JP4366902B2 - 変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機のアウトプットシャフトの回転速度とアクセル開度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を予め設定したシフトマップに従って変速機を自動変速する変速制御装置に係り、特に、最高車速が制限された車両であっても確実に最高ギヤ段までシフトアップされるようにした変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の変速機を自動変速する変速制御装置では、変速機のアウトプットシャフトの回転速度とアクセル開度(エンジン負荷)とに基づいて各ギヤ段の範囲を定めたシフトマップをコントローラに入力しておき、そのシフトマップに従って変速機を自動変速するのが一般的である。
【0003】
ここで、各ギヤ段の範囲を定めるにあたって、車速ではなく変速機のアウトプットシャフト回転速度を使用する理由としては次のことがあげられる。
【0004】
即ち、車両の種類によっては、変速機のアウトプットシャフトと車輪との間に介設されるファイナルギヤのギヤ比、及び車輪の径が異なるため、同一のアウトプットシャフト回転速度における車速は車両の種類によって異なる。従って、車速に基づいてシフトマップを作成しようとした場合、ファイナルギヤのギヤ比及び車輪径を考慮して、各車種毎に別々のシフトマップを設定する必要がある。この作成は非常に煩雑な作業である。
【0005】
これに対して、変速機のアウトプットシャフトの回転速度に基づいてシフトマップを設定する場合、ファイナルギヤのギヤ比及び車輪の径に関わらず、全ての車種で同一のシフトマップを用いることが可能となる。特に、大型商用車などファイナルギヤのギヤ比及び車輪径の設定種類が多い車両ではこのメリットは大きい。また、ユーザーが径の異なる車輪に交換した場合などであっても、アウトプットシャフトの回転速度に基づいてシフトマップを設定しておけば、シフトマップを設定しなおす必要がないというメリットもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アウトプットシャフト回転速度とアクセル開度とに基づいて作成したシフトマップを複数の車種で共用することにより別の問題が浮上した。
【0007】
それは、近年大型車両などに対して、90km/h程度でリミッタ(車速制限装置)を働かせることが要求されており、その結果、一部の車種では変速機が最高ギヤ段までシフトアップされる前に最高車速(制限車速)に達してしまうことが分かったのである。具体的に説明すると、アウトプットシャフト回転速度がシフトマップに定められた最高ギヤ段の範囲まで上昇する前に車速が制限車速に達するため、それ以上アウトプットシャフト回転速度が上昇することはなく、実質的にその車両では最高ギヤ段へのシフトアップは行われないことになる。特に、大きな駆動力を確保するために、低速ギヤ段の使用範囲を比較的大きく設定したPOWERシフトマップを使用して走行する場合や、ファイナルギヤの減速比が小さい、即ち、低いアウトプットシャフト回転速度で比較的大きな車速がでるタイプの車種でこの現象が起こりやすい。
【0008】
またこの現象は、最高ギヤ段だけに限られず、車種によっては、最高ギヤ段よりも1段又は複数段低いギヤ段にすら入らないものが出てくることも考えられる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、変速機のアウトプットシャフトの回転速度とアクセル開度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を設定したシフトマップに従って変速機を自動変速する変速制御装置であって、ファイナルギヤのギヤ比及び車輪径に関わらず、車両が制限車速に達する前に確実に最高ギヤ段までシフトアップされるようにした変速制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、変速機のアウトプットシャフトの回転速度を検出するアウトプットシャフト回転速度検出手段と、アクセル開度とアウトプットシャフト回転速度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を予め定めた第1シフトマップとを備え、上記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度と、上記アウトプットシャフト回転速度検出手段により検出されたアウトプットシャフト回転速度とに応じて上記第1シフトマップに定められたギヤ段へ変速機を自動変速する変速制御装置であって、車速を検出する車速検出手段と、車両の車速を所定の制限車速以下に制限するための車速制限手段と、上記車速検出手段により検出された車速が上記制限車速近傍の所定の車速域にあることが検出されたときに、上記第1シフトマップに従った変速動作を禁止するシフトマップ変速動作禁止手段とを備え、上記第1シフトマップによる変速動作の禁止中に、車速に基づいてギヤ段の範囲を定めた第2シフトマップに従って変速機を変速するものであり、かつ上記第2シフトマップは、最高ギヤ段よりも低いギヤ段から最高ギヤ段へのシフトアップを定める第1シフトアップ車速を、上記制限車速よりも若干低い値に設定したものである。
【0012】
また、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速より大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段でないときに、変速機を最高ギヤ段へシフトアップする指示を出すシフトアップ指示手段を備えることが好ましい。
また、上記目的を達成するために本発明は、車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、変速機のアウトプットシャフトの回転速度を検出するアウトプットシャフト回転速度検出手段と、アクセル開度とアウトプットシャフト回転速度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を予め定めた第1シフトマップとを備え、上記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度と、上記アウトプットシャフト回転速度検出手段により検出されたアウトプットシャフト回転速度とに応じて上記第1シフトマップに定められたギヤ段へ変速機を自動変速する変速制御装置であって、車速を検出する車速検出手段と、車両の車速を所定の制限車速以下に制限するための車速制限手段と、上記車速検出手段により検出された車速が上記制限車速近傍の所定の車速域にあることが検出されたときに、上記第1シフトマップに従った変速動作を禁止するシフトマップ変速動作禁止手段と、上記車速検出手段により検出された車速が、上記制限車速よりも若干低い値に設定された第1シフトアップ車速より大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段でないときに、変速機を最高ギヤ段へシフトアップする指示を出すシフトアップ指示手段とを備えたものである。
【0013】
また、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速以下の値に設定された第1シフトダウン車速より小さく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段であるときに、上記変速機をシフトダウンする指示を出すシフトダウン指示手段を備えることが好ましい。
【0014】
