JP4385429B2 - アンカーコート剤及びそれを用いてラミネートフィルムを製造する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はラミネートフィルム用の新規なアンカーコート剤、およびそれを用いてラミネートフィルムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装材料等に用いられるフィルムやシート(以下フィルム等ともいう)には水、水蒸気、各種ガス、光、香り、臭気等に対するバリヤー性、引っ張り強度、衝撃強度、突刺強度等の各種機械的強度、耐熱性、耐寒性等の安定性、衛生性、安全性、作業性、外観、経済性等の種々の品質特性が要求される。今日種々のフィルム等が供給されているとはいえ、一種類の物質のみからなるフィルム等によってはこれらの品質特性のすべてを満足させることは不可能である。このような問題に対する対策として、種類の異なる二以上のフィルム等を積層し複合してなるいわゆるラミネートフィルム等として用いることは良く知られている。
【0003】
ラミネートフィルムを製造する方法の一つとして押し出しラミネート法がある。
この方法はプラスチックフィルムやアルミ箔等の基材フィルムなどにポリエチレン等の樹脂を比較的高温で押し出して積層し一体化する方法である。この場合、性質を異にする基材フィルム等と積層樹脂との接着力を高めるため基材フィルム等にあらかじめアンカコート剤を塗布したものを用いている。
【0004】
代表的なアンカーコート剤としては
(1)イソシアネート系アンカーコート剤
(2)有機チタン系アンカーコート剤
(3)ポリブタジエン系アンカーコート剤
(4)ポリエチレンイミン系アンカーコート剤
等を挙げることができる。アンカーコート剤に要求される特質としては
(イ)本来の目的であるフィルム間の接着力を高めること、
(ロ)ラミネートフィルムに必要とされる上記品質特性に少なくとも悪影響を及ぼさないこと
(ハ)ラミネートフィルムの製造が容易で安全に経済的に行われること
である。
【0005】
このうちポリエチレンイミン系アンカーコート剤は、耐水性が充分ではないが、イソシアネート系アンカーコート剤のように加工後のエージングは不要であり加工を能率的に行うことができる。また、有機溶媒を使用する必要がないので公害の問題がない。また、化学的に安定な物質であり有機チタン系アンカーコート剤における様にポットライフが短いといった問題も生じない。このため耐水性をさほど必要としない分野においては広く用いられている。しかしながら押し出しラミネート加工は比較的高温で行われるものであり、ポリエチレンイミンは加熱すると容易に褐色に着色するので、このアンカーコート剤を用いて製造したラミネートフィルムは着色し経済的価値を損なうという問題がある。さらにポリエチレンイミン中に残存する可能性があるエチレンイミンには発癌性の問題が指摘されている。
【0006】
一方、特開平4−292640号には、アリルアミン重合体(ポリアリルアミン)を主成分とするアンカーコート剤を用いて接着強度にすぐれかつ着色のないラミネートフィルムまたはシートを製造できることが開示されている。しかし、この方法は、ラミネートフィルム製造の際に機械に付着したアリルアミン重合体を除去することができなくなることもあり、実用上、問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題に鑑み、ラミネートフィルム製造時において取扱いが容易かつ安全であり、効果的な製造が可能であり、かつ、接着強度、外観が優れたラミネートフィルムを製造できるアンカーコート剤および、そのアンカーコート剤を用いてラミネートフィルムを製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、一般式(I)
【0009】
【化6】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される単位を含むN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を主成分とするアンカーコート剤である。
また、本発明の第二は、一般式(I)
【0010】
【化7】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される単位と
一般式(II)
【0011】
【化8】
(式中、R3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表される単位とを含むN,N−ジアルキルアリルアミンとモノアリルアミン類との共重合体(以下、この共重合体を共重合体Aと記載することもある)を主成分とするアンカーコート剤である。
