JP4369799B2 - 圧着端子の圧着状態検査装置 - Google Patents

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本発明は、被覆を剥離して導体を露出させた電線の端部に圧着により取り付けられた圧着端子の圧着状態を画像処理により検査する圧着端子の圧着状態査装置に関するものである。
電線の端部に圧着端子を取り付ける場合には、図5に示すように、電線1の端部の被覆1bを剥離して所定長さの導体1aを露出させた後、その剥離端側の被覆1bと露出された導体1aの外周面に良導電性金属材料からなる圧着端子2の被覆バレル2bと導体バレル2aとを被せて外側から圧着して把持し、圧着部3を形成することにより行っている。この際、被覆端部(被覆1bの段剥ぎ端部)1cが被覆バレル2bの前側縁部から所定長さLだけ導体バレル2a側に飛び出て、被覆バレル2bの前側縁部と導体バレル2aの後側縁部との中間位置に位置するように、電線1の被覆1bが圧着端子2の被覆バレル2bで圧着されると、圧着端子2が電線1の端部に確実に把持され、電線1と圧着端子2との導通状態を良好に維持することができる。
ところが、電線1の被覆端部1cが圧着端子2の被覆バレル2bの前側縁部から所定長さLよりも大きく飛び出て、電線1の被覆1bが圧着端子2の導体バレル2aで圧着されたり(被覆かみ不良)、電線1の被覆端部1cが圧着端子2の被覆バレル2bよりも後方に引っ込んで、電線1の導体1aが圧着端子2の被覆バレル2bで圧着されたり(首吊り不良)等すると、圧着不良となって、圧着端子2が電線1の端部に確実に把持されず、電線1と圧着端子2との導通状態を良好に維持することが困難になる。
そこで、従来、電線1の端部に圧着された圧着端子2の圧着部3における電線1の被覆端部1c等の位置を画像処理により検出して、圧着端子2の圧着状態の良、不良を検査する方法が行われている。その検査方法は、電線1の端部に圧着端子2を圧着した後、その圧着端子2を90度電線1の軸線の回りに回転させて横向きにし、その横向きの圧着部3に主照明手段と副照明手段からそれぞれ白色光を投光し、その圧着部3を表側と裏側から照明して、その圧着部3をテレビカメラ、CCD等の撮像手段で撮像したとき、その撮像データのコントラストを大きくし、その撮像データを画像処理手段で画像処理して画素の輝度データから、電線1の被覆端部1cや圧着端子2の被覆バレル2b等の位置を検出することにより、圧着端子2の圧着部3における圧着状態の良、不良を検査するようにしたものである(特許文献1参照)。
特開平5−272939号公報(発明の詳細な説明の項の段落番号0009乃至0011、0017乃至0020、図1、2、21)
従来の圧着端子2の画像処理による圧着状態検査方法は、主照明手段及び副照明手段からの照明により圧着端子2の圧着部3を照明し、圧着部3の撮像データのコントラストを大きくして検査の精度を上げようとする検査方法であるが、副照明手段からの照明の照度を調整することが容易でない。即ち、照度を押さえるとコントラスト効果が殆ど得られなくなるほか、照度を上げていくと、圧着部3全体が黒く浮かび上がって、圧着部3の輪郭が不明瞭になり、電線1の被覆端部1cの位置を正確に検出し難くなるからである。また、例えば、電線1の被覆1b及び背景体が白色かそれに近い色の場合には、圧着部3を主照明手段及び副照明手段により照明しても、圧着部3の撮像データのコントラストが所望するように大きくならず、電線1の被覆端部1cの位置を正確に検出することが困難で、圧着端子2の圧着部3における圧着状態を精度よく的確に検査することができないという問題がある。
本発明は上記に鑑み生まれたもので、電線の被覆色や背景体の背景色が種々変わっても、圧着端子の圧着部における撮像データの輪郭が明瞭でコントラストも大きくなり、圧着端子の圧着部における圧着状態を精度よく的確に検査することができる圧着端子の圧着状態査装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項に記載された発明は、電線の端部に圧着により取り付けられた圧着端子の圧着状態を画像処理により検査する圧着端子の圧着状態検査装置において、前記圧着端子の圧着部における背景体の背景色を圧着部における電線の被覆色に応じてこれとは異なる背景色に切り替える背景色切り替え手段と、前記圧着部及び背景体を撮像する撮像手段と、その撮像データを画像処理して電線の被覆端部の位置を検出することにより圧着部の良、不良を検査する画像処理手段とを備え、前記背景色切り替え手段が、複数の異なる背景色の背景体片を配列させた背景体と、背景体に連結され、圧着部における電線の被覆