また、上記シフトアップ指示手段の指示によって上記変速機を最高ギヤ段へシフトアップしたときに、上記第1シフトマップにおける最高ギヤ段からそれより1段低いギヤ段へのシフトダウンを定めたシフトダウンラインを無効にするライン無効化手段を備えるようにしても良い。
【0015】
また、上記シフトアップ指示手段は、上記アクセル開度検出手段により検出された実際のアクセル開度が所定値よりも大きいときに、上記シフトアップの指示を出すようにしても良い。
【0016】
また、上記シフトアップ指示手段は、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速より低い値に設定された第2シフトアップ車速よりも大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段より1段低いギヤ段よりも低速段であるときに、上記変速機を最高ギヤ段より1段低いギヤ段へシフトアップする指示を出すようにしても良い。
【0017】
また、上記ライン無効化手段は、上記シフトアップ指示手段の指示によって上記変速機を最高ギヤ段より1段低いギヤ段へシフトアップしたときに、上記第1シフトマップにおける最高ギヤ段より1段低いギヤ段から最高ギヤ段より2段低いギヤ段へのシフトダウンを定めたシフトダウンラインを無効にし、上記シフトダウン指示手段は、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第2シフトアップ車速以下の値に設定された第2シフトダウン車速より小さくなったときに、上記変速機をシフトダウンする指示を出すようにしても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
本実施形態は、本出願人が特開2001−263472で開示している自動変速装置に適用したものであり、まず、自動変速装置の概要を説明する。
【0020】
図1に本実施形態に係る車両の自動変速装置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジンがディーゼルエンジンである。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3のアウトプットシャフト4(図2参照)が図示しないプロペラシャフトに連結されて後輪(図示せず)を駆動するようになっている。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転センサ7とアクセル開度を検出するアクセル開度センサ8(アクセル開度検出手段)との出力から実際のエンジン回転速度及びエンジン負荷を読取り、主にこれらに基づいて燃料噴射ポンプ1aの電子ガバナ1dを制御し、燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する。一方、変速機3の変速中は、アクセル開度センサ8によって検知される実アクセル開度と無関係にECU6自らが加工した疑似アクセル開度なるものに基づいてエンジン制御を実行する。これは特に後述するダブルクラッチ制御において必要である。
【0021】
また、本実施形態のECU6は、車速を所定の制限車速(ここでは90km/h)以下に制限するための車速制限手段としての機能を有している。例えば、車速が制限車速に達したならば、それ以上アクセル開度が大きくなったとしても、そのアクセル開度を無視して車速を制限車速に保つように電子ガバナ1d、即ち燃料噴射量を制御する。
【0022】
図2に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0023】
図1に示すように、ここではクラッチ2と変速機3とがトランスミッションコントロールユニット(TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。即ちかかる自動変速装置には自動クラッチ装置と自動変速機とが備えられる。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0024】
図2に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1bに摩擦接触或いは離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチアクチュエータ10(図1参照)によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作し、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断等を可能とするため、ここではクラッチペダル11(図1参照)によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。図1に示すように、クラッチ位置(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するためのクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の位置(踏み込み量)を検知するためのクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続されている。
【0025】
図3に分かりやすく示すが、クラッチアクチュエータ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の通路aがクラッチ自動断接用、他方の通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の通路aが二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の通路bに、クラッチアクチュエータ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0026】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFFのとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF、つまり停車中はOFFとなり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチの断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチアクチュエータ10に供給される。これによりクラッチが分断される。クラッチを接続するときはMVC2のみがOFFされ、これによりクラッチアクチュエータ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチが接続される。
【0027】
ところでもし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFFとなると、ドライバの意思に反してクラッチが急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチアクチュエータ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0028】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチアクチュエータ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチアクチュエータ10に至る。
【0029】
