JP4386061B2 - 固形複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機マトリックス中に金属炭酸塩の結晶からなる微粒子がナノレベルで分散された固形複合材料及びその製造方法に関する。
炭酸カルシウム等の金属炭酸塩の結晶は、優れた強度を有しているため、高強度材料として期待されている。しかし、金属炭酸塩の結晶は、脆いという材料的な欠陥を有していた。
そこで、金属炭酸塩と無機材料及び/又は有機材料とを組み合わせることにより,優れた強度を有すると共に、靱性にも優れた複合材料の開発が期待されている。
具体的には、例えばCaCO3飽和水溶液を作製し、該CaCO3飽和水溶液を用いて基板上にCaCO3膜を析出させる方法が提案されている(非特許文献1参照)。
また、有機マトリックスを表面に被覆した基材と、炭酸塩原料及び有機高分子を含有する原料液とを圧力容器内に配置し、該圧力容器内にCO2ガスを導入することにより、有機マトリックス上に炭酸塩膜を析出させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、CaCO3飽和水溶液を用いる上記従来の方法においては、溶解度が小さく反応量が非常に少なくなる。その結果,CaCO3膜の作製に数日間という非常に長い時間を必要とし,また生成量も少ないため大面積のCaCO3膜の作製が困難であった。また、所望の形状の複合材料を得るためには、非常に硬いCaCO3膜を有する上記複合材料を加工しなければならなかった。したがって、成形が困難で、所望の形状の複合材料を得ることが困難であるという問題があった。
また,有機マトリックス上に炭酸塩膜を析出させる従来の方法によって得られる材料は、厳密には複合材料ではない。即ち、炭酸塩膜と有機マトリックスとが積層されているに過ぎず、両者が混じり合った複合材料ではない(特許文献1の図2参照)。特許文献1には、有機マトリックスの表面及び/細孔内に炭酸塩を析出させて炭酸塩複合材料を作製する方法も提案されている。しかし、イオン性の有機マトリックスを用いているため、炭酸塩の存在下で塩析により有機マトリックスが凝集して堆積するおそれがある。その結果、任意の形状の複合材料を得ることが非常に困難であると共に、炭酸塩が有機マトリックス中で偏り易いという問題があった。その結果、有機マトリックスと炭酸塩とが均一に分散された複合材料を得ることが困難であった。また、複合材料の目的とする特性、即ち硬さ及び靱性を有する複合材料を得ることが困難であった。
特開2004−307262号公報 タカシ・カトウ(Takashi Kato)、他2名、カルシウム・カルボネート−オーガニック・ハイブリッド・マテリアルズ(Calcium Carbonate-Organic Hybrid materials)、「アドバンスド・マテリアルズ(ADVANCED MATERIALS)」、(ドイツ)、2002年6月18日、第14巻、第12号、p.869−p.877
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,簡単に所望の形状に加工できると共に、硬さと靱性とを兼ね備えた固形複合材料及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に、Ca、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の炭酸塩である金属炭酸塩の結晶からなる微粒子が分散された固形複合材料の製造方法であって、
水中でゲル化する親水性の非イオン性ポリマーと、水中でCaイオン、Mgイオン、Feイオン、Cuイオン、Coイオン、Mnイオン、及びNiイオンから選ばれる1種以上の金属イオンを供給する金属イオン源とを水中で混合することにより、混合液を作製する混合工程と、
上記混合液中の上記非イオン性ポリマーをゲル化させることにより、該非イオン性ポリマーゲルからなる有機マトリックスに上記金属イオンが分散されたゲル溶媒を作製するゲル化工程と、
上記ゲル溶媒に、水中で炭酸イオンを供給する炭酸源を加えて上記有機マトリックス中で金属炭酸塩の結晶からなる上記微粒子を析出させることにより、上記有機マトリックス中に平均粒径30nm以下の上記微粒子が分散された上記固形複合材料を作製する反応析出工程とを有し、
