JP4377026B2 - 結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の製造方法とそれに用いる触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の製造方法とそれに用いる触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ(2,6−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)は、2,6−ジ置換フェノールの酸化重合によって合成され、高い耐熱性を示すことが広く知られている。例えば、J. Am. Chem. Soc. 81, 6335-6336 (1959)にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)が、Macromolecules, 2, 107-108 (1969) にはポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキサイド)が報告されている。2位および6位に置換基を有するフェノールを用いるのは、J. Polym. Sci. : Part A : Polymer Chemistry, 36, 505-517 (1998) に記載されているように、2つのオルト位のカップリングをブロックするためである。
【0003】
一方、1つのオルト位に置換基のない2,5−ジ置換フェノールの酸化重合としては、Ecletica Quim., 18, 93-100 (1993) に銅/テトラメチルエチレンジアミン触媒を用いる方法、Polymer, 20(8), 995-1002 (1979) に銅/ジメチルピリジン触媒を用いる方法、Chem. Prum., 22(9), 451-454 (1972) に銅/モノアルキルアミン触媒を用いる方法、Polimery, 14(11), 535-538 (1969) には銅/ジアルキルアミン触媒を用いる方法、特公昭47−619号公報にマンガン/アルコキサイド触媒を用いる方法、特公昭50−28999号公報に塩基性銅/ピリジン触媒を用いる方法、特公昭48−20239号公報にマンガン/サリチルアルデヒドイミン触媒を用いる方法が報告されている。
しかし、これらの触媒を用いる方法で得られた重合体は、いったん溶融すると結晶化しないものであった。一般に重合体が溶融後も結晶化する場合には、溶融成形体の耐熱性が結晶融点まで保持されたり、また耐溶剤性が向上したりすることが知られている。したがって、従来触媒で得られた重合体は溶融後に結晶化しないため、本来の耐熱性や耐溶剤性を十分に発現できないという問題があった。この原因は、従来触媒では、オルト位カップリング反応や酸素添加反応などの副反応を十分抑制できず、重合体中に1,4−フェニレンオキサイド構造以外の種々の構造を多く含むためと推定される。
【0004】
本発明者らは、配位原子が窒素である三座配位子と銅原子からなる銅錯体触媒を用いることにより、2,5−ジ置換フェノールから、結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)を合成することに成功している(特願2000−25621号)。本ポリマーは、溶融−冷却後にも高い結晶融点を発現し、耐熱性及び耐溶剤性の高い結晶性ポリマーとして期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の新規な製造方法とそれに用いる触媒を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、以下を提供するものである。
(1)下記一般式(I)で表される2,5−ジ置換フェノールを、(A)銅化合物と、(B)下記一般式(II)で表される単座配位子化合物とからなり、(A)と(B)のモル比が(B)/(A)=0.01〜100である触媒存在下、酸化重合する際に、(i)反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物を用いるか、または(ii)反応溶媒を該2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/mol以下の量で使用するか、から選ばれる少なくとも1つの反応条件を選択し、該2,5−ジ置換フェノールの転化率が50.0〜99.5%に到達するまで重合を行うことを特徴とする結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の製造方法。
【0007】
【化5】
【0008】
(式中、R1は炭化水素基または置換炭化水素基を表し、二つのR1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
【0009】
【化6】
【0010】
(式中、R2は炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R3は炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、置換炭化水素チオ基または置換アミノ基を表し、R4は水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表すが、R2の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有する場合はR4は水素原子ではなく、R2とR3、R3とR4が環を形成してもよい。)
(2)該単座配位子化合物が下記一般式(III)で表わされることを特徴とする(1)項記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の製造方法。
【0011】
【化7】
【0012】
(ただし、R9およびR13はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表すが、両方が水素原子である場合を除く。R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R10〜R12は任意の組合せで環を形成してもよい。)
(3)銅化合物(A)と下記一般式(II)で表される単座配位子化合物(B)とからなり、(A)と(B)のモル比が(B)/(A)=0.01〜100である結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)製造用触媒。
【0013】
【化8】
