JP4371230B2 - フォトマスクブランクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路、CCD(電荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)用カラーフィルター、磁気ヘッド等の微細加工に用いられるフォトマスクブランクの製造方法に関する。
高集積化が進む半導体集積回路の製造等に使用されるリソグラフィー技術は、より微細なパターン形成を求めて露光装置における短波長化が進み、紫外光であるg線(436nm)、i線(365nm)から遠紫外光であるKrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、更にはF2レーザ(157nm)へとシフトしようとしている。しかしながら、露光波長の短波長化は解像度を改善する反面、焦点深度(DOF)の減少を招き、プロセスマージンの狭さから安定性が低下し、製品の歩留まりに悪影響を及ぼすという問題が生じた。
このDOFの減少は、露光波長の短波長化のみならず、フォトマスクの平坦度の低さによっても生じる。即ち、光学系の中に置かれたフォトマスクが平坦でない場合、基板に照射される像は、マスクの位置により、異なる焦点をもつことになり、そのずれの分だけDOFが失われることになる。そこで、より微細なパターンを形成する際のDOFを確保するため、焦点ずれの原因となるフォトマスクの平坦度の向上が追及されている。リソグラフィーにおける焦点ずれを軽減するためには、ウエハー露光時に、露光パターンを許容される誤差内で所定の位置と幅で描画できる程度に、原画に当たるマスクパターンを正確に位置させる必要がある。理想的には、露光装置への装着時に極めて良好な平坦性をもった基板上に遮光膜パターンや位相シフト膜パターン等が形成されていることが望まれる。
このような問題の解決手段として、装着時の歪みを考慮してフォトマスク基板を選択するという技術が開示されている(特許文献1:特開2003−50458号公報)。ここでは、装着時の平坦性をテストする材料として透明基板上に遮光膜を形成した基板が使用され、装着後に好ましい平坦性を与える基板の形状について言及されている。しかし、遮光膜が強い応力をもつ膜である場合、フォトマスク用透明基板から、遮光性膜等を成膜するフォトマスクブランク、更に遮光性膜等をエッチング加工するフォトマスクへの各々の加工工程において、まず、膜を成膜することにより膜応力で基板が変形し、更に、パターン形成のために膜を部分的に除去すると、再び基板が変形してしまう。
そこで、高精度のフォトマスクを歩留まりよく製造するためには、このような途中での変形を加味した上で透明基板を選択するか、良好な形状の透明基板を準備し、加工前後で透明基板が変形しないように、膜がもつ応力をコントロールするかのいずれかが必要となる。
このような問題を解決する試みとしては、位相シフト膜と遮光膜とを有するフォトマスクブランクに対し、位相シフト膜が与える膜応力と逆の膜応力を与える遮光膜を形成することで、基板の変形を小さくする方法が開示されている(特許文献2:特開平11−249283号公報)。しかし、この方法では、フォトマスクに加工した際に、透明基板上に残る位相シフト膜と遮光膜との位置や面積が、形成されるパターンによって異なるため、パターン毎に位相シフト膜がもつ膜応力と遮光膜がもつ膜応力とがパターン形成後につり合うように調整しなければならず、このような調整は多種多様なパターンに形成されるフォトマスクに対応するためには実質的に不可能であり、本質的な解決手段は得られていない。
特開2003−50458号公報 特開平11−249283号公報 特開平7−140635号公報 特開2004−199035号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、透明基板上に遮光膜、反射防止膜等として成膜されるクロム系材料膜を成膜した後に生じるフォトマスクブランクの反りを抑制し、また、フォトマスクブランクを加工して膜をパターン形成することにより膜応力が解放されて生じる反りの変化を極めて低くすることができるフォトマスクブランクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、フォトマスクブランクからフォトマスクへの加工により生じる反りの変化を、透明基板の形状と膜パターン形成前後の膜応力とを勘案してフォトマスクブランク毎に個々に最適化するより、膜応力自体を低く抑えることにより解消する方が実用上有利であり、特に、半透過膜とクロム系遮光膜のように、特性の異なる膜が積層されている場合には、それらの膜応力を調整して両者をつり合わせる手法より、各々の膜応力自体を低くできれば、様々な膜パターンに対応することができる、より汎用性の高いフォトマスクブランクとなり、フォトマスクブランク及びフォトマスクの形状変化自体も小さくすることができると考え、鋭意検討を重ねた結果、透明基板上に遮光膜、反射防止膜等として成膜されるクロム系材料膜を金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用いたスパッタリングにより、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積(スパッタ粒子が放出される面の単位面積)当たりの電力を5W/cm2以上として成膜すれば、成膜されたクロム系材料膜は、膜応力が極めて低い膜となることを見出した。
