JP4377631B2 - 半透過型液晶表示装置及びそれを備えた電子機器 - Google Patents
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また、反射型の画素電極を用いた液晶表示形態のみでは暗所での使用ができないため、液晶表示装置にバックライトを併設し、反射型液晶表示装置を部分的に透過表示可能な構成とした半透過型の液晶表示装置も広く使用されている。(特許文献1、2参照)
一方、先の基板110に対する側には基板120が設けられ、これらの基板110、120間には液晶層109が挟持されている。基板120の液晶層109側には透明な対向電極(共通電極)121と配向膜123が形成されている。
更に、図14では基板110の裏面側に設けられるバックライトについては記載を略している。
また、図14に示す構成の半透過型液晶表示装置では、両表示領域での液晶層の厚みの差が大きいために、特許文献2に記載されているように半透過型液晶表示装置の上下に設ける偏光板等の光学基板の光学条件を種々設計しても、透過表示領域と反射表示領域の電圧に対する変化を補償することは困難で、即ち、非電圧印加時の光学条件を例え合わせ込んでも、駆動電圧印加時の閾値や飽和電圧等が違いすぎる為、反射表示形態と透過表示形態のときでコントラストが異なってしまう。
なお、半透過型液晶表示装置では透過表示形態と反射表示形態のいずれの場合も基板間に同じ大きさの駆動電圧を印加するのが一般的である。
透過部の液晶層側の面にプレティルト角が大きい配向膜を形成し、前記反射部の液晶層側の面にプレティルト角が小さい配向膜を形成してなる構成とすることで、セルギャップが異なる上記透過部上の液晶層と反射部上の液晶層の電圧印加時の電気光学的閾値を略同じにすることができる。
このような構成とすることで、セルギャップが異なる上記透過部上の液晶層と反射部上の液晶層の電圧印加時の電気光学的閾値を略同じにすることができる。
このような構成とすることで、反射表示形態で光が液晶層を2回通過する際の光路と、透過表示形態で光が1回液晶層を通過する際の光路を均一化することで両表示形態での光路差に起因する表示の色付きやコントラスト、色味のバラツキを防止できる。
かかる構成の電子機器であるならば、透過表示状態での優れた表示と反射表示状態での優れた表示の両方を兼ね備えることができ、外光を利用した反射表示形態の場合とバックライトを点灯した透過表示形態の両方において、いずれも優れた表示状態を得ることができる。
図1乃至図9は本発明に係る半透過型液晶表示装置の第1の実施形態を示すもので、この第1実施形態の半透過型液晶表示装置Aは、図2に示すように、本体である液晶パネル1と、この液晶パネル1の背面側に配されたバックライト4とを備えて構成されている。
液晶パネル1は、図2に示すように、スイッチング素子が形成された側のアクティブマトリクス基板(他方の基板)2と、それに対向して設けられた対向基板(一方の基板)3と、基板2、3の間に保持されている光変調層としての液晶層5とを備えて構成されている。
上記基板本体6上において、画素電極11が形成される領域、TFT10が形成される領域、走査線7及び信号8が形成される領域を、それぞれ画素領域、素子領域、配線領域と呼称することができる。
即ち、走査線7の一部が延出されてゲート電極13が形成され、これを覆ったゲート絶縁膜15上にゲート電極13を平面視で跨るようにアイランド状の半導体層14が形成され、このi型半導体層14の両端側の一方にn型半導体層16を介してソース電極17、他方にn型半導体層16を介してドレイン電極18がそれぞれ形成されている。
半導体層14は、アモルファスシリコン(a−Si)等からなり、ゲート絶縁膜15を介してゲート電極13と対向する領域がチャネル領域として構成される。ソース電17及びドレイン電極18は導電材料からなり、半導体層14上に、チャネル領域を挟むように対向して形成されている。また、ドレイン電極18は列方向に配設される信号線8から個々に延出されて形成されている。
また、基板本体6上には有機材料からなる絶縁膜20が積層され、この絶縁膜20上にAlやAg等の高反射率の金属材料からなる光拡散反射性画素電極(光反射性の画素電極)11が形成されている。
画素電極11は、先の走査線7と信号線8とが囲む矩形状の領域よりも若干小さくなるような平面視矩形状になるように絶縁膜20上に形成され、図4に示すように平面視した場合に上下左右に並ぶ画素電極11どうしが短絡しないように所定の間隔をあけてマトリクス状に配置されている。即ち、これらの画素電極11は、それらの端辺がそれらの下に位置する走査線7及び信号線8に沿うように配置されており、走査線7と信号線8が区画する領域のほぼ全域を画素領域とするように形成されている。なお、この画素領域が液晶パネル1での表示領域に相当する。
