JP4370037B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーエアコンシステムの一部として車両等に搭載される気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の気体圧縮機は、たとえば図5に示すように、内周略楕円状のシリンダ1を有し、このシリンダ1の両端面にはサイドブロック2、3が取り付けられている。またシリンダ1の内側にはロータ4が横架されており、このロータ4はその軸心のロータ軸5とサイドブロック2、3の軸受6、7を介して回転可能に支持されている。
【0003】
図6に示すように、ロータ4の外周面側にはスリット状のベーン溝8が複数形成されており、これらのベーン溝8にはベーン9がそれぞれ装着され、ベーン9はロータ4外周面からシリンダ1内壁に向かって出没自在に設けられている。
【0004】
シリンダ1の内側はシリンダ1内壁、サイドブロック2、3内面、ロータ4外周面およびベーン9先端側両側面によって複数の小室に仕切られており、この仕切り形成された小室が圧縮室10であり、圧縮室10はロータ4が図中矢印ロの方向に回転することにより容積の大小変化を繰り返す。
【0005】
圧縮室10の容積変化が生じると、その容積増加時に、吸気室11側から圧縮室10側への低圧冷媒ガスの吸入が行われるとともに、その容積減少時に、圧縮室10での冷媒ガスの圧縮と、圧縮室10から吐出室12側への高圧冷媒ガスの吐出が行われる。
【0006】
具体的には、圧縮室10の容積が最小から最大となるまでの範囲は吸入過程であり、吸入過程においては、吸気室11内の冷媒ガスが、シリンダ1等の吸入通路13とサイドブロック2、3の吸入口14とを介して圧縮室10側に吸入される。そして、圧縮室10の容積が最大付近になると、圧縮室10が吸入口14から離れて密閉空間となり、この密閉された圧縮室10内に低圧冷媒ガスが閉じ込められる。その後、圧縮室10の容積が最大から最小に移行すると、その容積減少量に応じて圧縮室10内の低圧冷媒ガスが圧縮される。さらに、圧縮室10の容積が最小付近になると、圧縮された高圧冷媒ガスの圧力により、シリンダ楕円短径部1aの吐出孔15に取り付けられているリードバルブ16が開き、かつ圧縮室10内の高圧冷媒ガスが吐出孔15からシリンダ1外周面側の吐出チャンバ17に流出する。また、吐出チャンバ17内に流入した高圧冷媒ガスは、リア側サイドブロック3の吐出通路(図示省略)を通過した後、同サイドブロック3に取り付けられている油分離器18を経て吐出室12内に吐出する。
【0007】
吐出室12の底部にはオイル溜まり20が設けられており、このオイル溜まり20のオイルには吐出室12内に吐出した高圧冷媒ガスの圧力Pd(以下「吐出圧力」という。)が作用している。この吐出圧力Pdの作用するオイル溜まり20のオイルは、サイドブロック2、3やシリンダ1の油穴21を流れ軸受6、7隙間で減圧され、吐出圧力Pdより低い圧力の減圧オイルとなり、この減圧オイルがサイドブロック2、3のサライ溝22、22からベーン9底部の背圧室19へ供給されベーン背圧となる。
【0008】
また、上記気体圧縮機では、シリンダ1の吐出孔15付近において、冷媒ガスの吐出圧力が作用する高圧オイルを、サイドブロック2、3の高圧孔23、23から背圧室19側へ供給することで、ベーン背圧を高めている。これはベーン9のチャタリングを防止するためである。すなわち、圧縮室10内の圧力は冷媒ガスの吐出前後で急激に変化する。この際、冷媒ガスの吐出直前で、圧縮室10内の圧力が最大になるが、この大きな圧力が圧縮室10の前後壁10a、10bを形成しているベーン9先端に加わり、ベーン9がベーン溝8底部側へ押し戻されることから、ベーン9が瞬間的に沈んで跳び上がりシリンダ1の内壁に衝突する現象、いわゆるベーン9のチャタリングが生じやすいためである。
【0009】
フロント側サイドブロック2(以下「フロントサイドブロック」ともいう。)のサライ溝22は、背圧室19を介してリア側サイドブロック3(以下「リアサイドブロック」ともいう)の高圧穴23と連通するように形成されている。これは圧縮機の起動時におけるベーン9の飛出し性をよくするためである。すなわち、圧縮機の起動時は、吐出圧力Pdが低くベーン背圧が小さいことや、ロータ4の回転による遠心力が小さいこと等から、ベーン9がシリンダ1内壁に向かって飛び出し難いため、高圧穴23から供給される高圧オイルの影響によりベーン背圧を高めて、圧縮機の起動時におけるベーン9の飛び出し性を改善しようとしたものである。
【0010】