【0012】
さらに、本発明の第三は、一般式(I)
【0013】
【化9】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される単位と
一般式(III)
【0014】
【化10】
で表される単位とを含むN,N−ジアルキルアリルアミンとジアリルアミンとの共重合体(以下、この共重合体を共重合体Bと記載することもある)を主成分とするアンカーコート剤である。
【0015】
さらにまた、本発明の第四は、上記第一〜第三に記載のいずれかのアンカーコート剤を基材フィルムまたはシートに塗布し、そのアンカーコート剤を塗布した面に樹脂を押し出しラミネートし、ラミネートフィルムを製造する方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のアンカーコート剤に用いられるN,N−ジアルキルアリルアミン重合体としては、具体的には、N,N−ジメチルアリルアミン重合体、N,N−ジエチルアリルアミン重合体、N,N−ジプロピルアリルアミン重合体、N,N−ジブチルアリルアミン重合体等を例示できるが、N,N−ジメチルアリルアミン重合体、N,N−ジエチルアリルアミン重合体が好ましい。
【0017】
これらの重合体の分子量は制限的ではないが、好ましくは300〜1,000,000である。
【0018】
本発明に使用するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、例えば、米国特許4053512号公報に記載のように、対応するN,N−ジアルキルアクリルアミド重合体をソジウム・ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライドと反応させることにより製造できる。
【0019】
また、本発明に使用するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、一般式(IV)
【0020】
【化11】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を、水性媒体中、分子中にアゾ基とカチオン性窒素とを有するラジカル開始剤[例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩]をモノマーに対し2〜100モル%の存在下で重合させることにより製造できる。この製造方法に関しては、同一出願人によるPCT/JP98/04289号明細書にその詳細が記載されている。
【0021】
また、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体としてN,N−ジメチルアリルアミン重合体を用いるときは、例えば、特開昭60−108405号公報に記載のように、モノアリルアミンの無機酸塩を分子中にアゾ基とカチオン性窒素とを含むラジカル重合開始剤を用いて重合し、次に得られたポリアリルアミン無機酸塩、またはその無機酸塩にアルカリを作用することにより得られたポリアリルアミンに、ギ酸とホルムアルデヒドを作用させることにより製造することができる。
【0022】
ポリアリルアミンにギ酸とホルムアルデヒドを作用させてN,N−ジメチルアリルアミン重合体を製造するときには、ポリアリルアミンのアミンとしての1モルに対し、ホルムアルデヒド2〜3モル、ギ酸3〜8モル必要とするが、ホルムアルデヒド及びギ酸の量を変化させることによりメチル化の程度をコントロールすることもできる。
【0023】
このようなN,N−ジメチルアリルアミン重合体の詳細な製造方法は以下の通りである。
【0024】
ポリアリルアミン(日東紡製PAA−Hを用いることもできる)またはその付加塩を水もしくはメタノールまたはこれらと極性溶媒との混合溶媒に、ポリマー濃度5〜60%となるように溶解させる。これを冷却し温度30℃以下に保ちながらギ酸を、次にはホルムアルデヒド水溶液を滴下する。滴下終了後、徐々に温度を上げて70〜90℃にすると、炭酸ガスが激しく発生する。同温度に4〜6時間保ち気体の発生が止めば反応は終了したとみてよい。反応終了後、大量のアセトンに加えて沈殿させて未反応のホルムアルデヒド及びギ酸を除き、濾別、乾燥してN,N−ジメチルアリルアミン重合体のギ酸塩を得る。このギ酸塩は、その水溶液に、水酸化ナトリウム等のアルカリを加えて中和することにより、遊離のN,N−ジメチルアリルアミン重合体に転化され、さらに必要に応じて透析等による不純物の除去により精製される。
【0025】
