JP4374686B2 - 画像の鮮鋭度判断方法、画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体、画像処理装置および写真焼付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばネガフィルム等の写真フィルムを読み取って得られる画像データやPC(Personal Computer )等にて用いられる画像データに基づいて画像の鮮鋭度を判断する画像の鮮鋭度判断方法、画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体、画像の鮮鋭度を判断する画像処理装置、および、上記画像処理装置を備えた写真焼付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネガフィルムに記録された元画像が鮮鋭度の低いぼけ画像である場合には、上記元画像の画像データに対して鮮鋭化処理を行い、処理後の画像データに基づいて写真を焼けば、高画質のプリントを得ることができる。一方、上記元画像が元々鮮鋭度の高い画像である場合には、上記の鮮鋭化処理を行わなくても、そのまま上記元画像の画像データに基づいて写真を焼けば、高画質のプリントを得ることができる。
【0003】
つまり、鮮鋭化処理を行うべきか否かは、元画像のぼけ具合い、すなわち、元画像の鮮鋭度によって決まると考えてよい。したがって、高画質のプリントを得る上でまず必要となるのが、元画像の鮮鋭度の判断である。元画像の鮮鋭度の判断手法としては、例えば特開昭53−70428号公報および特開昭61−7443号公報に開示されている。
【0004】
特開昭53−70428号公報では、以下のようにして画像のぼけを検出している。すなわち、写真フィルムを線状に走査し、高帯域幅での最大濃度勾配と、高い空間周波数領域を取り除くことにより不鮮明にされた画像内容の最大濃度勾配とを求める。そして、これら2つの濃度勾配の商を算出し、この商と閾値との大小関係に基づいて画像のぼけを検出する。
【0005】
一方、特開昭61−7443号公報では、以下のようにして原稿の鮮鋭度を評価している。すなわち、原稿の直線状の複数の領域(画素)を走査し、走査された領域の濃度情報を含む走査信号をそれぞれの領域ごとに発生させる。次に、各走査信号に基づいて鮮鋭信号およびぼやけ信号をそれぞれ生成し、各鮮鋭信号を微分して最大濃度勾配xを算出すると共に、各ぼやけ信号を微分して最大濃度勾配yを算出する。そして、各鮮鋭信号の最大濃度勾配xと対応するぼやけ信号の最大濃度勾配yとの比から求められる評価値と、鮮鋭信号の濃度勾配の関数である参照値とを比較することにより、原稿の鮮鋭度を評価する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記各公報の方法は、いずれも、元画像(または鮮鋭化画像)とそのぼけ画像において、走査領域の中の最大濃度勾配だけを見て元画像の鮮鋭度を判断する方法のため、走査領域の中で最も鮮鋭度の高いエッジ部分の情報を反映せずに元画像全体の鮮鋭度を判断する場合がある。その結果、どのような元画像に対しても鮮鋭度の判断を適切に行うことができないという問題が生ずる。
【0007】
例えば図7は、1つの画像中で直線状の領域を考えた場合に、その領域中の異なる位置(画素位置)における3種類のエッジ部分(実線▲1▼〜▲3▼)の画像データ(濃度値)の変化を模式的に示したものである。なお、図7では、3種類のエッジを比較しやすいように重ねて示している。
【0008】
図7に示した3種類のエッジの濃度勾配pは、画像データの変化区間mと、画像データの変化量nとを用いて以下のように示すことができる。すなわち、実線▲1▼のエッジの濃度勾配p1 は、n1 /m1 で示され、実線▲2▼のエッジの濃度勾配p2 は、n2 /m2 で示され、実線▲3▼のエッジの濃度勾配p3 は、n1 /m3 で示される。ただし、n1 >n2 とし、m1 >m2 >m3 とする。また、上記画像データとしては、例えば8ビットで0(黒)〜255(白)までの値を考えるものとする。
【0009】
例えば実線▲1▼と実線▲3▼とでエッジの鮮鋭度を比較する場合、画像データの変化量がともに同じn1 であるので、濃度勾配の大きい実線▲3▼のほうが実線▲1▼よりもエッジは鮮鋭であると言える。
【0010】
しかし、実線▲1▼と実線▲2▼とでエッジの鮮鋭度を比較する場合、必ずしも実線▲1▼と実線▲2▼の濃度勾配だけに基づいてエッジの鮮鋭度を判断することはできない。なぜならば、画像データの変化量が互いに異なっている場合は、濃度勾配が小さくても画像データの変化区間が短ければ、エッジが鮮鋭であると言える場合があるからである。実線▲2▼では、濃度勾配が実線▲1▼よりも小さいが、実線▲1▼よりも狭い区間で画像データが所定量変化している。このため、実際には、実線▲1▼よりも実線▲2▼のほうがエッジが鮮鋭に見える。このことは、濃度勾配の大小は必ずしもエッジの鮮鋭度の大小には対応せず、画像データの変化区間の大小がエッジの鮮鋭度の大小に対応することを意味する。
【0011】
上記各公報のように、少数の画素を取り出してそれらのデータから元画像の鮮鋭度を判断する場合、その画像中で最も鮮鋭度の高い(エッジ幅の小さい)画素に注目する必要がある。しかし、上記各公報では、同じ走査領域の中でも最大濃度勾配を与える画素しか選択していないため、上述の原理によって最も鮮鋭度の高い画素グループを選択せずに元画像全体の鮮鋭度を判断する場合があり得る。その結果、元画像の鮮鋭度の判断を適切に行うことができなくなる。
【0012】
また、特開昭61−7443号公報の方法において、最大濃度勾配xと最大濃度勾配yとの比から求められる評価値は、最大濃度勾配xの値によって最大濃度勾配yをグループ分けし、それぞれのグループでy/xを合計することにより求められる。しかし、この方法では、参照値を与える最大濃度勾配xと最大濃度勾配yとの関数を決定することが実際上困難である。また、どのような元画像に対しても鮮鋭度の判断を安定して行うようにしようとすると、元々の情報量が不十分なため、複雑な計算が必要となる。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、どのような元画像に対しても、元画像の鮮鋭度の判断を適切に、容易に、かつ安定して行うことができる画像の鮮鋭度判断方法、画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体、画像処理装置および写真焼付装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、上記の課題を解決するために、元画像からその平滑化画像を作成する第1の工程と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の工程と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の工程と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の工程とを有し、上記第4の工程は、さらに、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する工程と、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める工程と、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する工程とを有していることを特徴としている。
【0015】
上記の元画像としては、例えばネガフィルム等の写真フィルムを読み取って得られる画像データやPC等にて用いられる画像データに対応する画像を想定することができる。上記構成においては、元画像の第1エッジ強度が算出される一方、上記元画像の平滑化画像が作成されると共に上記平滑化画像の第2エッジ強度が算出される。これら第1エッジ強度や第2エッジ強度は、どちらもエッジ部分における濃度勾配に対応するものである。上記の濃度勾配とは、一般的に、エッジ部分における画像データの変化量と画像データの変化区間との比を指す。
【0016】
ここで、第1エッジ強度をeo、第2エッジ強度をeb、元画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をa、平滑化画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をbとする。
【0017】
元画像に含まれる各エッジの鮮鋭度は、各エッジにおける画像データの変化区間の幅の大小を見ることで判断できる。例えば、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aは、元画像でのエッジが鮮鋭であるほど、つまり、aが小さいほど大きくなる。したがって、このようなエッジ幅比b/aを考えれば、元画像の各エッジの鮮鋭度を適切に判断することができる。これにより、元画像に含まれる複数のエッジのうち、鮮鋭なエッジの情報を用いて画像の鮮鋭度を判断することが可能となる。
【0018】
一方、第1エッジ強度eoはh/aであり、第2エッジ強度ebはh/bであるので、第2エッジ強度と第1エッジ強度との比(以下、エッジ強度比fと記載する)は、eb/eo=(h/b)/(h/a)=a/bとなる。このことは、エッジ強度比fの逆数である1/fが、上記したエッジ幅比と等価であることを意味する。したがって、第1エッジ強度eoと第2エッジ強度ebとを利用することにより、上記したエッジ幅比b/aを考えることができる。
