JP4368071B2 - 液体封入式マウント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体封入式マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の作業車両においては、作業時や走行時に発生する振動や衝撃がキャブに伝達するのを低減するために、キャブを液体封入式マウントを介して車体フレームに装着している。
一般的に液体封入式マウントは、ゴム等の弾性体と、弾性体を貫通するスタッドと、開口部に前記弾性体及びスタッドを嵌挿して粘性液を封入するカップ状のケースと、粘性液に浸かる状態でスタッドに装着された減衰部材とを備えており、ケースを車体フレーム側に固定し、スタッドをキャブ側に固定している。車体の左右方向に比べ上下方向(マウントの軸方向)には大きな荷重が作用し、弾性体が大きく変位して破損する虞があるため、スタッドを軸方向に摺動可能とすると共に、軸方向の荷重を支持するコイルスプリングを内蔵するマウントが考案されている。
【0003】
図12は、軸方向に大荷重が作用しスタッドが大変位した場合でも、弾性体の破損を防ぐことのできる特開平7−127683号公報に記載された液体封入式マウントを示す断面図である。
底面を有する筒状のケース41の内部に、スタッド43の下端に取着された減衰部材44が収納されている。上下に貫通するオリフィス孔44aを有する減衰部材44は、ケース41の内径よりも少し小さい径を有する円盤形状をなし、その外周部とケース41との間に環状の隙間を形成している。ケース41と減衰部材44との間にはコイルスプリング48が設けられ、その上下端はそれぞれ、ケース41の底面と減衰部材44とに連結されている。ケース41の上部に取着された筒状の弾性体46の内周にスリーブ47が取着されており、スタッド43はスリーブ47の内周に気密的に接して上下に摺動可能に保持されている。また、弾性体46の下端にはベローズ49が一体的に形成されており、ベローズ49の下端部は減衰部材44とスタッド43との取付部に気密的に装着されている。弾性体46、ベローズ49及び減衰部材44により密封されたケース41の内部には、粘性液Lが封入されている。
スタッド43に大荷重が作用してもスプリング48により支持され、弾性体46には荷重が作用しないので、弾性体46の破損を防ぐことができる。そして、上下方向の緩衝は、減衰部材44とスプリング48とが行い、横方向の緩衝は弾性体46が行う。この両方の緩衝作用により、キャブに伝わる振動及び衝撃を少なくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術においては、以下に述べるような問題点がある。
乗り心地をよくするために、スタッド43にかかる上下方向の荷重を支持するスプリング48のばね定数は、スプリングを用いず弾性体のみによりスタッドを支持する形式(弾性体支持式)のマウントの弾性体のばね定数に比べて小さくなっている(例えば10分の1程度)。このため、キャブの重量が異なるとキャブの取付け高さ(スタッド43の沈み具合)の所定の規定値に対するばらつきが大きくなる(例えば、弾性体支持式では1mmしかずれが生じなかったものが、10mmずれてしまう)。この場合、キャブを所定の設定高さに取り付けるために、機種や仕様により重量が異なるキャブに対応するスプリング、例えばばね定数は等しく自由高さが異なるスプリングを組み込んだマウントを用意する必要があり、作業車両のように多品種少量生産のキャブにおいては、コストが上昇すると共に部品管理が煩雑となってしまう。また、通常キャブの装着はキャブの4隅にそれぞれマウントを配置してキャブを支持するが、キャブの重心位置が中央からずれている場合は、各マウントにかかる荷重が異なるため、柔らか目に設定されたスプリング48のばね定数により各マウントの沈み具合のばらつきが大きくなる。