本発明のアンカーコート剤に使用されるN,N−ジアルキルアリルアミンとモノアリルアミン類との共重合体としては、例えば、具体的には、N,N−ジメチルアリルアミンとモノアリルアミンとの共重合体、N,N−ジエチルアリルアミンとモノアリルアミンとの共重合体、N,N−ジプロピルアリルアミンとモノアリルアミンとの共重合体、N,N−ジブチルアリルアミンとモノアリルアミンとの共重合体、N,N−ジメチルアリルアミンとN−メチルアリルアミンとの共重合体等を例示できる。
【0026】
本発明のアンカーコート剤に使用されるN,N−ジアルキルアリルアミンとモノアリルアミン類との共重合体(共重合体A)は、一般式(IV)
【0027】
【化12】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩と一般式(V)
【0028】
【化13】
(式中、R6は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表されるモノアリルアミン類の付加塩とを、水性媒体中、分子中にアゾ基とカチオン性窒素とを有するラジカル開始剤又は過硫酸塩の存在下で重合させて製造できる。
【0029】
重合に際して、N,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩とモノアリルアミン類の付加塩は、単離された結晶の形で使用されるのが普通であるが、水性溶媒にN,N−ジアルキルアリルアミンとモノアリルアミン類と酸とを加えてその系中で付加塩を生成させてもよい。
【0030】
付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等が例示できる。その際、モノマーの付加塩を製造するためモノマーに添加する酸の量は、使用するモノマーの合計に対し100〜110当量%が好ましい。重合に際して用いるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩とモノアリルアミンの付加塩との仕込みモル比は、0.10〜0.90:0.90〜0.10が好ましく、0.20〜0.80:0.80〜0.20がさらに好ましい。また、用いるラジカル重合開始剤としては、分子中にアゾ基とカチオン性窒素とを有する化合物が好ましく、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾプロパン・二塩酸塩、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾブタン・二塩酸塩、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾペンタン・二塩酸塩、2,2’−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・二塩酸塩、2,2’−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・二塩酸塩、2,2’−ビス(N−ジメチルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・二塩酸塩、2,2’−ビス(N−ジメチルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・二塩酸塩等が好適である。
【0031】
ラジカル重合開始剤の量は、通常の重合反応に比べて多量に使用することが好ましく、一般には、用いるモノマーの合計量に対して、通常2〜100モル%、好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。
【0032】
重合温度は、用いる反応溶媒により異なるが、通常55℃〜還流温度、好ましくは55℃〜100℃、さらに好ましくは55℃〜80℃である。
重合する際のモノマー濃度はその溶解度の範囲内で高い方が好ましく、通常40重量%以上、好ましくは50〜90重量%である。
【0033】
重合終了後、得られる液を中和することにより、生成する重合体を遊離状態にし次いで残存するモノマーを減圧下に留去して除去した後、イオン交換膜電気透析に付すことにより、精製されたN,N−ジアルキルアリルアミンとモノアリルアミン類との共重合体が得られ、これらは、さらにアンカコート剤に有効に使用できる。
【0034】
本発明に用いるN,N−ジアルキルアリルアミンとジアリルアミンとの共重合体は、一般式
【0035】
【化14】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩と一般式(VI)
【0036】
【化15】
で表されるジアリルアミンの付加塩とを、水性媒体中、アゾ基とカチオン性窒素とを有するラジカル開始剤又は過硫酸の存在下で重合させた後、得られる液を中和することにより、生成する重合体を、遊離状態にし、次いで残存するモノマーを減圧下に除去した後、イオン交換膜電気透析に付して精製することにより製造できる。