【0019】
そこで、上記構成では、エッジ強度比fの度数分布を作成すると共に、互いに異なるエッジ強度比fのそれぞれに対応する度数の比を考え、上記度数の比と閾値との大小関係を比較している。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、エッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0020】
また、画像データの変化量hは、同じ画像でもエッジ間で異なるため、鮮鋭度の評価においては、上記hのばらつきの影響を取り除く必要がある。第2エッジ強度ebはh/bで得られる一方、第1エッジ強度eoはh/aで得られ、両者ともhの情報を含んでいる。しかし、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fからhの情報を除外することができる。
【0021】
したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0022】
したがって、上記構成によれば、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができる。
【0023】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができる。
【0024】
請求項2の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成において、上記第4の工程は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求める工程をさらに含んでいることを特徴としている。
【0025】
元画像において周囲の画素よりも第1エッジ強度の高い画素は、画像中で確実にエッジ部分に対応していることが言える。したがって、そのような画素の第1エッジ強度と、上記画素と平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いてエッジ強度比を求めることにより、このエッジ強度比を用いて作成した度数分布に基づいて行う元画像の鮮鋭度の判断を、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して行うことができる。その結果、鮮鋭度の判断結果の信頼性を確実に向上させることができる。
【0026】
請求項3の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、上記の課題を解決するために、請求項2の構成において、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とであることを特徴としている。
【0027】
注目画素から見て斜め方向に位置する画素の情報は、注目画素の上下左右に位置する画素にそれぞれ反映されている。したがって、エッジ強度比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素として、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とを考えても、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して元画像全体の鮮鋭度の判断を行うことができる。つまり、注目画素の周囲の全ての画素の第1エッジ強度を考えなくても、少ない画素数で上記鮮鋭度の判断を適切に行うことができる。
【0028】
なお、第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、注目画素とその上下方向に位置する画素だけであってもよく、また、注目画素とその左右方向に位置する画素だけであってもよい。特に、注目画素と、その上下方向および左右方向に位置する画素とを上記決定の考慮に入れれば、上述の効果を確実に得ることができる。
【0029】
請求項4の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし3のいずれかの構成において、上記度数は、各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数であることを特徴としている。
【0030】
例えば、エッジ強度比とその度数の絶対値とからなる度数分布では、元画像を構成する画素数が変化すれば、その分布形状も変化するので、元画像の画素数に応じた閾値の設定が必要となる。これに対して、エッジ強度比とその相対度数とからなる相対度数分布を作成した場合は、元画像の画素数が異なる場合でも、同等の鮮鋭度の画像についてはほぼ同じ分布形状を得ることができる。これにより、元画像の画素数に応じた閾値の設定を不要とすることができ、鮮鋭度の判断をより容易に行うことができる。
【0031】
請求項5の発明に係る、画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、元画像からその平滑化画像を作成する第1の処理と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の処理と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の処理と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなり、上記第4の処理は、さらに、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する処理と、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める処理と、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する処理とからなっていることを特徴としている。
【0032】
上記の元画像としては、例えばネガフィルム等の写真フィルムを読み取って得られる画像データやPC等にて用いられる画像データに対応する画像を想定することができる。上記記録媒体のプログラムがコンピュータにて実行されると、元画像の第1エッジ強度が算出される一方、上記元画像の平滑化画像が作成されると共に上記平滑化画像の第2エッジ強度が算出される。これら第1エッジ強度や第2エッジ強度は、どちらもエッジ部分における濃度勾配に対応するものである。上記の濃度勾配とは、一般的に、エッジ部分における画像データの変化量と画像データの変化区間との比を指す。
【0033】
ここで、第1エッジ強度をeo、第2エッジ強度をeb、元画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をa、平滑化画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をbとする。
【0034】
元画像に含まれる各エッジの鮮鋭度は、各エッジにおける画像データの変化区間の幅の大小を見ることで判断できる。例えば、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aは、元画像でのエッジが鮮鋭であるほど、つまり、aが小さいほど大きくなる。したがって、このようなエッジ幅比b/aを考えれば、元画像の各エッジの鮮鋭度を適切に判断することができる。これにより、元画像に含まれる複数のエッジのうち、鮮鋭なエッジの情報を用いて画像の鮮鋭度を判断することが可能となる。
【0035】
一方、第1エッジ強度eoはh/aであり、第2エッジ強度ebはh/bであるので、第2エッジ強度と第1エッジ強度との比(以下、エッジ強度比fと記載する)は、eb/eo=(h/b)/(h/a)=a/bとなる。このことは、エッジ強度比fの逆数である1/fが、上記したエッジ幅比と等価であることを意味する。したがって、第1エッジ強度eoと第2エッジ強度ebとを利用することにより、上記したエッジ幅比b/aを考えることができる。
【0036】
そこで、上記構成では、エッジ強度比fの度数分布を作成すると共に、互いに異なるエッジ強度比fのそれぞれに対応する度数の比を考え、上記度数の比と閾値との大小関係を比較している。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、エッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0037】
また、画像データの変化量hは、同じ画像でもエッジ間で異なるため、鮮鋭度の評価においては、上記hのばらつきの影響を取り除く必要がある。第2エッジ強度ebはh/bで得られる一方、第1エッジ強度eoはh/aで得られ、両者ともhの情報を含んでいる。しかし、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fからhの情報を除外することができる。
【0038】
したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0039】
したがって、本発明の記録媒体を用いてコンピュータを駆動することにより、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができる。
