以下、本発明を、メダルゲーム機であるプッシャーゲーム機に適用した一実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ及び位置関係のみに限定されるものではない。また、各図では、構成の明瞭化のため、断面におけるハッチングの一部が省略されている。さらに、後述において例示する数値は、本発明の好適な例に過ぎず、従って、本発明は例示された数値に限定されるものではない。
(全体構成)
図3は、本実施形態に係るプッシャーゲーム機1の全体構成を示す部分斜視図である。
本プッシャーゲーム機1は、センター抽選装置2000を囲うように4つのサテライト部SAが設けられている。各サテライト部SAは、それぞれ4つのステーション部STを備えており、各遊技者は各ステーション部STでそれぞれ遊技をプレイすることになる。また、各サテライト部SAは、サテライト抽選装置1000をそれぞれ1つずつ備えており、そのサテライト抽選装置1000の周りに各ステーション部STが並んで配置されている。
(ステーション部の構成)
図4は、本プッシャーゲーム機1におけるステーション部STの構成を説明するための説明図である。
図5は、ステーション部STの内部構造を説明するための説明図である。
図5に示すように、ステーション部STは、メダル投入機構(投入部)100と、メダル搬送経路200と、リフトアップホッパ300と、メダル排出経路400と、プレイフィールド500と、制御部600と、表示部700と、筐体800とを有する。本実施形態においては、主として、メダル投入機構(投入部)100、メダル搬送経路200、リフトアップホッパ300及びメダル排出経路400によって、メダル送出手段が構成されている。
筐体800は、ステーション部STの骨組みとなる構成である。筐体800において、上部手前側にはメダル投入機構100が配置され、上部奥側には表示手段としての表示部700が配置され、上部中央にはプレイフィールド500が配置される。また、筐体800の内部には、メダル搬送経路200やリフトアップホッパ300や制御部600などが収納される。ここで、「手前側」とは遊技者が遊技する際に位置する側を意味し、「奥側」とは遊技者が遊技する際に位置する側と反対側を意味し、「中央」とは上述した「手前側」と「奥側」との間の領域を意味する。
メダル投入機構100は、遊技者が遊技する際にメダルMをプッシャーゲーム機1へ投入するための構成である。メダル投入機構100から投入されたメダルMは、メダル搬送経路200を介してリフトアップホッパ300まで搬送され、リフトアップホッパ300において一時的に貯留される。メダル搬送経路200及びリフトアップホッパ300は、上述したように、筐体800内に配置される。なお、メダル搬送経路200は、メダル投入機構100とリフトアップホッパ300とを機械的及び物理的に連結させ、メダル投入機構100から投入されたメダルMをリフトアップホッパ300まで搬送する機能を有する。
リフトアップホッパ300は、メダルMを蓄積するためのメダル貯留部310と、メダルMを所定の高さまでリフトアップするためのリフトアップ部320と、リフトアップされたメダルMを所定のタイミングで排出するためのメダル排出部(排出部)330とを有する。また、メダル排出部330の排出口には、排出されたメダルMをプレイフィールド500まで導くためのメダル排出経路400が左右に揺動可能に設けられている。
リフトアップ部320の上端は、プレイフィールド500よりも上に配置される。これに伴い、リフトアップ部320の上端に設けられたメダル排出部330もプレイフィールド500よりも上に配置される。したがって、プレイフィールド500下に設けられたメダル貯留部310に一時蓄積されたメダルMは、リフトアップ部320によりプレイフィールド500よりも上に持ち上げられた後、メダル排出部330からメダル排出経路400を介してプレイフィールド500へ射出される。
プレイフィールド500内には、主に、有効な状態にあるメダルMを貯留するメダル載置台としてのメインテーブル501と、メインテーブル501上に載置されたメダル押出部材としてのプッシャー部510とが設けられている。なお、有効な状態とは、遊技に関与している状態をいう。プッシャー部510は、有効な状態にあるメダルMを貯留する上面(これをサブテーブル511という。)と、サブテーブル511から落下したメダルMがスライドする傾斜テーブル512と、メインテーブル501に貯留されたメダルMを押進する押進壁513とを有する。また、プッシャー部510は、プレイフィールド500におけるメインテーブル501上にスライド可能に設けられており、一定の周期又は任意の周期で前後にスライド運動する。プッシャー部510の一部(奥側)は、表示部700下方に設けられた後述する収納部720に収納される。プッシャー部510は、この収納部720から出入するようにスライドすることで、前後に往復運動する。
サブテーブル511には、表示部700におけるディスプレイ701の枠部材710が摺動可能に当接されている。したがって、プッシャー部510が収納部720へ収納される方向へ移動した際、枠部材710によってサブテーブル511上のメダルMが押進される。この押進により、サブテーブル511上の一部のメダルMが傾斜テーブル512へ落下する。サブテーブル511から落下したメダルMの一部は、傾斜テーブル512に設けられたメダル通過口としての開口部(これをチャッカー515−1、515−2、515−3という。)に進入する。また、残りのメダルMは、そのままメインテーブル501まで落下し、メインテーブル501に貯留される。
メインテーブル501上のメダルMは、サブテーブル511上のメダルMと同様に、プッシャー部510のスライド運動により押進される。すなわち、メインテーブル501上にはプッシャー部510が隙間無く載置されているため、プッシャー部510が収納部720から搬出する方向へ移動した際、プッシャー部510前面の押進壁513によってメインテーブル501上のメダルMが押進される。この押進により、メインテーブル501上の一部のメダルMが落下する。落下したメダルMのうち、遊技者側の端(これを前端501a(図4参照)という)からメダル落下溝へ落下したメダルMは遊技者に払い出され、他のメダルM、例えばメインテーブル501の両サイド(これをサイド端501bという。)から落下したメダルMはステーション部ST内の所定の貯留部にストックされる。
また、上記した構成の他、図5に示すように、本実施形態によるステーション部STは、メダル移動擬似演出部900を有する。メダル移動擬似演出部900は、後述するように、メダル投入機構100近傍からメダル排出部330近傍までに配列された複数の発光部(後述におけるLED920)を有し、これら発光部をメダル投入機構100側からメダル排出部330にかけて順次点灯させることで、メダル投入機構100に投入されたメダルMが移動する様子を模擬的に演出する。この際、メダルMが実際に移動する経路と、演出により模擬される経路とは、同一でなくとも近接していなくとも良い。
また、メダル投入機構100から投入されたメダルMは、一時、リフトアップホッパ300におけるメダル貯留部310にストックされる。リフトアップホッパ300のメダル排出部330にはメダル貯留部310にストックされていたメダルMがリフトアップ部320によりリフトアップされて予めセットされている。メダル投入機構100にメダルMが投入されると、リフトアップホッパ300は、制御部600からの制御に従って、予めメダル排出部330にセットされていたメダルMをプレイフィールド500へ排出する。このように、本実施形態では、遊技者より投入されたメダルMと、実際にプレイフィールド500へ投入されるメダルMとは、異なるメダルである。
また、メダル移動擬似演出部900は、メダル投入機構100にメダルMが投入されると、制御部600からの制御に従って、配列されたLED920を、メダル投入機構100側からメダル排出部330にかけて順次点灯させる。この際、メダル排出部330近傍のLED920を点灯させるタイミングと、メダル排出部330からメダルMを排出するタイミングとを制御することで、メダル投入機構100に投入されたメダルMが移動する様子をメダル移動擬似演出部900により模擬的に演出することができる。
この他、ステーション部STは、図4に示すように、少なくとも一方のサイドにボール投入機構1800を有する。ボール投入機構1800は、後述する異形物としての球状物体であるボールB1,B2をプレイフィールド500へ投入するための構成であり、ボール投入スロープ1801とボール投入位置抽選機構1810とを有する。なお、ボールB1,B2は、後述するビンゴゲームを実行するための抽選用物体である。
ボール投入スロープ1801は、後述するボールキャリア1520から投入されたボールB1,B2をボール投入位置抽選機構1810まで重力により導くための構成である。したがって、下りのスロープである。また、ボール投入位置抽選機構1810は、ボールB1,B2が投入されるプレイフィールド500上の位置を抽選するための構成である。このように、後述するボールキャリア1520からステーション部STへ投入されたボールB1,B2は、ボール投入スロープ1801及びボール投入位置抽選機構1810を介して、プレイフィールド500に投入される。
また、ステーション部STは、図4に示すように、少なくとも一方のサイドにボール運搬機構1900を有する。ボール運搬機構1900は、プレイフィールド500におけるメインテーブル501からその手前側に設けられたメダル落下溝へボールB1,B2が落下したとき、そのボールB1,B2をサテライト抽選装置1000へ運搬するための構成であり、後述するボール搬送経路1040とボール運搬部1910とボール運搬部走行スロープ1901とを有する。ボール搬送経路1040は、前端501a下方に設けられ、前端501aから落下したボールB1,B2をボール運搬部1910まで導く。ボール運搬部1910は、ボール搬送経路1040を介して受け取ったボールB1,B2をサテライト抽選装置1000へ運搬するための構成であり、制御部600の制御に従ってボール運搬部走行スロープ1901を走行する。なお、サテライト抽選装置1000へ運搬されたボールB1,B2は、後述するボールキャリア1520(図8参照)へ受け渡される。
また、ステーション部STは、図4に示すように、リフトアップホッパ1020とメダル払出部1030とを含むメダル払出機構を有し、このメダル払出機構を駆動することで、前端501aからメダル落下溝へ落下したメダルMと同数のメダルMが、メダル投入機構100の貯留部101へ排出される。
また、ステーション部STにおける表示部700には、ビンゴゲームやデジタル抽選ゲーム(スロットゲーム)など、プッシャーゲームとは異なるゲームのゲーム画面が表示される。本プッシャーゲーム機1では、後述するように、プッシャーゲームのほか、図6に示すようなスロット用ゲーム画面を表示部700に表示してスロットゲームを実行するとともに、図7に示すようなビンゴ用ゲーム画面を表示部700に表示してビンゴゲームを実行する。
スロットゲームは、主にステーション部STにおける制御部600がデジタル的に抽選するデジタル抽選ゲームである。このスロットゲームの開始条件は、プッシャー部510の傾斜テーブル512に設けられたチャッカー515−1,515−2,515−3の何れかにメダルMが進入することである。表示部700には、後述のビンゴゲームが進行していない期間に、図6に示すようなスロット用ゲーム画面が表示され、チャッカー515−1,515−2,515−3の何れかにメダルMが進入してスロット抽選開始条件が満たされると、制御部600は、3つのダイス状スロットDSを回転させる表示制御を行う。スロットゲームにおけるデジタル抽選では、制御部600が所定の抽選プログラムを実行し、生成した乱数が所定の当選テーブルに照らしていずれかの役に当選したか又はハズレたかを決定する。その後、制御部600は、当選役が決定した場合には表示部700にその当選役に係る図柄の組み合わせが停止表示するように、3つのダイス状スロットDSの回転を停止させる表示制御を行う。
