JP4377683B2 - 最適化されたアルカリ電気化学電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化マンガンを含む多孔性カソードを有するアルカリ電気化学電池に関する。
アルカリ電気化学電池は、20年をはるかに超えて市販されている。多くの最近の用途において、アルカリ電池は、従来型の亜鉛炭素電池よりも非常に優っており、ほとんどの消費者が選ぶバッテリである。
最良のアルカリバッテリを製造するための競争は激しく続けられているが、多くの制限が存在し、そのうちの主なものは、与えられた所定の電池のサイズである。
主なアルカリバッテリの従来のサイズには、AAA、AA、C、D、及び9V(それぞれ、LR03、LR6、LR14、LR20、及び6LR61)が含まれ、それらの型の全てについて標準寸法が規定されている。従って、どのバッテリが選択されても、それは所定容積内に適合しなければならず、それによって与えられた所定の電池内に入れることが可能な内容物の最大量が制限される。
これらの制約に対して取り組むことで、バッテリ製造業者は、例えば、電池壁部の厚みを実質的に薄くし、シールの厚みを薄くし、電池のラベリングの性質を変更しており、全ては電池の内部容積の使用を最適化するためのものである。
電池内容物の容積を更に増加させることが非現実的である場合は、バッテリ製造業者は、使用される内容物の向上及び/又は変更により性能及びバッテリ寿命を更に向上させるように試みる問題を抱えることになるが、そこには結局のところ限界があるはずである。
バッテリ放電性能を改良させる別の手法は、放電中の活物質の利用効率を高めることである。これは、放電効率が低い(例えば、抵抗負荷が低い、電流放出が多い、又は消費電力が大きい装置において)条件下での使用を意図したバッテリについて最も有効である。バッテリ式装置のバッテリへの要求が益々大きくなる傾向があるので、これは益々重要になってきている。
米国特許第5,283,139号(以下、「'139」又は「US'139」という。)には、水性水酸化カリウム電解質の量を増加することなく、アノード及びカソードの両方の密度を高めることにより性能を向上させた電池が開示されている。所定の活性内容物の容積が増加できない時には、密度の増大は、従って、電池の放電容量を高めるための論理的で直接的な手段である。
それにも関わらず、より良好な電気化学電池が提供されることへの要求は依然として存在する。
国際特許公報WO01/99214において、本発明者は、US'139とは逆に水の比率を最適化することにより、US'139に従って調製された電池よりも最大15%又はそれよりも高めた性能を有するように電池を実質的に強化することが予想に反して意外にも可能であることを明らかにしている。
'139よりも前に、US−A−5,489,493には、二酸化マンガンを含むカソードを有するアルカリ電気化学電池が開示されており、このカソードは、少量の高度に多孔性の二酸化マンガンと多量の低空隙率の二酸化マンガンとの混合物から構成される。高度に多孔性の二酸化マンガンは、ケミカル二酸化マンガン(CMD)として一般的に示され、カソードにイオン拡散経路を提供するためにカソード全体に分配される。しかし、「CMD」の使用は全ての場合に望ましいわけではなく、それは、「CMD」が電解二酸化マンガン(EMD)よりも過酸化性が低く、かつ密度が低いことの両方によるものである。このために、「CMD」は、容量的に「EMD」よりも低い理論容量を有する。
WO00/30193には、半固形カソード材料の使用の可能性が開示されている。この半固形材料は、高い空隙率及び高い電解質含有量を有し、主にカソード分極の影響を低減させるのに役立つ。この構成の欠点には、電池容量が実質的に減少していること、及び、MnO2:C比率が非常に小さいことが含まれるが、更に重要なことは、このカソード材料が、非常に取扱い困難であり、そのために、従来型の製造工程及び機器を用いてこのような材料を含む電池を作製することは非現実的である。また、このような電池の容量及び性能は、US'139と比較して非常に妥協されている。
WO98/50969には、アノード内の均一な亜鉛粒子の使用が開示され、これは、80%まで及びこれを超える空隙率を有するアノードの性能を向上させる。このような空隙率は亜鉛粒子を分離させ、特に1メートル落下試験においてインピーダンスを増大させる。剥離した亜鉛が存在する条件で、高められた空隙率が性能を向上させることをこの開示は教示している。亜鉛は非常に高密度であるが、比較的高い密度であっても高い空隙率は容易に得られ、上限はないが、実験データは、75から80%の空隙率で良好な結果を示している。
バッテリ業界規格は、通常の種類の用途に対するバッテリ性能レベルを規定するために定抵抗試験を従来的に使用している。バッテリ式装置の変化と同時により高性能の試験装置の使用可能性に伴い、定電流試験、最近では更に定電力試験さえも含まれる傾向がある。より大きい負荷のみならず、定電流及び定電力型の放電の下でのより高い電圧終点に対するより大きい負荷での改良されたバッテリ性能を達成することが現在益々重要になってきている。これらの傾向はまた、重い負荷、定電流(アンペア)、定電力(ワット)、連続及び間欠放電、及び、それらの組合せのような特定分野において良好に機能するバッテリについての増加する要求の原因である。
放電でのバッテリ電圧を上昇させることは、特により高い電圧終点に対する高放出放電での放電容量を改良することができる。アルカリバッテリにおいて、Ag2O及び鉄酸塩のような電圧上昇剤の使用は理論的には魅力的であるが、コスト、取扱い性、及び不安定性が問題となる可能性がある。従って、内部抵抗を低下させることが、バッテリの作動電圧を増加させる唯一の現実的な方法である。大きい定電力放電での放電性能を改良する手段としてアノード及びカソードの導電率を増大させる努力は、他のパラメータに必要な変化が改善を妨げるのでほとんど又は全く成功していない。
乾電池バッテリが最初は水銀を使用して作製されたことは知られているが、水銀含有バッテリの大量処分によりひき起こされる環境に対する潜在的損傷に関する懸念が重大であった。従って、乾電池バッテリ内に含有された水銀の量は、市場にあるほとんどの消費者向けバッテリにおいては、水銀が無添加の程度まで低減されている。亜鉛中に微量の水銀が存在するかも知れないが、そのレベルは、百万分の1の単位で測定される程度である。
水銀の量を低減することは、それ以外のことを別にしても、それがガス発生を妨げるように働くので容易なことではなかった。除去は、様々な電極及び電解質成分の純度の向上のような他の方法によるガス発生の低減により、かつ、置換アンモニウム誘導体のような様々な添加剤の添加により可能であることが判明している。
水銀の除去に伴って、亜鉛のレベルの増加もまた必要であることが判明したが、これは、水銀がアノードの導電率にもまた寄与しているからである。水銀の除去は、アノード亜鉛を電子的に非効率的とし、亜鉛の量が増加すべきである。放電を通じて導電率を十分高いレベルに維持するためには、過剰の亜鉛を一般的に要する。約1.33:1の亜鉛容量対カソード容量比率が一般的である。しかし、過剰亜鉛の機能は導電体のそれであり、活物質の機能ではなく、従ってバッテリ内に入れることができる活物質の量が限定される。更に別の欠点は、電池が枯渇した後に残されたどの亜鉛も残っているどの水とも反応して水素を発生させることである。
この1.33:1のアノード:カソード比率は、MnIII→MnIIである第2電子反応のために、少なくとも部分的には一般的である。この反応は、MnIV→MnIIIである一次反応に対して二次的であるが、電池の全放電容量において重要であると現在まで考えられている。この第2反応は、溶液中において適切な中心で発生し、この中心は、傾向としてはカソード内の伝導性を作り出すためのグラファイトである。グラファイトは、活物質ではなく、従って使用される量は一般的にできるだけ低減され、活性二酸化マンガン:グラファイトは、通常は少なくとも20:1の比率である。活性二酸化マンガン:グラファイトのより大きい比率は、伝導性を維持しながら活物質を最大化するために常に探求されている。
米国特許第5,283,139号 WO01/99214 US−A−5,489,493 WO00/30193 WO98/50969
しかし、グラファイト量の低減は、第2反応を行うための活性中心を減少させ、そのために第2反応が非効率的になる。従って、亜鉛の消費が減り、電池の失活の後、いくらかはガスを発生させる。この影響は、深い放電の後の漏洩の原因となる。相殺するレベルまで亜鉛を低減させると電池の放電容量が減少するので、乱用されない状況で蓄積される通常の内部圧力の結果として電池がガス放出や漏洩を起こさないことを保証することがより良い選択肢である。
本発明者が見出したものは、意外にも、カソードとアノードの両方の空隙率は重要だけでなく、最大かつ容易に到達することができる各々の空隙率が存在し、それを超えるとほとんど利点が得られないこと、及び、その2つを組み合わせることにより、より高い空隙率を達成するために実際には活物質の量を低減させるにも関わらず、US'139の教示に従って得られた性能よりも更に良好な性能を提供することができる電池が得られることである。
従って、本発明は、水性アルカリ電解質、多孔性カソード、及び多孔性アノードを含み、カソードが二酸化マンガンを含み、カソードの空隙率が26%又はそれよりも高く、アノードが電解質に不溶性の電気化学的活物質を含み、アノードの空隙率が69%又はそれよりも高い電気化学電池を提供する。
本明細書で使用される用語「空隙率」は、当該電極内の非固形物の容積量に関する。固形物は、組立てられた電池に付随する条件の下で不溶性である成分である。アノードにおいては、固形物は、一般的に亜鉛のみを含み、存在する場合は水酸化インジウムを含むことになる。他のアノード成分は、ゲル化剤を含む電解質溶液に通常は溶解性である。電解質に溶解性である成分は、空隙率を計算する場合に固形物であると考える必要はない。電解質が飽和されている場合のように材料の一部分が不溶の場合は、電極空隙率を計算する場合に固体としてこの不溶部分を含む必要はなく、この材料の全量が除外される。いずれの場合においても、アノードのゲル化剤の量は一般的に非常に少なく、ほとんどの意図及び目的に対して、それは空隙率を計算する場合に無視することができる。カソードにおいては、固形物は、一般的に事実上MnO2及び炭素(通常グラファイト)のみを含むことになる。実際的に考慮すると、カソード結合剤は、通常は不溶性であり、従って、固形物と考えると何れの結合剤の量も一般的に僅かであり、計算される空隙率への顕著な影響は有しない。カソード及びアノードは、不溶性活物質(それぞれ、MnO2及び好ましくは亜鉛)を含むので、本発明の電気化学電池におけるアノード又はカソードの何れもについても100%の空隙率は不可能である。
本発明を添付図面を参照して以下で更に説明する。
