JP4386881B2 - 3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 - Google Patents

3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 Download PDF

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本発明は、医薬・農薬の中間体として、また含フッ素重合体等の機能性材料の製造原料または合成中間体として有用な3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法に関する。
3,3,3−トリフルオロプロピオン酸は、医薬・農薬の中間体として、また含フッ素重合体等の機能性材料の製造原料または合成中間体として極めて重要な化合物であるため、これまで多くの製造方法が報告されてきた。
非特許文献1では、マロン酸モノエチルエステルのカルボン酸部位を四フッ化硫黄(SF4)を用いてトリフルオロメチル基へと変換し、エステル部位を加水分解することによって3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法が開示されている。非特許文献2では、多段階の複雑な反応を経てCF3CH2COOSO2OHを得た後に、これを加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法が開示されている。非特許文献3では、シクロヘキサンカルボン酸と1,1−ジフルオロエチレンを出発原料に用い、4段階で3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法が開示されている。
非特許文献4では、トリフルオロ酢酸エチルを出発原料に用い、硫酸中、酸化水銀を用いて3,3,3−トリフルオロプロピオン酸に変換する方法が開示されている。非特許文献5では、3-ブロモ-1-プロペンを臭化トリフルオロメチルカドミニウムでトリフルオロメチル化し、次いで過マンガン酸カリウムとクラウンエーテルを用いて酸化し、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法が開示されている。非特許文献6では、パーフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロペンとトリフルオロメチルチオ銅を作用させて得た混合物の中に3,3,3−トリフルオロプロピオン酸があったと報告している。
非特許文献7では、酢酸t−ブチルのt−ブチルジメチルシリルエノールエーテルに対して、ヨウ化トリフルオロメチルをラジカル付加させることによって、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法が開示されている。特許文献1では、トリフルオロメチルマロン酸ジメチルから、臭化水素酸や塩酸を用いて3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する例や、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルメチルエーテルから3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する例が開示されている。
3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを酸化して3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得る技術としては、Oxone(登録商標)(2KHSO5・K2SO4・KHSO4)を酸化剤として用いる例が知られている(特許文献2)。
一方、本発明に関連する技術として、上記特許文献2において3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の原料として用いられている3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの製法について、種々の報告が行われている。
非特許文献8には3,3,3−トリフルオロプロペンを硝酸水銀(II)と氷酢酸などを用いて3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノールへと誘導し、これをクロム酸ナトリウムにより3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドに酸化する方法が開示されている。また特許文献3において、3,3,3−トリフルオロプロペンをパラジウム塩の存在下、水と反応させることで3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。非特許文献9にはヨウ化トリフルオロメチルをエチルビニルエーテルに付加させ、加水分解することによって3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。特許文献4においては、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、パラジウム塩と酢酸ナトリウム、そして氷酢酸を用いて酢酸3,3,3−トリフルオロプロペニルへと変換し、これを加水分解することによって3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。
特許文献5においては、アルキル 3,3,3−トリフルオロプロペニルエーテルを、ヨウ化水素酸水溶液を用いて加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。特許文献6では、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、Rが炭素数1〜4のアルコール(ROH)中で金属アルコキシドと反応させ、CF3CH=CHORもしくはCF3CH(OR)2へと変換し、引き続いて、炭素数が3〜16のアルカン酸の存在下に加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。特許文献2では、酢酸ビニルへの塩化トリフルオロメタンスルホニルの付加により、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロピルアセテートを製造し、これを硫酸で加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。
また、非特許文献10では、トリフルオロメチル基含有エナミンであるジメチル−[1−(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロペニル)]アミンを硫酸マグネシウム水和物存在下28日間反応させて3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法が開示されている。
特開2004−115377号公報 特表2003−522743号公報 特開昭63−63633号公報 米国特許5,777,184号明細書 米国特許2,715,144号明細書 米国特許6,111,139号明細書 Journal of Chemical and Engineering Data、第16巻、第3号、376頁〜377頁、1971年(米国) Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 、第10号、1321頁〜1324頁、1973年(ロシア国) Journal of Fluorine Chemistry、第21巻、99頁〜106頁、1982年(オランダ国) Acta Chemica Scandinavica、第43巻、69頁〜73頁、1989年(スウェーデン国) Journal of Chemical Society, Perkin Transaction 1、2147頁〜2149頁、1991年(英国) Journal of Fluorine Chemistry、第63巻、253頁〜264頁、1993年(オランダ国) Tetrahedron Letters、第37巻、第11号、1829頁〜1832頁、1996年(英国) Journal of Fluorine Chemistry、第30巻、153頁〜158頁、1985年(オランダ国) Zhurnal Organicheskoi Khimii、第25巻、第7号、1376頁〜1380頁 1989年(ソ連) Izvestiya Akademii Nauk、Seriya Khimicheskaya、第5号、1069頁〜1071頁 1997年(ロシア国)
