JP4389887B2 - 研磨剤及び基板の研磨法 - Google Patents

研磨剤及び基板の研磨法 Download PDF

Info

Publication number
JP4389887B2
JP4389887B2 JP2006059738A JP2006059738A JP4389887B2 JP 4389887 B2 JP4389887 B2 JP 4389887B2 JP 2006059738 A JP2006059738 A JP 2006059738A JP 2006059738 A JP2006059738 A JP 2006059738A JP 4389887 B2 JP4389887 B2 JP 4389887B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
substrate
film
silicon nitride
silicon oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006059738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006203235A (ja
Inventor
聡彦 赤堀
寅之助 芦沢
圭三 平井
美穂 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2006059738A priority Critical patent/JP4389887B2/ja
Publication of JP2006203235A publication Critical patent/JP2006203235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4389887B2 publication Critical patent/JP4389887B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、半導体装置の製造工程において、基板表面の平坦化工程、特に、シャロー・トレンチ分離(Shallow Trench Isoration)の形成工程等に好適に使用される研磨剤及びこれら研磨剤を使用した基板の研磨方法に関する。
現在の超々大規模集積回路では、実装密度を高める傾向にあり、種々の微細加工技術が研究、開発されている。既に、デザインルールは、サブハーフミクロンのオーダーになっている。このような厳しい微細化の要求を満足するために開発されている技術の一つにCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に平坦化し、露光技術の負担を軽減し、歩留まりを安定させることができるため、例えば、層間絶縁膜の平坦化、シャロー・トレンチ分離等を行う際に必須となる技術である。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するためのCMP研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一般的に検討されていた。コロイダルシリカ系の研磨剤は、シリカ粒子を四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。
デザインルール0.5μm以上の世代では、集積回路内の素子分離にLOCOS(シリコン局所酸化)が用いられていた。その後、さらに加工寸法が微細化すると、素子分離幅の狭い技術が要求され、シャロー・トレンチ分離が用いられつつある。シャロー・トレンチ分離では、基板上に成膜した余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、研磨を停止させるために、酸化珪素膜の下に研磨速度の遅いストッパ膜が形成される。ストッパ膜には窒化珪素などが使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましい。従来のコロイダルシリカ系の研磨剤は、上記の酸化珪素膜とストッパ膜の研磨速度比が3程度と小さく、シャロー・トレンチ分離用としては実用に耐える特性を有していなかった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって、研磨表面に傷が入りにくいことから、仕上げ鏡面研磨に有用である。しかしながら、ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤にはナトリウム塩を含む分散剤を使用しているため、そのまま研磨剤として適用することはできない。
請求項1及び2記載の発明は、シャロー・トレンチ分離用として実用性が高く、傷なく研磨することができる研磨剤を提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明に加えて、酸化珪素絶縁膜研磨速度と窒化珪素絶縁膜研磨速度の比をより大きくでき、分散安定性を向上できる研磨剤を提供するものである。請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明に加えて、酸化珪素絶縁膜研磨速度と窒化珪素絶縁膜研磨速度の比を十分大きくできる研磨剤を提供するものである。
請求項5記載の発明は、基板の被研磨面を、シャロー・トレンチ分離用として実用性が高く、傷なく研磨することが可能な基板の研磨方法を提供するものである。請求項6記載の発明は、酸化珪素膜または窒化珪素膜の被研磨面を、傷なく研磨することが可能な基板の研磨方法を提供するものである。請求項7記載の発明は、パターン状に形成された酸化珪素膜または窒化珪素膜の被研磨面を、傷なく研磨することが可能な基板の研磨方法を提供するものである。
本発明は、砥粒、界面活性剤及び水を含み、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比が100以上である研磨剤に関する。また、本発明は、酸化セリウム粒子、分散剤及び水を含む酸化セリウムスラリーと、界面活性剤及び水を含む添加剤液とを混合してなり、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比が100以上である研磨剤に関する。また、本発明は、界面活性剤がアミノ酸系の界面活性剤である前記の研磨剤に関する。また、本発明は、pH(25℃)が5以上10以下である前記の研磨剤に関する。
また、本発明は、研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、前記の研磨剤を研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして研磨する膜を研磨する基板の研磨方法に関する。また、本発明は、基板が少なくとも酸化珪素膜または窒化珪素膜が形成された基板である前記の基板の研磨方法に関する。また、本発明は、基板が酸化珪素膜または窒化珪素膜がパターン状に形成された基板である前記の基板の研磨方法に関する。
請求項1及び2記載の研磨剤は、シャロー・トレンチ分離用として実用性が高く、傷なく研磨することができるものである。請求項3記載の研磨剤は、請求項1又は2記載の発明に加えて、酸化珪素絶縁膜研磨速度と窒化珪素絶縁膜研磨速度の比をより大きくでき、分散安定性を向上できるものである。請求項4記載の研磨剤は、請求項1、2又は3記載の発明に加えて、酸化珪素絶縁膜研磨速度と窒化珪素絶縁膜研磨速度の比を十分大きくできるものである。
請求項5記載の基板の研磨方法は、基板の被研磨面を、シャロー・トレンチ分離用として実用性が高く、傷なく研磨することが可能なものである。請求項6記載の基板の研磨方法は、酸化珪素膜または窒化珪素膜の被研磨面を、傷なく研磨することが可能なものである。請求項7記載の基板の研磨方法は、パターン状に形成された酸化珪素膜または窒化珪素膜の被研磨面を、傷なく研磨することが可能なものである。
