JP4372319B2 - リニアモータとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定体に対して移動体を相対移動させるリニアモータとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3相(U相、V相、W相)のコイルが巻き付けられた鉄心の磁極が所定ピッチで配列されたコイル側リニアモータと、このコイル側リニアモータに隙間(エアギャップ)を開けて対向する永久磁石が所定ピッチで配列された磁石側リニアモータとを有する3相交流同期式リニアモータが知られている。このような3相交流同期式リニアモータでは、組み合わせるコイル(磁極鉄心)の数と磁石の数との比によってコギングやトルクリップルが少なくなるために、これらの比によっては隣り合う磁極鉄心間の間隙部を狭くする必要なくなり、極歯先端部を厚くする必要がなくなる。
【0003】
通常、工作機械などの制御軸の送り装置にリニアモータを採用する場合には、リニアモータのエアギャップに切削屑などが入り込まないように、リニアモータが密閉空間内に設置される。その結果、コイルから発生する熱が逃げ難くなるために、工作機械の構成部品が熱膨張して移動軸の制御位置が熱変位し、加工精度が低下することがあった。このように、リニアモータでは、コイルの発熱を効率よく冷却することが解決すべき重要な課題であった。
【0004】
そこで、特開昭63−157643号公報には、駆動用電磁石のコイル部に接する冷却用配管を設け、この冷却用配管内を流れる熱伝送媒体によってコイル部に発生する熱を除去するリニアモータが開示されている。また、特開平9−238449号公報には、駆動用コイルを冷却する冷却手段を駆動コイル毎に設けたリニアモータが開示されている。これらのリニアモータは、いずれもコイルの発熱を冷媒によって冷却するために、冷却効率を向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のリニアモータでは、工作機械などに採用される場合においてなお不十分であった。冷却配管が、各コイルの間にあって、各コイルに全面に渡って直接当接していないからである。それで、従来の冷却構造をそのまま採用しても十分な冷却効率を得ることができなかった。
【0006】
この発明の課題は、製作や組立が容易であってコイルの発熱を効率よく抑えることができるリニアモータとその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定するものではない。
請求項1の発明は、基板(3)上に所定の間隔を開けて形成された磁極鉄心(4a)と、前記磁極鉄心に嵌め込まれた絶縁筒(5)と、前記絶縁筒に巻き付けられたコイル(6)と、前記コイルを冷却する冷却液が流れる冷却配管(7)とを含み、前記磁極鉄心は、基部(4b)側から前記磁極鉄心(4a)の先端部側に向かって厚みが薄くなるテーパ面(4c,4d)を有し、前記絶縁筒は、前記磁極鉄心のテーパ面と傾斜角度が略同一のテーパ面(5c,5d)を有し、前記コイルは、前記絶縁筒のテーパ面に略均一な厚さで巻き付けられ、前記冷却配管は、隣り合う前記コイルの間隙部に略密着した状態で嵌め込まれる渡し配管(71)と、前記渡し配管の一方の端部に前記冷却液を供給する供給配管(72)と、前記渡し配管の他方の端部から前記冷却液を回収する回収配管(73)とを含むことを特徴とするリニアモータ(1)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のリニアモータにおいて、前記供給配管及び前記回収配管の断面積が、前記渡し配管の断面積よりも大きいことを特徴とするリニアモータである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載のリニアモータの製造方法であって、前記冷却管をあらかじめ井桁状に形成する工程と、前記基板上に所定の間隔を開けて前記磁極鉄心を形成する工程と、前記絶縁筒に前記コイルを巻き付ける工程と、前記コイルが巻き付けられた前記絶縁筒を前記磁極鉄心に嵌め込む工程と、隣り合う前記コイルの間隙部に前記冷却管の前記渡し配管を嵌め込む工程と、組み込まれた前記コイルおよび前記冷却管とともに前記磁極鉄心(4a)をモールドする工程と、
を含むリニアモータ(1)の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係るリニアモータの平面図である。図2は、この発明の実施形態に係るリニアモータの一部を切り欠いて示す側面図である。図3は、図1のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。図4は、図2のIV部分を拡大して示す側面図である。図5は、この発明の実施形態に係るリニアモータを分解した状態を示す図であり、図5(A)は斜視図であり、図5(B)は断面図である。