そのため、キャブを所定の平面度で所定高さに取り付けるために、配置場所により異なる荷重に対応するスプリングを組み込んだマウントをそれぞれ用意する必要があり、重心の偏りが大きいキャブにおいては、コストが上昇すると共に部品管理が煩雑となってしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、異なる重量のキャブを搭載する場合であっても、キャブを所定の設定高さに取り付け可能で、多品種少量生産のキャブに対応可能な液体封入式マウントを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、弾性体と、弾性体を貫通するスタッドと、一端側が開口し、かつ他端側に底面を有する筒状をなし、内部に粘性液を収容し、前記一端側の開口部に前記弾性体及び前記スタッドを軸方向に嵌入して装着することで前記粘性液が封入されるケースと、前記粘性液に浸かる状態で前記スタッドに装着された減衰部材と、前記減衰部材と前記ケースの底面との間に配設された荷重支持用のスプリングとを備えた液体封入式マウントにおいて、前記ケースの底面側から前記スプリングの一端を支持するばね受け部材の軸方向位置を変更することで、前記スプリングの取付荷重を調整する取付荷重調整機構を設け、前記取付荷重調整機構は、前記軸方向に沿った筒形状をなし、かつ前記ケースの底面にこの底面を貫通して取着された支持部材と、前記支持部材に軸方向に移動自在に挿入され、かつ前記ばね受け部材の軸方向位置を変更可能に前記ばね受け部材を支持する支持軸と、前記支持部材と前記支持軸との間に設けられ、前記粘性液をシールするシール部材と、前記支持部材と前記支持軸との相対位置を位置決めする機構とを備えた構成としている。
【0007】
即ち、荷重支持用のスプリングの取付荷重を調整可能としているので、1種類のマウントにて重量の異なるキャブ、あるいは重心位置が中央からずれているキャブに対応してこのスプリングの取付荷重を調整することにより、それぞれのキャブの取付け高さ及びキャブの水平度を所定の設定位置に合わせることができ、マウントのコスト低減と部品管理の容易化を図ることができる。
また、螺挿により取付荷重を調整するので、連続的かつ微小な調整が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
図1は液体封入式マウントの平面図であり、図2は図1のA・A線断面図である。なお、「軸方向」は、液体封入式マウントの軸方向、即ち後述のスタッド3の軸方向を意味する。
ケース1は、カップ部1aと、取付孔1b及び固定用爪1cが設けられた取付板1dとを有している。また、カップ部1aの中間部のやや上寄りには段差1eが設けられ、段差1eよりも下方のケース1の内径は少し小さくなっており、さらに先に向かって徐々に内径は小さくなっている。
【0009】
ケース1の内部には、スタッド3の下端にボルト32により固着された減衰部材4が収納されている。
減衰部材4は、段差1eよりも下方のケース内径よりも少し小さい径を有するカップ形状をなし、底面側を上に向けて固着されており、その外周部とケース1との間に環状の隙間H1を形成している。また、底面には、後述する粘性液を封入した後に、減衰部材4の下方に溜まる空気を上方に逃がすために、小孔4aが設けられている。
ケース1の底部に配されるばね受け部材9と減衰部材4との間にはコイルスプリング8が設けられている。カップ形状の減衰部材4は、コイルスプリング8の横ずれを防ぐリテーナとしての機能も有している。
【0010】
ケース1の底面の中央部には、ばね受け部材9の軸方向位置を調整することで、コイルスプリング8の取付荷重を調整する取付荷重調整機構10が設けられている。取付荷重調整機構10は、ケース1の底面を貫通してケース1に固着された支持部材11と、支持部材11に螺挿されてばね受け部材9を支持する支持軸12とを主な構成要素として備えている。
支持部材11は円筒形状をなし、その軸を軸方向に沿ってケース1の底面の中央部にその上端部を溶接等の手段により固着されている。支持部材11の上端部の内面には周方向の溝が設けられており、この溝にOリング13が装着されている。また、支持部材11は、前記溝の下方に雌ねじが螺刻されている。
支持軸12は、上端中央に凸部12aを備え、かつ下端部中心に六角穴12bを備えた円柱形の部材で、中央部よりも下側の外周面に雄ねじが螺刻されている。
前記ばね受け部材9は、支持部材11に螺挿された支持軸12の前記凸部12aがばね受け部材9の中央に設けられた孔に緩挿された状態で、支持軸12の上端面12cにより所定の軸方向位置にて支持されており、支持軸12はロックナット14により位置が固定される。
【0011】