色に応じてその被覆色とは異なる背景色の背景体片を圧着部に対向する位置まで移動させて背景色を切り替える背景体駆動部とを有することを特徴とするものである。
本発明の請求項に記載された発明は、請求項記載の圧着端子の圧着状態検査装置において、前記圧着端子の圧着部に背景体の背景色とは異なる色相の圧着部照明光を照射する圧着部照明手段を備えることを特徴とするものである。
本発明の請求項に記載された圧着端子の圧着状態査装置によると、前記圧着部における背景体の背景色を背景色切り替え手段により、圧着部における電線の被覆色に応じて、これとは異なる背景色に切り替えるようにしたので、圧着部における電線の被覆色と背景体の背景色との色相差が広がり、撮像手段で得られた圧着部及び背景体の撮像データのコントラストが大きくなる。また、背景体側から圧着部を照明しないので、圧着部の輪郭が不明瞭になることがない。その結果、その撮像データを画像処理手段で画像処理したとき、圧着部における電線の被覆端部の位置を容易に検出することが可能になり、圧着端子の圧着部における圧着状態の良、不良を精度よく的確に検査することができる。
本発明の請求項に記載された圧着端子の圧着状態査装置によると、前記圧着端子の圧着部に背景体の背景色とは異なる色相の圧着部照明光を圧着部及び背景体を撮像する前に照射するので、圧着部における電線の被覆色の色相が圧着部照明光の色相側に偏向し、撮像手段で得られた圧着部及び背景体の撮像データのコントラストがより大きくなって、電線の被覆端部の位置の検出が更に容易になり、圧着部の圧着状態をより的確に検査することができる。
次に、本発明の実施形態を図面により詳細に説明する。図1は本発明に係る圧着端子の圧着状態検査方法及び検査装置の1実施形態を示す正面概要図、図2は図1の側面概要図である。なお、従来の技術に記載されたものと同一構成のものには、同一符号を付し、詳細説明を省略する。
本実施形態の圧着端子の圧着状態検査装置は、図1、2に示すように、電線1の端部に圧着により取り付けられた圧着端子2の圧着部3に所定色相の圧着部照明光8を照射する圧着部照明手段8と、前記圧着部3の背景体9に圧着部照明光8とは異なる色相の背景体照明光10を照射する背景体照明手段5と、これら照明光8、10により照射された圧着部3及び背景体9を撮像する撮像手段6と、その撮像データを画像処理して電線1の被覆端部1cの位置を検出することにより圧着部3の良、不良を検査する画像処理手段7とを備える。
更に詳細に説明すると、圧着部照明手段4は、例えば、発光ダイオード(LED)等からなり、圧着部3に所定色相、例えば、白色、赤色、緑色、青色等の圧着部照明光8を照射するようになっている。背景体照明手段5は、例えば、発光ダイオード(LED)等からなり、背景体9に圧着部照明光8とは異なる色相、好ましくは、前記圧着部照明光8とは補色又はこれに近似する関係にあるような色相差が大きい色相の背景体照明光10、例えば、圧着部照明光8が赤色の場合、青色の背景体照明光10を照射するようになっている。撮像手段6はテレビカメラ、CCD等からなり、前記照明光8、10により照射された圧着部3及び背景体9を撮像するようになっている。更に、画像処理手段7は撮像手段6で撮像された撮像データを画像処理して画素の輝度データを2値化し、2値化データの明部をカウントして予め設定されたしきい値と比較することにより、電線1の被覆端部1cと被覆バレル2bの前側縁部間の長さLを測定し、被覆端部1cの位置を検出して、基準値と比較することにより、圧着部3の良、不良を検査するようになっている。
なお、11は撮像手段6で得られた圧着部3及び背景体9の撮像データをモニターするモニターテレビジョン受像機、12は圧着部3の良、不良の検査結果をプリンタ、ディスプレー等に出力する検査出力部、13は画像処理に必要なプログラムデータ等を入力するキーボードである。
前記圧着状態検査装置を用いて、圧着端子2の圧着状態を検査する場合には、図1、2に示すように、例えば、被覆色が白色又はグレー色の電線1の端部に圧着して取り付けられた圧着端子2を90度電線1の軸線の回りに回転させて横向きにし、撮像手段6の真下で背景色が白色又はグレー色の背景体9から所定の高さ浮かせた位置に保持する。次に、その横向きの圧着部3に、その両側斜め上方に配設された2個の圧着部照明手段4から、例えば、赤色の色相の圧着部照明光8を斜め下向きに照射すると共に、圧着部3の背景体9に、圧着部3の前側斜め上方に配設された背景体照明手段5から、圧着部照明光8とは色相差が大きく異なり、略補色関係の色相である青色の背景体照明光10を斜め下向きに照射する。次に、これら照明光8、10により照射された圧着部3及び背景体9を撮像手段6で撮像し、その撮像データを画像処理手段7で画像処理して圧着部3における電線1の被覆端部1cの位置を検出することにより、圧着部3の良、不良を検査する。