各画素領域において、窪部形成部分が基板2側からの入射光(バックライト4から出射された光)を透過する透過部30とされており、画素電極11の非透孔部(透孔23が形成されていない部分)が基板3側からの入射光を反射する反射部35とされている。
コンタクトホール21には導電材料からなる導電部25が形成され、この導通部25を介して、先の画素電極11と、絶縁膜20の下層側に配置されたソース電極17とが電気的に接続されている。従ってソース電極17は画素電極11と透明電極19の両方に電気的に接続されている。
また、製造の容易性から凹部27の直径は5μm〜100μmに設定されている。さらに、凹部27の深さは0.1μm〜3μmの範囲に形成されている。
なお、図4に示す画素電極11の平面形状では図面の簡略化のために画素電極11上の凹部27を略しているが、画素電極11は通常の液晶パネルでは縦100〜200μm程度、横幅30〜90μm程度の大きさであるので、先の凹部27の画素電極11に対する相対的な大きさの一例を図4の1つの画素上に鎖線で示しておく。
これら構成のカラーフィルタ層42は、図7に例示するように、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の波長の光を透過するカラーフィルタ42R、42G、42Bが周期的に配列された構成とされており、各カラーフィルタ42R、42G、42Bは各画素電極11に対向する位置に設けられている。
また、カラーフィルタ層42において、カラーフィルタ42R、42G,42Bが形成されていない領域には、ブラックマトリクス等の遮光層42S、42Tが格子状になるように形成されている。
なお、基板本体41の外面側には図1に示すように偏光板H1、位相差板H2、H3が必要に応じて設けられる。
最も単純な構成としては、例えば、“主鎖型”の配向膜では、ラビングのかかり具合が強いと液晶プレティルト角が小さくなるものがあり、この様な配向膜を用いると実現できる。
また、光ビームとしてレーザー光なども利用可能である。即ち、配向膜材料は有機化合物であり、赤外域の光の吸収を有することから、光エネルギーを制御することにより、配向膜材料からなる膜を部分的に変性することができる。
予めラビング処理された配向膜は、ラビング布パイルによる剪断力によりミクロ的にラビング方向に延伸され、ミクロな結晶領域が配向しているので、レーザービームを選択的に照射することにより、このミクロ配向領域が熱運動で部分的に緩和され照射エネルギーの量に応じて配向力が変化する。
本実施形態では、例えば、透過部30上の配向膜にエネルギーを制御したレーザービームを照射することにより、配向膜の配向規制力(又はプレティルト角)を調整している。そのレーザービームのエネルギーは、セルギャップが実質的に異なっている反射部上の液晶層(反射表示領域の上下の基板間)と透過部上の液晶層(透過表示領域の上下の基板間)とで、電気光学的しきい値等の電圧特性がが略同一になるように制御される必要がある。
図10に示す結果からV10、V50は、セルギャップが大きくなるにつれて増加する傾向があることがわかる。
いずれのセルギャップにおいても、あるプレティルト角の範囲内では、プレティルト角がある大きさになるまでは低下する傾向がある。プレティルト角が同じ大きさの場合、電気光学的閾値はセルギャップが大きい程大きくなっている。
従って反射部35上に設ける反射部配向膜はプレティルト角θrefを小さくなるようように形成すると閾値を上げることができ、透過部30上に設ける透過部配向膜はプレティルト角θperを大きくなるように設定すると閾値を下げることができ、反射部35と透過部30とで電気光学的閾値を略同じ値に設定可能となる。
この閾値の変化と、光学的な条件設定とを併用することにより、反射表示領域と透過表示領域の電気光学的閾値を略同じにでき、反射及び透過モードでの表示視認性を向上できる。この様な効果は、駆動電圧に対する制約条件の多い単純マトリックス型の液晶表示モードでは特に有効である。
なお、上基板側配向膜44、下基板側配向膜29に用いられる材料としては、上記のような有機材料に限らず、無機配向膜であってもよく、その場合、下基板側配向膜29を構成する透過部配向膜29aと反射部配向膜29bは、液晶層5の厚さに応じてプレティルト角が変更されるか、あるいは液晶層5の厚さに応じて液晶との相互作用が異なるものが用いられる。