スタッド3は、上端部中心にネジ穴3aを有する円柱形状で、上面端部には回り止めのピン31が取着されている。スタッド3の外周面には、二硫化モリブデン焼き付けや硬質クロムメッキ等の表面処理、またはリン酸マンガン被膜処理等の潤滑性を向上する表面処理が施されている。
スリーブ7は円筒形で、上端部の内面に周方向の溝を2つ有し、上側の溝にはスクレーパ7aを、下側の溝にはオイルシール7bを装着している。また、スリーブ7は、前記2つの溝の下方にスタッド3と気密的に接する内径を有するDUブッシュ等のドライベアリング7cを装着し、スタッド3を軸方向に摺動自在に保持している。スリーブ7は、筒状ケース2と共に筒状の弾性体6により互いに同心位置に接合されており、弾性体6をケース1に挿入することにより、弾性体6を介してケース1の軸心位置でスリーブ7の下端が段差1eの近辺になるように保持されている。これにより、スタッド3も弾性体6及びスリーブ7を介してケース1の軸心位置に保持されている。
【0012】
筒状ケース2は、ケース1の内径よりも小さい径を有する円筒部2aと、取付孔2bが設けられた取付板2cとを有している。なお、ケース1の取付板1dの取付孔1bと、筒状ケース2の取付板2cの取付孔2bとは、弾性体6をケース1に挿入して組み込んだ際に一致する位置関係にある。
筒状の弾性体6は、ゴムや樹脂等から成形されると共に下面には周方向の凹部6aを有している。本実施形態では、凹部6aは周方向に環状に形成されているが、これに限定されず、例えばスタッド3を挟んで対向する位置に離散的に複数個(例えば2個)の凹部を設けてもよいし、また半径の異なる位置にそれぞれ凹部を設けてもよい。また、弾性体6はその下面外周部よりも下方にスリーブ7の下端が少し突出するようにスリーブ7を包み込んで接合しており、ケース1の段差1eに減衰板5を押し付けてケース1に挿入されている。そして、ケース1の固定用爪1cを筒状ケース2の取付板2cの側面を包み込むように折り曲げかしめることにより、ケース1に筒状ケース2を固着し弾性体6の装着を完成させている。
【0013】
ケース1の段差1e部に装着された減衰板5は、段差1eよりも上方のケース1の内径と略同一の外径を有する円盤形状をなし、その中心にはスリーブ7下端部を包む弾性体6の外径よりも少し大きい径の孔5aが設けられ、スリーブ7下端部の弾性体6との間に環状の隙間H2を形成している。
弾性体6により密封されたケース1の内部には、弾性体6の凹部6aの途中までシリコンオイルなどの粘性液Lが封入されており、凹部6a内の上部には粘性液Lにより密封された空気室が形成されている。なお、粘性液Lは支持軸12を支持部材11に螺挿する前に、支持部材11の貫通孔からケース1の内部に注入される。
上記構成により、ケース1の内部は減衰部材4及び減衰板5により、下方からa室Sa、b室Sb、c室Scに分割される。なお、a室Saとb室Sbとは環状隙間H1及び小孔4aを介して連通しており、b室Sbとc室Scとは環状隙間H2を介して連通している。また、c室Scは前述の空気室を含んでいる。
【0014】
図2は、キャブの搭載により設定荷重がかかり、スタッド3が定常状態の位置に沈んだ状態を表しており、スタッド3の上端は定常位置Pとなる。振動や衝撃による荷重により、スタッド3は、定常位置Pから上方に距離m1、下方に距離m2の範囲内でのストロークが可能である。なお、距離m1は減衰部材4と減衰板5との距離で規定され、距離m2はスタッド3の上端と弾性体6の上面とで規定される。
図3は、キャブを搭載しないマウント単体での状態を表しており、スタッド3は、コイルスプリング8により減衰部材4が減衰板5に当接する状態で保持されている。弾性体6の上面からのスタッド3の突出量m3は、m3=m2+m1となっている。この状態におけるコイルスプリング8の保持荷重が「取付荷重」である。
【0015】
マウント単体では、支持軸12の下端面と支持部材11の下端面との距離Tを所定距離T0となるまで支持軸12を螺挿し、コイルスプリング8の取付け高さNが所定値N0となり、ロックナット14で支持軸12を固定することにより、所定のキャブに対する取付荷重が設定された状態でマウントの組み立てが完了する。このマウントを所定のキャブとは重量の異なるキャブの搭載に使用すると、搭載後の定常状態ではスタッド3が定常位置Pからずれてしまうため、以下のいずれかにより重量の差異分に対応するずれを調整する。
▲1▼マウント単体での取付荷重調整