3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造する方法に関して、これまで知られている方法は、小規模で行うには有利であるが、高価な原料を必要とし、取扱いの難しい試薬を用いるなどの問題があった。
非特許文献1の方法はフッ素化剤であるSF4の反応性が高く、取扱いが困難であり、非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4の方法は、工程が多段階にわたるという問題がある。さらに非特許文献4の方法は、酸化水銀を使用し、非特許文献5では、臭化トリフルオロメチルカドミニウムを使用しており、工業的な使用には制限がある。非特許文献6の方法は、入手が困難なトリフルオロメチルチオ銅を使用している上、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸が主生成物ではないという問題がある。非特許文献7の方法は、高価なヨウ化トリフルオロメチルを使用することが求められる。特許文献1の方法は、原料である1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルメチルエーテルおよびトリフルオロメチルマロン酸ジメチルが高価であることから、工業的に有利な方法とは言えない。
一方、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド原料として、これを酸化して3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得る方法(特許文献2)は、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造するための有望な方法である。しかしながら、この場合も、原料となる3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する従来の方法には、いずれも工業的な製造には問題があった。
非特許文献8の方法は水銀やクロム酸等有害な薬品を使用し、特許文献3及び特許文献4の方法は高価なパラジウム塩を大量に必要とする。特許文献5の方法も、高価なヨウ化トリフルオロメチルを使用し、特許文献5の方法は、高価であり、腐食性が高く取扱いも困難なヨウ化水素酸を使用している。特許文献2の方法は高価な塩化トリフルオロメタンスルホニルを必要とする。非特許文献10の方法は、トリフルオロメチル基含有エナミン類を3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドに変換している数少ない例であるが、反応に28日間もかかるうえ、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドが主生成物ではないという問題がある。
一方、特許文献6の方法は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを出発原料とし、これを3,3,3−トリフルオロメチルビニルエーテル(以下「ビニルエーテル」とも呼ぶ)に変換した上で、加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを得ている点で、本願発明(第1工程、第2工程)と共通する。
元来、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを対して、鎖状アルコール(メタノール等)を、KOH等の塩基の存在下で反応させ、「ビニルエーテル」を得る方法は米国特許2739987号において報告されている(式(a))。
Figure 0004386881
しかしながら、この方法で得られた「ビニルエーテル」を、続いてHCl等の無機酸を触媒として加水分解する(式(b))と、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドは、50%を有意に下回る収率でしか得られないという難点があった。
Figure 0004386881
この低収率は、加水分解の際に副生した「アルコール」が、原料の「ビニルエーテル」と反応して、「3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドのアセタール体」(以下「アセタール」ともいう)を生成する副反応(式(c))が存在し、これが優勢となることが主因である。
Figure 0004386881
この副反応(c)は、加水分解(b)に先立って行われるビニルエーテル化(a)において「過剰量のアルコール」が用いられ、それが系内に残存している場合に、一層顕著となり、目的物の収率を大幅に低下させていた。
この問題点を解決するために、特許文献5では、「ビニルエーテル」を加水分解する際、「炭素数3〜16のアルカン酸」を「アルコールの受容体」として系内に共存させる方法を提示している。すなわち、上記式(b)の加水分解において「炭素数3〜16のアルカン酸」を共存させることによって、副生アルコールが当該アルカン酸によって捕捉され、上記副反応(c)が大幅に抑制されることが見出された。この結果、目的物の収率が有意に向上し、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンから約70%の収率で、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドが得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献5の方法では「炭素数3〜16のアルカン酸」は、アルコールの「受容体」として用いられるため、「ビニルエーテル」と等モル〜過剰量が必要であり、生産性を低下させる原因となっていた。さらに、目的の3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドと等モル以上の、不要なアルカン酸エステルを副生するという問題もある。これらのアルカン酸の中でも、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの収率を向上させる効果に優れる、炭素数6以上の長鎖アルカン酸(例えばヘキサン酸)は高価であるという難点もあった。
このように、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を製造するための、従来知られている方法の多くは、大量の合成に不向きな原料を要するなどの問題を有していた。このうち、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを酸化する方法は有望な方法として位置づけられるにも関わらず、原料となる3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを効率的に製造することが困難であった。
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の工業的製造に適した方法を見出すべく、鋭意検討を行った。その結果、式[1]で表されるベンジルビニルエーテル
Figure 0004386881
(式[1]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
を、アレニウス酸、ルイス酸から選ばれる触媒の存在下、加水分解すると、高い収率で3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドが生成する(以下、この加水分解工程を「第2工程」ともいう。)ことを見出し、次いで、得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを酸化することで、収率良く3,3,3−トリフルオロプロピオン酸が得られ(以下、この酸化工程を「第4工程」ともいう。)、上記課題が解決することを見出した。
