JP4387485B2 - エバネッセント光を出射する光源装置 - Google Patents

エバネッセント光を出射する光源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近視野光学顕微鏡、近視野光学系を用いた記録装置、露光装置などとして用いられるエバネッセント光出射用等の光源装置、その駆動方法、その製造方法、及び光情報記録装置、露光装置等としてそれを用いる方法などに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、尖鋭なプローブ先端の微小開口から染み出すエバネッセント光を用いた光技術、いわゆる近視野(近接場またはニアフィールド)光学系を用いた高分解能観察や次世代用の高密度記録、超微細露光技術等の開発が盛んになってきている。高分解能観察に関しては、資料表面の様子を光プローブで検出して資料表面を調べる走査型近接場光顕微鏡(以下SNOMと略す)(During et al., J.Appl.Phys.,vol.59,3318(1986)等)が開発されている。SNOM用の光導入装置については、例えば、特開平5−100168号公報に開示されている。ここでは、図10のように、Si基板101上に設けられた円錐形状部材の先端に微小開口110が形成され、Si基板101の裏面側には開口部102が形成され、そこに光ファイバ103が挿入されて光ファイバ103を通して光を出射している。尚、図10において、107は電極、108は光導波層、109は金属膜、111は反射防止膜である。
【0003】
或は、図11のように、面発光レーザの出射端面に電極811による微小開口813を形成したものも提案されている。この例では、近接場光の導入装置のみを提供するものであって、像観察あるいは光情報読み出し用の光検出器については、別の光学系を設ける必要がある。尚、図11において、801はレーザ基板、802はバッファ層、803は半導体多層膜ミラー、804、808、809は電流狭窄用半導体層、805は活性層、806はクラッド層、807はコンタクト層、810は絶縁層、812はレーザ電極である。
【0004】
更には、特開平8−306062号公報に開示されている如く、図12のように、端面発光型半導体レーザ201の片方の端面に楕円錐形状のプローブ203が形成され、これが白金電極210等で覆われて先端に微小開口が形成されている構造も提案されている。この例においては、半導体レーザ201のプローブが形成されていない端面に光検出器202を取り付けて、該半導体レーザ201の光出力を検出できるようになっている。すなわち、1つの光学系で、光導入装置と光信号読み出し装置を備えており、光情報の読み出し用のコンパクトな光ヘッドを提供している。尚、図12において、204はエバネッセント光、206は浮上スライダー、207は光記録媒体、209は光記録領域である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近接場光学系では微小開口から僅かに染み出るエバネッセント波を用いるため、光源の効率が要求され、低しきい値で量子効率の高い半導体レーザが必要となる。ところが、図10の如く光ファイバ103などで導波するものは結合損が生じて望ましくなく、また、図12のような端面発光レーザ201を用いたSNOMヘッドでは、動作電流が大きいため、消費電力が高く、特にマルチ化には適さない。
【0006】
更に、近接場光学系では、プローブを媒体表面に殆ど接触するような形で走査するため、媒体表面の凹凸の存在を考えると、適当な弾性体によってプローブが支持されている必要がある。また、高速で走査するにはSNOMヘッドをアレイ化してマルチプローブで同時走査する必要も出て来るが、この際、各々のSNOMヘッドを別々の弾性体で支持して表面を倣うように走査を行わないと、媒体表面或はプローブ先端を破壊してしまう恐れがある。
【0007】
図10や図11のようなSNOMヘッドの場合、アレイ化するためには同一基板上に形成することになるが、これでは各々の微小開口部が同一平面上に存在することになるため、媒体表面に対して倣うように走査ができなくなる。また、光検出用の別の光学系を必要とするため、装置が大型化し、特にアレイ化した場合には、互い光の干渉や、観察点から検出系までの距離が離れることなどにより、検出信号の良好なS/Nを確保することが困難になっている。
【0008】
一方、図12のような端面発光型レーザのタイプでは、光検出系が一体化されているために小型化できるが、端面発光型レーザ1つ1つをアレイ化する場合には、各々を支持する弾性体が多数必要になってSNOMヘッド全体が大型化して重くなってしまい、やはり高速走査が難しくなる。
【0009】
本発明の目的は、このような課題に鑑み、近接場光学系用の光導入装置および光検出装置が集積化ないし一体化されて小型の弾性体上或は支持基板上に形成され、2次元等にアレイ化した場合にも小型、軽量で高速走査などが可能な近視野光学系用に適した光源装置、その製造方法、及び光情報記録装置、露光装置等としてそれを用いる方法などを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的を達成する光源装置は、基板に一部が支持された弾性体上に、面発光レーザと、該面発光レーザ上に設けられた微小開口を構成する部材と、を備え、前記微小開口を通じてエバネッセント光を出射する光源装置であって、前記面発光レーザの光軸方向であって、前記微小開口を構成する部材とは反対側に前記面発光レーザの光出力を検出する検出器を有することを特徴とするエバネッセント光を出射する光源装置である。任意の基板に支持された弾性体に面型発光装置を備え、面型発光装置の光出力をモニタする光検出器を近傍に集積化させることで、簡単に同一基板上にアレイ化した小型のSNOMヘッドなどを実現でき、媒体表面を破壊することなく高速に走査ができる。こうして、光デバイスが弾性体に支持されて媒体表面に対して倣うように走査できる発光源と光検出器を備えた近視野光学系用に適した小型の光源装置を提供できる。
【0011】
上記の基本構成に基づいて、以下のような構成も可能である。
前記面型発光デバイスには微小開口が備えられ、弾性体上及び第1の基板上に形成された電気配線を介して該面型発光デバイスに電流注入或は電圧印加し、微小開口からエバネッセント光を発生させる様にできる。面型発光装置に微小開口を設けることでエバネッセント波の制御を行なって、高分解能の走査を行なえる。こうして、弾性体に支持された光デバイスから発生するエバネッセント光を制御して分解能を上げることができる視野光学系用に適した光源装置を提供できる。