図2に詳細に示すように、変速機3は基本的に主軸(メインシャフト)33及び副軸(カウンタシャフト)32を備えた常時噛み合い式の多段変速機で、前進16段、後進2段に変速可能である。変速機3はメインギヤ18と、その入力側及び出力側にそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備える。そして、インプットシャフト15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ18、レンジギヤ19へと順に送ってアウトプットシャフト4に出力する。
【0030】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータもクラッチアクチュエータ10同様空圧作動され、TMCU9によって制御される。各ギヤ17,18,19の現在ポジションはギヤポジションスイッチ23(図1参照)で検知される。副軸32の回転速度が副軸回転センサ26で検知され、アウトプットシャフト4の回転速度がアウトプットシャフト回転センサ28(アウトプットシャフト回転速度検出手段)で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0031】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速も可能である。この場合、図1に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトチェンジ手段29からの変速指示信号を合図に行われる。即ち、ドライバが、シフトチェンジ手段29のシフトレバー29aをシフト操作すると、シフトチェンジ手段29に内蔵されたシフトスイッチが作動(ON)し、変速指示信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチアクチュエータ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作(クラッチ断→ギヤ抜き→ギヤ入れ→クラッチ接)を実行する。そしてTMCU9は現在のシフト段をモニター31に表示する。
【0032】
図1に示すシフトチェンジ手段29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPは手動シフトアップ位置、DOWNは手動シフトダウン位置をそれぞれ意味する。シフトスイッチはこれら各ポジションに応じた信号を出力する。シフトレバー29aは図示しないスプリングなどによって付勢されており、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWN側に手動操作した後シフトレバー29aから手を離すと自動的にDレンジへと復帰するようになっている。また運転席に、自動変速モードとマニュアル変速モードとを切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行う通常モードと1段飛ばしで行うスキップモードとを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0033】
自動変速モードでシフトレバー29aがDレンジに位置してるときは、基本的に後述するシフトアップマップ及びシフトダウンマップ(以下、両者を総合して単に第1シフトマップと言うときもある)に従って自動的に変速機3の変速が行われる。この自動変速モード中に、ドライバがシフトレバー29aを手動シフトアップ位置(UP)又は手動シフトダウン位置(DOWN)に手動操作した場合、第1シフトマップとは無関係にドライバの手動操作に応じて変速機3がシフトアップ又はシフトダウンされる。自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF(通常モード)なら、シフトレバー29aの1回のUP又はDOWNの操作により、変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0034】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンが可能である。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFFなら1回の操作につき変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。このモードではDレンジは現ギヤ段を保持するH(ホールド)レンジとなる。
【0035】
なお、運転席に非常用変速スイッチ27が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときはスイッチ27の手動切換により変速できるようになっている。
【0036】
図2に示すように、変速機3にあっては、インプットシャフト15、主軸33及びアウトプットシャフト4が同軸上に配置され、副軸32がそれらの下方に平行配置される。インプットシャフト15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、インプットシャフト15と主軸33とが相対回転可能に支持される。
【0037】
まずスプリッタ17とメインギヤ18の構成を説明する。インプットシャフト15にインプットギヤSHが回転可能に取り付けられる。また主軸33にも前方から順にギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれ副軸32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRは副軸32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0038】
インプットシャフト15及び主軸33に取り付けられた各ギヤSH,M4…に、当該ギヤを選択し得るようドグギヤ36が一体的に設けられ、これらドグギヤ36に隣接してインプットシャフト15及び主軸33に第1〜第4ハブ37〜40が固設される。第1〜第4ハブ37〜40には第1〜第4スリーブ42〜45が嵌合される。ドグギヤ36及び第1〜第4ハブ37〜40の外周部と、第1〜第4スリーブ42〜45の内周部とにスプラインが形成されており、第1〜第4スリーブ42〜45は第1〜第4ハブ37〜40に常時係合してインプットシャフト15又は主軸33と同時回転すると共に、前後にスライド移動してドグギヤ36に対し選択的に係合・離脱する。即ち、スプリッタ17におけるハブ37とドグ36、およびメインギヤ18における副軸32側のドグ36と主軸33側のハブ37〜40とをスリーブ42〜45により係合・離脱させることによりギヤイン・ギヤ抜きが行われる。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0039】
このように、スプリッタ17とメインギヤ18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。また、スプリッタ17は、そのスプライン部に通常の機械的なシンクロ機構が存在するものであるが、メインギヤ18の各ギヤ段は各スプライン部にシンクロ機構が存在しないノンシンクロギヤ段となっている。このため、メインギヤ18の変速を伴う変速を実行する場合、後述のシンクロ制御なるものを行って副軸32側のドグギヤ回転数と主軸33側のスリーブ回転数とを同期(シンクロ)させ、シンクロ機構なしで変速できるようにしている。ここではメインギヤ18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特願平11-319915 号参照)。
【0040】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、主軸33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68はアウトプットシャフト4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69はアウトプットシャフト4の外周に相対回転可能に嵌め込まれてアウトプットシャフト4とともに二重軸を構成する。