しかしながら、上記のように、フロントサイドブロック2のサライ溝22とリアサイドブロック3の高圧穴23とが背圧室19を介して常時連通する構造を採用した場合には、起動時のみならず定常運転時にも、高圧穴23からの高圧オイルの影響により背圧室19内の圧力、すなわちベーン背圧が高くなるため、ベーン9とシリンダ1の接触部分が早期に摩耗しやすく、また、圧縮機の定常運転にあたり大きな動力が必要となる等の問題点が生じる。この問題は、上記のようなサライ溝22と高圧穴23との連通構造によるものであるため、その連通構造を廃止すれば解決できるが、それを廃止すると、圧縮機の起動時にベーン背圧が不足しベーン9の飛出し性が悪くなり、ベーン9のチャタリングが生じ易くなるという問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、圧縮機の起動時におけるベーン飛び出し性の向上とベーン背圧の低減という一見相反する二つの目的を同時に両立・達成でき、耐久性に優れ車両の低燃費化を図るのに好適な気体圧縮機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、内周略楕円状のシリンダと、上記シリンダの両端面に取り付けられたサイドブロックと、上記シリンダの内側に回転可能に横架されたロータと、上記ロータの外周面から上記シリンダの内壁に向かって出没自在に設けられたベーンと、上記シリンダ、サイドブロック、ロータおよびベーンによって仕切り形成されるとともに、上記ロータの回転により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により、吸気室の冷媒ガスを吸入、圧縮して吐出室側へ吐出する圧縮室と、上記冷媒ガスの吐出圧力より低い圧力の減圧オイルを上記ベーン底部の背圧室へ供給するサライ溝と、上記冷媒ガスの吐出圧力が作用する高圧オイルを上記ベーン底部の背圧室へ供給する高圧穴とを備えてなる気体圧縮機において、上記冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づき上記サライ溝を移動させるとともに、この移動により上記サライ溝と上記高圧穴とを連通または非連通の状態とするサライ溝移動手段を設け、上記サライ溝移動手段は、気体圧縮機の起動時等のように冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力との差圧が小さいとき、サライ溝と高圧穴とが連通の状態となるようにサライ溝を移動させ、かつ、気体圧縮機の定常運転時等のように上記差圧が大きくなると、上記サライ溝と高圧穴とが非連通の状態となるようにサライ溝を移動させてなることを特徴とするものである。
【0014】
本発明は、上記サライ溝移動手段は、一方のサイドブロックの一部をロータの軸心周りに独立に回転可能な回動体とし、この回動体にサライ溝を形成してなるとともに、上記回動体を冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づき回転させる回転駆動手段を有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明は、上記回転駆動手段は、冷媒ガスの吸入圧力、吐出圧力、およびバネ力のバランスでスライドする駆動軸と、この駆動軸に一端が係合し他端が回転体に固着されてなるとともに、上記駆動軸のスライド移動を回転体の回転移動に変換する駆動ピンとからなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明では、サライ溝移動手段が冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づきサライ溝を移動させ、この移動によりサライ溝と高圧穴を連通または非連通の状態とする。そして、上記差圧が小さい圧縮機起動時は、サライ溝と高圧穴を連通させ、高圧穴からの高圧オイルの影響によりサライ溝から背圧室側へ供給されるオイルの圧力を高く設定する。また、上記差圧が大きくなる定常運転時は、サライ溝と高圧穴を非連通の状態とし、上記のような高圧穴からの高圧オイルの影響を断ち、サライ溝から背圧室側へ供給されるオイルの圧力を低く設定する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る気体圧縮機の実施形態について図1ないし図4を基に詳細に説明する。
【0018】
