JP4381876B2 - ディジタル周波数変換器およびディジタル周波数変換装置 - Google Patents

ディジタル周波数変換器およびディジタル周波数変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、ディジタル領域において、所望の信号の周波数を行うディジタル周波数変換器およびディジタル周波数変換装置に関する。
近年、CDMA(Code Division Multiple Access)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が適用された多くの無線伝送系では、高度に進展したディジタル信号処理技術が適用されている。
図9は、送信波の生成にディジタル信号処理が適用された送信機の構成例を示す図である。
図において、ベースバンド変調処理部51の出力は低域フィルタ52を介してミキサ53の入力に接続され、そのミキサ53の局発入力には局部発振器54の出力が接続される。ミキサ53の出力は帯域フィルタ55を介して図示されない電力増幅器または空中線系に接続される。
このような構成の送信機では、ベースバンド変調処理部51に備えられたFPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI(Large Scale Integration)は、伝送情報の伝送路符号化およびインターリーブに併せて、変調、符号拡散、D/A変換等の処理を行うことによってアナログのベースバンド信号を生成する。
このベースバンド信号は、例えば、図10(a) に示すように、上記のD/A変換に供されるクロック信号に同期して瞬時値が階段状に増減する「0次ホールド状の波形」で与えられるため、図10(b) に示すように、多くの高調波成分を含む。しかも、これらの高調波成分の周波数スペクトラムは、上述したクロック信号の周期Tsに等しい有限のパルス幅を有するパルスの列として上述したベースバンド信号が生成されるために、例えば、個々の高調波の次数の如何にかかわらず同じ値とならず(図10(c))、かつ図10(b) に点線で示すようにその次数が高いほど減少すると共に、このクロック信号の周波数fsの整数倍の周波数に極小点(零点)を有する。
低域フィルタ52は、このベースバンド信号の占有帯域の成分を抽出し、かつ上述した高調波成分を除去することによって「ベースバンド送信波信号」を生成する。
局部発振器54は、周波数が規定の値ftである局発信号を定常的に生成する。ミキサ53は、これらのベースバンド送信波信号と局発信号との積をとることによって、双方の周波数の和または差の周波数の信号を生成する。帯域フィルタ55は、この信号から所望の占有帯域に分布する送信波信号の成分を抽出し、その送信波信号に付帯することが好ましくないスプリアスや高調波成分を除去することによって、送信波信号を生成すると共に、その送信波信号を既述の電力増幅器または空中線系に供給する。
なお、本願発明に関連する先行技術としては、例えば、下記の技術がある。
・ 後述する特許文献1に開示されるように、ディジタル乗算器に代わる並/直列変換回路が活用されることによって高速に直交変調が実現される「ディジタル変調器」
・ 後述する特許文献2に開示されるように、ディジタル乗算器に代わる並/直列変換回路が活用されることによって高速の直交変調が実現され、かつベースバンド信号の占有帯域がクロック信号の周波数の四分の一に等しい周波数高い値にシフトされる「変調装置」
・ 後述する特許文献3に開示されるように、直交変復調が複素領域における信号処理として実現され、これらの直交変復調の結果として生成された信号がアナログの周波数変換器を介して所望の周波数の信号に変換される「複素変復調方式」
特開平8−23359号公報(要約) 特開平8−149170号公報(要約) 特開平6−244883号公報(要約)
ところで、上述した従来例では、電力増幅器や空中線系に供給される送信波信号は、既述のミキサ53、局部発振器54および帯域フィルタ55のように、特性のバラツキや変動が生じ易く、かつ無調整化が難しく、しかも、部品点数が多いために信頼性の向上や高密度実装の妨げの要因となり易いアナログ回路によって生成されていた。
しかし、このようなアナログ回路は、一般に、特性の向上や安定化に多くのコストを要し、その特性の変更が容易には達成され難いために、広帯域化等の多様な特性を柔軟かつ安価に達成するソフトウエア無線技術の実現の大きな妨げとなっていた。
本発明は、ディジタル信号処理により、所望の周波数変換を精度よく安定に達成できるディジタル周波数変換器およびディジタル周波数変換装置を提供することを目的とする。
第一の発明では、フーリエ変換手段は、時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求める。スペクトラム再配置手段は、複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)が二分されてなる高域の群と低域の群との周波数軸上における順序を入れ替える。逆フーリエ変換手段は、スペクトラム再配置手段によって順序が入れ替えられた2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する。
この逆フーリエ変換の結果として得られる離散的な時間信号の周波数スペクトラムは、上述した低域の群(またはその群の高調波)と、このような群に周波数軸上で隣接する既述の高域の群(またはその群の高調波)との集合として得られ、しかも、サンプリング周波数fsの整数倍の周波数は、これらの低域の群(またはその群の高調波)が分布する帯域の下端あるいは、高域の群(およびその群の高調波)が分布する帯域の上端以外には一致しない。