【0041】
第5ハブ41が管部69に一体的に設けられる。また第5ハブ41の後方に隣接して、アウトプットシャフト4にアウトプットシャフトドグギヤ70が一体的に設けられる。第5ハブ41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定ドグギヤ71が設けられる。第5ハブ41の外周に第5スリーブ46が嵌合される。これら第5ハブ41、アウトプットシャフトドグギヤ70、固定ドグギヤ71及び第5スリーブ46にも前記同様にスプラインが形成され、第5スリーブ46が第5ハブ41に常時係合すると共に、前後にスライド移動してアウトプットシャフトドグギヤ70又は固定ドグギヤ71に対し選択的に係合・離脱する。第5スリーブ46の移動がレンジアクチュエータ22で行われる。レンジギヤ19のスプライン部には機械的なシンクロ機構が存在する。
【0042】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定ドグギヤ71に係合し、第5ハブ41と固定ドグギヤ71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、アウトプットシャフト4が1より大きい比較的大きな減速比(ここでは4.5)で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0043】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれがアウトプットシャフトドグギヤ70に係合し、第5ハブ41とアウトプットシャフトドグギヤ70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、アウトプットシャフト4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。このようにかかるレンジギヤ19ではハイ・ロー間の減速比が比較的大きく異なる。
【0044】
結局、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0045】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。これらアクチュエータはエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0046】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0047】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。空圧シリンダ48には三つの電磁弁MVC,MVD,MVEが設けられ、空圧シリンダ49には二つの電磁弁MVB,MVAが設けられる。
【0048】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき図の下方に移動し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき図の上方に移動し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0049】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき図の左側に移動し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき図の右側に移動し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0050】
レンジアクチュエータ22は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき図の右側に移動し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤをローとする。
【0051】
ところで、後述するシンクロ制御に際して副軸32を減速制動するため、副軸32には副軸ブレーキ手段27が設けられる。副軸ブレーキ手段27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのとき副軸ブレーキ手段27に空圧が供給され、副軸ブレーキ手段27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときには副軸ブレーキ手段27から空圧が排出され、副軸ブレーキ手段27が非作動となる。
【0052】
さて、変速制御装置とは、変速時に変速機3、エンジン1及びクラッチ2を制御するものであり、本実施形態では、ECU6、TMCU9、クラッチアクチュエータ10及びギヤシフトユニットGSU等で構成される。以下、この変速制御装置による制御内容を説明する。
【0053】
TMCU9には図4及び図5にそれぞれ示すように、車両の運転状態に基づく変速機3の各ギヤ段の範囲を予め定めたシフトアップマップ及びシフトダウンマップ(第1シフトマップ)とがメモリされており、TMCU9は、自動変速モードのとき、通常はこの第1シフトマップに従って変速機3の変速を実行する。例えば図4のシフトアップマップにおいて、ギヤ段n(nは1から15までの整数)からn+1へのシフトアップラインがアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転数(rpm)との関数で決められている。そしてマップ上ではアクセル開度センサ8により検出された実際のアクセル開度(%)と、アウトプットシャフト回転センサ28により検出された実際のアウトプットシャフト回転数(rpm)とからただ1点が定まる。車両加速中は、車輪に連結されたアウトプットシャフト4の回転数(回転速度)が次第に上昇していく。そこで通常の自動変速モードでは、現在の1点が各シフトアップラインを越える度に1段ずつシフトアップを行うこととなる。このときスキップモードであればシフトアップラインを交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトアップを行う。
【0054】
図5のシフトダウンマップにおいても同様に、ギヤ段n+1(nは1から15までの整数)からnへのシフトダウンラインがアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転数(rpm)との関数で決められている。そしてマップ上では現在のアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転数(rpm)とからただ1点が定まる。車両減速中はアウトプットシャフト4の回転数が次第に減少していくので、通常の自動変速モードでは、現在の1点が各シフトダウンラインを越える度に1段ずつシフトダウンを行う。スキップモードであればシフトダウンラインを交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトダウンする。
【0055】
「従来の技術」の欄でも説明したように、この第1シフトマップは、アウトプットシャフト4と車輪との間に介設されるファイナルギヤ(図示せず)のギヤ比、及び車輪径が異なるいくつかの車種において共用される。
【0056】
また上述したように、自動変速モード中であっても、ドライバがシフトレバー29aを手動シフトアップ位置(UP)又は手動シフトダウン位置(DOWN)に手動操作したときは、第1シフトマップとは無関係に変速が行われる。
【0057】