なお、本実施形態の気体圧縮機の基本的な構成、たとえば従来例の図5および図6を用いて説明すると、気体圧縮機が内周略楕円状のシリンダ1を有し、シリンダ1の両端面にはサイドブロック2、3が取り付けられ、またシリンダ1の内側にはロータ4が回転可能に横架されていること、ロータ4の外周面からはシリンダ1内壁に向って複数のベーン9が出没可能に設けられていること、圧縮室10の容積がロータ4の回転により大小変化すると、この容積変化により吸気室11側から吸気通路13、吸入口14を介して圧縮室10側への低圧冷媒ガスの吸入と、圧縮室10での冷媒ガスの圧縮、圧縮室10から吐出孔15等を通じて吐出室12側への冷媒ガスの吐出が行われること等は従来と同様なため、同一部材には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0019】
図1は本発明に係る気体圧縮機の要部の一実施形態を示したものである。本実施形態の気体圧縮機にあっては、フロントサイドブロック2の中央部が回動体50として設けられており、この回動体50はロータ4の軸心(ロータ軸5)周りに独立に回転でき、このように回転可能な回動体50のロータ対向面側にサライ溝22が形成されている。したがって、本実施形態におけるフロントサイドブロック2側のサライ溝22は、回動体50の回転によりロータ4の軸心O−O周りに回動できる。
【0020】
つまり、本実施形態においては、サライ溝移動手段aとして、フロントサイドブロック2の一部をロータ4の軸心周りに独立に回転可能な回動体50とし、この回動体50にサライ溝22を形成するという構造を採用し、これによりフロントサイドブロック2側のサライ溝22を回転させることができるように構成している。
【0021】
シリンダ1、サイドブロック2、3、ロータ4等の組立構造体からなる圧縮機本体30は、従来例の図5を用いて説明すると、一端開口型ケーシング31内に収納されており、また、吸気室11は、ケーシング31の開口端に取り付けられているフロントヘッド32とフロントサイドブロック2との間に、吐出室12はケーシング31の密閉端とリアサイドブロック3との間に形成されており、吸気室11には上記回動体50の回転駆動手段bが設けられている。
【0022】
図2および図3に示すように、回転駆動手段bはスライド可能な駆動軸51を備え、この駆動軸51の先端には駆動ピン52との係合部53が形成されている一方、駆動軸51の後端にはピストン54が取り付けられている。なお、駆動ピン52は、その一端側が駆動軸51先端の係合部53に係合するように設けられているとともに、その他端が上記フロントサイドブロック2中央の回動体50表面に固着されている。
【0023】
駆動軸51は冷媒ガスの吸入圧力Ps、吐出圧力Pdおよびバネ55の力Fのバランスによってスライドすることができる。すなわち、駆動軸51後端のピストン54には冷媒ガスの吐出圧力Pd、吸入圧力Ps、およびバネ力Fが加わるように構成されており、これらの力のうち、図上、吸入圧力Psとバネ力Fはピストン54を上側に押圧する方向の力として作用し、吐出圧力Pdは同ピストン54を下側に押圧する方向の力として作用するように設定されている。
【0024】
したがって、吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差圧が小さい場合は、バネ力Fの影響が大となり、そのバネ力Fによってピストン54と駆動軸51が一体に上側にスライドするが、この状態から吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差圧が次第に大きくなると、バネ力Fの影響が小さくなり、ピストン54と駆動軸51が一体に下側にスライドする。
【0025】
また、図上、駆動軸51が下側にスライドすると、そのスライド移動が駆動ピン52により回動体50の回転移動に変換され、該回動体50が右回りに回転する一方、これとは逆に、駆動軸51が上側にスライドすると、駆動ピン52を介して回動体50が左回りに回転するように構成されている。なお、このような回動体50の回転角度は、駆動ピン52の固着位置と駆動軸51のスライドストロークによって決定される。
【0026】
図4(A)は回動体50が左回りに回転しているとき(圧縮機の起動時)のサライ溝22と高圧穴23の位置関係を示したものであり、この状態のときは、回動体50に設けたフロントサイドブロック2側のサライ溝22とリアサイドブロック3の高圧穴23とが互いに重なるように向い合い、かつ背圧室19を介して連通するように構成されている。また、この連通状態から同図(B)に示すように図2の回動体50が右回りに回転すると、上記のようなサライ溝22と高圧穴23の位置関係がずれ、サライ溝22と高圧穴23が非連通の状態となる。