(式中、R2は炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R3は炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、置換炭化水素チオ基または置換アミノ基を表し、R4は水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表すが、R2の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有する場合はR4は水素原子ではなく、R2とR3、R3とR4が環を形成してもよい。)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の2,5−ジ置換フェノールを表わす上記一般式(I)のR1における炭化水素基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0015】
上記一般式(I)のR1における置換炭化水素基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)アラルキル基、炭素原子数6〜30の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(I)の二つのR1は、炭素原子数1〜30の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、この炭化水素基としては炭素原子数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。メチル基が特に好ましい。
本発明においては、上記一般式(I)で表される2,5−ジ置換フェノールを単独または混合して酸化重合してもよく、下記一般式(IV)で表されるフェノール及び/又は下記一般式(V)で表わされるビスフェノールと混合して酸化重合してもよい。
【0016】
【化9】
【0017】
(式中、R5及びR6は水素原子、炭化水素基または置換炭化水素基を表し、二つのR5及びR6は同一でも異なっていてもよく、二つのR5及び/又は二つのR6が環を形成していてもよい。R7は水素原子、フェノキシ基、炭化水素基または置換炭化水素基である。)
【0018】
【化10】
【0019】
(式中、R5及びR6は上記一般式(IV)のそれらと同じ意味を持ち、全てのR5及びR6は同一でも異なっていてもよく、同じベンゼン環に置換した二つのR5及び/又は二つのR6が環を形成していてもよい。R8は酸素原子、硫黄原子、二価の炭化水素基または二価の置換炭化水素基を表わし、mは1又は0である。)
【0020】
上記一般式(IV)のR5及びR6における炭化水素基としては、二つのR5及び二つのR6が環を形成しない場合、好ましくは、炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは7〜20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(より好ましくは6〜20の)アリール基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、2ーフェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。二つのR4及び/又は二つのR5が環を形成する場合、5〜7員環が好ましく、二つのR4及び/又は二つのR5が−(CH2)3−基、−(CH2)4−基または−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するものであることがより好ましい。
【0021】
上記一般式(IV)のR5及びR6における置換炭化水素基は、二つのR5及び二つのR6が環を形成しない場合、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜30の(より好ましくは1〜20の)アルキル基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは7〜20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(より好ましくは6〜20の)アリール基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。二つのR5及び二つのR6が環を形成する場合、前記の置換基を有する、5〜7員環が好ましく、二つのR5及び二つのR6が前記の置換基を有する、−CH2−O−CH2−基、−(CH2)3−、−(CH2)4−基または−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するものであることがより好ましい。
一般式(IV)のR5及びR6として、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基である。特に好ましくはR5が水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R6が水素原子またはメチル基である。
上記一般式(IV)のR7における炭化水素基または置換炭化水素基の具体例及び好ましい基などは、上記一般式(I)におけるR1におけるそれらと同様である。
上記一般式(IV)のR7は、好ましくは、水素原子、フェノキシ基または炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子、フェノキシ基または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体例としては、水素原子またはフェノキシ基が挙げられる。
【0022】
上記一般式(V)におけるR5及びR6の具体例及び好ましい基などは上記一般式(IV)におけるそれらと同様である。
上記一般式(V)のR8における二価の炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキレン基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)アラルキレン基、または炭素原子数6〜30の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリーレン基が好ましく、具体例としては、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,1−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2−プロピレン基、1,1−ブチレン基、2,2−ブチレン基、3−メチル−2,2−ブチレン基、3,3−ジメチル−2,2−ブチレン基、1,1−ペンチレン基、3,3−ペンチレン基、1,1−へキシレン基、1,1−ヘプチレン基、1,1−オクチレン基、1,1−ノニレン基、1,1−ドデシレン基、1,1−ペンタデシレン基、1,1−オクタデシレン基、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1−フェニル−1,1−エチレン基、9,9−フルオレン基、α,α’−1,4−ジイソプロピルフェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が挙げられる。