一方、マニュアルモードのときは、第1シフトマップとは無関係にドライバが自由にシフトアップ・ダウンを行える。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速でき、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速できる。
【0058】
またTMCU9は、アウトプットシャフト回転センサ28により検知される現在のアウトプットシャフト回転数と、ファイナルギヤのギヤ比と、車輪径とから現在の車速を算出し、これをスピードメータに表示する。従って、本実施形態のTMCU9とアウトプットシャフト回転センサ28は、「特許請求の範囲」における車速検出手段としての機能を有している。
【0059】
次に、ノンシンクロギヤ段であるメインギヤ18の各ギヤ段のギヤインを伴う変速を実行する場合におけるシンクロ制御の内容を説明する。
【0060】
図6、図7に示すように、TMCU9には、スプリッタ17及びメインギヤ18における各ギヤの歯数ZSH,Z1 〜Z4 ,ZR ,ZCH,ZC1〜ZC4,ZCRと、レンジギヤ19におけるハイ・ローの減速比とが予め記憶されている。そこでTMCU9は、メインギヤ18のギヤ歯数と、副軸回転センサ26によって検知される副軸回転数(rpm)とに基づいて、次回変速先となるメインギヤ18のギヤ段(目標メインギヤ段)におけるドグギヤ回転数(rpm)を算出する。また、TMCU9は、次回変速先となるレンジギヤ19のギヤ段(目標レンジギヤ段)の減速比と、アウトプットシャフト回転センサ28によって検知されるアウトプットシャフト回転数(rpm)とに基づき、メインギヤ18におけるスリーブ回転数(rpm)を算出する。ここで、スリーブは主軸のハブに嵌合されているものであるため、当然スリーブ回転数=ハブ回転数となる。
【0061】
図7の表の左欄において、左端に記載された「1st」、「2nd」…「Rev」の語は目標メインギヤ段を示している。また括弧内の「1st」、「2nd」…の語は各目標メインギヤ段が担当する変速機全体としての目標ギヤ段を示している。例えば、メインギヤ18の「1st」(ギヤM1)が担当する変速機全体のギヤ段は「1st」、「2nd」、「9th」、「10th」である。括弧内の語は最初の二つと後の二つとがレンジギヤ19のロー・ハイで切り分けられる。例えばメインギヤ「1st」だと「1st」、「2nd」がレンジギヤロー、「9th」、「10th」がレンジギヤハイである。そして最初の二つ又は後の二つの中において、先と後とがスプリッタ17のロー・ハイで切り分けられる。例えばメインギヤ「1st」でレンジギヤローだと、スプリッタローで変速機は「1st」、スプリッタハイで変速機は「2nd」となる。またメインギヤ「1st」でレンジギヤハイだと、スプリッタローで変速機は「9th」、スプリッタハイで変速機は「10th」となる。目標メインギヤ段の「2nd」、「3rd」、「4th」についても同様である。
【0062】
目標メインギヤ段「Rev」ではレンジギヤ19による切り分けは行われず、スプリッタ17のみで切り分けがなされる。スプリッタハイでリバース「high」、スプリッタローでリバース「low」となる。
【0063】
図7の表の右欄は副軸32側であるドグギヤ回転数(rpm)の算出式を示している。例えば目標メインギヤ段「1st」だと、副軸回転センサ26による検出値(副軸回転数(rpm))に、ギヤ比ZC1/Z1 を乗じた値が、ギヤM1に固設されたドグギヤ36の回転即ちドグギヤ回転数(rpm)となる。目標メインギヤ段「Rev」では、副軸回転数(rpm)に減速比CRev を乗じた値がドグギヤ回転数(rpm)となる。
【0064】
一方、図7の下段は、主軸33側であるスリーブ43、44、45の回転即ちスリーブ回転数(rpm)の算出式を示している。次回変速先の目標レンジギヤ段がHighのときは、減速比が1なので、アウトプットシャフト回転センサ28の検出値(アウトプットシャフト回転数(rpm))がそのままスリーブ回転数(rpm)となる。また目標レンジギヤ段がLowのときは、減速比がCRG=4.5なので、アウトプットシャフト回転数(rpm)に減速比CRGを乗じた値がスリーブ回転数(rpm)となる。
【0065】
シンクロ制御では、これら副軸32に連動するドグギヤ回転数と主軸33側のスリーブ回転数(ハブ回転数)とをギヤイン可能な範囲内に近付ける制御を行う。具体的には回転差Δ=(ドグギヤ回転数−スリーブ回転数)を計算し、この値をギヤイン可能な範囲に入れる制御を行う。例えば、シフトアップ時などのように、変速先のギヤ段においてドグギヤ回転数>スリーブ回転数となっている場合には、クラッチ2を断してギヤ抜きした後、副軸ブレーキ手段(以下CSBという)を作動させて、副軸32を減速制動してドグギヤ回転数を下げてシンクロさせる。他方、シフトダウン時などのように、変速先のギヤ段においてドグギヤ回転数<スリーブ回転数となっている場合、ダブルクラッチ制御を行い、ドグギヤ回転を上げてシンクロさせる。
【0066】
ダブルクラッチ制御は以下の如きである。図8に示すように、時刻t1 で変速指示信号があった場合、まずクラッチ断し、ギヤ抜きを行う。ギヤ抜きは、クラッチが切れ始めた直後の位置、言い換えれば半クラッチ領域に入った直後の位置p1 で開始する。エンジン制御は、クラッチ位置がp1 となった時点から、実アクセル開度から離れた疑似アクセル開度に基づく制御に移行される。このとき、ECU6は変速先のギヤ段における副軸32側のドグギヤ回転数と主軸33側のスリーブ回転数とをシンクロさせるために必要な目標副軸回転数Yに相当する目標エンジン回転数Xを算出し、実際のエンジン回転数を目標エンジン回転数Xまで上昇させて一定に保持する。本実施形態では目標エンジン回転数Xは、実際のアウトプットシャフト回転数に、変速先の目標ギヤ段(変速機全体におけるギヤ段のことで、1〜16速のうちのいずれか一つ)のギヤ比を乗じて目標エンジン回転数Xを算出する。このように、アウトプットシャフト回転数から直接目標エンジン回転数Xを算出するようにすれば計算が容易となり、制御を簡易化できる。
【0067】
ギヤ抜き後、クラッチが一瞬接続され、これにより副軸32の回転数が目標副軸回転数Y付近まで上昇し、ドグギヤ回転数とスリーブ回転数との回転差がギヤイン可能な範囲内となる。この直後クラッチが再び断され、ギヤインが実行される。ギヤインは、クラッチ切り終わり直前となる位置、言い換えれば半クラッチ領域から抜け出る直前の位置p2 から開始される。ギヤイン終了後、直ちにクラッチが再接続され、クラッチが完接されるとダブルクラッチ制御が終了し、エンジン及び副軸回転数が実アクセル開度に従った回転に移行する。
【0068】
さて、以上説明してきたような変速制御装置であるが、図4及び図5に示す第1シフトマップをファイナルギヤのギヤ比及び車輪径の異なる複数の車種で共用しても、全ての車種において車速が制限車速に達するまでに確実に最高ギヤ段までシフトアップされるように改良が加えられている。
【0069】
具体的には、車速が、車速制御手段(ECU6)により制限される制限車速(ex.90km/h)近傍の所定の車速域にあるときには、上記アクセル開度とアウトプットシャフト回転数とに基づいてギヤ段の範囲を定めた第1シフトマップに従った変速動作を禁止する。そして、第1シフトマップに従った変速動作を禁止する間は、車速に基づいてギヤ段の範囲を定めた第2シフトマップに従って変速機3を変速する。
【0070】
例えば、第2シフトマップでは、最高ギヤ段−1段→最高ギヤ段へのシフトアップを定める第1シフトアップ車速が制限車速よりも若干低い値に設定され、車速が、その第1シフトアップ車速に達すると、上記第1シフトマップとは無関係に変速機3を最高ギヤ段へシフトアップする。従って、全ての車種において、車速が制限車速に達する前に最高ギヤ段までシフトアップされる。