図1、2に示す実施形態の圧着状態検査方法及び検査装置によると、前記圧着端子2の圧着部3に圧着部照明手段4から所定色相の圧着部照明光8を照射すると共に、前記圧着部3の背景体9に背景体照明手段5から圧着部照明光8とは異なる色相の背景体照明光10を照射するようにしたので、圧着部3における電線1の被覆色と背景体9の背景色が、例えば、白色又はグレー色で両者の色相差が小さい場合でも、圧着部3及び背景体9にそれぞれ照射される異なる色相の圧着部照明光8及び背景体照明光10によって広がり、撮像手段6で得られた圧着部3及び背景体9の撮像データのコントラストが大きくなる。また、背景体9側から圧着部3を照明するのではなく、背景体9を照明するので、圧着部3の輪郭が不明瞭になりにくい。その結果、その撮像データを画像処理手段7で画像処理したとき、圧着部3における電線1の被覆端部1cの位置を容易に検出することが可能になり、圧着端子2の圧着部3における圧着状態の良、不良を精度よく的確に検査することができる。
図3は本発明に係る圧着端子の圧着状態検査方法及び検査装置の他の実施形態を示し、背景色切り替え手段で背景体の背景色を切り替える前の状態の正面概要図、図4は図3に示す実施形態において、背景色切り替え手段で背景体の背景色を切り替えた後の状態の正面概要図である。
本実施形態の圧着端子2の圧着状態検査装置は、図3、4に示すように、電線の端部に圧着により取り付けられた圧着端子2の圧着部3に背景体16の背景色とは異なる色相の圧着部照明光17を照射する圧着部照明手段14と、前記圧着端子2の圧着部3における背景体16の背景色を圧着部3における電線1の被覆色に応じてこれとは異なる背景色に切り替える背景色切り替え手段15と、前記圧着部3及び背景体16を撮像する撮像手段6と、その撮像データを画像処理して電線1の被覆端部1cの位置を検出することにより圧着部3の良、不良を検査する画像処理手段7とを備える。
更に、前記背景色切り替え手段15が、複数、例えば、2個の異なる背景色、即ち、白色の背景体片16a及び黒色の背景体片16bを並列に配列して連結させた矩形板状の背景体16と、背景体16に連結され、圧着部3における電線1の被覆色に応じてその被覆色とは異なる背景色の背景体片16a又は背景体片16bを圧着部3に対向する位置まで移動させて背景体16の背景色を切り替える流体圧シリンダからなる背景体駆動部18とを有する構成になっている。
圧着部照明手段14は圧着部照明手段4と実質同一構成のもので、例えば、発光ダイオード(LED)等よりなる。撮像手段6及び画像処理手段7は図1、2に示す実施形態のものと同一なので、詳細説明を省略する。
背景色切り替え手段15は、下記表1に示すように、電線1の被覆色が緑、青色等のように濃い色(暗い色)の場合には、背景体駆動部18のピストンロッド18aを伸長させて背景体16の背景色が白色の背景体片16aが圧着端子2の圧着部3に真下に対向する位置に来るように配置させ(図3参照)、電線1の被覆色が赤、ピンク色等のように淡い色(明るい色)の場合には、背景体駆動部18のピストンロッド18aを縮退させて、背景体16の背景色が黒色の背景体片16bが前記圧着部3の真下に対向する位置に来るように配置させ(図4参照)、背景色を白色から黒色に、又は、黒色から白色に切り替えることができるようになっている。
なお、圧着部照明手段14から照射される圧着部照明光の色相は、背景体16の背景色が白色の場合には緑、青色系統のもの、背景体16の背景色が黒色の場合には、赤、白色系統のものを選択することが望ましい。
Figure 0004369799
図3、4に示す実施形態の圧着状態検査装置を用いて、圧着端子2の圧着状態を検査する場合には、図3に示すように、例えば、被覆色が青色の電線1の端部に圧着して取り付けられた圧着端子2を90度電線1の軸線の回りに回転させて横向きにし、撮像手段6の真下で背景体16から所定の高さ浮かせた位置に保持する。次に、背景体駆動部18のピストンロッド18aを伸長させて、背景体16の背景色が白色の背景体片16aが圧着部3の真下に対向する位置に来るように配置させる。次に、前記横向きの圧着部3に、その両側斜め上方に配設された2個の圧着部照明手段14から、例えば、青色の色相の圧着部照明光17を斜め下向きに照射する。次に、この照明光17により照射された圧着部3及び背景体16の背景体片16aを撮像手段6で撮像し、その撮像データを画像処理手段7で画像処理して圧着部3における電線1の被覆端部1cの位置を検出し、圧着部3の良、不良を検査する。