【0023】
上記一般式(V)のR8における二価の置換炭化水素基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された、炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキレン基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)アラルキレン基または炭素原子数6〜30の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリーレン基が好ましく、具体例としては、ヘキサフルオロ−2,2−プロピレン基、ペンタフルオロフェニルメチレン基、4−メトキシフェニルメチレン基、4−ジメチルアミノフェニルメチレン基等を挙げることができる。
上記一般式(V)のR8としては、酸素原子または二価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキレン基または炭素原子数7〜20のアラルキレン基がより好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基がさらに好ましい。
上記一般式(I)で表される2,5−ジ置換フェノールと、上記一般式(IV)で表されるフェノール及び/又は上記一般式(V)で表わされるビスフェノールを混合して用いる場合、その混合比は目的のポリマーの物性を損なわない範囲で適宜定められるが、2,5−ジ置換フェノールが全フェノールモノマーに対して、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上である(これらのフェノール類を以下にフェノール性出発原料と呼ぶことがある)。
【0024】
本発明の触媒は、(A)銅化合物と、(B)上記一般式(II)で表される単座配位子化合物とからなり、(A)と(B)のモル比が(B)/(A)=0.01〜100である触媒である。(A)および(B)の二成分は必須であり、いずれか一つでも欠けると重合活性がなくなるので好ましくない。(B)/(A)が100を越える場合は、経済的に好ましくなく、0.01未満の場合は、重合活性が十分でないので好ましくない。(B)/(A)は、好ましくは0.1〜50であり、より好ましくは0.5〜20であり、特に好ましくは1〜4である。
【0025】
本発明の触媒における銅化合物(A)の銅の価数は、0〜3価であり、1または2価が好ましい。
該銅化合物として好ましくは、銅の塩である。具体的には、銅のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、安息香酸塩等が代表例であり、遷移金属のハロゲン化物がより好ましい。かかるハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素等が例示できるが、塩素、臭素がさらに好ましい。該銅化合物として特に好ましくは1または2価の銅の塩化物または臭化物が挙げられる。
本発明の触媒における単座配位子化合物(B)は、上記一般式(II)で表わされる化合物である。
【0026】
上記一般式(II)における炭化水素基としては炭素原子数1〜20のアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記一般式(II)における置換炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭化水素基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシメチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(II)における炭化水素オキシ基としては炭素原子数1〜20のアルコキシ基及びアリールオキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(II)における置換炭化水素オキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例としては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙げられる。
上記一般式(II)における炭化水素チオ基としては炭素原子数1〜20のアルキルチオ基及びアリールチオ基が好ましく、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
上記一般式(II)における置換炭化水素チオ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭化水素チオ基であり、具体例としては、トリフルオロメチルチオ基、2−t−ブチルオキシエチルチオ基、3−ジフェニルアミノプロピルチオ基等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(II)における置換アミノ基としては炭素原子数1〜20の置換アミノ基が好ましく、具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等が挙げられる。
上記一般式(II)におけるハロゲン原子として好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
上記一般式(II)において、R2の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有する場合はR4は水素であってはならない。R2の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有し、かつR4が水素である場合、得られたポリマーが結晶性を示さないので好ましくない。
上記一般式(II)において好ましくは、R2の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有さず、さらにR4が水素原子ではない。
また、R2とR3が環を形成している化合物が入手しやすく、好ましい。
【0028】