本発明の中で特に重要な工程は加水分解工程(第2工程)である。すなわち、本発明は、この加水分解(第2工程)の原料に「ベンジル(RCH2−)」骨格を有する「ビニルエーテル類」を用いる点に特徴がある。すなわち、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルを、アレニウス酸またはルイス酸を触媒として加水分解すると、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドが生成するが、副生するベンジルアルコール(RCH2OH)は、意外にも、原料である「ベンジルビニルエーテル」との間に、「アセタール」を顕著には生成しない(下記)ことを発明者らは見出した。
Figure 0004386881
この結果として、特許文献6で採用されている「炭素数3〜16のアルカン酸」を「アルコール受容体」として多量に用いる必要がなく、「触媒量のアレニウス酸またはルイス酸」のみを用いることによって、50%を顕著に上回る収率で加水分解(第2工程)を起こすことができるようになった。
しかも、該加水分解に用いられる触媒としては、塩酸、硫酸、塩化鉄などのごく安価なアレニウス酸またはルイス酸を好適に採用できるため、特許文献6に開示された方法に比較して、経済的に格段に有利である。
上記、第2工程で得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを、次いで酸化剤と反応させれば、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得ることができる(第4工程)。
さらに本発明者らは、上記加水分解工程の原料である、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルが、工業的に入手が容易な、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン
Figure 0004386881
(式[2]中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)を表す。)
を出発原料として、容易に製造できることも見出した(この反応工程を「第1工程」ともいう)。
すなわち、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、塩基性物質の共存下、式[3]で表されるベンジルアルコール
Figure 0004386881
(式[3]中、(式[1]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
と反応させると、上記、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルが収率よく生成することを確認した。
さらに、本発明者らは、該加水分解反応(第2工程)で副生したベンジルアルコール類(RCH2OH)は、上記の副反応によって消費されることがほとんどなく、反応系内(釜残)に安定な形で残存することを確認した。このベンジルアルコール類の沸点は、目的物3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドよりも有意に高いため、加水分解工程終了後の反応液から収率よく分離、回収できることを知った(この回収工程のことを「第3工程」ともいう)。回収されたベンジルアルコールは、次バッチのベンジルビニルエーテル合成に再使用することができる。
このように、第1〜第4工程を適宜組み合わせることによって、安価な原料を出発物質として目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を、従来技術よりも有利に製造できることとなった。
なお、本出願人は、上記、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンを出発原料とし、これをピペリジン等の「環状2級アミン」と反応させて、トリフルオロメチル基含有エナミンを得、次いで該トリフルオロメチル基含有エナミンを加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを得、次いでこれを酸化し3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得る方法につき、既に出願している(特願2004−310880号)。この方法も優れた方法であるが、発明の実施に不可欠な「環状2級アミン」が高価であったり、副生する「環状2級アミン」の塩から「環状2級アミン」を回収することが容易でないという問題があった。これに対して本願発明では「環状2級アミン」を必要とせず、なおかつ反応に用いられるベンジルアルコールを回収し、再使用することが可能であるため、経済的にはるかに有利である。
本発明の第1工程〜第4工程の関係を図示すると、次のスキームのようになる。
Figure 0004386881
すなわち本願発明は、次の[発明1]〜[発明7]を骨子とし、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造する方法を提供する。
[発明1]
式[1]で表されるベンジルビニルエーテル
Figure 0004386881
(式[1]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
を、アレニウス酸、ルイス酸から選ばれる触媒の存在下、加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを得、次いで該3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを酸化剤によって酸化することを特徴とする、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明2]
発明1において、Rがフェニル基であることを特徴とする、発明1に記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明3]
発明1または発明2において、触媒が、硫酸、塩酸、塩化鉄(III)、塩化銅(II)、塩化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化チタンから選ばれる触媒であることを特徴とする、発明1または発明2に記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明4]
発明1乃至発明3の何れかにおいて、触媒の量が、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルに対して、0.005当量〜0.5当量であることを特徴とする、発明1乃至発明3の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明5]
発明1乃至発明4の何れかにおいて、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルが、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン
Figure 0004386881
(式[2]中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)を表す。)
を、塩基性物質の共存下、式[3]で表されるベンジルアルコール
Figure 0004386881
(式[3]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
と反応させて得たものであることを特徴とする、発明1乃至発明4の何れかに記載の3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明6]