本発明の研磨剤は、砥粒、界面活性剤及び水を含み、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比が100以上である。この比が100未満ではシャロー・トレンチ分離用としては実用に耐えることができない。この比は、150以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、500以上であることが特に好ましく、1000以上であることが極めて好ましく、1500以上であることが最も好ましい。かかる酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比が100以上である研磨剤は、例えば、酸化セリウム粒子、分散剤及び水を含む酸化セリウムスラリーと、界面活性剤及び水を含む添加剤液とを混合して調整できる。
本発明における砥粒としては、例えば、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、二酸化ケイ素、シリコーンカーバイド、二酸化チタン、チタニウムカーバイド等が挙げられる。酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比を大きくできる点、高平坦性の点から酸化セリウムが好ましい。酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。酸化セリウム一次粒子径は5nm以上300nm以下であることが好ましい。また、半導体チップ研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は酸化セリウム粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明において、酸化セリウム粉末を作製する方法として焼成、過酸化水素処理等による酸化法が使用できる。焼成温度は350℃以上900℃以下が好ましい。上記の方法により製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。
本発明における酸化セリウムスラリーは、例えば、上記の特徴を有する酸化セリウム粒子と分散剤と水からなる組成物を分散させることによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、分散液の取り扱いやすさから0.5重量%以上20重量%以下の範囲が好ましい。
本発明における分散剤としては、半導体チップ研磨に使用する点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属及びハロゲン、イオウの含有率は10ppm以下に抑えることが好ましく、例えば、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤が好ましい。また、分散剤として、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤、水溶性両性界面活性剤等の1種類以上を使用してもよい。
水溶性陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルベンゼンスルフォン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、ラウリル酸グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アラニネートトリエタノールアミン、サルコシン誘導体、ラウリル酸トリエタノールアミン等が挙げられ、水溶性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド等が挙げられ、水溶性陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、水溶性両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
これらの分散剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から酸化セリウム粒子100重量部に対して、0.01重量部以上2.0重量部以下の範囲が好ましい。分散剤の分子量は、100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。分散剤の分子量が100未満の場合は、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られず、分散剤の分子量が50,000を越えた場合は、粘度が高くなり、酸化セリウムスラリーの保存安定性が低下するからである。
一方、界面活性剤と水を含む添加剤液における界面活性剤は、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤、水溶性両性界面活性剤等を使用できるが、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比を大きくする点から、水溶性陰イオン性界面活性剤のなかのアミノ酸系の界面活性剤が特に好ましい。アミノ酸系の界面活性剤としては、特に制限はないが、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比を大きくできる点、高平坦性の点から、N置換アミノ酸、N置換アミノ酸の塩が好ましく、その中でもNアシルアミノ酸、Nアシルミノ酸の塩が好ましい。ここで、塩を形成するための塩基としては、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミン等の有機アルカリなどが挙げられるが、有機アルカリが好ましい。
このようなアミノ酸系の界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、ラウリル酸グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アラニネートトリエタノールアミン、サルコシン誘導体等が挙げらる。また、市販品として、味の素(株)から商品名アミソフトLT−12、アミライトACT−12等として、ライオン(株)から商品名エナジコールL−30ANT等として、東邦化学工業(株)から商品名ネオスコープSCT−30等として入手可能である。
このアミノ酸系のアニオン系界面活性剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と界面活性剤添加量との関係から酸化セリウム粒子100重量部に対して、0.01重量部以上1000重量部以下の範囲が好ましい。酸化セリウムスラリーと上記添加剤液とを混合した状態で保存すると酸化セリウム粒子が凝集あるいは沈降して研磨傷の発生、研磨速度の変動をもたらす場合がある。このため、この添加剤液は、酸化セリウムスラリーと別々に研磨定盤上に供給し、研磨定盤上で混合するか、研磨直前に酸化セリウムスラリーと混合し研磨定盤上に供給する方法がとられる場合もある。
本発明の研磨剤のpHは、5以上10以下が好ましい。pHが5未満の場合あるいはpHが10を越えると、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比が100以上にならないことがある。このpHの調製には、トリエタノールアミン、アンモニア水あるいは酢酸等を混合撹拌する方法を用いうる。
これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミルなどを用いることができる。こうして作製されたスラリー中の酸化セリウム粒子の平均粒径は、0.01μm〜1.0μmであることが好ましい。研磨液の平均粒径が0.01μm未満であると研磨速度が低くなりすぎ、1.0μmを越えると研磨する膜に傷がつきやすくなるからである。
本発明の研磨剤は、上記酸化セリウムスラリー及び添加剤液をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等の添加剤を添加して研磨剤とすることができる。
本発明の研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化珪素膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行うことにより得られる。場合によっては、CVD後1000℃またはそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。
