説明する。
図8において、821は例えば前記実施例3に係る偏向ミラーである。822は透明なカバー基板であり、これは例えばパイレックスガラスからなる。カバー基板822の内面側に、ミラー基板の振動空間を確保するための凹部822aが形成されている。823はベース基板であり、例えばパイレックスガラスからなる。このベース基板823の内面側にも、ミラー基板の振動空間を確保するための凹部823aが形成されている。
カバー基板822とベース基板823は、図示のように、偏向ミラー821の枠部の部分に例えば陽極接合によって接合され、偏向ミラー821のミラー基板の振動空間を減圧状態に封止する。偏向ミラー821の各電極のためのコンタクトパッドの外部への引き出しは、カバー基板822に形成された貫通電極824を通じて行われる。なお、前記実施例2に係る偏向ミラーのように両面側にコンタクトパッドを有する偏向ミラーを用いる場合には、ベース基板823側にもコンタクトパッドの外部引き出しのための貫通電極を形成する。
なお、カバー基板822及びベース基板823の接合方法は陽極接合に限らないが、パイレックスガラスとシリコンとの陽極接合は長期安定な封止が可能である。カバー基板822は、少なくとも光を通す窓部を備えるならば、樹脂やセラミックなどの材料から形成することもできる。また、偏向ミラー全体を収容するような封止容器を封止手段として用いることも可能である。
以上に説明した本発明に係る偏向ミラーは、写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置及びその光走査装置のための光走査手段として最適である。次に、そのような画像形成装置及び光書込装置に関する実施の形態について説明する。
図9は、本発明に係る画像形成装置及び光書込装置の一実施例を示す概略構成図である。図9において、901は光書込装置、902は光書込装置901の被走査面(像担持体)を提供する感光体ドラムである。
光書込装置901は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム902の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム902は、矢印903方向に回転駆動され、帯電部604で帯電された表面に光書込装置901により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部905でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部906で記録紙607に転写される。転写されたトナー像は定着部907によって記録紙907に定着される。感光体ドラム902の転写部906を通過した表面部分はクリーニング部909で残留トナーを除去される。なお、感光体ドラム902に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能であることは明らかである。また、トナー像を中間転写媒体に一旦転写し、この中間転写媒体から記録紙へトナー像を転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込装置901は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部920と、本発明に係る偏向ミラー921と、この偏向ミラー921のミラー基板のミラー面に光源部920からのレーザビームを結像させるための結像光学系922と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム902の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系923から構成される。偏向ミラー921は、その駆動のための集積回路924とともに回路基板925に実装された形で光書込装置901に組み込まれる。
本発明に係る偏向ミラー921は、駆動電圧の高電圧化などを招くことなく、そのミラー基板の板厚を大きくしてミラー基板の振動時の変形を減らし、偏向後のレーザ光ビームのビーム径や強度分布の変動を抑えることができる。したがって、光書込装置901は、感光体ドラム面への高品質な光書込みを行い、高品質の画像形成を行うことができる。偏向ミラー921は、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置901及び画像形成装置の省電力化に有利である。偏向ミラー921のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置901及び画像形成装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置901は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、偏向ミラー921の発熱量もわずかであるため、全体の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
図9においては、記録紙907の搬送機構、感光体ドラム902の駆動機構、現像部905、転写部906などの制御手段、光源部920の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため省略されている。
なお、本発明に係る偏向ミラーは、バーコードリーダなどの読み取り走査系にも利用可能であることは明らかである。
本発明に係る偏向ミラーの一実施例を説明するための概略平面図及び概略断面図である。 本発明に係る偏向ミラーにおける電極部分の部分拡大平面図及び部分拡大断面図である。 本発明に係る偏向ミラーの製造方法を説明するための製造工程説明図である。 本発明に係る偏向ミラーの他の実施例を説明するための概略平面図及び概略断面図である。 本発明に係る偏向ミラーにおける電極部分の部分拡大平面図及び部分拡大断面図である。 本発明に係る偏向ミラーの製造方法を説明するための製造工程説明図である。 本発明に係る偏向ミラーの他の実施例を説明するための概略平面図及び概略断面図である。 本発明に係る偏向ミラーの他の実施例を説明するための概略断面図である。 本発明に係る光書込装置及び画像形成装置の一実施例を説明するための概略構成図である。
符号の説明
200 ミラー基板
204 梁
205 枠部
212,213,520,521 コンタクトパッド
214,215 可動電極
216,217 固定電極(上段側固定電極)
516,517 下段側固定電極

Claims (12)

  1. 光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、
    前記固定電極及び前記可動電極が、その厚さ方向の一方の端側が他方の端側より幅が狭い同じ向きの台形状の断面形状を有することを特徴とする偏向ミラー。
  2. 光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、
    前記固定電極は前記可動電極より厚さが大きく、
    前記固定電極は、前記ミラー基板の静止時に前記可動電極と対向しない領域に、前記可動電極と対向する領域より幅の広い部分を有することを特徴とする偏向ミラー。
  3. 前記固定電極は、厚さ方向の途中に段差を有し、該段差を境に幅が異なることを特徴とする請求項2に記載の偏向ミラー。
  4. 前記固定電極は、前記段差の位置を境界として厚さ方向に2分割され、該2分割された各部分は相互に絶縁分離されていることを特徴とする請求項3に記載の偏向ミラー。
  5. 前記固定電極の前記2分割された各部分のためのコンタクトパッド及び前記可動電極のためのコンタクトバッドが同じ面側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の偏向ミラー。
  6. 光を反射するミラー面を有するミラー基板、梁、該梁を介して前記ミラー基板を支持する支持部材、前記ミラー基板の自由端部に形成された櫛歯状の可動電極、及び、前記支持部材に形成された前記可動電極とギャップを介して噛み合う櫛歯状の固定電極を有し、前記ミラー基板が前記可動電極と前記固定電極の間の静電力によって駆動され前記梁を軸として往復振動する偏向ミラーにおいて、
    前記可動電極は前記固定電極より厚さが大きく、
    前記可動電極は、前記ミラー基板の静止時に前記固定電極と対向しない領域に、対向する領域より幅の大きい部分を有することを特徴とする偏向ミラー。
  7. 前記可動電極は、厚さ方向の途中に段差を有し、該段差を境に幅が異なることを特徴とする請求項6に記載の偏向ミラー。
  8. 少なくとも前記可動電極及び前記固定電極は単結晶シリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  9. 前記ミラー基板の振動空間を減圧状態に封止する封止手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  10. 請求項2,3,4,6又は7に記載の偏向ミラーの製造方法であって、2枚のシリコン基板を絶縁層を介し接合してなる基板の両面からの位置合わせ及び高密度プラズマエッチングにより、前記偏向ミラーの可動電極及び固定電極を形成することを特徴とする偏向ミラー製造方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーのミラー基板のミラー面に光ビームを入射させる手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させる手段とを有することを特徴とする光書込装置。
  12. 像担持体と、該像担持体を記録信号により変調された光ビームにより走査する光書込装置とを備え、前記像担持体に前記光ビームの走査により静電潜像が形成される画像形成装置において、
    前記光書込装置は請求項11に記載の光書込装置からなることを特徴とする画像形成装置。
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