上記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−iso−プロピルイミダゾール、2−tert−ブチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、2,5−ジメチルイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、2−エチルベンズイミダゾール、2−n−プロピルベンズイミダゾール、2−iso−プロピルベンズイミダゾール、2−tert−ブチルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2−メチルオキサゾール、2−エチルオキサゾール、2−n−プロピルオキサゾール、2−iso−プロピルオキサゾール、2−tert−ブチルオキサゾール、2−フェニルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、2,5−ジメチルオキサゾール、2−メチルベンズオキサゾール、2−エチルベンズオキサゾール、2−n−プロピルベンズオキサゾール、2−iso−プロピルベンズオキサゾール、2−tert−ブチルベンズオキサゾール、2−フェニルベンズオキサゾール、2−メチルチアゾール、2−エチルチアゾール、2−n−プロピルチアゾール、2−iso−プロピルチアゾール、2−tert−ブチルチアゾール、2−フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、2,5−ジメチルチアゾール、2−メチルベンズチアゾール、2−エチルベンズチアゾール、2−n−プロピルベンズチアゾール、2−iso−プロピルベンズチアゾール、2−tert−ブチルベンズチアゾール、2−フェニルベンズチアゾール、及び上記一般式(III)で表される化合物が挙げられ、上記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【0029】
上記一般式(III)における炭化水素基、置換炭化水素基、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基は、前記一般式(II)についてしたと同様に例示できる。
上記一般式(III)において、R9およびR13はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表すが、両方が水素原子である場合を除く。
【0030】
上記一般式(III)において、R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R10〜R12は任意の組合せで環を形成してもよい。好ましくは、R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子である。
上記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、2−メチルピリジン、2−エチルピリジン、2−n−プロピルピリジン、2−iso−プロピルピリジン、2−フェニルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジ−n−プロピルピリジン、2−メチル−6−iso−プロピルピリジン、2−メチル−6−フェニルピリジン、2−メチルキノリン、2−エチルキノリン、2−n- プロピルキノリン等が挙げられる。
これらのなかでは、2位及び/又は6位が炭化水素基又は置換炭化水素基で置換されたピリジンが好ましく、さらに好ましくは2,6−ジ−n−アルキルピリジンまたは2−n−アルキルピリジンであり、特に好ましくは2,6−ジメチルピリジンまたは2−メチルピリジンである。
【0031】
該単座配位子化合物は1種類でも、2種類以上の混合物でもよい。ただし、上記一般式(III)で表される単座配位子化合物において、R9およびR13の両方がt−ブチル基またはフェニル基である場合には、この単座配位子化合物だけでは上記銅化合物への配位能力が不十分なため、十分活性のある触媒が形成されないため、R9およびR13の両方がt−ブチル基またはフェニル基ではない単座配位子化合物を共存させることが好ましい。その場合、(A)銅化合物と、(B’)上記一般式(III)のR9およびR13の両方がt−ブチル基またはフェニル基ではない単座配位子化合物とのモル比(B’)/(A)は、好ましくは0.1〜50であり、より好ましくは0.5〜10であり、特に好ましくは1〜4である。
【0032】
また、該触媒に一般式(VI)R4−OM(R4は水素原子または炭化水素基を表わし、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムを表わす。)で表わされる塩基性化合物を添加してもよい。
上記一般式(VI)のR4における炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。上記一般式(VI)のR4としては、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。一般式(VI)のMとしては、ナトリウムまたはカリウムが好ましい。
該塩基性化合物の添加量に特に制限はないが、上記銅化合物(A)1molに対して0.25〜4molが好ましく、0.33〜3molがより好ましく、0.5〜2molがより好ましく、1が特に好ましい。
【0033】
該触媒は、該銅化合物と該単座配位子化合物を適当な溶媒中で反応させ、単離・精製した錯体を用いることができるが、該銅化合物と該単座配位子化合物を、酸化重合に用いる反応溶媒中で形成させた錯体をそのまま用いてもよい。
該触媒は任意の量で用いることができるが、一般的にはフェノール性出発原料に対する銅の量として0.001〜50モル%が好ましく、0.01〜10モル%がより好ましい。
本発明の酸化重合反応における酸化剤に特に制限はないが、酸素またはパーオキサイドが好ましい。さらに好ましくは、酸素であり、不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素の使用量は、フェノール性出発原料に対して通常、当量以上大過剰に使用する。
【0034】
本発明の酸化重合における第一の特徴の一つは、反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物を用いるか、または反応溶媒を上記2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/mol以下の量で使用するかのいずれかの反応条件を選択することである。ここでいう比誘電率とは、CRC Handbook of Chemistry and Physics, 76th Edition, 1995-1996, CRC Press, 6-159に記載されるものである。
反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9より大きい有機化合物を用い、かつ、その反応溶媒を該2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/molより多い量で使用した場合、結晶性のポリマーが得られないので好ましくない。