【0040】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができる。
【0041】
請求項6の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、元画像からその平滑化画像を作成する平滑化画像作成手段と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第1エッジ強度算出手段と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第2エッジ強度算出手段と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する鮮鋭度判断手段とを備え、上記鮮鋭度判断手段は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成すると共に、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求め、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断することを特徴としている。
【0042】
上記の元画像としては、例えばネガフィルム等の写真フィルムを読み取って得られる画像データやPC等にて用いられる画像データに対応する画像を想定することができる。第1エッジ強度算出手段は、元画像の第1エッジ強度を算出する一方、第2エッジ強度算出手段は、平滑化画像作成手段にて作成される上記元画像の平滑化画像の第2エッジ強度を算出する。これら第1エッジ強度や第2エッジ強度は、どちらもエッジ部分における濃度勾配に対応するものである。上記の濃度勾配とは、一般的に、エッジ部分における画像データの変化量と画像データの変化区間との比を指す。
【0043】
ここで、第1エッジ強度をeo、第2エッジ強度をeb、元画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をa、平滑化画像における画像データの変化量をh、そのときの画像データの変化区間をbとする。
【0044】
元画像に含まれる各エッジの鮮鋭度は、各エッジにおける画像データの変化区間の幅の大小を見ることで判断できる。例えば、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aは、元画像でのエッジが鮮鋭であるほど、つまり、aが小さいほど大きくなる。したがって、このようなエッジ幅比b/aを考えれば、元画像の各エッジの鮮鋭度を適切に判断することができる。これにより、元画像に含まれる複数のエッジのうち、鮮鋭なエッジの情報を用いて画像の鮮鋭度を判断することが可能となる。
【0045】
一方、第1エッジ強度eoはh/aであり、第2エッジ強度ebはh/bであるので、第2エッジ強度と第1エッジ強度との比(以下、エッジ強度比fと記載する)は、eb/eo=(h/b)/(h/a)=a/bとなる。このことは、エッジ強度比fの逆数である1/fが、上記したエッジ幅比と等価であることを意味する。したがって、第1エッジ強度eoと第2エッジ強度ebとを利用することにより、上記したエッジ幅比b/aを考えることができる。
【0046】
そこで、上記構成では、鮮鋭度判断手段が、エッジ強度比fの度数分布を作成すると共に、互いに異なるエッジ強度比fのそれぞれに対応する度数の比を考え、上記度数の比と閾値との大小関係を比較している。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、エッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0047】
また、画像データの変化量hは、同じ画像でもエッジ間で異なるため、鮮鋭度の評価においては、上記hのばらつきの影響を取り除く必要がある。第2エッジ強度ebはh/bで得られる一方、第1エッジ強度eoはh/aで得られ、両者ともhの情報を含んでいる。しかし、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fからhの情報を除外することができる。
【0048】
したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0049】
したがって、上記の構成によれば、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができる。
【0050】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができる。
【0051】
請求項7の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、請求項6の構成において、上記鮮鋭度判断手段は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めることを特徴としている。
【0052】
元画像において周囲の画素よりも第1エッジ強度の高い画素は、画像中で確実にエッジ部分に対応していることが言える。したがって、そのような画素の第1エッジ強度と、上記画素と平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いてエッジ強度比を求めることにより、このエッジ強度比を用いて作成した度数分布に基づいて行う元画像の鮮鋭度の判断を、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して行うことができる。その結果、鮮鋭度の判断結果の信頼性を確実に向上させることができる。
【0053】
請求項8の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、請求項7の構成において、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とであることを特徴としている。
【0054】
注目画素から見て斜め方向に位置する画素の情報は、注目画素の上下左右に位置する画素にそれぞれ反映されている。したがって、エッジ強度比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素として、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とを考えても、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して元画像全体の鮮鋭度の判断を行うことができる。つまり、注目画素の周囲の全ての画素の第1エッジ強度を考えなくても、少ない画素数で上記鮮鋭度の判断を適切に行うことができる。
【0055】
なお、第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、注目画素とその上下方向に位置する画素だけであってもよく、また、注目画素とその左右方向に位置する画素だけであってもよい。特に、注目画素と、その上下方向および左右方向に位置する画素とを上記決定の考慮に入れれば、上述の効果を確実に得ることができる。
【0056】
請求項9の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、請求項6ないし8のいずれかの構成において、上記度数は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数であることを特徴としている。
【0057】
例えば、エッジ強度比とその度数の絶対値とからなる度数分布では、元画像を構成する画素数が変化すれば、その分布形状も変化するので、元画像の画素数に応じた閾値の設定が必要となる。これに対して、エッジ強度比とその相対度数とからなる相対度数分布を作成した場合は、元画像の画素数が異なる場合でも、同等の鮮鋭度の画像についてはほぼ同じ分布形状を得ることができる。これにより、元画像の画素数に応じた閾値の設定を不要とすることができ、鮮鋭度の判断をより容易に行うことができる。
【0058】
請求項10の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、請求項6ないし9のいずれかの構成において、上記鮮鋭度判断手段での判断結果に応じて元画像に対して鮮鋭化処理を行う鮮鋭化処理手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0059】
上記の構成によれば、鮮鋭化判断手段にて元画像が例えばぼけ画像であると判断された場合には、鮮鋭化処理手段によって上記元画像に対して鮮鋭化処理が行われる。一方、鮮鋭化判断手段にて元画像が元々鮮鋭度の高い画像であると判断された場合には、鮮鋭化処理手段による上記鮮鋭化処理は行われない。したがって、元画像がぼけ画像であってもなくても、最終的には高画質の画像を得ることができる。例えば、上記画像を写真として焼けば、高画質の写真プリントとなり、上記画像をモニタに表示させれば、表示画像が高画質となる。
【0060】
請求項11の発明に係る写真焼付装置は、上記の課題を解決するために、請求項6ないし10のいずれかに記載の画像処理装置と、上記画像処理装置にて鮮鋭化処理された画像の画像データまたは元画像の画像データに基づいて感光材料を露光する露光手段とを備えていることを特徴としている。