したがって、離散信号f(t)の周波数変換は、このようにして周波数軸上で周波数の昇順に隣接し、かつサンプリング周波数fsが下端または上端の周波数以外に該当し得ない帯域に分布する低域の群(またはその群の高調波)と高域の群(またはその群の高調波)との対の抽出が可能であるならば、フーリエ変換手段、スペクトラム再配置手段および逆フーリエ変換手段によって既述の通りに行われるディジタル領域の処理の下で確度高く実現される。
第二の発明では、フーリエ変換手段は、時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求める。スペクトラム再配置手段は、これらの帯域の下端と上端とに、上述した周波数成分F(p)の内、離散信号f(t)の占有帯域に分布する周波数成分F′(p)が二分されてなる高域の群と低域の群とをそれぞれ再配置する。逆フーリエ変換手段は、スペクトラム再配置手段によって下端と上端とに配置された2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する。
この逆フーリエ変換の結果として得られる離散的な時間信号の周波数スペクトラムは、上述した離散信号f(t)の占有帯域が周波数軸上における(−fs/2)から(fs/2)に至る帯域の一部に相当する場合であっても、低域の群(またはその群の高調波)と、このような群に周波数軸上で隣接する既述の高域の群(またはその群の高調波)との集合として得られ、しかも、サンプリング周波数fsの整数倍の周波数は、これらの低域の群(またはその群の高調波)が分布する帯域の下端と、高域の群(およびその群の高調波)が分布する帯域の上端以外には一致しない。
したがって、離散信号f(t)の周波数変換は、このようにして周波数軸上で周波数の昇順に隣接し、かつサンプリング周波数fsが下端または上端の周波数以外に該当し得ない帯域に分布する低域の群(またはその群の高調波)と高域の群(またはその群の高調波)との組み合わせの抽出が可能であるならば、フーリエ変換手段、スペクトラム再配置手段および逆フーリエ変換手段によって既述の通りに行われるディジタル領域の処理の下で確度高く実現される。
第三の発明では、第二の発明にかかわるディジタル周波数変換器において、低域の群と高域の群とは、サンプリング周波数fsと占有帯域の幅fbとに対して与えられる1:(fs/fb−1)の比率で占有帯域が案分されてなる個々の帯域の成分である。
このような比率で離散信号f(t)の占有帯域が案分されることによって低域の群と高域の群とが特定された場合には、周波数軸上において、「その低域の群(またはその群の高調波)の成分が分布する第一の帯域の下端」と、「高域の群(またはその群の高調波)の成分が分布する第二の帯域の上端」との双方と、「サンプリング周波数fsの整数倍であり、これらの下端および上端に最寄りの周波数」との隔たりが同じ値に設定される。
したがって、本発明にかかわるディジタル周波数変換器の後段で行われるD/A変換の結果が『パルス幅が「0」ではない(理想的なインパルスではない)パルスの列』として得られることに起因して、サンプリング周波数fsの整数倍の周波数の近傍の帯域において生じる周波数スペクトラムの歪みが緩和される。
第四の発明では、第一ないし第三の何れかの発明にかかわるディジタル周波数変換器において、逆フーリエ変換手段は、逆フーリエ変換に先行して、周波数軸上における低域の群と高域の群との境界を変更し、低域の群の上端と高域の群の下端とが連続する仮想的な環状の周波数軸上でこれらの群の間における帯域幅の過不足を是正する。
すなわち、上述した低域の群と高域の群との境界が変更される方向および周波数が適正に与えられる場合には、周波数変換の結果として抽出される低域の群(またはその群の高調波)と、高域の群(またはその群の高調波)との帯域は、これらの帯域にサンプリング周波数fsが含まれず、しかも、この周波数変換の結果を抽出するフィルタの後段でさらに行われる周波数変換その他の処理に適した帯域に設定される。
したがって、本発明にかかわるディジタル周波数変換器の後段に配置されるハードウエアの規模や消費電力の削減と、低廉化および小型化が可能となる。
第五の発明では、第一ないし第四の発明にかかわるディジタル周波数変換器において、逆フーリエ変換手段は、逆フーリエ変換の結果として生成される離散出力信号が有限のパルス幅を有するパルスの列として与えられることに起因して、周波数スペクトラムに生じる誤差の比率の逆数を逆フーリエ変換に先行して高域の群と低域の群とにそれぞれ乗じる。
すなわち、離散信号f(t)の周波数変換の結果として抽出される帯域の周波数スペクトラムには、上述した誤差が含まれない。
したがって、サンプリング周波数fsの選定にかかわる自由度が向上し、かつ周波数変換の精度が高められる。
第六の発明では、複数のディジタル周波数変換器は、既述の第一の発明ないし第五の発明の何れかにかかわるディジタル周波数変換器に該当し、かつ時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)に異なる位相で個別に応答する。選択手段は、複数のディジタル変換器によって個別に逆フーリエ変換の結果として得られた複数の離散出力信号の内、異なる位相の組み合わせの下で所望の精度が確保される部分離散出力信号を順次選択する。
このようにして順次選択された部分離散信号は、離散信号f(t)を示す点列の内、時系列の順にフーリエ変換の対象となる複数の点列の始点と終点との双方または何れか一方の値が「0」でない場合であっても、その離散信号f(t)に精度よく追従した点列として得られる。
したがって、本実施形態によれば、離散信号f(t)を示す点列の値の順列の如何にかかわらず、周波数変換の精度および直線性が向上し、かつ高く維持される。
上述したように第一および第二の発明では、フーリエ変換手段、スペクトラム再配置手段および逆フーリエ変換手段によって既述の通りに行われるディジタル領域の処理の下で、周波数変換が確度高く実現される。
