JP4387824B2 - 酸窒化シリコン膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路、光集積回路、及び、アレイ導波路回折格子(AWG)などの導波路型光制御素子を製造する際に用いられる酸窒化シリコン(SiON)膜の製造方法に関するものである。
平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)は、近年の光通信ネットワークシステムに重要なものとなっている。特に、シリコン系の材料による光導波路を用いた光合分波,分岐を行うAWGなどのデバイスは、光通信ネットワークのシステムを低コストかつ高機能で実用化する上で必要不可欠となってきている。
上記光導波路として、屈折率1.50の酸窒化シリコンを導波路のコアとし、酸化シリコンをクラッドとして用いる場合、光通信に用いられる波長帯の信号光に対するシングルモード条件を満たすためには、酸窒化シリコンからなるコアの寸法は、3×3μm程度となる。
従って、酸窒化シリコンをコアとして用いる場合、3μm程度の膜厚の酸窒化シリコン膜が必要となる。
酸窒化シリコン(SiON)膜は、通常、平行平板型の容量結合型プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成されている(非特許文献1参照)。容量結合型プラズマCVD法による膜の形成(堆積)速度は、非特許文献1にも記載されているように、0.05μm/min程度であり、ミクロンオーダーの厚膜の膜を形成する場合には、長時間要することになる。
また、SiON膜の製造方法として、電子サイクロトロン共鳴(ECR)によるプラズマを用いたスパッタ法が提案されている(特許文献1参照)。ECRプラズマスパッタ法によるSiON膜の形成では、窒素ガスとアルゴンなどの不活性ガスとによりECRプラズマを生成させ、シリコンターゲットをスパッタすることにより、所定の基板の上にSiON膜を形成する。ECRプラズマスパッタ法によれば、高品質な膜が形成できるが、膜の堆積速度が0.01〜0.02μm/min程度であり、数μmの膜厚のSiON膜を迅速に形成できない。
上述した膜製造方法のほかに、ECRプラズマCVD法によれば、SiON膜の形成が可能である。ECRプラズマCVD法では、シラン(SiH4)ガス,酸素ガス,窒素ガスをソースガスとして用い、SiON膜の高速な成膜が可能である。
ECRプラズマCVD法に用いられるECRイオン源は、イオン源中に形成された磁界中で電子が円運動するときの回転周波数に一致した周波数のマイクロ波を供給し、効率的に電子を加速している。このため、ECRプラズマでは、多数の高エネルギー電子がイオン源中のガス分子と衝突してガス分子を高効率にイオン化している。従って、ECRイオン源によれば、低ガス圧力から高ガス圧力までの広いガス圧範囲(0.001〜1Pa)でプラズマを形成することが可能である。
ところで、上述したようなECRプラズマCVD法において、高速な成膜を実現するためには、原料ガスを多量に供給した高ガス圧状態で、かつ、高効率にイオン化を行うための高マイクロ波電力の入力が要求される。
一方で、プラズマ電位とECRプラズマ中から発散磁界に沿って基板方向に加速される電子によって形成される電位とにより、基板に入射するイオンのエネルギーが決まる。基板に入射するイオンのエネルギーは、低ガス圧側で大きく、高ガス圧側ほど小さくなる(非特許文献2参照)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開2003−262750号公報 "Plasma enhanced chemical vapor deposition silicon oxynitride optimized for application in integrated optics",Sensors and Actuators, vo1.74,p.9-12(1999). "Reactive ion stream etching utilizing electron cyclotron resonance plasma", T.Ono, M.Oda, C.Takahashi and S.Matsuo, J.Vac.Sci.Technol.B4,p.696,1986.
