JP4375586B2 - 土質系無機材料の製造方法および使用方法 - Google Patents

土質系無機材料の製造方法および使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設汚泥、浚渫泥などの泥土(含水量の多寡により、泥水状のもの、泥土状のもの等あるが、それらを含め、ここでは「泥土」と記す)を処理して、土木建材用、植生緑化用等に利用できる土質系無機材料を製造する方法、およびその土質系無機材料を使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの掘削工事、ビル工事等に伴い水分を含んだ多量の建設汚泥が発生し、また、港湾工事や湖沼の底土の浚渫等ではやはり水分を含んだ多量の浚渫泥が排出される。その発生量は、年間千数百万トンに及ぶ。
【0003】
これらの泥土の殆どは、粒径が数十μmの水分を多量に含んだ微細粒であるため、ダンプ車に山積みできず、また、人がその上を歩くこともできない難処理物となっている。したがって、そのままでは再利用することができず、従来、そのほとんどが産業廃棄物の汚泥として埋立処分されてきた。しかしながら、わずかではあるが再生利用もなされており、特に近年、これら泥土の再生利用技術の開発が各方面で積極的に進められつつある。
【0004】
例えば、建設汚泥については、再生利用のための技術的な指針が建設省でまとめられており、土砂分離、脱水処理、安定処理等についての技術的な標準が示されており、泥土をある程度脱水して得た脱水ケーキを埋戻し材に適用したり、改良材により安定化させて盛土に適用する方法等が検討されている。脱水処理方法として、遠心濾過(スクリューデカンタ)、加圧濾過(フィルタープレス)、加圧絞り濾過(ロールプレス)、さらには高圧薄層脱水等種々の方式のものが適用し得る技術としてあげられている。
【0005】
前記の安定処理は改良材を混合して建設汚泥の性状を化学的に改良する処理で、改良材には、セメントおよびセメント系改良材、石灰(生石灰、消石灰)および石灰系改良材等が適用されている。
【0006】
浚渫土についても、原泥槽で固形分が沈降分離され、この沈降した泥状物がポンプで抜き出されて脱水助剤が加えられた後、濃縮、脱水され、残土として利用ないしは埋立処分されている。脱水ケーキに固化剤が添加され、覆土として利用される場合もある。なお、上記の濃縮および脱水等の工程で排出される処理水は凝集沈澱、中和等の処理が施された後、放流される。
【0007】
その他、湖沼の環境浄化の必要性から行われる浚渫においては、長期にわたって借用した広大な農地に浚渫泥を排出し、数年をかけて自然乾燥する方法も採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術において、泥土の脱水処理で用いられるスクリューデカンタやフィルタープレスによる脱水、ロールプレス脱水、高圧薄層脱水等では、脱水時に泥土が固まり、粉末状にはならないので、安定処理を行う際の改良材との均一混合が困難である。したがって、前記の改良材を混合して汚泥の性状を改良する処理によって得られる再生資材の性能(強度)が低く、性能を高めようとすると改良剤を大量に添加しなければならず、コスト高になる。また、得られる再生土壌の強度自体にも限界があって、埋戻し、盛土程度にしか使用できず、より付加価値の高い素材を提供するには至っていない。
【0009】
さらに、従来の方法で固化した材料では、使用中に水が浸透することによりセメントおよびセメント系改良材、石灰(生石灰、消石灰)および石灰系改良材等に含まれるカルシウム等のアルカリ成分が水中に溶出するので、周囲がアルカリ性になる。例えば、pHが12程度にまで上昇し、pH10以下、望ましくはpH6.5〜8.5の状態が必要とされる農作物、樹林、草花等の育成に悪影響を及ぼし、枯死させる場合も多いという問題がある。
【0010】
本発明は、建設汚泥、浚渫泥などの泥土の再生利用を積極的に進めるための技術の一環として、これら泥土を処理し、強度が高く、かつアルカリ溶出の少ない(低アルカリ溶出の)土木建材用、植生緑化用等に広く利用できる土質系無機材料を製造する方法、およびその使用方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、建設汚泥、浚渫泥などの多量の水分を含有する泥土を処理するにあたり、泥土の事前処理について種々検討を重ねた。その結果、泥土に、凝集粒が少なく、泥土の粒子が分散した状態になるように乾燥処理を施し、さらに、固化材(ここでは、改良材と称されるものも含む)、あるいは透水性やpHの調整等の機能を付与するための添加材等と混合した後、衝撃力等の機械的エネルギーを与えることにより、得られる製品(土質系無機材料)の性能(例えば、強度)を著しく向上させ得ることを見いだした。