【0061】
上記の露光手段としては、例えば、請求項6ないし10のいずれかに記載の上記画像処理装置から送られる画像データに基づいて感光材料への光の照射/非照射を各画素ごとに制御できる、PLZT露光ヘッド、DMD、LCD等の光変調素子を含む構成が考えられる。上記画像処理装置にて鮮鋭化処理された画像の画像データまたは元画像の画像データに基づいて、上記露光手段が感光材料を露光することにより、高画質な写真プリントを得ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0063】
本実施形態に係る写真焼付装置は、例えばBGRの各色の画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるものであり、図2に示すように、画像取込部1、画像処理部2(画像処理装置)および露光部3(露光手段)を備えている。
【0064】
画像取込部1は、ネガフィルムを透過する光を測光することによってネガフィルムに記録された画像(以下、元画像とも記載する)を取り込むスキャナであり、例えば、ネガフィルムに光を照射する光源と、BGRの各色フィルタを備えた回転フィルタと、CCD(Charge Coupled Device) カメラ(以下、単にCCDと記載する)とで構成されている。BGRの各色の光が順次CCDに到達するように回転フィルタを回転させ、ネガフィルムを透過した光をBGRごとにCCDにて受光することにより、CCDは受光量に応じた電気信号をBGRごとに画像処理部2へ送る。これにより、元画像の各画素の濃度に対応する画像データ(画素値)がBGRごとに得られることになる。なお、CCDを3板式のもので構成した場合は、上記の回転フィルタは不要である。
【0065】
画像処理部2は、画像取込部1から送られてきたBGRごとの画像データに基づいて、元画像の鮮鋭度を判断すると共に、その判断結果に基づいて必要に応じて鮮鋭化処理を行うものであるが、その詳細については後述する。画像処理部2は、写真焼付装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび/またはDSP(Digital Signal Processor)などによって構成されてもよいし、装置の外部に設けられたPC(Personal Computer) によって構成されてもよい。また、画像処理部2は、画像取込部1からの画像データを一時的に格納するメモリと、露光部3での露光動作を制御する制御部(ともに図示せず)とを備えている。
【0066】
露光部3は、画像処理部2から送られるBGRの各画像データに基づいて印画紙への光の照射/非照射を各画素ごとに制御し、画像を印画紙に焼き付けるものである。光の照射を制御する手段としては、例えば、PLZT露光ヘッド、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)、LCD(液晶表示装置)、LEDパネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRT等が考えられる。なお、PLZT露光ヘッド、DMD、LCD等の自発光型でない制御手段を用いる場合には、光源が別途必要であることは言うまでもない。また、必要に応じて、BGRの回転フィルタや焼付レンズなどの集光レンズも配置される。
【0067】
つまり、上記構成の写真焼付装置においては、画像取込部1がネガフィルムに記録された元画像を取り込み、BGRの各画像データを画像処理部2に送ると、画像処理部2は、上記画像データに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する。画像処理部2は、元画像が鮮鋭であると判断した場合には、元画像の画像データをそのまま露光部3に送る一方、元画像がぼけ画像であると判断した場合には、元画像の画像データを用いて鮮鋭化処理を行い、処理済みの画像データを露光部3に送る。露光部3では、元画像の画像データまたは鮮鋭化処理された画像データに基づいて制御手段の各画素が制御され、上記各画素を介して得られる光が印画紙に照射されることにより、印画紙にカラーの画像が焼き付けられる。
【0068】
次に、本発明の特徴である画像処理部2について説明する。
【0069】
画像処理部2は、BGR/輝度変換部4、平滑化画像作成部5(平滑化画像作成手段)、第1エッジ強度算出部6(第1エッジ強度算出手段)、第2エッジ強度算出部7(第2エッジ強度算出手段)、鮮鋭度判断部8(鮮鋭度判断手段)および鮮鋭化処理部9(鮮鋭化処理手段)を備えている。
【0070】
BGR/輝度変換部4は、画像取込部1にて得られたBGRの各画素値を輝度画像データYに変換するものである。輝度画像データYは、例えば以下の式により演算される。なお、以下では特に断らない限り、画素値と言えばこの輝度画像データYを指すものとする。
【0071】
Y=(R+G+B)/3
平滑化画像作成部5は、例えば図3に示すデジタルフィルタの重みw(x,y)を用いて元画像の平滑化画像(ぼけ画像)を作成する。具体的には、上記デジタルフィルタは、xmin ≦x≦xmax 、ymin ≦y≦ymax の長方形領域で定義されており、平滑化画像作成部5は、BGR/輝度変換部4にて得られる元画像の画素値o(i,j)から、数1式によって、平滑化画像の画素値b(i,j)を計算する。
【0072】
【数1】
【0073】
なお、図3に示すフィルタの係数は一例であり、この係数に限定されるわけではない。また、図3のフィルタは、ガウシアンフィルタとなっているが、このフィルタに限定されるわけではなく、その他、移動平均フィルタやメディアンフィルタであってもよい。
【0074】
第1エッジ強度算出部6は、BGR/輝度変換部4にて得られる元画像の画素値o(i,j)に例えば図4に示すラプラシアンフィルタを作用させて、元画像のエッジ強度eo(i,j)を第1エッジ強度として算出するものである。なお、図4に示すラプラシアンフィルタの係数は一例であり、この係数に限定されるわけではない。一方、第2エッジ強度算出部7は、平滑化画像作成部5にて得られる平滑化画像の画素値b(i,j)に例えば図4に示すラプラシアンフィルタを作用させて、平滑化画像のエッジ強度eb(i,j)を第2エッジ強度として算出するものである。
【0075】
なお、上記のエッジ強度eo(i,j)、eb(i,j)は、いずれも、画像中の直線状の領域の各位置(画素位置)における画像データ(濃度値)の変化をグラフとして示したときの濃度勾配に対応するものである。
【0076】
鮮鋭度判断部8は、元画像のエッジ強度eo(i,j)と平滑化画像のエッジ強度eb(i,j)とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断するものであるが、その詳細については後述する。
【0077】
鮮鋭化処理部9は、鮮鋭度判断部8にて元画像の鮮鋭度が低いと判断された場合に、元画像のBGRの画像データに対して例えばラプラシアンフィルタを作用させ、鮮鋭化処理を行うものである。元画像F(i,j)のラプラシアン画像を▽2 F(i,j)とすれば、鮮鋭化画像の画像G(i,j)は、BGRごとに以下の式により求められ、その画像データがBGRごとに露光部3に送られる。
【0078】
G(i,j)=F(i,j)−▽2 F(i,j)
一方、鮮鋭化処理部9は、鮮鋭度判断部8にて元画像の鮮鋭度が高いと判断された場合には、元画像に対しては上記の鮮鋭化処理を行わず、元画像のBGRの画像データをそのまま露光部3に送る。
【0079】
次に、鮮鋭度判断部8の詳細について説明する。
【0080】
鮮鋭度判断部8は、元画像のエッジ強度eo(i,j)と平滑化画像のエッジ強度eb(i,j)とに基づいて、以下のような方法で元画像の鮮鋭度を判断する。
【0081】
まず、鮮鋭度判断部8は、元画像の後述する所定画素(i,j)におけるエッジ強度eo(i,j)と、上記所定画素と平滑化画像上で対応する画素(i,j)におけるエッジ強度eb(i,j)とから、エッジ強度比|eb(i,j)/eo(i,j)|(=f)の相対度数分布を求める。このようにして求めた相対度数分布の例を図5(a)および図5(b)に示す。図5(a)は、元画像が元々鮮鋭度の高い画像の場合に得られる相対度数分布を示し、図5(b)は、元画像が鮮鋭度の低いぼけ画像である場合に得られる相対度数分布を示している。これらの図面における縦軸は、全度数に対する相対値、すなわち相対度数を示している(各エッジ強度比fの値に対応する度数を全部足し合わせると1になる)。
【0082】
ここで、上記した元画像の上記所定画素とは、元画像の注目画素(i,j)におけるエッジ強度eo(i,j)と、当該画素の上下左右の画素におけるエッジ強度eo(i+1,j)、eo(i−1,j)、eo(i,j−1)およびeo(i,j+1)とを取り出してそれぞれの絶対値を求めたときに、エッジ強度eo(i,j)の絶対値が最大となる場合の画素を指す。当該所定画素のエッジ強度がその周囲の画素のエッジ強度よりも高いことから、当該所定画素は、画像中のあるエッジの中でエッジ強度が最も高い部分に対応していることになる。つまり、このような上記所定画素を考えることにより、画像中のエッジ部分を確実に認識することが可能となる。
【0083】