本発明に従って作成された電池は、高度に多孔性のカソードと高度に多孔性のアノードとの両方を有する。強化された性能特性は何れかの電極の高められた空隙率に伴って容易に観察可能であるが、両方の空隙率が少なくとも本発明の最小限のレベルでなければ僅かな改善でしかない。これらのレベルでは、電池の性能の即時かつ急速な改善があり、両電極の放電効率及び持続時間が飛躍的に増加する。電極を一定容積とみなせば、何れかの電極の増加する空隙率に伴ってその電極の容量は必然的に低下することになるのは理解されるであろう。しかし、本発明の最小限レベルを超えれば、容量の損失は、少しの範囲については電池の性能の増加によりそれ以上に補償される。空隙率の増加は、当該電極の効率を向上させると思われ、両方の電極における改良の組合せは、電気化学的反応をより自由に進行させるように見え、従って、電極容量の損失はそれ以上に補償される。電極の導電率を増加させることは、高率放電性能を改良する方法として公知であるが、電極の空隙率が本発明のレベルよりも低い時は、電極伝導度を増加させることの有益な効果は認められないか又は隠されている。
従って、本発明に従って作製された電池は、少なくとも26%のカソード空隙率及び少なくとも69%のアノード空隙率を有する。
カソード及びアノード両方の空隙率が最適効率レベルにある時は、内部導電率に及ぼす因子は、定電力(ワット量)放電での電池性能に対する不釣合いな有益な効果を有し、亜鉛がアノードでの十分な導電率を維持するように適切に選択された時は、特に高電力放電での電池性能に有益な効果を有する。アノード内の亜鉛の粒子は、アノード容積に対する亜鉛の量が比較的少なくても、亜鉛が導電マトリックスを形成することを可能にするような寸法及び形状を有するべきである。そうでなければ、亜鉛粒子は分離されて、アノード内の導電マトリックスが遮断される。亜鉛粒子がそのような形状及び寸法を有する時は、亜鉛は、比較的低いタップ密度を有する。
従って、本発明の実施形態は、二酸化マンガンベースのカソード及び亜鉛ベースのアノードを有し、このカソードは、27%又はそれよりも高い空隙率を有し、このアノードは、69%又はそれよりも高い空隙率を有し、アノードの亜鉛は、3.2g/ccよりも小さい計算された全体タップ密度を有する。
「二酸化マンガンベース」及び「亜鉛ベース」の語は、それぞれカソード及びアノード内で、二酸化マンガン及び亜鉛が主要活物質であることが意味される。
アノード及びカソードの一方又は両方の空隙率を更に増加させることにより更に別の改良を達成することができ、アノード空隙率が少なくとも70%、及びカソード空隙率が少なくとも28%の電池が好ましい。
高度に多孔性のアノード及び高度に多孔性のカソードは有利であるが、アノード空隙率を76%を超えて増加させても、得られる付加的な改良はほとんどないように見える。アノード空隙率をこれ以上増加させる必要はなく、これにより、材料の減少、及び付随する容量の減少のようなアノード空隙率の増加の影響に付随する何れの問題も制限する。この効果は、カソードについてはあまり顕著ではないが、この場合もまた、カソード空隙率の36%を超える増加により、全体的な性能に関しては、どちらかと言えば僅かな増加しか得られない。
上記範囲を超えてもほとんど付加される利益が認められないポイントは、電池の全体的な特性に基づいている。しかし、一般的に、このポイントは、アノードについて71%から74%付近にあると考えられる。約71%を超えると、低下したアノード容量の影響がより有力となり、アノード空隙率が更に増加すると性能は水平状態となり、その後緩やかに低下する。
アノード空隙率は、一般的に、電池の意図した用途に実質的に無関係である。しかし、放電性能は、カソード空隙率からより多くの影響を受け、従って、好ましいカソード空隙率もまた、電池の意図した用途に対してある程度依存することになる。一般的に、カソード空隙率が少なくとも30%の時、高率放電性能がより良好であり、カソードが少なくとも31%の多孔度を有する時は、更により良好である。カソード空隙率は、34%を超えないことが好ましい。
好ましいとして示された空隙率を一般的に超える空隙率を有する本発明の電池もまた本明細書に含まれており、その理由は、そのような電池は従来技術の電池と同じか又はより低い性能しか有しないが、それらは、依然として有用であると認められる性能を提供する一方で、含まれる活性成分が顕著に削減され、従って製造コストが低減される利益があるからである。
本明細書で使用される電極容量は、アンペア時(Ah)で表す電極の理論容量である。別途に示すか又は明白でない限り、本明細書で使用される比容量値は、1電子放電当り二酸化マンガンについて0.285Ah/gであり、亜鉛について0.820Ah/gである。
1つの指標として、本発明の電池についてのカソード容量:電池容積の比率は、カソード容量が以下に説明される1電子原理に従って計算される時、0.42から0.49Ah/cm3の範囲にあることが好ましい。これに対して、US'139で仮定された原理を用いた時は、この比率は、約0.54から0.63Ah/cm3である。
次に、好ましい実施形態においては、カソード容量が1電子原理で計算される時にカソード容量:電池容積の比率が0.42から0.49Ah/gの範囲である本発明の電池が提供される。
すなわち、AA又はLR6電池の関連では、本発明の利点は、カソード容量が2.6Ah又はそれよりも大きい場合に特に認められる。このポイントより下では、活性成分の量の低減における利点が認められる可能性はあるが、性能は、従来技術と同等の傾向にあるのみである。2.9Ah又はそれよりも大きい場合には、電極の高められた空隙率の組合せは、増加した容量及び減少したA:C比率に伴って相助的に働き、連続高率放電定電流状況での優れた性能を有するのみでなく、より低率の放電間欠試験においても優れた性能を有する電池を提供する。
従って、好ましい実施形態において、少なくとも2.6Ahのカソード容量を有する本発明のLR6電池が提供される。
また、LR6電池に関して、本発明の効果は、約3.2Ahの容量まで有効である。このレベルを超えると、密度を増加させる要件が利用可能な空間を極端に引き下げ、利点は失われ始める。しかし、カソード容量が2.9Ahを超えることは実質的に困難である。一般的に、2.6から3.0Ahの範囲は、高率放電の用途において、非常に顕著に強化されたLR6電池性能を提供し、この範囲は特に好ましい。
本発明の電池は、PDA(携帯情報端末)、連続放電又は頻回放電を要する他の装置、及び、デジタルカメラ、ビデオカメラ、及び閃光電球装置におけるような高率放電の用途に特に使用される。それらは、例えば「MP3」プレーヤのようなほぼ定電力のパワーモードで放電する装置のために特に好ましい。低率放電の用途については、本発明は依然として利点を提供するが、空隙率の増加に伴う容量の減少がより大きな意味を有し、そのために、このような用途に電池を準備する時はそのことを考慮すべきである。
上述のように、意図される電池の最終用途は、電池パラメータの選択に影響を与える。例えば、電池が連続放電定電力放出状態での使用を意図されている時は、30%を超える、好ましくは30から36%、より好ましくは32から34%、特に約33%であるカソード空隙率を有することが望ましい。上述の71%のような少なくとも69%の任意のアノード空隙率が有用である。LR6(AA)電池については、当該連続電力放出の用途において、カソードの容量は、好ましくは約2.7から2.9Ahであり、EMD:Cは、それとは無関係に、20:1から25:1であるのが好ましい。
予想されるように、間欠定電力放電状態については、電池の容量がより重要な因子となり、そのために、カソード空隙率と容量の間の均衡は逆に振れる。AA電池又はLR6電池について、カソードの空隙率は、好ましくは約28から30%であり、カソードの容量は、好ましくは約2.9から3.0Ahである。EMD:Cは、それとは無関係に、20:1から23:1であるのが好ましい。実際に、この実施形態は、現在用いられるワット量試験の全てではないにしても大部分において優れた結果を提供し、本発明の特に好ましい実施形態を形成する。別途明らかでない限り、上記で列挙された原理に従って、この実施形態が本明細書に説明される他の実施形態と同様に全ての電池の型に拡張されることが認められるであろう。
1電子の放電深度で、すなわち電池が以下に説明するように1電子のレベルに放電した後に、どの電池も約50重量%の計算KOH濃度を有することが特に好ましい。50%を超えると、KOHは急速に結晶化し、KOHの各分子が2分子の結晶水を取りこむので、アルカリ度及び水分の両方が減少する。従って、50%を大きく超える計算最終KOH濃度を有する電池は急速に失活する。
活性成分が占めるよりも良く水が空間を占めるので、50%を非常に下回る計算最終KOH濃度を有する電池は、一般的に非効率である。更に、KOHが過度に希薄な場合、この非効率性は、以下で詳述されるように更に悪化する可能性がある。しかし、本発明の空隙率で従来技術で使用される電解質濃度を用いると、止むを得ない浪費空間なしには、最終KOH濃度は、50%よりも下に低下する可能性がある。そのような電池は、一般的に本発明により包含されるが、電解質のみが活性成分により使用できない空間を取り込むにも関わらず、最大の効率で作動しないことが認められており、最適の効率は、最終KOH濃度が約50%と計算される時にのみ存在する。
本発明者が見出したものは、最大効率のアノード空隙率が達成された電池について、50%よりも小さい最終KOH濃度は電圧低下につながり、そのために電池は早期に「失活」する。換言すれば、連続試験において、例えば、電池が1Vの失活と判断されるポイントに、50%の1電子最終KOH濃度を有する電池よりも早く到達する。その上、50%よりも小さい最終KOHを有する電池は、より早期の亜鉛不動態化を示すことも指摘されている。
本発明のアノード空隙率よりも低いアノード空隙率を有する電池においては、開始及び計算された1電子放電の両方に対するKOH濃度の増大は、性能の向上をもたらす。しかし、その性能は本発明の性能に勝ることはなく、空隙率が低いので活物質の量が多くなることが避けられない。従って、本発明の空隙率は、活物質の顕著に少ない量の使用でありながら、強化された性能特性の提供を可能にする。
理論に束縛されるものではないが、低アノード空隙率での高KOH濃度は、後に示す反応方法(I)を推進するのに役立つが、他の点では、低空隙率は、イオン移動を制限することによりこの反応を妨害するように働く。しかし、本発明の空隙率では顕著な妨害はなく、約70%又は71%のアノード空隙率が達成されると、電池の反応はカソードで制限されるようになる。
電池反応中に電流が流れると、KOHの濃度は、カソードでかなり上昇し、一方アノードでは低下する。アノード空隙率が低過ぎる場合は、この影響を相殺するために必要なイオン交換は十分速くは起こらず、この濃度の影響は増大する。KOHの濃度がアノードのどこかで0%に落ちると、その場合、その領域の亜鉛は不動態化しやすくなり、性能を著しく劣化させる。
一般的に、アノード空隙率が約70%よりも小さい時は、変化のアノードへの影響は大きいと考えられ、電池の性能は、アノードで制限されると考えることができる。この範囲を超えると、カソードの影響がより重要であると考えられる。理論に束縛されるものではないが、50%の最終KOH濃度が最も好ましい理由は、KOHがアノードではなくカソードで結晶化するためと考えられ、70%を超えるアノード空隙率では、カソードが決定要素になると考えられる。70%よりも小さいアノード空隙率では、より高いKOHが低下した空隙率を部分的に補い、それによってカソードへの逆効果を部分的に抑える。この影響は、70%のアノード空隙率を超えてもまだ明らかであるが、カソードへの影響がより重要となり、そのために、カソードにおけるKOHの結晶化が、KOHの最大最終濃度を判断する。