また、第三の発明では、本発明にかかわるディジタル周波数変換器の後段で行われるD/A変換の結果が『パルス幅が「0」ではない(理想的なインパルスではない)パルスの列』として得られることに起因して、サンプリング周波数fsの整数倍の周波数の近傍の帯域において生じる周波数スペクトラムの歪みが緩和される。
さらに、第四の発明では、本発明にかかわるディジタル周波数変換器の後段に配置されるハードウエアの規模や消費電力の削減と、低廉化および小型化が可能となる。
また、第五の発明では、サンプリング周波数fsの選定にかかわる自由度が向上し、かつ周波数変換の精度が高められる。
さらに、第六の発明では、点列として与えられる離散信号f(t)の値の順列の如何にかかわらず、周波数変換の精度および直線性が向上し、かつ高く維持される。
したがって、本発明が適用された電子機器やシステムでは、コストが増加することなく構成の簡略化と性能の安定化とが図られ、かつ多様な仕様、あるいは仕様の変更に対する柔軟な適応が可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。
図において、ベースバンド信号処理部10の出力は帯域フィルタ20の入力に接続され、その帯域フィルタ20の出力は図示されない電力増幅器の入力または空中線系に接続される。
また、ベースバンド信号処理部10は、縦続接続されたベースバンド変調処理部12、FFT部13、結線変換部14、IFFT部15およびD/A変換部16から構成される。
図2は、本発明の第一の実施形態の動作を説明する図である。
以下、図1および図2を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
ベースバンド変調処理部12は、伝送情報の伝送路符号化およびインターリーブに併せて、変調、符号拡散、A/D変換等の処理を行うことによって、ディジタル領域のベースバンド信号を生成する。
ベースバンド信号処理部10の各部は、周波数がfsであるクロック信号に同期して作動する。
なお、上述したベースバンド信号のスペクトラムについては、図2(a) に示すように、周波数軸上の原点の上下に対象に分布すると仮定し、かつ後述する周波数スロットの再配置を明確とするために、クロック信号の周波数fsに対してサンプリング定理が成立する(−fs/2)ないし(fs/2)の帯域の下端および上端では、他の帯域より電力が小さめであると仮定して図示する。
FFT部13は、このベースバンド信号を高速フーリエ変換することによって、図2(b) に示すように、そのベースバンド信号の周波数スペクトラムをディジタル領域で示す複数N(=16)の周波数スロットの列を生成する。
なお、図1では、これらの周波数スロットについては、周波数軸上における昇順に「−8」、「−7」、…、「0」、「+1」、…、「+7」の添え番号がそれぞれ付加された「FS-8」、「FS-7」、…、「FS0」、「FS+1」、…、「FS+7」と表記する。
結線変換部14は、これらの16個の周波数スロットを周波数軸上における昇順に「FS-8」〜「FS-1」からなる「低群」(図1(1))と、「FS0」〜「FS+7」からなる「高群」(図1(2))とに区分し、これらの「低群」と「高群」との周波数軸上における配置を入れ替える(図1(3)、図2(c))。
IFFT部15は、その「高群」と、この「高群」より高域に配置された「低群」との集合を逆高速フーリエ変換することによって、上述したベースバンド信号とは異なるベースバンド信号(以下、「準ベースバンド信号」という。)を生成する。
D/A変換部16は、クロック信号に同期してこの準ベースバンド信号をD/A変換することによって、そのクロック信号の周期で階段波近似された波形のアナログ信号を生成する。
このようなアナログ信号の周波数スペクトラムは、一般に、図2(d) に示すように、周波数軸上で周波数の絶対値が高いほど電力が小さく重み付けられるが、クロック信号の周波数fsの整数倍の周波数(以下、「極周波数という。」)に隣接する低域に分布する高群と、その極周波数に隣接する高域に分布する低群とに併せて、これらの群の高調波成分との集合として得られる。
帯域フィルタ20は、このアナログ信号の成分の内、クロック信号の周波数fsの2倍ないし3倍の帯域に分布する低群の高調波成分と高群の高調波成分とを抽出し(図2(e))、これらの高調波成分からなる高調波信号を送信波信号として既述の電力増幅や空中線系に供給する。
すなわち、これらの電力増幅器や空中線系を介して送信される送信波の成分は、周波数軸上で2つの極周波数2fs、3fsで挟まれ、かつ何れの極周波数も含まない帯域に分布する。
したがって、本実施形態によれば、FFT部13とIFFT15とが結線変換部14を介して連係することによってディジタル領域で行われる複素演算の下で、D/A変換部16によって出力されるアナログ信号の高調波成分は、極周波数を含まない帯域に確実に分布し、かつ帯域フィルタ20によって抽出されることによって、所望の周波数や電力の送信波の生成に供される。
また、上述した複素演算は適用された変調方式、多元接続方式、チャネル配置および周波数配置の如何にかかわらず実現されるので、本実施形態が適用された電子機器では、ハードウエアのディジタル化の比率が高められる。
[第二の実施形態]
図3は、本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
以下、図1および図3を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、ベースバンド変調処理部12および結線変換部14によって行われる下記の処理にある。
ベースバンド変調処理部12は既述の第一の実施形態と同様にしてディジタル領域のベースバンド信号を生成するが、このベースバンド信号の占有帯域は、図3(a) に示すように、周波数軸上で「0」ないし(fs/2)の単側波帯に分布する。