本実施形態では、デジタル抽選の役として、プレイフィールド500へ3枚のメダルを供給する小当たり役A、プレイフィールド500へ8枚のメダルを供給する小当たり役B、プレイフィールド500へボールB1を供給するボール供給役、プレイフィールド500へ30枚のメダルを供給する通常ボーナス役、プレイフィールド500へ30枚のメダルを供給するとともに以後のデジタル抽選で当選確率が高めに設定された当選テーブルを用いる確変ボーナス役、サテライト抽選装置1000へボールB1を直接供給する直接サテライト役、センター抽選装置2000へボールB1を直接供給する直接センター役などが用意されている。各役の当選確率はこの順に低くなるように設定されている。なお、どのような役を用意し、各役をどのような当選確率に設定するかは任意である。例えば、メダルMを遊技者へ直接払い出すなど、種々の利益を遊技者へ与えるように構成しても良い。
本実施形態においては、制御部600が供給抽選手段として機能し、ボール供給役に当選するか否かを決定することにより、プレイフィールド500へボールB1を供給するか否かの抽選を行う。そして、制御部600のデジタル抽選によりボール供給役が当選すると、制御部600からサテライト抽選装置1000の図示しない制御部へボール供給命令が出力される。これにより、サテライト抽選装置1000の制御部は、後述するように、ボール供給機構1300からボールキャリア1520へボールB1を受け渡させ、そのボールキャリア1520を環状のボール搬送経路1500外周に沿って、当該ボール供給役が当選したステーション部STの対応位置まで移動させる。そして、そのボールキャリア1520から当該ステーション部STのボール投入機構1800へボールB1が受け渡され、そのボール投入機構1800からプレイフィールド500へボールB1が供給される。なお、本実施形態において、ボールB2は後述するビンゴゲームのビンゴカード上において特定ラインのビンゴが成立したときにのみプレイフィールド500へ供給される。このときのボール供給に関わる構成及び動作は、ボール供給機構1300とは別のボール供給機構1400からボールキャリア1520へボールB2を受け渡させる以外は、ボールB1の場合とほぼ同様である。
本実施形態では、このようにボールB1,B2をプレイフィールド500へ供給するための構成部分が異形物供給手段を構成する。
ビンゴゲームは、2種類のボールB1,B2とサテライト抽選装置1000とを用いた物理抽選により進行する物理抽選ゲームであり、後述するサテライト抽選装置1000における図示しない制御部とステーション部STにおける制御部600とによって進行する。なお、ビンゴゲームにおいて、サテライト抽選装置1000の制御部は主にビンゴゲームの当選ビンゴ数字を決定する抽選を制御し、そのサテライト抽選装置1000を含むサテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部600が主にビンゴゲームの演出やビンゴ成立の判定等の制御を担当する。本実施形態では、サテライト抽選装置1000でボールB1,B2を移動させることにより、互いに異なる複数のビンゴ数字(抽選対象)の中から1つの当選ビンゴ数字(当選対象)を選択するという物理抽選を行う。本実施形態の物理抽選では、「1」〜「9」のビンゴ数字の中から1つの当選ビンゴ数字を選択する。そして、これらの「1」〜「9」のビンゴ数字がマトリクス状に配列されたビンゴカードの配列情報を、例えばステーション部STの配列情報生成手段としての制御部600で各ステーション部STごとに個別に生成する。その後、「1」〜「9」のビンゴ数字の画像(抽選対象画像)がその配列情報に従って配列されたビンゴカード画像BCが図7に示すように各ステーション部STの表示部700に表示される。本実施形態では、ビンゴゲームが行われていない期間は、表示部700に図6に示したスロット用ゲーム画面が表示されており、ビンゴゲームの物理抽選が開始されるときに図7に示すビンゴ用ゲーム画面に切り替わる。なお、ビンゴゲームの物理抽選が終わると再びスロット用ゲーム画面に戻るが、ビンゴカード画像BCは図6に示すようにスロット用ゲーム画面の上部に小さく表示される。よって、遊技者は、自分がプレイするステーション部STのビンゴカードで当選ビンゴ数字がどの程度揃っているかを常に確認することができる。
本実施形態において、各ステーションで行われる各ビンゴゲームは、通常は、ステーション部STごとに独立して行われる。すなわち、一のステーション部STでボールB1,B2がメダル落下溝に落下してサテライト抽選装置1000で物理抽選が開始されると、これにより当選したビンゴ数字は、当該一のステーション部STだけに当選ビンゴ数字として取り扱われ、他のステーション部STでは当選ビンゴ数字として取り扱われない。ただし、本実施形態においては、後述する所定のイベント条件を満たすと、一のステーション部STのメダル落下溝にボールB1,B2が落下したときに行われる物理抽選で当選するビンゴ数字は、当該一のステーション部STだけでなく、他のステーション部STの当選ビンゴ数字としても取り扱われる。
ここで、本実施形態における他のステーション部STは、当該一のステーション部STと同じサテライト部SAに属する残り3つのステーション部STである。すなわち、本実施形態においては、本プッシャーゲーム機1に備わっている全ステーション部STを複数グループに分けて各グループをサテライト部SAとし、そのサテライト部SAに属するステーション部ST間においては上記イベント条件が満たされることで各遊技者の遊技が互いに関連し合うという状況を生むことができる。その結果、例えば同一サテライト部SAに属するステーション部STでそれぞれプレイする遊技者が互いに協力してメダル獲得をめざすというような遊技性が生まれる。
その他、本実施形態におけるビンゴゲームの詳細については後述する。
(サテライト抽選装置の構成)
図8は、サテライト抽選装置1000の主要構成を示す斜視図である。
サテライト抽選装置1000は、アウタービンゴステージ1100と、インナービンゴステージ1200と、ボール供給機構1300及び1400と、ボール搬送経路1500と、ステージボール投入機構1600と、支持台1700とを有する。
支持台1700は、サテライト抽選装置1000の骨組みとなる構成であり、他の構成を支持する。支持台1700において、上部中央にはインナービンゴステージ1200が配設され、このインナービンゴステージ1200を環囲するようにアウタービンゴステージ1100が配設されている。さらに、アウタービンゴステージ1100を環囲するようにボール搬送経路1500が配設されている。ボール搬送経路1500の脇には、ボール供給機構1300及び1400が設けられている。
ボール供給機構1300は、ある種のボール、例えば非金属製のボールB1を供給するための構成である。一方、ボール供給機構1400は、ボールB1とは異なる種、例えば金属製のボールB2を供給するための構成である。なお、ボールB1とボールB2との違いは、金属であるか非金属であるかに関わらず、他の要因、例えばボールの色により規定されていても良い。
このボール供給機構1300は、ボール供給部1301とリフトアップ部1302とボール帰還経路1303とを有する。ボール供給部1301は、後述するボールキャリア1520にボールB1を供給するための構成である。リフトアップ部1302は、ボールB1をボール供給部1301までリフトアップするための構成である。ボール帰還経路1303は、後述するアウタービンゴステージ1100に供給されたボールB1をボール供給機構1300におけるリフトアップ部1302へ帰還させるための経路となる構成である。
同様に、ボール供給機構1400は、ボール供給部1401とリフトアップ部1402とボール帰還経路(図示せず)とを有する。ボール供給部1401は、後述するボールキャリア1520にボールB2を供給するための構成である。リフトアップ部1402は、ボールB2をボール供給部1401までリフトアップするための構成である。図示しないボール帰還経路は、後述するインナービンゴステージ1200に供給されたボールB2を第2ボール供給機構1400におけるリフトアップ部1402へ帰還させるための経路となる構成である。
ボールキャリア1520は、環状のボール搬送経路1500外周に沿ってボールB1,B2を運搬するための構成である。このボールキャリア1520は、V字状に曲がった2つの棒状部材よりなる受部を有し、これにボールB1,B2を保持する。また、ボールキャリア1520は、ボール搬送経路1500に沿って設けられたリング状の部材1550に固定されている。したがって、リング状の部材がボール搬送経路1500に沿って回転することで、ボールキャリア1520はボール搬送経路1500に沿って移動する。
ボール搬送経路1500は、外周面に複数のセンサ部1510を有する。センサ部1510は、これの直近にボールキャリア1520が存在するか否かを検出するための構成である。センサ部1510で検出された情報は、適宜又はリアルタイムに、例えば図示しない制御部へ入力される。この制御部は、センサ部1510から送られてきた情報に基づいてボールキャリア1520の位置を特定し、これに基づいてボールキャリア1520の走行及び停止を制御する。例えば図4に示すステーション部STへボールB1を供給する場合、この制御部は、センサ部1510からの情報に基づいて、ボールキャリア1520をセンサ部1510−1の位置に停止させる。これにより、ボールキャリア1520がボール投入スロープ1801の延長上に位置される。この状態で、図示しない制御部によりボールキャリア1520のV字状の受け部をボール投入スロープ1801側へ倒されると、ボールキャリア1520に保持されていたボールB1,B2がボール投入スロープ1801(図4参照)の入口に投入される。なお、センサ部1510は、ボール搬送経路1500の外周面上であって、個々のステーション部STにおけるボール投入スロープ1801が配置される位置並びにボール運搬部走行スロープ1901が配置される位置にそれぞれ設けられる。
ボール投入スロープ1801に投入されたボールB1,B2は、図4に示すストッパ1802によって一時的に保持される。そして、遊技者がボタン160を押してその操作信号が制御部600に送られると、制御部600は、ストッパ1802がボール投入スロープ1801の出口側へ倒れるように駆動制御する。これにより、ストッパ1802で止められていたボールB1,B2は、そのボール投入スロープ1801の傾斜によって転がり落ち、ボール投入位置抽選機構1810を介してプレイフィールド500に投入される。プレイフィールド500に投入されたボールB1,B2は、プッシャーゲームの進行過程において、メダルMと同様に、メインテーブル501の前端501aからメダル落下溝へ落下する。落下したボールB1,B2は、上述したように、後述するボール搬送経路1040を介してボール運搬部1910にセットされる。なお、このボール搬送経路1040は、ボールB1,B2のみを受け止め、メダルMを通過させるボール受け部1041を有する。また、ボール運搬部1910は、通常の状態では、ボール搬送経路1040のボール排出口1043に待機している。
ボール運搬部1910は、上述したようにボールB1,B2をサテライト抽選装置1000へ運搬するための構成である。ボール運搬部1910は、ボールB1,B2がセットされると、図示しない制御部からの制御に基づいてボール運搬部走行スロープ1901を駆け上がり、ボール運搬部走行スロープ1901の上端に移動する。ボール運搬部走行スロープ1901の上端近傍には、ボールキャリア1520が待機している。ボール運搬部1910は、ボール運搬部走行スロープ1901の上端に移動した後、運搬したボールB1,B2をボールキャリア1520に渡す。なお、ボールB1,B2が受け渡されたボールキャリア1520は、これを保持する姿勢となる。
また、ボールキャリア1520は、ボールB1,B2を受け取ると、図示しない制御部からの制御に基づいて、ステージボール投入機構1600と対向する位置へ移動する。ステージボール投入機構1600は、ボールB1をアウタービンゴステージ1100へ投入するための受皿1610と、ボールB2をインナービンゴステージ1200へ投入するための受皿1620とを有する。ボールキャリア1520は、上述した図示しない制御部からの制御に基づいて、保持しているボールの種類(B1,B2)に従って、受皿1610又は1620と対向する位置に移動する。受皿1610、1620はボールキャリア1520からボールを受け取る際にはボールキャリア1520と対向する位置まで下降し、ボールキャリア1520からボールを受け取るとボール投入経路1110、1210と対向する位置まで上昇する。そしてボール投入タイミングまでボールを保持する。