上記所定画素が画像中のエッジ部分であるか否かの判別に用いる画素、つまり、エッジ強度比fを求めるためのエッジ強度eo(i,j)を決定するのに用いられる画素は、注目画素を含む上記の5画素に限定されるわけではない。例えば注目画素とその上下の画素の3画素、あるいは注目画素とその左右の画素の3画素であってもよく、注目画素とその上下方向に並ぶ4つ以上の画素や、注目画素とその左右方向に並ぶ4つ以上の画素であっても構わない。
【0084】
つまり、上記エッジ強度eo(i,j)の決定に用いられる画素は、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とであればよい。上記エッジ強度eo(i,j)の決定に、注目画素とその上下左右に隣接する画素との合わせて5画素を用いると、注目画素のエッジ情報を相対度数分布に確実に反映させることができ、後述の鮮鋭度の判断をより適切に行うことができる。また、上記エッジ強度eo(i,j)の決定に、注目画素とその上下の画素、あるいは注目画素とその左右の画素を用いると、少ない画素数でも、注目画素のエッジ情報を相対度数分布に反映させることができる。
【0085】
また、注目画素から見て斜めに位置する画素の情報は、注目画素の上下左右に位置する画素にそれぞれ反映されるので、上記の判別に、注目画素とその周囲8画素の計9画素をあえて用いる必要はないが、別にこれら9画素を用いても構わない。
【0086】
ところで、鮮鋭度の高い画像ほどエッジ部分におけるエッジ強度eo(i,j)は高くなるので、エッジ部分の画素におけるエッジ強度比fの値は小さくなる。したがって、値の小さいエッジ強度比fに対応する相対度数が多ければ多いほど、そのような点が画像中に多く存在することになり、この場合、元画像全体が鮮鋭であると言える。しかし、あまりにも小さいエッジ強度比fの相対度数の大小を考えても、画像の鮮鋭度の判断を適切に行うことができないことが実験的に分かっている。
【0087】
そこで、鮮鋭度判断部8は、上記のような相対度数分布を求めると、エッジ強度比fが高い値(例えばf=0.3)となる場合の相対度数Hと、エッジ強度比fが低い値(例えばf=0.2)となる場合の相対度数Lとを認識すると共に、これら相対度数の比H/Lを求め、この比H/Lと閾値との大小関係を比較するようになっている。上記閾値を例えば1に設定すれば、単に相対度数Hと相対度数Lとの大小関係を比較することになる。
【0088】
閾値が1であり、比H/Lが閾値よりも小さい場合、上記相対度数Hが上記相対度数Lよりも小さくなる。この場合、より小さいエッジ強度比fに対応する相対度数が他方の相対度数よりも大きいので、この場合は、画像全体が鮮鋭であると言える。一方、閾値が1であり、比H/Lが閾値以上の場合は、上記とは逆の原理により、画像全体がぼけていると言える。
【0089】
なお、上記の閾値は、鮮鋭度の判断の厳しさを調整するパラメータに過ぎず、閾値を1以外の値に設定しても、より小さいエッジ強度比fに対応する相対度数と他方の相対度数との相対比較により、画像全体の鮮鋭度を判断できることにかわりはない。
【0090】
したがって、鮮鋭度判断部8は、比H/Lが閾値以上であれば、元画像がぼけ画像であると判断する一方、比H/Lが閾値よりも小さければ、元画像が鮮鋭度の高い画像であると判断する。このように、本実施形態では、比H/Lと閾値との大小関係に基づいて画像の鮮鋭度を判断するので、上記の比H/Lは、鮮鋭度を判断する対象となる元画像のエッジ鮮鋭度を示しているということができる。
【0091】
なお、f=0.2や0.3の場合の相対度数をHやLとして採用しているのは、f=0.1や0.4〜1.0の相対度数を考慮しても、あらゆる画像に対して鮮鋭度を適切に判断できない結果が予め実験的に得られたからである。つまり、f=0.1や0.4〜1.0の相対度数は、鮮鋭度を判断する上で信用性の薄い値であるので、本実施形態ではそれらの値を採用してはいない。
【0092】
なお、相対度数Hをとるエッジ強度比fは上記の0.3に限定されるわけではなく、相対度数分布を作成したときに例えばf=0.25〜0.35の範囲内で度数が得られるような値のうち最大のものであればよいことが実験的に分かっている。また、同様に、相対度数Lをとるエッジ強度比fも上記の0.2に限定されるわけではなく、相対度数分布を作成したときに例えばf=0.15〜0.25の範囲内で度数が得られるような値のうち最小のものであればよいことが実験的に分かっている。
【0093】
つまり、相対度数HやLに対応するそれぞれのエッジ強度比fの値は、あらゆる画像に対してその鮮鋭度を判断するのに有効な値であればよい。これにより、鮮鋭度の判断結果が元画像によってばらつくことがない。
【0094】
次に、画像処理部2での動作について、主に図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0095】
まず、画像取込部1からBGRの各画像データが画像処理部2に送られると、画像処理部2のBGR/輝度変換部4は、上記BGRの各画像データから各画素ごとに輝度画像データY(画素値o(i,j))を生成し、当該画素値o(i,j)を平滑化画像作成部5および第1エッジ強度算出部6へ送る(ステップ1;以下、ステップは単にSと略記する)。すると、平滑化画像作成部5は、各画素値o(i,j)に図3のデジタルフィルタの係数をかけ、元画像の平滑化画像を作成する、つまり、平滑化画像の画素値b(i,j)を演算する(S2;第1の工程)。
【0096】
次に、第1エッジ強度算出部6は、各画素値o(i,j)に図4のフィルタの係数をかけ、元画像の各画素のエッジ強度eo(i,j)を算出する(S3;第3の工程)。一方、第2エッジ強度算出部7は、平滑化画像作成部5にて得られる平滑化画像の画素値b(i,j)に図4のフィルタの係数をかけ、平滑化画像の各画素のエッジ強度eb(i,j)を算出する(S4;第3の工程)。
【0097】
次に、鮮鋭度判断部8は、元画像の所定画素のエッジ強度eo(i,j)と、上記所定画素と平滑化画像上で対応する画素のエッジ強度eb(i,j)とから、エッジ強度比|eb(i,j)/eo(i,j)|(=f)の相対度数分布を求める(S5)。なお、上記所定画素のエッジ強度eo(i,j)の選定については、上述の通りである。つまり、元画像と平滑化画像とでエッジ強度の比をとるか否かを、元画像の注目画素のエッジ強度をその周囲の画素のエッジ強度と比較することによって決定する。
【0098】
そして、鮮鋭度判断部8は、例えばf=0.3となる場合の相対度数Hと、f=0.2となる場合の相対度数Lとから比H/Lを求め、この比H/Lが閾値(例えば1)以上であるか否かを判断する(S7)。鮮鋭度判断部8は、このS7にて、比H/Lが閾値以上であると判断した場合には、元画像がぼけ画像であると判断する一方、比H/Lが閾値よりも小さければ、元画像が鮮鋭度の高い画像であると判断する。なお、S5〜S7の工程は、特許請求の範囲に記載の第4の工程に対応している。
【0099】
鮮鋭化処理部9は、S7にてぼけ画像と判断された元画像に対しては、元画像のBGRの各画像データに対してラプラシアンフィルタを作用させて鮮鋭化処理を行い(S8)、処理済みのBGRの各画像データを露光部3に送る。一方、鮮鋭化処理部9は、S7にて鮮鋭度の高い画像と判断された元画像に対しては、上記の鮮鋭化処理を行わず(S9)、元画像のBGRの各画像データをそのまま露光部3に送る。露光部3では、鮮鋭化画像のBGRの各画像データまたは元画像のBGRの各画像データに基づいて上述した印画紙の露光が行われることになる。
【0100】
次に、図5(a)または図5(b)に示す相対度数分布を作成し、相対度数の比H/Lと閾値との大小関係を比較することによって、本発明の効果が得られる理由について説明する。
【0101】
鮮鋭なエッジとは、画像データの変化区間の幅が小さいエッジであると考えられる。したがって、画像データの変化区間の小さいエッジを抽出して元画像の鮮鋭度を判断できれば、その判断は適切なものとなる。つまり、鮮鋭度の判断においては、画像データの変化区間の大小をどのようにして認識するかがポイントとなる。
【0102】
図6は、元画像とそのぼけ画像とで、画像中のあるエッジ部分における画像データの変化を示している。同図中、直線Aは、元画像における画像データの変化を示し、直線Bは、ぼけ画像における画像データの変化を示している。同図に示すように、元画像でのエッジ幅をw、平滑化に使用するデジタルフィルタの半径をr(定数)とすると、ぼけ画像でのエッジ幅は、w+2r程度になる。これは、エッジの両端でrずつエッジの情報が広がるためである。
【0103】
ところで、元画像の平滑化によってエッジ幅は大きくなるが、元画像で鮮鋭なエッジほどエッジ幅が小さいため、例えば、ぼけ画像と元画像とにおけるエッジ幅の比、すなわち、(ぼけ画像のエッジ幅)/(元画像のエッジ幅)の値は、元画像が鮮鋭な場合ほど大きくなる。つまり、(ぼけ画像のエッジ幅)/(元画像のエッジ幅)=(w+2r)/w=1+2r/wとなるので、エッジが鮮鋭であれば(wが小さければ)、上記エッジ幅比が大きくなる。したがって、このようなエッジ幅比を考えれば、元画像の各エッジの鮮鋭度を適切に判断することができる。これにより、元画像に含まれる複数のエッジのうち、鮮鋭なエッジの情報を用いて画像の鮮鋭度を判断することが可能となる。
【0104】
しかし、各エッジ幅の値は、各画像からは簡単に得られないので、各エッジ幅の値から上記エッジ幅比を求めることはできない。そこで、本発明では、デジタルフィルタをかけることで簡単に得られるエッジ強度を利用して、以下のようにして上記エッジ幅比を考えるようにしている。