上記金属イオン源としては、上記金属イオンの酢酸塩、塩化物(塩酸塩)、硝酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、金属アルコキシド、金属アセチルアセトナート、又はその誘導体を採用することを特徴とする固形複合材料の製造方法にある(請求項1)。
上記第1の発明の製造方法においては、上記混合工程と上記ゲル化工程と上記反応析出工程とを行う。
上記混合工程においては、水中でゲル化する親水性の非イオン性ポリマーと、水中でCaイオン、Mgイオン、Feイオン、Cuイオン、Coイオン、Mnイオン、及びNiイオンから選ばれる1種以上の金属イオンを供給する金属イオン源とを水中で混合することにより、混合液を作製する。上記混合工程においては、親水性の上記非イオン性ポリマーを用いているため、該非イオン性ポリマーと上記金属イオンとが均一に分散した上記混合液を得ることができる。
また、上記ゲル化工程においては、上記混合液中の上記非イオン性ポリマーをゲル化させることにより、該非イオン性ポリマーゲルからなる有機マトリックスに上記金属イオンが分散されたゲル溶媒を作製することができる。
また、上記反応析出工程においては、上記ゲル溶媒に、水中で炭酸イオンを供給する炭酸源を加えて上記有機マトリックス中で金属炭酸塩の結晶からなる上記微粒子を析出させる。即ち、水中に上記炭酸源を加えることにより、該炭酸源から供給される上記炭酸イオンと上記有機マトリックス中に分散された上記金属イオンとが反応し、上記有機マトリックス中で金属炭酸塩の結晶からなる上記微粒子を析出させることができる。このとき、上記非イオン性ポリマーを用いているため、塩析によって有機マトリックスが凝集することもない。
このようにして、上記第1の発明によれば、非イオン性ポリマーからなる有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に、金属炭酸塩の結晶からなる平均粒径30nm以下の上記微粒子が分散された上記固形複合材料を得ることができる。
上記第1の発明の製造方法によって得られる上記固形複合材料においては、上記有機高分子が集合してなる上記有機マトリックス中に金属炭酸塩の結晶からなる平均粒径30nm以下の上記微粒子が分散されている。即ち、上記固形複合材料においては、上記微粒子と上記有機高分子とがナノレベルで分散され、上記有機マトリックスを構成する上記有機高分子が上記微粒子間に分散して配置される。そのため、上記固形複合材料は、硬さと靱性とを兼ね備えた特性を示すことができる。
また、上記ゲル化工程においては、例えば上記混合液中の上記非イオン性ポリマーを所望の形状の成形型内でゲル化させることができる。また、上記反応析出工程においても、所望の形状の成形型内で金属炭酸塩を析出させることができる。その結果、所望の形状の上記固形複合材料を簡単に作製することができる。
第2の発明は、有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に、Ca、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の炭酸塩である金属炭酸塩の結晶からなる微粒子が分散された固形複合材料であって、
該固形複合材料において、上記微粒子は平均粒径30nm以下で分散されており、
上記有機高分子は、親水性の非イオン性ポリマーからなると共に、上記微粒子間に分散されていることを特徴とする固形複合材料にある(請求項7)。
上記固形複合材料においては、上記微粒子は、平均粒径30nm以下で、上記有機高分子が集合してなる上記有機マトリックス中に分散さている。また、上記有機マトリックスを構成する上記有機高分子は、上記微粒子間に分散して配置されている。即ち、上記固形複合材料においては、上記金属炭酸塩の結晶からなる上記微粒子と上記有機マトリックスを構成する上記有機高分子とがナノレベルで分散されている。そのため、上記固形複合材料は、金属炭酸塩の結晶の特徴である優れた硬さを示すことができると共に、上記有機高分子が上記微粒子間で例えば接着剤のような役割を果たすため優れた靱性を示すことができる。
上記第2の発明の上記固形複合材料は、例えば上記第1の発明の製造方法によって製造することができる。これにより、上記固形材料を簡単に製造できると共に、上述のごとく所望の形状で製造することできる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