例えばボール運搬部1910からボールB1を受け取った場合、ボールキャリア1520は、ボール搬送経路1500に沿って走行後、このボールB1をステージボール投入機構1600における受皿1610へ受け渡す。ボールB1を受け取った受皿1610は、例えば遊技者がボタン160を押したタイミングで、保持しているボールB1をボール投入経路1110へ投入する。投入されたボールB1は、ボール投入経路1110の傾斜及び長さに応じた加速を得た後、アウタービンゴステージ1100へ投入される。また、例えばボール運搬部1910からボールB2を受け取った場合、ボールキャリア1520は、ボール搬送経路1500に沿って走行後、このボールB2をステージボール投入機構1600における受皿1620に受け渡す。ボールB2を受け取った受皿1620は、例えば遊技者がボタン160を押したタイミングで、保持しているボールB2をボール投入経路1210へ投入する。投入されたボールB2は、ボール投入経路1210の傾斜及び長さに応じた加速を得た後、インナービンゴステージ1200へ投入される。なお、ボールキャリア1520に受け渡されたボールの種類がB1であるかB2であるかは、例えばボールB1を非金属製とし、ボールB2を金属製とした場合、金属センサなどボールキャリア1520に設けることで検出することができる。また、例えばボールB1とボールB2とを異なる色とした場合、カラーセンサなどをボールキャリア1520に設けることで、受け渡されたボールの種類を検出することができる。また、検出されたボールの種類は、図示しない制御部へ送られる。従って、ボールキャリア1520は、この制御部へ通知したボールの種類に基づいて制御される。
アウタービンゴステージ1100は、ボールB1が通過できる程度の径を持つ2つ以上の穴(これを入賞スポット1101という。)を有し、所定の周期でインナービンゴステージ1200の周囲を回転している。本実施形態においては、ビンゴゲームで用いる「1」〜「9」におけるビンゴ数字と、センター抽選装置2000での抽選開始の権利とがそれぞれ割り当てられた、合計10個の入賞スポット1101が設けられている。アウタービンゴステージ1100に投入されたボールB1は、ボール投入経路1110において得た加速及びアウタービンゴステージ1100自体の回転によりアウタービンゴステージ1100を周回した後、何れかの入賞スポット1101へ入る。どの入賞スポット1101にボールB1が入ったかの情報は、適宜、図示しない制御部へ送られる。この制御部は、ビンゴ数字が割り当てられたいずれかの入賞スポット1101にボールB1が入ると、そのボールB1の運搬元であるステーション部STの制御部600等と協働して、当該入賞スポット1101に割り当てられたビンゴ数字を当選ビンゴ数字とし、ビンゴゲームを進行する。なお、入賞スポット1101に入ったボールB1は、遊技者が確認できるように、一時、入賞スポット1101の入口に保持された後、アウタービンゴステージ1100下方に設けられたボール帰還経路1303に投入される。
同様に、インナービンゴステージ1200は、ボールB2が通過できる程度の径を持つ1つ以上の入賞スポット1201を有し、その中心部分を回転中心として所定の周期で回転している。本実施形態においては、ビンゴゲームで用いる「1」〜「8」におけるビンゴ数字がそれぞれ2つずつ割り当てられた4つの入賞スポット1201と、センター抽選装置2000での抽選開始の権利が割り当てられた1つの入賞スポット1201の合計5個の入賞スポット1201が設けられている。インナービンゴステージ1200に投入されたボールB2は、ボール投入経路1210において得た加速及びインナービンゴステージ1200自体の回転によりインナービンゴステージ1200を周回した後、何れかの入賞スポット1201へ入る。どの入賞スポット1201にボールB2が入ったかの情報は、適宜、図示しない制御部へ送られる。この制御部は、ビンゴ数字が割り当てられたいずれかの入賞スポット1201にボールB2が入ると、そのボールB2の運搬元であるステーション部STの制御部600等と協働して、当該入賞スポット1201に割り当てられたビンゴ数字を当選ビンゴ数字とし、ビンゴゲームを進行する。なお、入賞スポット1201に入ったボールB2は、遊技者が確認できるように、一時、入賞スポット1201の入口に保持された後、インナービンゴステージ1200下方に設けられた図示しないボール帰還経路に投入される。
また、アウタービンゴステージ1100又はインナービンゴステージ1200において、ボールB1,B2がセンター抽選装置2000での抽選開始の権利が割り当てられた入賞スポット1101,1201に入ると、サテライト抽選装置1000の図示しない制御部は、後述するセンター抽選装置2000の図示しない制御部に、ジャックポット抽選の開始命令を出力する。このセンター抽選装置2000でのジャックポット抽選についての詳細は後述する。
(プレイフィールドの構成)
図9は、プレイフィールド500及びその周辺部の構成を抽出した部分斜視図である。
図10(a)及び(b)は、プレイフィールド500におけるプッシャー部510の往復運動を説明するための説明図である。
上述したように、プレイフィールド500は、メダル載置台であるメインテーブル501と、メインテーブル501上に摺動可能に載置されたメダル押出部材であるプッシャー部510とから構成される。プッシャー部510は、表示部700のディスプレイ701下方に設けられた収納部720を出入するように、メインテーブル501上を前後にスライド運動する。なお、図10(a)はプッシャー部510が収納部720内に最も退避した際の上視図であり、図10(b)はプッシャー部510が収納部720から最も突出した際の上視図である。
プッシャー部510の上面であるサブテーブル511には、上述したように、表示部700の枠部材710が当接されている。したがって、プッシャー部510の上面であるサブテーブル511上に貯留されたメダルMは、プッシャー部510が収納部720へ入る方向へ移動した際(図10において(b)→(a)参照)に、枠部材710によりサブテーブル511上を傾斜テーブル512方向へ押進され、サブテーブル511上のメダルMが全体として傾斜テーブル512へ向かう方向へ流れる。この結果、傾斜テーブル512近傍に存在したサブテーブル511上の一部のメダルMが傾斜テーブル512へ落下する。なお、落下したメダルMのうちの一部のメダルMは傾斜テーブル512に設けられたチャッカー515−1,515−2,515−3の何れかに進入し、残りはメインテーブル501まで落下する。また、プッシャー部510がスライドする範囲の両サイドには、落下防止壁521が設けられており、サブテーブル511のサイドからメダルMが落下することが防止されている。
また、プッシャー部510は、メインテーブル501上に隙間無く載置されている。なお、ここでいう「隙間無く」とは、メダルMの幅以上の隙間が存在しないことをいう。したがって、メインテーブル501上に貯留されたメダルMは、プッシャー部510が収納部720から出る方向へ移動した際(図10において(a)→(b)参照)に、プッシャー部510の前面の押進壁513によりメインテーブル501上を前端501a方向へ押進され、メインテーブル501上のメダルMが全体として前端501aへ向かう方向へ流れる。この結果、前端501a近傍に存在したメインテーブル501上の一部のメダルMが前端501aからメダル落下溝へ落下する。また、この際のメダルMの流れにより、メインテーブル501の両脇の端(サイド端501b)近傍に存在したメインテーブル501上の一部のメダルMが、サイド端501bから落下することがある。なお、サイド端501bから落下したメダルMは、ステーション部ST内部の所定の貯留部(ホッパであってもよい)に貯留される。
また、前端501aから落下したメダルMは、図9に示すように、前端501aの下方すなわちメダル落下溝内に設けられたメダル受け1001に受け止められる。メダル受け1001は、メダル払出機構におけるリフトアップホッパ1020までメダルMを搬送するためのメダル搬送経路1002に繋がっている。また、メダル受け1001はメダル搬送経路1002との連結部分に向けて傾斜している。そのため、メダル受け1001に受け止められたメダルMはメダル搬送経路1002へ流れ込む。また、メダル搬送経路1002はメダル払出機構のリフトアップホッパ1020における貯留部1021へ向けて傾斜している。このため、メダル搬送経路1002に流れ込んだメダルMは、連続してメダル払出機構へ導かれる。なお、メダル受け1001とメダル搬送経路1002との連結部分には、後述するボールB1,B2を塞き止めるための分別棒1010が設けられており、ボールB1,B2がメダル払出機構へ進入しないように構成されている。
メダル払出機構には、上述したリフトアップホッパ1020とメダル払出部1030との他に、メダルMの枚数をカウントするためのメダルカウンタ(図示せず)も設けられている。このメダルカウンタは、例えばリフトアップホッパ1020における貯留部1021の入り口に設けられており、メダル搬送経路1002から貯留部1021へ投入されるメダルMの枚数をカウントする。メダルカウンタによりカウントされたメダルMの枚数は、図5における制御部600へ通知される。制御部600は、通知されたメダルの枚数に基づいてリフトアップホッパ1020を駆動することで、この枚数分のメダルMをメダル払出部1030からメダル投入機構100における貯留部101へ払い出す。なお、リフトアップホッパ1020は、ホッパ駆動部1022とリフトアップ部1023とを有し、制御部600からの制御に基づいて、ホッパ駆動部1022が動作することで、払い出すメダルMがリフトアップ部1023の端部に設けられたメダル払出部1030から払い出される。なお、メダル受け1001及びメダル搬送経路1002、並びに、リフトアップホッパ1020とメダル払出部1030とメダルカウンタとを含むメダル払出機構は、メインテーブル501における前端501aからメダル落下溝へ落下したメダルMを遊技者へ払い出す払出手段として機能する。
また、メインテーブル501上には、サテライト抽選装置1000のボールキャリア1520から供給されたボールB1,B2も存在する。このボールB1,B2は、プッシャー部510の往復運動によるメダルMの流れに伴って、メインテーブル501上を移動した後、前端501aからメダル落下溝へ落下する。前端501aの下方すなわちメダル落下溝内には、上述したように、ボール搬送経路1040が設けられている。このボール搬送経路1040は、落下したボールB1,B2のみを受け止め、メダルMを通過させるボール受け部1041と、ボール受け部1041で受け止めたボールを所定条件が満足するまで止めておくボール停止部1042と、ボール排出口1043とを有する。したがって、ボール受け部1041で受け止められたボールB1,B2は、ボール停止部1042により所定のタイミングまで止められた後、ボール排出口1043から排出される。これにより、ボールB1,B2がボール排出口1043に待機していたボール運搬部1910(図4参照)にセットされる。なお、図4におけるステーション部STと図5又は図9におけるステーション部STとは、説明の都合上、左右が反転されているが、構成は同様である。
また、メインテーブル501には、図9に示すように、メダルM並びにボールB1及びB2の流れを制御するためのガイド部530R,530Lが設けられている。また、メインテーブル501の下方には、このガイド部530R,530Lをメインテーブル501に対して上下動させるためのガイド部移動機構540が設けられている。ガイド部530R,530Lは、それぞれ、ボールB1,B2の流れを制御するためのボールガイド板531と、メダルMの流れを制御するためのメダルガイド板533と、ボールガイド板531及びメダルガイド板533を支持するための支持部534とを有する。また、ボールガイド板531及びメダルガイド板533は、これらの間に所定形状の通過口532が形成されるように、支持部534により上下に支持される。