【0105】
上記両画像における画像データの変化量をhとすれば、元画像のエッジ強度eoはh/wとなり、ぼけ画像のエッジ強度ebはh/(w+2r)となるので、エッジ強度比fは、eb/eo={h/(w+2r)}/(h/w)=w/(w+2r)となる。このとき、エッジ強度比fの逆数である1/fは、(w+2r)/w=1+2r/wとなる。つまり、上記したエッジ幅比は、エッジ強度比fの逆数と等価である。したがって、元画像とぼけ画像とで得られるエッジ強度を利用することにより、上記エッジ幅比を考えることができる。
【0106】
ただし、エッジ強度比fの1個の値だけに基づいて、あるいは、エッジ強度比fと閾値との1個の大小関係だけに基づいて元画像全体の鮮鋭度を判断することはできない。なぜならば、上記エッジ強度比fは、元画像の一画素とぼけ画像の一画素との間で得られる関係を示しているものに過ぎないからである。つまり、エッジ強度比fの一つ一つは、画素によって異なる値であり、どれか一つのエッジ強度比fの値で画像全体の鮮鋭度を判断するのは危険だからである。
【0107】
そこで、本実施形態では、エッジ強度比fの相対度数分布を作成すると共に、互いに異なるエッジ強度比fのそれぞれに対応する相対度数の比を考え、上記相対度数の比と閾値との大小関係を比較している。この手法により、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、エッジ幅の比の大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0108】
また、画像データの変化量hは、同じ画像でもエッジ間で異なるため、鮮鋭度の評価においては、上記hのばらつきの影響を取り除く、つまり、上記hについて正規化する必要がある。ここで、ぼけ画像のエッジ強度ebは、上記したようにh/(w+2r)で得られ、hの情報を含んでいる。また、元画像のエッジ強度eoは、h/wで得られ、やはりhの情報を含んでいる。しかし、ぼけ画像のエッジ強度ebと元画像のエッジ強度eoとで得られるエッジ強度比fを演算することにより、エッジ強度比fからhの情報を除外することができる。つまり、エッジ強度比fに正規化の概念を含ませることができる。
【0109】
したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの相対度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記相対度数分布に反映させることができる。
【0110】
したがって、本発明によれば、元画像がどのような画像であっても、上記相対度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができる。
【0111】
また、相対度数分布を作成したり、相対度数の比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断は容易なものとなる。また、本発明では、鮮鋭度の判断結果を安定させるために必要な計算量自体も少なくなるので、鮮鋭度の判断を従来よりも迅速に行うことができる。
【0112】
ところで、エッジ強度比fの単なる度数分布(エッジ強度比fの値をとる度数の絶対数の分布)を作成し、互いに異なるエッジ強度比fの値に対応する度数(絶対数)の比と閾値との大小関係を比較することによって元画像の鮮鋭度を判断するようにしてもよい。しかし、エッジ強度比fの単なる度数分布では、元画像を構成する画素数が変化すれば、その分布形状も変化するので、元画像の画素数に応じた閾値の設定が必要となる。これに対して、エッジ強度比fの相対度数分布を作成した場合は、元画像の画素数が異なる場合でも、同等の鮮鋭度の画像についてはほぼ同じ分布形状を得ることができ、元画像の画素数に応じた閾値の設定が不要である。したがって、エッジ強度比fの相対度数分布を作成するほうが、鮮鋭度の判断をより容易に行うことができる。
【0113】
なお、相対度数分布の横軸におけるエッジ強度比fの値の間隔、相対度数HやLに対応するエッジ強度比fのとりえる区間、閾値などは、実験や経験に基づいて設定される経験定数であるが、これらを適宜変更することは容易である。
【0114】
また、元画像において主要被写体の背景部分がぼけている場合には、そのような背景部分を除いて主要被写体部分に対応する相対度数分布を作成するようにすれば、本発明の方法により主要被写体部分の鮮鋭度を適切に判断することができる。
【0115】
以上で説明した処理は、画像の鮮鋭度の判断処理を機能させるためのプログラムで実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、図2の画像処理部2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0116】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを画像処理部2の図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0117】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0118】
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0119】
なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0120】
以上では、鮮鋭度判断部8における鮮鋭度の判断を、輝度画像データYを用いて行う場合について説明したが、画像取込部1からのBGRの画像データを用い、BGRのそれぞれについて鮮鋭度の判断を行うようにしてもよい。この場合、BGR/輝度変換部4が不要となるので、画像処理部2の構成をより簡素化することができる。しかし、BGR別々に鮮鋭度の判断を行うようにすると、BGRのそれぞれについて異なった鮮鋭度の判断がされるおそれもあるので、このことを考えれば、本実施形態のように輝度画像データYを用いて鮮鋭度の判断を行うようにするほうがよい。
【0121】
また、以上では、鮮鋭化処理部9が画像取込部1からのBGRの画像データを用い、BGRのそれぞれについて鮮鋭化処理を行うようにしているが、BGR/輝度変換部4にて得られた輝度画像データYを用いて鮮鋭化処理を行うようにしてもよい。この場合、鮮鋭化処理された画像の輝度画像データyをBGRの各画像データに変換して露光部3に供給する輝度/BGR変換部を設けることが必要となる。
【0122】
このとき、輝度/BGR変換部にて、BGRの各画像データは例えば以下のようにして求められる。
【0123】
B=b+Y−y
G=g+Y−y
R=r+Y−y
ただし、上記のb、g、rは、BGR/輝度変換部4にて変換される前のB、G、Rの各画像データであり、Yは、BGR/輝度変換部4にて変換された後の輝度画像データであり、yは、上記輝度/BGR変換部にて変換される前の輝度画像データである。
【0124】
なお、以上では、ネガフィルムに記録された画像を読み取ってその鮮鋭度を判断する方法について説明したが、ポジフィルム等、その他の写真フィルムに記録された画像を読み取ってその鮮鋭度を判断する場合にも、本発明を適用することができる。
【0125】
また、以上では、本発明の鮮鋭度判断方法を写真焼付装置に適用した例について説明したが、例えばデジタルカメラで取り込んだ画像(デジタル画像)の鮮鋭度を判断する場合や、PCのモニタに表示された画像の鮮鋭度を判断する場合にも本発明を適用することができる。
【0126】
また、ソフトフォーカスのようなぼけ画像を作成すべく、元画像の画像データに対して平滑化処理を行う前に、元画像の鮮鋭度を調べる際にも、本発明の方法を利用することができる。
【0127】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、以上のように、元画像からその平滑化画像を作成する第1の工程と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の工程と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の工程と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の工程とを有し、上記第4の工程は、さらに、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する工程と、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める工程と、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する工程とを有している構成である。
【0128】
それゆえ、エッジ強度比fの度数分布が作成されると共に、互いに異なるエッジ強度比fに対応する度数の比と閾値との大小関係が比較される。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0129】
また、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fから画像データ変化量であるhの情報を除外することができる。したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0130】
