JP4078783B2 - 車両の自動クラッチ装置 - Google Patents

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にトラクタ等の大型車両に適用される車両の自動クラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近ではドライバの負担を軽減するため、トラクタやトラック等の大型車両においても自動変速装置を採用する例が多く見られる。この場合、車速に応じた最適ギヤ段がマップに従って定められ、車両の加速・減速に合わせて自動的にシフトアップ・シフトダウンがなされる。
【0003】
一方、このような自動変速装置にあっては摩擦クラッチをアクチュエータで自動断接する自動クラッチ装置を備えるのが一般的である。これによれば変速の際、ギヤ抜き前にクラッチが自動分断され、ギヤ入れ後クラッチが自動接続される。いわゆる発進制御を行うものもあり、この場合、車両停止状態でクラッチが断保持され、変速機のギヤが発進段に入れられ、あとはアクセル待ちの状態となる。そしてドライバがアクセルを踏み込むと、これに伴ってクラッチが徐々に自動接続されていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、発進時付近の低車速でアクセルが戻されると、エンストを防止するためクラッチが自動的に切られる。本来、フィーリング的には、低車速のときはクラッチをできるだけゆっくり切るのが好ましい。
【0005】
しかし、発進途中でドライバが何らかの原因によりアクセルを急激に戻すことがあり、このときまでクラッチをゆっくり切っていたのではエンストする虞がある。即ち、クラッチが接続途中の半クラッチ状態にあるとき、アクセルを戻してもクラッチ断が間に合わず、この場合エンストしてしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、車両発進時にアクセルが戻されたときのエンストを防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両のエンジンと変速機との間に設けられた摩擦型のクラッチと、該クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータと、該クラッチ駆動のストロークを検出するクラッチ位置検出手段と、上記変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段と、上記車両の速度を検出する車速検出手段と、上記エンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、上記クラッチアクチュエータに指令して前記クラッチの断、接動作を制御するコントローラとを備えた自動クラッチ装置において、上記コントローラは、上記車両の発進時にアクセル開度が減少されたとき、上記クラッチを自動分断すると共に、その自動分断のクラッチ分断速度を、ONあるいはOFFのいずれかに設定されるフラグに基づいて、該フラグがONのときは高速とし、上記フラグがOFFのときは低速とし、かつ上記コントローラは、上記自動分断時ごとに上記フラグを設定する際に、上記ギヤ位置検出手段により検出された上記変速機のギヤ段が発進のときに、上記車速検出手段により現在の車速Vを検出し、上記現在の車速Vが、予め設定された高車速側しきい値V を超えるとき、上記フラグをONにし、上記車速Vが、上記高車速側しきい値V よりも小さく予め設定された低車速側しきい値V 未満のとき、上記フラグをOFFにし、上記車速Vが上記高車速側しきい値V 以下かつ上記低車速側しきい値V 以上のとき、上記フラグを前回の自動分断時に設定したONまたはOFFのいずれかに保持するものである。
【0010】
また、上記コントローラは、上記車両が発進する際に上記アクセル開度の上昇につれ上記クラッチを断から徐々に自動接続し、上記低車速側低車速側しきい値V は、上記車両発進時の自動接続により上記クラッチが半クラッチ状態まで接続された車速に設定され、上記高車速側しきい値V は、上記車両発進時の自動接続により上記クラッチが完全に接続された状態となるような車速に設定されるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図2に本実施形態に係る車両の自動変速装置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジンがディーゼルエンジンである。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3の出力軸4(図3参照)が図示しないプロペラシャフトに連結されて後輪(図示せず)を駆動するようになっている。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、エンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8との出力から現在のエンジン回転速度及びエンジン負荷を読取り、主にこれらに基づいて燃料噴射ポンプ1aを制御し、燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する。
【0013】
図3に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0014】
図2に示すように、ここではクラッチ2と変速機3とがトランスミッションコントロールユニット(TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0015】
図2、図3、図4に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1aに摩擦接触或いは離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ10によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作し、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断を可能とするため、ここではクラッチペダル11によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。クラッチ自体のストローク(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の踏込みストロークを検知するクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続される。
【0016】
図4に分かりやすく示すが、クラッチブースタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の通路aがクラッチ自動断接用、他方の通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の通路aが二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0017】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチの断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチブースタ10に供給される。これによりクラッチが分断される。クラッチを接続するときはMVC2のみがOFF され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチが分断される。