発明1乃至発明5の何れかにおいて、加水分解の結果得られた反応混合物から、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを留去した後の蒸留残渣をさらに蒸留して、式[3]で表されるベンジルアルコールを回収することを特徴とする、発明1乃至発明5の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
[発明7]
酸化剤が硝酸であることを特徴とする、発明1乃至発明6の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
本発明によれば、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルを出発物質として、触媒量のアレニウス酸またはルイス酸を使用する加水分解によって、50%を有意に上回る収率で3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを製造でき(第2工程)、さらに酸化を行うことによって、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を高収率で製造できる(第4工程)。式[1]で表されるベンジルビニルエーテルは、安価に入手できる式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンから容易に製造できる(第1工程)ため、医薬・農薬の中間体として、また含フッ素重合体等の機能性材料の製造原料または合成中間体として有用な、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を、従来法よりも安価に製造できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本発明に用いられるベンジルビニルエーテルの官能基Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。R1におけるアルキル基、アルコキシ基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。またR1におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の何れであってもよい。またR1で表される置換基は、同一のものまたは異なるものが複数個存在していてもよい。具体的にRとしては、非置換のフェニル基の他、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−キシリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基等が挙げられる。
しかしながら、Rとしては非置換のフェニル基のものが、安価であり、反応性にも優れるので特に好ましい。すなわち、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルとしては、次式に表されるベンジル(3−トリフルオロメチル)ビニルエーテル(1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン)
Figure 0004386881
を用いることが、特に好ましい。
ここで、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルとしては、どの様な方法で製造されたものでも、第2工程の反応に使用可能であるが、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンを出発原料として、第1工程の方法で製造することが特に好ましい。
また、第2工程の反応で副生したベンジルアルコール(RCH2OH)は、第2工程終了の後、第3工程の方法によって反応系内から分離、回収することが望ましい。
本明細書では、以下、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程の順に説明を行う。
まず、第1工程について説明する。第1工程は、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、塩基性物質の共存下、式[3]で表されるベンジルアルコールと反応させて、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルを得る工程である。
式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンのハロゲンXとしては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、これらの何れも用いることができる。このうちXが塩素である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、工業的にHCFC−1233として入手できるため、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを用いることが好ましい。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンには、E体(HCFC−1233t)、Z体(HCFC−1233c)があるが、これらの何れも好適に使用でき、これらの混合物も好ましく用いることができる。E体を原料として用いた場合は、生成する式[1]で表されるビニルエーテルも主生成物はE体となる。一方、Z体を原料として用いた場合は、生成する式[1]で表わされるビニルエーテルも主生成物はZ体となる。
第1工程に用いる、式[3]で表されるベンジルアルコールは、第1工程の目的物である、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルの種類に対応して選択される。具体的には、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、クロロベンジルアルコール等を挙げることができる。この中で非置換のベンジルアルコールが最も安価で入手が容易であり、第2工程(加水分解)における反応性も高いため、特に好ましい。
第1工程において、ベンジルアルコールの使用量に特別な制限はないが、1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン1.0モルに対して、通常1.0モル〜10.0モルであり、1.0モル〜7.0モルが好ましく、1.0モル〜4.0モルが特に好ましい。しかし、ベンジルアルコールが10.0モルを超えると、生産性及び経済性の観点から好ましくない。
第1工程の反応には、反応時に生成するハロゲン化水素を中和し、化学平衡を生成物側に移動させるために、塩基性物質が必須である。塩基性物質が存在しないと、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルは有意に生成しない。塩基性物質の種類には特別な制限はないが、無機塩基が好ましく、そのような無機塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムを例示することができる。中でも、安価な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。有機塩基(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピペリジン、メチルピリジン、ジメチルピリジン、アニリンなど)であっても反応は進行するが、比較的高価であること、反応後の精製に負荷がかかるなどの理由から、無機塩基の方が好ましい。塩基性物質の使用量に特別な制限はないが、1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン1.0モルに対して通常1.0モル〜10.0モルであり、1.0モル〜6.0モルが好ましく、1.0モル〜4.0モルが特に好ましい。10.0モルを超えて用いても反応性に影響することはないが、生産性及び経済性の観点から好ましくない。一方、塩基性物質が1.0モル未満であると、ベンジルビニルエーテルへの変換率が低下し、反応終了後にベンジルビニルエーテルを単離精製しにくくなるという問題も生じるため、好ましくない。