FFT部13は、このベースバンド信号を高速フーリエ変換することによって、図3(b) に示すように、そのベースバンド信号の周波数スペクトラムをディジタル領域で示す複数N(=16)の周波数スロット「FS-8」、「FS-7」、…、「FS0」、「FS+1」、…、「FS+7」(ここでは、既述の第一の実施形態と同様にして(−fs/2)ないし(fs/2)の帯域が16等分された(fs/16)の帯域幅を有すると仮定する。)の列を生成する。
結線変換部14は、これらの周波数スロット(「FS-8」、「FS-7」、…、「FS0」、「FS+1」、…、「FS+7」)を既述の第一の実施形態と同様にして「低群」(図1(4))と「高群」(図1(5))とに区分するが、その「低群」については、上述したベースバンド信号の有効な占有帯域に該当しないので、廃棄する。
また、結線変換部14は、下記の処理を行う。
・ IFFT部15が有する16個の入力の内、周波数の昇順に対応する第1ないし第4の入力と第13ないし第16の入力とに、「高群」が周波数の昇順に二等分されることによってなる「副低群」(「FS0」〜「FS+3」の集合)(図1(6))と、「副高群」(「FS+4」〜「FS+7」の集合)(図1(7))とをそれぞれ与える(図1(8)、図3(c))。
・ IFFT部15の残りの入力(第5ないし第12の入力)に、定数「0」を与える(図1(9))。
IFFT部15は、上述した「副高群」と、この「高群」より高域に配置された「副低群」と、周波数軸上でこれらの「副高群」と「副低群」とで挟まれ、かつ値が上記の定数「0」に設定された「無効群」との集合を逆高速フーリエ変換することによって、上述したベースバンド信号とは異なるベースバンド信号(以下、「準ベースバンド信号」という。)を生成する。
D/A変換部16は、クロック信号に同期してこの準ベースバンド信号をD/A変換することによって、そのクロック信号の周期で階段波近似された波形のアナログ信号を生成する。
このようなアナログ信号の周波数スペクトラムは、一般に、図3(d) に示すように、周波数軸上で周波数の絶対値が高いほど電力が小さく重み付けられるが、極周波数を含まない帯域に隣接する副高群および副低群と、これらの群の高調波成分との集合として得られる。
帯域フィルタ20は、このアナログ信号の周波数成分の内、クロック信号の周波数fsの2倍ないし3倍の帯域に分布する副高群と副低群との高調波成分を抽出し(図3(e))、これらの高調波成分からなる被変調波信号を既述の電力増幅や空中線系に供給する。
したがって、本実施形態によれば、D/A変換部16によって生成されたアナログ信号の成分は、ベースバンド信号の占有帯域が単側波帯に分布する場合であっても、FFT部13とIFFT15とが結線変換部14を介して既述の通りに連係することによって、周波数軸上で2つの極周波数2fs、3fsで挟まれた帯域に配置される。
また、本実施形態では、ベースバンド信号に含まれる無効群の成分(雑音等)は、IFFT部15によって行われる逆高速フーリエ変換に先行して定数「0」に設定される。
したがって、このような処理が行われない場合に比べて、帯域フィルタ20の通過域と阻止域との境界の近傍について要求される急峻な周波数特性の緩和が許容され、かつコストの削減に併せて、小型化や軽量化が可能となる。
なお、本実施形態では、ベースバンド信号の単側波帯の二等分と、標本化定理が成立する(−fs/2)ないし(fs/2)の帯域の上端と下端とに対する副低群と副高群との配置とが結線変換部14によって行われている。
しかし、本発明は、ベースバンド信号の占有帯域が両側波帯または単側波帯として構成され、その占有帯域内の全域に電力が分布し得る場合に限定されず、占有帯域内における電力の分布が不連続であり、あるいは変化し得る場合であっても、下記の条件の下で適用可能である。
・ 上述した低群(副低群)や高群(副高群)およびこれらの高調波の成分が極周波数以外の周波数(帯域)に分布するように、これらの低群(副低群)や高群(副高群)に属する周波数スロットが配分される。
・ 占有帯域において有効な電力が分布しない無効群(およびこれらの無効群の高調波)が周波数軸上で極周波数およびその近傍に配置される。
また、本実施形態では、副低群と副高群とは、既述の高群に含まれる8つの周波数スロットが周波数の昇順に4つずつ配分されることによって構成されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、高群(副高群)の上端の周波数fbと、上述したクロック信号の周波数fsとに対して、1:{(fs/fb)−1}の比率で、高群に含まれる周波数スロットが副低群と副高群とに配分されることによって、「副高群の高調波の成分が分布する第一の帯域の下端」と、「副低群の高調波の成分が分布する第二の帯域の上端」と、個々の最寄りの極周波数との周波数軸上における隔たりが同じ値に設定されることによって、伝送品質の低下が最小限度に抑えられてもよい。
[第三の実施形態]
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
以下、図1および図4を参照して本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、結線変換部14によって行われる下記の処理の手順にある。
結線変換部14には、既述の副低群と副高群との高調波成分が分布することが望ましい帯域の周波数軸上における偏差Δfが予め既知の値として与えられる。
なお、このような偏差Δfについては、以下では、図4(a),(b) に示すように、上記の帯域と、「既述の第二の実施形態において上述した高調波成分が分布する標準帯域」との周波数軸上における隔たりδと、周波数スロットの幅wとの比(=δ/w)に等しい整数i(−4≦i≦4)として与えられると仮定する。
また、結線変換部14は、既述の第二の実施形態と同様に、「低群」を廃棄し、かつ「副低群」と「副高群」とを一旦特定した後に、これらの「副低群」と「副高群」とに含まれる周波数スロットの組み合わせを下記の通りに修正する。