【0018】
ところでもし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF となると、ドライバの意思に反してクラッチが急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0019】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチブースタ10に至る。なお、クラッチの自動断接とマニュアル断接とが干渉した場合はマニュアル断接を優先させるようになっている。
【0020】
図3に詳細に示すように、変速機3は基本的に常時噛み合い式のいわゆる多段変速機で、前進16段、後進2段に変速可能である。変速機3は入力側と出力側とにそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備え、これらの間にメインギヤ段18を備えている。そして、入力軸15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19へと順に送って出力軸4に出力する。
【0021】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータもクラッチブースタ10同様空圧作動され、TMCU9によって制御される。各ギヤ17,18,19の現在ポジションはギヤポジションスイッチ23(図2参照)で検知される。カウンタシャフト32の回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知され、出力軸4の回転速度が出力軸回転センサ28で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0022】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速が可能である。この場合、図2に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバー装置29からの変速指示信号を合図に行われる。即ち、ドライバが、シフトレバー装置29のシフトレバー29aをシフト操作すると、シフトレバー装置29に内蔵されたシフトスイッチが作動し、変速指示信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブースタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作(クラッチ断→ギヤ抜き→ギヤ入れ→クラッチ接)を実行する。そしてTMCU9は現在のシフト段をモニター31に表示する。このようにシフトレバー装置29に内蔵されたシフトスイッチが本発明の手動シフトスイッチをなし、この手動シフトスイッチはシフトレバー29aの操作に基づき作動される。
【0023】
シフトレバー装置29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフトアップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味する。また運転席に、変速モードを自動とマニュアルに切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行うか段飛ばしで行うかを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0024】
自動変速モードのとき、シフトレバー29aをDレンジに入れておけば車速に応じて自動的に変速が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能である。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF (通常モード)なら変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0025】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンが可能である。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFF なら変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。このモードではDレンジは現ギヤ段を保持するH(ホールド)レンジとなる。
【0026】
なお、運転席に非常用変速スイッチ27が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときはスイッチ27の手動切換により変速できるようになっている。
【0027】
図3に示すように、変速機3にあっては、入力軸15、メインシャフト33及び出力軸4が同軸上に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平行配置される。入力軸15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、入力軸15とメインシャフト33とが相対回転可能に支持される。
【0028】
まずスプリッタ17とメインギヤ段18の構成を説明する。入力軸15にスプリットハイギヤSHが回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33にも前方から順にメインギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0029】
入力軸15及びメインシャフト33に取り付けられた各ギヤSH,M4…に、当該ギヤを選択し得るようスプライン36が一体的に設けられ、これらスプライン36に隣接して入力軸15及びメインシャフト33に第1〜第4スプライン37〜40が固設される。第1〜第4スプライン37〜40に常時係合して第1〜第4スリーブ42〜45が前後スライド可能に設けられる。第1〜第4スリーブ42〜45を適宜選択してスライド移動させ、ギヤ側スプライン36と係合・離脱させることによりギヤ入れ・ギヤ抜きを行える。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0030】
このように、スプリッタ17とメインギヤ段18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機構が存在するものの、メインギヤ段18のスプライン部にはシンクロ機構が存在しない。このため、シンクロ制御なるものを行ってエンジン回転とギヤ速度とを調速し、シンクロ機構なしで変速できるようになっている。ここではメインギヤ段18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特願平11-319915 号参照)。
【0031】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68は出力軸4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69は出力軸4の外周に相対回転可能に嵌め込まれて出力軸4とともに二重軸を構成する。
【0032】