重量の差異分に対応する支持軸12のねじ込み量を求め(コイルスプリング8のばね定数と、支持軸12のねじピッチとから求まる)、求まった量をねじ込んで取付荷重を調整する。この場合、支持軸12の下端面と支持部材11の下端面との距離Tからねじ込み量を見てもよいし、支持軸12の回転量からねじ込み量を見てもよい。
▲2▼キャブ搭載後の高さ調整
車体フレームにキャブと共に取り付けた後、車体フレームとキャブとの位置関係が設計値に一致するまで(スタッド3の上端と弾性体6の上面との距離が距離m2に一致するまで)、支持軸12をねじ込む。
【0016】
なお、「▲1▼マウント単体での取付荷重調整」にて取付荷重の概略調整を行った後に、「▲2▼キャブ搭載後の高さ調整」にて微調整を行ってもよい。
また、「▲2▼キャブ搭載後の高さ調整」は、スタッド3、減衰部材4、コイルスプリング8、ばね受け部材9及び支持軸12の位置関係を維持したまま、支持軸12の螺入により軸方向に移動する調整であるが、キャブをマウントから分離すると「▲1▼マウント単体での取付荷重調整」でのコイルスプリング8の取付け高さと同一である。このため「▲2▼キャブ搭載後の高さ調整」は、実質、コイルスプリング8の取付荷重を調整しているのと同一である。
【0017】
上記構成によれば、支持軸12の螺挿位置によりばね受け部材9の軸方向位置を調整することができる。このため、コイルスプリング8の取付荷重が調整可能となり、機種や仕様によってキャブの重量が異なる場合であっても、キャブの重量に応じた取付荷重に変更することができ、それぞれのキャブを所定の取付け高さ(図2の定常位置P)に搭載することが可能となる。これにより、1種類で多種のキャブに対応できる液体封入式マウントを得ることができ、コストが安くなると共に部品管理も容易となる。また、キャブの重心位置が中央からずれて各マウントの支持荷重が異なることにより、各マウントの沈み量にばらつきが生じてキャブの水平度が確保できない場合であっても、各マウントの支持荷重に応じた取付荷重に変更することができ、キャブを水平に搭載することが可能となる。これにより、1種類で重心位置が中央からずれているキャブに対応できる液体封入式マウントを得ることができ、コストが安くなると共に部品管理も容易となる。支持軸12の位置決めにねじを用いているので、連続的かつ微小な調整が可能となる。
また、取付荷重調整を車体組み立て前のマウント単体の状態で、支持軸12のねじ込み量を見ながら調整できるほか、車体フレームにキャブと共に組み付けた状態であっても、車体フレームに対するキャブ高さ位置を見ながら支持軸12を回して調整することにより、キャブ取付け高さを微調整でき、組立工程の自由度を増すことができると共に、取り付け精度を向上することができる。
【0018】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本発明の範囲内において変更や修正を加えることができるのは言うまでもない。
例えば、図4に示すように、支持部材11のケース1との溶接位置を支持部材11の下部側に移して、支持部材11がケース1の内側に突出するように構成してもよい。この場合、ばね受け部材16の中央部には、突出する支持部11との干渉を避ける円柱状の凸部16aが設けられている。これにより、ケース1の底面からの突出量が小さくなり、コンパクトな液体封入式マウントを得ることができる。
また、図5に示すように、ばね受け部材17と支持軸18とを溶接又はかしめ等の方法により固着しても構わない。
【0019】
支持部材11及び支持軸12のねじを利用して位置決めを行いロックナット14で固定する例にて説明したが、ねじ部を持たない支持軸をジャッキ等を用いて所定位置までケース内に挿入した後に支持軸を固定してもよい。この固定方法として、例えば以下のようなものがある。
▲1▼図6に示すように、支持部材21Aに径方向のねじ孔を設け、支持軸22Aを位置決めした後に止めねじ23にて固定する。
▲2▼図7に示すように、支持部材21Bに径方向の貫通孔gを設けると共に、支持軸22Bに径方向の複数の貫通孔hを設け、支持軸22Bのいずれかの貫通孔hを支持部材21Bの貫通孔gに一致させて、ピン24を挿入して支持軸22Bを固定する。このとき、図7に示すように、軸方向に近接する貫通孔hを互いに異なる径方向に設けることにより、貫通孔hの軸方向ピッチを細かくすることができ、微調整にも対応できるようになる。ここで、25はピン24の抜け防止用の割ピンである。