・ 上述した整数iが正数である場合には、『「副高群」の下端に位置する周波数スロットを「副低群」の上端の周波数スロットの低域に隣接する周波数スロットとして付加し、その整数iをデクリメントする処理』をこの整数iが「0」となるまで反復する。
・ 上述した整数iが負数である場合には、『「副低群」の上端に位置する周波数スロットを「副高群」の下端の周波数スロットの高域に隣接する周波数スロットとして付加し、その整数iをデクリメントする処理』をこの整数iが「0」となるまで反復する(図4(c)〜(e))。
IFFT部15は、上述した「副高群」と、この「副高群」より高域に配置された「副低群」と、周波数軸上でこれらの「副高群」と「副低群」とで挟まれた「無効群」との集合を逆高速フーリエ変換することによって、上述したベースバンド信号とは異なるベースバンド信号(以下、「準ベースバンド信号」という。)を生成する。
D/A変換部16は、クロック信号に同期してこの準ベースバンド信号をD/A変換することによって、そのクロック信号の周期で階段波近似された波形のアナログ信号を生成する。
このようなアナログ信号の主要な周波数成分は、隣接する副高群と副低群との高調波成分として得られ、かつ整数iに等しい個数の周波数スロットの幅の和だけ周波数軸上でシフトした帯域に分布する。
すなわち、上述した偏差Δfが適正に与えられるならば、帯域フィルタ20によって出力されるアナログ信号の占有帯域は、単に極周波数の成分を含むことなく得られるばかりではなく、図4(b) に示すように、その帯域フィルタ20の後段で行われる周波数変換その他の処理に適した帯域に設定される。
したがって、本実施形態によれば、ディジタル信号処理部10の処理量がハードウエアの規模や消費電力の削減に併せて、低廉化や小型化に有効に活用される。
なお、本実施形態は、既述の第二の実施形態に適用されているが、後述する第四の実施形態や第五の実施形態にも同様に適用可能である。
[第四の実施形態]
図5は、本発明の第四の実施形態を示す図である。
本実施形態は、下記の要素から構成される。
・ 縦続接続されたベースバンド変調処理部12、FFT部13および結線変換部14
・ その結線変換器14の後段に配置され、かつ既述の第(−N/2)ないし第(N/2−1)の周波数スロットに個別に対応した乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1)
・ これらの乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) の乗数入力に個別に接続されたN個の出力を有する係数設定部32
・ 乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) の入力に個別に接続された出力を有するIFFT部15
・ そのIFFT部15の出力に縦続接続されたD/A変換部16および帯域フィルタ20
なお、図5では、上述したベースバンド変調処理部12、FFT部13、結線変換部14、乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) 、IFFT部15、D/A変換部16および係数設定部32から構成されるディジタル信号処理部については、符号「10A」を付与して表記する。
図6は、本発明の第四の実施形態の動作を説明する図である。
以下、図5および図6を参照して本発明の第四の実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、係数設定部32と乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) とによって下記の処理が行われる点にある。
D/A変換部16によって出力され、かつクロック信号の周期Ts(=1/fs)の周期で階段波近似された波形で得られるアナログ信号の周波数スペクトラムの包絡線成分H(f) は、そのアナログ信号がクロック信号の周期Tsに等しいパルス幅(理想的なインパルスのパルス幅「0」と異なる。)のパルスの列に相当するために、例えば、図10(c) に点線で示すように、極周波数に先鋭な極小点(零点)を有し、かつ周波数が高いほど減少する。
このような包絡線成分H(f) は、一般に、周波数fと、上述したクロック信号の周期Tsとに対して下式で与えられる。
H(f)=(Ts・sinπfTs)/πfTs
したがって、IFFT部15の前段に乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) が備えられない場合に、そのIFFT部15に並列に入力される複数の周波数スロットの間におけるこのような包絡線成分は、個々の周波数スロットを周波数の昇順に示すインデックスn(これらの周波数の総数N(=16)に対して、(−N/2)、(−N/2+1)、…、0、…、(N/2−2)、(N/2−1)の何れかの値を示す。)と、ベースバンドに対する高調波の次数kとに対して、下式で与えられる。
H(fn)=[Ts・sinπ(kfs+fn)Ts]/π(kfs+fn)Ts
係数設定部32は、乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) に、このような包絡線成分H(fn)に対して下式で示されるCnを周波数の昇順に示す補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1(図6(a))をそれぞれ与える。
Cn=1/H(fn)
乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) は、FFT部13によって生成され、かつ結線変換部14によって並べ替えられた個々の周波数スロットと、これらの補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1 との積をIFFT部15に与える。