【0012】
前記面型発光デバイスは半導体で構成された面発光レーザである。SNOMヘッドなどの光源を、例えば、微小開口を光出射面に持つ面発光レーザとすることで、エバネッセント波の強度を強くすることができる。こうして、SNOMヘッドなどから発生するエバネッセント光の強度を強くしかもエネルギ変換効率を高くできる。
【0013】
前記面型発光デバイスは半導体薄膜で構成され、前記第1の基板とは異なる該半導体薄膜を形成した第2の基板が前記第1の基板に支持された弾性体上に配置されている様にもできる。
【0014】
また、前記面型発光デバイスは半導体薄膜で構成され、前記第1の基板とは異なる該半導体薄膜を形成するときに用いた第2の基板が除去されて、該面型光デバイスの機能層のみが前記第1の基板に支持された弾性体上に配置されている様にもできる。面型発光装置を弾性体に貼り付けた後で、該面型発光装置の作製のための基板を除去することで、SNOMヘッドなどを小型、軽量化できる。こうして、SNOMヘッドなどを高密度アレイ化するときに、エバネッセント光発生部を小型、軽量化できる。
【0015】
前記弾性体は、前記第1の基板であるSi基板上に形成された窒化シリコン薄膜であって、一部の領域で該Si基板を除去してSi基板に支持される構造を持つ薄膜弾性体である様にできる。Si基板上に形成したSiN薄膜にSNOMヘッドなどを形成して、Si基板の一部を除去することで、簡易的なカンチレバー型等の薄膜弾性体が作製できる。こうして、SNOMヘッドなどを支持する小型で作製が容易な弾性体を実現できる。
【0016】
前記弾性体は第1の基板上に形成された金属膜であって、一部の領域で該第1の基板を除去して該第1の基板に支持される構造を持つ薄膜弾性体である様にもできる。基板上に形成した金属膜にSNOMヘッドなどを形成して、該基板の一部を除去することで、強度の高いカンチレバー型等の弾性体が作製できる。こうして、SNOMヘッドなどを支持する小型で作製が容易な弾性体を実現できる。
【0017】
前記弾性体は、前記第1の基板であるSi基板上にSiO薄膜とSi薄膜が順に形成されたSOI(Semiconductor on−InsulatorないしSilicon on−Insulator)基板のSi薄膜であって、一部の領域で該Si基板及びSiO薄膜を除去してSi基板に支持される構造を持つ薄膜弾性体である様にもできる。Si基板上にSiO薄膜を介して形成されたSi薄膜にSNOMヘッドなどを形成して、Si基板の一部を除去することで、強度の高いカンチレバー型等の薄膜弾性体が作製できる。こうして、SNOMヘッドなどを支持する小型で作製が容易な弾性体を実現できる。
【0018】
前記光検出器は、前記薄膜弾性体であるSi薄膜上の該面型発光デバイスからの光出力を検出できる位置に、ドーピング制御によりホトダイオードあるいはFET(電界効果トランジスタ)として集積化されたものであり、該弾性体上および該第1の基板上に形成された電気配線を介して該光検出器が駆動される様にできる。このようなSi薄膜で形成されたカンチレバーなどの場合は、該Si薄膜に光検出器を作り込んで該光検出器の上に面型発光装置を接合することで、小型で発光素子、受光素子が一体化されたSNOMヘッドなどを実現できる。こうして、SNOMヘッドなどを小型集積化するための光検出器を提供できる。
【0019】
前記光検出器は、前記薄膜弾性体であるSi薄膜上の該面型発光デバイスからの光出力が検出できる領域に集積化した金属/半導体接触のショットキーバリア型光検出器であり、該弾性体上および該第1の基板上に形成された電気配線を介して該光検出器が駆動される様にもできる。これによっても、SNOMヘッドなどを小型集積化するための光検出器を提供できる。
【0020】
前記光検出器は、該面型発光デバイスと積層するように接合されて一体化されており、該一体化された光検出器および面型発光デバイスが該弾性体上に備えられ、該弾性体上および該第1の基板上に形成された電気配線を介して該光検出器および該面型発光デバイスが駆動される様にもできる。光検出器と面型発光装置を接合したものをカンチレバーなどに貼り付けることで、小型で発光素子、受光素子が一体化されたSNOMヘッドなどを実現できる。これによっても、SNOMヘッドなどを小型集積化するための光検出器を提供できる。
【0021】
前記光検出器は、該弾性体を支持する第1の基板とは異なる第3の基板に形成されており、該面型発光デバイスの光出力のうち、近視野光学系用に適した光源となる面とは反対の面から出力されるものをモニタできるようにアライメントされており、該弾性体を支持する第1の基板と該第3の基板が貼り合わされている様にもできる。光検出器を別の基板に作製して、これが面型発光装置の光出力をモニタできる位置に設置されて基板同志を貼り合わせることで、小型で発光素子、受光素子が一体化されたSNOMヘッドなどを実現できる。こうして、SNOMヘッドなどを小型集積化するための光検出器を提供できる。
【0022】
前記面型発光デバイスおよび光検出器の電極配線は、該面型発光デバイスの一方の電極と該光検出器の一方の電極が電気的に接続されて1つの共通電極となり、該面型発光デバイスの他方の電極と該光検出器の他方の電極がそれぞれ独立の配線となって、該弾性体上に3本の配線が形成されている様にできる。面型発光素子と光検出器の一方の電極は直接接合して共通電極とし、もう一方の電極はそれぞれ独立にして3端子とすることで、効率的なSNOMヘッドなどの駆動が可能となる。こうして、SNOMヘッドなどの発光素子、受光素子に電流注入ないし電圧印加するための手段を提供できる。
【0023】
前記面型発光デバイスへの電気配線は、一方が該面型発光デバイスの基板側電極と導電性接合され、他方が、該面型発光デバイスの端面に形成された段差を緩和するための絶縁材料上を這って上面電極と導電性接合されている様にもできる。
【0024】
前記面型発光デバイスへの電気配線は、該面型発光デバイスの同じ側に形成された2つの電極と夫々導電性接合されている様にもできる。
【0025】
前記微小開口は、該面型発光デバイスの光出力部のうち該光検出器が備えられていない側に、微小開口を有する微小突起部材を備えて形成されたものである。先端に微小開口を有する四角錐状の金属薄膜などを面型発光装置の光出射面に圧着することで、SNOMヘッド等を構成できる。こうして、エバネッセント波発生のための好適な微小開口部を提供できる。