▲3▼図8に示すように、レバー26の一端に設けられた軸26aの両端部が、支持部材21C側のブラケット28に設けられた孔fに遊びを有して支承され、レバー26の中央部に設けられた孔26bに遊嵌して支持軸22Cが支持部材21Cに嵌挿されている。レバー26の他端側にはピン26cが立設しており、ケース1との間に配されるスプリング27をガイドしている。支持軸22Cをケース内に挿入する方向では、スプリング27が縮むことにより孔26bと支持軸22Cとの間では拗れないが、支持軸22Cが抜ける方向では拗れが生じて、支持軸22Cを固定できる。
【0020】
また、図9及び図10に示すように、複数の取付荷重調整機構10をケース1の底部に設けてばね受け部材39の位置決め及び支持を行ってもよい。これにより、取付荷重が大きい場合であっても、各ねじ部にかかる荷重を分散して、ねじ部の破損防止と螺挿時のねじ込み力の軽減とを図れる。
支持軸12の螺挿の際には、六角穴12bに六角レンチを挿入して螺挿すればよいが、支持軸12の下端部に2面幅を設けてレンチ等を用いて螺挿しても構わない。
支持軸12の螺挿の際のばね受け部材9と支持軸12との摩擦抵抗を減少させるために、ばね受け部材9と支持軸12との間に樹脂製のワッシャを介装してもよい。
また、Oリング13を支持部材11側に装着する例にて説明したが、支持軸12の上部外周に溝を設けて装着しても構わない。
さらに、支持部材11をケース1に固着する構造にて説明したが、ケースの一部で支持部材を構成してもよい。
【0021】
スタッド3が弾性体6を貫通するスリーブ7を介して軸方向に摺動可能である例にて説明したが、スタッドの下方に配され軸方向の荷重を受けるスプリングを備える形式のマウントであれば、本発明の取付荷重調整機構10を適用することは可能である。
例えば、図11に示すように、密封蓋として機能する弾性体36と加硫接着されたスタッド33を備えた形式の液体封入式マウントに、取付荷重調整機構10を適用しても構わない。弾性体36の外周はケース31の開口部に圧入される筒状ケース32の内周に加硫接着されている。また、スタッド33の下端に装着される減衰部材34は、金属製の芯部材34aと芯部材34aを覆う弾性部材34bとを備えている。減衰部材34の外周面は、ケース31の円筒部の内周面に摺動自在に接すると共に、減衰部材34によって仕切られるケース31内部を連通する少なくとも1つ以上の溝H4が設けられている。
【0022】
スタッド3と一体となって動く減衰部材4の他に固定の減衰板5を設けたのは、以下の効果を得るためである。
▲1▼b室Sbを密閉に近い状態にすることができ、スタッド3が上方向の荷重を受けた場合であっても、b室Sbをスタッドが下方向の荷重を受けた場合のa室Saと同様に高圧にできる。これにより、減衰部材4の両側に大きな差圧を発生させることができ、スタッドが上方向に動かされる場合も下方向に動かされる場合と同様に隙間H1にて大きな減衰力が得られる。
▲2▼減衰部材4の両側に大きな差圧を発生させることができるので、上がる方向の大きな荷重がスタッド13に作用した場合でも、b室Sbを高圧にすることができ、荷重に対応してa室Saとの差圧が大きくなってもa室Saにてキャビテーションが発生する程度まではa室Saの圧力を低下させず、キャビテーションの発生を防止して粘性液Lの環状隙間H1での流れを確保することにより安定して大きな減衰力が得られる。
▲3▼上記▲1▼、▲2▼の隙間H1での減衰効果に加え、隙間H2での減衰効果も得られる。これらの効果は、本発明の目的とは直接関係しないので、減衰板5を省略したマウントに本発明を適用できることは言うまでもない。
また、被マウント部材としてキャブを例に挙げたが、キャブ以外に振動や衝撃の低減を目的とする被マウント部材に適用しても構わない。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、軸方向の荷重を支持するスプリングの取付荷重を調整可能としているので、異なる重量のキャブに対しても、このスプリングの取付荷重をそれぞれのキャブの重量に対応する値に設定することにより、キャブの取付け高さを所定の設定位置に合わせることができる。このため、1種類のマウントで多種のキャブに対応でき、マウントのコスト低減と部品管理の容易化が図られる。また、キャブの重心位置が中央からずれて各マウントの支持荷重が異なり、キャブの水平度が確保できない場合であっても、各マウントの支持荷重に応じた取付荷重に変更することができ、キャブを水平に搭載することが可能となる。これにより、1種類のマウントで重心位置が中央からずれているキャブに対応でき、コストが安くなると共に部品管理も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる平面図である。