【0011】
リニアモータ1は、固定体に対して移動体を相対移動させるための推力を発生する装置である。リニアモータ1は、所定ピッチで永久磁石が配列された図示しない磁石側リニアモータと、コイル側リニアモータ2とから構成されている。この実施形態では、コイルに3相交流が供給されるリニアモータが例示され、コギングが少なくなるように、コイルの個数と永久磁石の個数とが9:8になるように構成されている。
【0012】
コイル側リニアモータ2は、磁石側リニアモータを相対移動させるための推力を発生する装置である。コイル側リニアモータ2は、磁石側リニアモータとの間に隙間を開けて対向して配置されている。コイル側リニアモータ2は、図1〜図5に示すように、ベースプレート3と、鉄心4と、絶縁筒5と、コイル6と、冷却配管7と、磁気センサ8とを備えている。
【0013】
ベースプレート3は、鉄心4を固定する基板である。ベースプレート3は、通常の鋼板で、その両縁部には、図1に示すように、コイル側リニアモータ2を固定するためのボルトを挿入する座ぐり穴3aが形成されている。
【0014】
鉄心4は、ベースプレート3上に所定の間隔を開けて形成される極歯4aを備えた部材である。鉄心4は、例えば、薄板状の珪素鋼鈑などの電磁鋼鈑を櫛歯形状に打ち抜いて、これらを積層して一体化したものであり、ベースプレート3との当接面に形成したタップ穴を利用してベースプレート3上に固定・一体化される。鉄心4は、図4に示すように、磁石側リニアモータの永久磁石と対向する極歯4aと、ベースプレート3に固定される基部4bとを備え、極歯4aの側面に基部4b側から極歯4aの先端側に向かって厚みが薄くなるテーパ面4c,4dが形成されている。したがって、各極歯4aは、断面形状が略台形であり、極歯4aの先端側が僅かに厚みが薄いテーパ状の歯に形成されている。この実施形態では、基部4b上に極歯4aが9個配列されており、これらの極歯4aと対向する永久磁石が8個配列される。その結果、隣り合うコイル6間の間隙部を狭くしなくてもコギングが減少するために、僅かに側面が傾斜したような単純な形状に極歯4aを形成することができる。また、この実施形態では、極歯4aの両側に対称なテーパ面を形成する場合には、テーパ面のこう配をそれぞれ1/70〜1/35程度にすることが好ましく、極歯4aの片側のみにテーパ面を形成する場合には、このテーパ面のこう配を1/35〜2/35程度にすることが好ましい。極歯4aとしては厚みが均一であるほうが好ましく、テーパ面4c,4dを形成しないほうが好ましいが、後に説明するようにコイル6と冷却配管7とを広い面積で密着させるために、テーパ面4c,4dに所定の傾斜角度が形成されている。テーパ面4c,4dは対称に形成してもよいし非対称に形成してもよい。この実施形態では、テーパ面4c,4dが極歯4aに形成されているために、次に詳述する絶縁筒5を鉄心4に簡単に挿入することができる。
【0015】
絶縁筒5は、鉄心4に嵌め込まれる筒状の絶縁体(インシュレータ)である。絶縁筒5は、図4及び図5に示すように、開口端に形成されたフランジ部(鍔部)5a,5bと、テーパ面4c,4dと傾斜角度が略同一のテーパ面5c,5dとを備えている。絶縁筒5は、断面形状が略長方形の薄肉の成形品である。絶縁筒5は、例えば、液晶ポリマー樹脂などのように、鉄心4とコイル6とを電気的に絶縁するとともに軟化温度の高い材料で成形することが好ましい。絶縁筒5は、2枚1組の断面U字状の成形品(分割品)を組み合わせて一体に形成してもよい。
【0016】
コイル6は、絶縁筒5に巻き付けられる部材である。コイル6は、図4及び図5に示すように、絶縁筒5のテーパ面5c,5dに略均一な厚さで巻き付けられており、コイルの外形寸法がテーパ面4c,4d,5c,5dと同様にテーパ状になるように巻き付けられている。コイル6は、1つの鉄心4に巻き付けられた部分がいずれか1つの相となる単相巻きコイルである。コイル6は、所定の巻数で高密度に絶縁筒5に巻き付けらた状態で、絶縁筒5とともに鉄心4に嵌め込まれる。この実施形態では、絶縁筒5のテーパ面5c,5dに自動巻線機によってコイル6を簡単に巻き付けることができるとともに、所定の巻数や外形寸法に正確に品質管理することができる。また、この実施形態では、コイル6が予め絶縁筒5に巻き付けられた状態で、絶縁筒5が極歯4a先端から嵌め込まれるので、コイル6に傷が付くのを防止することができる。さらに、この実施形態では、コイル6が高密度に巻線されるので、3個の鉄心毎に巻線する従来の3相式リニアモータの推力に比べて推力の低下を抑えることができる。
【0017】
図6は、この発明の実施形態に係るリニアモータの結線状態を示す平面図である。