従って、上述のように規定されたKOHを含む電解質を含む電池が更に提供され、これは、1電子の放電深度にまで放電された後に、計算KOH濃度が約50重量%であるように選択されたKOH濃度を放電の前に有している。好ましくは、電解質の量は、二酸化マンガンの1電子放電の計算レベルで、水酸化カリウムの計算濃度が49.5から51.5%(重量/溶液重量)であるような量である。
従来は、空隙率の変化の影響のような情報を試行的な電池から収集することができなかったが、それは、各成分の他に対する関係の不確定性によってもたらされる混乱のためである。詳細には、唯一の以前の必然性は、電気化学反応の生起を可能とするための水酸化カリウム溶液(本明細書及び当業界で「電解質」と称する)の形態の十分な水が存在すべきであるということであった。これは、US'139において示され、そこでは、電解質の量には何ら特別に注意せず、「活性」成分の量を最大化するあらゆる試みが行われている。
現在、本発明者は、1電子放電の後でKOHの最終濃度が約50%を超過しないことが重要であり、この規則は電池が放電に対して意図される程度及び電池が放電する速度に関係なく適用されることを確認している。この規則からの逸脱は、電池性能への非常に重大な影響を有しており、他のパラメータを変化させることから得られた実験結果を、それが観測されない時に有意な結論を誘導することができない程度にまで歪曲する。
1電子放電の後にKOHの最終濃度が50%でなければならないことの認識は、電気化学電池を標準化するための厳密な規則を提供し、そのために、ここで電気化学電池の他の全ての成分間の関係を確立することが可能である。残りを測定することができる固定した標準がここで利用可能であれば、電気化学電池を構成する複雑な方程式の変数に対する値をここで確立することができる。
従来は、与えられたどの電池の性能を最大限にするためにもKOHの終了濃度が50%の範囲内にあることが重要であるとの認識がなく、カソード又はアノードの何れかの空隙率を変化させることは、KOHの最終濃度を変化させるという避けられない結果を有し、そのために、電池の最終性能は、選択された空隙率のみならず最終KOH濃度にも関係した。従って、結果は無意味であり、カソード又はアノードの何れの望ましい空隙率を確立することもできなかった。
しかし、最終KOH濃度が1電子放電の後で50%の範囲内でなければならない原理を守って電池が製造される時、ここで、意外にも容易に到達することができるカソード及びアノードの両方の理想的な空隙率が存在することを確立することができる。何れかの空隙率が理想よりもかなり低い時は、性能は顕著に低下し、一方、何れかの空隙率が理想をかなり超える時は、活物質の不足によりこの時もまた性能が低下する。
一般的に、本発明の電池は、添加水銀を含まず、水性水酸化カリウム電解質、亜鉛含有アノード、及び二酸化マンガン含有カソードを含むことが好ましい。
本発明に必須ではないが、電解質内の水酸化カリウムの濃度は、放電前において約34から37%(重量/溶液重量)であることが好ましい。「放電前」により、本発明者は、全ての製造段階の後で電池が使用者により用いられるように意図した状態にあることを意味する。製造段階は、例えば電気試験中の僅かな放電を含むことができる。しかし、より重要であると一般的に考えられるのは、最終濃度に関して50%の範囲内とすることであり、この目的を達成するために開始濃度が適切に選択される。
MnO2及び亜鉛の量は、限定された比率範囲内に保たれ、そのために、一方の変化は、他方の関連する変化をもたらすことになることが認められるであろう。この比率は、所定の製造業者が使用することを望むものとすることができるが、多くの場合、約1.2:1から1.4:1の範囲のアノード対カソード(A:C比率)である。何れかの電極のパラメータを変化させることを論ずる時、アノード容量とカソード容量の全体的な比率が維持されることは、本明細書では前提とされる。
従来は、亜鉛の量の低減は、アノードのカソードに対する容積比率を変えないままでアノードの空隙率を増加させるか、又はアノードの容積を低減させることを意味した。前者の場合は、カソード容量は変えずにおくことを必要とし、一方、後者の場合は、電解質の量(アノードのかなりの部分)が極端に低減されて、そのために電池の性能が悪影響を受けた。これは、アノードがカソードよりも実質的に多孔性であり、それによってアノードの寸法の低減が利用可能な電解質の量を低下させるからである。以下でより詳細に説明するように、これは、1電子放電の後で最終の電解質レベルが非常に低く、KOH濃度を50%よりもはるかに高く上昇させる時に大きな問題となる。バッテリ技術におけるこの主要なステップを前進させたのはこの認識である。
アノード及びカソードの両方の空隙率を増加させることにより、アノードの寸法を低減させ、他方、電解質のための全体的な容積容量を保つことが今や可能である。従って、両電極の空隙率を増加させることにより、使用前に十分の電解質を電池内に取り込むことができ、以下でより詳細に説明するように、電池が1電子放電レベルまで放電した後に、KOH濃度が約50%を超えないことを可能にする。
本発明は、A:C比率を低減することにより、低率放出間欠放電に対する放電持続時間を低下させることなく深い放電漏洩を減少させる。実際に、この比率を低減することにより、カソード内に存在する二酸化マンガンの量の増加により連続高率放電定電流性能を高めることが可能である。
同じく重要な特徴は、アノード効率である。本発明で特徴付けられる当業技術に対する最適化にも関わらず、アノード効率が26%を超えることはほとんどない。従って、A:C比率を約1.15:1よりも小さく低下させると、アノードにおける期待される改良が認められず、性能が低下し、そのために、このような電池においては、アノード効率が性能に対する制限因子となる。
アノード効率は、初期KOH濃度と密接に関係すると考えられる。本発明においては、最終KOH濃度が1電子放電の後で約50%であることを要する。しかし、最終KOH濃度は、MnO2及び電解質の全量に従って変動することになる。多量の電解質が存在する時は、電池反応における水の減少のKOHへの濃縮効果はより小さいので、初期KOHはより高くなることになるが、50%で終了することはやはり必要である。
初期電解質の量がより少ないと、電池反応の脱水効果がより大きいので、より低いKOH濃度が要求されるのは当然である。同量の水が消費される結果として、KOHの濃度上昇はより大きく、最終濃度が50%のままであるためには初期濃度を低下させなければならない。
アノードはより高いKOH濃度でより効率的であるので、これはアノード効率に影響する。経験則として、本発明者は、初期KOH濃度が約1%増加すると、アノード効率は約0.5%増加することを明らかにした。より高い初期KOH濃度は、電解質の初期量がより多いことに基づいており、アノードがカソードよりも多孔性であり、そのためにアノード寸法を小さくすると電解質の初期量は必然的に減少するので、アノード効率は、従ってアノード寸法の縮小に伴って低下することが認められるであろう。すなわち、カソード材料の量を増加することはできるが、これは、アノードの寸法の縮小からもたらされるアノード効率の低下により最終的には相殺される。
何れかの電極の空隙率は、任意の適切な方法で増加させることができる。アノードの場合においては、例えば、これは、カソードの内径を増大させ、それによってアノードの容積を増加させ、同時に亜鉛の同量を保持することにより達成することができる。アノードの容積が増加されない時は、A:C比率を変化させる意図的な決定なしでは、アノード空隙率を低下させるために亜鉛の量、及びそれに付随してカソード材料の量を減少すべきである。活性電極材料の全体量を低減することができる一方で電池性能を高めることが本発明の利点であることが認められるであろう。
アノードに使用される亜鉛は、アノード内部での十分な導電率を維持するように適切に選択すべきである。亜鉛は、たとえアノードに対する亜鉛の量が比較的少ないとしても、そのように役立つ形状及び寸法を有する粒子を含まなければならない。より低濃度で導電マトリックスを維持することができる亜鉛含有粒子は、比較的低いタップ密度を有する。約66%の空隙率を超えると、アノードは、好ましくは非粒子状の亜鉛を含む。そのような亜鉛は、単に、電池に使用される標準的な亜鉛よりも大きい表面積を有する任意の形状とすることができる。
好ましくは、本発明に従って作製される電池に使用される亜鉛の全体のタップ密度は、アノード空隙率が69%又はそれよりも高い、3.2g/ccよりも小さい。一般的に、アノード空隙率が増加すると、亜鉛のタップ密度を低下させなければならない。より低い空隙率のアノードについては、69%を超えるアノード空隙率の1%増加ごとに、好ましい最大タップ密度は、0.06g/ccだけ低下する。アノード空隙率が69%の時、亜鉛の全体のタップ密度は、3.13g/ccを超えないことがより好ましく、より低い空隙率のアノードについては、69%を超える空隙率の1%の増加ごとに、全体のタップ密度は、0.065g/ccだけ低下する。アノード空隙率が約71%の時、亜鉛の好ましい全体のタップ密度は、2.83から2.96g/ccである。
全体のタップ密度を制御する1つの方法は、高密度及び低密度亜鉛の混合物を使用することである。例えば、従来の不規則形状の高密度亜鉛粉末を均一形状の低密度亜鉛粒子と配合して、目標とする全体タップ密度を得ることができる。このような混合物はまた、加工上又はコスト上の利点を有することができる。
「均一形状の低密度亜鉛粒子」は、亜鉛の個々の粒子が実質的に一致した形態を有することを意味する。これは、一貫して不規則であり互いに似たものがほとんどない形状を有する典型的な亜鉛粉末とは対照的である。均一な形状を有するためには、各粒子の形状係数は、全ての他の粒子と実質的に同様でなければならない。従って、例えば均一な形状がフレークの時は、粒子の全てがフレークでなければならない。均一な形状の粒子を製造するためには、目標とする一貫した粒子形状を保証するための形成工程又は類別工程の制御が利用すべきである。亜鉛粒子の形状は、走査電子顕微鏡を用いる粒子の検査により判断することができる。
亜鉛の全体タップ密度は、アノードに含まれる異なるタイプの亜鉛の測定タップ密度から計算される。全体のタップ密度は、100/Σ(dn/wn)に等しく、式中、dnは、アノードにおける亜鉛粒子の全体量に基づく亜鉛タイプnのタップ密度であり、wnは、亜鉛タイプnの重量パーセントである。単一の亜鉛タイプが使用される時、全体のタップ密度は、その亜鉛のサンプルの測定タップ密度に等しい。
フレークは、比較的低いタップ密度を有する有用な形状であるが、他の二次元及び三次元形状もまたアノード内の亜鉛の全体タップ密度を低下させるのに有用である。このような亜鉛は、より高いアノード空隙率での亜鉛粒子の分離に伴う亜鉛内の電気的経路の損失の問題を克服する。亜鉛フレークは、均一な形状の低密度亜鉛の好ましい形状であり、本明細書で全般的に言及されることになるが、別途示されるか又は自明でなければ、亜鉛フレーク又はフレークへの言及は、低密度亜鉛の他の形態への言及を含むことが理解されるであろう。