ガイド部530R,530Lを下限の位置まで移動させた場合、ガイド部530R,530Lにおけるメダルガイド板533の上端はメインテーブル501の上面と同じか若しくはそれ以下に位置する。すなわち、ガイド部530R,530Lを下限位置まで移動させた場合、メダルガイド板533はメインテーブル501の下方に収納される。ただし、この場合でも、メダルガイド板533とボールガイド板531との間の通過口532全体が塞がれることはない。このようにメダルガイド板533がメインテーブル501の下方へ退避した状態では、メダルガイド板533によってメインテーブル501上のメダルMの流れが妨げられないため、メダルMが通過口532を通過して自由な方向へ流れることができる。すなわち、メダルMはメインテーブル501のサイド端501b側へ流れることができる。この結果、サイド端501bから落下するメダルMが、例えばガイド部530R,530Lを上限の位置まで移動させた場合と比較して多く存在することとなる。ただし、支持部534によるメダルMの流れの妨げは、説明の簡略化のため無視する。また、ガイド部530R,530Lを下限位置まで移動させた場合でも、ボールガイド板531はメインテーブル501上に突出するので、ボールB1,B2はボールガイド板531により流れが制限される。すなわち、ボールB1及びB2は、メインテーブル501のサイド端501bから落下しないように、前端501aの方向へ導かれる。
一方、ガイド部530R,530Lを上限の位置まで移動させた場合、ガイド部530R,530Lにおけるメダルガイド板533の上端は、メインテーブル501の上に突出するこのような状態では、メダルガイド板533によってメインテーブル501上のメダルMの流れが妨げられるため、メダルMの流れる方向が前端501aの方向へ制限される。この結果、サイド端501bから落下するメダルMを、例えばガイド部530R,530Lを下限の位置まで移動させた場合と比較して少なくすることができる。ただし、支持部534によるメダルMの流れの妨げは、説明の簡略化のため無視する。また、ガイド部530R,530Lを上限位置まで移動させた場合でも、ボールガイド板531はメインテーブル501上に突出しているため、ボールB1,B2はボールガイド板531により流れが制限される。すなわち、ボールB1及びB2は、メインテーブル501のサイド端501bから落下しないように、前端501aの方向へ導かれる。
このように、本実施形態では、ガイド部530R,530Lを下限位置まで移動させることで、言い換えれば、ガイド部530R,530Lのメダルガイド板533をメインテーブル501下に収納することで、ボールB1の流れを前端501aの方向へ制限しつつ、メダルMの流れる方向を比較的自由にすることができる。この結果、メインテーブル501から落下するメダルMのうち、サイド端501bから落下するメダルMの比率を多くすることが可能となる。一方、ガイド部530R,530Lを上限位置まで移動させることで、言い換えれば、ガイド部530R,530Lのメダルガイド板533をメインテーブル501上に突出させることで、ボールB1の流れと共に、メダルMの流れを前端501aの方向へ制限することができる。この結果、メダルMの流れを前端501a方向へ集中させることができ、多くのメダルMを前端501aから落下させることができると共に、サイド端501bから落下するメダルMの比率を少なくすることが可能となる。
(メダル投入機構の構成)
図11は、本実施形態におけるメダル投入機構100を示す斜視図である。
図12は、このメダル投入機構100の正面図である。
図13は、このメダル投入機構100の上面図である。
図14は、このメダル投入機構100の正面透視図である。
メダル投入機構100は、水平領域21と、水平領域21の両側に位置する第1の傾斜領域22及び第2の傾斜領域23と、第1の傾斜領域22の外側に位置する第1の側部構造体117と、第2の傾斜領域23の外側に位置する第2の側部構造体118とを含む。また、メダル投入機構100は、複数のメダルを貯留する貯留部101を含む。貯留部101は、メダル投入機構100の水平領域21を構成する。
メダル投入機構100は、更に、貯留部101の第1側部に接する第1の境界領域102から連続的に上方向に傾斜しながら延在する第1の傾斜壁を含む。第1の傾斜壁は、第1の傾斜領域22を形成する。この第1の傾斜壁は、第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106とで構成される。第1の境界領域102は、曲面で構成される。
メダル投入機構100は、更に、上述の第1の側部と反対側に位置する貯留部101の第2側部に接する第2の境界領域103から連続的に上方向に傾斜しながら延在する第2の傾斜壁を含む。第2の傾斜壁は、第2の傾斜領域23を形成する。この第2の傾斜壁は、第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107とで構成される。第2の境界領域103は、曲面で構成される。
メダル投入機構100は、更に、第1の傾斜壁に近接する位置に第1のメダル投入口108―1を有する第1のメダル投入部108と、第2の傾斜壁に近接する位置に第2のメダル投入口109―1を有する第2のメダル投入部109とを有する。第1の境界領域102と、第1の傾斜壁下部領域104と、第1の傾斜壁上部領域106と、第1のメダル投入部108とは、メダル投入機構100の第1の傾斜領域22を形成する。第2の境界領域103と、第2の傾斜壁下部領域105と、第2の傾斜壁上部領域107と、第2のメダル投入部109とは、メダル投入機構100の第2の傾斜領域23を形成する。
第1のメダル投入部108は、更に、第1の取り付けフランジ110を有し、この第1の取り付けフランジ110は、第1の境界領域102の一部から貯留部101の一部にかけて延在する。第2のメダル投入部109は、更に、第2の取り付けフランジ111を有し、この第2の取り付けフランジ111は、第2の境界領域103の一部から貯留部101の一部にかけて延在する。貯留部101上に延在する第1の取り付けフランジ110と第2の取り付けフランジ111とは、図13に示すように、大きくラウンドされた角部を有する。第1の取り付けフランジ110と第2の取り付けフランジ111とは、メダルMを貯留すするメダル貯留領域を貯留部101上に画定する。第1の取り付けフランジ110と第2の取り付けフランジ111とは、互いに離間しており、2つのフランジ110,111間のメダル供給側119からメダルMが供給される。供給されたメダルMは、第1の取り付けフランジ110と第2の取り付けフランジ111との大きくラウンドされた角部に拘束される。貯留部101のメダル供給側119と反対側の側部には、貯留部101からプレイヤのいる手前側に供給されたメダルMがこぼれ落ちるのを防止するための第1のメダル拘束プレート112が設けられる。
第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106との境界には、第1のガイド部113が形成される。第1のガイド部113は、第1の傾斜壁上部領域106を滑り落ちるメダルを係止し、第1のガイド部に沿って第1のメダル投入口108―1へスライド転入させるように構成する。第1のガイド部113は、第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106との境界に形成された第1の段差113で構成する。第1の段差113は、第1のメダル投入口108―1へ向かって直線的に下降しながら延在する。第1の傾斜壁上部領域106は、第1のガイド部113に沿ってスライド転入するメダルMとの摩擦を低減するよう形成された少なくとも1つの突部を有する。すなわち、第1の傾斜壁上部領域106は、第1のガイド部113からメダルMの直径より小さい距離だけ上方に離間して、第1のガイド部113の延在する方向と概ね平行に延在する少なくとも1つの稜線形状突部115を有する。具体的には、図示されるように、複数の稜線形状突部115を形成する。
第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107との境界には、第2のガイド部114が形成される。第2のガイド部114は、第2の傾斜壁上部領域107を滑り落ちるメダルを係止し、第2のガイド部に沿って第2のメダル投入口109―1へスライド転入させるよう構成する。第2のガイド部114は、第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107との境界に形成された第2の段差114で構成する。第2の段差114は、第2のメダル投入口109―1へ向かって直線的に下降しながら延在する。第2の傾斜壁上部領域107は、第2のガイド部114に沿ってスライド転入するメダルMとの摩擦を低減するよう形成された少なくとも1つの突部を有する。すなわち、第2の傾斜壁上部領域107は、第2のガイド部114からメダルMの直径より小さい距離だけ上方に離間して、第2のガイド部114の延在する方向と概ね平行に延在する少なくとも1つの稜線形状突部116を有する。具体的には、図示されるように、複数の稜線形状突部116を形成する。
第1の傾斜壁上部領域106の外側上端部は、第1の側部構造体117と結合している。第1の側部構造体117は、変形L字断面形状を有し、水平上部、垂直壁部及び水平下部からなる。水平上部は第1の傾斜壁上部領域106の外側上端部から連続的に外側に向かって延在する。垂直壁部は、水平上部の外側端部から垂直下向きに延在する。水平下部は、垂直壁部の下端部から内側に向かって延在する。水平上部には、メダル排出経路400の排出端部の位置及び向きを制御するための制御システムにおける操作ハンドルが取り付けられ、遊技者は、この操作ハンドルを操作してメダル排出経路400の排出端部の位置及び向きを制御する。水平下部は、メダル投入機構100を、ステーション部STの筐体800に取り付けるための取り付けフランジの役目を果たす。
第2の傾斜壁上部領域107の外側上端部は、第2の側部構造体118と結合している。第2の側部構造体118は、変形L字断面形状を有し、水平上部、垂直壁部、及び水平下部からなる。水平上部は第2の傾斜壁上部領域107の外側上端部から連続的に外側に向かって延在する。垂直壁部は、水平上部の外側端部から垂直下向きに延在する。水平下部は、垂直壁部の下端部から内側に向かって延在する。水平上部には、メダル排出経路400の排出端部の位置及び向きを制御するための制御システムにおける操作ハンドルが取り付けられ、遊技者は、この操作ハンドルを操作してメダル排出経路400の排出端部の位置及び向きを制御する。水平下部は、メダル投入機構100を、ステーション部STの筐体800に取り付けるための取り付けフランジの役目を果たす。
貯留部101、第1の境界領域102、第2の境界領域103、第1の傾斜壁下部領域104、第2の傾斜壁下部領域105、第1の傾斜壁上部領域106及び第2の傾斜壁上部領域107は、同一部材で構成すれば、メダルMが可動する領域にはつなぎ目が無くなり抵抗を減らすことが可能となる。
また、第1のメダル投入部108の第1のメダル投入口108―1及び第2のメダル投入部109の第2のメダル投入口109―1は、メダルMが1枚だけ入ることが可能な寸法を有する。複数のメダルMが同時に第1のメダル投入口108―1又は第2のメダル投入口109―1に入った場合、第1のメダル投入部108又は第2のメダル投入部109にメダルMが詰まってしまうことを確実に防止するためである。
上述したメダル投入機構100は、第1及び第2の側部の中間位置を基準にして概ね対称的な形状及び構造を有する。
図15は、メダル投入機構100の部分分解図である。
第1のメダル投入部108と第2のメダル投入部109とは同一構造なので、以下、第2のメダル投入部109を例に挙げてその内部構造を説明する。
第2のメダル投入部109は、第2のガイド部114すなわち第2の段差部114の終端部に近接する第2のメダル投入口109―1と、第2の段差部114の終端部と連通するメダル投入経路109−7と、メダル投入経路109−7と連通するメダル落下孔109−8と、メダル投入経路109−7と該メダル投入経路109−7との各々の両側部を画定する第1のメダルガイドプレート109−5及び第2のメダルガイドプレート109−6とを有する。メダル投入経路109−7は、第2のメダル投入口109―1を介して投入されたメダルMをメダル落下孔109−8まで導くように形成される。