例えば、3相交流式リニアモータの場合には、図6に示すように、9個の極歯4aにコイル6がそれぞれ巻き付けられ結線される。そして、U,V,Wの3相線が順次それぞれのコイル6に結線されて、U相、V相、W相のコイル6がU,V,W,U,V,W,…の順に各極歯4aに配列される。コイル6の他端側は、一つにまとめられて接続される。3相線は、3相入力線ケーブル6aに結合されてコイル側リニアモータ2の外部に引き出され、3相入力線ケーブル6aの先端部には図示しないモータ駆動装置に接続されるコネクタ6bが取り付けられている。もちろん、ケーブル6aの保護接地線も基部4bに接続される。
【0018】
図7は、この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の斜視図である。図8は、この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の正面図である。図9は、この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の背面図である。図10は、この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の断面図である。図11は、この発明の実施形態に係るリニアモータの渡し配管の断面図である。図12は、この発明の実施形態に係るリニアモータの渡し配管を分解した状態を示す断面図である。
【0019】
冷却配管7は、コイル6を冷却する冷却液が流れる管路である。冷却配管7は、図7〜図10において後に詳述するように、渡し配管71と、供給配管72と、回収配管73と、それらに接続するマニホールド74,75と、供給配管72と回収配管73との間で連通する渡し配管71とを備えている。冷却配管7の材質は、銅あるいはアルミニウムにするとよい。冷却配管7が銅であれば、熱容量が大きく冷却効率に優れコストが安い水などを冷却液としてそのまま使用することができる。また、冷却配管7がアルミニウムであれば、腐食防止のために油性の冷却液が使用される。ただし、例えば、ニッケルなどによって冷却配管7の内周面をめっきする場合には、水を冷却液に使用できる。
【0020】
渡し配管71は、隣り合うコイル6の間隙部においてコイル6に密着した状態で嵌め込まれる配管である。渡し配管71は、図11に示すように、断面形状が略扁平であり、アルミニウムの押し出し成型材によって、あるいは、図12に示すように、銅などからなる絞り引き抜き成形材を互いに溶着して形成される。渡し配管71は、図10及び図11に示すように、第1流路71aと、第2流路71bと、隔壁71cと、テーパ面71d,71eとを備えている。第1流路71aは、図4に示すように、鉄心4の極歯4a先端部側に沿って冷却液を流す流路であり、第2流路71bは、鉄心4の基部4b側に沿って冷却液を流す流路である。第1流路71a及び第2流路71bは、図11に示すように、いずれも断面形状が略台形であり、それぞれの断面積は略等しい。熱伝導度の大きい材料を使用するので、それぞれの流路に等しく冷却液が流れさえすればよい。隔壁71cは、渡し配管71の補強部材として機能するものである。小型のリニアモータにあっては渡し配管71が小さいので、隔壁71cが必ずしも必要ではない。テーパ面71d,71eは、コイル6と略緊密に密着する部分である。テーパ面71d,71eは、基部4b側から極歯4aの先端側に向かって厚くなるように形成されており、テーパ面4c,4d,5c,5dの傾斜方向とは逆方向に傾斜している。この実施形態では、テーパ面71d,71eのこう配を1/70〜1/35程度にすることが好ましい。
【0021】
供給配管72は、渡し配管71の一方の端部に冷却液を供給する配管であり、回収配管73は、渡し配管71の他方の端部から冷却液を回収する配管である。供給配管72及び回収配管73には、図7に示すように、これらの間にコイル6と密着可能な間隔で渡し配管71がろう付けされ固定されている。供給配管72及び回収配管73は、図10に示すように、断面形状が略長方形に形成されており、その材質がアルミニウム、あるいは銅などからなる。供給配管72及び回収配管73は、図7に示すように、一方の端部にマニホールド74,75が接続されており、他方の端部が閉鎖されている。供給配管72及び回収配管73の断面積は、図10に示すように、渡し配管71の断面積よりも大きく、供給配管72及び回収配管73は渡し配管71よりも管路が十分に太く形成されている。こうすることによって、各渡し配管71に供給される冷却液量のむらができるだけ生じないようにしている。
【0022】
図7に示すマニホールド74は、供給配管72に冷却液を供給する柱状体であり、マニホールド75は、回収配管73から冷却液を集合して回収する柱状体である。マニホールド74,75には、図1に示す配管接続金具74a,75aを装着するための図示しない雌ねじ部が形成されており、この雌ねじ部を含む下穴を通して供給配管72に冷却液を供給したり冷却配管73から冷却液を回収したりする。マニホールド74,75は、渡し配管71がコイル6の間で密着する高さ位置に止まり、後述するモールド樹脂によって固定される。