【0071】
また、第2シフトマップに従って変速機3を最高ギヤ段へシフトアップした後、車速が所定の第1シフトダウン車速まで低下したならば変速機3を最高ギヤ段から1段シフトダウンする。
【0072】
以下、これらを達成するための制御プログラムについて、図9〜図11のフローチャートを用いて説明する。これらフローチャートは、TMCU9によって所定時間(ex.32msec)毎に繰り返し実行される。なお、図9〜図11のフローチャートは一例として示したものであり、本発明を限定するものではない。
【0073】
最初に、図9を用いて車速に基づく第2シフトマップに従ったシフトアップについて説明する。
【0074】
まず、ステップS1において、モードスイッチ24により選択される現在の変速モードが自動変速モードであるかどうかを判定する。マニュアル変速モードであれば、ステップS2に進み全ての車速フラグをOFFにして終了する。車速フラグについては後ほど説明する。自動変速モード中であると判定された場合、ステップS3に進んで、アウトプットシャフト回転センサ28(アウトプットシャフト回転速度検出手段)により検出された実際のアウトプットシャフト回転速度と、アクセル開度センサ8(アクセル開度検出手段)により検出された実際のアクセル開度とから、第1シフトマップに従って目標ギヤ段を決定する。
【0075】
次にステップS4へと進み、アクセル開度センサ8により検出されたアクセル開度が設定値よりも大きいか否かを判定する。設定値は比較的大きな値に設定されるものであり、ここでは90%である。アクセル開度が設定値よりも小さければステップS2に進み全ての車速フラグをOFFにして終了する。これは、図4のシフトアップマップからも分かるように、アクセル開度が小さいときは最高ギヤ段までシフトアップするのに必要なアウトプットシャフト回転速度が比較的小さいため、本実施形態では全ての車種において制限速度に達する前に最高ギヤ段(16th)までシフトアップされるからである。
【0076】
一方、ステップS4において、アクセル開度が設定値よりも大きいと判定された場合は、ステップS5に進み、TMCU9により算出された実際の車速が、予め設定された第1シフトアップ車速よりも大きいか否かを判定する。この第1シフトアップ車速、及び後述する各シフトアップ・ダウン車速が、第2シフトマップを構成するものである。第1シフトアップ車速は、最高ギヤ段−1段→最高ギヤ段(15th→16th)へのシフトアップを行う車速を定める。第1シフトアップ車速は制限車速よりも若干小さい値に設定され、ここでは、89km/hである。
【0077】
車速が第1シフトアップ車速よりも大きい場合、即ち、制限車速(90km/h)≧車速>第1シフトアップ車速(89km/h)である場合、ステップS6に進み、ステップS3で第1シフトマップに従って決定した目標ギヤ段が最高ギヤ段(16th)よりも低速段であるかどうかを判定する。目標ギヤ段が最高ギヤ段である場合は終了する。これは、第1シフトマップに従って変速を行っても制限車速に達する前に最高ギヤ段までシフトアップされる車両であることを意味しているからである。
【0078】
一方、ステップS6において、ステップS3で決定した目標ギヤ段が最高ギヤ段よりも低速段であると判定された場合、ステップS7に進み、ステップS3の決定を無視して目標ギヤ段を最高ギヤ段に設定する。従って、変速機3は第1シフトマップとは無関係に最高ギヤ段へシフトアップされることになる。
【0079】
次に、ステップS8に進み、最高ギヤ段→最高ギヤ段−1段(16th→15th)へのシフトダウンを行う車速を定める第1シフトダウン車速フラグをONにして終了する。これは、第1シフトマップとは無関係に最高ギヤ段へシフトアップした場合、その最高ギヤ段からのシフトダウンは第1シフトマップではなく車速に基づく第2シフトマップに従って行うためである。
【0080】
このように、車速が、制限車速直前の第1シフトアップ車速に達しているにも関わらず、第1シフトマップに従って決定されるギヤ段が最高ギヤ段でないときには、第1シフトマップに従った変速動作は禁止され、第2シフトマップに従って最高ギヤ段にシフトアップされる。従って、ファイナルギヤのギヤ比及び車輪径に関わらず、全ての車種において制限車速に達する前に最高ギヤ段までシフトアップされる。
【0081】
さて、本実施形態では更に、最高ギヤ段よりも1段低いギヤ段(15th)へのシフトアップを実行する車速を定める第2シフトアップ車速を設定している。即ち、ステップS5において車速が第1シフトアップ車速以下であると判定された場合、ステップS9に進み、その車速が、第1シフトアップ車速よりも低い値に設定された第2シフトアップ車速よりも大きいか否かを判定する。第2シフトアップ車速はここでは82km/hである。車速が第2シフトアップ車速以下であると判定された場合は終了する。
【0082】
車速が第2シフトアップ車速よりも大きいと判定された場合、即ち、第1シフトアップ車速(89km/h)≧車速>第2シフトアップ車速(82km/h)である場合、ステップS10に進み、ステップS3で決定した目標ギヤ段が最高ギヤ段−1段(15th)よりも低速段であるか否かを判定する。目標ギヤ段が最高ギヤ段(16th)又は最高ギヤ段−1段(15th)である場合は終了する。
【0083】
目標ギヤ段が最高ギヤ段−1段よりも低速段であると判定された場合、ステップS11に進み、目標ギヤ段を最高ギヤ段−1段(15th)に設定する。従って、変速機3は第1シフトマップとは無関係に最高ギヤ段−1段へシフトアップされることになる。次いで、ステップS12に進み、最高ギヤ段−1段→最高ギヤ段−2段(15th→14th)へのシフトダウンを行う車速を定めた第2シフトダウン車速フラグをONにして終了する。
【0084】
これによれば、車速が、第1シフトアップ車速より若干低い第2シフトアップ車速に達しているにも関わらず、第1シフトマップに従って決定されるギヤ段が最高ギヤ段−1段でない場合には、第2シフトマップに従って最高ギヤ段−1段にシフトアップされる。
【0085】
なお、本実施形態では最高ギヤ段(16速)及び最高ギヤ段−1段(15速)へのシフトアップ車速、及びそれらギヤ段からのシフトダウン車速のみが設定されているが、本発明はこの点において限定されず、更に低速段についても設定しても良い。
【0086】
例えば、最高ギヤ段−2段(14速)へのシフトアップを定める第3シフトアップ車速を設定し、車速が第3シフトアップ車速に達しているにも関わらず、第1シフトマップから決定された目標ギヤ段が最高ギヤ段−2段よりも低速段であるときには、第1シフトマップに従った変速動作を禁止し、第2シフトマップに従って変速機を最高ギヤ段−2段へシフトアップするようにしても良い。更にその下の段についても同様である。
【0087】
なお、本実施形態ではステップS3において第1シフトマップに従って目標ギヤ段を決定し、その目標ギヤ段が最高ギヤ段あるいは最高ギヤ段−1段でない場合には第2シフトマップに従って変速するようにしているが、本発明はこの点において限定されない。即ち、車速が制限速度近傍の所定の車速域(例えば、79〜90km/h)にあるときには、第1シフトマップを完全に無効にして第2シフトマップのみに従って変速を行うようにしても良い。
【0088】
次に図10を用いて、第2シフトマップに基づいてシフトアップを行ったギヤ段からのシフトダウン制御について説明する。
【0089】
まず、ステップS101において、モードスイッチ24により選択される現在の変速モードが自動変速モードであるかどうかを判定する。マニュアル変速モードであれば終了する。自動変速モード中であると判定された場合、ステップS102に進み、アクセル開度センサ8により検出された実際のアクセル開度が設定値(ex.90%)よりも大きいか否かを判定する。