すなわち、IFFT部15によって生成される準ベースバンド信号の周波数スペクトラムには、D/A変換部16によって既述の通りに生じる周波数スペクトラムの誤差を先行して補正する重み付けが施される(図6(b))。
このように本実施形態によれば、帯域フィルタ20によって出力される信号の周波数スペクトラムは、図6(c) に示すように、その信号の占有帯域の全域において、図10(c) に点線で示される重み付けによる誤差を伴うことなく得られる。
したがって、上記の占有帯域の幅に対してクロック信号の周波数fsが必ずしも十分に高くない場合であっても、その周波数fsの選定にかかわる自由度が確保され、かつ周波数変換の精度が高められる。
なお、本実施形態では、結線変換部14とIFFT部との段間に乗算器31-(-N/2) 〜31-(N/2-1)が配置されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) がFFT部13と結線変換部14との段間に配置される場合には、その結線変換部14によって行われる周波数スロットの並び替えに連動して「これらの乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) に与えられる補正係数」が並び替えられるように構成されてもよい。
また、本実施形態では、補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1 の値は、既述の高速フーリエ変換の結果が周波数スロット毎に含まれる電力の(1/2)乗値として得られることを前提として予め求められている。
しかし、これらの補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1 の値は、例えば、FFT部13に代わるフーリエ変換部によって周波数スロット毎に含まれる電力が直接求められる場合には、既述の値の二乗値が適用されてもよい。
さらに、本実施形態では、補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1 の値は、帯域フィルタ20の通過域に適合した値として予め求められ、係数設定部32によって乗算器31-(-N/2)〜31-(N/2-1) に定数として与えられている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、補正係数C-N/2、C-N/2+1、…、C0、…、CN/2-2、CN/2-1の値は、例えば、帯域通過フィルタ20の通過域に適合した値に逐一更新されてもよい。
[第五の実施形態]
図7は、本発明の第五の実施形態を示す図である。
本実施形態は、下記の要素から構成されるディジタル信号処理部10Bと、そのディジタル信号処理部10Bに縦属接続された帯域フィルタ20とから構成される。
ディジタル信号処理部10Bは、下記の要素から構成される。
・ ベースバンド変調処理部12
・ そのベースバンド変調処理部12の出力に並列に接続されたFFT部13-1、13-2
・ FFT部13-1の出力に縦属接続された結線変換部14-1およびIFFT部15-1
・ FFT部13-2の出力に縦属接続された結線変換部14-2およびIFFT部15-2
・ これらのIFFT部15-1、15-2の出力にそれぞれ接続された2つの入力を有するスイッチ41
・ このスイッチ41の出力に縦属接続され、かつ出力が上述した帯域フィルタ20の入力に接続されたD/A変換器16
図8は、本発明の第五の実施形態の動作を説明する図(2)である。
高速フーリエ変換は、一般に、その高速フーリエ変換の対象となる離散的な時間関数の値が時間軸上の始点と終点とにおいて共に「0」であることを前提として、精度よく求められる。
しかし、例えば、上述した第一の実施形態においてFFT部13に入力されるベースバンド信号は、実際には、時系列の順に連なった複数N(=16)個の値の列として与えられるが、個々の列の先頭と末尾との値は必ずしも「0」とはならない。
なお、以下では、FFT部13-1、結線変換部14-1およびIFFT部15-1から構成される系を「第一の系」と称し、かつFFT部13-2、結線変換部14-2およびIFFT部15-2から構成される系を「第二の系」と称する。
第一の系は、第二の系より時間軸上で8Ts(=(N/2)Ts)先行して時系列の順に連なるN(=16)個の瞬時値の列(以下、「第一の被FFTフレーム」という。)を反復して取り込み、かつ既述の第一の実施形態においてFFT部13、結線変換部14およびIFFT部15によって行われる処理と同じ処理を施すことによって、準ベースバンド信号(以下、「第一の準ベースバンド信号」という。)を生成する(図8(a))。
また、第二の系は、上述した第一の被FFTフレームより時間軸上で8Ts(=(N/2) Ts) 後続するベースバンド信号のN(=16)個の瞬時値の列(以下、「第二の被FFTフレーム」という。)を反復して取り込み、第一の系列と同様にして準ベースバンド信号(以下、「第二の準ベースバンド信号」という。)を生成する(図8(b))。
スイッチ41は、既述のクロック信号と上述した第一および第二の被FFTフレームとに同期して、上述した第一の準ベースバンド信号の第5ないし第12の瞬時値と、第二の準ベースバンド信号の第5ないし第12の瞬時値とを選択し(図8(c))、これらの瞬時値(以下、「特定瞬時値」という。)の列をD/A変換部16に与える。
これらの第一および第二の準ベースバンド信号の瞬時値の内、上述した特定瞬時値に該当しない第1ないし第4および第13ないし第16の瞬時値(図8にハンチングを施して示す。)には、これらの特定瞬時値に比べて、上述した前提が成立しないことに起因する誤差が多く含まれ得る。
しかし、特定瞬時値は、図8の下部に示すように、時間軸上で重複することなく、かつ欠けることなく順次得られ、しかも、上記の誤差が含まれてもその誤差の比率は小さい。
すなわち、D/A変換部16および帯域フィルタ20を介して出力されるアナログ信号の瞬時値はベースバンド変調処理部12によって生成されたベースバンド信号に精度よく対応する。