第1工程においては、塩基性物質の反応系への溶解度を上げる目的で、水を添加することができ、通常はそれが好ましい。水の使用量は、塩基性物質1gに対して0.01g〜2gが好ましく、0.1g〜1gが特に好ましい。
第1工程においては、反応の進行を促進させる目的で、相関移動触媒を添加することができる。相間移動触媒の種類に制限はないが、クラウンエーテル類、四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が好適に用いられる。具体的には、18−クラウン−6−エーテル、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド等を例示することができる。相関移動触媒の使用量に特別な制限はないが、通常、1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン100重量部に対して0.01重量部〜30重量部であり、0.1重量部〜15重量部が好ましく、0.5重量部〜10重量部が特に好ましい。30重量部以上用いても反応性に影響することはないが、生産性及び経済性の観点から好ましくない。但し後述の実施例1からも明らかなように、第1工程の反応において、相間移動触媒は必須ではなく、相間移動触媒が存在しない場合であっても、反応は十分な選択率、速度で進行する場合も多い。
第1工程の反応温度は、通常、0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃で、さらに好ましくは30℃〜100℃の範囲である。
第1工程の反応は、オートクレーブ等の耐圧反応器中で行っても良いが、通常は大気中、大気圧下で行われる。原料の1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン、目的物であるベンジルビニルエーテルはどちらも空気中で安定であるので、通常は、空気中開放下で反応を行えばよい。
第1工程の反応時間については特に制限はなく、ガスクロマトグラフィー等で反応の進行状況を確認し、終点に近づいたことを確認した後、反応工程を終了することが好ましい。これにより、式[1]で表されるビニルエーテルを含む反応混合物を得ることができる。
得られた反応混合物は、精製処理を行わずに第2工程の原料として用いることもできるが、精製により未反応の原料や副生物を除去してから、第2工程に供することもできる。
精製処理を行う場合、その方法は特に限定されないが、第1工程が終了した反応系から、析出している無機塩等の固体を濾別後、水洗・二層分離を行い、「ビニルエーテルに未反応のアルコールが混合した有機層」を得る方法、または、第1工程が終了した反応系から、析出している無機塩等の固体を濾別後、単蒸留(粗蒸留)を行い「ビニルエーテルに未反応のアルコールが混合した留分」を得る方法が好適に採用できる。
先に記したように、アルコールとして「ベンジルアルコール」を用いた場合には、続く第2工程(加水分解)において、遊離のアルコールと、ベンジルビニルエーテルとの間の「アセタール生成反応」は抑制される。したがって、第1工程が終了した後の精製処理は粗精製で十分であり、過剰のアルコールを系内から完全に除去する必要はない。
次いで、第2工程について説明する。第2工程は、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルを、アレニウス酸、ルイス酸から選ばれる触媒の存在下、加水分解し、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを得る工程である。
第2工程のベンジルビニルエーテルとしては、式[1]に定義される各種化合物が使用可能である。中でもRが非置換フェニルである、1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペンが特に好ましい。
これらのベンジルビニルエーテルは、上記にて説明した第1工程の方法で製造したものを用いることが経済的に特に好ましい。しかし、必ずしもこれに限定されず、他の方法で製造したものを第2工程の原料として使用することは妨げられない。
第2工程(加水分解)に用いられる触媒は、アレニウス酸またはルイス酸から選ばれる少なくとも一種の触媒である。ここで「アレニウス酸」とは、プロトンを解離する性質を持つ化学種をいい、一般に、水に0.1mol・dm-3の濃度で溶解した場合にpHが6以下になる物質(酸)をいう。中でも塩酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、珪酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、クロトン酸など、「強酸」もしくは「中程度の酸」として分類される酸が好ましい。中でも塩酸と硫酸は、安価であり、かつ触媒としての活性の高いため、特に好ましい。なお、硝酸、過塩素酸、塩素酸、過マンガン酸、クロム酸等の、強酸化性を有する酸は、加水分解の触媒としての機能は有し、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを生成するが、得られた目的物を酸化して3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を生ずることがあるため、好ましくない。
一方、「ルイス酸」とは、電子対を受容する空軌道を持つ原子を有する化学種をいう。遷移金属の酸化物、遷移金属錯体などがこれに該当する。具体的には、Ag+、I+、SO3、SO2、BF3,BCl3、塩化アルミニウム(AlCl3)、AlBr3、塩化鉄(III)(FeCl3)、FeBr3、Fe23、FeO、メタロセン(フェロセン、コバルトセン、ニッケロセンなど)、Cu2O、CuO、塩化銅(II)(CuCl2)、SbCl5、塩化スズ(IV)(SnCl4)、塩化チタン(TiCl4)、PdCl2、Pd(OCOCH32などが該当する。これらの中でも、塩化鉄(III)(FeCl3)が、触媒活性が高く、安価であるため、特に好ましい。
触媒の使用量は、式[1]で表されるビニルエーテルに対して、通常0.0001当量〜0.8当量、好ましくは0.005当量〜0.5当量、更に好ましくは、0.01当量〜0.3当量である。ここで、当量数とは、「触媒のモル数」を「触媒の価数」で割った値を表す。なお「触媒の価数」とは、アレニウス酸の場合は、その酸の価数(例えば塩酸は1価、硫酸は2価)を意味し、ルイス酸の場合は、空軌道を持つ原子の持つ価数(例えばFeCl3の場合3価、CuOの場合2価)を意味する。
第2工程(加水分解)に用いる水の量(触媒が水溶液として用いられる場合は、溶媒としての水を加えた総量)は、ベンジルビニルエーテル1モルに対して通常1モル〜20モル、好ましくは1モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜5モルである。水の量が20モルより多い場合には、生産性等の面から経済的に不利となる。また、水の量が1モルより少ない場合には、目的とする反応が遅くなるのみならず、ジベンジルエーテルが副生しやすくなり、ベンジルアルコールの回収率低下を招くので、好ましくない。
第2工程の反応温度は、通常50℃〜150℃であり、好ましくは70℃〜130℃の範囲である。
第2工程の反応は、大気圧、加圧下、減圧下の何れでも行うことができるが、大気圧で行うことが最も簡便であるため、好ましい。
得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドは、「遷移金属化合物(FeCl3,FeBr3、Fe23、Cu2O、Pdなどの遷移金属からなる触媒)」の存在下、空気と接触すると、空気中の酸素によって酸化され、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を生成することがある。しかし、第2工程の反応条件下では、空気による酸化は広範には起こらず、仮に酸化が起こったとしても、得られる化合物が本発明の目的化合物であることから、第2工程の反応を、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)中で行う必要はない。