【0012】
物質に機械的エネルギーを加えることによりその物質の物理的化学的性質を変化させ、あるいは化学反応を起こさせることが可能で、一般にメカノケミカル反応として知られている。メカノケミカル反応によって合成反応や分解反応を起こさせることも可能で、例えば、複数の金属粉末を混合した後、機械的エネルギーを加えて合金を合成する方法はメカニカルアロイングと呼ばれ、実用化もされている。また、アルミナを含む鉱物にカルシウムを含有する無機材料を混合して水硬性物質を得る方法についての発明がなされている(例えば特開平8−91831号公報参照)。
【0013】
本発明は、このメカノケミカル反応を泥土の処理(泥土と固化材その他の添加材との反応)に応用したもので、その要旨は、下記(1)の土質系無機材料の製造方法、および(2)のその使用方法にある。
【0014】
(1)泥土を分散状態に乾燥し、これに水和物を生成する無機粉末を混合し、この混合物に機械的エネルギーを加える土質系無機材料の製造方法。
【0015】
(2)上記(1)に記載の方法により製造した土質系無機材料に水を加えて固化する土質系無機材料の使用方法。
【0016】
泥土は、シルトまたは粘土の粉末を主体とするものであってもよい。
【0017】
水和物を生成する無機粉末として、セメント(例えば、ポルトランドセメント)、または石灰石粉末、または石灰石粉末に石膏粉末が混合されたもの、を主成分とするもの、ならびに、高炉水砕スラグ微粉末を主成分とするもの、または、高炉水砕スラグ微粉末と石膏粉末および石灰石粉末を主成分とするものを用いることができる。
【0018】
機械的エネルギーは、圧縮、衝撃、摩擦およびせん断のうちのいずれかまたは二つ以上の組み合わせによるものであればよい。
【0019】
ここで、「泥土」とは、前述したように、トンネルの掘削工事やビル工事等の建設工事(浚渫を除く)に伴い発生する水分の多い建設汚泥、港湾工事や湖沼の底土の浚渫に伴い発生する浚渫泥、その他の泥土状無機質粉をいう。さらに、特定の地域で発生する土(例えば、沖縄県の「赤土」等)も「泥土」に含める。取り扱いの際、水を加えることにより建設汚泥や浚渫泥に類する性状を示すからである。
【0020】
「シルトまたは粘土」とは、泥土から比較的粒度の粗い礫、砂が除去されたもので、その殆どが粒径75μm以下の泥土をいう。なお、5μmを超え75μmまでがシルト、5μm以下が粘土である。また、75μmを超え2mmまでが砂であり、2mmを超えるものが礫と呼ばれている。
【0021】
また、「泥土を分散状態に乾燥する」とは、泥土の粒子が凝集せず、分散した状態になるように乾燥処理を施すことをいう。具体的には、後述する乾燥方法(パルスジェットエンジン、スプレードライヤーまたは媒体流動層方式のドライヤー)により、水分含有量を70重量%(以下、「%」は「重量%」を意味する)以下に乾燥することをいう。なお、泥土は、比較的粒度の粗い礫、砂を除けばもともと微細な粒子から構成されており、泥土を分散状態に乾燥することによって微細粒の泥土とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の土質系無機材料の製造方法(以下、「本発明方法」ともいう)、およびその材料の使用方法を詳細に説明する。
【0023】
まず、分散状態に乾燥した泥土をベース材として準備する。
【0024】
乾燥処理の方法は特に限定されない。しかし、前述したように、従来、泥土の脱水処理で用いられているスクリューデカンタやフィルタープレスによる脱水、ロールプレス脱水、高圧薄層脱水等では、脱水時に泥土が固まり、分散状態に乾燥することができず、粉末状の泥土は得られない。
【0025】
推奨される方法の一つは、スラリー状の泥土の流れに衝撃波を伴う熱風を吹き付けて水分を蒸発させる方法で、例えば、パルスジェットエンジンを備えた乾燥装置により実施することができる。この方法によれば、水分の蒸発が著しく促進されるので、脱水工程を経ることなく多量の水分を含有する泥土を、粒子が分散した状態で乾燥して、直接微細粒の泥土粉末にすることができる。
【0026】
なお、この方法を実施するにあたっては、泥土に、それに含まれる土粒子の平均粒径および形状に応じて、泥土の含水比を適正含水比(すなわち、泥土中での土粒子の分散状態が良好で、支障なく円滑に乾燥処理に供することができる含水比で、あらかじめ求めておく)の範囲内に入るように調整する前処理を施す。