【0026】
前記面型光デバイスおよび光検出器は、共通の第1の基板で支持される複数の前記弾性体上に複数アレイ化されている。光検出器は前記第3の基板上にアレイ化されていてもよい。同一支持基板上に複数のSNOMヘッドなどをアレイ化しておき、格子状等に該基板を除去すれば簡単に高密度にアレイ化された近視野光学系用に適した光源装置が実現できる。この構成は、面型光デバイスと光検出器の各組が各弾性体上に設置された図4の構成にもできるし、面型光デバイスのみが各弾性体上に設置されて各光検出器は各面型光デバイスに対応して第3の基板上にアレイ化された図4の構成と図5の構成を組み合わせた構成にもできる。こうして、高速走査のためのマルチSNOMヘッド等を提供できる。
【0027】
前記面型発光デバイスと光検出器或は面型発光デバイスは、1つの前記弾性体上に複数配置されている。この構成は、面型光デバイスと光検出器の複数組が1つの弾性体上に設置された図3の構成にもできるし、複数の面型光デバイスのみが1つの弾性体上に設置されて複数の光検出器は面型光デバイスに対応して第3の基板上に配置された図3の構成と図5の構成を組み合わせた構成にもできる。1つの弾性体に複数の微小開口を有する面型発光装置を備えることで、高密度の配列を実現でき、トラッキングや光検出用のヘッドを同時に備えることができる。
【0028】
前記弾性体は、例えば、中央がくり貫かれた台形形状の片持ち梁構造を有する様にもできる。
【0029】
前記弾性体は、その上面と下面には圧電材料層が形成されてバイモルフ構造にされ、両圧電材料層への電界印加によって該弾性体を微動調整できる構造或は該弾性体の微動を両圧電材料層に誘起される電荷で検出できる構造となっている様にもできる。
【0030】
また、本発明の上記目的を達成する近視野光学系用光源装置の製造方法は、面型発光デバイスの機能層を第2の基板である半導体基板上に成膜して電流注入領域、電極構造を加工する工程と、弾性体上に光検出器と電極配線を作製する工程と、該面型発光デバイスの電極構造と該弾性体上に形成された該光検出器の電極および電極配線とを電気的接触を得ながら接合する工程と、前記第1の基板を該面型光デバイスが形成された面とは反対側の面からエッチングする工程とを少なくとも含むことを特徴とする。例えば、面型発光装置を加工してできた電極と、弾性体上に形成した配線用の電極および光検出器の電極とを電気的接触を得ながら接合して、微小開口部を形成し、弾性体の支持基板をエッチングすることでSNOMヘッド等が作製できる。
【0031】
また、本発明の上記目的を達成する近視野光学系用光源装置の作製方法は、面型発光デバイスの機能層を第2の基板である半導導体基板上に成膜して電流注入領域、電極構造を加工する工程と、弾性体上に電極配線を作製する工程と、該面型発光デバイスの電極構造と該弾性体上に形成された電極配線とを電気的接触を得ながら接合する工程と、第1の基板を該面型発光デバイスが形成された面とは反対側の面からエッチングする工程と、該面型発光デバイスが形成された面とは反対側の面において、該第1の基板と光検出器を表面に形成した第3の基板とを、該面型発光デバイスの出力光を該光検出器で検出できる位置にアライメントして、接合する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。例えば、面型発光装置を加工してできた電極と、弾性体上に形成した配線用の電極とを電気的接触を得ながら接合して、微小開口部を形成して弾性体の支持基板をエッチングし、エッチングした側に光検出器を備えた別の基板をアライメントして該支持基板と接合することで、SNOMヘッド等が作製できる。
【0032】
本発明の光源装置は、以下の如き使用方法で或は装置として使用できる。
面型発光デバイスからエバネッセント光を媒体表面に照射して、媒体表面からの散乱光の強さによって変動する該面型光デバイスの光出力を、該媒体表面とは反対側に備えてある光検出器によって電気信号に変換し、光情報の検出器として用いる。例えば、面型発光装置に電流注入して媒体表面にエバネッセント光を照射したときの媒体からの戻り光によって発光デバイスの光出力が変動する信号を、光検出器で読み出すことで、SNOMヘッド等として駆動できる。こうして、光源と光検出器が一体化されたSNOMヘッド等の駆動方法を提供できる。
【0033】
微小突起部材から導電性の媒体表面を通して該面型発光デバイスに電流或はトンネル電流を注入することで、該媒体表面の状態によって変化する電流量で該面型発光デバイスの光出力が変化することを光検出器で検出し、走査型トンネル顕微鏡(STM)として用いる。例えば、面型発光装置上の微小突起を介して媒体表面にトンネル電流を流し、この電流の大きさによって面型発光装置の光出力の変化する信号を光検出器で読み出すことで、STMとして駆動できる。こうして、SNOMヘッド等を他の観察方法と併用して使用するときの駆動方法を提供できる。
【0034】
微小突起部材が媒体表面と原子間力相互作用することによって薄膜弾性体が変位するのを、第3の基板に形成された光検出器によって、該薄膜弾性体の変位により該面型発光デバイスから放射される光出力の位置が変動することで検出し、原子間力顕微鏡(AFM)として用いる。例えば、微小突起と媒体表面との原子間力相互作用でカンチレバーなどが変位するのを、近傍に一体化された光検出器により、面型発光装置のビームの偏向で読み出すことで、AFMとして駆動できる(この変位は、薄膜弾性体を上記のバイモルフ構造やピエゾ抵抗体などにすることによっても検出できる)。こうして、SNOMヘッド等を他の観察方法と併用して使用するときの駆動方法を提供できる。
【0035】
面型発光デバイスから発生するエバネッセント光によって光情報記録媒体への高密度情報記録を行い、該光源装置を光情報記録装置として用いる。情報再生は、媒体表面からの散乱光の強さを検出すること(これは、発光デバイスの出力のモニタで検出できるのは勿論であるが、或は発光デバイスの両端電圧または電流をモニタしても行なえる)で行える。こうして、SNOMヘッド等で光情報の記録、再生を行なうことで、高密度、大容量で高速走査が可能な光情報記録装置を実現できる。
【0036】
面型発光デバイスから発生するエバネッセント光によって光感光媒体への高精細パターン形成を行い、該光源装置を露光装置として用いる。SNOMヘッド等で感光媒体を露光させることで、高速に超微細なパターンを焼き付けられる露光装置を実現できる。