従って、ECRプラズマCVD法では、より高速に膜を形成するために高ガス圧状態とすると、イオンのエネルギーが低下し、形成される膜の基板に対する密着性が低下して剥離しやすくなるという問題が生じる。
以上説明したように、従来では、高品質なSiON膜を得ようとすると、実用的な速度で膜を形成することができず、高速な膜の形成が可能なECRプラズマCVD法では、形成したSiON膜の密着性が低いという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、従来より高速にかつ密着性のよい状態でSiON膜が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る酸窒化シリコン膜の製造方法は、電子サイクロトロン共鳴法により生成した酸素プラズマをシリコン基板の上に照射する第1工程と、酸素プラズマが照射されているシリコン基板の上にシランガスを所定時間供給してシリコン基板の上に酸化シリコン層が形成された状態とする第2工程と、酸素プラズマが照射され、かつシランガスが供給されている酸化シリコン層の上に、電子サイクロトロン共鳴法により生成した窒素プラズマの照射を開始する第3工程と、酸素プラズマを生成するための酸素ガスの流量と窒素プラズマを生成するための窒素ガスの流量とシランガスの供給量とを各々所定の増加量で増加させ、酸化シリコン層の上に酸化シリコン層の側から窒素の濃度が徐々に増加した組成遷移層が形成された状態とするとともに、膜の堆積速度を低い状態から高い状態とする第4工程と、第4工程に引き続き、酸素プラズマと窒素プラズマとを照射し、かつシランガスを供給して組成遷移層の上にSiON膜が形成された状態とする第5工程とSiON膜を加工してコアを形成する第6工程とを少なくとも備えるものである。
組成遷移層では、酸化シリコン層の側から物質構造が徐々に変化し、急激な物質構成の変化が抑制されている。
上記酸窒化シリコン膜の製造方法において、第1工程の前にシリコン基板の表面を熱酸化することでシリコン基板の表面に熱酸化シリコン膜が形成された状態とする工程を備え、酸化シリコン層は、熱酸化シリコン膜の表面に形成することで、密着性のさらなる向上が得られる。
また、第1工程の前に、電子サイクロトロン共鳴法により生成したアルゴンガスのプラズマをシリコン基板の上に照射する工程を備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ECRプラズマによるCVD法で、組成遷移層を介して酸窒化シリコン膜を形成するようにしたので、酸窒化シリコン膜が従来より高速にかつ密着性のよい状態で形成できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板101を用意し、所定のECRプラズマCVD装置の成膜室内において、シリコン基板101の表面に酸素プラズマ111を照射する。例えば、供給するマイクロ波は500W程度とし、磁界強度875Gの磁場を印加してECR条件とし、供給した酸素より酸素プラズマ111が生成される状態とすればよい。
なお、シリコン基板101に対する酸素プラズマ111の照射の前に、アルゴンガスのプラズマを照射する。アルゴンガスのプラズマ照射は、酸素プラズマ照射と、同時及び前後のいずれかに行えばよい。アルゴンは質量が大きいので、シリコン基板101の表面への衝撃効果が大きく、クリーニング効果が得られる。同様に、酸素プラズマをシリコン基板101の表面へ照射することによっても、有機物の残渣を灰化することなどのクリーニング効果が得られる。
次に、成膜室内にシランガス(SiH4)を導入し、図1(b)に示すように、酸素プラズマ111が照射されている状態で、シリコン基板101の表面近傍にシランガス112を供給し、シリコン基板101の表面に酸化シリコン層102が形成された状態とする。ここで、酸化シリコン層102の形成時には、成膜室の内部圧力は、0.15Pa程度とする。0.15Pa程度と、低いガス圧としておくと、酸化シリコンの堆積速度は遅いが、シリコン基板101の表面との密着性の高い酸化シリコン層102が形成される。
なお、シリコン基板101の表面に、予め熱酸化により酸化シリコン膜(熱酸化シリコン膜)を形成しておくと、より強固な密着性が得られる。熱酸化シリコン膜は、1原子層(1分子層)程度の薄い膜でもよく、このように薄い熱酸化シリコン膜であれば、光学的にあまり問題とならない。また、上記熱酸化シリコン膜は、数μm程度に厚く形成しておき、クラッド層として用いるようにしてもよい。