被覆色が、例えば、赤色の電線1に取り付けられた圧着端子2の圧着状態を検査する場合には、図4に示すように、背景体駆動部18のピストンロッド18aを縮退させて背景体16の背景色が黒色の背景体片16bが前記圧着部3の真下に対向する位置に来るように配置させ、背景色を白色から黒色に切り替える。次に、図3に示すものと同様に保持された横向きの圧着端子2の圧着部3に、圧着部照明手段14から、今度は、例えば、赤色の色相の圧着部照明光17を斜め下向きに照射し、この照明光17により照射された圧着部3及び背景体16の背景体片16bを撮像手段6で撮像し、その撮像データを画像処理手段7で画像処理して圧着部3における電線1の被覆端部1cの位置を検出し、圧着部3の良、不良を検査する。
図3、4に示す実施形態の圧着状態検査方法及び検査装置によると、前記圧着部3における背景体16の背景色を背景色切り替え手段15により、圧着部3における電線1の被覆色に応じて、これとは異なる背景色に切り替えるようにしたので、圧着部3における電線1の被覆色と背景体16の背景色との色相差が広がり、撮像手段6で得られた圧着部3及び背景体16の撮像データのコントラストが大きくなる。また、背景体16側から圧着部3を照明しないので、圧着部3の輪郭が不明瞭になることがない。その結果、その撮像データを画像処理手段7で画像処理したとき、圧着部3における電線1の被覆端部1cの位置を容易に検出することが可能になり、圧着端子2の圧着部3における圧着状態の良、不良を精度よく的確に検査することができる。
更に、上記したように、圧着端子2の圧着部3に背景体16の背景色とは異なる色相の圧着部照明光17を圧着部3及び背景体16を撮像する前に照射するようにすると、圧着部3における電線1の被覆色の色相が圧着部照明光17の色相側に偏向し、撮像手段6で得られた圧着部3及び背景体16の撮像データのコントラストがより大きくなって、電線1の被覆端部1cの位置の検出が更に容易になり、圧着部3の圧着状態をより的確に検査することができるので好ましい。
なお、背景色切り替え手段15における背景体16は3個以上の異なる背景色の背景体片16a、16b等を配列させて形成するようにしてもよい。また、複数の背景体片16a、16b等を円形状に配列させて円板状に形成し、この背景体16をモータ等の背景体駆動部18で回転駆動させることにより背景色を切り替えるように構成してもよい。
本発明に係る圧着端子の圧着状態検査方法及び検査装置の1実施形態を示す正面概要図である。 図1の側面概要図である。 本発明に係る圧着端子の圧着状態検査方法及び検査装置の他の実施形態を示し、背景色切り替え手段で背景体の背景色を切り替える前の状態の正面概要図である。 図3に示す実施形態において、背景色切り替え手段で背景体の背景色を切り替えた後の状態の正面概要図である。 電線の端部に圧着により圧着端子が取り付けられた状態を示す正面図である。
符号の説明
1 電線
1a 導体
1b 被覆
1c 被覆端部
2 圧着端子
2a 導体バレル
2b 被覆バレル
3 圧着部
4 圧着部照明手段
5 背景体照明手段
6 撮像手段
7 画像処理手段
8 圧着部照明光
9 背景体
10 背景体照明光
11 モニターテレビジョン受像機
12 検査出力部
13 キーボード
14 圧着部照明手段
15 背景色切り替え手段
16 背景体
16a 背景体片
16b 背景体片
17 圧着部照明光
18 背景体駆動部
18a ピストンロッド

Claims (2)

  1. 電線の端部に圧着により取り付けられた圧着端子の圧着状態を画像処理により検査する圧着端子の圧着状態検査装置において、前記圧着端子の圧着部における背景体の背景色を圧着部における電線の被覆色に応じてこれとは異なる背景色に切り替える背景色切り替え手段と、前記圧着部及び背景体を撮像する撮像手段と、その撮像データを画像処理して電線の被覆端部の位置を検出することにより圧着部の良、不良を検査する画像処理手段とを備え、前記背景色切り替え手段が、複数の異なる背景色の背景体片を配列させた背景体と、背景体に連結され、圧着部における電線の被覆色に応じてその被覆色とは異なる背景色の背景体片を圧着部に対向する位置まで移動させて背景色を切り替える背景体駆動部とを有することを特徴とする圧着端子の圧着状態検査装置。
  2. 前記圧着端子の圧着部に背景体の背景色とは異なる色相の圧着部照明光を照射する圧着部照明手段を備えることを特徴とする請求項記載の圧着端子の圧着状態検査装置。
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