導光板52は、液晶パネル1の背面側に配置されて光源53から出射された光を液晶パネル1側に照射するものである。図2に示すように光源53から出射される光は端面52aを介して導光板52の内部に導入され、導光板52の出射面52bから液晶パネル1側に出射されるようになっている。
また、導光板52の出射面52bと反対側の面52cには段部を形成することで、光源53から離れるにしたがって漸次厚みが減少するようにされており、すなわち光源53に遠い側の方が光源53に近い側よりも薄くされている。
即ち、基板59の上に有機膜60が形成され、該有機膜60の表面に微小凹部が複数形成され、その上に光反射性を有するAlやAgなどの金属製の反射膜61が形成されてこの反射膜61の表面に複数の微小凹部61dが形成され、先に図5を基に説明した構造と同様に広い角度範囲で明るい拡散反射性能を発揮し得るものである。
このような構成のバックライト4であるならば、光源53からの光を導光板52によって液晶パネル1側に導いて液晶パネル1を裏面側から照明できるとともに、光の進行方向により、導光板52の背面側からの漏れた光を反射膜61で再度効率よく反射させて導光板52側に反射し、導光板52を介して液晶パネル1側に反射できるので、より明るいバックライト4を得ることができる。
また、暗い場所において透過表示形態で使用するには、バックライト4の光源53を点灯し、光源53から導光板52の内部に導かれた光を出射面52bから液晶パネル1側に出射する。ここでバックライト4から液晶パネル1側に出射された光は、窪部22(透過部30)を透過し、さらにこの窪部22に対応して設けられている透孔11aを介して透過し、液晶層5を通過し、基板3側の各層を透過して観察者に至る。これにより透過表示状態を得ることができる。
よって本実施形態の構造を採用するならば、表示状態に応じて色みや色合いの異なる表示状態とはならず、しかも同一画素領域内で透過部30上の液晶層と反射部35上の液晶層の駆動電圧印加時の電圧依存性(光学的閾値、飽和電圧、急峻性等)を略同じに揃えることができるので、透過表示形態と反射表示形態とで表示の視認性が異なるのを改善できるという特徴を有する。
図8はこの例に係る画素電極上の一つの凹部を示す斜視図、図9は該凹部のy方向断面図である。
本変形例に係る凹部70は、先の第1実施形態の液晶パネル1における画素電極11の凹部27の内面の球面形状を一部変形したものであり、画素電極11に所定角度(例えば30°)で入射した光の拡散反射光の輝度分布がその正反射角度を中心として非対称となるように構成されている。
具体的には、本凹部70は曲率の小さい第1曲面と曲率の大きい第2曲面とから構成され、第1曲面及び第2曲面はそれぞれ図9に示すY方向断面において凹部70の一方の周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線A1と、第1曲線A1になだらかに連続して凹部70の最深点Dから他方の周辺部S2に至る第2曲線B1とで示される形状を有している。
この構成の携帯電話機器は、明るい室内や屋外では反射表示形態で使用し、暗い室内や夜間ではバックライトを点灯して透過表示状態で使用することができる。また、先の実施形態の液晶表示装置Aを備えているので、反射表示状態と透過表示状態で色合いや色味が異なることがなく、しかも透過表示形態と反射表示形態とで表示の視認性が異なるのを改善でき、いずれの表示状態でも表示品質の高い液晶表示が得られる。
この構成の携帯型情報端末機器Jは、明るい室内や屋外では反射表示形態で使用し、暗い室内や夜間ではバックライトを点灯して透過表示状態で使用できる。また、先の実施形態の液晶表示装置Aを備えているので、反射表示状態と透過表示状態で色合いや色味が異なることがなく、しかも透過表示形態と反射表示形態とで表示の視認性が異なるのを改善でき、いずれの表示状態でも表示品質の高い液晶表示が得られる。
例えば、上記のTFT10は逆スタガ型の構造に限定されず、正スタガ型のTFTであってもよい。また、スイッチング素子はTFTに限定されず、メタル層間に絶縁層を挟んでなるMIM(Metal Insulator Metal)構造の薄膜ダイオードであってもよい。このMIM構造の場合、対向基板側には短冊状の共通電極が複数形成されるので、共通電極は複数設けられる。
また、カラーフィルタ層42の形成される基板は対向基板3側に限定されず、基板2側にカラーフィルタ層42を設けてもよい。これに伴って、遮光層42Sは基板2と対向基板3のいずれかに形成されることになる。勿論、カラーフィルタ42R、42G、42Bと遮光層42Sとを別々の基板に設けてもよい。