第2工程の反応形態に特別な制限はないが、原料である式[1]で表されるベンジルビニルエーテルと触媒と水を逐次的に、もしくは連続的に混合するのが、反応の制御が容易であり、好ましい。
特に、第2工程の反応を目的物3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドが留分として留出するに十分な温度(少なくとも該化合物の沸点以上の温度)で行い、生成した3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを、反応進行と同時に、連続的に留出させる方法は好ましい。この方法によれば、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを反応進行と同時に、円滑に回収できるばかりでなく、目的物を絶えず系外に除去しているため、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの生成平衡を、より目的物側に傾けることができ、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドをより高い収率で得ることができる。なお、目的物3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドは、原料である式[1]で表されるベンジルビニルエーテルや、式[2]で表されるベンジルアルコールに比較して、沸点が十分に低く、これらとの共沸も起こさない。
この点、大気圧下、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの沸点以上の温度で第2工程の反応を行い、生成した3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを連続的に、もしくは逐次的に留分として留出させる方法(後述の実施例1〜3を参照)は特に好ましい態様である。
第2工程の加水分解が進行するにつれ、反応系内(釜残中)には、副生したベンジルアルコールが増加するが、既に述べたように、ベンジルアルコールが増加しても、未反応のベンジルビニルエーテルとの間で「アセタール」を生成しにくいため、このような手法をとっても、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの収率低下を招くことはない。
もっとも、例えば還流条件下で第2工程の反応を行い、反応が終了した後に蒸留を行って3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを回収する態様も妨げられるものではない(実施例4)。
反応時間については特に制限はなく、ガスクロマトグラフィー等で反応の進行状況を確認し、終点に近づいたことを確認した後、反応工程を終了することが好ましい。
次いで、第3工程について説明する。第3工程は、第2工程によって生成した3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを留分として留去した後、引き続き蒸留により、副生したベンジルアルコールを回収する工程である。
3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを蒸留回収した後、常圧にてベンジルアルコールが留出する温度(ベンジルアルコールの沸点:203℃〜205℃)以上に加熱するか、または減圧下に対応する温度まで加熱することにより、ベンジルアルコールを回収することができる。既に述べたように、ベンジルアルコールは加水分解の反応系(すなわち、水の存在下)では、「アセタール」を形成しにくいため、後述の実施例1〜2に示すように、ごく高い収率でベンジルアルコールを回収することが可能である。
次に第4工程について、説明する。第4工程は、第2工程で得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを、酸化剤によって酸化し、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得る工程である。
この第4工程は、第2工程で得られた反応混合物をそのまま原料として使用することも可能であるが、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを単離するかまたは、過剰の塩基及び副生する塩を分離してから原料に供する方が、良好な反応性が得られるので、好ましい。
第4工程に使用される酸化剤としては、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム、重クロム酸カリウム、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、前述のOxone(登録商標)(2KHSO5・K2SO4・KHSO4)等の過硫酸系酸化剤など、過酸系統の酸化剤が好ましい。
ここで、本発明者らは、第4工程を行うに際して、硝酸を非常に好適に用いることができることができることを見出した。硝酸は上述の過酸類に比較して安価であり、かつ大量での取扱いも容易な試薬である。したがって、本発明の第4工程は硝酸を酸化剤として用いることが特に好ましい。
硝酸としては、通常、30%以上の濃度の硝酸が使用されるが、生産性及び経済性を考慮すると好ましくは50〜90%であり、更に好ましくは60〜70%である。
硝酸の使用量は上記、第2工程で得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド1モルに対して、通常1モル以上である。好ましくは1〜5モルであり、更に好ましくは1〜2モルである。それ以上用いても良いが、生産性及び経済性を考慮すると好ましくない。
反応温度は、通常、−10℃〜100℃、好ましくは−5℃〜70℃で、さらに好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
また、硝酸を酸化剤として用いる場合、酸化反応をより円滑に行うために亜硝酸塩を共存させるのが好ましい。亜硝酸塩の使用量は硝酸1モルに対して、通常0.5〜20モル%であり、好ましくは1〜15モル%、更に好ましくは、2〜10モル%である。使用される亜硝酸塩としては、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムが好ましい。
第4工程の反応は通常大気中、大気圧下で行われる。反応時間については、特に制限はなく、ガスクロマトグラフィー等で反応の進行状況を確認し、終点に近づいたことを確認した後、反応工程を終了することが好ましい。
第4工程の反応形態に特別な制限はないが、原料である3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドと酸化剤を逐次的に、もしくは連続的に混合するのが、反応の制御が容易であり、好ましい。
反応後の処理は特に限定されないが、反応液を有機溶媒と接触させ、目的物を有機相に抽出した後、蒸留等の通常の手段に付して、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を得ることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。ここで、組成分析値の「%」とは、生成物を直接ガスクロマトグラフィーによって測定して得られた組成の「面積%」を表す。
(第1工程、第2工程、第3工程)
(第1工程)ドライアイスとアセトンで冷却した、100mLステンレス鋼製オートクレーブに、予めベンジルアルコール37.2g(0.34mol)と水6.2gにKOH19g(0.34mol)を溶解させた溶液及び(1Z)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン22.5g(0.17mol)を仕込んだ。22℃付近まで昇温した後、1時間攪拌し、その後、70℃で12時間加熱攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール49.5%、原料の(1Z)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン0.5%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン45.0%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン5.0%であった。