【0027】
次いで、この含水比を調整した泥土の流れに衝撃波を伴う熱風を吹き付ける。泥土の流れを作るには、例えば、断面が円形または楕円形のノズルからスラリー状の泥土を連続的に流せばよい。ノズルを複数本使用してもよいし、スリット状のノズルを用いて薄い帯状の流れとしてもよい。
【0028】
泥土の流れに衝撃波を伴う熱風を吹き付けることによってスラリー状の泥土は吹き飛ばされ、同時に衝撃波の作用によってスラリー中の水と土粒子がそれぞれ細かく分散され、土粒子の内部の水分(液体)が粒子の表面に滲み出すとともに衝撃波により飛ばされ、しかも高温の気流中にあるので速やかに蒸発する。衝撃波を伴う熱風の発生装置としてパルスジェットエンジンを用い、泥土を含むスラリーをこのパルスジェットエンジンの排気中に供給してやればよい。
【0029】
また、スプレードライヤー、または媒体流動層方式のドライヤーを備えた乾燥装置により水分を蒸発させる方法を用いてもよい。
【0030】
スプレードライヤーでは、スラリー状の泥土が霧状で噴出され、そこに熱風が吹き付けられ、その熱で泥土が乾燥される。また、媒体流動層方式のドライヤーでは、流動層内に媒体(ボール)が存在しており、供給されたスラリー状の泥土はボールによる解砕作用を受けつつ熱風が有する熱で乾燥される。いずれの場合も、スラリー状の泥土を、直接、粒子が分散した状態の泥土粉末にすることができる。
【0031】
泥土粉末の水分は、70%以下とする。水分が70%を超えると、泥土が粘着性を有するようになって分散状態にならず、また、後述する水和反応に最適な水分量への調整が困難となる。好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。
【0032】
泥土は、シルトまたは粘土を主体とするものであってもよい。泥土から分離された砂や礫は土木・建設材料として有効利用しやすく、現在でも篩等で分級した後、比較的よく利用されているが、分離後に残ったシルトや粘土は再利用しにくく、廃棄処分されているので、泥土がシルトまたは粘土を主体とするものであれば、泥土の再生利用を促進する上での重要性は特に大きい。なお、「シルトや粘土を主体とするもの」とは、シルトや粘土が50%以上含まれる泥土をいう。
【0033】
このようにして得られる分散状態に乾燥したベース材としての泥土に、水和物を生成する無機粉末を混合する。
【0034】
水和物を生成する無機粉末は、微細粒の泥土に添加し、水を加えて混合することによって、水と反応して水和物を生成し、泥土を固化する機能を有しており、前記のように、セメント、または石灰石粉末、または石灰石粉末に石膏粉末が混合されたもの、を主成分とするものが使用できる。これらの無機粉末は従来から泥土の固化に使用されているものであるが、本発明方法に用いると、従来の固化方法に用いた場合に比べ著しい効果が認められる。
【0035】
また、水和物を生成する無機粉末として、高炉水砕スラグ微粉末を主成分とするもの、または、高炉水砕スラグ微粉末と石膏粉末および石灰石粉末を主成分とするものを使用するのが望ましい。
【0036】
高炉水砕スラグ微粉末は優れた水硬性を有しており、長期強度が高い。また、ポルトランドセメントは、石灰石、粘土、珪石等の原料を微粉砕し、焼成して水硬性を有する鉱物相(珪酸カルシウム等)とした後、再度微粉砕したものであるのに対し、高炉水砕スラグ微粉末は銑鉄製造時に生成する副産物である溶融状態の高炉スラグを水砕処理し、得られる水砕スラグを微粉砕したもので、ポルトランドセメントなどに比べ著しく安価だからである。
【0037】
高炉水砕スラグ微粉末を単独で固化材として用いてもよいし、それを主成分として、すなわち、少なくとも50%は高炉水砕スラグ粉末とし、他に石膏(二水石膏)や石灰(生石灰)の粉末を混合したものでもよい。排煙脱硫設備から排出される二水石膏や、石灰焼成キルンからダストとして排出される石灰粉が使用できるので、安価で、強度も高く、望ましい固化材である。
【0038】
用いる固化材、および土質系無機材料への混合量は、得られる土質系無機材料の用途に応じて適宜定めればよい。
【0039】
なお、上記の固化材に加え、中和材および通気材のうちの少なくとも1種を添加してもよい。後述するように、本発明の土質系無機材料はアルカリの溶出が少ないが、中和材(例えば、酸性土壌、乾燥した泥土粉末にあらかじめ含浸させた硫酸など)を添加することにより完全に中和することが可能となる。また、用いた土質系無機材料の透水性が低く、水はけが悪いため、植物の生育その他に支障をきたす場合も起こりうるが、通気材(例えば、多孔質のゼオライト等)をあらかじめ混合しておけば、これらの悪影響を防止あるいは緩和することができる。