このように、本発明の酸化珪素膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiHCl、窒素源としてアンモニア:NHを用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより得られる。プラズマCVD法は、反応ガスとしては、Si源としてSiH4、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300℃〜400℃が好ましい。
基板としては、シリコン基板上に酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層が形成された基板、あるいは、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を上記研磨剤で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。また、シャロー・トレンチ分離にも使用できる。シャロー・トレンチ分離に使用するためには、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の比、酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度が10以上であることが必要である。この比が10未満では、酸化珪素膜研磨速度と窒化珪素膜研磨速度の差が小さく、シャロー・トレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止することができなくなるためである。この比が100以上の場合は窒化珪素膜の研磨速度がさらに小さくなって研磨の停止がさらに容易になり、シャロー・トレンチ分離により好適である。また、シャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが必要である。
ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはCMP研磨剤がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして平坦化されたシャーロー・トレンチを形成したあと、酸化珪素絶縁膜層の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により酸化珪素絶縁膜を形成後、CMP研磨剤を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
本発明の研磨剤は、半導体基板に形成された酸化珪素膜及び窒化珪素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素膜等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
次に、実施例により本発明を説明する。
〔酸化セリウム粒子の作製1〕
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。酸化セリウム粉末10重量%になるように純水と混合し、横型湿式超微粒分散粉砕機を用いて1400rpmで120分間粉砕処理をした。得られた研磨液を110℃で3時間乾燥することにより酸化セリウム粒子を得た。この酸化セリウム粒子は、透過型電子顕微鏡による観察から重量平均結晶径が80nmであることがわかった。
〔酸化セリウム粒子の作製2〕
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。この酸化セリウム粒子は、透過型電子顕微鏡による観察から重量平均結晶径が80nmであることがわかった。
〔酸化セリウムスラリーの作製1〕
上記酸化セリウム粒子の作製1で作製した酸化セリウム粒子125gとアクリル酸とアクリル酸メチルを3:1で共重合した分子量10,000のアクリル酸/アクリル酸メチル共重合体アンモニウム塩水溶液(40重量%)3gと純水2372gを混合し、撹拌をしながら超音波分散を行った。超音波周波数は40kHzで、分散時間10分で分散を行った。得られたスラリーを0.8ミクロンフィルターでろ過し、さらに脱イオン水を加えることにより2重量%の酸化セリウムスラリー(A−1)を得た。酸化セリウムスラリー(A−1)のpHは8.5であった。酸化セリウムスラリー(A−1)の粒度分布をレーザー回折式粒度分布計(Malvern Instruments社製 Mastersizer Microplus、屈折率:1.928で測定)で調べたところ、平均粒子径が0.20μmと小さいことがわかった。また、1.0μm以下の粒子が95.0%であった。
〔酸化セリウムスラリーの作製2〕
酸化セリウム粒子の作製1で作製した酸化セリウム粒子の代わりに酸化セリウム粒子の作製2で作製した酸化セリウム粒子を使用した以外は酸化セリウムスラリーの作製1と同様の方法で酸化セリウムスラリー(A−2)を作製した。この酸化セリウムスラリー(A−2)のpHは8.7であった。酸化セリウムスラリー(A−2)の粒度分布を調べたところ、平均粒子径が0.21μmと小さいことがわかった。また、1.0μm以下の粒子が95.0%であった。
実施例1〜5及び比較例1〜3
酸化セリウムスラリーと添加剤液を下記の表1及び表2のように混合して研磨剤を作製し、絶縁膜層を研磨した。その結果を表1及び表2に示す。また、研磨剤のpH、分散安定性も表1及び表2に示した。
〔絶縁膜層の研磨〕
多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼りつけた定盤上に、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製した酸化珪素膜(SiO膜)を形成した直径125mmのシリコンウエハを絶縁膜面を下にしてセットし、研磨荷重が300g/cmになるように重りをのせた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:2重量%)と添加剤液を各々25ml/minの速度で送り、定盤の直前で1液になるようにノズルを調節して滴下しながら、定盤を40rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、スピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算した。同様にして、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化珪素膜の代わりに低圧CVD法で作製した窒化珪素膜(Si膜)を同じ条件で研磨し、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算した。なお、膜厚測定の結果から、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化珪素膜及び低圧CVD法で作製した窒化珪素膜は、ウエハ全面にわたって均一の厚みになっていることを確認した。また、水銀灯の光源下での目視観察で研磨傷を観察した。また、分散安定性は、7日後の平均粒子径をレーザー回折式粒度分布計で測定し、0.27μm以下を良好、0.28μm以上を不良と判断した。
Figure 0004389887
Figure 0004389887
表1から明らかなように、本発明の研磨剤及び基板の研磨方法を用いることによって、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜等の被研磨面を、被研磨面にナトリウムイオン等のアルカリ金属汚染をせずに、傷なく、研磨することが可能で、かつ、酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度の比を100以上にし、研磨をストッパ膜で確実に停止できる研磨剤、及びこれら研磨剤を使用した基板の研磨が達成できることが分かる。

