JP4374125B2 - 金型用の温度調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金型用の温度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の金型用の温度調節装置として以下の如きものは知られている。液体通路を有する金型と、ヒーターを有すると共に液体通路を有する温度調節機と、液体循環用ポンプとを有し、それらが液体循環路を構成しており、この液体循環路に所定圧力で加圧された常温の液体を供給する液体供給源が液体供給用の導管を介して接続されると共に液体循環路に途中に開閉弁が介在された排液管が接続されているものは知られている。
【0003】
【従来技術の欠点】
前記従来の金型用の温度調節装置には以下の如き欠点があった。
前記開閉弁を開いて液体循環路内の液体を排出しつつ、液体供給源から常温の液体を液体循環路内に供給する場合、排出される高温の液体が(例えば、摂氏100度〜摂氏120度程度の液体)が蒸気となり、その結果、液体に含まれるスケール成分が蒸気と分離して開閉弁の弁座・弁体に付着し、その付着スケールが開閉弁が完全に閉じるのを阻害するという欠点があった。
【0004】
【前記欠点を解消するための手段】
本発明は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。
請求項1の発明は、液体通路を有する金型と、ヒーターを有すると共に液体通路を有する温度調節機と、液体循環用ポンプとを有し、それらが液体循環路を構成しており、この液体循環路に所定圧力で加圧された常温の液体を供給する液体供給源が液体供給用の導管を介して接続されると共に液体循環路に途中に開閉弁が介在された排液管が接続されている金型用の温度調節装置において、開閉弁より上流側の排液管と液体供給用の導管とが絞り通路によって接続されているものである。
【0005】
【発明の効果】
本発明は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏する。
請求項1の発明によれば、開閉弁を開くと、絞り通路を経て常温の液体(液体供給源からのもの)が、排出される液体循環路内の高温の液体に混入して、開閉弁を通過する液体の温度を低下させて蒸気が発生しないようにするので、スケール成分が開閉弁の弁座・弁体に付着するのを防止することが出来、その結果、開閉弁が完全に閉じなくなるというトラブルを防止することが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
温度調節機2は、内部に棒状のヒーター67を有する復路導管7と、内部に棒状のヒーター67を有する往路導管6とを有している。
【0007】
前記復路導管7の出口と液体循環用ポンプ71の吸引口72とが導管68によって接続され、往路導管6の入口と液体循環用ポンプ71の吐出口73とが導管69によって接続されている。
【0008】
前記復路導管7には導管19を介してフロート室11が接続されており、このフロート室11にフロートスイッチ12が設けられている。
前記フロートスイッチ12は、フロート室11内に垂直状に設けられたガイド棒14と、このガイド棒14に沿って昇降自在となされたフロート15とを有している。
フロート15には磁石(図示略)が設けられ、フロート15が最上位置に位置した際、フロート15の磁石によって作動させられるリードスイッチ等のスイッチ(図示略)がガイド棒14の上部に設けられている。
このような構成によって、スイッチが「ON」状態でフロート15が液体で押し上げられて最上位置又はその近傍に位置することを知ることが出来、他方、スイッチが「OFF」状態でフロート15が液体が減って最上位置又はその近傍から外れたことを知ることが出来る。このことにより、復路導管7内の液体が減ったことを知ることが出来る。なお、前記スイッチが「OFF」状態になると警報が発せられる。
【0009】
前記往路導管6の出口と液体通路(図示略)を有する樹脂成形用の金型26の入口とが途中に逆止弁24(往路導管6側に向かう流れを阻止するもの)を有する往路導管25を介して接続されている。
前記フロート室11と金型26の出口とが復路導管27を介して接続されている。
このような構成によって、液体循環用ポンプ71、往路導管6、金型26、復路導管7を含む液体循環路(以下、単に液体循環路という。)が構成されている。
【0010】
往路導管25の、逆止弁24より往路導管6に近い側と復路導管27とがバイパス導管29を介して接続されている。このバイパス導管29の途中に可変式の流量調節弁30が設けられている。