【0027】
本実施形態においては、サライ溝22は一定の角度で扇状に開いた形態を呈しているが、このサライ溝22の開きの開始角φ1と終了角φ2については、圧縮機の起動時にサライ溝22が背圧室19を介して高圧穴23に連通し、圧縮機の定常運転時はその連通状態がなくなるように開始角度φ1を設定し、また、定常運転時におけるサライ溝22の終了角が従来の終了角と同じになるように終了角φ2を設定するものとする。
【0028】
また、本実施形態の場合、サライ溝22には冷媒ガスの吐出圧力Pdより低い圧力の減圧オイルが流入し、この減圧オイルがサライ溝22からベーン9底部の背圧室19側へ供給されるが、このようなサライ溝22への減圧オイルの供給手段や、高圧穴23の具体的な構成は従来と同様であるため、その詳細説明は省略する。
【0029】
なお、本実施形態の気体圧縮機では、フロントサイドブロック2の中央部を回動体50としたこととの関係から、従来フロントサイドブロック2に設けていた軸受6(図5参照)をフロントヘッド32へ移設し、このフロントヘッド32の軸受6でロータ軸5の一端を支持するものとしている。また、フロントサイドブロック2とその中央部の回動体50との隙間には、圧縮室10から吸気室11側への冷媒ガス漏れ防止のために、シール材56が介挿されている。
【0030】
次に、上記の如く構成された本実施形態の気体圧縮機の動作について図2ないし図4を基に図6を参照しながら説明する。
【0031】
本気体圧縮機は、その起動時は背圧室19(図6参照)内のオイルの圧力、すなわちベーン背圧が高くなり、定常運転になると当該ベーン背圧が低下する。
【0032】
すなわち、圧縮機の起動時は、冷媒ガスの吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差圧がなく、このように差圧が小さいときは、図3のバネ力Fによりピストン54と駆動軸51が上側にスライドし、これにより、回動体50がロータ4の軸心を中心に左回りに最大に回転した状態となる。このとき、図4(A)に示したように、回動体50に設けたフロントサイドブロック2側のサライ溝22とリアサイドブロック3の高圧穴23とが背圧室19を介して連通する。このため、その高圧穴23からの高圧オイルの影響によってサライ溝23から背圧室19側へ供給されるオイルの圧力が高くなり、ベーン背圧が上昇する。したがって、圧縮機の起動時にベーン9の飛び出し性がよく、ベーン9のチャタリングも効果的に防止される。
【0033】
圧縮機の起動後、吐出圧力Pdが上昇し始めると、吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差圧が徐々に大きくなることから、ピストン54と駆動軸51が下側にスライドし、これにより回動体50がロータ4の軸心を中心に右回りに回転する。このように回転すると、図4(B)に示したように、回動体50に設けたフロントサイドブロック2側のサライ溝22とリアサイドブロック3の高圧穴23とが非連通の状態となることから、ベーン背圧が低減され、圧縮機起動時よりも小さな動力で定常運転を行うことができる。これは圧縮機の起動時のような高圧穴23からサライ溝22への高圧オイルの影響がなくなり、サライ溝22から背圧室19側へ供給されるオイルの圧力が低くなるためである。
【0034】
なお、上記実施形態では、フロントサイドブロック2のサライ溝22を回動可能としたが、これに代えて、図5に示したリアサイドブロック3のサライ溝22を回動可能としてもよく、この場合は、リアサイドブロック3の中央部を回動体50とし、この回動体50にサライ溝22を設けるとともに、上記実施形態と同じく、冷媒ガスの吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差圧に基づき回動体50を回転させることで、リアサイドブロック3のサライ溝22とフロントサイドブロック2の高圧穴23とが連通または非連通の状態になるものとする。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る気体圧縮機にあっては、上記の如くサライ溝移動手段が冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づきサライ溝を移動させ、この移動によりサライ溝と高圧穴を連通または非連通の状態とする構成を採用したものである。このため、上記差圧が小さい圧縮機起動時は、サライ溝と高圧穴を連通させ、高圧穴からの高圧オイルの影響によりサライ溝から背圧室側へ供給されるオイルの圧力を高く設定することができ、また、上記差圧が大きくなる定常運転時は、サライ溝と高圧穴を非連通の状態とし、高圧穴からサライ溝への高圧オイルの影響を断ち、サライ溝から背圧室側へ供給されるオイルの圧力を低く設定することができることから、圧縮機起動時のベーン飛び出し性を損なうことなく、ベーン背圧の低減を図ることができ、また、このベーン背圧の低減を通じて、圧縮機の動力低減や車両の低燃費化、およびベーンとシリンダの摩耗減少による機器の耐久性の向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体圧縮機の要部の一実施形態を示した断面図。