さらに、上述の実施形態では遮光層42Sをストライプ状に形成しているが、カラーフィルタ42R、42G、42Bの周囲を囲むように格子状に形成しても良い。更にまた、画素電極11に形成する透孔23の形状は、長方形状に限らず円形状や楕円状あるいはその他の形状でも差し支えなく、その大きさや個数も特に制限されるものではない。
この単純マトリクス方式の半透過型液晶表示装置としては、対向配置された基板間に液晶が封入され、上記一方の基板の液晶層側の面に複数の透明電極が形成され、これら透明電極の液晶層側の面に配向膜が形成され、上記他方の基板の液晶層側に絶縁膜が形成され、該絶縁膜上に光反射性の電極が複数形成され、上記光反射性の電極の少なくとも一部に透孔が形成され、該透孔の下に位置する上記絶縁膜に窪部が形成され、上記窪部内に上記基板間に存在する液晶が導入され、上記窪部形成部分が上記他方の基板側からの入射光を透過する透過部とされ、上記光透過性の電極の非透孔部が上記一方の基板側からの入射光を反射する反射部とされ、上記透過部上の液晶層厚と上記反射部上の液晶層厚が異なる値とされ、 上記反射部及び透過部の液晶層側の面に配向膜が形成され、上記反射部の液晶層側の面に形成された配向膜と上記透過部の液晶層側の面に形成された配向膜は液晶層の厚さに応じてプレティルト角が変更された構成とすることができる。
Claims (5)
- 対向配置された基板間に液晶が封入され、前記一方の基板の液晶層側の面に共通電極が形成され、さらに該共通電極上に配向膜が形成され、前記他方の基板の液晶層側に複数のスイッチング素子が形成され、これらのスイッチング素子が絶縁膜に覆われ、該絶縁膜上に前記スイッチング素子と電気的に接続された光反射性の画素電極が複数形成される一方、前記画素電極の少なくとも一部に透孔が形成され、該透孔の下に位置する前記絶縁膜に窪部が形成され、該窪部の底部側に少なくとも位置するとともに前記スイッチング素子に電気的に接続された透明電極が、前記基板上に直接位置するように形成され、前記窪部内に前記基板間に存在する液晶が導入され、前記窪部形成部分が前記他方の基板側からの入射光を透過する透過部とされ、前記画素電極の非透孔部が前記一方の基板側からの入射光を反射する反射部とされ、前記透過部上の液晶層厚と前記反射部上の液晶層厚が異なる値とされ、
前記反射部及び透過部の液晶層側の面に配向膜が形成され、前記反射部の液晶層側の面に形成された配向膜と前記透過部の液晶層側の面に形成された配向膜は液晶層の厚さに応じてプレティルト角が変更されてなり、前記透過部上の液晶層厚は前記反射部上の液晶層厚より大きい値とされ、前記透過部の液晶層側の面にプレティルト角が大きい配向膜が形成され、前記反射部の液晶層側の面にプレティルト角が小さい配向膜が形成されてなることを特徴とする半透過型液晶表示装置。 - 対向配置された基板間に液晶が封入され、前記一方の基板の液晶層側の面に複数の透明電極が形成され、これら透明電極の液晶層側の面に配向膜が形成され、前記他方の基板の液晶層側に絶縁膜が形成され、該絶縁膜上に光反射性の電極が複数形成され、前記光反射性の電極の少なくとも一部に透孔が形成され、該透孔の下に位置する前記絶縁膜に窪部が形成され、前記窪部内に前記基板間に存在する液晶が導入され、前記窪部形成部分が前記他方の基板側からの入射光を透過する透過部とされ、前記光透過性の電極の非透孔部が前記一方の基板側からの入射光を反射する反射部とされ、前記透過部上の液晶層厚と前記反射部上の液晶層厚が異なる値とされ、
前記反射部及び透過部の液晶層側の面に配向膜が形成され、前記反射部の液晶層側の面に形成された配向膜と前記透過部の液晶層側の面に形成された配向膜は液晶層の厚さに応じてプレティルト角が変更されてなり、前記透過部上の液晶層厚は前記反射部上の液晶層厚より大きい値とされ、前記透過部の液晶層側の面にプレティルト角が大きい配向膜が形成され、前記反射部の液晶層側の面にプレティルト角が小さい配向膜が形成されてなることを特徴とする半透過型液晶表示装置。 - 前記透過部上の液晶層厚は前記反射部上の液晶層厚より大きい値とされ、前記透過部の液晶層側の面に液晶との相互作用が弱い配向膜が形成され、前記反射部の液晶層側の面に液晶との相互作用が強い配向膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記透過部上の液晶層厚は前記反射部上の液晶層厚の2倍の値とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半透過型液晶表示装置を表示部に備えたことを特徴とする電子機器。
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