このバイパス導管29は、流量調節弁30の開き具合に応じた流量を往路導管25から復路導管27に短絡流通させて、金型26に流入する液体の量を調節するためのものである。
【0011】
前記フロート室11に、所定圧力で加圧された常温の液体を供給する液体供給源43が液体供給用の導管42を介して接続されている。前記導管42には開閉弁38(電磁開閉弁等からなるもの)が介在させられている。なお、開閉弁38は通常運転時常に開いているものである。
前記開閉弁38とフロート室11との間の導管42に、その部分の圧力が設定値以上の異常圧力となった場合、その圧力を逃がすリリーフ弁44が接続されている。
【0012】
前記フロート室11には、下流側が大気に開放した排液管51が接続されており、この排液管51には、入口49a及び出口49bを有する開閉弁49が介在されている。開閉弁49より上流側の排液管51(開閉弁49とフロート室11との間の排液管51)と、開閉弁38とフロート室11との間の導管42とが、絞り通路46を有する導管45を介して接続されている。このような構成により、通常運転時常に開いている開閉弁38を介して、液体供給源43の常温の圧力液体を開閉弁49の入口49a側に導いている。
【0013】
逆止弁24より下流側(金型20側)の往路導管25に、途中に開閉弁80及び逆止弁81を有する導管82を介して圧力空気源83が接続されている。逆止弁81は圧力空気源83に向かう流れを阻止するものである。
【0014】
【発明の実施の形態の使用方法】
次に発明の実施の形態の使用方法を説明する。
初めに、運転開始のための操作、即ち、液体循環路に液体を充填する操作につき説明する。
開閉弁80は閉じておく。また、流量調節弁30は少し開けておく。
その状態で、開閉弁38、開閉弁49を開くと、液体供給源43から液体が開閉弁38、フロート室11を経て、液体循環路に供給される。
なお、液体循環路内の空気は、フロート室11、開閉弁49を通って、排液管51より排出される。そして、ほぼ液体循環路内に液体が満たされると、上記の状態のまま液体循環用ポンプ71を作動して、液体を空気と共に排液管51より排出する。
そして、フロート15が上下動しなくなったことをもって液体循環路に液体が充填されたことを知る。
その後、開閉弁49を閉じる。なお、開閉弁38は開いたままで保持する。
【0015】
このような準備の後、棒状のヒーター67を「ON」にすると共に射出成形機を作動させて、製品の品質が安定した後、本運転(通常運転)する。液体循環用ポンプ71により液体は液体循環路を循環する。必要に応じて、流量調節弁30の開き具合を調節して所定の流量を往路導管25から復路導管27に短絡流通させることが出来る。
【0016】
本運転時(通常運転時)、液体循環路内から液体が漏れてもその漏れた分を特別の制御を行なうことなく、液体供給源43から開閉弁38、フロート室11を経て自動的に供給して液体循環路を常時液体で満たすことが出来る。
そして、液体循環路内の液体の温度が上昇し過ぎた際は、開閉弁49を開いて、液体循環路内の液体を排出しつつ、液体供給源43から常温の液体を供給する。その際、液体循環路から排出される高温の液体(摂氏100度〜摂氏120度程度)に絞り通路46を経て液体供給源43からの常温の液体が混合されるので、開閉弁49を通過する液体の温度を低下させて蒸気が発生しないようにすることが出来る。
【0017】
【変形例等】
以下に変形例等について説明を加える。
(1)開閉弁38、開閉弁49を手動の開閉弁としてもよい。
(2)絞り通路46を流量調節自在のものとしてもよい。
(3)ストレーナー等は必要に応じて使用すればよい。
(4)ヒーターは棒状に限定されない。また、ヒーターは少なくとも1つあればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
2 温度調節機
26 金型
42 液体供給用の導管
43 液体供給源
49 開閉弁
51 排液管
67 棒状のヒーター
71 液体循環用ポンプ
Claims (1)
- 液体通路を有する金型と、ヒーターを有すると共に液体通路を有する温度調節機と、液体循環用ポンプとを有し、それらが液体循環路を構成しており、この液体循環路に所定圧力で加圧された常温の液体を供給する液体供給源が液体供給用の導管を介して接続されると共に液体循環路に途中に開閉弁が介在された排液管が接続されている金型用の温度調節装置において、開閉弁より上流側の排液管と液体供給用の導管とが絞り通路によって接続されている金型用の温度調節装置。
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