次に、ECRプラズマを生成している領域に、酸素ガスの供給に加えて窒素ガスの供給を開始し、図1(c)に示すように、新たに窒素プラズマ113がシリコン基板101に照射された状態とし、酸化シリコン層102の上に組成遷移層103が形成された状態とする。組成遷移層103の形成では、窒素ガスの供給を供給量「0」の状態より徐々に増加させ、同時に、酸素ガス及びシランガス112の供給も徐々に増加させ、最終的に、目的とするSiONの組成となる状態の供給量で、各ガスを供給する。これらの過程で、成膜室内の圧力は上昇し、イオンエネルギーは低下する。
上述したように、各ガスを徐々に増加させていくことにより、この過程で形成される組成遷移層103においては、酸化シリコン層102の側から層の中の窒素濃度が徐々に増加し、構造の急激な変化が抑制される。この結果、組成遷移層103は、密着性の低下が防止できる。
また、上述したように供給量を増加させることで成膜速度を向上させ、図1(d)に示すように、組成遷移層103の表面に、膜厚3μm程度の厚いSiON膜104が形成された状態とする。なお、図1(a)〜図1(d)に示した各工程において、基板の表面には、常に酸素イオン(プラズマ)が照射されている状態とし、基板表面への不純物の吸着が抑制された状態とする。
上述した本実施の形態の製造方法に対し、シランガスの流量を20sccmとした条件(約0.23Pa)で、組成遷移層などを形成せずに、シリコン基板の表面に直接SiON膜を膜厚3μm程度に形成した場合、基板をダイシングで切り出す段階で、SiON膜に剥がれが生じる。これに対し、前述した製造方法と同様に、まず、シラン流量5sccm,酸素流量15sccmの条件(約0.15Pa)で酸化シリコン層を20nm程度堆積し、引き続いて組成遷移層を形成した後、組成遷移層の上にSiON膜を形成した場合、ダイシングの後においても、SiON膜の剥がれは発生しない。
次に、上述した酸窒化シリコン膜の製造方法を実現するための製造装置例について説明する。図2は、ECRプラズマCVD装置の概略的な構成を示す模式的な断面図である。本装置では、まず、プラズマガスとして用いる酸素,窒素及びアルゴンガスは、導入管206によりECRイオン源201へ導入される。
ECRイオン源201は、導入管206より導入されたガスのECRプラズマを生成する部屋であり、ECRイオン源201には、まず、マイクロ波発生器208で発生させたマイクロ波(2.45GHz)が、導波管209介して導入可能とされている。また、ECRイオン源201の内部には、コイル203により、ECR条件を満たす磁界強度875Gの磁場の形成が可能とされている。
一方、ECRイオン源201には、成膜室202が連通し、成膜室202は、図示しない排気手段により、例えば、1×10-5Pa程度の圧力状態に排気可能とされている。成膜室202は、ECRイオン源201で生成されたECRプラズマを引き出し、引き出したECRプラズマを用いた処理を行う部屋である。なお、ECRイオン源201と成膜室202との間にシャッターを設け、成膜室202側へのプラズマの供給を制御するようにしてもよい。
成膜室202の内部には、ECRイオン源201との連通孔に対向して配置された基板固定台204が設けられ、また、ソースガスを導入する導入管207が設けられている。基板固定台204の上には、処理対象の基板205が固定され、ECRイオン源201より引き出したECRプラズマが照射される。
例えば、図示しない排気手段により成膜室202及びECRイオン源201の内部を所定の圧力にまで真空排気した状態で、導入管206により酸素,窒素及びアルゴンガスをECRイオン源201に導入し、ECRイオン源201にマイクロ波(2.45GHz)を供給するとともに、磁界強度875Gの磁場を形成する。このことにより、ECRイオン源201の内部に導入されたガスが、高効率にイオン化され、イオン化されたガスは、コイル203により形成される発散磁界により、成膜室202の側に引き出される。
成膜室202に引き出されたイオン化されたガス(酸素プラズマ,窒素プラズマ)は、基板固定台204に固定された基板205の表面に照射される。例えば、上述したシャッターを閉じた状態で、ECRイオン源201でプラズマを生成させ、生成させたプラズマが安定した後でシャッターを開ければ、安定した状態のプラズマを基板205に照射することが可能となる。