したがって、上記構成によれば、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができるという効果を奏する。
【0131】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができるという効果を併せて奏する。
【0132】
請求項2の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、以上のように、請求項1の構成において、上記第4の工程は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求める工程をさらに含んでいる構成である。
【0133】
それゆえ、元画像において周囲の画素よりも第1エッジ強度の高い画素は、画像中で確実にエッジ部分に対応していることが言える。したがって、そのような画素の第1エッジ強度と、第2エッジ強度とを用いてエッジ強度比を求めることにより、このエッジ強度比を用いて作成した度数分布に基づいて行う元画像の鮮鋭度の判断を、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して行うことができる。その結果、請求項1の構成による効果に加えて、鮮鋭度の判断結果の信頼性を確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0134】
請求項3の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、以上のように、請求項2の構成において、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とである構成である。
【0135】
それゆえ、注目画素から見て斜め方向に位置する画素の情報は、注目画素の上下左右に位置する画素にそれぞれ反映されている。したがって、エッジ強度比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素として、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とを考えても、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して元画像全体の鮮鋭度の判断を行うことができる。つまり、請求項2に構成による効果に加えて、注目画素の周囲の全ての画素の第1エッジ強度を考えなくても、少ない画素数で上記鮮鋭度の判断を適切に行うことができるという効果を奏する。
【0136】
特に、注目画素と、その上下方向および左右方向に位置する画素とを上記決定の考慮に入れれば、上述の効果を確実に得ることができるという効果を併せて奏する。
【0137】
請求項4の発明に係る画像の鮮鋭度判断方法は、以上のように、請求項1ないし3のいずれかの構成において、上記度数は、各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数である構成である。
【0138】
それゆえ、エッジ強度比とその相対度数とからなる相対度数分布を作成した場合は、元画像の画素数が異なる場合でも、同等の鮮鋭度の画像についてはほぼ同じ分布形状を得ることができる。これにより、元画像の画素数に応じた閾値の設定を不要とすることができ、請求項1ないし3のいずれかの構成による効果に加えて、鮮鋭度の判断をより容易に行うことができるという効果を奏する。
【0139】
請求項5の発明に係る、画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体は、以上のように、元画像からその平滑化画像を作成する第1の処理と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の処理と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の処理と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなり、上記第4の処理は、さらに、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する処理と、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める処理と、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する処理とからなっている構成である。
【0140】
それゆえ、上記記録媒体のプログラムがコンピュータにて実行されると、エッジ強度比fの度数分布が作成されると共に、互いに異なるエッジ強度比fに対応する度数の比と閾値との大小関係が比較される。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0141】
また、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fから画像データ変化量であるhの情報を除外することができる。したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0142】
したがって、本発明の記録媒体を用いてコンピュータを駆動すれば、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができるという効果を奏する。
【0143】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができるという効果を併せて奏する。
【0144】
請求項6の発明に係る画像処理装置は、以上のように、元画像からその平滑化画像を作成する平滑化画像作成手段と、上記元画像の第1エッジ強度を算出する第1エッジ強度算出手段と、上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第2エッジ強度算出手段と、上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する鮮鋭度判断手段とを備え、上記鮮鋭度判断手段は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成すると共に、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求め、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する構成である。
【0145】
それゆえ、鮮鋭度判断手段が、エッジ強度比fの度数分布が作成されると共に、互いに異なるエッジ強度比fに対応する度数の比と閾値との大小関係が比較される。これにより、エッジ強度比fがより小さい値となるような画素、すなわち、逆数1/fが大きい値となるような画素の、画像全体に占める割合を客観的に把握することができる。逆数1/fが大きい値となるような画素の割合が多ければ、平滑化画像と元画像とにおけるエッジ幅の比b/aの大きい画素の割合が多いことになり、結果的に、元画像に鮮鋭なエッジが多く含まれることになる。
【0146】
また、エッジ強度比fを演算すれば、f=a/bとなり、エッジ強度比fから画像データ変化量であるhの情報を除外することができる。したがって、元画像が画像データの変化量の異なる部分を含んでいても、上記エッジ強度比fを演算することによって、画像データの変化量を正規化したときの画像データの変化区間の大小を必然的に見ていることになる。これにより、エッジ強度比fの度数分布を作成すれば、真に鮮鋭なエッジの情報を確実に上記度数分布に反映させることができる。
【0147】
したがって、上記構成によれば、元画像がどのような画像であっても、上記度数分布に基づいて、元画像の鮮鋭度を適切かつ安定して判断することができるという効果を奏する。
【0148】
また、上記度数分布を作成したり、エッジ強度比と閾値との大小関係を比較するのは非常に単純な処理であり、複雑な計算は必要ないので、鮮鋭度の判断を容易に行うことができるという効果を併せて奏する。
【0149】
請求項7の発明に係る画像処理装置は、以上のように、請求項6の構成において、上記鮮鋭度判断手段は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求める構成である。
【0150】
それゆえ、元画像において周囲の画素よりも第1エッジ強度の高い画素は、画像中で確実にエッジ部分に対応していることが言える。したがって、そのような画素の第1エッジ強度と、第2エッジ強度とを用いてエッジ強度比を求めることにより、このエッジ強度比を用いて作成した度数分布に基づいて行う元画像の鮮鋭度の判断を、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して行うことができる。その結果、請求項6の構成による効果に加えて、鮮鋭度の判断結果の信頼性を確実に向上させることができる。
【0151】
請求項8の発明に係る画像処理装置は、以上のように、請求項7の構成において、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とである構成である。
【0152】