高率放出定電流放電では、約5重量%の亜鉛フレーク含有量は、約73%空隙率までの導電経路の損失を補うのに十分である。一般的に、66%を超えるアノード空隙率における1%の増加当りの1%のフレーク含有量が十分な量であるが、当業者は必要なだけ多くのフレークを使用することができることが認められるであろう。アノード内の亜鉛のいかなる低減も、必要に応じて他のアノード成分により補われる。意外にも、約5から7%の亜鉛フレーク及び70から73%のアノード空隙率は、高率放電定電流状態において特に有効であり、性能の数%の増加が得られる。
改善された高率放出定電力放電のためには、やや多いフレークが好ましい。一般的に、67%を超えるアノード空隙率における1%の増加当り約1.5重量%毎全亜鉛重量の亜鉛フレーク含有量が十分な量であるが、当業者が必要なだけ多くのフレークを使用することができることが認められるであろう。より好ましくは、67%を超えるアノード空隙率における1%の増加当りの亜鉛フレーク含有量は、約2重量%である。この域を超えるレベルも許容することができるが、一般的に、更に別の性能の改善は僅かしか得られず、高レベルのフレークは取扱いがより困難であり、亜鉛フレークはより高価である。より詳細には、アノード内の亜鉛粒子の全量を基準とした約8%から11%フレークのレベルが、約71%のアノード空隙率と組み合わせて有用であることが見出されており、例えば、約8%フレークのレベルは、商業的にも実用的にも好都合である。
例えば、亜鉛は、2.5g/ccよりも小さいタップ密度を有する少なくとも4重量%の均一形状低密度亜鉛粒子を含む混合物としてもよい。
カソードは、多くの方法で多孔性とすることができる。当業技術における1つの方法は「CMD」を使用する。「CMD」を含むカソードを有する電池は、高率放電連続試験において、「EMD」のみを含む電池よりも全体的に劣る性能を示す。しかし、本発明者は、「CMD」が本発明において多孔性アノードと共に使用された時は、意外にもこの欠点が改善されることを見出した。「CMD」を含む電池は、空隙率が他の方法で同レベルまで高められた電池と全く同様な性能は示さないが、その違いは僅かでしかない。特に注目すべきことは、かなりの付加的な強度がカソードに与えられることであり、これは組立てにおいてかなり有利である。
他の方法もまた、多孔性カソードを調製するのに使用することができる。好ましい方法は、ほぼ均質なテクスチャをもたらす方法である。これは、一般的には、カソード混合物内のMnO2又は炭素の量を低下させることにより達成することができる。しかし、MnO2の圧密が不十分な場合は、他の方法で補わない限り、カソードの構造的一体性を阻害する傾向がある点で問題となる可能性がある。同様に、炭素量の低下は、構造的一体性を低下させるのみならず、導電率の低下をもたらす可能性がある。
MnO2の量の低減は容量を低下させ、カソードを形成する材料がより少ない時は、従ってカソードの密度もまた低下することになる。これは、例えばペレットがより崩れやすくなるという製造上の問題をもたらす可能性がある。これは、組立て時に砕いた氷や固形KOHを使用したり、又は、MnO2をできるだけ多くし、炭素ブラックを使用するなどして炭素含有量を低減するような様々な方法で克服することができる。全てのこのような場合において、カソードをやはり通常の程度まで圧密するが、それをより多孔性にしておくことができる。
固形KOHが使用される時、目標とする電解質レベルを得るための水又はKOH溶液のその後の添加は、意外にも過剰な加熱を起こすことが認められず、強いペレットが得られた。炭素ブラックは、弱いが良好な導電率を有するペレットを提供するが、意外にも、炭素ブラックが5から30%の電解質、十分には約10から15%の電解質と予混合された時に、強いペレットが形成することができることを本発明者は見出した。それらの方法の全ては個々に選択され、各々は、電池製造に使用されるための圧密後の十分に中実なカソード材料を提供するのを助ける。
炭素含有量は、一般的に最低限に保たれ、そのために、より高い空隙率を提供するには、MnO2の量がカソードの容積に対して低減されることが必要である。一般的に、少なくとも20:1のMnO2:Cの重量比が好ましい。カソード内の導電率を考慮した、より高い比率が可能である。
アノード内の導電率を増大させる効果が重要であることは見出されていたが、本発明者は、カソード内の導電率がワット量試験における本発明の電池の性能に顕著な影響を有することもまた見出した。
カソードの導電率は、炭素含有量の適切な選択により高めることができる。当業技術においては、炭素含有量は、一般的に最低限に保たれており、そのために、導電率を十分なレベルに保つ一方で、カソード内の不活性内容物を減少させるようにMnO2の量をできるだけ低減することが必要である。これは、他のタイプの電池に適用されるが、本発明においては、MnO2:C重量比が、好ましくは約26:1よりも高くないことが見出されている。20:1から25:1の比率がより好ましく、22:1から24:1が特に好ましく、例えば「Superior GA17」グラファイト及び「GHU EMD」を用いた時の約23:1が現時点で好ましいものである。他の炭素供給源又はグラファイト、及び/又は、他の銘柄のMnO2が使用される時、これらの比率は変動する場合があり、好ましい比率は、当業者により容易に判断することができる。
一般的に、アルカリ電池の反応方法は以下の通りである。
Zn+2MnO2+H2O→ZnO+2MnOOH (I)
マンガン化合物は、慣習的にMnO2として示されるが、二酸化マンガンが非化学量論的であり、実際の化学式がほぼMnO1.96であることは、当業者により良く理解されている。従って、この反応に含まれる電子の実際の数は、ほぼ0.925である。これは、これも慣習的に「1電子」又は1eとして本明細書に引用されている。
上述の方法(I)に示され、一般的に「第1電子反応」と称される反応は、必ずしも発生する唯一の反応ではなく、引続いて第2の反応が発生することができ、その反応では、MnOOHがMn(OH)2に変換される。この第2電子反応は、通常は電池が著しく消耗した時にのみ重要になる。それは、1e放電(第1電子反応)後の50%最終KOH濃度と、1e放電後50%KOHに対するより良い性能のために最適化された電池に関する要件とに対して、それらが第2電子反応に進んでいるか否かに関わらず、ほとんど又は全く影響しないように見える。従って、本明細書では、第1反応のみが考慮される。本明細書における「終了ポイント」についての何れの参照も、1電子反応又は化学量論的には0.925電子が終了した(すなわち、Mn+3.925がMn+3.0まで還元された)ポイントを意味する。
一例として、放電プロット上に、アンペア時が放電ラインの下で測定され、このラインは、二酸化マンガンの場合は、最初は非常にしっかりした肩部を形成する傾向があり、次に非常に鋭く平坦部に入り、このポイントの後では第2電子の除去を観察することが場合によっては可能である。1電子放電は、肩部の底部と平坦部の始まりとの接合部に対応する。大部分の電池について失活と考えられる電圧よりも低い電圧でこの平坦部は生じるが、このポイントへの下降は一般的に鋭く、本発明の目的のための1電子の計算はこれに影響されない。
全放電と見なされるように反応が十分に終了まで進むことを可能にするために十分な水が存在すべきであることは上述の方程式から理解される。上述の反応方法は、強アルカリ溶液の存在の下で生じ、水酸化カリウムの溶液が電池製造業者により現時点で選ばれている。
上述から、KOHの「最終濃度」(すなわち、第1電子放電の終りにおける)が計算されたものであることが理解されるであろう。しかし、上述の反応方法(I)を適用すれば、KOHの初期濃度が既知であるという条件で、KOHの最終全電池濃度は、容易に計算可能である。
実際には、この原理に基づいて最終KOH濃度を計算することは、アノード、カソード、又はその両方であるか否かに関わらず、電池を1電子だけ放電したり、最終KOH濃度を測定したりする必要がないことを意味する。
従って、1電子放電でのKOHの適切な最終計算濃度をもたらすように、活物質の開始量が容易に組立てられて調節されるので、好ましい電池をかなり容易に設計及び製造することができる。
上述のように、水酸化カリウム(KOH)の最終濃度は、電池の性能に対する非常に重要な影響を有する。終了ポイントにおいて、全電池についての計算KOH濃度が約51.5%の値を超えるべきではないことが特に望ましい。より好ましくは、この値が51%を超えてはならず、約50.6%がおよその最適値である。約49.5%を含む50.6%よりも小さい値も許容することができるが、これよりも非常に小さい値はまた、以下で論じるように強化の可能性を低下させる。
上述のように、「空隙率」により、当該電極の固形物で占められていない体積パーセントの相対量が意味される。体積での固形分含有量は、非固形分よりも一般的に計算が容易であり、また、空隙率は、例えばいかなる閉じこめられた空気も含むので、パーセント空隙率を判断する計算は、一般的に次式で表される。
[(VΣ−VS)/VΣ]×100
ここで、VΣは測定された電極の全容積であり、VSは固形成分の容積である。
固形成分の容積は、一般的に直接には測定されず、密度で割った重量の結果として計算される。空隙率に関しては、所定の固形物質が、例えば50%を超える空隙率を有することができるケミカル二酸化マンガン(CMD)のように、多くの場合にある程度の空隙率を既に有することが認められるであろう。
従って、電極空隙率をより確実に計算するために、物質の理論空隙率が使用される。これは、分子構造及び3D配置に基づいて計算され、製造方法から生じ得るいかなる空隙率も考慮されない。従って、これらの目的のためには、「EMD」及び「CMD」の両方は、同じ理論的密度を有すると見なされる。物質の実際の見掛けの密度が空隙率の計算に使用された場合は、得られる電極の計算空隙率は、固形分により導入された空隙率を考慮しないと考えられ、良くても誤解を生み、悪ければ無意味であろう。
本発明の電極に対して仮定される理論密度は、次の通りである。
Figure 0004377683
Figure 0004377683
表中の「x」、「?」、及び「など」は、固体又は液体とすることができる任意の更なる成分を考慮したものである。
従って、カソードの理論容積は、内容物全ての合計=VΣ=Σ(v1:v6)=(v1+v2+v3+v4+v5+v6など)である。
同様に、アノードの理論容積=VT=v7+v8+v9+v10+v11+v12...である。
カソードの場合は、理論容積は、実際の容積と実質的に同じであり、従って、いかなる補正要素も組み入れる必要はない。しかし、仮に実際のカソード容積が計算されたものと異なる場合は、実際のカソードの空隙率が優先する。
疑念を避けるために、実際のカソード容積は、カソードの高さ(H)、及びカソードの内径及び外径(それぞれ、ID及びOD)の情報から計算することができる。本発明においては、カソードペレットのスタックを用いて電池を製造することが好ましく、従って、以下のようになる。
H=ペレットのスタックの高さ