第5スプライン41が管部69に一体的に設けられる。また第5スプライン41の後方に隣接して、出力軸4に出力軸スプライン70が一体的に設けられる。第5スプライン41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定された固定スプライン71が設けられる。第5スプライン41に常時係合して第5スリーブ46が前後スライド可能に設けられる。第5スリーブ46の移動がレンジアクチュエータ22で行われる。レンジギヤ19の各スプライン部にはシンクロ機構が存在する。
【0033】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定スプライン71に係合し、第5スプライン41と固定スプライン71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、出力軸4が1より大きい減速比で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0034】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれが出力軸スプライン70に係合し、第5スプライン41と出力軸スプライン70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、出力軸4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。
【0035】
このように、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ段18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0036】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。これらアクチュエータはエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0037】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0038】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダ48及び49に対しそれぞれ複数個の電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,MVAが設けられる。
【0039】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき図の下方に移動し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき図の上方に移動し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0040】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき図の左側に移動し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき図の右側に移動し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0041】
レンジアクチュエータ21は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき図の右側に移動し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤをローとする。
【0042】
ところで、上記シンクロ制御に際してカウンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト32にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときにはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出され、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
【0043】
次に、自動変速制御の内容を説明する。TMCU9には図5に示すシフトアップマップと図6に示すシフトダウンマップとがメモリされており、TMCU9は、自動変速モードのとき、これらマップに従って自動変速を実行する。例えば図5のシフトアップマップにおいて、ギヤ段n(nは1から15までの整数)からn+1へのシフトアップ線図がアクセル開度(%)と出力軸回転数(rpm )との関数で決められている。そしてマップ上では現在のアクセル開度(%)と出力軸回転数(rpm )とからただ1点が定まる。車両加速中は、車輪に連結された出力軸4の回転数が次第に増加していく。そこで通常の自動変速モードでは、現在の1点が各線図を越える度に1段ずつシフトアップを行うこととなる。このときスキップモードであれば線図を交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトアップを行う。
【0044】
図6のシフトダウンマップにおいても同様に、ギヤ段n+1(nは1から15までの整数)からnへのシフトダウン線図がアクセル開度(%)と出力軸回転数(rpm )との関数で決められている。そしてマップ上では現在のアクセル開度 (%)と出力軸回転数(rpm )とからただ1点が定まる。車両減速中は出力軸4の回転数が次第に減少していくので、通常の自動変速モードでは、現在の1点が各線図を越える度に1段ずつシフトダウンを行う。スキップモードであれば線図を交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトダウンする。
【0045】
一方、マニュアルモードのときは、これらマップと無関係にドライバが自由にシフトアップ・ダウンを行える。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速でき、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速できる。
【0046】
現在のアクセル開度はアクセル開度センサ8により検知され、現在の出力軸回転数は出力軸回転センサ28により検知される。特に、TMCU9は、現在の出力軸回転数の値から現在の車速を換算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速が出力軸回転数から間接的に検知され、出力軸回転数と車速とは比例関係にある。
【0047】
次に、本発明に係る車両発進時のエンスト防止制御について説明する。
【0048】
本装置では、車両発進時に以下の発進制御を行い、ドライバのアクセルワークだけで容易に発進できるようになっている。即ち、車両停止状態(車速ゼロ付近)、クラッチ断保持、変速機が発進段に入れられている状態で、アクセル待ちの状態となり、ドライバがアクセルペダルを踏み込むと、アクセル開度の上昇につれ、クラッチが徐々に自動接続されていき、車両が発進される。
【0049】
一方、発進時にドライバがアクセルを戻すとクラッチが自動分断される。このときの分断速度を車速に応じて変化させるのが本発明である。
【0050】