上記固形複合材料においては、上記有機マトリックス中に上記微粒子が平均粒径30nm以下で分散されている。上記固形複合材料は、粒径30nmを超える上記微粒子を部分的に含んでいてもよいが、この場合においても平均粒径は30nm以下である。
上記微粒子の平均粒径が30nmを超える場合には、上記固形複合材料の靱性が損なわれるおそれがある。より好ましくは、上記微粒子の平均粒径は10nm以下がよい。
上記微粒子の平均粒径は、例えばX線回折法により測定することができる。具体的には、例えばX線回折を行って得られる上記固形複合材料のX線回折パターンにおいて、金属炭酸塩のピークの半値幅から算出することができる。
上記混合工程において、親水性の上記非イオン性ポリマーとしては、ポリエーテルを用いることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記ゲル化工程で上記非イオン性ポリマーを簡単にゲル化させることができる。また、金属イオンの存在下においても塩析による上記非イオン性ポリマーの凝集をより一層防止することができる。その結果、所望の形状の複合材料を得ることができる。
上記非イオン性ポリマーとしては、具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリアルクリアミド、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレンオキシド等から選ばれる1種以上を用いることができる。またポリビニルメチルエーテル及び/又はポリセルロースエーテル等を用いることできる。
また、上記固形複合材料において、上記微粒子は、Ca、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の炭酸塩である金属炭酸塩からなる。
上記混合工程において、上記金属イオン源としては、例えばCa、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の塩を用いることができる。これらの塩としては、例えば酢酸塩、塩化物(塩酸塩)、硝酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、金属アルコキシド、金属アセチルアセトナート、及びその誘導体等を用いることできる。このような塩を用いることにより、上記混合工程において、金属イオンを簡単に供給することができる。
また、上記金属炭酸塩は炭酸カルシウムであり、上記金属イオン源は水中でカルシウムイオンを供給するカルシウムイオン源であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記有機マトリックス中に炭酸カルシウムの結晶からなる微粒子が分散された上記固形複合材料を製造することができる。そしてこの場合には、硬さと靱性とをより高いレベルで兼ね備えた固形複合材料を得ることができる。
また、上記カルシウムイオン源としては、カルシウム塩を用いることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記混合工程において、上記カルシウム塩を水に混合することにより、簡単にカルシウムイオンを供給することができる。
また、上記ゲル化工程において、上記非イオン性ポリマーをゲル化させる方法は、該非イオン性ポリマーの種類に応じて最適な方法を選択できる。具体的には、例えば加熱によりゲル化させる方法、冷却によりゲル化させる方法、一旦加熱し、その後冷却することによりゲル化させる方法等がある。また、重合開始剤等を加えることによりゲル化するポリマーや、水溶液中で室温で放置するだけでゲル化するポリマーもある。
また、上記反応析出工程においては、上記ゲル溶媒に上記炭酸源を加えることにより、金属炭酸塩を析出させる。
上記炭酸源としては、水中で炭酸イオンを生成する物質を用いることができる。具体的には、例えば炭酸塩、及びCO2ガス等を用いることができる。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、及び炭酸カリウム等を用いることができる。
上記反応析出工程においては、上記炭酸源としてCO2ガスを上記ゲル溶媒に導入することが好ましい(請求項5)。
この場合には、副生成物の発生を防止しつつ、金属炭酸塩を析出させることができる。
また、上記固形複合材料の製造にあたっては、上記ゲル溶媒を成形する成形工程を有することが好ましい(請求項6)。