それゆえ、注目画素から見て斜め方向に位置する画素の情報は、注目画素の上下左右に位置する画素にそれぞれ反映されている。したがって、エッジ強度比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素として、元画像における注目画素と、上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とを考えても、元画像のエッジ部分の鮮鋭度を確実に考慮して元画像全体の鮮鋭度の判断を行うことができる。つまり、請求項7に構成による効果に加えて、注目画素の周囲の全ての画素の第1エッジ強度を考えなくても、少ない画素数で上記鮮鋭度の判断を適切に行うことができるという効果を奏する。
【0153】
特に、注目画素と、その上下方向および左右方向に位置する画素とを上記決定の考慮に入れれば、上述の効果を確実に得ることができるという効果を併せて奏する。
【0154】
請求項9の発明に係る画像処理装置は、以上のように、請求項6ないし8のいずれかの構成において、上記度数は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数である構成である。
【0155】
それゆえ、エッジ強度比とその相対度数とからなる相対度数分布を作成した場合は、元画像の画素数が異なる場合でも、同等の鮮鋭度の画像についてはほぼ同じ分布形状を得ることができる。これにより、元画像の画素数に応じた閾値の設定を不要とすることができ、請求項6ないし8のいずれかの構成による効果に加えて、鮮鋭度の判断をより容易に行うことができるという効果を奏する。
【0156】
請求項10の発明に係る画像処理装置は、以上のように、請求項6ないし9のいずれかの構成において、上記鮮鋭度判断手段での判断結果に応じて元画像に対して鮮鋭化処理を行う鮮鋭化処理手段をさらに備えている構成である。
【0157】
それゆえ、鮮鋭化処理手段にて必要に応じて元画像に対する鮮鋭化処理が行われるので、請求項6ないし9のいずれかの構成による効果に加えて、元画像がぼけ画像であってもなくても、最終的には高画質の画像を得ることができるという効果を奏する。
【0158】
請求項11の発明に係る写真焼付装置は、以上のように、請求項6ないし10のいずれかに記載の画像処理装置と、上記画像処理装置にて鮮鋭化処理された画像の画像データまたは元画像の画像データに基づいて感光材料を露光する露光手段とを備えている構成である。
【0159】
それゆえ、請求項6ないし10のいずれかに記載の画像処理装置にて鮮鋭化処理された画像の画像データまたは元画像の画像データに基づいて、上記露光手段が感光材料を露光することにより、高画質な写真プリントを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る写真焼付装置の画像処理部における動作の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記画像処理部の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】平滑化画像を作成するためのフィルタの一例を示す説明図である。
【図4】エッジ強度を算出するためのフィルタの一例を示す説明図である。
【図5】(a)は、元画像が鮮鋭度の高い画像である場合に得られる、エッジ強度の比の相対度数分布を示す説明図であり、(b)は、元画像がぼけ画像である場合に得られる、エッジ強度の比の相対度数分布を示す説明図である。
【図6】元画像とそのぼけ画像とで、画像中のあるエッジ部分における画像データの変化を示す説明図である。
【図7】画像中の直線状の領域の各画素位置における画像データの変化を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
2 画像処理部(画像処理装置、コンピュータ)
3 露光部(露光手段)
5 平滑化画像作成部(平滑化画像作成手段)
6 第1エッジ強度算出部(第1エッジ強度算出手段)
7 第2エッジ強度算出部(第2エッジ強度算出手段)
8 鮮鋭度判断部(鮮鋭度判断手段)
9 鮮鋭化処理部(鮮鋭化処理手段)
Claims (9)
- 元画像からその平滑化画像を作成する第1の工程と、
上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の工程と、
上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の工程と、
上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の工程とを有し、
上記第4の工程は、さらに、
上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する工程と、
互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める工程と、
上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する工程とを有して
おり、
上記第4の工程は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求める工程をさらに含んでいることを特徴とする画像の鮮鋭度判断方法。 - 上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、
元画像における注目画素と、
上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とであることを特徴とする請求項1に記載の画像の鮮鋭度判断方法。 - 上記度数は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像の鮮鋭度判断方法。
- 元画像からその平滑化画像を作成する第1の処理と、
上記元画像の第1エッジ強度を算出する第2の処理と、
上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第3の処理と、
上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する第4の処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなり、
上記第4の処理は、さらに、
上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成する処理と、
互いに異なる上記比に対応する度数の比を求める処理と、
上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断する処理とからなっており、
上記第4の処理は、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求める処理をさらに含んでいることを特徴とする画像の鮮鋭度を判断する処理を行うためのプログラムを記録した記録媒体。 - 元画像からその平滑化画像を作成する平滑化画像作成手段と、
上記元画像の第1エッジ強度を算出する第1エッジ強度算出手段と、
上記平滑化画像の第2エッジ強度を算出する第2エッジ強度算出手段と、
上記第1エッジ強度と上記第2エッジ強度とに基づいて元画像の鮮鋭度を判断する鮮鋭度判断手段とを備え、
上記鮮鋭度判断手段は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比と、その度数とに基づいて度数分布を作成すると共に、互いに異なる上記比に対応する度数の比を求め、上記度数の比と閾値との大小関係に基づいて元画像の鮮鋭度を判断し、かつ、上記元画像の注目画素における第1エッジ強度とその周囲の画素における第1エッジ強度との中で、上記注目画素における第1エッジ強度が最大となる場合の、上記注目画素における第1エッジ強度と、上記注目画素と上記平滑化画像上で対応する画素の第2エッジ強度とを用いて、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めることを特徴とする画像処理装置。 - 上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との比を求めるための上記第1エッジ強度を決定するのに用いられる画素は、
元画像における注目画素と、
上記注目画素の上下方向に位置する画素と上記注目画素の左右方向に位置する画素とのうち少なくとも一方の画素とであることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 上記度数は、上記第2エッジ強度と上記第1エッジ強度との各比に対応する度数を全て足し合わせた全度数に対する相対度数であることを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
- 上記鮮鋭度判断手段での判断結果に応じて元画像に対して鮮鋭化処理を行う鮮鋭化処理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の画像処理装置。
- 請求項5ないし8のいずれかに記載の画像処理装置と、
上記画像処理装置にて鮮鋭化処理された画像の画像データまたは元画像の画像データに基づいて感光材料を露光する露光手段とを備えていることを特徴とする写真焼付装置。
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