【0037】
重合体Bの製造に使用するためのN,N−ジアルキルアリルアミンは、重合体Aの製造を説明した前記記載のものである。
また、重合体Bを製造するための重合条件・後処理は、モノマーとしてモノアリルアミン類の代わりに、ジアリルアミンを用いたこと以外は、重合体Aの製造に記載した前記の条件と同じでよい。
なお、重合体A及び重合体Bの製造方法は、同一出願人によるPCT/JP98/04289号明細書にその詳細が記載されている。
【0038】
本発明のアンカーコート剤を用いてラミネートフィルムを製造する際には、通常、本発明のアンカーコート剤を基材フィルムまたはシートに塗布し、そのアンカーコート剤を塗布した面に樹脂を押し出しラミネートし、ラミネートフィルムを製造する。
【0039】
通常、基材フィルムまたはシートの上に、本発明のアンカーコート剤を塗布し、オーブン中で熱風乾燥した後、加熱溶融したポリエチレンを押し出し、冷却ロールとニップロールで圧着して張り合わせることにより、ラミネートフィルムを製造することができる。
【0040】
本発明のアンカーコート剤を基材フィルムまたはシートに塗布する際は、例えば、溶剤に溶解してから塗布することができる。
基材フィルムまたはシートとしてはポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂フィルム、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、セロハン、紙、不織布、織物等を挙げるが、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムやアルミニウム箔が好適である。
【0041】
本発明のアンカーコート剤を溶解する溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、及びそれらの混合溶媒を用いることができる。
【0042】
塗工量は有効成分として0.005〜0.05g/m2、好ましくは0.01〜0.03g/m2となるようにする。塗工方法としては、公知の方法、例えばロールコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等によればよい。塗工後、風乾、または加熱して乾燥し溶媒を除去すると良い。
【0043】
アンカーコート剤を塗布したフィルムまたはシート状物を基材とし、そのアンカーコート剤を塗布した面に樹脂を押し出しラミネートし、ラミネートフィルムを製造することができる。
押し出しラミネート法としては、例えば、基材フィルムまたはシートの上に、本発明のアンカーコート剤を塗布し、オーブン中で熱風乾燥した後、加熱溶融したポリエチレン等の樹脂を押し出し、冷却ロールとニップロールで圧着して張り合わせることにより、ラミネートフィルムを製造する従来公知の方法を用いることができる。
【0044】
水性アンカーコート剤としてポリアリルアミン、ポリビニルアミン等を使用すると、アンカコート剤を使用した機械に固形成分が貼り付き、それを除去しにくかった。しかし、本発明のアンカーコート剤の場合、有機溶媒等でふき取ることにより簡単に除去可能である。したがって、作業性が改善されることになり、ラミネートフィルムまたはシートの製造分野に寄与すること大である。
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではないことは勿論である。
【0045】
【実施例】
実施例1
濃度75%のアリルアミン塩酸塩(モノマー量として2モル)水溶液を加熱し60℃に保ち、これに2,2’−ジアミジニルー2,2’−アゾプロパン・二塩酸塩4.68g(対モノマー2.5%)の15%水溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了してから48時間、60℃に保った。重合終了後、大量のメタノール中にポリマーを沈殿させ、濾別乾燥した。収量は171gであった。
【0046】
このポリアリルアミン塩酸塩160g(1.71g)に水240gを加えて溶解しこれに40%水酸化ナトリウム水溶液174.1gを加えた。生成した食塩を除去するため72時間透析した後、凍結乾燥した。
このポリアリルアミン水溶液22.8g(アミンとして0.4モル)を水60gに溶解し、30℃以下に保ちながら90%ギ酸81.8g(1.6モル)を滴下し、続いて35%ホルマリン75.4g(0.88モル)を滴下した。滴下終了後、徐々に温度を上げて80℃にしN,N−ジメチル化反応を開始させたところ、炭酸ガスが激しく発生した。同温度に5時間保ち気体の発生が止まったことを確認して反応終了した。反応液を大量のアセトンに加えて沈殿させ、濾別乾燥して白色粉末としてN,N−ジメチルアリルアミン重合体を得て、これに水/メタノール(1対2)を加え、1%重合体溶液としてアンカーコート剤を製造した。