更に、第2のメダル投入部109は、第1のローラー109−4を有する第1の中間プレート109−3を有する。第1の中間プレート109−3は、第1のメダルガイドプレート109−5及び第2のメダルガイドプレート109−6に取り付けられる。第1のローラー109−4は、メダル落下孔109−8上に位置することで、メダル投入経路109−7を通過したメダルMが、メダル落下孔109−8上にさしかかった際、第1のローラー109−4に当接し、メダルMが僅かに押し下げられ、メダル落下孔109−8から落下する。落下したメダルMは、図5に示すメダル搬送経路200を介してリフトアップホッパ300まで搬送される。そして、メダルMは、リフトアップホッパ300によりメダル排出経路400の供給端までリフトアップされ、メダル排出経路400を介して排出端からプレイフィールド500上へ供給される。第2のメダル投入部109は、更に、第1のメダル投入部カバー109−2を有する。第1のメダル投入部カバー109−2は、第1の中間プレート109−3を覆う。また、第1のメダル投入部カバー109−2は、第2の取り付けフランジ111と一体的に形成され、第2の取り付けフランジ111が貯留部101に固定されることで、間接的に、第1の中間プレート109−3に対してその位置が固定される。
遊技者は、貯留部101に貯留しているメダルMを、貯留部101から連続的に上方向に傾斜しながら延在する第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106、及び第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107に滑り上がらせて、メダルMから手を離すと、重力によりメダルMが第1の傾斜壁上部領域106及び第2の傾斜壁上部領域107を滑り落ち、第1のガイド部113を構成する第1の段差部113と第2のガイド部114を構成する第2の段差部114とに係止される。そして、第1の段差部113と第2の段差部114とは、メダルMを重力により第1のメダル投入口108―1及び第2のメダル投入口109―1へスライド転入させるよう構成される。
すなわち、遊技者は、貯留部101から連続的に上方向に傾斜しながら延在する第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106、及び第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107にメダルMを滑り上がらせて、後は、そのメダルMから手を離せば重力によりメダルMが第1の傾斜壁上部領域106及び第2の傾斜壁上部領域107を滑り落ち、第1の段差部113と第2の段差部114とに係止され、その後、メダルMは、第1の段差部113と第2の段差部114とに沿って第1の投入部の第1のメダル投入口108―1及び第2のメダル投入口109―1まで重力によりスライド転入する。メダルMが第1の段差部113と第2の段差部114とに沿って転がると、そのメダルMは、第1の傾斜壁上部領域106及び第2の傾斜壁上部領域107に対してスライドすることになる。すなわち、遊技者は、メダルMを貯留部101から第1の傾斜壁下部領域104と第1の傾斜壁上部領域106、及び第2の傾斜壁下部領域105と第2の傾斜壁上部領域107に沿って滑り上がらせて手を離せばよく、メダルMをメダル投入口まで手で持って運びそのメダル投入口へ入れるという従来の作業に比べて、遊技者の手の動き楽にしている。このため、遊技者が連続して長時間メダルMを投入し続けても、遊技者が感じる疲れを大幅に低減することが可能となる。また、メダルMの投入に殆ど神経を使わないため、ゲームそのものに集中することが出来、ゲームを十分楽しむことが出来る。また、メダルMの投入を完全に自動化せずに遊技者の投入作業を楽にしただけであるから、遊技者は、ゲームをしている実感を持ちながら連続して長時間プレイすることが可能となる。
(センター抽選装置の構成)
次に、センター抽選装置2000の構成について説明する。
図16は、センター抽選装置2000の構成を示す斜視図である。
図17は、センター抽選装置2000の構成を示す正面図である。
センター抽選装置2000は、主に、大型円盤状の回転搬送装置2100と、回転搬送装置2100を鉛直方向下側から支持する装置支持台2200と、ディスプレイ装置2300と、大型抽選ボール2400を投入する大型ボール投入機構2500と、大型ボール投入機構2500から投入された大型抽選ボール2400を回転搬送装置2100へ搬送する搬送スロープ2600とから構成されている。
回転搬送装置2100は、装置支持台2200に設けられた図示しない駆動装置によって図中反時計回り方向へ回転駆動する。この駆動装置により、回転搬送装置2100は、本プッシャーゲーム機1の電源が入ってから常に一定の周期で回転する。回転搬送装置2100の外周領域には、大型抽選ボール2400が約1個分だけ収容可能な内部スペースを有する保持空間Fがその外周方向に沿って複数形成されている。本実施形態では、回転搬送装置2100の外周領域に20個の保持空間Fが均等間隔で設けられている。各保持空間Fは、回転搬送装置2100の回転により、回転搬送装置2100の外周に沿って周回移動する。本実施形態の回転搬送装置2100は、その回転軸が鉛直方向に対しても水平方向に対しても傾斜している。よって、各保持空間Fは、鉛直面に対しても水平面に対しても傾斜した仮想平面に沿って周回移動する。
回転搬送装置2100の図中左側のサイドには、大型ボール投入機構2500が設けられている。この大型ボール投入機構2500は、主に、大型抽選ボール2400を受け取るボール回収口2510と、ボール回収口2510から受け取った大型抽選ボール2400を保持するボール保持部2520と、ケース2530とから構成されている。ボール回収口2510に入り込んだ大型抽選ボール2400は、ケース2530の内部を通って自重によりボール保持部2520へ搬送され、ボール保持部2520のボールストッパ2521によって止められる。このボールストッパ2521は、図示しないセンター抽選装置2000の制御部の制御に応じて、大型抽選ボール2400を止めるボール保持位置と大型抽選ボール2400を解放するボール解放位置との間で駆動する。なお、図16は、ボールストッパ2521がボール保持位置に位置決めされて、大型抽選ボール2400がボール保持部2520に保持されている状態を示している。本実施形態において、主としてボール保持部2520とボールストッパ2521とによって、導入機構が構成されている。
ボールストッパ2521がボール保持位置からボール解放位置へ移動し、ボール保持部2520の保持状態が解除されると、ボール保持部2520に保持されていた大型抽選ボール2400が自重により案内機構としての搬送スロープ2600へと転がり込む。これにより、図17に示すように、大型抽選ボール2400はその搬送スロープ2600上を自重により転がり、その搬送スロープ2600の傾斜面であるスロープ面(上面)上でその最下点を中心に振り子のように移動する。この搬送スロープ2600は、回転搬送装置2100の各保持空間Fが周回移動する保持空間移動経路の最下点部分に隣接する位置に大型抽選ボール2400が存在するときにその大型抽選ボール2400が載ることになる箇所を最下点としたスロープ面(傾斜面)を有し、そのスロープ面を用いて大型抽選ボール2400をいずれかの保持空間Fの抽選口へ案内するものである。このスロープ面は、上記保持空間移動経路の最下点部分に存在する保持空間Fminを含む1又は2以上の保持空間Fに対して大型抽選ボール2400が隣接して移動し得るように形成されている。本実施形態では、上記保持空間移動経路のちょうど最下点に保持空間Fminが存在するときにこれに隣接する2つの保持空間Fを含めた合計3つの保持空間Fに対して大型抽選ボール2400が隣接して移動し得るように形成されている。
具体的には、搬送スロープ2600の保持空間移動経路側には、最下点を中心に保持空間3個分の進入スペースを空けてこのスペース両側に進入防止柵2601,2602が設けられている。この進入防止柵2601,2602により、スロープ面上の大型抽選ボール2400はその進入防止柵2601,2602を越えて回転搬送装置2100の保持空間移動経路側へ移動することが阻止される。また、少なくとも進入スペースに対向したスロープ面部分は、回転搬送装置2100の保持空間移動経路側へ傾斜するように構成されている。よって、大型ボール投入機構2500から投入された大型抽選ボール2400は、搬送スロープ2600上をその最下点を中心に振り子運動しつつ徐々に移動速度が遅くなり、最終的には、上記スロープ面部分における保持空間移動経路側へ傾斜によって自重により上記進入スペースから回転搬送装置2100の保持空間移動経路側へ移動する。このとき、大型抽選ボール2400は、回転搬送装置2100の回転によって周回移動している保持空間Fのうち上記進入スペースに対向する位置に存在する保持空間Fの抽選口に進入する。
本実施形態では、搬送スロープ2600の最下点が回転搬送装置2100側へ最も傾斜するように構成されており、搬送スロープ2600の最下点に近いほど大型抽選ボール2400が回転搬送装置2100の保持空間F内に入りやすくなっている。また、搬送スロープ2600には、搬送スロープ2600上の大型抽選ボールが保持空間移動経路側とは反対側(図中正面側)に落下しないように、搬送スロープ2600の当該反対側の端部全域にわたってガイド柵2603も設けられている。
回転搬送装置2100の各保持空間Fの内部には、図16に示すように、その保持空間Fに大型抽選ボール2400が入り込んだことを検知するためのボールセンサ2101が設けられている。各ボールセンサ2101はセンター抽選装置2000の図示しない制御部に接続されており、その検知信号が制御部に送られるようになっている。これにより、センター抽選装置2000の制御部は、どの保持空間Fに大型抽選ボール2400が入ったかを把握することができる。
搬送スロープ2600上の大型抽選ボール2400がいずれかの保持空間Fに保持されると、その大型抽選ボールは保持空間Fの周回移動により保持空間移動経路に沿って図中反時計回り方向へ回転搬送される。ここで、大型ボール投入機構2500のボール回収口2510は、保持空間移動経路に隣接しており、ボール保持部2520よりも鉛直方向上方に配置されている。このボール回収口2510が配置されている回収箇所は、保持空間移動経路の最下点から回転搬送装置2100の回転方向へ180°以下の範囲内に設けられている。これにより、大型抽選ボール2400が保持空間Fに入り込んでから約180°回転搬送される前に、その大型抽選ボール2400を回収することができる。180°を越えて回転搬送するようにすると、保持空間移動経路の最下点付近で大型抽選ボール2400が保持空間Fに進入してジャックポット抽選の結果が出た時点から、これを回収して次の抽選を行うまでに不必要に時間をかけることになる。すなわち、大型抽選ボール2400が保持空間Fに入り込んでからの回転搬送中は、ジャックポット抽選の演出としての効果も期待できるので、抽選結果が出てからもある程度は大型抽選ボール2400の回転搬送を行うことは有益である。しかし、回転搬送による演出をあまり長い期間行うと、その回転搬送による演出効果が薄まるし、その大型抽選ボール2400を用いた次の抽選を待たせる結果を招き、好ましくない場合がある。よって、本実施形態では、大型抽選ボール2400が保持空間Fに入り込んでから約180°回転搬送される前に、その大型抽選ボール2400を回収するようにしている。一方で、大型抽選ボール2400が保持空間Fに入り込んでから即座に回収すると、回転搬送による演出効果が十分に得られないため、例えば90°以上は大型抽選ボール2400を回転搬送することが好ましい。
また、本実施形態においては、大型抽選ボール2400を保持した保持空間Fが回収箇所まで回転移動してボール回収口2510と対向したとき、保持空間F内の大型抽選ボール2400を、その自重のみによってボール回収口2510へ移動させる移動機構が設けられている。以下、この移動機構の構成について説明する。
図18は、回転搬送装置2100の一部を示す説明図である。