この場合には、所望の形状の上記固形複合材料を作製することができる。上記ゲル溶媒の成形は、例えば所望の形状の成形型内で、上記ゲル化工程及び/又は上記反応析出工程を行うことにより実現できる。
次に、上記固形複合材料において、上記金属炭酸塩は、炭酸カルシウムであることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記固形複合材料の硬さ及び靱性をより向上させることができる。
また、上記微粒子は、平均30nm以下の間隔で分散されていることが好ましい(請求項9)。
上記微粒子同士の平均間隔が30nmを越える場合には、上記固形複合材料の硬度が低下するおそれがある。上記微粒子同士の平均間隔は、例えば透過型電子顕微鏡によって観察することにより測定することができる。
上記微粒子の含有量は、上記固形複合材料中20wt%〜99wt%であることが好ましい(請求項10)。
上記微粒子の含有量が20wt%未満の場合には、上記固形複合材料の硬度が低下するおそれがある。一方、99wt%を超える場合には、靱性が低下するおそれがある。より好ましくは、上記微粒子の含有量は40wt%〜95wt%がよい。
上記固形複合材料は、その硬さと靱性とを高いレベルで兼ね備えるという優れた特徴を利用して、例えば自動車のエンジン部品、インストゥルメンタル・パネル(インパネ)、キャップ、隙間用のブロック等の用途に好適である。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1及び図2を用いて説明する。
本例においては、図1及び図2に示すごとく、固形複合材料として、瓶2のキャップ1を作製する。固形複合材料1は、有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に炭酸カルシウムの結晶からなる微粒子が分散されてなる。固形複合材料1において、微粒子は平均粒径30nm以下で分散されている。また、固形複合材料1において、有機高分子は、親水性の非イオン性ポリマーからなると共に、微粒子間に分散されている。
本例の固形複合材料の製造にあたっては、混合工程とゲル化工程と反応析出工程とを行う。
混合工程においては、水中でゲル化する親水性の非イオン性ポリマーと、水中でカルシウムイオンを供給するカルシウムイオン源とを水中で混合することにより、混合液を作製する。本例の混合工程においては、非イオン性ポリマーとして、ポリエチレンオキシドを用い、カルシウムイオン源として酢酸カルシウムを用いる。
ゲル化工程においては、混合液中の非イオン性ポリマーをゲル化させる。これにより、非イオン性ポリマーゲルからなる有機マトリックスにカルシウムイオンが分散されたゲル溶媒を作製する。本例においては、加熱により、非イオン性ポリマーをゲル化させる。
また、反応析出工程においては、ゲル溶媒を図1及び図2示すごとく、瓶のキャップ形状の成形型に流し込み、水中で炭酸イオンを供給する炭酸源をゲル溶媒に加えて有機マトリックス中で炭酸カルシウムを析出させる。本例においては、炭酸源としてCO2ガスを用いる。このようにして、有機マトリックス中に平均粒径30nm以下の上記微粒子が分散された固形複合材料を作製する。
以下、本例の固形複合材料の製造方法につき、詳細に説明する。
まず、濃度1.42Mの酢酸カルシウム水溶液を作製した。この酢酸カルシウム水溶液500mLにポリエチレンオキシド30gを加えて室温で10分間撹拌することにより混合液を得た(混合工程)。
次いで、混合液を温度90℃で3時間保持することにより、混合液中のポリエチレンオキシドをゲル化させた。これにより、ポリエチレンオキシドゲルからなる有機マトリックスにカルシウムイオンが分散されたゲル溶媒を得た(ゲル化工程)。
次に、ゲル溶媒を瓶のキャップ形状の成形型内に流し込み、これを1000mLのオートクレーブ内に配置した。次いで、オートクレーブ内に設置したゲル溶媒に、CO2ガスを導入し、温度50℃、圧力8MPaで2時間保持することにより、有機マトリックス中に炭酸カルシウムの結晶を析出させた(反応析出工程)。
このようにして、成形型の形状(瓶のキャップ)を反映した形状の固形複合材料1を得た(図1及び図2参照)。これを試料E1とする。
(実施例2)
本例は、実施例1とは異なる製造方法によって、固形複合材料(試料E2)を作製する例である。