【0047】
実施例2
市販のポリアリルアミン(日東紡製 PAA15B,分子量10,000) を凍結乾燥することにより得られたポリアリルアミン(アミンとして0.4モル)を、実施例1と同様にしてN,N−ジメチル化・後処理することにより、N,N−ジメチルアリルアミン重合体を得、これに水/メタノール(1対2)を加え、1%重合体溶液としてアンカーコート剤を得た。
【0048】
実施例3
モノアリルアミン塩酸塩(0.60モル)とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩(0.40モル)を含む水溶液をモノマー濃度60%に調整し、これに2,2’−ジアミジニル− 2,2’−アゾプロパン・二塩酸塩(モノマーに対して3.2モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始してから24時間、48時間、72時間経過した後にも、それぞれ同量づつの同触媒を添加し、合計96時間、重合反応をした。
【0049】
重合終了後、反応溶液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下して中和し、次いで減圧下(80mmHg)、60℃で未反応のモノマーを留去した。得られた濃縮物をイオン交換膜電気透析に付すことにより精製し、N,N−ジメチルアリルアミンとモノアリルアミンとの共重合体(分子量800)を水溶液として得た。それを、濃縮した後、1%重合体を含む水/メタノール(1対2)混合溶液としてアンカーコート剤を得た。
【0050】
実施例4
モノアリルアミン塩酸塩の代わりにジアリルアミン塩酸塩を用いた以外は実施例3と同様に処理し、N,N−ジメチルアリルアミンとジアリルアミンとの共重合体(分子量5,000)を水溶液として得た。それを、1%重合体を含む水/メタノール(1対2)混合溶液に調整してアンカーコート剤を得た。
【0051】
実施例5
実施例1〜4のアンカーコート剤をインライン方式溶融押出ラミネート機にてラミネート速度80m/分、溶融樹脂温度290℃、アンカーコート剤塗布量0.04g/m2(固形分)の条件下で、アルミ箔(Al)、ナイロンフィルム(NY)、プレーンセロハン(PT)にはポリエチレンを、そしてポリエステルフィルム(PET)にはポリプロピレンを40μの厚みで溶融押出ラミネートをしてラミネートフィルムを作成した。インストロン型試験機を用いて測定した各々のラミネートフィルムの接着強度(T字型剥離)の結果と120℃の乾燥器中で8時間加熱後の各々のラミネートフィルムの着色の程度(外観)をまとめて表1に示した。
【0052】
表1中のPAAはポリアリルアミン(日東紡績株式会社製,分子量10,000)、PEIはポリエチレンイミン(日本触媒株式会社製,エポミンP−1000,分子量70,000)、PVAnはポリアクリルアミドのホフマン分解によって合成したポリビニルアミン(第1級アミノ基の置換度70モル%,分子量500,000)を示す。これらの比較のアンカーコート剤として、重量として1%の重合体を含む水/メタノール溶液(1:1)を用いた。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例6
実施例1〜4に記載したアンカーコート剤を、有効成分として0.1g/m2ステンレス板に塗り室温に24時間放置して付着させた。付着させたアンカーコート剤をメタノールで含浸させた布で拭き取り、その拭き取り作業のしやすさを比較した。比較の重合体として、PAA、PEI、PVAmを用いた。それらの結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】
本発明のアンカーコート剤および該アンカーコート剤を塗布したフィルムまたはシートによれば、接着強度にすぐれかつ着色のないラミネートフィルムまたはシートが製造できる。また、本発明のアンカーコート剤は水溶性であるので、ラミネートフィルムまたはシートの製造時においても、人体に有害な有機溶剤を使用する必要がない。さらに、本発明のアンカコート剤を用いてラミネートフィルムまたはシートを製造する際、アンカーコート剤が機械に付着しても、有機溶媒でふき取りやすく簡単に除去できるため作業性が改善される。
Claims (4)
- 請求項1〜3に記載のいずれかのアンカーコート剤を基材フィルムまたはシートに塗布し、そのアンカーコート剤を塗布した面に樹脂を押し出しラミネートし、ラミネートフィルムを製造する方法。
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