本実施形態の回転搬送装置2100は、図16に示すように、固定配置されるドーナツ状底板2110と、このドーナツ状底板2110上に配置されて周回移動する回転部材2120とを備えている。回転部材2120は、図示しない駆動機構の駆動力によりドーナツ状底板2110上を周回移動する。この回転部材2120は、ドーナツ状基部2121と、このドーナツ状基部2121の外周面上に放射状に配置される20個の仕切部材2121とから構成されている。本実施形態においては、主として、ドーナツ状基部2121の外周面と、互いに隣接する2つの仕切部材2121の各対向面と、ドーナツ状底板2110の上面とに囲まれた領域が、それぞれ保持空間Fとなる。したがって、回転部材2120が周回移動すると、ドーナツ状底板2110の上面上を保持空間Fが移動することになる。
また、ドーナツ状底板2110には、図18に示すように切欠部2111が形成されている。この切欠部2111の下方には、大型ボール投入機構2500のボール回収口2510が位置決めされている。よって、回転部材2120の周回移動により保持空間Fが移動し、大型抽選ボール2400を保持した保持空間Fが当該切欠部2111との対向位置まで到達すると、その大型抽選ボール2400が切欠部2111から自重のみによって落下し、ボール回収口2510からケース2530内に設けられる連絡通路2540へ落下する。この連絡通路2540の底面は、ボール保持部2520に向けて傾斜しているため、連絡通路2540に落下した大型抽選ボール2400は、自重により連絡通路2540を通ってボール保持部2520へ搬送される。
保持空間F内の大型抽選ボール2400をボール回収口2510へ移動させる移動機構は、これに限られるものではなく、当該保持空間Fが回収箇所との対向位置にあるときにその保持空間F内の大型抽選ボール2400をその自重のみによって又は回転搬送装置2100の回転駆動力を利用してボール回収口2510へ移動させる構成を備えたものであれば、どのような構成のものでもよい。
例えば、回転搬送装置2100の回転駆動力を利用したものとしては、大型抽選ボール2400を保持した保持空間Fが回収箇所まで回転移動してボール回収口と対向したときにその大型抽選ボール2400と当接する当接部材を用い機構が挙げられる。すなわち、保持空間移動経路の外周面外方にボール回収口を配置しておき、回転搬送中の大型抽選ボール2400を当接部材で引っ掛けて保持空間移動経路の外周面外方へ押し出すように構成する。
図2は、20個の保持空間Fと賞との対応関係を模式的に表した説明図である。
本実施形態において、各保持空間Fには、それぞれ賞が割り当てられており、これらの賞の中に、本実施形態ではメダル供給賞M100,M500、チャンスポケット賞CP、ジャックポット賞JP1,JP2が含まれている。センター抽選装置2000では、大型抽選ボール2400がどの保持空間Fに入るかという物理抽選(ジャックポット抽選)を行うものである。
メダル供給賞M100,M500は、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へそれぞれ100枚、500枚のメダルMを供給する賞である。なお、このメダル供給賞M100,M500に入賞することより供給されるメダル枚数は、ジャックポット貯留枚数の初期値よりも少なくするのが好ましい。
また、チャンスポケット賞CPは、これに当選すると上述した所定のイベント条件が満たされ、以後の所定のイベント期間中、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STが属するサテライト部SAにおいて、これに属する4つのステーション部STのいずれかで行われるサテライト抽選装置1000での物理抽選で当選した当選ビンゴ数字が、他の3つのステーション部STでも当選ビンゴ数字として取り扱われるという賞である。
また、チャンスポケット賞CPは、払出量増加賞として取り扱われる。すなわち、後述する第2ジャックポット賞のジャックポット貯留枚数(払出量)を所定量(例えば100枚)分だけ累積的に増加させる賞でもある。
また、チャンスポケット賞CPに当選すると、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へ100枚のメダルMが供給される。この点で、チャンスポケット賞CPはメダル供給賞でもある。
ジャックポット賞JP1,JP2は、本実施形態では2種類存在する。
第1ジャックポット賞JP1は、第1ジャックポット貯留枚数(払出量)分のメダルMが、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へ供給される(払い出される)賞である。第1ジャックポット貯留枚数を示す第1貯留枚数データ(払出量データ)は、センター抽選装置2000の図示しない制御部のRAM(記憶手段)に記憶されている。この第1貯留枚数データのカウント値すなわち第1ジャックポット貯留枚数は、所定の初期値(例えば500枚)に対し、すべてのステーション部STでメダルが投入されるたびにそのメダル投入枚数の一部に相当する枚数(例えば0.03枚)を累積的に加算したものである。
第2ジャックポット賞JP2は、第2ジャックポット貯留枚数(払出量)分のメダルMが、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へ供給される(払い出される)賞である。第2ジャックポット貯留枚数を示す第1貯留枚数データ(払出量データ)も、センター抽選装置2000の図示しない制御部のRAM(記憶手段)に記憶されている。この第2貯留枚数データのカウント値すなわち第1ジャックポット貯留枚数は、所定の初期値(例えば500枚)に対し、過去のジャックポット抽選でチャンスポケット賞CPに当選するたびに所定量(例えば100枚)分を累積的に加算したものである。
本実施形態では、これらの加算処理を行うセンター抽選装置2000の図示しない制御部が払出量増加手段として機能する。
また、本実施形態において、これらのジャックポット賞JP1,JP2に入賞したときにプレイフィールド500へ供給されるメダル枚数すなわちジャックポット貯留枚数は、本プッシャーゲーム機1において一度にプレイフィールド500へ供給され得るメダル枚数の中で最も多くなるように設定されている。よって、本プッシャーゲーム機1でプレイする遊技者は、通常、これらのジャックポット賞に入賞することを狙ってプレイすることになる。
また、センター抽選装置2000のディスプレイ装置2300には、ジャックポット抽選を行っていない期間は、図19に示すように、現在のジャックポット貯留枚数すなわち今ジャックポット賞JP1,JP2に入賞したとしたらプレイフィールド500へ供給されることになるメダル枚数を示す画面が表示される。一方、ジャックポット抽選を行っている期間中は、そのジャックポット抽選の演出画面が表示される。
ジャックポット抽選を開始する際には、図示しない駆動装置により、装置支持台2200自体が鉛直方向に平行な回転軸を中心に回転して、そのジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STが属するサテライト部SAに対してセンター抽選装置2000が正面を向くように駆動する。その後、ジャックポット抽選を進行する。このジャックポット抽選の詳細については後述する。
(ゲーム制御系の構成)
図20は、本プッシャーゲーム機1のゲーム制御系の主要構成を示すブロック図である。なお、このブロック図は、説明の便宜上、ゲーム進行に応じて各部を駆動させるための駆動制御系等の構成については省略されている。
本実施形態におけるゲーム制御系の構成は、主に、ステーション部STの制御部600と、サテライト抽選装置1000の制御部610と、センター抽選装置2000の制御部620とから構成される。ステーション部STの制御部600は、主に上述したスロットゲーム及びビンゴゲームの全体的な進行制御を担い、サテライト抽選装置1000の制御部610は、主に上述したビンゴゲームの物理抽選の制御やボールB1,B2の搬送制御を担い、センター抽選装置2000の制御部620は、主に上述したジャックポット抽選の制御を担う。
ステーション部STの制御部600は、主に、制御装置601と、ROM602と、RAM603と、通信装置604とから構成される。制御装置601は、ROM602に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM602は、ステーション部STの制御部600で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM603は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。通信装置604は、サテライト抽選装置1000の制御部610との間でデータ通信を行うためのものである。
サテライト抽選装置1000の制御部610は、主に、制御装置611と、ROM612と、RAM613と、ステーション側通信装置614と、センター側通信装置615とから構成される。制御装置611は、ROM612に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM612は、サテライト抽選装置1000の制御部610で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM613は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。ステーション側通信装置614は、当該サテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部600との間でデータ通信を行うためのものである。センター側通信装置615は、センター抽選装置2000の制御部620との間でデータ通信を行うためのものである。
以上の構成は、ステーション部STの制御部600と、サテライト抽選装置1000の制御部610と、センター抽選装置2000の制御部620とが、直列に接続された例であるが、これらの制御部600,610,620を互いに並列(スター型やバス型)に接続するようにしてもよい。
(スロットゲームの流れ)
次に、本実施形態におけるプッシャーゲーム機1で進行するスロットゲームの流れについて説明する。
図21は、本実施形態におけるスロットゲームの流れを示すフローチャートである。
遊技者が貯留部101上のメダルMを上述したようにして第1のメダル投入口108―1や第2のメダル投入口109―1へ投入すると、プレイフィールド内のサブテーブル511上に向けてメダルMが送り出される。そして、サブテーブル511上のメダルMが落下したメダルMのうちの一部のメダルMは傾斜テーブル512に設けられたチャッカー515−1,515−2,515−3の何れかに進入して図示しないメダル検出手段により検出されると、その検出信号がステーション部STの制御部600の制御装置601に送られ、制御装置601はチャッカー515−1,515−2,515−3の何れかにメダルMが入ったことを把握する(S1)。これにより、制御装置601は、スロットゲームの開始条件が満たされたと判断し、ROM602に記憶されている抽選プログラムを実行し、生成した乱数が所定の当選テーブルに照らして上述したいずれかの役に当選したか又はハズレたかを決定するデジタル抽選を行う(S2)。また、制御装置601は、表示部700に表示されている図6に示すスロット用ゲーム画面の3つのダイス状スロットDSを回転させる表示制御を行うとともに、デジタル抽選で当選役が決定した場合には表示部700にその当選役に係る図柄の組み合わせが停止表示するように、3つのダイス状スロットDSの回転を停止させる表示制御を行う(S3)。
上記デジタル抽選でいずれの役にも当選しないハズレが決定された場合(S4)、制御装置601はそのままスロットゲームを終了する。
一方、小当たり役Aに当選した場合(S5)、制御装置601は、図示しないメダル供給手段を制御してプレイフィールド500へ3枚のメダルを供給する(S6)。このメダル供給手段は、遊技者が貯留部101上のメダルMを投入したときにプレイフィールド内のサブテーブル511上へメダルMが送り出す上述した機構を共用したものであってもよいし、これとは別体に設けてもよい。別体に設ける場合には、この機構と同様の構成を採用することができる。すなわち、リフトアップホッパによりメダルMをメダル排出経路の供給端までリフトアップされ、そのメダル排出経路を介して排出端からプレイフィールド500上へ供給するという構成とすることができる。