そして、このクロム系材料膜を成膜する方法は、ハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜とクロム系材料膜とを備えるハーフトーン位相シフトマスクブランク等のフォトマスクブランクを製造する際に好適であり、例えば、透明基板上に半透過膜をスパッタリングにより成膜し、次いで、クロム系材料膜をスパッタリングにより、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することにより、透明基板上に半透過膜とクロム系材料膜とを順に設けたフォトマスクブランクを製造すれば、成膜されたクロム系材料膜は、膜応力が極めて低い膜となり、更に、閃光ランプによる膜応力緩和の手法と組み合わせて、半透過膜を成膜後、成膜された半透過膜に閃光ランプ光を照射することにより半透過膜の膜応力を低減させてから、クロム系材料膜を成膜すれば、基板上に形成されたいずれの膜の膜応力も極めて低くなり、基板全体のひずみ変化が極めて起きにくいフォトマスクブランクが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下のフォトマスクブランクの製造方法を提供する。
請求項1:
透明基板上にクロム系材料膜を設けてなるフォトマスクブランクの製造方法であって、上記クロム系材料膜を金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用いたスパッタリングにより、ターゲットに印加するターゲットのスパッタ粒子が放出される面の単位面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
請求項2:
透明基板上に半透過膜とクロム系材料膜とを順に設けてなるフォトマスクブランクの製造方法であって、透明基板上に上記半透過膜をスパッタリングにより成膜し、次いで、上記クロム系材料膜を金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用いたスパッタリングにより、ターゲットに印加するターゲットのスパッタ粒子が放出される面の単位面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
請求項3:
上記半透過膜を成膜後、成膜された半透過膜に閃光ランプ光を照射することにより半透過膜の膜応力を低減させてから、上記クロム系材料膜を成膜することを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランクの製造方法。
請求項4:
上記半透過膜がハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項2又は3記載のフォトマスクブランクの製造方法。
請求項5:
上記クロム系材料膜が、遮光膜、反射防止膜又はそれらの積層膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランクの製造方法。
請求項6:
上記クロム系材料膜の膜厚が60nm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のフォトマスクブランクの製造方法。
本発明によれば、基板上にクロム系材料膜を形成する場合に、スパッタリングにより膜応力の極めて低いクロム系材料膜を形成することができることから、クロム系材料膜を成膜してフォトマスクブランクを製造する前後、及びそのクロム系材料膜を加工して膜パターンを形成する前後における膜応力の変化により反りが大きく変化することを避けることができ、精度の高い露光が可能なフォトマスクを与えるフォトマスクブランクを安定して製造することができる。
特に、ハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜とクロム系材料膜とを備えるフォトマスクブランクを製造する際に、本発明の方法は好適であり、例えば、閃光ランプによる膜応力緩和の手法と組み合わせると、基板上に形成されたいずれの膜の膜応力も低くできることから、基板全体のひずみ変化が極めて起きにくいハーフトーン位相シフトマスクブランク等のフォトマスクブランクを提供することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明は、透明基板上にクロム系材料膜を設けてなるフォトマスクブランクの製造方法であり、このクロム系材料膜をスパッタリングにより、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜するものである。
本発明のフォトマスクブランクは、透明基板上にクロム系材料膜が設けられたものであり、透明基板としては、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム等の、フォトマスクを使用してパターン露光を行う際に使用する光(露光光)に対して透明な基板が挙げられ、図1に示されるように、透明基板1上にクロム系材料膜2が直接設けられたものや、図2に示されるように、透明基板1上にハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜3などの他の膜を介してクロム系材料膜2が設けられたものが挙げられる。