【0037】
本発明の作用原理の典型例を具体例に沿って説明する。
本発明のSNOMヘッドは、例えば図1のように、微小なカンチレバーと呼ばれる薄膜弾性体8の先端に、ホトダイオードなどの光検出器24を集積化して微小開口18を設けた面発光レーザ4などの光源を貼り付けた構造のものである。面発光レーザ4は貼り付けた後に、必要な領域のみ残す、すなわち50μm□程度にエッチングにより小さくする。カンチレバー8は、例えば図2のプロセスのように、Si基板1上にSiO膜25およびSi薄膜2を形成したSOI基板上でSi薄膜2をカンチレバー形状にパターニングし、基板裏面からバックエッチしてSi薄膜2の一部領域を基板1からフリーな状態にすることで、形成できる。微小開口付き面発光レーザ4は、例えば、GaAs基板30上に形成した図1(b)の断面図のような構造であり、カンチレバー8上に形成した電極5、6とのコンタクトを取る形で接合してある。接合方法は幾つかあり、Au同士の圧着によるもの、Agペースト等の導電性の接着剤によるもの、ハンダで接合する方法などがある。この面発光レーザ4の接合は、カンチレバー8作製前すなわちSi基板1のエッチング前に行なう。ホトダイオード24は、Si薄膜2で形成されたカンチレバー上のドーピング制御で図1(c)のように作り込むことができ、面発光レーザ4の光出力を検出することができる様になっている。電極の構成は、ホトダイオード24のカソードと面発光レーザ4のアノードが共通化されて電極配線6となり、その他の電極はそれぞれ配線5、7となって3極構造になっている。
【0038】
この方法によれば、各々のプローブが独立に薄膜弾性体8に支持されて図4のように高密度にアレイ化することができ、しかも光源と光検出系が一体化された小型、軽量のSNOMヘッドを提供することができる。また、微小突起部材3を介して媒体との間にトンネル電流を流してSTMとして駆動したり、トンネル電流の大小によって面発光レーザの光出力の強弱を検出する新しい媒体観察/情報記録再生方法を提供できる。
【0039】
一方、カンチレバー8をSiNなどの絶縁体で構成して、光検出器52は離れた位置に設置した図5のような構造でもよい。この場合は、レバー8の変位を光検出器52で検出する原子間力顕微鏡(AFM)としても動作させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0041】
(第1実施例)
本発明による第1の実施例は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、面発光レーザのエピタキシャル層表面に微小開口を有する突起部材を形成したものをカンチレバーの先端に取り付け、更にカンチレバー上に面発光レーザからの光出力をモニタできるホトダイオードを集積化させた構造のSNOMヘッド、及びその製造方法に関する。
【0042】
本実施例で適用した面発光レーザ4は、斜視図である図1(a)のA−A’断面図である図1(b)の断面図に示すように、AlGaAs/GaAs多重量子井戸活性層とAlGaAsスペーサ層からなる1波長共振器11をAlAs/AlGaAsの1/4波長厚の多層膜(20〜30組程度)から成るDBR(分布反射)ミラー12(n型)および10(p型)で挟む構造を有する。これらは、MOVPE(有機金属気相成長)法などによってn−GaAs基板(不図示)上にエピタキシャル成長される。DBRミラー10の最上層は電極コンタクトを取り易いようにハイドープのp−GaAs層となっている。発光領域(本実施例では15μmφ)に電流狭窄を行なうため、円環状に活性層近傍までエッチングした後、ポリイミド16で凹部を埋め込んで平坦化している。そして、SiN等の絶縁膜13を形成して、光を取り出す窓構造を持つp電極(例えばCr/Auから成る)14を形成している。
【0043】
本実施例では、p電極14は、Si薄膜2で作製されたカンチレバー8に形成した電極配線6の先端部に圧着等で貼り付けられる。一方、GaAs基板は除去してDBRミラー層12を露出させ、ここに、光が取り出せるように窓構造を設けてTi/Au薄膜15が成膜してある。ここで、特に図示していないが、使用時に媒体表面と面発光レーザ4の間で絶縁を取る必要がある場合には、DBRミラー層12と金属膜15の間に絶縁膜を挟めばよい。
【0044】
この面発光レーザ4の光出射面には、例えば、Au箔で形成した四角錐の先端に微小開口18を形成した突起部材3が金属同士の圧着により取り付けられる。該微小開口18からエバネッセント波が漏れ出るようになっている。本実施例では突起状の微小開口付き突起部材3を用いたが、突起を圧着せずに光出射面全体を電極で覆って中央に微小開口を作製してもよい。
【0045】
面発光レーザ4のn電極は次の様になっている。面発光レーザの外周部に活性層より深く溝23を形成し、n電極19(例えばTi/Pt/Au)を図1(b)のようにL字状に成膜し、これをカンチレバー8上に形成した電極配線5と圧着等により接続している。
【0046】
従って、面発光レーザ4に注入する電流は、中央をくり貫いた台形状のカンチレバー8上に形成された1対の電極パターン5、6を経由させればよい。この電極パターン5、6と面発光レーザ4の電極14、19との導電性接合の方法は、圧着以外にも、導電性接着剤、ハンダバンプを用いる方法などがある。
【0047】
一方、カンチレバー8は、Si1上にSiOを介してSi薄膜2が形成されたSOI基板のSi薄膜2で構成され、これが弾性体となってSNOMヘッドを支持している。このSiレバー8上の面発光レーザ4の光出力にあたる領域には上述のようにホトダイオード24が集積化されている。ホトダイオード24は、不純物濃度の十分に低いSi薄膜2にn拡散領域21およびp拡散領域22を形成し、SiNなどの絶縁膜20上にn側電極兼配線パターン6およびp側電極7を形成した構造となっている。電極7もレバー8上の配線を兼ねている。
【0048】
面発光レーザ4のレバー8側の光出力は、n領域21に入射して光キャリアを生成し、電極7と電極6の間に逆電圧を印加してホトカレントを検出する。この場合、光出力が大きすぎてホトダイオード24が飽和してしまうので、レバー8側の光出力面上にAu薄膜(200Å程度)などの光減衰層17を形成する必要がある。
【0049】
本実施例では、ホトダイオードとしてpin−PD構造としたが、APD(アバランシェホトダイオード)やMSM−PD(金属−半導体−金属ショットキー型ホトダイオード)あるいはFET(電界効果トランジスタ)型としてもよい。