また、小当たり役Bに当選した場合(S7)、制御装置601は、上記メダル供給手段を制御してプレイフィールド500へ8枚のメダルを供給する(S8)。
また、通常ボーナス役に当選した場合(S9)、制御装置601は、上記メダル供給手段を制御してプレイフィールド500へ30枚のメダルを供給する(S10−1)。また、制御装置601は、以後のデジタル抽選で用いる当選テーブルとして、当選確率が低めに設定された通常当選テーブルを用いるように設定変更する(S10−2)。
また、確変ボーナス役に当選した場合(S11)、制御装置601は、上記メダル供給手段を制御してプレイフィールド500へ30枚のメダルを供給する(S12−1)。また、制御装置601は、以後のデジタル抽選で用いる当選テーブルとして、当選確率が高めに設定された高確率当選テーブルを用いるように設定変更する(S12−2)。
また、ボール供給役が当選した場合(S13)、制御装置601は、サテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611へボールB1についてのボール供給命令を出力する。これにより、ボール供給機構1300からボールキャリア1520へボールB1が受け渡され、そのボールキャリア1520から当該ボール供給役が当選したステーション部STのボール投入機構1800へボールB1が受け渡される。ボール投入機構1800へ受け渡されたボールB1は、ボール投入スロープ1801のストッパ1802によって一時的に保持される。そして、遊技者がボタン160を押し、その操作信号を制御装置601が受けったタイミングで、制御装置601は、ボールB1はストッパ1802から解放され、ボールB1がボール投入スロープ1801上を転がり落ち、ボール投入位置抽選機構1810へ受け渡される。そして、このボール投入位置抽選機構1810で、プレイフィールド500上へのボール供給位置の抽選が行われ、メインテーブル501上における奥側か手前側のいずれかにボールB1が供給される(S14)。このボール投入位置抽選機構1810は、ボールB1,B2が通過可能なボール受け口がボール投入スロープ1801の最下点を中心に手前側と奥側との間を往復移動する構成を有している。ボール受け口にボールが入るとメインテーブル501上の手前側にそのボールが供給され、ボール受け口にボールが入らないとメインテーブル501上の奥側にそのボールが供給される。ボールがメインテーブル501上の手前側に供給されると、メインテーブル501上の奥側に供給される場合に比べてメダル落下溝までの移動距離が短いため、そのボールB1をメダル落下溝へ落としやすくなり、ビンゴゲームの開始条件を満たしやすくなる。したがって、遊技者は、ストッパ1802で保持されたボールB1が、ボール投入位置抽選機構1810のボール受け口にボールB1が入るようにタイミングを計ってボタン160を押すようにプレイすることになる。
また、直接サテライト役が当選した場合(S15)、制御装置601は、サテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611へボールB1についてのボール供給命令を出力する。これにより、ボール供給機構1300からボールキャリア1520へボールB1が受け渡される。その後、ボールキャリア1520は、ステージボール投入機構1600と対向する位置へ移動し、ステージボール投入機構1600の受皿1610へボールB1を受け渡す。そして、遊技者がボタン160を押し、その操作信号を制御装置601が受けったタイミングで、制御装置601は、ボール投入命令がサテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611へ出力する。これにより、ボールB1はボール投入経路1110を介してアウタービンゴステージ1100へ投入され、物理抽選が行われる。また、直接サテライト役が当選した場合、制御装置601は、ビンゴゲームの開始条件が満たされたとして、後述するビンゴゲームを開始する(S20)。
また、直接センター役が当選した場合(S16)、制御装置601は、サテライト抽選装置1000の制御部610を介してセンター抽選装置2000における制御部620の制御装置621に対し、ジャックポット抽選の開始命令を出力する。これにより、後述するセンター抽選装置2000においてジャックポット抽選が開始される(S40)。
(ビンゴゲームの流れ)
次に、本実施形態におけるプッシャーゲーム機1で進行するビンゴゲームの流れについて説明する。
図22は、本実施形態におけるビンゴゲームの流れを示すフローチャートである。
本実施形態のビンゴゲームでは、ボールB1,B2がメダル落下溝に落ちるか、上述したスロットゲームで直接サテライト役に当選するかのいずれかのビンゴゲームの開始条件を満たすと(S21)、ステーション部STにおける制御部600の制御装置601は、ROM602に記憶されているビンゴ実行プログラムを実行し、ビンゴゲームを開始する。具体的には、制御装置601は、まず、表示部700に表示されている図6に示したスロット用ゲーム画面を図7に示したビンゴ用ゲーム画面に切り替え、その表示制御を行う(S22)。ここで、ビンゴ用ゲーム画面に表示されているビンゴカード画像BCは、過去の任意のタイミングで生成された配列情報に基づくものである。配列情報を生成するタイミングは、本プッシャーゲーム機1の電源投入時、図示しないリセットボタンの操作時、過去のビンゴゲームでビンゴが成立した時などが挙げられる。本実施形態では、ビンゴゲームでビンゴが成立した時に新しい配列情報を生成し、これを過去の配列情報と置き換える場合を例に挙げて説明する。
また、制御装置601は、ビンゴゲームの開始条件が満たされたとき、サテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611へビンゴ開始命令を出力する。これにより、制御装置611は、その命令を受けたステーション部STのボール運搬機構1900におけるボール運搬部走行スロープ1901の出口に対向する位置へボールキャリア1520を移動させる。また、制御装置601は、ボール運搬機構1900を制御して、メダル落下溝に落下したボールB1,B2をボール運搬部走行スロープ1901からボールキャリア1520へ搬送する。その後、上述したようにサテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611は、ボールキャリア1520をステージボール投入機構1600の対向位置へ移動させ、そのボールB1,B2の種類に応じ、ステージボール投入機構1600を制御してボールB1,B2をアウタービンゴステージ1100又はインナービンゴステージ1200へ投入する(S23)。
アウタービンゴステージ1100又はインナービンゴステージ1200へ投入されたボールB1,B2がいずれかの入賞スポット1101,1201に入ると、その信号がサテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611に送られる。これにより、制御装置611は、どの入賞スポット1101,1201にボールB1,B2が入ったかを認識する。このとき、ボールB1,B2が入った入賞スポット1101,1201が、センター抽選装置2000でのジャックポット抽選開始の権利が割り当てられたJP入賞スポットである場合(S24のYes)、制御装置611は、センター抽選装置2000における制御部620の制御装置621に、ジャックポット抽選の開始命令を出力する。これにより、センター抽選装置2000においてジャックポット抽選が開始される(S40)。
一方、ボールB1,B2が入った入賞スポット1101,1201が、ビンゴ数字の割り当てられた入賞スポットである場合(S24のNo)、サテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611は、その割り当てられているビンゴ数字を示す情報を、当該ビンゴゲームの開始条件を満たしたステーション部STにおける制御部600の制御装置601へ出力する。この情報を受けた制御装置601は、記憶手段としてのRAM603内の当選ビンゴ数字記憶領域に、その情報に係るビンゴ数字を当選ビンゴ数字として記憶する。なお、この当選ビンゴ数字記憶領域には、当該ステーション部STに対応する配列情報が生成されてからの当選ビンゴ数字が累積的に記憶される。そして、制御装置601は、判定手段として機能し、その当選ビンゴ数字記憶領域に記憶されているすべての当選ビンゴ数字と、RAM603内の配列情報記憶領域に記憶されている当該配列情報とを参照し、その配列情報が示すビンゴカード上の「1」から「9」のビンゴ数字の配列であるカード配列(抽選対象配列)上における当該すべての当選ビンゴ数字の配列が特定配列であるか否かのビンゴ判定を行う(S25)。なお、本実施形態における特定配列は、3×3のビンゴカード上における縦、横、斜めの列であり、合計8列である。
本実施形態において、各特定配列には、所定枚数のメダルをプレイフィールド500へ払い出すメダル払出賞、ボールB1をプレイフィールド500へ供給する通常ボール供給賞、ボールB2をプレイフィールド500へ供給する特別ボール供給賞のいずれかが割り当てられている。上記ビンゴ判定において、制御装置601が特定配列でないと判定した場合すなわちビンゴが成立していないと判定した場合(S25のNo)、ビンゴゲームを終了する。
一方、制御装置601は、ビンゴが成立したと判定し(S25のYes)、その特定配列が特別ボール供給賞に係るものである場合には(S26のYes)、上述したスロットゲームにおいて小当たり役A等のメダル供給役が当選した場合と同様の方法でプレイフィールド500上へ所定枚数のメダルMを供給するとともに(S27−1)、上述したスロットゲームにおいてボール供給役が当選した場合と同様の方法でプレイフィールド500上へボールB2を供給する(S27−2)。
また、制御装置601は、ビンゴが成立した特定配列が通常ボール供給賞に係るものである場合には(S28のYes)、上述したスロットゲームにおいて小当たり役A等のメダル供給役が当選した場合と同様の方法でプレイフィールド500上へ所定枚数のメダルMを供給するとともに(S29−1)、上述したスロットゲームにおいてボール供給役が当選した場合と同様の方法でプレイフィールド500上へボールB1を供給する(S29−2)。
また、制御装置601は、ビンゴが成立した特定配列がメダル供給賞に係るものである場合には(S28のNo)、上述したスロットゲームにおいて小当たり役A等のメダル供給役が当選した場合と同様の方法でプレイフィールド500上へ所定枚数のメダルMを供給する(S30)。
なお、ビンゴが成立したときにプレイフィールド500上へ供給されるメダルMの枚数は、そのビンゴ成立に係る賞ごとに異なる枚数としてもよいし、同じ枚数としてもよい。
このようにして、ビンゴ成立後の処理を行った制御装置601は、配列情報生成手段として機能し、ROM602に記憶されている配列情報生成プログラムを実行して新たな配列情報を生成し、RAM603の配列情報記憶領域に記憶されている配列情報を新たに生成した配列情報に置き換えて、配列情報をリセットする(S31)。
(ジャックポット抽選の流れ)
次に、本発明の特徴部分である、本プッシャーゲーム機1のジャックポット抽選の流れについて説明する。
図1は、本実施形態におけるジャックポット抽選の流れを示すフローチャートである。
本実施形態のジャックポット抽選は、上述したビンゴゲームにおけるサテライト抽選装置1000での物理抽選でセンター抽選装置2000でのジャックポット抽選開始の権利が割り当てられた入賞スポットにボールB1,B2が入るか、上述したスロットゲームで直接センター役に当選するかのいずれかのジャックポット抽選の開始条件を満たすと(S41)、センター抽選装置2000における制御部620の制御装置621は、ROM622に記憶されているジャックポット実行プログラムを実行し、ジャックポット抽選を開始する。具体的には、制御装置621は、まず、装置支持台2200を回転させて、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STが属するサテライト部SAに対してセンター抽選装置2000が正面を向くように駆動制御する。また、ディスプレイ装置2300にジャックポット抽選の演出用画面を表示し、これを表示制御する。