したがって、本実施形態によれば、周波数変換の精度がさらに高められ、かつ高く維持される。
なお、本実施形態は、ベースバンド変調処理部12の後段に第一の系および第二の系が並列に配置されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、ベースバンド変調処理部12の後段に、例えば、上述した第一の系および第二の系に併せて、これらの系と構成が同じであり、かつ時間軸上における被FFTフレームの期間の一部が他の何れかの系の被FFTフレームの期間の一部と共通である単一または複数の系が並列に接続され、さらに、これらの系の全ての出力に得られる準ベースバンド信号の瞬時値の内、既述の誤差が含まれる可能性が小さく、あるいはその誤差の比率が許容される程度に小さいことが保証される特定瞬時値がスイッチ41によって選択されることによって、周波数変換の精度や直線性がさらに高められてもよい。
また、上述した各実施形態では、周波数スロット(「FS-8」、「FS-7」、…、「FS0」、「FS+1」、…、「FS+7」)の組み替えや入れ替えは、ベースバンド信号に対して準ベースバンド信号が周波数軸上で所望の位置となるように行われている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、伝送系における秘匿性の確保、受信端との連係の形態その他に適合した処理として、周波数スロットの順列が変更されてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、ベースバンド領域から所望の帯域に占有帯域を変更する周波数変換を実現するために本発明が適用されている。
しかし、本発明は、このような周波数変換に限定されず、既述のディジタル領域における処理が実現可能であるならば、中間周波数帯から所望の帯域に対する周波数変換にも同様に適用可能である。
また、上述した各実施形態では、占有帯域が有限であるベースバンド信号の周波数変換に本発明が適用されている。
しかし、本発明は、このようなベースバンド信号の生成に適用される変調方式や多元接続方式の如何にかかわらず適用可能であり、かつ既知の帯域に分布する可能性がある変調されていない単一または複数の搬送波信号の周波数変換にも適用可能である。
さらに、本発明は、ハードウエアの構成が変更されることなく変調方式、多元接続方式、周波数配置、チャネル構成等の多様な変更に柔軟に適応することが要求されるソフトウエア無線機に対する適用に好適である。
また、本発明は、移動通信システムや衛星通信システムのような無線伝送システムに限定されず、例えば、周波数変換が内部で行われる多様な機器に適用可能である。
さらに、上述した各実施形態では、ベースバンド信号の二次および三次の高調波成分が分布する帯域を周波数軸上で隣接する2つの極周波数で挟まれた帯域に設定する処理がディジタル領域で行われ、これらの高調波成分の一部が帯域フィルタ20によって抽出されることによって、周波数変換が実現されている。
しかし、このような高調波成分の次数は 所望のレベルや品質が確保されるならば、さらに高くてもよい。
また、上述した各実施形態では、FFT部13(13-1、13-2)によって行われる高速フーリエ変換のサイズが「16」に設定されている。
しかし、このようなサイズは、周波数変換が達成される所望の精度が達成され、かつ既述のディジタル信号処理部10、10A、10Bのハードウエアの構成あるいは余剰の処理の範囲で実現可能であるならば、「16」より大きな値に設定されてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、高速フーリエ変換と高速逆フーリエ変換とが行われることによって、ベースバンド信号の周波数解析と、その周波数解析の結果の入れ替えや組み替え後における逆フーリエ変換とが行われている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、周波数変換が達成される所望の精度が達成され、かつ既述のディジタル信号処理部10、10A、10Bのハードウエアの構成あるいは余剰の処理の範囲で実現可能であるならば、下記の双方または何れか一方の構成が適用されてもよい。
・ 高速フーリエ変換に代えて、離散的フーリエ変換(DFT: Discrete Fourier Transform)、あるいはくし型のディジタルフィルタが適用された構成
・ 逆高速フーリエ変換に代えて、離散的逆フーリエ変換(IFFT: Inverse Discrete Fourier Transform)が適用された構成
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において多様な形態による実施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全てに改良が施されてもよい。
以下、上述した各実施形態に開示された発明を階層的・多面的に整理し、付記項として列記する。
(付記1) 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求めるフーリエ変換手段と、
前記複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)が二分されてなる高域の群と低域の群との周波数軸上における順序を入れ替えるスペクトラム再配置手段と、
前記スペクトラム再配置手段によって前記順序が入れ替えられた2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段と
を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換器。
(付記2) 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求めるフーリエ変換手段と、