【0023】
以上説明した実施形態では、隣り合う極歯4aの先端の間隙部を狭くする必要がなく、かつ、極歯4aやコイル6を単純な形状に形成することができるようにコイルと磁石の比が選定されているために、冷却配管7の断面形状を単純な形状にすることができる。それで、図7で示されるように、あらかじめ、冷却管7を上記部材によって井桁状に組み上げておいて、この冷却管7を極歯4aの先端側から挿入することによって、冷却配管7をコイル6の間に簡単に組み込むことができ、コイル6に冷却管7を全面で密着させることができる。そして、冷却管7がコイル6に密着すると、冷却配管7が鉄心4に対して所定の高さに位置して、冷却配管7と基部4bとの間に配線が可能なような間隙が形成される。
【0024】
なお、図1に示す磁気センサ8は、コイル側リニアモータ2に対する磁石側リニアモータの相対位置を検出する装置である。磁気センサ8は、通常、2次側部材が永久磁石列を有する3相式リニアモータの場合には、コイル側と永久磁石列との相対位置を検出して位置検出信号をフィードバックする。磁気センサ8は、検出線8aを介してコネクタ8bに接続されている。
【0025】
次に、この発明の実施形態に係るリニアモータの製造方法を説明する。
まず、ベースプレート3上に鉄心4が一体に固定されて所定の間隔を開けて磁極4aが配置される。次に、コイル6が巻き付けられた絶縁筒5が磁極鉄心4aに嵌め込まれる。コイル6の電気配線は、隣り合う磁極4aの間隙部や側面に沿ってベースプレート3上で配線されて3相入力線に結合される。コイル6の他端の電気配線は、U相、V相、W相の3相線毎にまとめられて短絡される。3相入力線は、1本の3相入力線ケーブル6aに収容されて外部に引き出されコネクタ6bに接続される。
【0026】
あらかじめ、渡し配管71、供給配管72及び回収配管73などを井桁状に組み立てた冷却配管7は、渡し配管71が隣り合うコイル6の間隙部に嵌め込まれるようにして、極歯4aの先端側から挿入される。その結果、コイル6と渡し配管71のテーパ面71d,71eとが略全面で密着した状態でベースプレート3上に冷却配管7が取り付けられる。このときに、ベースプレート3と冷却配管7との間の間隙部に電気配線が位置し、3相入力線ケーブル6aが外部に引き出される。
【0027】
以上のように組み付けられたベースプレート3上に型枠が設置されて、鉄心4、コイル6及び冷却配管7などが型枠内に収容された後に、鉄心4の極歯4a先端が埋没するまでモールド樹脂が注入される。この実施形態では、反応硬化後に金属との間に優れた接着性を示すとともに、電気絶縁性が高く機械的強度が大きく寸法安定性があり、高温時にこれらの特性の低下が少ない熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂などを使用することが好ましい。次に、鉄心4、コイル6及び冷却配管7などがモールド樹脂に埋没した状態で加熱されると、モールド樹脂が流動性を増して隅々に行き渡り、やがて反応し硬化する。例えば、エポキシ系樹脂は、50°C程度になると溶融して流動性が増し、コイル6と冷却配管7との間の間隙部に浸透して、150°C程度に加熱すると硬化してコイル6や冷却配管7に接着し一体化する。モールド樹脂が硬化し冷却した後に、フライス盤などによってモールド樹脂の上面が所定の寸法に切削されて平滑になる。この実施形態では、このような工程によってコイル側リニアモータ2を組み立てるために、コイル6の発熱を効率よく冷却可能なリニアモータ1を一定の品質で容易に量産することができる。
【0028】
この発明の実施形態に係るリニアモータには、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、磁極鉄心4aのテーパ面4c,4dと傾斜角度が略同一のテーパ面5c,5dを有する絶縁筒5に、略均一な厚さでコイル6が巻き付けられており、冷却液が流れる渡し配管71が隣り合うコイル6の間隙部に略密着した状態で嵌め込まれている。その結果、リニアモータ1の推力を低下させずに、コイル6を効率よく冷却することができる。また、この実施形態では、冷却配管7の断面形状が略扁平に形成され、冷却配管7とコイル6とが略全面で接触可能なようにこれらがテーパ状に形成されているために、磁極鉄心4aの先端部がより効果的に冷却されて冷却効率を向上させることができる。
【0029】
(2) この実施形態では、供給配管72及び回収配管73の断面積が渡し配管71の断面積よりも大きいために、各渡し配管71の第1流路71a及び第2流路71bを流れる冷却液の流量に差が生じないようにすることができる。