単に例示的な特定の実施例において、カソード直径は次の通りである。
Figure 0004377683
すなわち、実際容積=VA=H・π・(ODC 2−IDC 2)/4であり、一方、理論容積=VA=H・π・(ODP 2−IDP 2)/4である。
上述の例において、カソードペレットの製造時又は「缶内」のどちらであろうと、OD2−ID2の結果は0.999である。これは、この場合には、かつ本発明において好ましいように、ペレットが缶内に締まりばめされるように設計され、そのために挿入時に圧縮されるからである。これは容積には影響しないので、外径の縮小を補うためには、容積を変化させないために同時に内径の縮小があるべきである。
カソードにおいては、固体の理論容積=VS=v1+v2+v3+v4である。
従って、カソード空隙率=((VA−VS)/VA)×100であり、これが本発明に関連する空隙率である。
アノードにおいては、VL=液体容積=v8+v10+v11、及び、VS=固体容積=v7+v9であり、従って、理論アノード空隙率=((VT−VS)/VT)×100=(VL/VT)×100であり、これが本発明に関連する理論空隙率であって、これに対してアノードペーストが構成される。
アノードの場合においては、アノードバスケットを充填するのに使用される方法にある程度依存して、理論容積と実際容積の間に実質的な差が存在する傾向がある。説明している実施形態においては、バスケットは、カソードにおけるアノード空洞内に嵌め込まれたセパレータを含む。
アノードバスケットを充填するために一般的に使用される方法は、2つのうちの1つである。第1のものは上部充填であり、第2のものは下部充填である。前者は、アノードペーストをバスケットのほぼ上部付近から落とすことを伴う。後者は、一般的に、バスケット内に分配チューブを挿入し、チューブの抜取りと同等の速度でアノードペーストを注入することを伴い、チューブの抜取りは、一般的に、チューブからペーストを排除する力によって達成されるか又は補助される。
上部充填は、下部充填よりも多くの空気をアノード内に閉じこめる傾向がある。何れにせよ、閉じ込められた空気又はアノードのデッドスペースは、通常、少なくとも約5体積%から約17体積%付近までである。下部充填を用いれば、その限界は約5%から10%であり、一方、上部充填を用いると、その限界は約8%から17%である。
本発明のアノード空隙率は、アノードのデッドスペースには依存せず、アノードの単純コアが、アノードが作製された空隙率を実質的にもたらすことになる。従って、本発明の空隙率は、電池内に配置される以前のアノードペーストに適用される。
「市販の」電池においては、上述のような、かつ一般的に約10%の範囲のアノードデッドスペースが存在することになる。本発明に従ったアノードの空隙率を明らかにするための最も正確な方法は、コアサンプルを採取して以下に説明する分析を行うことである。しかし、大まかな指針としては、ほとんどの電池で見られるアノードのデッドスペースは、約10%である。約10%のアノードデッドスペースは、0%のアノードデッドスペースに比べて約3%の全体の増加を与えるので、この量からの変動は、概ね実験誤差内の空隙率をもたらす。従って、約10%のアノードデッドスペースを仮定し、製造工場内の標準下部充填が約9%のアノードデッドスペースをもたらし、一方、そのような工場の標準上部充填が約12又は13%のアノードデッドスペースをもたらす場合は、約10%のデッドスペースの仮定は、約1%の空隙率公差をもたらすことになることが認められるであろう。
本発明の電池を構成する時には、全成分の100gについてアノード成分の理論容積が最初に計算される。次に、アノードバスケットの容積が定められるが、これは、使用されるセパレータ材料の容積に従って、カソードにより形成される内部空間とは異なることになる。この容積は、次に、アノードデッドスペースを調節するために10%だけ低減され、これが使用されるアノードペーストの容積である。
従って、バスケット内の容積に対する全固形物の割合を単純に空隙率とする時、得られたアノードの見掛けの空隙率は、デッドスペースを10%とみなして、[理論空隙率/(100−10)]×100にほぼ等しいことになる。別の表現では以下のようになる。
見掛けの空隙率≒理論空隙率+約11%
次に、大まかな指針として、市販電池のアノードの実際空隙率は、1.11で除した見掛けの空隙率にほぼ等しいことになる。しかし、上述の通り、これは電池のデッドスペースに依存することになる。上述のように、本発明に関連する空隙率は、アノード自体の空隙率であり、アノード+デッドスペースの空隙率ではない。
本実施例においては、このアノード充填容積は、10%低減されているにも関わらず、一般的にカソードペレット上部とほぼ同じ高さまでのアノードペーストの充填をもたらす。この10%の量は、当業者により使用されるアノード充填技術に従って修正する必要があり得ることが認められるであろう。実際には、本発明の電池に必要な全体的な電解質の一部として充填後に入れられるか、又は充填前にバスケット内に既に存在するかに関わらず、このデッドスペースは電解質で充たされる。いずれにしても、アノードデッドスペースは、直ちに又は空気の分散の後で電解質によって占められる。
いずれにせよ、アノードペーストのレベルは、カソード材料の高さとほぼ同じ高さでなければならない。高さが異なる時、特にカソードよりも低い時は、高率放電性能が悪影響を受ける。従って、カソード高さに対して2.5%を超えない高さの差異の公差が想定されている。差異がある場合は、カソードよりもアノードの方が高いことが好ましいが、その範囲は小さい方がよく、2.5%を超えないことが好ましい。
アノードペーストの量は、10%調節の後、本発明の実施例において1.33と仮定されたアノード:カソードAh比率を維持するような適切な亜鉛量を含む必要があることが認められるであろう。他の比率が適用される場合は、例えば容積に対する適切な調節が行われる必要があるが、本発明の原理は変らない。
「市販の」電池において、空隙率は容易に測定することができる。基本的には、最初に両電極の容積を判断する必要があり、次に、それらの固形物含有量が確立される。KOH含有量を判断する場合は、電池の様々な成分を分析し、次にその結果を結合させることによってそれを確立することができる。
水の量は、修正ディーン及びスターク法により確立することができる。装置は、例えば、クイックフィット・アンド・クオーツ・リミテッドから入手することができる。サンプルは、乾燥トルエンで覆われて45分間還流され、大部分の凝縮が水冷凝縮装置内で生ずることが保証される。水は、流出物を捕捉するために凝縮装置の下に配置された測定シリンダ又はキュベットに集められる。この方法は、KOHをK2CO3に変換するために沸騰トルエンを通じてCO2ガスをバブリングするように修正されており、さもなければ、いくらかの水がKOHと共に結晶水として残るために、水の全部を集めることはできない。
OH-の量は、水を用いて各成分を別々にソックスレー抽出し、KOH及び水を含有する溶液を得ることによって容易に判断される。全てのサンプルが混合されて既知の容積とされた後に、標準的な方法により、OH-について滴定される。例えば、既知モル濃度のHClを指示薬のフェノールフタレインと共に使用することができる。この方法において、全てのOH-はKOHと仮定され、重量はそれに従って計算される。
水の容積及びMnO2の量(以下で説明するように計算される)を用いて、所定の電池が本発明の基準を満足することを確立することは当業者の能力の範囲内である。
電極の空隙率に戻ると、上述のように、それらは次式で基本的に計算される。
[(全容積−固形物容積)/(全容積)]×100
より詳細には、電極の容積は、任意の適切な方法で判断することができる。容積は、原位置で確立されることが好ましく、それは、好ましくは、電池の内部比率、特にアノード及びカソードの高さ及び幅を明瞭に示すX線の使用により達成される。これが済めば、次に電池を切り開いて電極を分離することができる。
一般論としては、例えば添付実施例に示す電池を用いると、本発明者が見出したことは、空隙率を判断する時に、アノードで検討する必要のあるのは亜鉛のみであり、一方、カソードで検討する必要のあるのは、二酸化マンガン(存在する場合は「EMD」及び「CMD」)及び炭素(通常はグラファイト)のみであるということである。残りの成分は、無視できるほど少ない量で存在するか、特に高密度でなくて少量で存在するか、又は、電解質の一部を形成するかのいずれかであり、従って、それらの成分について考慮されたとしても、それらによる差異は誤差の範囲の中に失われる。
従って、アノードにおいては以下が為される。
・アノードバスケットの内部容積の寸法を測定する。
・バスケット内のアノードの高さを電池のX線写真から測定する。
・全てのアノード材料を取外して水で亜鉛を洗浄し、ゲル化剤及び電解質を除去する。
・水酸化アンモニウム溶液で洗浄し、亜鉛だけを残す。
・亜鉛を秤量する。
・亜鉛の容積=亜鉛の重量/7.14
・空隙率=[(0.9×バスケット容積−亜鉛容積)/(0.9×バスケット容積)]×100
0.9は、10%のデッドスペースを説明することが認められるであろう。必要に応じて、デッドスペースは、アノードペレットを注意深く洗浄してゲル化電解質を除去し、アノードの残りの容積を判断することによって計算することができる。
カソードにおいては以下が為される。
・X線写真及びカソードを缶から除去する前の観察からカソードの寸法を測定する(カソードOD、カソードID、カソード高さが測定される)。
・カソードを水で洗浄して「EMD/CMD」、グラファイト、及び結合剤を残す。結合剤は微量成分として無視され、カソード容積に大きな影響を与えない(測定から生ずる誤差よりも少ない)。
・固形物を秤量する。
・MnO2を50%w/vの水性HClの混合液で固形分から溶解し、グラファイト残留物を残す。
・グラファイトを秤量する。
・MnO2重量=固形物重量−グラファイト重量
・MnO2容積=MnO2重量/4.53
・グラファイト容積=グラファイト重量/2.25
・カソード空隙率=[(カソード容積−MnO2容積−炭素容積)/カソード容積]×100
必要に応じて、より高度な化学的又は機械的方法を使用することができ、これらの方法は、当業者の能力の範囲内であることが認められるであろう。
例えば、亜鉛成分は、1つよりも多い成分(粉末及びフレーク)を含むことができ、二酸化マンガン(「EMD」及び「CMD」)も同様であるが、これは空隙率の判断に実際上影響しない。
KOH溶液又は電解質の密度は、KOHの濃度に従って変化することになることも認められるであろう。しかし、KOH溶液の密度は本発明に関して重要ではない。一般的に、化合物の密度は、「化学及び物理ハンドブック」に見出すことができる。
本明細書に示す本発明の電池は、別途明記されなければ、6.2mlの容積を有し、かつAA電池であると仮定される。しかし、本発明が、例えばAAAA、AAA、AA、C、D、及び9V、及び、他の型の電池を含む全ての電池に拡張されることが認められ、容量に対する適切な調節を行う必要があり得ることもまた認められるであろう。しかし、本発明の原理は、電池の型に関係なくそれに影響されない。