Claims (6)

  1. 砥粒、水溶性陰イオン性界面活性剤及び水を含む、酸化珪素膜及び窒化珪素膜を有する基板を研磨するための研磨液であって、
    前記水溶性陰イオン性界面活性剤は、N置換アミノ酸またはN置換アミノ酸の塩であり、
    TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化珪素膜を形成した直径125mmのシリコンウエハと、TEOS−プラズマCVD法で作製した窒化珪素膜を形成した直径125mmのシリコンウエハとを、それぞれ研磨荷重300g/cm 、定盤回転数40rpmで多孔質ウレタン樹脂パッドを用いて研磨した際の両者の膜の研磨速度の関係が、酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度≧100となる量の水溶性陰イオン性界面活性剤を含有する研磨剤。
  2. pH(25℃)が5以上10以下である請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記水溶性陰イオン性界面活性剤は、N置換アミノ酸の塩であり、
    前記塩を形成するための塩基は、アルカリ金属水酸化物又は有機アルカリである請求項1記載の研磨剤。
  4. 研磨する膜を形成した基板と、研磨布との間に、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨液を供給して、前記研磨する膜を研磨する基板の研磨方法。
  5. 基板が少なくとも酸化珪素膜及び窒化珪素膜が形成された基板である請求項に記載の基板の研磨方法。
  6. 基板が酸化珪素膜または窒化珪素膜がパターン状に形成された基板である請求項に記載の基板の研磨方法。
JP2006059738A 2006-03-06 2006-03-06 研磨剤及び基板の研磨法 Expired - Lifetime JP4389887B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059738A JP4389887B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 研磨剤及び基板の研磨法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059738A JP4389887B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 研磨剤及び基板の研磨法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11206994A Division JP2001031951A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 研磨剤及び基板の研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006203235A JP2006203235A (ja) 2006-08-03
JP4389887B2 true JP4389887B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=36960876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006059738A Expired - Lifetime JP4389887B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 研磨剤及び基板の研磨法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4389887B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101675378B1 (ko) 2010-02-25 2016-11-23 삼성전자주식회사 연마 슬러리 및 그를 이용한 절연막 평탄화 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006203235A (ja) 2006-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3649279B2 (ja) 基板の研磨方法
JP5655879B2 (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2010028125A (ja) Cmp研磨剤及び研磨方法
JP2006318952A (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2010095650A (ja) 研磨剤組成物及びこの研磨剤組成物を用いた基板の研磨方法
JP4062977B2 (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法
JP2001031951A (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法
JP2003347248A (ja) 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP4088811B2 (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP4389887B2 (ja) 研磨剤及び基板の研磨法
JP4604727B2 (ja) Cmp研磨剤用添加液
JP2003007660A (ja) Cmp研磨材および基板の研磨方法
JP4501694B2 (ja) Cmp研磨剤用添加液
JP2006179678A (ja) 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2009266882A (ja) 研磨剤、これを用いた基体の研磨方法及び電子部品の製造方法
JP2010272733A (ja) 研磨剤及びこの研磨剤を用いた基板の研磨方法
JP4744656B2 (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP4608925B2 (ja) Cmp研磨剤用添加液
JP4491857B2 (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2003158101A (ja) Cmp研磨剤及び製造方法
JP4830194B2 (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2001332516A (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2000109802A (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2003347245A (ja) 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2009105455A (ja) 素子分離形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090928

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4389887

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term