【図2】図1のA・A線断面図である
【図3】荷重がかかっていない状態のマウントの断面図である
【図4】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図5】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図6】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図7】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図8】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図9】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図10】図9のZ視図である。
【図11】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図12】従来技術の液体封入式マウントの断面図である。
【符号の説明】
1…ケース、2…筒状ケース、3…スタッド、4…減衰部材、5…減衰板、6…弾性体、7…スリーブ、8…コイルスプリング、9…ばね受け部材、10…取付荷重調整機構、11…支持部材、12…支持軸、13…Oリング、14…ロックナット、L…粘性液。

Claims (4)

  1. 弾性体(6)と、弾性体(6)を貫通するスタッド(3)と、一端側が開口し、かつ他端側に底面を有する筒状をなし、内部に粘性液(L)を収容し、前記一端側の開口部に前記弾性体(6)及び前記スタッド(3)を軸方向に嵌入して装着することで前記粘性液(L)が封入されるケース(1)と、前記粘性液(L)に浸かる状態で前記スタッド(3)に装着された減衰部材(4)と、前記減衰部材(4)と前記ケース(1)の底面との間に配設された荷重支持用のスプリング(8)とを備えた液体封入式マウントにおいて、
    前記ケース(1)の底面側から前記スプリング(8)の一端を支持するばね受け部材(9)の軸方向位置を変更することで、前記スプリング(8)の取付荷重を調整する取付荷重調整機構(10)を設け
    前記取付荷重調整機構(10)は、
    前記軸方向に沿った筒形状をなし、かつ前記ケース(1)の底面にこの底面を貫通して取着された支持部材(11)と、
    前記支持部材(11)に軸方向に移動自在に挿入され、かつ前記ばね受け部材(9)の軸方向位置を変更可能に前記ばね受け部材(9)を支持する支持軸(12)と、
    前記支持部材(11)と前記支持軸(12)との間に設けられ、前記粘性液(L)をシールするシール部材(13)と、
    前記支持部材(11)と前記支持軸(12)との相対位置を位置決めする機構と
    を備えた
    ことを特徴とする液体封入式マウント。
  2. 請求項1に記載の液体封入式マウントにおいて、
    前記支持部材(11)と前記支持軸(12)との相対位置を位置決めする機構は前記支持部材(11)の内面に形成された雌ねじ部と、前記支持軸(12)の外周形成された雄ねじ部とを有する
    ことを特徴とする液体封入式マウント。
  3. 請求項2に記載の液体封入式マウントにおいて、
    前記支持軸(12)は、ゆるみ止め用のロックナット(14)により位置が固定されている
    ことを特徴とする液体封入式マウント。
  4. 請求項1に記載の液体封入式マウントにおいて、
    前記支持部材(11)と前記支持軸(12)との相対位置を位置決めする機構は、前記支持部材(11)及び前記支持軸(12)に径方向に形成された孔(g,h)と、該孔(g,h)に挿入するピン(24)とを有する
    ことを特徴とする液体封入式マウント。
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