本発明においては、このようなフォトマスクブランクのクロム系材料膜をスパッタリングにより成膜し、その際、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を5W/cm2以上とする。スパッタリングにおいては、ターゲットに電力を印加すると、被スパッタリング物に向かってスパッタ粒子が放出されるが、一般に用いられる円柱状や角柱状のターゲットを用いた場合、被スパッタリング物に対向する端面からスパッタ粒子が放出されることになる。本発明においては、このスパッタ粒子が放出される面(スパッタリング面)の単位面積当たりの電力を5W/cm2以上としてスパッタリングを行うものであり、これにより、成膜されるクロム系材料膜の膜応力を従来に比べ低くすることができる。
クロム系材料膜としては、遮光膜、反射防止膜等として機能するものを挙げることができ、単層であっても複層であってもよく、複層の場合、例えば、遮光膜と反射防止膜との積層膜であってもよい。このような積層膜としては、例えば、基板側から遮光膜と反射防止膜が積層された2層膜、基板側から第1の反射防止膜、遮光膜、第2の反射防止膜が積層された3層膜などが挙げられる。
このクロム系材料膜の組成は、その機能や露光光の波長により選定されるものであるが、具体的には、クロム(Cr)、クロム酸化物(CrO)、クロム窒化物(CrN)、クロム炭化物(CrC)、クロム酸化窒化物(CrON)、クロム酸化炭化物(CrOC)、クロム酸化窒化炭化物(CrONC)等のクロム化合物などが挙げられ、特に、クロム酸化窒化物(CrON)、クロム酸化窒化炭化物(CrONC)が好ましい。なお、クロム酸化窒化物(CrON)における各元素の好適な含有率は、Crが20〜95原子%、特に30〜85原子%、Oが0〜60原子%、特に5〜50原子%、Nが0〜30原子%、クロム酸化窒化炭化物(CrONC)における各元素の好適な含有率は、Crが20〜95原子%、特に30〜85原子%、Oが0〜60原子%、特に5〜50原子%、Nが0〜30原子%、Cが0〜30原子%である。
クロム系材料膜の成膜に用いるターゲットとしては、通常、金属クロムターゲットを使用するが、クロム化合物膜を成膜する際には、場合により、成膜する化合物膜の組成に合わせてクロムと、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1種以上の元素とを含有するクロム化合物ターゲットを用いてもよい。なお、スパッタガスとしては、ネオン、アルゴン、クリプトン等の不活性ガス(雰囲気ガス)が用いられる。
また、金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用い、上述したような不活性ガスと共に、酸素、窒素又は炭素を含む反応性ガス、例えば、酸素ガス(O2)、窒素ガス(N2)、酸化窒素ガス(NO,NO2,N2O)、酸化炭素ガス(CO,CO2)、炭化水素ガス(例えばメタンガス)などを、成膜するクロム系材料膜の組成に合わせて適宜選定して反応性スパッタリングによりクロム系材料膜を成膜することも可能である。
本発明の方法によれば、例えば、成膜されるクロム系材料膜の膜厚が75nmであるとき、その膜応力を400MPa以内(即ち、400MPaの引張応力から400MPaの圧縮応力の範囲内)、特に、300MPa以内(即ち、300MPaの引張応力から300MPaの圧縮応力の範囲内)とすることができ、例えば、6インチ四角形状の透明基板に対して膜厚150nm以下、特に100nm以下のクロム系材料膜を成膜した場合において、クロム系材料膜成膜前後の反り量の変化量を0.35μm以下、特に0.26μm以下に低減することができる。
なお、本発明において、反り量として説明したものは次のように求めることができる。まず透明基板の主面(露光光の光路に対して直交する面であり、各種膜が成膜される(成膜された)面である。)の全面に亘って多数のサンプル点(例えば、主面上に縦横各々1mm間隔の直線により形成された升目を仮想した場合の各々の直線の交点をサンプル点とする)を定めて、各サンプル点から主面の水平基準面(最小二乗平面)を求め、この水平基準面から各サンプル点の変位量のうちの最大値(正の値となる)と最小値(負の値となる)との差(最大値の絶対値と最小値の絶対値との和)を反り量、即ち、平坦度として求めることができる。そして膜の成膜前後の反り量の差が、反り量の変化量となる。このような反り量や反り量変化量は、(株)ニデック製フラットネステスターFT−900などにより測定することができる。
更に、本発明は、図2に示されるような、透明基板上に半透過膜、特にハーフトーン位相シフト膜と、クロム系材料膜とを順に設けてなるフォトマスクブランクのクロム系材料膜を成膜する場合にも好適である。この場合、具体的には、透明基板上にハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜をスパッタリングにより成膜し、次いで、クロム系材料膜をスパッタリングにより、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することにより半透過膜とクロム系材料膜とが順に設けられたフォトマスクブランクを得ることができる。