【0090】
アクセル開度が設定値よりも小さければ終了する。これは、図9のステップS4と同じ理由である。アクセル開度が設定値よりも大きいと判定されたときは、ステップS103に進み、ギヤポジションスイッチ23により検出された現在のギヤポジションが最高ギヤ段(16th)であるか否かを判定する。
【0091】
現在のギヤポジションが最高ギヤ段である場合、ステップS104に進み、現在の車速が第1シフトダウン車速よりも小さいか否かを判定する。第1シフトダウン車速は、図9の第1シフトアップ車速以下の値に設定されるものであり、ここでは、車速の変化に伴う頻繁なシフトダウン及びシフトアップを防止するために、3km/hのヒステリシスを設けて86km/hとしている。車速が第1シフトダウン車速以上であれば終了して最高ギヤ段を保持する。
【0092】
一方、車速が第1シフトダウン車速よりも小さいと判定された場合、ステップS105に進み、最高ギヤ段→最高ギヤ段−1段(16th→15th)への第1シフトダウン車速フラグがONかどうかを判定する(図9ステップS8参照)。第1シフトダウン車速フラグがOFFである場合、第1シフトマップに従って現在の最高ギヤ段へシフトアップされたことを意味しているので終了する。
【0093】
第1シフトダウン車速フラグがONである場合、第2シフトマップに従って(第1シフトアップ車速に従って)現在の最高ギヤ段へシフトアップされたことを意味しているので、第2シフトマップ(第1シフトダウン車速)に従ってシフトダウンを行うべく、ステップS106に進んで目標ギヤ段を最高ギヤ段−1段に設定する。そして、変速機3は第1シフトマップとは無関係に最高ギヤ段から最高ギヤ段−1段にシフトダウンされることになる。
【0094】
一方、ステップS103において現在のギヤポジションが最高ギヤ段でないと判定された場合、ステップS107に進み、現在のギヤポジションが最高ギヤ段−1段(15th)であるか否かを判定する。現在のギヤポジションが最高ギヤ段−1段でなければ終了する。現在のギヤポジションが最高ギヤ段−1段である場合、ステップS108に進み、現在の車速が第2シフトダウン車速よりも小さいか否かを判定する。第2シフトダウン車速は、図9の第2シフトアップ車速以下の値に設定されるものであり、ここでは、3km/hのヒステリシスを設けて79km/hとしている。車速が第2シフトダウン車速以上であれば終了して最高ギヤ段−1段を保持する。
【0095】
車速が第2シフトダウン車速よりも小さい場合、ステップS109に進み、最高ギヤ段−1段→最高ギヤ−2段(15th→14th)への第2シフトダウン車速フラグがONかどうかを判定する。第2シフトダウン車速フラグがOFFである場合は終了する。
【0096】
一方、最高ギヤ段−1段から最高ギヤ段−2段への第2シフトダウン車速フラグがONである場合、第2シフトマップに従って(第2シフトアップ車速に従って)現在の最高ギヤ段−1段へシフトアップされたことを意味しているので、第2シフトマップ(第2シフトダウン車速)に従ってシフトダウンを行うべく、ステップS110に進んで目標ギヤ段を最高ギヤ段−2段(14速)に設定する。そして、変速機3は最高ギヤ段−2段(14速)にシフトダウンされることになる。
【0097】
このように、第2シフトマップ(シフトアップ車速)に基づいてシフトアップを行ったギヤ段からのシフトダウンは第2シフトマップ(シフトダウン車速)に基づいて行う。従って、最高ギヤ段−1段より低速段へのシフトアップ車速を設定した場合、それらのギヤ段からのシフトダウン車速を設定する。
【0098】
次に、第2シフトマップに従ってシフトアップを行った場合、そのシフトアップしたギヤ段からのシフトダウンは第2シフトマップに従って行うため、第1シフトマップに従ったシフトダウンを禁止する。これを図11を用いて説明する。
【0099】
まず、ステップS201において、モードスイッチ24により選択される現在の変速モードが自動変速モードであるかどうかを判定する。マニュアル変速モードであればステップS207に進み第1シフトマップの全てのシフトダウンラインの無効化を解除して終了する。
【0100】
自動変速モード中であると判定された場合、ステップS202に進んで、アクセル開度センサ8により検出されたアクセル開度が設定値(ex.90%)よりも大きいか否かを判定する。アクセル開度が設定値よりも小さければステップ207に進み第1シフトマップの全てのシフトダウンラインの無効化を解除して終了する。
【0101】
アクセル開度が設定値よりも大きいと判定された場合、ステップS203に進み、最高ギヤ段から最高ギヤ段−1段への第1シフトダウン車速フラグがONかどうかを判定する。第1シフトダウン車速フラグがONである場合、第2シフトマップ(第1シフトアップ車速)に従って最高ギヤ段へシフトアップされたことを意味しているので、ステップS204に進んで、第1シフトマップにおける最高ギヤ段→最高ギヤ段−1段(16th→15th)へのシフトダウンラインを無効にする。即ち、図5のシフトダウンマップにおけるシフトダウンラインL1を無効にするのである。これによって、最高ギヤ段から最高ギヤ段−1段へのシフトダウンは、第2シフトマップ(第1シフトダウン車速)によってのみ行われることになる。
【0102】
一方、ステップS203において、最高ギヤ段から最高ギヤ段−1段への第1シフトダウン車速フラグがOFFであると判定された場合、ステップS205に進み、最高ギヤ段−1段から最高ギヤ段−2段(15th→14th)への第2シフトダウン車速フラグがONかどうかを判定する。第2シフトダウン車速フラグがOFFである場合、シフトダウンラインの無効化を全て解除して終了する。
【0103】
第2シフトダウン車速フラグがONである場合、第2シフトマップ(第2シフトアップ車速)に従って最高ギヤ段−1段へシフトアップされたことを意味しているため、ステップS206に進んで、第1シフトマップにおける最高ギヤ段−1段→最高ギヤ段−2段(15th→14th)へのシフトダウンラインを無効にする。即ち、図5のシフトダウンマップにおけるシフトダウンラインL2を無効にする。これによって、最高ギヤ段−1段から最高ギヤ段−2段へのシフトダウンは、第2シフトマップ(第2シフトダウン車速)によってのみ行われることになる。
【0104】
このように、本実施形態では、第2シフトマップに基づいて変速機3をシフトアップした場合、第1シフトマップにおけるそのギヤ段からのシフトダウンラインを無効にする。
【0105】
ここで、第1シフトマップに従ったシフトダウンの禁止方法については、シフトダウンラインの無効化に限定されない。例えば、第1シフトマップ全体を無効にしても良い。また、第1シフトマップは無効とせずに、第1シフトマップに従ったギヤ段への変速信号をGSUに出力しないようにTMCU9を制御しても良い。
【0106】
本実施形態のTMCU9は、「特許請求の範囲」におけるシフトマップ変速動作禁止手段、シフトアップ指示手段、シフトダウン指示手段及びライン無効化手段としての機能を有している。
【0107】
なお、本発明はこれまで説明してきた変速制御装置に限定はされず、他の変速制御装置にも当然適用できる。
【0108】
また、アクセル開度の設定値、各シフトアップ車速、及び各シフトダウン車速の値は本実施形態に限定されず、適宜変更できるものである。
【0109】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ファイナルギヤのギヤ比及び車輪径に関わらず、車両が制限車速に達する前に確実に最高ギヤ段までシフトアップされるという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の自動変速装置を示す構成図である。
【図2】自動変速機を示す構成図である。
