JP4376112B2 - 縮径保持されたステント - Google Patents
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(1)二重に折り曲げた曲げ部Aを有する線材を縮径させたステントの外周に1巻きし、ステント外周に巻かれた主部の動端側線材を二重に折り曲げて、曲げ部Aの輪に通す、
(2)曲げ部の輪を通した動端側線材を二重に折り曲げて曲げ部Bを作成し、この曲げ部Bを有する二重に折り曲げた動端側線材を上記(1)の線材と同じ巻き方向に縮径させたステントの外周に1巻きし、ステント外周に巻かれた主部の動端側線材を二重に折り曲げて、曲げ部Bの輪に通す、
さらに上記(2)を1回以上繰り返すと共に、前記線材の曲げ部の輪に通す部分をステントの長さ方向に沿って直線状に配置し、動端側線材を静端側線材の前記線材の曲げ部の輪に通す部分に沿って直線状に設けることにより縮径保持されていることを特徴とする縮径保持されたステントを提供することである。
本発明のステントにおいては、縮径されたステントの先端部又は先端部近傍から先端部の反対側の基端部又は基端部近傍まで、上記(1)と、上記(2)を1回以上又は複数回繰り返すことにより、縮径保持されていることが好ましい。
本発明のステントにおいては、ステントの先端部又は先端部近傍における線材の保持間隔が狭いことが好ましい。
本発明のステントにおいては、上記(1)及び(2)において、ステント外周に巻かれた主部の動端側線材を二重に折り曲げている線材と、曲げ部Bとの交差部分が、ステントの長さ方向に対し、直線状になっていることが好ましい。
本発明の保持方法を用いることにより、縮径が簡便かつ確実に、効率的に行なうことができる。
本発明の保持方法により縮径保持されたステントは、動端側線材を引くことにより容易に拡張できる。
本発明の保持方法により、曲げ部を通した動端側の線材は、ステント外周に巻かれた静端側の線材の内側にくるため、動端側線材の端部を引く場合、抵抗をあまりうけることなく引くことが出来る。
本発明では、以下に説明する図は、本発明の一例であり、図面に記載の形状に限定されず、以下に記載の図と以下に記載の内容、以下に記載の内容を以下に記載の図に、及び以下に記載の図を以下に記載の内容とを組み合わせることができる。
図1(a)は、二重に折り曲げた曲げ部3を有する線材2を、縮径させたステント1の外周に1巻きさせている模式図である。ステントの外周に1巻されている線材の各部は、主部4、静端側線材6、動端側線材5、曲げ部3、曲げ部の輪7としている。
図1(b)は、ステント外周に巻かれた線材の主部4で動端側線材5を二重に折り曲げて曲げ部10を作成し、その動端側線材の曲げ部10を曲げ部3の輪7に通している模式図である。通過部12は、動端側線材5を二重に折り曲げて作成の曲げ部10を、曲げ部3の輪7を通過している線材であり、先端部分が曲げ部10である。
図1(c)は、図1(b)の通過部12の動端側線材5を引くことにより、通過部の長さを長くし通過部12aとしている模式図である。通過部12では、静端側線材を引かない。通過部12aの曲げ部10をさらに図1(a)の線材2の巻きつけ方向と同じ方向に1巻きさせ、通過部12aの主部の動端側線材を二重に折り曲げて新たに曲げ部Cを作成し、その曲げ部Cを通過部12aの曲げ部10の輪に通すこと、さらに図1(b)及び図1(c)を1回以上又は複数回繰り返すころにより、縮径されたステントを縮径保持させることができる。
図1(c)の曲げ部3の線材と通過部12aの静端側線材との交差部13は、曲げ部3の線材と通過部12aの静端側線材とは掛け結びの状態で交差している。
ステントの外周に1巻きしている線材の主部の動端側線材を二重に折り曲げて曲げ部を作成し、その動端側線材の曲げ部を1巻きしている線材の曲げ部の輪に通す部分14a、14b、14cをステントの長さ方向に直線状に配置することにより、動端側線材はステントの長さ方向に、線材の曲げ部の輪に通す部分14a、14b、14cに沿って、直線状に設けることができる。直線状に設けられる動端側線材は、ステントを拡張させる場合に、抵抗が小さく、容易に拡張操作を行うことが出来る。
また、動端側線材5は、静端側線材6の下に設けられるために、屈曲した状態でもステント拡張時に動端側の端部を容易に引くことができる。
図4(a)は、二重に折り曲げた曲げ部3を有する線材2を、縮径させたステント1の外周に1巻きさせている模式図である。ステントの外周に1巻されている線材の各部は、主部4、静端側線材6、動端側線材5、曲げ部3、曲げ部の輪7としている。
図4(b)は、ステント外周に巻かれた線材の主部4で、静端側線材6の下を線材2の曲げ部3をくぐらせ、その後、動端側線材5を二重に折り曲げて曲げ部10を作成し、その曲げ部10を曲げ部3の輪7に通している模式図である。通過部16は、動端側線材5の曲げ部3の輪7を通過している部分であり、先端部分が曲げ部10である。