この場合、透明基板として、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム等の、フォトマスクを使用してパターン露光を行う際に使用する光(露光光)に対して透明な基板に、まず、ハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜を成膜する。
ハーフトーン位相シフト膜等の半透過膜については、既に多くのものが報告されており(例えば、特許文献3:特開平7−140635号公報)、いずれの半透過膜も対象とし得るが、特に好ましいものとして、ケイ素と、ケイ素以外の金属と、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1種又は2種以上とを含有する層を単層又は多層で含むハーフトーン位相シフト膜が挙げられる。
このハーフトーン位相シフト膜のケイ素以外の金属としては、W、Mo、Ti、Ta、Zr、Hf、Nb、V、Co、Cr又はNi等が挙げられるが、Moを含むものが反りの低減や耐薬品性向上の効果が大きい。Moを含むものとしては、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド炭化物(MoSiC)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)、モリブデンシリサイド酸化炭化物(MoSiOC)、モリブデンシリサイド酸化窒化炭化物(MoSiONC)などが挙げられ、特に、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)が好ましい。なお、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)における各元素の好適な含有率は、Moが0.2〜25原子%、Siが10〜42原子%、Oが0〜60原子%、Nが0〜57原子%である。
このようなモリブデンシリサイド系のハーフトーン位相シフト膜は、ターゲットとしてMoSi等を用い、スパッタガスとして、ネオン、アルゴン、クリプトン等の不活性ガス(雰囲気ガス)と、酸素、窒素又は炭素を含む反応性ガス(例えば、酸素ガス(O2)、窒素ガス(N2)、酸化窒素ガス(NO,NO2,N2O)、酸化炭素ガス(CO,CO2)、炭化水素ガス(例えばメタンガス)など)とを、成膜するハーフトーン位相シフト膜の組成に合わせて適宜選定して用いた反応性スパッタリング法により成膜することができる。
なお、ハーフトーン位相シフト膜の厚さは、位相シフトマスクとして使用する際の露光光の波長や、設定するハーフトーン位相シフト膜の透過率や位相シフト量等によっても異なるが、通常30〜200nm、特に50〜130nmであることが好ましい。
次に、半透過膜上に、前述した方法と同様の方法でクロム系材料膜を成膜することにより、半透過膜とクロム系材料膜とが順に設けられたフォトマスクブランクを得ることができる。
このような半透過膜とクロム系材料膜とが順に設けられたフォトマスクブランクにおいて、成膜されるクロム系材料膜は、フォトマスクにおける遮光パターンと、半透過膜パターンが形成された露光領域の外周部に形成される遮光枠とになるが、その場合、クロム系材料膜には露光光に対する遮光機能と反射防止機能との双方が要求される。そのため、クロム系材料膜は、露光光に対する光学濃度kが好ましくは2.5以上となるように、材料及び膜厚が設計される。このようなクロム系材料膜の構成については多数の公知例(例えば、特許文献2:特開平11−249283号公報)があり、本発明は、いずれの構成のものに対しても適用可能である。
更に、成膜した半透過膜によっては、スパッタリングにより成膜したままの状態では膜応力が高すぎる場合があるが、その場合には、クロム系材料膜の成膜の前に膜応力を低減(緩和)しておくことが好ましい。膜応力の緩和方法として具体的には、ホットプレートや、ヒータ、ハロゲンランプ、赤外線ランプ、ファーネス、RTP(Rapid Thermal Processor)等による処理があるが、より好ましいのは閃光ランプによる処理(特許文献4:特開2004−199035号公報参照)であり、半透過膜を成膜後、成膜された半透過膜に閃光ランプ光を照射することにより半透過膜の膜応力を低減させることができる。この閃光ランプ光により半透過膜に与える照射エネルギーは、半透過膜の光吸収スペクトルによって調整する必要があるが、通常、3〜40J/cm2のエネルギー密度で、1秒以下で照射することが好適であり、この範囲内で膜応力を緩和する最も好ましい照射量を選定することができる。
本発明において用いるスパッタリング方法としては、直流(DC)電源を用いたものでも、高周波(RF)電源を用いたものでもよく、またマグネトロンスパッタリング方式であっても、コンベンショナル方式であってもよい。なお、成膜装置は通過型でも枚葉型でも構わない。
本発明は、膜応力低減による反り量の減少効果が大きく得られることから、膜応力がより高くなる比較的膜厚が厚いクロム系材料膜、例えば、膜厚60nm以上、特に70〜150nmのクロム系材料膜を成膜する場合に特に好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1,2、比較例1]