【0040】
混合方法は、特に限定されない。粉体用の一般的な各種のブレンダー、ミキサーが使用できる。泥土は分散状態に乾燥された泥土粉末になっているので、容易に均一混合が可能である上に、この後の機械的エネルギーを加える工程で使用する装置自体に混合効果があるので、この混合工程ではある程度均一に混合されていればよい。
【0041】
その後、泥土と水和物を生成する無機粉末との混合物に機械的エネルギーを加える処理(メカノケミカル処理)を施して土質系無機材料を製造する。
【0042】
機械的エネルギーは、通常、上記の混合物に圧縮力、衝撃力、摩擦力およびせん断力等を作用させることにより与える。それらの力のうちのいずれかまたは二つ以上が組み合わさった力を作用させればよい。
【0043】
そのための方法または装置としては、比較的強力なエネルギーを与えることができるボールミル、遊星ボールミル、アトライター等が適している。これらの多くはボールが内部に充填された装置で、装置全体を高速で回転させることにより、粉末の混合と粉末への機械的エネルギーの付与(伝達)が行われる。
【0044】
例えば、ボールミルを使用した場合、本発明方法で処理の対象としている泥土では、回転数を数百rpmとし、数時間処理すれば、メカノケミカル反応が生起する。
【0045】
ここで、本発明方法により土質系無機材料を製造するに際し、泥土を分散状態に乾燥することの必要性、および泥土と水和物を生成する無機粉末(水和性無機粉末)との混合物に機械的エネルギーを加える理由について述べる。
【0046】
(1)泥土を分散状態に乾燥する必要性
a.均一混合効果
泥土を構成する粒子が微細になると、粒子の外側にある程度の水分が存在することによって粒子間の吸着力が強くなり、外力を加えても分散しにくくなる。この傾向は、泥土がシルトや粘土を主体とするものである場合、特に著しい。
【0047】
従来の、例えばフィルタープレス等の機械脱水機で多量の水分を含む泥土を強制脱水すると、ある程度は水分を除去できるが水分80%程度が限度で、泥土の粒子は凝集している。この脱水後の泥土に固化材を添加した後、それを均一に混合するには、かなりの機械的エネルギーを必要とする。しかも、均一混合性を保証できない。
【0048】
一方、分散状態に乾燥された泥土は微細粒の泥土の粉末になっているので、容易に、かつ均一に混合することができる。この均一混合性は、水和反応のように、各粒子間で反応が起こることが必要とされる場合、極めて重要で、強度の発現に対する支配的要因となる。
【0049】
b.水分調整効果
分散状態に乾燥された泥土への水和物性無機粉末の混合の目的は、この無機粉末の水和反応を利用して水和物を生成させ、それと乾燥された泥土とを一体化させて固めることにあるが、泥土を乾燥することによって、土質系無機材料に加える水分を水和反応に最適な水分量に調整することが可能になり、得られる土質系無機材料の性能(強度)を向上させることができる。
【0050】
すなわち、泥土の乾燥が不十分で、余分な水分が含まれていると、それに水を加えて固化したとき、余分な水分の存在部分は、固化後の自然乾燥により空孔となって残り、構造欠陥となるので、構造体としての強度が低下するが、本発明の土質系無機材料においては水分を最適水分量に調整し得るので、そのような強度低下は起こらない。
【0051】
(2)上記混合物に機械的エネルギーを加える理由
泥土および水和性無機粉末の粒子が機械的エネルギーで物理的に引きちぎられ、活性の高い分子面ができるので、水和等の反応が生じやすい活性化された状態になる。したがって、得られる土質系無機材料に水を加えると、機械的エネルギーを与えない場合に比べて水和反応が著しく促進され、土質系無機材料の性能(強度)の向上効果が大きい。また、水和反応が促進され、強固に固化される結果、アルカリの溶出が抑えられる。
【0052】
上述した本発明方法により得られる土質系無機材料を使用するに際しては、この材料を現地へ運搬した後、必要な水分を添加して成形し、通常の方法に準じて養生するか、または、水分を添加する前にこの材料を成形し、その後必要な水分を添加し、養生すればよい。これにより強度等の機能が発現する。
【0053】