即ち、発進時では、クラッチをできるだけゆっくり切るのがフィーリング上好ましい。早く切ると駆動系にかけられていたエンジントルクが一気に解放され、駆動系のネジレがいきなり抜けるような違和感があるからである。しかし、発進途中で前車に詰まったときなど、ドライバがアクセルを急激に戻したようなときまでクラッチをゆっくり切っていたのではエンストする虞がある。即ち、クラッチ接続途中の半クラッチ状態では車速がゼロに近く、この状態でクラッチをゆっくり切るとクラッチ断が実質的に間に合わず、エンストする虞がある。特にサイドブレーキを併用した坂道発進や荷を満載したときなど、車速ゼロ付近でクラッチが深くミートしている状態でアクセルが戻されると、エンストが顕著に起こり易い。
【0051】
そこで、本装置では以下のようにしてクラッチ分断速度を変え、発進時のエンスト防止を図っている。図1はこのクラッチ分断速度決定のためのフローチャートを示す。
【0052】
図示されるように、TMCU9はまずステップ101で現在のギヤ段が低速段か否かを判断する。低速段とは積車時(トレーラ牽引時)の発進段以下のギヤ段である。ここではその発進段が4速に設定されているので、ステップ101では現在のギヤ段が4速以下か否かを判断していることになる。なお無積車時(トレーラ非牽引時)の発進段は9速である。現ギヤ段が低速段のときはステップ102に進み、現ギヤ段が低速段以外のときは本制御を終了する。
【0053】
ステップ102では、現在の車速Vを予め設定された高車速側しきい値VH と比較する。高車速側しきい値VH としては、車両発進時にクラッチが完全に接続された後の状態となるような車速が選ばれ、ここでは9km/hとされる。車速Vが高車速側しきい値VH より大きいときはステップ103に進み、車速Vが高車速側しきい値VH 以下のときはステップ106に進む。
【0054】
ステップ103に進んだときは、フラグFLAGをONにし、この後ステップ104に進み、フラグFLAGがONか否かを判断する。ここではONなのでステップ105に進み、クラッチ分断速度を低速とし、本フローを終了する。つまり車速が十分出ているときはエンストの虞がないので、クラッチ分断速度を低速とし、フィーリングの向上を図る。
【0055】
一方、ステップ102からステップ106に進んだときは、こんどは現在の車速Vを予め設定された低車速側しきい値VL と比較する。低車速側しきい値VL としては、車両発進時にクラッチが半クラッチ状態となるような車速が選ばれ、ここでは2km/hとされる。
【0056】
車速Vが低車速側しきい値VL より小さいときは、ステップ107に進んでフラグFLAGをOFF にする。この後ステップ104に進み、フラグFLAGがONか否かを判断する。ここではフラグFLAGがOFF なのでステップ108に進み、クラッチ分断速度を高速とし、本フローを終了する。このように車速がゼロ付近のときはエンストの虞があるので、クラッチ分断速度を高速とし、アクセルが急に戻されたとき素早くクラッチを切るようにしている。これによりエンストを防止することができる。
【0057】
ステップ106で車速Vが低車速側しきい値VL 以上と判断したとき、つまりVL ≦V≦VH のときはフラグの変更を行わずステップ104に至る。これはヒステリシスを与えるためである。
【0058】
このように車速に応じてクラッチ分断速度を変化させるため、車両発進時のエンストを未然に防止すると共に、できるだけ低車速までクラッチ分断速度を低速としてフィーリングとのバランスを図ることができる。ここではクラッチ分断速度を高速と低速の二段に切り換え、高車速側(V>VH (VL ))では低速、低車速側(V<VL (VH ))では高速としている。
【0059】
ところで、このようなクラッチ分断速度の変更は車両の惰行(惰性走行)時にも有効である。即ち、低速段且つアクセルを戻した状態で車両を減速してきたような場合、車両停止寸前でクラッチを自動分断するが、このとき高車速側(V>VH (VL ))でクラッチを分断するときは分断速度を低速、低車速側(V<VL (VH ))でクラッチを分断するときは分断速度を高速とする。これによってもエンストの防止とフィーリングの向上とが図れる。
【0060】
以上、本発明の実施形態は上述のものに限られない。本制御を行うギヤ段は4速以下に限られないし、しきい値の値も2km/h、9km/hに限定されない。クラッチ分断速度を3段以上に切り換えることも可能だし、無段階で変化させることも可能である。適用車両もトラクタに限られない。
【0061】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0062】
(1) 車両発進時、アクセルが戻されたときのエンストを防止できる。
【0063】
(2) エンスト防止とフィーリングとのバランスを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ分断速度決定方法を示すフローチャートである。
【図2】実施形態に係る車両の自動変速装置を示す構成図である。
【図3】自動変速機を示す構成図である。
【図4】自動クラッチ装置を示す構成図である。
【図5】シフトアップマップである。
【図6】シフトダウンマップである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クラッチ
3 変速機
8 アクセル開度センサ
9 トランスミッションコントロールユニット
10 クラッチブースタ
28 出力軸回転センサ
V 車速
H 高車速側しきい値
L 低車速側しきい値

Claims (2)

  1. 車両のエンジンと変速機との間に設けられた摩擦型のクラッチと、該クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータと、該クラッチ駆動のストロークを検出するクラッチ位置検出手段と、上記変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段と、上記車両の速度を検出する車速検出手段と、上記エンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、上記クラッチアクチュエータに指令して前記クラッチの断、接動作を制御するコントローラとを備えた自動クラッチ装置において、
    上記コントローラは、上記車両の発進時にアクセル開度が減少されたとき、上記クラッチを自動分断すると共に、その自動分断のクラッチ分断速度を、ONあるいはOFFのいずれかに設定されるフラグに基づいて、該フラグがONのときは高速とし、上記フラグがOFFのときは低速とし、かつ
    上記コントローラは、上記自動分断時ごとに上記フラグを設定する際に、
    上記ギヤ位置検出手段により検出された上記変速機のギヤ段が発進のときに、上記車速検出手段により現在の車速Vを検出し、
    上記現在の車速Vが、予め設定された高車速側しきい値V を超えるとき、上記フラグをONにし、上記車速Vが、上記高車速側しきい値V よりも小さく予め設定された低車速側しきい値V 未満のとき、上記フラグをOFFにし、上記車速Vが上記高車速側しきい値V 以下かつ上記低車速側しきい値V 以上のとき、上記フラグを前回の自動分断時に設定したONまたはOFFのいずれかに保持することを特徴とする車両の自動クラッチ装置。
  2. 上記コントローラは、上記車両が発進する際に上記アクセル開度の上昇につれ上記クラッチを断から徐々に自動接続し、
    上記低車速側しきい値V は、上記車両発進時の自動接続により上記クラッチが半クラッチ状態まで接続されたような車速に設定され、
    上記高車速側しきい値V は、上記車両発進時の自動接続により上記クラッチが完全に接続された状態となるような車速に設定された請求項1記載の車両の自動クラッチ装置。
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