【0030】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。例えば、この実施形態では、3相交流同期式リニアモータを例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、移動体が永久磁石を備えず単なる誘導体である誘導形についても、コイル側リニアモータ2と同様の構成にすることができる。また、この実施形態では、一つの隔壁71cによって冷却配管7内を区画した場合を例に挙げて説明したが、隔壁71cを省略して冷却配管7内に1つの管路を形成してもよいし、2枚以上の隔壁によって冷却配管7内を区画してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、極歯鉄心のテーパ面と傾斜角度が略同一のテーパ面を有する絶縁筒に、略均一な厚さでコイルが巻き付けられており、冷却液が流れる渡し配管が隣り合うコイルの間隙部に略密着した状態で嵌め込まれているので、コイルの発熱を効率よく抑えることができる。
加えて、冷却配管7をあらかじめ井桁状に形成しておいて、これをコイルの間に挿入するので、冷却配管を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るリニアモータの平面図である。
【図2】この発明の実施形態に係るリニアモータの一部を省略して示す側面図である。
【図3】図1のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。
【図4】図2のIV部分を拡大して示す側面図である。
【図5】この発明の実施形態に係るリニアモータを分解した状態を示す図であり、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。
【図6】この発明の実施形態に係るリニアモータの結線状態を示す平面図である。
【図7】この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の斜視図である。
【図8】この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の正面図である。
【図9】この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の背面図である。
【図10】この発明の実施形態に係るリニアモータの冷却配管の断面図である。
【図11】この発明の実施形態に係るリニアモータの渡し配管の断面図である。
【図12】この発明の実施形態に係るリニアモータの渡し配管を分解した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 リニアモータ
2 コイル側リニアモータ
3 ベースプレート(基板)
4 鉄心
4a 極歯
4b 基部
4c,4d テーパ面
5 絶縁筒
5c,5d テーパ面
6 コイル
7 冷却配管
71 渡し配管
71a 第1流路
71b 第2流路
71d,71e テーパ面
72 供給配管
73 回収配管

Claims (3)

  1. 基板上に所定の間隔を開けて形成された磁極鉄心と、
    前記磁極鉄心に嵌め込まれた絶縁筒と、
    前記絶縁筒に巻き付けられたコイルと、
    前記コイルを冷却する冷却液が流れる冷却配管とを含み、
    前記磁極鉄心は、該磁極鉄心の基部側から該磁極鉄心の先端部側に向かって厚みが薄くなるテーパ面を有し、
    前記絶縁筒は、前記磁極鉄心のテーパ面と傾斜角度が略同一のテーパ面を有し、
    前記コイルは、前記絶縁筒のテーパ面に略均一な厚さで巻き付けられ、
    前記冷却配管は、
    隣り合う前記コイルの間隙部に略密着した状態で嵌め込まれる渡し配管と、
    前記渡し配管の一方の端部に前記冷却液を供給する供給配管と、
    前記渡し配管の他方の端部から前記冷却液を回収する回収配管とを含むこと、
    を特徴とするリニアモータ。
  2. 請求項1に記載のリニアモータにおいて、
    前記供給配管及び前記回収配管の断面積は、前記渡し配管の断面積よりも大きいこと、
    を特徴とするリニアモータ。
  3. 請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載のリニアモータの製造方法であって、
    前記冷却管をあらかじめ井桁状に形成する工程と、
    前記基板上に所定の間隔を開けて前記磁極鉄心を形成する工程と、
    前記絶縁筒に前記コイルを巻き付ける工程と、
    前記コイルが巻き付けられた前記絶縁筒を前記磁極鉄心に嵌め込む工程と、
    隣り合う前記コイルの間隙部に前記冷却管の渡し配管を嵌め込む工程と、
    組み込まれた前記冷却管とともに前記コイルおよび前記磁極をモールドする工程と、
    を含むリニアモータの製造方法。
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