本例においても、実施例1と同様に固形複合材料として、瓶のキャップを作製する(図1及び図2参照)。また、本例の固形複合材料(試料E2)は、実施例1の上記試料E1と同様に、有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に炭酸カルシウムの結晶からなる微粒子が分散されてなる。また、固形複合材料において、微粒子は平均粒径30nm以下で分散されており、有機高分子は、親水性の非イオン性ポリマーからなると共に、微粒子間に分散されている。
本例においては、カルシウムイオン源として硝酸カルシウムを用い、親水性の非イオン性ポリマーとしてポリアクリルアミドを用い、炭酸源として炭酸塩(炭酸ナトリウム)を用いて固形複合材料を作製する。
具体的には、まず、濃度1.4MのCa(NO3)2水溶液を作製し、このCa(NO3)2水溶液500mLにポリアクリルアミド30gを加えて室温で10分間撹拌することにより、混合液を得た(混合工程)。
次いで、実施例1と同様の瓶のキャップ形状の成形型内に流し込み、室温で60分間放置することにより、ポリアクリルアミドをゲル化させた。これにより、ポリアクリルアミドゲルからなる有機マトリックスにカルシウムイオンが分散されたゲル溶媒を得た(ゲル化工程)。
次いで、ゲル溶媒を1.4MのNa2CO3水溶液500mLに浸漬した。これにより、有機マトリックス中に炭酸カルシウムの結晶を析出させた(反応析出工程)。
このようにして、成形型の形状を反映した形状の固形複合材料を得た。これを試料E2とする。
(実験例)
本例は、実施例1及び実施例2において作製した2種類の固形複合材料(試料E1及び試料E2)について、構造及び力学的特性を調べた例である。
まず、上記試料E1及び試料E2について、Cu−Kα線を用いたX線回折装置((株)リガク製「RINT2100」)によりX線回折測定を行った。そして、得られるX線回折パターンにおけるCaCO3結晶に相当するピークの半値幅から、CaCO3結晶よりなる微粒子の平均粒子径を算出した。その結果、試料E1においては、微粒子の平均粒径は2.6nmであり、試料E2においては、微粒子の平均粒径は5.3nmであった。また、CaCO3結晶に相当するピークの位置から、微粒子は、アラゴナイト型のCaCO3結晶からなることがわかった。
また、試料E1及び試料E2の構造を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した。その結果を図3(試料E1)及び図4(試料E2)に示す。図3及び図4においては、黒い部分がCaCO3結晶からなる微粒子であり、白い部分が有機高分子である。
図3より知られるごとく、試料E1においては、CaCO3結晶からなる平均粒径30nm以下の微粒子が有機高分子と複合化していることがわかる。また、図4より知られるごとく、試料E2においても、試料E1と同様に、平均粒径30nm以下の微粒子が有機高分子と複合化していたが、部分的に粒径20nm程度の微粒子が混じっていることが確認された。ただし、試料E2においても、微粒子の平均粒径は上述のごとく30nm以下であった。
次に、試料E1及び試料E2の固形複合材料について、力学的特性として曲げ強度を測定した。なお、曲げ強度の測定に用いた固形複合材料は、厳密には、上記試料E1及び上記試料E2ではない。即ち、実施例1の実施例1の試料E1及び実施例2の試料E2とほぼ同様にして作製した固形複合材料であるが、その形状のみが異なる試料である。曲げ強度測定用の固形複合材料は、短冊形状(長200mm×幅30mm)の試料を用いて行った。この試料は、短冊形状の成形型を用いた点を除いては、実施例1の上記試料E1及び実施例2の上記試料E2と同様にして作製した固形複合材料であるため、便宜上これらもそれぞれ試料E1及び試料E2とする。
曲げ強度(MPa)は、JISK7055に準拠する方法により測定した。その結果を図5に示す。
また、試料E1及び試料E2の比較用としてCaCO3の結晶からなる試料(試料C)についても、試料E1及び試料E2と同様にして曲げ強度を測定した。その結果を図5に示す。
なお、試料Cとしては、市販の石灰石(白石カルシウム社製)を、曲げ強度測定用の上記試料E1及び試料E2と同形状に加工したものを用いた。
図5より知られるごとく、試料E1及び試料E2は、試料Cに比べて曲げ強度が大きく向上していることがわかる。よって、試料E1及び試料E2の固形複合材料は、石灰石(試料C)に比べて、優れた靱性を有していることがわかる。また、試料E1及び試料E2は、試料Cと同様に炭酸カルシウムの結晶を含有しているため、試料Cと同程度の硬さを有する。