【0050】
本実施例においては、面発光レーザチップサイズは50μm□、微小開口用の突起部材3の底面の一辺の長さは20μm、微小開口18は数10nmφとした。また、カンチレバー8のサイズは、先端部で80μm、根元の部分で125μm、長さ250μmの台形形状であり、中央部を図1(a)のように3角形状にくり貫いた構造を有する。このSNOMヘッドをアレイ化した様子を図4に示す。横方向のピッチWは125μm、縦方向のピッチLは、カンチレバーの長さ及び支えているSi基板1の領域があるため、500μmとした。また、各SNOMヘッドの面発光レーザヘの電流注入およびホトダイオードの電流検出配線は、図4のようにマトリックス配線としたが、独立配線にしてもよい。また、Siレバー1上にSiN膜20および金属膜5、6を形成しているため膨張係数の違いなどにより反りが出るが、これが問題になる場合にはSiレバー2にドーピングして配線構造を作製し、SiN膜、金属膜をなくすこともできる。
【0051】
次に、本実施例によるSNOMヘッドの作製プロセスを図2を元に説明する。この図では図1(a)で示したA−A’断面での図を表している。カンチレバープロセスに用いたSOI基板は、厚さ1μmのSi層2、厚さ0.5μmのSiO層25、厚さ500μmのSi基板1から成るものである。
【0052】
図2(a)において、Si層2のレバー8になる部分には上記に述べたようにnドープ層21およびpドープ層(不図示、図1(c)の22)をイオン注入などで形成し、絶縁膜としてSiN膜20を0.1μm成膜する。そして、コンタクト領域に窓を開けた後に、電極兼配線パターンとして、レーザn電極用配線5、ホトダイオードn電極6、ホトダイオードp電極7(不図示、図1(c)に記載)をホトリソグラフィーとリフトオフ法などによって形成する。その後、絶縁膜20およびシリコン層2を、フォトリソグラフィとSFを用いたドライエッチングによってカンチレバー(片持ち梁)の形状にパターニングする。一方、SOI基板の裏面にもSiN26を成膜して(Si薄膜2上に絶縁膜20を成膜するときに同時にできる)おき、Si基板1のエッチング用のマスク形状にパターニングしておく。
【0053】
次に、n−GaAs基板30上に、n−AlGa(1−x)As(x=0.3)(厚さ0.1μm(不図示))、n−AlAs/AlGaAs−DBRミラー12、AlGaAs/GaAs多重量子井戸活性層とAlGaAsスペーサ層からなる1波長共振器11、p−AlAs/AlGaAs−DBRミラーおよびp−GaAsコンタクト層10を成長したものを用意する。発光領域を、ホトリソグラフィーとCl系の反応性イオンビームエッチング(RIBE)で環状溝部をエッチングすることで、形成して、該溝部をポリイミド16で埋め込む。そして、SiNなどの絶縁膜13を窓構造を有するように形成してから、電極14をやはり窓領域を有するように形成する。その後、光減衰用のAu薄膜17を成膜する。また、n電極を取り出すためにやはりRIBEにてエッチングを行い、溝部23を形成して、絶縁膜13をエッチング側面に形成してからL字状のn電極19を形成する。
【0054】
次に、電極14と電極6および電極19と電極5が電気的導通が得られるようにアライメントして圧着する。
【0055】
図2(b)において、まず、アンモニア+過酸化水素水の混合液でGaAs基板30をエッチングして、n−AlGa(1−x)As(x=0.3)層が現れるまで完全に基板を除去する。必要であれば、この面に絶縁膜を形成してから、圧着用で光取り出し用の窓のある金属膜15(例えばTi/Au)を形成する。次に、カンチレバー先端部の面発光レーザ部4のみ残してその他のAlGaAs/GaAs成長層をホトリソグラフィと硫酸+過酸化水素水+水の混合液でエッチングして除去し、素子分離を行なう。さらに、微小開口付き突起部材3をアライメントして圧着する。微小突起部材3は、基板27上に形成されており、圧力印加後に該基板27を引き離すことで剥離層28との界面から剥がれ、微小突起部材3のみを面発光レーザ4上に残すことができる。
【0056】
ここで、微小突起部材3の作製方法を簡単に述べる。基板27としてSi(100)基板を用い、熱酸化膜からなる1辺が20μmの正方形のエッチング用窓を、ホトリソグラフィ及びフッ酸とフッ化アンモニウム混合液によるエッチングで形成する。そして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッチングにより、(111)面と等価な4つの面で囲まれた深さ約14μmの逆ピラミッド状の凹部29を形成する。次に、該マスク用の熱酸化膜を除去してから基板27を1000℃で再び熱酸化して、剥離層28として二酸化シリコンを400nm堆積する。その後、遮光層としてAuを蒸着することによりピラミッド形状のAu箔からなる微小突起部材3が形成できるが、蒸着源を基板27に対して斜めにすることで、凹部29の先端部分にAuの堆積しない部分が形成され、微小開口18が得られる。このとき、遮光層としてAuを用いたが、Pt、W、Ti、Crなどの金属、或は半導体や誘電体を用いてもよい。
【0057】
図2(c)において、基板表面に、ポリイミド層をスピンコートにより塗布して保護層を形成して、基板裏面の窒化シリコン26をエッチングマスクにして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液により裏面からのシリコン基板1のエッチングを行なう。その後に、フッ酸系のウエットエッチングにより二酸化シリコン25を除去する。最後に酸素プラズマRIEによるエッチングで上記表面保護層を除去して、カンチレバー型SNOMヘッドが完成する。
【0058】
ここで、本発明によるSNOMヘッドの駆動方法について図8を参照して簡単に述べる。面発光レーザ4のアノード14と光検出器24のカソード21が、共通電極6となってポイントAから電源Vccに接続される。面発光レーザ側の電極5はポイントBからレーザ駆動用のトランジスタ(図8でバイポーラ型を示したが、FETでもよい)に接続されている。そこで、LD電流制御回路で、入力信号に対してレーザ4に電流注入できるようになっており、エバネッセント光の出力制御ができる。一方、光検出器24のアノード電極7はポイントCから抵抗を介してグランドに接続され、ポイントCの電圧変化分を基準電圧86との比較で差動アンプの出力として信号を取り出す。
【0059】