この状態で、導入管207よりシランガスを導入すると、成膜室202に導入されたシランガスは、基板205の表面付近に供給される。供給されたシランガスは、基板205の表面付近で照射されている酸素及び窒素のプラズマと反応し、この反応の結果、基板205の表面に、SiONの膜が形成される。なお、上記SiON膜の形成において、基板固定台204に加熱手段を設け、基板205を加熱してもよい。
次に、シランガスの供給流量を一定とした状態で、酸素ガス,窒素ガスの供給流量を変化させて形成したSiON膜について説明する。図3は、シランガスの流量を20sccm一定とし、酸素ガス,窒素ガスの総流量を45sccm一定とし、窒素流量を0sccmから45sccmまで変化させて膜厚150nm程度にまで形成した、SiON膜の屈折率,堆積速度を測定した結果を示す特性図である。
なお、膜の形成は、図2に示したECRプラズマCVD装置を用い、供給するマイクロ波電力は500W,成膜室の圧力は0.23Pa,また、基板の加熱は行わない。屈折率及び膜厚は、波長632.8nmのHeNeイオンレーザを用いたエリプソメータで測定する。また、sccmは流量の単位であり、1sccmは、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。
図3から分かるように、本実施の形態による製造方法によれば、形成したSiON膜の屈折率は、1.47から1.96まで安定に制御できる。また、膜の形成速度(堆積速度)も、0.11〜0.18μm/minと、大きな値が得られている。
次に、堆積速度とソースガスであるシランガスの流量との相関について説明する。図4は、上述した各条件下で屈折率が1.5となる堆積条件とし、堆積速度のシラン流量依存性を示す相関図である。図4に示すように、シランガスの流量増加とともに堆積速度が増加し、シランガスの流量が25sccmでは、堆積速度は約0.2μm/minとなる。
以下、本発明の実施例について、より詳細に説明する。以下では、AWG等の光導波路コアの作製を例にして説明する。
本例では、シリコン基板の上に熱酸化法により膜厚7μmの熱酸化シリコン膜を形成した後、熱酸化シリコン膜の上に、図5に示すマスフロー制御シーケンスにより、屈折率1.50,膜厚3μmのSiON膜を形成する。
まず、ECRイオン源と成膜室との間のシャッターを閉じた状態とし、基板表面のクリーニングのためアルゴンガス(5sccm)をECRイオン源に導入し、マイクロ波(500W)を入力してECRプラズマを形成する。なお、ECRイオン源中には既に磁界が形成されているものとする。
形成したECRプラズマが安定した後、成膜室とECRイオン源との間のシャッターを開き、所定の時間、基板表面がアルゴンイオン(アルゴンプラズマ)で照射された状態とする(ステップS501)。アルゴンイオン照射時の成膜室のガス圧力を、0.1Pa程度と低くすることで、より大きなイオンエネルギーで基板表面を照射できる(非特許文献2参照)。
次に、アルゴンイオン照射を終了する少し前に、酸素ガス(15sccm)のECRイオン源へ導入を開始し、所定の時間、酸素プラズマと窒素プラズマとが照射された状態とする(ステップS502)。酸素ガスの流量は、ゼロから徐々に15sccmまで増加させる。酸素ガスの導入から3分経過した後、アルゴンガスの供給を停止してアルゴンイオン照射を停止させ、所定の時間、酸素イオン(酸素プラズマ)のみが照射された状態とする(ステップS503)。ステップS503において、成膜室のガス圧力は、0.12Pa程度とする。
ステップS503の状態を3分程度継続した後、基板(熱酸化シリコン膜)表面近傍へのシランガスの導入を開始し、シランガスの供給量を徐々に5sccmまで増加させ、熱酸化シリコン膜の上に酸化シリコン層が形成された状態とする。このときの成膜室のガス圧力は、0.15Pa程度とする。この状態とすることで、前述と同様に、大きなイオンエネルギーで基板表面を照射でき、密着性の高い酸化シリコン層が堆積できる。
シランガスの供給流量が5sccmとなったら、酸素ガスの流量を30sccmまで徐々に増加させ、同時に、窒素ガスの供給を開始し、窒素ガスの流量をゼロから徐々に15sccmまで増加させる。窒素ガスの流量が15sccmとなったら、シランガスの供給量を、5sccmから20sccmまで徐々に増加させる(ステップS504)。これらのことにより、酸化シリコン層の上に、窒素の濃度が徐々に増加する組成遷移層が形成される。