以上のように、実施例1及び実施例2において作製した固形複合材料(試料E1及び試料E2)は、硬さと靱性とを兼ね備えた材料であることがわかる。
実施例1にかかる、キャップ形状に成形した固形複合材料(瓶上のキャップ)の外観を示す写真代用図。 実施例1にかかる、キャップ形状に成形した固形複合材料(キャップのみ)の外観を示す写真代用図。 実験例にかかる、固形複合材料(試料E1)を透過型電子顕微鏡したときの様子を示す写真代用図。 実験例にかかる、固形複合材料(試料E2)を透過型電子顕微鏡したときの様子を示す写真代用図。 実験例にかかる、固形複合材料(試料E1及び試料E2)及び石灰石(試料C)の曲げ強度を結果を示す説明図。
符号の説明
1 固形複合材料

Claims (10)

  1. 有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に、Ca、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の炭酸塩である金属炭酸塩の結晶からなる微粒子が分散された固形複合材料の製造方法であって、
    水中でゲル化する親水性の非イオン性ポリマーと、水中でCaイオン、Mgイオン、Feイオン、Cuイオン、Coイオン、Mnイオン、及びNiイオンから選ばれる1種以上の金属イオンを供給する金属イオン源とを水中で混合することにより、混合液を作製する混合工程と、
    上記混合液中の上記非イオン性ポリマーをゲル化させることにより、該非イオン性ポリマーゲルからなる有機マトリックスに上記金属イオンが分散されたゲル溶媒を作製するゲル化工程と、
    上記ゲル溶媒に、水中で炭酸イオンを供給する炭酸源を加えて上記有機マトリックス中で金属炭酸塩の結晶からなる上記微粒子を析出させることにより、上記有機マトリックス中に平均粒径30nm以下の上記微粒子が分散された上記固形複合材料を作製する反応析出工程とを有し、
    上記金属イオン源としては、上記金属イオンの酢酸塩、塩化物(塩酸塩)、硝酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、金属アルコキシド、金属アセチルアセトナート、又はその誘導体を採用することを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  2. 請求項1において、上記非イオン性ポリマーとしては、ポリエーテルを用いることを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記金属炭酸塩は、炭酸カルシウムであり、上記金属イオン源は、水中でカルシウムイオンを供給するカルシウムイオン源であることを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  4. 請求項3において、上記カルシウムイオン源としては、カルシウム塩を用いることを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記反応析出工程においては、上記炭酸源としてCO2ガスを上記ゲル溶媒に導入することを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記ゲル溶媒を成形する成形工程を有することを特徴とする固形複合材料の製造方法。
  7. 有機高分子が集合してなる有機マトリックス中に、Ca、Mg、Fe、Cu、Co、Mn、及びNiから選ばれる1種以上の金属の炭酸塩である金属炭酸塩の結晶からなる微粒子が分散された固形複合材料であって、
    該固形複合材料において、上記微粒子は平均粒径30nm以下で分散されており、
    上記有機高分子は、親水性の非イオン性ポリマーからなると共に、上記微粒子間に分散されていることを特徴とする固形複合材料。
  8. 請求項7において、上記金属炭酸塩は、炭酸カルシウムであることを特徴とする固形複合材料。
  9. 請求項7又は8において、上記微粒子は、平均30nm以下の間隔で分散されていることを特徴とする固形複合材料。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記微粒子の含有量は、上記固形複合材料中20wt%〜99wt%であることを特徴とする固形複合材料。
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