例えば、本発明は、利用可能な内部容積が概略1.35mlであるAAAA、利用可能な内部容積が概略2.65mlであるAAA、利用可能な内部容積が概略20.4mlであるC、及び、利用可能な内部容積が概略43.7mlであるDのような他の公知の標準的又は非標準的電池サイズに対して、カソード対アノード容積の同じ比率を用いて同じ方法で適用することができる。
本発明においては、バッテリグレードの二酸化マンガンが使用されるべきであり、それらは、ケミカル法、電解法、及び天然産によるものとすることができ、電解法のものが最も好ましく、ケミカル法がこれに続く。二酸化マンガンは、通常「α」、「β」、「γ」、「δ」などと呼ばれるいくつかの異なる結晶構造で存在する。本発明者は、γ形態の使用を選択し、本明細書における何れの二酸化マンガン計算もこの形態の使用に基づく。他の結晶構造の二酸化マンガンが使用された時、反応終了ポイントは、特に「1電子」の意味と関連して、異なる前提に基づいて計算する必要がある場合がある。詳細には、終点は、主放電カーブと1.0よりも小さい電圧で起こる平坦部との接合点に取ることができる。MnO2のγ形態の場合においては、この終点は、全てのマンガンがMn+3.0である時として計算される。
放電の過程で水を消費する他の材料又は反応(例えばコ・カソード)が電池内に存在する場合は、これらの材料又は反応により消費される水への割当が為されるべきである。水を消費しない電池反応に含まれる材料は、これらの計算において無視することができる。
同様の考慮は、電池が放電される前の開始時のKOH濃度に対してもまた適用される。反応方法I(上記)は、電極反応が、消費される二酸化マンガンの2分子毎に水の1分子を消費することを示している。しかし、約36%KOHよりも遥かに低いと、異なる反応が適用される。
36%KOHよりも非常に低いと、反応方法は次式に変わる。
Zn+2MnO2+2H2O→Zn(OH)2+2MnOOH (II)
すなわち、KOHの濃度が約36%に増加するまでは、必要とされる水よりも多くの水が消費されるので反応が非効率的であり、従って、50.6%の終了ポイントに到達するのが早過ぎるようになるか、又は、必要とされる水よりも多くの水が電池内に存在し、それによって他の活物質を排除するようになる。前者は、放電を完全に行うことができないので、後者よりも一般的に好ましくない。
水酸化亜鉛(ZnO)は、従来は、特に有効ではないが電解質内、又はカソード内に加えられており、これはアノード内のZnOが集電体をメッキして保護するのに初期で役立つことが見出されたからである。全電池に対してほぼ3重量%の酸化亜鉛が慣習的に添加されてきた。しかし、アノード内のみに酸化亜鉛を加えるのがより有効であり、その場合は、アノード内の約0.05重量%が同様の結果を達成する。
KOHの開始濃度を考慮する時、本明細書では、電池がカソード内のZnO濃度0%で開始されることが一般的に前提とされる。しかし、ZnOがKOHの開始濃度に関係することは明らかとなっており、より高い開始KOH濃度が約50%の最終濃度に尚も到達するために必要とされる。従って、全電池重量当たり3重量%ZnO(電解質への組込みによる)が使用された場合、開始KOH濃度は、好ましくは約37重量%溶液であり、それが2重量%の時は、36から37重量%溶液が好ましく、1%では、35から37%溶液が好ましい範囲である。
上述のように、KOHの濃度は、電池の寿命時間の間に上昇し、有効カットオフは50.6%を少し超え、その後は、電池は急速に失活する。50.6%の終了ポイントを仮定すると、電池内により多くの水が存在すれば、KOHの開始濃度をより高くすることができる。水の初期量が低減された時は、50.6%の終了ポイントを超過しないように意図した場合、KOHの濃度もまた低下すべきである。
最終KOHの計算は、電池の初期特性に依存することになる。電池が最初に作製された時、以下は既知である。
電池内のMnO2の重量:w1
電池内の電解質の初期重量:w2
電池内の平均初期KOH濃度:z1
最終KOH濃度(すなわち、1e放電の終りにおける)は、MnO2の全てがMnOOHに放電されるという仮定に基づく。これが真であるか否かは重要ではなく、それは、約50%の最終KOH濃度を有するように電池を設計する利点が、電池の放電の最終深度に関わらず依然として得られることが分かっているからである。
以下の電池反応のどちらが適用されるかは、平均KOH濃度に依存する。
2MnO2+1H2O+Zn=2MnOOH+ZnO (I)
2MnO2+2H2O+Zn=2MnOOH+Zn(OH)2 (II)
本明細書における計算は、100%の反応(I)は初期OH->8Nの時に起こり、100%の反応(II)は初期OH-<6Nの時に起こると仮定する。8N及び6N計算が基づく正確な初期KOH濃度は、例えばZnO又はケイ酸塩のような、KOHに溶解している他の何かに依存することになることも認められるであろう。
例えば、他の全てが等しければ、アノード内の0.05重量%ZnOでは、>8NのOH-は、>36%の初期KOHに対応して、<6Nは、<29%に対応し、電池全体に亘ってKOHに溶解した3%ZnOでは、>8NのOH-は、>38%の初期KOHに対応して、<6NのOH-は、<31%の初期KOHに対応し、一方、電解質内に他のものが何も溶解していない時(KOHのみ)は、>8NのOH-は、>34%の初期KOHに対応して、<6Nは、<27%の初期KOHに対応する。
6−8NのOH-間の任意のpHに対して、反応(I)から反応(II)への変化は直線的に起こると仮定される。
すなわち、最終KOH濃度の計算は以下の通りである。
100%反応(I) 0%反応(II) >8N OH-
反応(I)の% a% =100%
反応(II)の% (100−a)% =0%
0%反応(I) 100%反応(II) <6N OH-
反応(I)の% a% =0%
反応(II)の% (100−a)% =100%
50%反応(I) 50%反応(II) 7N OH-
反応(I)の% a% =50%
反応(II)の% (100−a)% =50%
反応(I)により消費されるH2Oの重量=[(電子数)×(a/100)×(0.5×水の分子量)]/(MnO2の分子量)×w1=w3
反応(II)により消費されるH2Oの重量=[(電子数)×(100−a)/100]×[(1.0×水の分子量)/(MnO2の分子量)×w1]=w4
上式は経験的なものであるが、結果は、ほぼこれらの式に一致する。
電子数=0.925
水の分子量=18
MnO2の分子量=86.93
電解質の最終重量=w2−w3−w4=w5
KOH固形分の重量=z1/100×w2=w6
最終KOH濃度=w6/w5×100
意外なことは、どのような第2電子反応にも何ら考慮する必要がないことである。この反応は、第1電子反応の後に一般的に起こり、電池から余分な電力を生じさせることができる。しかし、電池の最適化のためには、第2電子反応を考慮する必要がないことが今では明確になっている。
本発明で用いるのに特に有用なセパレータは、以下に示すコポリマーを含むセパレータを使用することが分かっている。
(1)化学式(I)のエチレン性不飽和カルボキシル酸又はその塩又はエステル
Figure 0004377683
式中、R1、R2、及びR3は、同じか又は互いに異なり、各々は、水素原子、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、又はアリル基を表し、Aは、直接結合、又は8個までの炭素原子を有するアルキレン基を表す。
(2)化学式(II)の芳香族化合物





Figure 0004377683
式中、R4、R5、及びR6は、同じか又は互いに異なり、各々は、水素原子、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、又はアリル基を表し、R7は、スルフォン基又はカルボキシル基、及び平衡カチオンを表す。又は、セパレータは、この化学式(II)の芳香族化合物のホモポリマーを含む。一般的に、Aが直接結合であり、R1−R7が全て水素であることが好ましい。
このコポリマーは、単独でセパレータとして使用することができ、その場合は、好ましくは、電池内の原位置でセパレータを形成するように使用され、又は、それは、多孔性基体(例えば、従来のセパレータ紙)へのコーティングとして使用することができ、その場合は、それは、より薄い紙及び/又はより少ない層を用いることを可能にする。
特に好ましいコポリマーは、アクリル酸又はメタクリル酸、及びスチレンスルフォン酸塩を含むものであり、最も好ましいものは、アクリル酸とスチレンスルフォン酸塩とのコポリマーであって、任意選択的に1つ又はそれよりも多い他のモノマーを含むが、含まない方が好ましい。更に、最も好ましいものは、アクリル酸とスチレンスルフォン酸ナトリウムとのコモポリマーである。代替的に、スチレンスルフォン酸ナトリウムのホモポリマーを使用することができる。
コポリマー又はホモポリマーが単独でセパレータとして使用される時、それは、電池内の原位置に、溶液又は分散剤として吹付けられることが好ましい。従って、電池は、部分的に組立てられ、アノード及びカソードの一方が電池ハウジング内に挿入される。コポリマー又はホモポリマーの溶液又は分散剤は、例えば吹付けにより、そのアノード又はカソード上に付加されて乾燥され、次に、カソード及びアノードの他方が電池内に挿入されて電池が完成する。
代替的に、及び本明細書の実施例として使用されるように、コポリマー又はホモポリマーは、電気化学電池業界でセパレータとして通常使用される型の多孔性基体上に支持され、この基体は、本明細書でセパレータ紙と呼ばれるが基体が実際に紙である必要はない。コポリマー又はホモポリマーは、一面又は両面にコーティングとして付加することができるが、付加を容易にするためには一面が好ましく、又は、それを基体内にしみ込ませてもよい。何れの場合においても、コポリマー又はホモポリマーは、溶液又は分散剤として付加され、次に、通常は蒸気ドラム乾燥により乾燥されるか(例えば、蒸発による溶媒の除去により)、又は上述のように凝固される。
コーティングに使用される装置は、任意の従来型コーティング装置であってよく、多くの形式のそのような装置が市販されている。本明細書で使用された装置は、英国ハーツ、レッチワース所在のT・H・ディクソン・アンド・カンパニー・リミテッド製の「ディクソン・パイロット・コーター」であり、この装置又は同等の完全な装置を本発明の実施において使用することができる。
特に、この型のセパレータの利点は、このコポリマー又はホモポリマーをコーティング又は含浸した単層のセパレータ紙が、短絡に対して抵抗性のある有用な電池を形成するのに必要な唯一のセパレータであるということである。当業技術は、二重層のセパレータを用いるが、これは、特により小さい電池においては、そうでなければ活物質に与えることができるであろう貴重な空間を占有する。
任意の適切な又は従来型のセパレータ材料を本発明において使用することができる。適切な材料の例には、ニッポン高度紙工業株式会社(NKK)により「VLZ75」及び「VLZ105」(それぞれ、約75及び105μm厚)として販売されているポリビニルアルコール(ビニロン)とマーセル化硬材繊維との混合物、ホリングスワース・アンド・ボースから販売されている同様の材料、及び、フロイデンバーグから販売されているライオセルレーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊維、マトリックス繊維、及び結合繊維の混合物が含まれる。