媒体からの情報を取り出す場合には、レーザ4の電流をしきい値近傍にしておき、媒体からの戻り光で発振状態が変化したことを光検出器24からの電圧信号で取り出すようにすればよい。これは、DC信号も読み取れる系であるが、コンデンサ結合にしてAC成分のみ取り出す系でもよい。また、S/N向上のために、レーザ4を或る周波数で変調しておいて、同期検波による光検出を行なってもよい。このような駆動方法の場合は、媒体が接地されていて導電性を持つ場合には、レーザ4のカソード(ポイントB)と媒体の間で電気的にアイソレートする必要があるので、上記で述べたように図1(b)の金属膜15とDBRミラー12の間には絶縁膜を入れることが望ましい。
【0060】
しかし、この絶縁膜を入れないで別の駆動方法を行なうこともできる。すなわち、微小開口18を有する微小突起部材3をカソード(n側)電極と接続した場合、これを観察あるいは記録などを行なうための媒体表面に接触させることで媒体に電流を流すことができ、トラッキングなどに適用できる。あるいは、完全に接触させなくてもトンネル電流を流すことができ、STM(走査型トンネル顕微鏡)として併用することもできる。
【0061】
また、媒体表面とレーザ4のp側電極6との間に電源を接続して、n側電極としては配線5は接続せずに、微小突起部材3を通してレーザに電流注入するようにレーザを駆動すると、トンネル電流の強弱に応じて面発光レーザ4の光出力が変化するという新しい媒体観察方法を行なうことができる。この場合、図8のポイントBが媒体と微小突起部材3の間のトンネルコンタクトで接続して駆動していることになる。
【0062】
本実施例によれば、簡単に光源、光検出器の両方が備わった小型で高効率のSNOMヘッドを作製することができる。このヘッドを用いて超分解能の像観察、光記録、露光などを行なうことができる。
【0063】
本実施例では、AlGaAs/GaAs系すなわち780〜850nm帯の面発光レーザに適用したが、400nm前後のInGaN/GaN系、980nm帯のInGaAs/GaAs系、1.3〜1.55μm帯のInGaAsP/InPやInGaNAs/GaAs系など、あらゆる波長帯のものを用いることができる。さらには、効率は低下するが、低コスト化するために用途によっては、面型発光ダイオード(前記レーザ構造で多層膜ミラーを除いたようなもの)、半導体以外の材料も含めたEL(エレクトロルミネッセンス)素子等でもよい。
【0064】
また、カンチレバーとして台形形状の片持ち梁構造を用いたが、長方形形状等のものでもよいし、さらには弾性体を構成するものであれば、両持ち梁やクロス形状(クロス形状弾性体の交点の部分に面発光レーザが貼り付けられる)のもの、更にはヒンジ付きのもの(弾性体の根元部が1軸の周りで枢動可能であるもの)等でもよい。
【0065】
さらに本実施例においては、面発光レーザ用の基板に発光領域や電極などの加工を行なってから、電極同士で電気的接合を得ていたが、レーザ基板を加工をせずに先にカンチレバー基板に直接接合し、レーザ基板であるGaAsをすべて除去してから面発光レーザとしての加工を行なう方法もある。この場合、ポリイミド埋め込み層が図1(b)においてn−DBR層12に形成されることになる。このような接合の例として、電極なしでSOI基板のSi薄膜とGaAsの原子レベルの直接固相接合を行なう方法があり、接着強度や耐久性の面で優れているとともに、金属配線が一部省略できるので軽量化などの面でも優れている。
【0066】
(第2実施例)
本発明による第2の実施例は、図3に示すように、1つのカンチレバー8上に複数の面発光レーザ4、微小開口付き突起部材3および光検出器24を設けたものである。
【0067】
ここでは、面発光レーザ4を50μmピッチで2×2の2次元アレイ状に作製し、微小開口18を持つ突起部材3も同様にそれぞれの出射端に取り付け、4つのSNOMヘッドを1つのカンチレバー8上に取り付けている。面発光レーザ4ヘの配線は、第1実施例のように、アノード14側をレバー8の両側に共通電極配線31として形成し、カソード19側の電極配線32〜35を各レーザ4ヘの独立制御ができるように形成している。また、ホトダイオード24のホトカレントを検出する電極はSiレバー8内にpドープ層を形成して配線構造を4本形成しており(不図示)、独立に読み出すことができる。
【0068】
その他の構造、プロセス等は第1実施例と同様である。このような構造にすることにより、微小ピッチヘの対応、高速動作などが可能となる。また、すべてをSNOM光源とせず、一部は、ホトダイオードのみにして読み出し専用として用いたり、トラッキング用光源などの別機能を持たせることもできる。
【0069】
(第3実施例)
本発明による第3の実施例は、図5のようにカンチレバー8上ではなく、光軸方向に若干離れた位置に光検出器52を形成したものである。この場合、カンチレバー8はSi薄膜などの半導体ではなく、SiN薄膜50などの誘電体を用いることができるため、SOI基板を用いる場合に比べて低コスト化できる。
【0070】
本実施例では、SiN薄膜50で形成されたレバー8に面発光レーザ駆動用の配線5、6を形成して、レバー先端に、第1実施例と同様に、微小開口付き突起部材3付きの面発光レーザ4の機能層が貼り付けられている。面発光レーザ4の光出力は微小開口18を通してエバネッセント波を発生すると同時に、反対側のSiNレバー8を通して光が空気中を伝播して、他のSi基板51に形成されたホトダイオード52によって受光される。このとき、レバー8を支持している基板1の厚さは、研磨により150μm程度まで薄くしている。そのため、面発光レーザ4の出射角が立体角で約10度、出力端の窓径が10μmとした場合に、受光面でのビーム径は約40μm程度である。そこで、ホトダイオード52の受光面の窓領域は、十分検出できる程度の100μmとしている。
【0071】
ホトダイオード52は、例えば第1実施例のように、n型領域が受光層になっており、n型電極53とp型電極54でホトカレントを検出するようになっている。基板1と基板51はレバー8作成後にアライメントして貼り合わせたものである。本実施例では、ホトダイオードとしてpin−PD構造としたが、APD(アバランシェホトダイオード)やMSM−PD(金属−半導体−金属ショットキー型ホトダイオード)あるいはFET型としてもよい。
【0072】
本実施例による光検出器付きSNOMヘッドの作製方法を図6に沿って説明する。この図は、第1実施例の図2の場合から90度回転した図5におけるB−B’断面図である(B−B’断面は斜めに伸びているのでホトダイオード52のn型電極53とp型電極54の部分を含む)。