【0035】
反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物を用いる場合には、該溶媒の使用量には制限はない。20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物の具体例としては、CRC Handbook of Chemistry and Physics, 76th Edition, 1995-1996, CRC Press,6-159〜192(20〜25℃における比誘電率)を参考にして、単独としてはヘプタン(1.9)、シクロヘキサン(2.0)、ベンゼン(2.3)、トルエン(2.4)、o-、m-またはp-キシレン(2.3〜2.6)、アニソール(4.3)、クロロベンゼン(5.7)、1,4-ジオキサン(2.2)、テトラヒドロフラン(7.5)、ジメトキシエタン(7.3)、ジクロロメタン(8.9)、クロロホルム(4.8)、酢酸エチル(6.1)等が挙げられる。また、これらの有機溶媒と比誘電率が9より大きい有機溶媒の混合物でも、混合物として20〜25℃における比誘電率が9以下であればよい。好ましくは20〜25℃における比誘電率が1〜6の有機化合物であり、より好ましくは20〜25℃における比誘電率が1.5〜4.0の有機化合物であり、さらに好ましくは20〜25℃における比誘電率が1.8〜3.0の有機化合物である。該反応溶媒の使用量には特に制限はなくが、上記2,5−ジ置換フェノールに対して0.01〜10L/molが好ましく、0.05〜6.0L/molがより好ましく、0.1〜4.0L/molがさらに好ましい。
【0036】
反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9より大きい有機化合物を用いる場合には、その反応溶媒を上記2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/mol以下の量で使用しなければならない。20〜25℃における比誘電率が9より大きい有機化合物の具体例としては、CRC Handbook of Chemistry and Physics, 76th Edition, 1995-1996, CRC Press,6-159〜192(20〜25℃における比誘電率)を参考にして、単独としてはo−ジクロロベンゼン(10)、ベンゾニトリル(25)、ニトロベンゼン(36)、アセトニトリル(37)、シクロヘキサノール(16)、2−プロパノール(20)、エタノール(25)、メタノール(33)、エチレングリコール(41)、シクロヘキサノン(18)、2−ブタノン(19)、アセトン(21)、ニトロメタン(36)、N,N−ジメチルホルムアミド(38)、ジメチルスルホキシド(47)、水(80)等を挙げることができる。これらは単独でも、混合物でも使用できる。20〜25℃における比誘電率が9より大きい有機化合物の中で、反応溶媒として好ましくは芳香族化合物、ニトリル化合物、アルコール化合物、ケトン化合物、ニトロ化合物であり、より好ましくは芳香族化合物、ニトリル化合物、アルコール化合物であり、さらに好ましくは芳香族化合物である。該反応溶媒の使用量は、上記2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/mol以下でなければならず、好ましくは0.01〜4.0L/molが好ましく、0.05〜3.0L/molがより好ましく、0.1〜2.5L/molがさらに好ましい。
酸化重合の反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば特に制限はない。好ましい温度範囲は0℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜150℃である、さらに好ましくは0℃〜100℃である。この反応を省エネルギーという観点から実施する場合には好ましい反応温度は10℃〜60℃である。
【0037】
さらに、本発明の酸化重合における特徴の一つは、上記2,5−ジ置換フェノールの転化率が50.0〜99.5%に到達するまで重合を行うことである。酸化重合を終了する際の該転化率が99.5%より高い場合は、得られるポリマーの結晶性が失われるので好ましくなく、また50.0%より低い場合はポリマーの収率が十分でないため好ましくない。酸化重合を終了する際の該転化率として、好ましくは54.0〜99.0%であり、より好ましくは56.0〜98.0%であり、さらに好ましくは58.0〜97.0%である。
【0038】
本発明で得られるポリマーは、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位をもつポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)であり、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位以外の構造については特に限定はなく、ランダムまたはブロック共重合体でもよい。下記一般式(VII)で表される繰り返し単位の含有量は、目的のポリマーの物性を損なわない範囲で適宜定められるが、全繰り返し単位数に対して、好ましくは80単位%以上であり、より好ましくは90単位%以上であり、さらに好ましくは95単位%以上である。
【0039】
【化11】
【0040】
(式中、R1は上記一般式(I)のそれと同じ意味をもつ。)
本発明で得られるポリマーは結晶性を示す。本発明でいう結晶性とは、溶融後、冷却する際に、150℃以上に5J/g以上の結晶化の発熱ピークを示す、及び/又は溶融物を、冷却後、再び加熱する際に、150℃以上に5J/g以上の結晶融解熱の吸熱ピークを示すことをいう。
【0041】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
(i)分析
モノマーの転化率(Conv.):内部標準物質としてジフェニルエーテルを含む反応混合物15mgをサンプリングし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2gを加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液体クロマトグラフィー(ポンプ:東ソー社製SC8020システム、検出器:東ソー社製PD−8020、検出波長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM、展開溶媒:メタノール/水=68:32よりスタートして38分後に100/0となるよう変化させ、その後50分まで保持)により分析し、ジフェニルエーテルを内部標準物質として定量した。
【0043】
ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。Polymer Laboratories社製PL-GPC210システムにより、Polymer Laboratories社製Plgel 10um MIXED-B 3本をカラムとして、o-ジクロロベンゼン(oDCBと略す。)を展開溶媒(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)として、140℃で行った。
【0044】
ポリマーの溶融後の結晶化温度(Tc)、結晶化熱量(Hc)及び融解温度(Tm)、融解熱量(Hm):示差走査熱量分析(MAC SCIENCE 社DSC3200S)をアルゴン雰囲気下で実施した。まず、10℃/minで室温から350℃まで昇温し、5分保温後、10℃/minで350℃から室温まで冷却したとき、150℃以上で5J/g以上の発熱ピークを示す場合、そのピークトップ温度を結晶化温度(Tc)とし、そのピーク面積を結晶化熱量(Hc)とした。次に、再度10℃/minで室温から350℃以上まで昇温したとき、150℃以上で5J/g以上の吸熱ピークを示す場合、そのピークトップ温度を融解温度(Tm)とし、そのピーク面積を融解熱量(Hm)とした。結晶化または融解のピークが見られない場合はN.D.とした。
【0045】
(ii)酸化重合
実施例1
電磁撹拌機を備えた25ml容二つ口丸底フラスコに、酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、CuCl0.06mmolを入れ、2,5-ジメチルフェノール1.2mmolと、2,6-ジメチルピリジン(Me2Pyとする。)0.18mmolをトルエン6mLに溶解したものを加えた。これを40℃に保温し、激しく撹拌した。27時間後(2,5-ジメチルフェノールの転化率は99.4%であった。)、濃塩酸数滴を加えて酸性にし、メタノール25mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した後、重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示す。
なお、得られた重合体のIRスペクトルが、日本化学会第76春季年会講演予稿集II-1305、講演番号3H102(1999)で報告したポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)のIRスペクトルと同様であることを確認している。
【0046】
実施例2〜7および比較例1〜3
触媒(2,5-ジメチルフェノールは1.2mmol、銅化合物は0.06mmolとした。)、反応溶媒、反応溶媒使用量、反応終了時の2,5-ジメチルフェノールの転化率を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、重合体を得た。これらの重合体の分析結果を表1に示す。なお、MePyは2-メチルピリジンを表わす。
【0047】
比較例4
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、CuClを二日間空気中に放置した塩基性銅塩(bsc.CuClと略す。)40mgと、ピリジン(Pyと略す。)710mgを入れ、2,5−ジメチルフェノール1.2mmolをニトロベンゼン2mlに溶解したものを加えた。これを30℃に保温し、激しく撹拌した。8時間後(2,5-ジメチルフェノールの転化率は98.7%であった。)、実施例1と同様に後処理し、メタノール不溶部として重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
a)モノマー1molあたりの溶媒使用量(ml)。b)CuClに対して2,6−ジフェニルピリジン10倍モル量添加。c)CuCl2に対して、カリウムtert−ブトキサイド等モル量、2,6−ジフェニルピリジン10倍モル量添加。d)不溶部があったため、可溶部のみ測定した。ただし、本重合体は165℃ではoDCBに完全に溶解した。e)不溶部があったため、可溶部のみ測定した。
【0050】
比較例1から、反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下であるトルエンを用いた場合でも、重合反応終了時の2,5−ジメチルフェノールの転化率が99.5%を超えると、得られたポリマーのTcおよびTmが観測されず、結晶性が失われた。また、比較例2および3に示すように、反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9より大きいo−ジクロロベンゼンおよびニトロベンゼンを用い、かつ、それらの使用量が2,5−ジメチルフェノールに対して4.0L/molより多い場合(Polymer, 20(8),995-1002(1979))には、結晶性ポリマーが得られなかった。なお、比較例4に示す単座配位子化合物としてピリジンからなる触媒(特公昭50−28999号公報記載)でも結晶性ポリマーが得られなかった。
実施例1〜7に示すように、銅化合物と上記一般式(I)で表される単座配位子化合物からる触媒存在下、反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物を用いるか、または反応溶媒を2,5−ジメチルフェノールに対して4.0L/mol以下の量で使用するかのいずれかであり、重合終了時の2,5−ジメチルフェノールの転化率が50.0〜99.5%である場合にのみ、得られたポリマーのTcおよびTmが観測され、結晶性が発現されることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、(A)銅化合物と(B)単座配位子化合物からなる、安価な銅錯体触媒で結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)を製造することができ、大きな経済効果が期待できる。
Claims (3)
- 下記一般式(I)で表される2,5−ジ置換フェノールを、(A)銅化合物と、(B)下記一般式(II)で表される単座配位子化合物とからなり、(A)と(B)のモル比が(B)/(A)=0.01〜100である触媒存在下、酸化重合する際に、(i)反応溶媒として20〜25℃における比誘電率が9以下である有機化合物を用いるか、または(ii)反応溶媒を該2,5−ジ置換フェノールに対して4.0L/mol以下の量で使用するか、から選ばれる少なくとも1つの反応条件を選択し、該2,5−ジ置換フェノールの転化率が50.0〜99.5%に到達するまで重合を行うことを特徴とする結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)の製造方法。
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