前記帯域の下端と上端とに、前記周波数成分F(p)の内、前記離散信号f(t)の占有帯域に分布する周波数成分F′(p)が二分されてなる高域の群と低域の群とをそれぞれ再配置するスペクトラム再配置手段と、
前記スペクトラム再配置手段によって前記下端と前記上端とに配置された2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段と
を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換器。
(付記3) 付記2に記載のディジタル周波数変換器において、
前記低域の群と前記高域の群とは、
前記サンプリング周波数fsと前記占有帯域の幅fbとに対して与えられる1:(fs/fb−1)の比率で前記占有帯域が案分されてなる個々の帯域の成分である
ことを特徴とするディジタル周波数変換器。
(付記4) 付記1ないし付記3の何れか1項に記載のディジタル周波数変換器において、
前記逆フーリエ変換手段は、
前記逆フーリエ変換に先行して、周波数軸上における前記低域の群と前記高域の群との境界を変更し、前記低域の群の上端と前記高域の群の下端とが連続する仮想的な環状の周波数軸上でこれらの群の間における帯域幅の過不足を是正する
ことを特徴とするディジタル周波数変換器。
(付記5) 付記1ないし付記4の何れか1項に記載のディジタル周波数変換器において、
前記逆フーリエ変換手段は、
前記逆フーリエ変換の結果として生成される離散出力信号が有限のパルス幅を有するパルスの列として与えられることに起因して、周波数スペクトラムに生じる誤差の比率の逆数を前記逆フーリエ変換に先行して前記高域の群と前記低域の群とにそれぞれ乗じる
ことを特徴とするディジタル周波数変換器。
(付記6) 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)に対して異なる位相で個別に応答し、かつ付記1ないし付記5の何れか1項に記載された複数のディジタル周波数変換器と、
前記複数のディジタル変換器によって個別に逆フーリエ変換の結果として得られた複数の離散出力信号の内、前記異なる位相の組み合わせの下で所望の精度が確保される部分離散出力信号を順次選択する選択手段と
を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換装置。
本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。 本発明の第一実施形態の動作を説明する図である。 本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。 本発明の第三の実施形態の動作を説明する図である。 本発明の第四の実施形態を示す図である。 本発明の第四の実施形態の動作を説明する図である。 本発明の第五の実施形態を示す図である。 本発明擬第五の実施形態の動作を説明する図である。 送信波の生成にディジタル信号処理が適用された送信機の構成例を示す図である。 従来例の動作を説明する図である。
符号の説明
10,10A,10B,51 ディジタル信号処理部
12 ベースバンド変調処理部
13 FFT部
14 結線変換部
15 IFFT部
16 D/A変換部
20,55 帯域フィルタ
31 乗算器
32 係数設定部
41 スイッチ
52 低域フィルタ
53 ミキサ
54 局部発振器

Claims (3)

  1. 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る伝送帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求めるフーリエ変換手段と、
    前記複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)が二分されてなる高域の群と低域の群との周波数軸上における順序を入れ替えるスペクトラム再配置手段と、
    前記スペクトラム再配置手段によって前記順序が入れ替えられた2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段と
    を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換器。
  2. 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)をディジタル領域でフーリエ変換し、かつ周波数軸上で(−fs/2)から(fs/2)に至る伝送帯域に属する複数pの異なる帯域に分布する周波数成分F(p)を求めるフーリエ変換手段と、
    前記伝送帯域の下端と上端とに、前記周波数成分F(p)の内、前記離散信号f(t)の占有帯域に分布する周波数成分F′(p)が二分されてなる高域の群と低域の群とをそれぞれ再配置するスペクトラム再配置手段と、
    前記スペクトラム再配置手段によって前記下端と前記上端とに配置された2つの群をディジタル領域で逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段と
    を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換器。
  3. 時系列tの順にサンプリング周波数fsで与えられる離散信号f(t)に異なる位相で個別に応答し、かつ請求項1または請求項2に記載された複数のディジタル周波数変換器と、
    前記複数のディジタル変換器によって個別に逆フーリエ変換の結果として得られた複数の離散出力信号の内、前記異なる位相の組み合わせの下で所望の精度が確保される部分離散出力信号を順次選択する選択手段と
    を備えたことを特徴とするディジタル周波数変換装置。
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