上述したステップS504の過程で、基板表面の熱酸化シリコン膜の上に、密着性の高い数nmないし数10nmの酸化シリコン層と、数nm〜数10nm程度の組成遷移層とが形成される。組成遷移層は、酸化膜の状態から窒素濃度が徐々に増加して目的とするSiON膜(この例では、屈折率1.50、膜厚3μm)への過程の層である。
シランガスの供給流量を20sccmまで増加させた後、この状態を所定時間継続させる(ステップS505)。シランガスの供給流量を20sccmまで増加させた時点の成膜室のガス圧は、約0.23Paとなり、多量に原料ガスが供給されて高速に成膜可能な状態となっている。この結果、組成遷移層の上に、膜厚3μm程度のSiON膜が形成された状態となる。ステップS505の後、シャッターを閉じ、ガス供給を停止し、マイクロ波の入力を停止することで、上述した一連の成膜工程が終了する。
以上のようにしてSiON膜を形成した後、フォトリソグラフィー工程と垂直異方性を有するドライエッチング工程によりSiON膜を加工し、AWGのSiONコアを形成し、これらの上にシリコン酸化膜を膜厚7μm程度堆積してオーバークラッド層とする。SiON膜を形成した下層の酸化シリコン層及び熱酸化シリコン膜が、アンダークラッド層となる。
このようにして形成したAWGチップは、基板をダイシングして各チップに切り出した後も、膜剥離などが発生せず、良好な特性を示している。
本発明の実施の形態におけるSiON膜の製造方法について説明する工程図である。 ECRプラズマCVD装置の概略的な構成を示す模式的な断面図である。 シランガスの流量を20sccm一定とし、酸素ガス,窒素ガスの総流量を45sccm一定とし、窒素流量を0sccmから45sccmまで変化させて膜厚150nm程度にまで形成した、SiON膜の屈折率,堆積速度を測定した結果を示す特性図である。 SiON膜の堆積速度のシラン流量依存性を示す相関図である。 SiON膜を形成するための各ガスの供給量の制御シーケンスを示すタイミングチャートである。
符号の説明
101…シリコン基板、102…酸化シリコン層、103…組成遷移層、104…SiON膜、111…酸素プラズマ、112…シランガス、113…窒素プラズマ。

Claims (3)

  1. 光導波路のコアに用いる酸窒化シリコン膜の製造方法であって、
    電子サイクロトロン共鳴法により生成した酸素プラズマをシリコン基板の上に照射する第1工程と、
    前記酸素プラズマが照射されている前記シリコン基板の上にシランガスを所定時間供給して前記シリコン基板の上に酸化シリコン層が形成された状態とする第2工程と、
    前記酸素プラズマが照射され、かつ前記シランガスが供給されている前記酸化シリコン層の上に、電子サイクロトロン共鳴法により生成した窒素プラズマの照射を開始する第3工程と、
    前記酸素プラズマを生成するための酸素ガスの流量と前記窒素プラズマを生成するための窒素ガスの流量と前記シランガスの供給量とを各々所定の増加量で増加させ、前記酸化シリコン層の上に前記酸化シリコン層の側から窒素の濃度が徐々に増加した組成遷移層が形成された状態とするとともに、膜の堆積速度を低い状態から高い状態とする第4工程と、
    前記第4工程に引き続き、前記酸素プラズマと前記窒素プラズマとを照射し、かつ前記シランガスを供給して前記組成遷移層の上にSiON膜が形成された状態とする第5工程と、
    前記SiON膜を加工してコアを形成する第6工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の製造方法。
  2. 請求項1記載の酸窒化シリコン膜の製造方法において、
    前記第1工程の前に前記シリコン基板の表面を熱酸化することで前記シリコン基板の表面に熱酸化シリコン膜が形成された状態とする工程を備え、
    前記酸化シリコン層は、前記熱酸化シリコン膜の表面に形成する
    ことを特徴とする酸窒化シリコン膜の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の酸窒化シリコン膜の製造方法において、
    前記第1工程の前に、電子サイクロトロン共鳴法により生成したアルゴンガスのプラズマを前記シリコン基板の上に照射する工程を備える
    ことを特徴とする酸窒化シリコン膜の製造方法。
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