析出した塩を濾別後、フラッシュ蒸留により90℃〜110℃/2.7kPaの留分を集め、54gの混合物を得た。この混合物をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール49.7%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン45.3%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン5.0%であった。
(第2工程)得られた混合物54gをマグネチックスターラー、温度計、蒸留塔、冷却管、受けフラスコを備えたガラス製100ml三口フラスコに仕込み、これに水1.3g(0.07mol)、35%塩酸2.7g(0.026mol)を加え、反応温度100℃〜120℃で加熱撹拌した。留出してくる沸点55℃〜57℃の留分を集め、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド(収量13.8g、第2工程のみの収率:91.7%、第1工程と第2工程を合わせた総合収率:収率71.7%、純度99%)を得た。
(第3工程)3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの留出が終了した後、更に蒸留を続け、ベンジルアルコール(回収量26g、回収率70%)を回収した。
[物性データ]
(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン:
1H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δ(ppm):4.67 (1H, m), 4.98 (2H, s), 6.38 (1H, d, J=6.8 Hz), 7.35 (5H, m).
19F-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,CFCl3)δ(ppm):−57.92 (3F, d, J=6.3 Hz)
(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン:
1H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δ(ppm):4.81 (2H, s), 5.06 (1H, dq, J=12.6, 6.3Hz), 7.12 (1H, dq, J=12.6, 2.0 Hz), 7.35 (5H, m).
19F-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,CFCl3)δ(ppm):−59.81 (3F, d, J=6.3 Hz)
3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド:
1H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δ(ppm):3.62 (3H, s), 4.92 (1H, dq, J=13.2, 6.4 Hz), 7.08 (1H, dq, J=13.2, 2.0 Hz).
19F-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,CFCl3)δ(ppm):−59.59 (3F, d, J=6.4 Hz)
(第1工程、第2工程、第3工程)
(第1工程)ドライアイスとアセトンで冷却した、100mLステンレス鋼製オートクレーブに、予めベンジルアルコール37.2g(0.34mol)と水6.2gにKOH19g(0.34mol)を溶解させた溶液、(1Z)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン22.5g(0.17mol)、及び18−クラウン−6−エーテル0.56gを仕込んだ。22℃付近まで昇温した後、1時間攪拌し、その後、70℃で12時間加熱攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール50%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン44.8%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン5.2%であった。
析出した塩を濾別後、フラッシュ蒸留により90℃〜110℃/2.7kPaの留分を集め、53.5gの混合物を得た。この混合物をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール49.9%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン44.9%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン5.2%であった。
(第2工程)得られた混合物53.5gをマグネチックスターラー、温度計、蒸留塔、冷却管、受けフラスコを備えたガラス製100ml三口フラスコに仕込み、これに水6.2g(0.34mol)、FeCl3 1.4g(0.0086mol)を加え、反応温度100℃〜120℃で加熱撹拌した。留出してくる沸点55℃〜57℃の留分を集め、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド(収量12g、第2工程のみの収率:80.8%、第1工程と第2工程を合わせた総合収率:収率62.4%、純度99%)を得た。
(第3工程)3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの留出が終了した後、更に蒸留を続け、ベンジルアルコール(回収量31g、回収率83%)を回収した。
(第1工程、第2工程)
(第1工程)ドライアイスとアセトンで冷却した、1000mLステンレス鋼製オートクレーブに、予めベンジルアルコール415g(3.84mol)と水138gにKOH323g(5.77mol)を溶解させた溶液及び(1E)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン500g(3.83mol)、及びテトラブチルアンモニウムブロミド12.5gを仕込んだ。22℃付近まで昇温した後、1時間攪拌し、その後、80℃で24時間加熱攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール3.2%、原料の(1E)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン4.2%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン86.3%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン4.4%、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジベンジルオキシプロパン1.3%であった。
析出した塩を濾別後、フラッシュ蒸留により81℃〜85℃/2kPaの留分を集め、643gの混合物を得た。この混合物をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンジルアルコール2.5%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン92.4%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン4.6%、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジベンジルオキシプロパン0.1%であった。