図4(c)は、図4(b)の通過部16の動端側線材5を引くことにより、通過部16の長さを長くし通過部16aとしている模式図である。通過部16aの曲げ部10をさらに図4(a)の線材2の巻きつけ方向と同じ方向に1巻きさせ、通過部16aの主部の動端側線材を二重に折り曲げて新たに曲げ部を作成し、通過部16aの曲げ部10の輪に通すこと、さらに図4(b)及び図4(c)を1回以上又は複数回繰り返すことにより、縮径されたステントを縮径保持させることができる。
図4(c)の曲げ部3の線材と通過部16aの静端側線材との交差部13aは、曲げ部3の線材と通過部16aの静端側線材とは掛け結びの状態で交差している。
ステントの外周に1巻きしている線材の主部の動端側線材を二重に折り曲げて曲げ部を作成し、その動端側線材の曲げ部を1巻きしている線材の曲げ部の輪に通す部分18a、18b、18cをステントの長さ方向に直線状に配置することにより、動端側線材はステントの長さ方向に、線材の曲げ部の輪に通す部分18a、18b、18cに沿って、直線状に設けることができる。直線状に設けられる動端側線材は、ステントを拡張させる場合に、抵抗が小さく、容易に拡張操作を行うことが出来る。
また、動端側線材5は、静端側線材6の下に設けられるために、屈曲した状態でもステント拡張時に動端側の端部を容易に引くことができる。
線材の曲げ部と静端側線材との交差部27a,27b,27c,27d,27e,27fは、曲げ部と静端側線材とは掛け結びの状態で交差している。交差部27a,27b,27c,27d,27e,27fは、ステントの長さ方向に直線状に設けることが好ましい。交差部を直線状に設けることにより、動端側線材が直線状になり、動端側線材の端部を引く抵抗が小さくなるために好ましい。交差部の間隔は、ステントの先端側から基端側まで、ほぼ等間隔に結ばれている。
図7は、動端側線材の端部24aを矢印29方向にひくことにより、ステントの先端側の一部が拡張している模式図である。
動端側線材の端部24aを矢印29方向に引くことにより、ステント先端側の線材の交差部27fが最初に解くことができ、さらに交差部27eを解くことにより、先端側よりステントを拡張させることが出来る。さらに交差部27d、27c、27b、27aの順に線材を解くことにより、先端側よりステントを拡張させることができる。
ステントの拡張部30aとし、ステントの拡張し始めている部分30bとし、縮径されている部分30cとしている。
線材の曲げ部と静端側線材との交差部37a,37b,37c,37d,37e,37f,38gは、曲げ部と静端側線材とは掛け結びの状態で交差している。
交差部の間隔は、ステントの先端側に密な部分を、その他が基端側まで、ほぼ等間隔に結ばれている。
交差部の間隔は、ステントの先端側に密な部分を設けることにより先端側の交差部37gと線材の曲げ部38の解けの防止性が向上する。
動端側線材34の端部34aを矢印39方向に引くことにより、図7と同様にしてステントを拡張させることが出来る。交差部37a,37b,37c,37d,37e,37f,38gは、ステントの長さ方向に直線状に設けることが好ましい。交差部を直線状に設けることにより、動端側線材が直線状になり、動端側線材の端部を引く抵抗が小さくなるために好ましい。
線材の曲げ部と静端側線材との交差部47a,47b,47c,47d,47e,47f,47gは、曲げ部と静端側線材とは掛け結びの状態で交差している。交差部47a,47b,47c,47d,47e,47f,47gは、ステントの長さ方向に直線状に設けることが好ましい。交差部を直線状に設けることにより、動端側線材が直線状になり、動端側線材の端部を引く抵抗が小さくなるために好ましい。交差部の間隔は、ステントの先端側から基端側まで、ほぼ等間隔に結ばれている。
線材の曲げ部48の輪に、新たな線材46を通している。曲げ部48の輪に線材46を通すことにより交差部47gの解けを防止させることができる。
線材46は、静端側線材45の下側に設けられている。
ステント42を拡張させる場合、線材46を矢印49bの方向に引き抜き、次に動端側線材の端部44aを矢印49aの方向に引くことにより、ステントの先端側より順次拡張させることが出来る。
ステントとしては、ジグザグ状の線材からなる筒状構造体、1又は複数の線材の編物、織物又は組物、或いはこれらを複数組み合わせた筒状の構造体、金属製の筒状の構造体をレーザー加工などで加工した筒状構造体などを用いることが出来る。
ステントは自己拡張型のステントが好ましい。
ステントに用いる線材及び金属製の筒状の構造体の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金を好ましく用いることが出来る。