【0073】
図6(a)において、Si(100)基板(厚さ150μm)1の両面に熱酸化により二酸化シリコン61を0.3μm、化学気相成長(CVD)法により窒化シリコン50を0.5μm成膜する。次に、表面の窒化シリコン50上に配線用の電極パターン6をリフトオフ法により形成した後、フォトリソグラフィとCF4プラズマによる反応性イオンエッチング(RIE)によりカンチレバー(図5のような片持ち梁8)の形状にパターニングする。また、基板1の裏面の窒化シリコン50および二酸化シリコン61を基板1のバックエッチングのマスク形状にパターニングする。
【0074】
図6(b)において、第1実施例で説明した方法で面発光レーザ4を電極6上に貼り付ける。貼り付けた後に、さらにホトリソグラフィと硫酸系のウエットエッチングにより、50μm□の大きさに素子分離を行なう。このとき、カンチレバー8の貼り付ける位置に合わせたピッチに面発光レーザ4もGaAs基板上にアレイ化してあるので、Si基板1とレーザ用GaAs基板同志をハンドリングすればよい。さらに、第1実施例と同様の方法で、別の基板27に形成した微小開口18を有するAu箔等から成る微小突起部材3をカンチレバー上の面発光レーザ4の光出射面に圧着する。
【0075】
図6(c)において、基板表面に、ポリイミド層をスピンコートにより塗布して保護層66を形成し、裏面の窒化シリコン50をエッチングマスクにして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液により裏面からシリコン基板1のエッチングを行なう。その後、フッ酸系のウエットエッチングにより二酸化シリコン61を除去する。
【0076】
図6(d)おいて、Si基板51上にn拡散層63、p拡散層64を形成して、絶縁膜62を形成後、電極パターン53、54を形成する。受光部となる面には絶縁膜兼反射防止膜65を形成する。これを、カンチレバー8を形成した基板1とアライメントして、固相接合あるいは接着剤を用いた接合で貼り合わせる。最後に、酸素プラズマRIEによるエッチングで表面保護層66を除去することで、図5のようなカンチレバー型SNOMヘッドが完成する。
【0077】
本実施例のSNOMヘッドの駆動は、第1実施例のように行なってもよいが、カンチレバー8上の面発光レーザ4のビームがレバー8の変形によって偏向されることを利用して、AFM(原子間力顕微鏡)のような形で像観察してもよい。この場合、光検出器52の受光面を40μm程度に小さくしておいて、レバー8の撓みによってビーム位置が受光面からずれて光検出強度が減少することを利用する。この信号は、第1実施例のようなニアフィールド光の相互作用による面発光レーザ4の光出力変動で媒体表面の情報を検知する信号とは、周波数分離でアイソレートすることができる。すなわち、ビーム偏向による光信号の変動はレバー8のメカニカルな振動に相当しているため、面発光レーザ4の出力変動に比べると低周波の信号となっている。また、ビーム偏向を検知する方法として、受光面が10μmφ程度と小さいものをライン状に並べて、ビーム位置検出する方法でもよい。このような方法で駆動すれば、近接場観察とAFM観察を同時に行なって、媒体を異なる相において多面的に観察することができる。
【0078】
(第4実施例)
本発明による第4の実施例は、基板を除去しない面発光レーザと光検出器を一体化して、厚膜のカンチレバー上に貼り付けたものであり、図7にその断面図を示す。図7において、第1実施例のものと同一の機能部には同一の符号で示した。
【0079】
本実施例では面発光レーザとして0.98μm帯の材料を用いており、GaAs基板84を透過して光を取り出すことができる。従って、レーザ基板を除去する工程を省略することができる。しかし、レバー先端に重量の重い素子が乗ることになるので、レバーの強度を上げるために厚さ20μm程度の金属厚膜70をレバー材としている。これは、SiN膜79の上にCr/Au電極(メッキ用電極)をカンチレバーの形状にリフトオフ法などで成膜したのちに、厚膜のNiウエットメッキを行なうことで形成している。メッキ材は他にCuやAuなどでもよい。ここで、面発光レーザ部の基板30は80μm厚、ホトダイオードの基板84は40μm厚とした。
【0080】
この金属厚膜レバー70上には、Si基板84上に形成したホトダイオード及び上で説明した面発光レーザが、それぞれ電極74、76の金属を介して圧着されてスタックされている。ホトダイオードはSi基板84上にp型拡散領域75、n型拡散領域85を持つ。そして、p側には絶縁膜77を介して窓構造を有する電極76が、n側には全面電極78がそれぞれ形成されている。面発光レーザは、活性層72が半導体多層膜ミラー71、73に挟まれたInGaAs/AlGaAs2重量子井戸構造になっている(こうしてGaAs基板84を透過する光を出す様にしている)以外は、第1実施例などと同じである。p側電極として電極14が、配線80を介して、レバーを支持する基板の配線に接続されている。この場合、レーザ端面に段差があるため緩和層83としてポリイミドが形成されている。また、n側電極74はホトダイオードの電極76と接続され、絶縁膜82を介してレバー上に形成された配線81に接続されている。ここで、第1実施例と同様に光減衰層17が設けられている。ホトダイオードのn側電極78はレバー70と接触しているため、レバーそのものを電極配線として用いている。
【0081】
第1実施例と異なりレーザのn側電極74が光検出器のp側電極76と接触して共通電極81となっているが、駆動方法は基本的には同様である。
【0082】
ところで、今までの実施例では、カンチレバーを単なる弾性体として用いていたが、ピエゾ抵抗を形成してカンチレバーの撓み量を検出できるようにし、バイモルフ構造にすることで電界によってレバー本体を上下に駆動できる構造にしてもよい。こうすれば、例えば、使用時に、媒体表面に対する微小開口突起部材3の位置決めが好適に調整できる。
【0083】
(第5実施例)
本発明による第5の実施例は、図10に示すように第1乃至第4実施例のSNOMヘッドを光情報記録装置に適用したものである。
【0084】
図9において、上記実施例で説明した微小開口突起部材3と面発光レーザ4が一体化されたSNOMヘッド90が、Si基板1で支持されたカンチレバー8の先端に取り付けられ、このSNOMヘッド90から発生したエバネッセント光は、ディスク93上に形成された相変化記録媒体と相互作用し、光記録ドメイン92を形成する。