(第2工程)得られた混合物643gをマグネチックスターラー、温度計、蒸留塔、冷却管、受けフラスコを備えたガラス製1000ml三口フラスコに仕込み、これに水69g(3.83mol)、98%硫酸 15.5g(0.155 mol)を加え、反応温度100℃〜120℃で加熱撹拌した。留出してくる沸点55℃〜57℃の留分を集め、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド(収量300g、第2工程のみの収率:86.8%、第1工程と第2工程を合わせた総合収率:収率70%、純度99%)を得た。
以上のように、実施例1〜3においては、第2工程(加水分解)を、生成する3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを順次留分として留出させる方法で行ったが、第2工程単独の目的物の単離収率は80.8〜91.7%に達した。また、実施例1〜2では、第2工程の反応後に、ベンジルアルコールの回収を行っているが、80%を超える回収率でベンジルアルコールを回収できることも可能であることが判明した。
(第2工程)
実施例3と同様の方法で得られた混合物34g(成分組成:ベンジルアルコール2.5%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン92.7%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン4.7%、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジベンジルオキシプロパン0.1%)をマグネチックスターラー、温度計、還留冷却管を備えたガラス製100ml三口フラスコに仕込み、これに水1.5g(0.08mol)、98%硫酸 0.67g(0.007 mol)を加え、反応温度100℃で2時間加熱撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、目的の3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド66.2%、(1E)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン1%、(1Z)1−ベンジルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロペン0.4%、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジベンジルオキシプロパン1.4%、ベンジルアルコール16%、ジベンジルエーテル3.8%、その他11.2%であった。還留冷却管を蒸留塔及び受けフラスコに付け替え、留出してくる沸点55℃〜57℃の留分を集め、目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド(収量10g、収率:53.9%、純度99%)を得た。
このように、実施例4では、第2工程(加水分解)を、還流条件下で行い、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドの蒸留単離は、反応終了後に行った。この場合、第2工程の収率は、実施例1〜3の方法に比べやや低めであるが、収率は約54%に達し、この方法でも、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを主生成物として製造できることが判る。
(第4工程)
マグネチックスターラー、冷却管(開放系)を備えた50mlガラスフラスコに、氷浴下、60%硝酸14.1g(0.13mol)(1.44当量)、亜硝酸ナトリウム0.1g(8.9mmol)(10モル%)を添加し、攪拌下、実施例6により得られた3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒド10g(0.09mol)(1.0当量)を1時間かけて滴下した。氷冷下1時間攪拌後、室温で2時間攪拌した。反応混合液に上水20g加え、ジイソプロピルエーテルで有機物を分液ロートにて抽出した(40mlでの抽出を2回)。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去(40℃、6.66kPa)した後、常圧蒸留(沸点(塔頂温度)136℃)し、目的の3,3,3−トリフルオロプロピオン酸(収量6.9g、収率61%、純度94%)を得た。
本発明によれば、安価な原料を出発物質として目的とする3,3,3−トリフルオロプロピオン酸を、従来技術よりも有利に製造できる。

Claims (7)

  1. 式[1]で表されるベンジルビニルエーテル
    Figure 0004386881
    (式[1]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
    を、アレニウス酸、ルイス酸から選ばれる触媒の存在下、加水分解して3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを得、次いで該3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを酸化剤によって酸化することを特徴とする、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  2. 請求項1において、Rがフェニル基であることを特徴とする、請求項1に記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、触媒が、硫酸、塩酸、塩化鉄(III)、塩化銅(II)、塩
    化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化チタンから選ばれる触媒であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、触媒の量が、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルに対して、0.005当量〜0.5当量であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかにおいて、式[1]で表されるベンジルビニルエーテルが、式[2]で表される1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペン
    Figure 0004386881
    (式[2]中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)を表す。)を、塩基性物質の共存下、式[3]で表されるベンジルアルコール
    Figure 0004386881
    (式[3]中、Rは、フェニル基または、R1で表される置換基を有するフェニル基(ただしR1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)
    と反応させて得たものであることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかにおいて、加水分解の結果得られた反応混合物から、3,3,3−トリフルオロプロピオンアルデヒドを留去した後の蒸留残渣をさらに蒸留して、式[3]で表されるベンジルアルコール
    Figure 0004386881
    (式[3]中、Rは、フェニル基または、R 1 で表される置換基を有するフェニル基(ただしR 1 は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基を表す。)を表す。)を回収することを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
  7. 酸化剤が硝酸であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法。

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