その後、当該ステーション部STでプレイする遊技者がそのステーション部STのボタン160を押すと(S42)、その操作信号がそのステーション部STにおける制御部600の制御装置601に入力される。これにより、制御装置601は、サテライト抽選装置1000の制御部610を介してセンター抽選装置2000における制御部620の制御装置621へボール投入命令を出力する。これにより、制御装置621は大型ボール投入機構2500へボール投入命令を出力する。ボール投入命令を受けた大型ボール投入機構2500は、ボールストッパ2521をボール保持位置からボール解放位置へ移動させ、ボール保持部2520に保持されていた大型抽選ボール2400を搬送スロープ2600へ投入する(S43)。これにより、大型抽選ボール2400は搬送スロープ2600上をその最下点を中心に振り子のように移動し、最終的に回転搬送装置2100のいずれかの保持空間F内に入り込む。大型抽選ボール2400がいずれかの保持空間Fに入ると、その信号がセンター抽選装置2000における制御部620の制御装置621に送られる。これにより、制御装置621は、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fを認識する。
このとき、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、第1ジャックポット賞JP1の割り当てられたものである場合(S44のYes)、制御装置621は、払出処理手段として機能し、記憶手段としてのRAM623から払出量データである第1貯留枚数データを読み出し、そのデータのカウント値が示す枚数分のメダルMを、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へ供給するための処理を行う(S45−1)。このとき、制御装置621からステーション部STにおける制御部600の制御装置601へメダル供給命令を出力し、制御装置601の制御の下で上述した通常のメダル供給処理と同様の方法でメダルMをプレイフィールド500へ供給するようにしてもよい。ただし、第1ジャックポット賞JP1に入賞したときに供給されるメダル枚数は、第1貯留枚数データを初期値(例えば500枚)へリセットした時から、すべてのステーション部STへのメダル投入枚数の一部に相当する枚数(例えば0.03枚)を累積的に加算したものであるため、大量である。よって、上述した通常のメダル供給処理とは別に、独自のメダル供給機構を用いた処理としてもよい。この場合、第1ジャックポット賞JP1に入賞したときの演出としても好適である。また、制御装置621は、RAM623に記憶されている第1貯留枚数データを初期値にリセットする(S45−2)。
また、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、第2ジャックポット賞JP2の割り当てられたものである場合(S46のYes)、制御装置621は、払出処理手段として機能し、記憶手段としてのRAM623から払出量データである第2貯留枚数データを読み出し、そのデータのカウント値が示す枚数分のメダルMを、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド500へ供給するための処理を行う(S47−1)。このとき、制御装置621からステーション部STにおける制御部600の制御装置601へメダル供給命令を出力し、制御装置601の制御の下で上述した通常のメダル供給処理と同様の方法でメダルMをプレイフィールド500へ供給するようにしてもよい。ただし、第2ジャックポット賞JP1に入賞したときに供給されるメダル枚数は、第2貯留枚数データを初期値(例えば500枚)へリセットした時から、ジャックポット抽選でチャンスポケット賞CPが当選するたびに所定量(例えば100枚)分を累積的に加算したものであるため、大量である。よって、上述した通常のメダル供給処理とは別に、独自のメダル供給機構を用いた処理としてもよい。この場合、第2ジャックポット賞JP2に入賞したときの演出としても好適である。また、制御装置621は、RAM623に記憶されている第2貯留枚数データを初期値にリセットする(S47−2)。
本実施形態では、いずれかのステーション部STでプレイする遊技者が第1ジャックポット賞JP1に当選しても、第2ジャックポット賞JP2に係る第2貯留枚数データはリセットされない。同様に、いずれかのステーション部STでプレイする遊技者が第2ジャックポット賞JP2に当選しても、第1ジャックポット賞JP1に係る第1貯留枚数データはリセットされない。すなわち、いずれか一方のジャックポット賞がだれかに当選してしまった後も、他方のジャックポット賞の貯留枚数は維持されたままとなる。よって、だれかがいずれか一方のジャックポット賞に当選した場合、残りの遊技者は、そのジャックポット賞に当選したいという欲求については減退するものの、他方のジャックポット賞こそは自分が当選したいという強い欲求が生まれる。その結果、だれかがいずれか一方のジャックポット賞に当選してしまっても、他の遊技者にとっての遊技性は低下するどころか、その遊技性がより一層高まるという効果が期待できる。
また、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、チャンスポケット賞CPの割り当てられたものである場合(S48のYes)、制御装置621は、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STにおける制御部600の制御装置601へメダル供給命令を出力する。これにより、上述したスロットゲームにおいて小当たり役A等のメダル供給役が当選した場合と同様の方法で、当該ステーション部STのプレイフィールド500上へ所定枚数(例えば100枚)のメダルMが供給される(S49−1)。
また、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、チャンスポケット賞CPの割り当てられたものである場合(S48のYes)、制御装置621は、払出量増加手段として機能し、RAM623に記憶されている第2貯留枚数データのカウント値(ジャックポット貯留枚数)を所定量(例えば100枚)分だけ累積的に増加させる処理も行う(S49−2)。
また、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、チャンスポケット賞CPの割り当てられたものである場合(S48のYes)、制御装置621は、当該ステーション部STが属するサテライト部SAのサテライト抽選装置1000における制御部610の制御装置611へイベント開始命令を出力する。これを受けた制御装置611は、所定のイベント条件が満たされたと判断し、以後の所定のイベント期間中、当該サテライト部SAに属する4つのステーション部STのいずれかについて行うビンゴゲームの物理抽選で当選する当選ビンゴ数字を、他の3つのステーション部STでも当選ビンゴ数字として取り扱うようにイベント処理する(S49−3)。具体的には、制御装置611は、所定のイベント期間中に行うサテライト抽選装置1000の物理抽選で当選した当選ビンゴ数字を示す情報を、当該サテライト部SAに属するすべてのステーション部STにおける制御部600の制御装置601へ出力する。
また、大型抽選ボール2400が入った保持空間Fが、メダル供給賞M100,M500の割り当てられたものである場合(S48のNo)、制御装置621は、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STにおける制御部600の制御装置601へ、そのメダル供給賞M100,M500の種類に応じた枚数のメダルを供給させるためのメダル供給命令を出力する。これにより、上述したスロットゲームにおいて小当たり役A等のメダル供給役が当選した場合と同様の方法で、当該ステーション部STのプレイフィールド500上へ所定枚数(100枚か500枚)のメダルMが供給される(S50)。
以上、本実施形態においては、ジャックポット抽選の賞の中に、第2ジャックポット賞JP2のジャックポット貯留枚数を増やすことができる払出量増加賞としてのチャンスポケット賞CPが含まれている。このチャンスポケット賞CPに当選すれば、後のジャックポット抽選で第2ジャックポット賞に当選したときのメダル供給量(払出量)が増える。よって、チャンスポケット賞CPが当選することは、すべての遊技者にとって利益がある。このような賞が含まれていない従来のジャックポット抽選では、遊技者は、他人のジャックポット抽選でジャックポット賞に当選しないことを望むだけであった。これに対し、本実施形態のようにチャンスポケット賞CPが存在することで、遊技者は、他人のジャックポット抽選でジャックポット賞に当選しないことを望むだけでなく、そのジャックポット抽選でチャンスポケット賞CPに当選してほしいと望むことになる。その結果、遊技者に対して自分以外の遊技者についてのジャックポット抽選に対するより高い興味を抱かせることができ、ジャックポット抽選を行う遊技者以外の遊技者にとっての遊技性を高めることができる。
また、本実施形態では、第1ジャックポット賞JP1の払出増加条件は上述したようにいずれかのステーション部STにメダルが投入されることであり、第2ジャックポット賞JP2の払出増加条件は上述したようにジャックポット抽選でチャンスポケット賞CPに当選することである。このように、各ジャックポット賞JP1,JP2の払出増加条件が互いに異なるように設定することで、ジャックポット賞JP1,JP2のジャックポット貯留枚数を増加させる条件の多様化を図ることができ、遊技性が向上する。
なお、本実施形態では、互いに独立したプッシャーゲームを進行する複数の遊技部であるステーション部STを備えた遊技機であるプッシャーゲーム機1内にジャックポット抽選装置であるセンター抽選装置2000が設け、いずれかのステーション部STでジャックポット抽選の開始条件が満たされたときにセンター抽選装置2000でジャックポットを開始する例について説明したが、本発明はこのような構成に限られない。
例えば、本実施形態のように複数の遊技者が同時期にプレイするような複数人プレイ型の遊技機に限らず、1人プレイ型の遊技機であっても本発明は適用可能である。
また、例えば、複数の遊技機を通信ネットワークを介してジャックポット抽選装置に接続し、いずれかの遊技機でジャックポット抽選の開始条件が満たされたときにジャックポット抽選装置でジャックポット抽選を開始するような遊技システムであっても、本発明は適用可能である。
また、本実施形態では、ジャックポット抽選を行う抽選手段として、大型抽選ボール2400という抽選用移動物体を用いた物理的な抽選を行う抽選機構を例に挙げて説明したが、これに限らず、乱数を用いた抽選プログラムによりいずれのジャックポット賞に当選するか否かのデジタル抽選を行うものであってもよい。
また、本実施形態では、2種類のジャックポット賞JP1,JP2の払出量増加条件が互いに異なる条件である場合を例に挙げて説明したが、同じ条件としてもよい。例えば、いずれのジャックポット賞JP1,JP2の払出量増加条件も、ジャックポット抽選でチャンスポケット賞CPに当選するという条件としてもよい。この場合であっても、その条件を満たしたときに増加させる量をジャックポット賞の種類ごとに異なるように設定してもよい。
また、本実施形態では、2種類のジャックポット賞JP1,JP2が存在し、1回のジャックポット抽選でいずれかのジャックポット賞JP1,JP2に当選するか又はハズレるかの抽選を行う場合を例に挙げて説明したが、ジャックポット賞が1種類だけであっても、本発明は適用可能である。
また、本実施形態では、一方の種類のジャックポット賞が当選したときには、他方のジャックポット賞に対応する貯留枚数データについてはリセットしない場合を例に挙げて説明したが、一方の種類のジャックポット賞が当選したときに両方のジャックポット賞に対応する貯留枚数データをリセットするようにしてもよい。