水分の添加量は、土質系無機材料中の固化材の含有(配合)割合、固化材および無機材料の粒度、種類等によって異なるが、少なすぎても強度は発現せず、多すぎても強度が下がる。少なすぎる場合は、水和反応が十分に進行せず、多すぎる場合は、余分な水分が最終的には蒸発、脱水するが、その余分な水分が存在していた部分が空孔となって残り、構造体としての強度が低下するからである。
【0054】
上述した本発明方法によれば、建設汚泥、港湾工事や湖沼の底土の浚渫に伴い発生する浚渫泥、ダム堆積土砂(流入土砂、沈澱泥)等の泥土、その他の泥土状無機質粉を、強度が高く、かつアルカリ溶出の少ない土質系無機材料とすることができる。この土質系無機材料は、河川堤防の基盤材、川床改良材、路床材、路盤材等の他、ビル建設の基礎材、橋梁の基礎材、地下埋設物の沈下防止材等、より高強度が必要とされる土木建材用、あるいはまた、植生緑化用等の用途に好適である。なお、泥土に多量に含まれている水分が除去されているので、輸送コストを大幅に低減できるという利点も有している。
【0055】
この本発明方法により得られる土質系無機材料は、使用に際し、水を加えるだけでよい。
【0056】
【実施例】
湖沼の浚渫の際に発生した泥土をパルスジェットエンジンを備えた乾燥装置(乾燥能力:20kg/h)で乾燥し、得られた泥土の粉末に、高炉水砕スラグ微粉末(約4000ブレーン)、排煙脱硫設備から排出された二水石膏および石灰焼成キルンのダストである石灰粉からなる水和物を生成する無機粉末(固化材)を混合した。なお、泥土粉末、高炉水砕スラグ微粉末、石膏および石灰粉の混合比率は、それぞれ水分を除く固形分重量で、50%、35%、7.5%および7.5%とした。
【0057】
この混合物に、ボールミル(処理能力:10kg/charge)により500rpmで2時間のメカノケミカル処理を施して機械的エネルギーを与え、土質系無機材料を製造した。
【0058】
なお、比較のために、乾燥処理のみ行い、メカノケミカル処理を行わない材料(乾燥処理のみの材料)を得た。
【0059】
用いた泥土(原泥)の特性を表1に示す。また、乾燥処理にあたって、原泥の含水比を調整して得た原料スラリーの特性を表2に、原料スラリーの乾燥条件を表3に示す。なお、原泥の含水比の調整は、湖沼の浚渫の際に発生した泥土について適正含水比の範囲を求め、その範囲内に入るように行った。
【0060】
得られた乾燥処理後の泥土の性状(水分含有量)は表4に示すとおりであった。なお、表4において、用いた乾燥設備の粉末乾燥室の直下に取り付けられた回収槽で回収された乾燥粉末の水分含有量を「粉末乾燥室」の欄に、また、粉末乾燥室に隣接して取り付けられたサイクロンで回収された乾燥粉末の水分含有量を「サイクロン」の欄に示した。
【0061】
【表1】
Figure 0004375586
【0062】
【表2】
Figure 0004375586
【0063】
【表3】
Figure 0004375586
【0064】
【表4】
Figure 0004375586
【0065】
上記本発明方法により得られた土質系無機材料、および乾燥処理のみを施した材料に対し、それぞれ水分含有量が55%になるように水を加え、JIS A1216に規定される方法に準じて一軸圧縮強度を測定した。さらに、土壌汚染の分析等で用いられている方法、すなわち、固化後の試料を粒径1mm以下に粉砕した後、水に浸漬してpHの変化を測定する方法により溶出アルカリ量(pH)を求めた。
【0066】
測定結果を表5に示す。この結果から明らかなように、本発明方法により得られた土質系無機材料では、乾燥処理のみの材料に比べて、強度が著しく高く、溶出アルカリ量も顕著に低下した。
【0067】
【表5】
Figure 0004375586
【0068】
【発明の効果】
本発明方法によれば、建設汚泥、浚渫泥などの泥土を、強度が高くかつアルカリ溶出の少ない、土木建材用、植生緑化用等の用途に好適な土質系無機材料とすることができる。また、泥土に多量に含まれている水分が除去されているので、輸送コストを大幅に低減できるという利点も有している。この土質系無機材料は、使用に際し、水を加えるだけでよい。

Claims (2)

  1. 泥土を分散状態に乾燥し、これに水和物を生成する無機粉末を混合し、この混合物に機械的エネルギーを加えることを特徴とする土質系無機材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により製造した土質系無機材料に水を加えて固化することを特徴とする土質系無機材料の使用方法。
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