【0085】
一方、情報再生時には、面発光レーザ4への注入電流をしきい値電流付近まで落とすと、媒体の反射率によってレーザ4の発振状態が変化するので、このことを利用して情報を再生する。すなわち、光記録ドメイン92があるとエバネッセント光と記録媒体の相互作用が変化し、レーザ4ヘの戻り光量が変化するために、発振状態が大きく変化する。しきい値近傍で戻り光量が増大するとレーザ4の状態が不安定になり、戻り光の遅延時間に応じた振動が引き起こされる。この出力変動を一体化された光検出器で読み取ることで記録情報を読み出せる。
【0086】
このようなSNOMヘッド90で光記録を行なえば、微小開口径が数10nmの場合に100Gb/in以上の記録密度が可能となる。従来のSNOMヘッド記録装置では、小型化、アレイ化が難しく高速駆動ができなかったが、本発明により小型軽量、2次元アレイ化等が簡単になり、高速アクセスが可能となった。図9においては1つのSNOMヘッド90のみ示しているが、図4のようなマルチプローブを用いてもよい。
【0087】
また、本実施例ではディスク型の回転系を示しているが、それ以外の2次元平行移動型などでもよい。
【0088】
同様に、本発明によるSNOMヘッドを用いて近接場光学系を用いた超微細露光装置を構成することができる。任意の基板表面にホトレジストを塗布して、本発明によるSNONヘッドアレイを2次元走査しながら、露光パターンを該レジスト上に焼き付けることができる。微細パターン用のレジストが紫外光で主に感光するように作られているので、光源としてGaN系などの紫外材料を用いることが望ましい。しかし、現在、最も効率がよくハイパワーの面発光レーザはGaAs系の赤外光のため、赤外光で感光する媒体を用いて露光を行なってもよい。従来のSNOMヘッドでは高密度アレイ化が困難なため、露光パターンを形成するのに非常に時間がかかっていたが、本発明の装置により飛躍的な時間短縮が期待できる。
【0089】
なお、上記実施例では、近視野光学系用の光源装置として微小開口突起部材を設けた構造で、作用、効果を説明してきたが、微小開口を設けずに通常の光の放射モードを使って、記録再生装置、露光装置などに適用することもできる。面発光レーザの場合は放射角が数度程度と非常に小さいので、そのまま放射光を用いてもよいが、出射面にマイクロレンズ等を貼り付けて媒体表面でビームを絞る形にしてもよい。この場合、光パワーを強くできるため、上記の応用例以外に、原子や分子などの小さい粒子をエバネッセント光でトラップして所望の位置に移動、成長させるための光ピンセットとして利用することも可能である。
【0090】
また、上記実施例の説明では弾性体の上に面型光デバイスが載った構造となっているが、用途によっては弾性体を用いずに面発光レーザに微小開口突起部材が設けられたのみの構造でも、勿論、使うことができる。
【0091】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、近接場光学系用に適した光導入装置および光検出装置が一体化されて小型の弾性体上に形成されているため、アレイ化した場合にも小型、軽量で高速走査が可能な近視野光学系用に適した光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例の近接場光学系用光源装置の斜視図(a)、A−A’断面図(b)、及びB−B’断面図(c)である。
【図2】本発明による第1実施例の近接場光学系用光源装置の作製プロセスを説明する図である。
【図3】本発明による第2実施例の近接場光学系用光源装置の斜視図である。
【図4】本発明による近接場光学系用光源装置を2次元アレイ状に配置したときの斜視図である。
【図5】本発明による第3実施例の近接場光学系用光源装置の斜視図である。
【図6】本発明による第3実施例の近接場光学系用光源装置の作製プロセスを説明する図である。
【図7】本発明による第4実施例の近接場光学系用光源装置の断面図である。
【図8】本発明による近接場光学系用光源装置の駆動方法を説明する図である。
【図9】本発明による近接場光学系用光源装置を用いた光情報記録装置の概略斜視図である。
【図10】従来の近接場光学系用光源の例を示す図である。
【図11】従来の近接場光学系用光源の例を示す図である。
【図12】従来の近接場光学系用光源の例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 Si薄膜弾性体
3 微小開口付き微小突起部材
4 面発光レーザ
5、6、7、31、32、33、34、35、53、54、80、81 電極配線
8 カンチレバー
11、72 活性層
10、12、71、73 半導体多層膜ミラー
13、20、62、77、82 絶縁膜
14、19、74 レーザ電極
15 金属膜
16 埋め込み領域
17 光減衰層
18 微小開口
21、22、63、64、75、85 ドーピング領域
23 電極分離溝
24、52 ホトダイオード
25、61 シリコン酸化膜
26、50、79 窒化シリコン膜
27、51、84 シリコン基板
28 剥離層
29 逆ピラミッド型凹部
30 レーザ基板
65 反射防止膜
66 保護膜
70 金属厚膜
76、78 光検出器電極
83 ポリイミド層
86 基準電圧
90 SNOMヘッド
91 SNOMヘッド支持用アーム
92、209 光記録領域
93、207 光記録媒体
102 開口部
103 光ファイバ
108 光導波層
109 金属膜
111 反射防止膜
201 半導体レーザ
202 光検出器
203 プローブ
204 エバネッセント光
206 浮上スライダー
210 白金膜
802 バッファ層
804、808、809 電流狭窄用半導体層
806 クラッド層

Claims (2)

  1. 基板に一部が支持された弾性体上に、面発光レーザと、該面発光レーザ上に設けられた微小開口を構成する部材と、を備え、前記微小開口を通じてエバネッセント光を出射する光源装置であって、
    前記面発光レーザの光軸方向であって、前記微小開口を構成する部材とは反対側に前記面発光レーザの光出力を検出する検出器を有することを特徴とするエバネッセント光を出射する光源装置。
  2. 前記光検出器は、前記弾性体上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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