従って、好ましい実施形態においては、上述のような定めたコポリマー又はホモポリマーをコーティング及び/又は含浸した単層のセパレータ紙を含む電気化学電池が提供される。
アルカリ電気化学電池を構成する時に、多くの要因を考慮すべきであることが認められるであろう。本発明においては、電池は、一般的に電池製造業者の原理に適合すると仮定され、カソードは、半固体というよりは、固体の性質を有すると想定される。本発明の電池には任意の標準的成分を使用することができ、それらには、例えば結合剤及び抗ガス発生剤が含まれる。添付の実施例は、結合剤なしで調製された。
本発明は、以下の実施例により更に説明される。別途示さない限り、実施例における電池は次の通りであった。KOHの初期濃度は36から42%であるが、1e放電後に最終濃度が50.6%となるように選択された。更に、本明細書でのAh(アンペア時)及びAhに対するいかなる参照も、1e反応が終了(0.925)まで進むが第2電子反応は起こらないとの仮定に基づいて計算され、従って、容量は、第1の主反応のみに基づいている。別途定めない限り、Ahは、カソードの容量に関連する。使用されたセパレータは、アクリル酸とスチレンスルフォン酸ナトリウムとの20:80重量比のコポリマーを30gsmの割合でコーティングした「VLZ75」紙の単層、又は「VLZ105」紙の二重層であった。使用されたMnO2は「GHU EMD」であり、グラファイトは、「Superior GA17」であった。
実施例においては、米国TX77845、カレッジステーション、ロングマイアドライブ3206所在のアービン・インストルメンツ製の標準試験機「型番BT2043」、及び、同じくアービン・インストルメンツ製のソフトウエア「MITS97」を用いて、いくつかの電池に次の試験が行なわれた。
1A/Cont./1V0
この試験では、電気化学電池は、1Vの終点電圧に到達するまで1Aの定電流で連続的に放電された。結果は分(m)で報告された。
43R0/4h/1d/0V9
この試験では、電気化学電池は、0.9Vの終点電圧に到達するまで、43Ωの定抵抗で連続的に1日に20時間の休止期間を伴って1日に4時間づつ放電された。結果は時間(h)で報告された。
10R0/1h/1d/0V9
この試験では、電気化学電池は、0.9Vの終点電圧に到達するまで、10Ωの定抵抗で連続的に1日に23時間の休止期間を伴って1日に1時間づつ放電された。結果は時間(h)で報告された。
3R9/1h/1d/0V8
この試験では、電気化学電池は、0.8Vの終点電圧に到達するまで、3.9Ωの定抵抗で連続的に1日に23時間の休止期間を伴って1日に1時間づつ放電された。結果は時間(h)で報告された。
1W/Cont./1V0
この試験では、電気化学電池は、1.0Vの終点電圧に到達するまで、連続的に1.0Wの割合で放電された。結果は分(m)で報告された。
1W/30m/12h/1V0
試験電池は、1.0ワットの割合で30分間放電され、次に11時間30分の間何もしない状態に置かれる。次に、このサイクルは、電池が1.0Vの終点に到達するまで繰返される。
1W5/3s/7s/1h/1d/1V0
試験電池は、1.5ワットの割合で3秒間放電され、次に、7秒間何もしない状態に置かれる。このサイクルは、1時間に亘って連続的に繰返される。次に、電池は、23時間何もしない状態に置かれる。次に、全体のサイクルは、電池が1.0Vの終点に到達するまで繰返される。
下記の実施例において、LR6(AAサイズの筒形アルカリZn/MnO2)電池が、カソード及びアノード空隙率、及び、他の電池特性の影響を評価するために作製されて試験された。使用された缶は鋼製であり、カソードと缶の間の内部抵抗をできるだけ少なくするために、内面にグラファイトコーティングされた。完成電池は、6.33cm3の公称内部容積を有し、内容物(アノード、カソード、及び電解質)の公称容積は、6.20cm3であった。
一般的に、実施例1〜4における電池は、本明細書に別途示さない限り、表1内のアノード、カソード、及び電解質の調製内容、及び、計算された特性を含む他の主要な電池特性に従って作製された。表1において、百分率は、体積に基づく空隙率百分率を除けば、重量百分率である。


























Figure 0004377683
(実施例1)
表2は、主要電池特性、及び、1.0Vまでの1A連続試験における分で示した放電持続時間(コラム「1A」内)を要約したものである。
Figure 0004377683
表2は、以下の7つの領域に分けられる。
カソード空隙率 カソードAh アノード空隙率
領域1 >27% 2.6−2.9 70−76%
本発明の好ましい範囲からの1つの変更は以下の通りである。
領域2 >27% 2.4−2.6 >76%
領域3 <27% 2.6−2.9 70−76%
領域4 >27% 2.6−2.9 <70%
本発明の好ましい範囲からの少なくとも2つ変更は以下の通りである。
領域5 >27% >2.9 <70%
領域6 <27% >2.9 70−76%
領域7 <27% >2.9 <70%
領域1の結果は、高率放電用途を意図した電池に対する本発明の利点を強調している。カソード空隙率及びアノード空隙率は、本発明の範囲内にある。1アンペア連続試験の結果は優秀である。これらの結果は高い効率と符合する。
領域2の結果は、アノード空隙率がより高くなった時に効率が維持されることを示している。しかし、より多孔性のアノードに必要な余分の空間は、カソード容量の減少及び付随する性能損失をもたらす。1Aの結果は、領域1についてのものよりも少なくとも3分少ない。
領域3の結果は、カソード空隙率が27%よりも低下した時、それに対応してカソード効率が失われることを示している。この領域での最良の結果は、カソード容量が高い時のように他のパラメータが最適化された時、又は空隙率が27%に接近した時に生じることが分る。
領域4の結果は、カソードに対するのと同様のアノードについての発見を示している。すなわち、アノード空隙率が70%よりも小さい時、対応してアノード効率が失われ、性能が損なわれる。
表2の領域5〜7においては、電池容量は2.9Ahよりも多い。このレベルにおいて、及び全6.2mlの内容物容積に対して、本発明のカソード空隙率及びアノード空隙率の要件を満足する電池設計はますます困難になる。これらの領域内の電池は、低カソード効率と低アノード効率との両方により損なわれる。より大きいカソード容量はある程度のより良い性能をもたらすが、空隙率の低下によるものを補うことはできない。
(実施例2)
表3は、Znフレークのレベルの増加の影響を示す。比較を容易にするために、表2の第1領域のデータが表3の第2領域で繰返されている。



















Figure 0004377683
表3は、フレークレベルを増加させることが、アノード効率及び電池性能の顕著な改善に少し役立つことを示している。しかし、5%を超えるフレークレベルの増加は、1A連続放電試験での性能をそれ以上には向上させない。
(実施例3)
添付の図1は、1.0Vまでの1アンペア連続放電試験でのアノード効率に対するアノード空隙率の影響(28%を超えるカソード空隙率)を示し、一方、図2は、1.0Vまでの1アンペア連続放電試験でのカソード効率に対するカソード空隙率の影響(約70−71%のカソード空隙率)を示す。71%付近のアノード空隙率で、アノード効率が実質的に平坦化することが明らかに認められる。カソード効率は、28%を超えても上昇し続けるが、先に示したように、これは容量が失われることにより相殺される。
(実施例4)
下記の表4において、性能及び効率に対するKOH濃度の影響が示される。











Figure 0004377683
上述の表4において、アノード空隙率が70%よりも低い時には、より高いKOH濃度は、効率及び性能を向上させるが、アノード空隙率が70%又はそれより高い場合に達成することができるのと同じ程度までは達しないことが明らかに分る。70%での最適な最終KOHが約50%であることもまた明らかであるが、約70%よりもはるかに低いアノード空隙率については、これは該当しない。
(実施例5〜7)
以下の実施例5〜7においては、表5に示す調製内容及び特性を有すること以外は別途示さない限り実施例1〜4と同様なLR6電池が使用された。百分率は、体積に基づく空隙率を除けば重量百分率である。実施例5の比較用電池は、表5に示す以外は、国際特許公報WO01/99214の教示に従って調製された。

Figure 0004377683
実施例5〜7の電池は、上述の4つの放電試験により試験された。結果は表6に要約される。








Figure 0004377683
表6の最初の3つの試験は、かなり低率放電の装置をシミュレートした業界標準間欠試験である。実施例5の電池は、これらの試験では良好に機能する。実施例6の電池は、1A(連続高率放電)試験では実施例5の電池よりも非常に良好に機能したが、より低率の試験ではいくらかの放電機能が犠牲にされている。実施例7の電池は、1A連続放電試験で優れた放電性能をもたらすだけでなく、より低率の試験においても、少なくとも実施例5の電池と同じくらい良好な放電性能を示す。
(実施例8)
実施例7の電池に類似したLR6電池は、高率放電性能に対するA:C比率の影響を更に示している。主要電池パラメータ及び1A連続放電試験による試験の結果は、表7に要約される。全ての電池において、最終KOH濃度は50〜51%であった。
Figure 0004377683
表7の結果は、1A連続放電試験では、アノード効率が25.5%を超えることが全くないことを示している。A:Cが1.15:1よりも小さいと電池放電性能は低下するが、これは、低いA:Cではアノードが制限されるからである。1.15:1から1.25:1のA:C比率を有する実施例8の電池は、実施例5の比較用電池に比べて実質的により良好な1A放電性能をもたらす。
実施例9〜13においては、表8に示す調製内容及び特性を有する以外は別途示さない限り実施例1〜8と同様なLR6電池が使用された。百分率は、体積に基づく空隙率を除けば重量百分率である。
Figure 0004377683
(実施例9)
亜鉛タップ密度及びフレーク含有量の影響が、その他の点では本発明に適合する電池に対して測定された。結果は下記の表9に示されている。全体的なタップ密度は、上述のようにして計算された。各亜鉛タイプのタップ密度は以下の手順を用いて測定されたが、当業者が同様な結果が得られると認識するであろう任意の適切な方法を使用することができる。
・空の5mlメスシリンダを秤量する。
・亜鉛をメスシリンダに加えて再び秤量する。
・ゴム栓を付したメスシリンダを亜鉛が安定なレベルに落ち着くまで軽くたたく。
・メスシリンダの目盛から亜鉛の容積を読取る。
・メスシリンダ内の亜鉛の正味重量を、軽くたたかれた亜鉛の観察された容積で割ることにより亜鉛のタップ密度を判断する。
Figure 0004377683