【図2】図1に示した実施形態の気体圧縮機におけるサライ溝と高圧穴との関係の説明図。
【図3】図1に示した実施形態の気体圧縮機における回動体の回転駆動手段の説明図。
【図4】図1に示した実施形態の気体圧縮機の動作説明図であり、同図(A)は圧縮機の起動時におけるサライ溝と高圧穴の位置関係、同図(B)は圧縮機の定常運転時におけるサライ溝と高圧穴の位置関係を示したものである。
【図5】従来の気体圧縮機の断面図。
【図6】図5のC−C線断面図。
【符号の説明】
1 シリンダ
1a シリンダ楕円短径部
2 フロント側のサイドブロック
3 リア側のサイドブロック
4 ロータ
5 ロータ軸
6、7 軸受
8 ベーン溝
9 ベーン
10 圧縮室
11 吸気室
12 吐出室
13 吸入通路
14 吸入口
15 吐出孔
16 リードバルブ
17 吐出チャンバ
18 油分離器
19 背圧室
20 オイル溜まり
21 油穴
22 サライ溝
23 高圧穴
30 圧縮機本体
31 ケーシング
32 フロントヘッド
50 回動体
51 駆動軸
52 駆動ピン
53 係合部
54 ピストン
55 バネ
56 シール材
a サライ溝移動手段
b 回転移動手段
Ps 吸入圧力
Pd 吐出圧力
F バネ力

Claims (4)

  1. 内周略楕円状のシリンダと、上記シリンダの両端面に取り付けられたサイドブロックと、上記シリンダの内側に回転可能に横架されたロータと、上記ロータの外周面から上記シリンダの内壁に向かって出没自在に設けられたベーンと、上記シリンダ、サイドブロック、ロータおよびベーンによって仕切り形成されるとともに、上記ロータの回転により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により、吸気室の冷媒ガスを吸入、圧縮して吐出室側へ吐出する圧縮室と、上記冷媒ガスの吐出圧力より低い圧力の減圧オイルを上記ベーン底部の背圧室へ供給するサライ溝と、上記冷媒ガスの吐出圧力が作用する高圧オイルを上記ベーン底部の背圧室へ供給する高圧穴とを備えてなる気体圧縮機において、
    上記冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づき上記サライ溝を移動させるとともに、この移動により上記サライ溝と上記高圧穴とを連通または非連通の状態とするサライ溝移動手段を設け、
    上記サライ溝移動手段は、気体圧縮機の起動時等のように冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力との差圧が小さいとき、サライ溝と高圧穴とが連通の状態となるようにサライ溝を移動させ、かつ、気体圧縮機の定常運転時等のように上記差圧が大きくなると、上記サライ溝と高圧穴とが非連通の状態となるようにサライ溝を移動させてなること
    を特徴とする気体圧縮機。
  2. 上記サライ溝移動手段は、一方のサイドブロックの一部をロータの軸心周りに独立に回転可能な回動体とし、この回動体にサライ溝を形成してなるとともに、上記回動体を冷媒ガスの吸入圧力と吐出圧力の差圧に基づき回転させる回転駆動手段を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 上記回転駆動手段は、冷媒ガスの吸入圧力、吐出圧力、およびバネ力のバランスでスライドする駆動軸と、この駆動軸に一端が係合し他端が回転体に固着されてなるとともに、上記駆動軸のスライド移動を回転体の回転移動に変換する駆動ピンとからなること
    を特徴とする請求項2に記載の気体圧縮機。
  4. 上記サライ溝と高圧穴との連通は上記ベーン底部の背圧室を介すること
    を特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
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