一辺が6インチの角形石英基板上に、Crターゲットを用いた反応性DCスパッタリングにて、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を表1に示されるように設定し、スパッタ圧力を0.2Paとし、基板を予め加熱した後スパッタリング開始時の基板の温度を130℃とし、遮光膜(CrON膜)からなるクロム系材料膜を、波長450nmに対する光学濃度が2.9となるように雰囲気ガス量(Ar:30SCCM)及び反応性ガス量(N2O:5〜15SCCM)を調整することにより膜組成を調整しながら膜厚75.0nmとなるように成膜してフォトマスクブランクを得た。
得られたフォトマスクブランクのクロム系材料膜の膜応力を測定したところ、いずれも表1に示される値の引張応力であり、また、得られたフォトマスクブランクのクロム系材料膜成膜前後の反り量の変化量をクロム系材料膜成膜前の基板の反り量を基準として測定したところ、表1に示される値であった。なお、膜応力及び反り量は(株)ニデック製フラットネステスターFT−900を使用して測定した(以下の膜応力及び反り量の測定において同じ。)。
Figure 0004371230
[実施例3]
一辺が6インチの角型石英基板上に、MoSiターゲットを用いた反応性DCスパッタリングにて、ハーフトーン位相シフト膜(MoSiON膜)を、後述する閃光ランプ照射後に、露光光(ArFエキシマレーザ:193nm)に対する位相差が180°、ハーフトーン位相シフト膜を形成していない基板の露光光に対する透過率を100%としたときの透過率が6%となるように、定法に従い、アルゴン、窒素、酸素を用いて膜厚70.0nmに成膜した。このハーフトーン位相シフト膜の膜応力を測定したところ、1200MPaの圧縮応力であった。
次に、上記ハーフトーン位相シフト膜を設けた基板を温度80℃に加熱した後、キセノン閃光ランプから発光する光をエネルギー密度22.1J/cm2で1ミリ秒間照射した。閃光ランプ光照射後のハーフトーン位相シフト膜の膜応力を測定したところ、150MPaの引張応力であった。
次に、基板上の閃光ランプ光照射後のハーフトーン位相シフト膜上に、Crターゲットを用いた反応性DCスパッタリングにて、ターゲットに印加する単位スパッタリング面積当たりの電力を6.76W/cm2に設定し、スパッタ圧力を0.2Paとし、ハーフトーン位相シフト膜が成膜された基板を予め加熱した後スパッタリング開始時のハーフトーン位相シフト膜が成膜された基板の温度を130℃とし、遮光膜(CrON膜)からなるクロム系材料膜を、波長450nmに対する光学濃度が2.9となるように雰囲気ガス量(Ar:20〜30SCCM)及び反応性ガス量(N2O:5〜15SCCM)を調整することにより膜組成を調整しながら膜厚75.0nmとなるように成膜してフォトマスクブランク(ハーフトーン位相シフトマスクブランク)を得た。
得られたフォトマスクブランクのクロム系材料膜成膜前後の反り量の変化量をクロム系材料膜成膜前のMoSiON膜を成膜した基板の反り量を基準として測定したところ、0.28μmであり、また、反り量より膜応力を求めたところ、320MPaの引張応力であった。
本発明の方法により製造されるフォトマスクブランクの一例を示す断面図である。 本発明の方法により製造されるフォトマスクブランクの他の例(ハーフトーン位相シフトマスクブランクの例)を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 クロム系材料膜
3 半透過膜(ハーフトーン位相シフト膜)

Claims (6)

  1. 透明基板上にクロム系材料膜を設けてなるフォトマスクブランクの製造方法であって、上記クロム系材料膜を金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用いたスパッタリングにより、ターゲットに印加するターゲットのスパッタ粒子が放出される面の単位面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  2. 透明基板上に半透過膜とクロム系材料膜とを順に設けてなるフォトマスクブランクの製造方法であって、透明基板上に上記半透過膜をスパッタリングにより成膜し、次いで、上記クロム系材料膜を金属クロムターゲット又はクロム化合物ターゲットを用いたスパッタリングにより、ターゲットに印加するターゲットのスパッタ粒子が放出される面の単位面積当たりの電力を5W/cm2以上として成膜することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  3. 上記半透過膜を成膜後、成膜された半透過膜に閃光ランプ光を照射することにより半透過膜の膜応力を低減させてから、上記クロム系材料膜を成膜することを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  4. 上記半透過膜がハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項2又は3記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  5. 上記クロム系材料膜が、遮光膜、反射防止膜又はそれらの積層膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  6. 上記クロム系材料膜の膜厚が60nm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のフォトマスクブランクの製造方法。
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