全体亜鉛タップ密度の低下に伴って、1アンペア連続試験及び1ワット連続試験の両方における性能が向上したことが分る。低減した全体亜鉛タップ密度が、亜鉛粉末及び亜鉛フレークの混合物を使用することによって得られた。この実施例に使用された亜鉛粉末は、ベルギー国ブリュッセル所在のユニオン・ミニーレにより供給されたバリウム−インジウム−アルミニウム合金であり、3.4g/ccのタップ密度を有していた。フレーク亜鉛は、米国オハイオ州コロンバス所在のトランスメット・コーポレーションの製品番号5454.3であり、1.2g/ccのタップ密度を有していた。亜鉛の全重量に基づく5%のフレークレベルに対応する全体タップ密度3.11g/ccにおいて1アンペア連続試験の性能はピークに達したが、1ワット連続試験の性能は、5%を超えて向上を続け、衰えの存在を示さなかった。更に、それらの電池のより高いカソード空隙率を有するものはまた、両試験においてより高い結果を示し、それによってカソード効率を最大化することの重要性が強調された。
(実施例10)
>28%カソード空隙率、及び8重量%フレークを含む亜鉛を含有する71%空隙率のアノードペーストを有し、A:C比率が1.33である電池を用いて、「EMD:C」比率の影響が判断された。亜鉛の全体タップ密度は、2.96g/ccであった。放電試験の結果を下表10に示す。











Figure 0004377683
表10から、電池放電容量は、「EMD:C」比率の増加に伴って一般的に増加する傾向があることが分る。「EMD:C」比率が増加すると、1A連続性能は、予想通りカソード容量の増加に伴って向上する。しかし、1W連続性能は同様の関係を示さず、23〜25:1の「EMD:C」比率でピーク性能を有する。すなわち、1アンペア連続性能が主として容量に依存するのに対して、1ワット連続性能は、容量に対するいくらかの依存を示すが、カソードの導電率が重要な要素であることも示している。
(実施例11)
様々な電池パラメータの変動の影響を下記の表11に示す。各々の場合において、アノード空隙率は71%であった。


























Figure 0004377683
上記の表11は、参照を容易にするために9領域に分割されている。領域1は、1ワット連続使用を意図した電池に関して一般的に好ましい範囲を表す。
カソード空隙率 カソードAh EMD:C A:C比率
領域1 >30% 2.7−2.9 <26 >1.25
領域1からの1つの変更は以下の通りである。
領域2 <30% 2.7−2.9 <26 >1.25
領域3 >30% <2.7 <26 >1.25
領域1からの2つの変更は以下の通りである。
領域4 <30% 2.7−2.9 >26 >1.25
領域5 >30% >2.9 <26 <1.25
領域6 <30% >2.9 <26 >1.25
領域1からの少なくとも3つの変更は以下の通りである。
領域7 <30% >2.9 <26 <1.25
領域8 >30% >2.9 >26 <1.25
領域9 <30% >2.9 >26 <1.25
上述の表11において、連続定電力放電試験に対する最良の結果は、容量、効率、及び導電率の間にちょうど均衡が生じた時に達成されることが分る。これは、容量と効率の均衡のみを必要とする連続定電流放電を意図した電池とは対照的である。何れか1つの成分が最適でない場合は、カソード空隙率が33%の時のように、別のものの僅かな過剰が補償を行うことができることが分る。その空隙率が36%まで上がった時、効率は容量を犠牲にして高くなるが、「EMD:C」比率の増加は、これを部分的にしか補償することができない。
(実施例12)
いくつかのパラメータの変動の影響が、71%のアノード空隙率を有する電池について測定された。結果を下記の表12に示す。
Figure 0004377683
上記の表12は、6領域に分割されている。領域1は、表12に示す試験に対して一般的に好ましい範囲である。
カソード空隙率 カソードAh EMD:C A:C比率
領域1 >28% >2.9 <24 >1.25
領域1からの1つの変更は以下の通りである。
領域2 >28% >2.9 <24 <1.25
領域3 >28% >2.9 >24 >1.25
領域4 >28% <2.9 <24 >1.25
領域1からの2つの変更は以下の通りである。
領域5 >28% >2.9 >24 <1.25
領域6 <28% >2.9 <24 <1.25
最も高い性能は、1W5/3s/7s/1h/1d/1V0間欠放出電力試験に対する>2.9カソードAhと、<24「EMD:C」比率と、>1.25「A:C」比率との組合せに対して得られる。
(実施例13)
この実施例においては、3つの定ワット量試験についてのデータが比較される。各場合において、アノード空隙率は71%であった。3つの試験についてのデータは合計され、28%のカソード空隙率、2.7Ahのカソード容量、1.33の「A:C」比率、69%のアノード空隙率、及び3.40g/ccの亜鉛タップ密度を有して亜鉛フレークを含まない電池に対する目標結果の合計の百分率として表された。結果を下記の表13に示す。
Figure 0004377683
表13は、7領域に分割されている。領域1は、3つの試験の全てに最適な電池に対して一般的に好ましい範囲である。
カソード空隙率 カソードAh EMD:C A:C比率
領域1 28−30% 2.9−3.0 <24 >1.25
領域1からの1つの変更は以下の通りである。
領域2 28−30% 2.9−3.0 <24 <1.25
領域3 28−30% 2.9−3.0 >24 >1.25
領域1からの2つの変更は以下の通りである。
領域4 28−30% 2.9−3.0 <24 <1.25
領域5 >30% <2.9 <24 >1.25
領域1からの少なくとも3つの変更は以下の通りである。
領域6 28−30% >3.0 <24 <1.25
領域7 <28% >3.0 <24 <1.25
より高いカソード空隙率を用いて個々の高い結果が達成できることが分るが、全般的には、28−30%の範囲のカソード空隙率は、24%よりも小さい「EMD:C」比率と、2.96g/ccの全体亜鉛タップ密度と、亜鉛全重量に基づく約8%のフレーク含有量との組合せで、実施例13の3つの定電力試験全てに優れた性能を示す電池を提供する。
(実施例14)
添付の図3には、電池の意図した用途による亜鉛フレークの概略の影響が示されている。このグラフには、最大の放電性能のために必要なフレークとしての重量パーセント亜鉛が、放電の3つの異なるモード[定抵抗(抵抗)、定電流(アンペア数)、及び定電力(ワット量)]に対して、アノード空隙率の関数として示されている。例えば、71%アノード空隙率のレベルにおいては、電池が業界標準(ANSI/IEC)定抵抗型放電試験で表された用途に用いるように意図されている場合、通常1から2%を超えない非常に低いフレークレベルで何らかの利点があるだけである。電池が定電流放出状況で使用するように意図される場合は、最適のフレークレベルは、亜鉛の約4重量%である。これは、3.1g/ccの全体亜鉛タップ密度に対応する。しかし、電池が定電力要件の方式で使用するように意図される場合、約8%のフレークレベル(約2.96の全体亜鉛タップ密度)が最適である。
興味深いことに、アノード空隙率が67%又はその付近を超えない限り、最終的に意図した用途が何であれフレーク添加の利点がないことを図3のグラフは明確に示している。
同様に、図4のグラフは、全体亜鉛タップ密度とアノード空隙率との間の関係を示している。71%アノード空隙率において、全体亜鉛タップ密度は、定抵抗試験に対する性能を犠牲にすることなく、ほとんど3.3g/ccまで高くすることができ、一方、定電流放電に対しては、最良の性能は、約3.1g/ccを超えないタップ密度を用いて得られ、定電力放電に対しては、亜鉛の最大全体タップ密度は、約2.96g/ccである。
本発明の実施形態に従って作製された電池のアノード空隙率に対するアノード効率を示すグラフである。 本発明の実施形態に従って作製された電池のカソード空隙率に対するカソード効率を示すグラフである。 本発明の実施形態に従って作製された電池のアノード空隙率に対する亜鉛フレークの量を示すグラフである。 本発明の実施形態に従って作製された電池の最大の全体亜鉛タップ密度をアノード空隙率の関数として示すグラフである。

Claims (8)

  1. 水性アルカリ電解質、多孔性カソード、及び多孔性アノードを含む電気化学電池であって、
    カソードは、二酸化マンガンを含み、
    前記カソードの空隙率は、26%又はそれよりも高く、
    アノードは、電解質に不溶性の電気化学的活物質を含み、
    前記アノードは、亜鉛を含み、
    前記アノードの空隙率は、69%又はそれよりも高く、
    前記カソード空隙率は、36%を超えず、また前記アノード空隙率は、76%を超えず、
    KOHを含有する電解質を含み、
    前記電解質は、電池を放電させて前記二酸化マンガン内のマンガンをMn+3.0に還元した後に算出されるKOH濃度が約50重量%になるように選択されたKOH濃度を放電前に有する、
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記二酸化マンガン内のマンガンをMn+3.0に還元した後に算出される水酸化カリウムの濃度の最終値は、49.5から51.5%(重量/溶液重量)の間であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記カソード空隙率は、27%又はそれよりも高く、
    前記亜鉛は、算出される全体タップ密度が3.2g/ccよりも小さい亜鉛から成り、 前記亜鉛の算出される全体タップ密度の最大値は、前記アノード空隙率が69%の時に3.19g/ccであり、アノード空隙率が69%を超えて1%増加する毎に0.06g/cc減少することを特徴とする請求項1に記載の電池。
  4. 前記亜鉛の算出される全体タップ密度の最大値は、前記アノード空隙率が69%の時に3.13g/ccであり、アノード空隙率が69%を超えて1%増加する毎に0.085g/cc減少することを特徴とする請求項3に記載の電池。
  5. 前記カソード空隙率は、27%又はそれよりも高く、
    前記亜鉛は、算出される全体タップ密度が3.2g/ccよりも小さい亜鉛から成り、 前記亜鉛の全体タップ密度は、2.83g/cc以上2.96g/cc以下であり、
    前記アノード空隙率は、約71%である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
  6. 前記亜鉛は、約5から11重量%の亜鉛フレーク含量を有し、
    前記アノードは、70から73%の空隙率を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
  7. 前記亜鉛の約8重量%から11重量%は、亜鉛フレークであることを特徴とする請求項6に記載の電池。
  8. 前記アノードの容量の前記カソードの容量に対する比率は、1.15:1から1.25:1の間であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
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