ステントに用いる線材の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
ステントに用いる金属製の筒状の構造体の厚さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
筒状カバーは、ステントの外周、内周、又は外周と内周の両側、好ましくは外周、内周、又は外周と内周の両側の全面に設けることが出来る。
筒状カバーは、ステントの縮径形状及び拡張形状に追従可能なものであり、柔らかいチューブ、織物、編物などが好ましい。
また筒状カバーは、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
筒状カバーは、継ぎ目のない筒状の構造体であることが好ましい。
筒状カバーは、公知の人工血管などを用いることが出来る。
特に筒状カバーの材質は、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂及びこれらの樹脂繊維を好ましく用いることができる。
筒状カバーの壁厚は、ステントの使用を損なわないものであれば特に制限なく用いることが出来るが、30〜2000μmであることが好ましい。
筒状カバーは、ステントと、1又は複数の部分で固定されていてもよい。
線材に用いる素材としては、上記の筒状カバー、筒状カバーを構成する樹脂繊維、ステントを構成する線材などの合成樹脂や金属などを用いることが出来る。
線材は、モノフィラメント、マルチフィラメント及び/又は樹脂繊維など、さらにこれらの織物、編物、組み物、複数束ねたものなどを用いることができる。
特に線材の材質は、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂及びこれらの樹脂繊維を好ましく用いることができる。
カバーは、筒状、袋状などステントの外周の一部又は全部を覆うものを用いることが出来る。
カバーは、厚みの薄いものが好ましく、厚みが好ましくは1000μ以下、さらに好ましくは600μm以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下のものを用いることが、屈曲の追従性などに優れるために好ましい。
特にカバーの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエテレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を用いることが出来る。
特にカバーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィンを用いることにより、屈曲の追従性、表面の平滑性、生体に対しての安全性が高いために好ましい。
カバーは透明や不透明などどのようなものでも用いることが出来るが、特に透明なカバーは視認性に優れるために好ましい。
本発明の縮径保持されたステントの内側にシースを設けることが出来る。
2.23,33,43:線材、
3,10,28,38,48:線材の曲げ部、
4:ステントの外周に巻かれた線材の主部、
5,24,34,44:動端側線材、
6,25,35,45:静端側線材、
7:線材の曲げ部の輪、
11,17,21,31,41:縮径保持されたステント、
12,16:動端側線材の曲げ部の通過部、
14a,14b,14c,18a,18b,18c:交差部、
61:カバー付き縮径保持されたステント、
62:カバー。
Claims (3)
- 線材を用いて縮径させたステントであって、
(1)二重に折り曲げた曲げ部Aを有する線材を縮径させたステントの外周に1巻きし、ステント外周に巻かれた主部の動端側線材を二重に折り曲げて、曲げ部Aの輪に通す、
(2)曲げ部の輪を通した動端側線材を二重に折り曲げて曲げ部Bを作成し、この曲げ部Bを有する二重に折り曲げた動端側線材を上記(1)の線材と同じ巻き方向に縮径させたステントの外周に1巻きし、ステント外周に巻かれた主部の動端側線材を二重に折り曲げて、曲げ部Bの輪に通す、
さらに上記(2)を1回以上繰り返すと共に、前記線材の曲げ部の輪に通す部分をステントの長さ方向に沿って直線状に配置し、動端側線材を静端側線材の前記線材の曲げ部の輪に通す部分に沿って直線状に設けることにより縮径保持されていることを特徴とする縮径保持されたステント。 - 縮径保持されたステントの外周に、さらにカバーを設けることを特徴とする請求項1に記載の縮径保持されたステント。
- 二重に折り曲げた曲げ部Aを有する線材の動端側線材の端部又は端部近傍を引くことにより拡張可能とされている請求項1又は2に記載の縮径保持されたステント。
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