【図3】自動クラッチ装置を示す構成図である。
【図4】第1シフトマップにおけるシフトアップマップである。
【図5】第1シフトマップにおけるシフトダウンマップである。
【図6】変速機内の各ギヤの歯数を示す。
【図7】ドグギヤ回転及びスリーブ回転の算出式を示す。
【図8】ダブルクラッチ制御の内容を示すタイムチャートである。
【図9】第2シフトマップに従ったシフトアップ制御を示すフローチャートである。
【図10】第2シフトマップに従ったシフトダウン制御を示すフローチャートである。
【図11】第1シフトマップのシフトダウンラインの無効化方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 変速機
4 アウトプットシャフト
6 エンジンコントロールユニット
8 アクセル開度検出手段
9 トランスミッションコントロールユニット
10 クラッチアクチュエータ(クラッチブースタ)
28 アウトシャフト回転速度検出手段

Claims (8)

  1. 車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、変速機のアウトプットシャフトの回転速度を検出するアウトプットシャフト回転速度検出手段と、アクセル開度とアウトプットシャフト回転速度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を予め定めた第1シフトマップとを備え、上記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度と、上記アウトプットシャフト回転速度検出手段により検出されたアウトプットシャフト回転速度とに応じて上記第1シフトマップに定められたギヤ段へ変速機を自動変速する変速制御装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    車両の車速を所定の制限車速以下に制限するための車速制限手段と、
    上記車速検出手段により検出された車速が上記制限車速近傍の所定の車速域にあることが検出されたときに、上記第1シフトマップに従った変速動作を禁止するシフトマップ変速動作禁止手段とを備え
    上記第1シフトマップによる変速動作の禁止中に、車速に基づいてギヤ段の範囲を定めた第2シフトマップに従って変速機を変速するものであり、かつ
    上記第2シフトマップは、最高ギヤ段よりも低いギヤ段から最高ギヤ段へのシフトアップを定める第1シフトアップ車速を、上記制限車速よりも若干低い値に設定したことを特徴とする変速制御装置。
  2. 上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速より大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段でないときに、変速機を最高ギヤ段へシフトアップする指示を出すシフトアップ指示手段を備えた請求項1記載の変速制御装置。
  3. 車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、変速機のアウトプットシャフトの回転速度を検出するアウトプットシャフト回転速度検出手段と、アクセル開度とアウトプットシャフト回転速度とに基づいて変速機の各ギヤ段の範囲を予め定めた第1シフトマップとを備え、上記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度と、上記アウトプットシャフト回転速度検出手段により検出されたアウトプットシャフト回転速度とに応じて上記第1シフトマップに定められたギヤ段へ変速機を自動変速する変速制御装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    車両の車速を所定の制限車速以下に制限するための車速制限手段と、
    上記車速検出手段により検出された車速が上記制限車速近傍の所定の車速域にあることが検出されたときに、上記第1シフトマップに従った変速動作を禁止するシフトマップ変速動作禁止手段と、
    上記車速検出手段により検出された車速が、上記制限車速よりも若干低い値に設定された第1シフトアップ車速より大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段でないときに、変速機を最高ギヤ段へシフトアップする指示を出すシフトアップ指示手段を備えたことを特徴とする変速制御装置。
  4. 上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速以下の値に設定された第1シフトダウン車速より小さく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段であるときに、上記変速機をシフトダウンする指示を出すシフトダウン指示手段を備えた請求項2又は3記載の変速制御装置。
  5. 上記シフトアップ指示手段の指示によって上記変速機を最高ギヤ段へシフトアップしたときに、上記第1シフトマップにおける最高ギヤ段からそれより1段低いギヤ段へのシフトダウンを定めたシフトダウンラインを無効にするライン無効化手段を備えた請求項2〜4いずれかに記載の変速制御装置。
  6. 上記シフトアップ指示手段は、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速より低い値に設定された第2シフトアップ車速よりも大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段より1段低いギヤ段よりも低速段であるときに、上記変速機を最高ギヤ段より1段低いギヤ段へシフトアップする指示を出す請求項〜5いずれかに記載の変速制御装置。
  7. 上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速以下の値に設定された第1シフトダウン車速より小さく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段であるときに、上記変速機をシフトダウンする指示を出すシフトダウン指示手段と、
    上記シフトアップ指示手段の指示によって上記変速機を最高ギヤ段へシフトアップしたときに、上記第1シフトマップにおける最高ギヤ段からそれより1段低いギヤ段へのシフトダウンを定めたシフトダウンラインを無効にするライン無効化手段とを備え、
    上記シフトアップ指示手段は、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第1シフトアップ車速より低い値に設定された第2シフトアップ車速よりも大きく、かつ現ギヤ段が最高ギヤ段より1段低いギヤ段よりも低速段であるときに、上記変速機を最高ギヤ段より1段低いギヤ段へシフトアップする指示を出し、
    上記ライン無効化手段は、上記シフトアップ指示手段の指示によって上記変速機を最高ギヤ段より1段低いギヤ段へシフトアップしたときに、上記第1シフトマップにおける最高ギヤ段より1段低いギヤ段から最高ギヤ段より2段低いギヤ段へのシフトダウンを定めたシフトダウンラインを無効にし、
    上記シフトダウン指示手段は、上記車速検出手段により検出された車速が、上記第2シフトアップ車速以下の値に設定された第2シフトダウン車速より小さくなったときに、上記変速機をシフトダウンする指示を出す請求項2又は3記載の変速制御装置。
  8. 上記シフトアップ指示手段は、上記アクセル開度検出手段により検出された実際のアクセル開度が所定値よりも大きいときに、上記シフトアップの指示を出す請求項2〜いずれかに記載の変速制御装置。
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