JP4366095B2 - 組立式収納家具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立式収納家具の構成に係り、より詳しくは、左右に配置された側板と、地板及び天板とで構成した枠体で囲まれた空間を収納空間とする組立式収納家具の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、組立式収納家具として、収納空間の内部に抽斗を備えたものや棚板を備えたものが知られている。このような組立式収納家具で、抽斗を取り付けるためには、抽斗を支持するレールを取り付けるための構造が必要であり、また、棚板を取り付けるには、棚板を支持するための構造が必要となる。そして、これらの構造は、その機能が異なるため共用化が困難であった。
【0003】
この課題を解決するために、例えば特許文献1では、収納庫本体の側板の内面前後に上下に延びる補強枠を配置し、棚板用の取付穴が形成された棚板用取付枠と、抽斗用レールの取付穴が形成された抽斗用取付枠とを選択的に取り付けられるようにしている。これにより、特許文献1では、抽斗用と棚板用の収納庫本体を共通化し、製造や在庫管理の効率化を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−45250号公報(図4、図5参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、抽斗用取付枠と棚板用取付枠とを選択的に取り付けられるようにしているため、収納庫を抽斗付の収納庫、あるいは棚板付の収納庫として、それぞれ別個に利用することはできる。しかしながら、特許文献1の構成では、収納庫本体の共通化を図っているものの、1つの収納庫(収納空間)に抽斗と棚板を組み合わせて使用することができなかった。
【0006】
本発明は、この課題を解消し、1つの収納空間(収納庫)で、抽斗と棚板を組み合わせて使用する形態を可能としながら、部材の共通化により部品点数の削減を図り、製造や在庫管理も効率化できる組立式収納家具の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の組立式収納家具は、左右に配置された側板と、地板及び天板とにより枠体を構成し、当該枠体で囲まれる空間を収納空間とする組立式収納家具であって、前記側板の内面の前側と後側とには、抽斗用取付部を棚板用取付部の下方に配置して一体化した上下方向に細長い取付枠が、間隔をあけて着脱可能に各々装着されてなり、前記抽斗用取付部は前記収納空間に配置される抽斗に摺動自在に嵌合するレールを1または複数取り付けるためのものであり、前記棚板用取付部は前記収納空間に1または複数の棚板を取り付けるためのものであり、前記側板の内面の前側及び後側に装着された前記取付枠のうち、少なくとも一方には、前記抽斗用取付部に沿って上下に長い切欠き部が設けられ、1つの抽斗の引き出し時に他の抽斗の引き出し動を不能とする二重引出防止装置は前記切欠き部を介して前記枠体に取り付け可能に構造されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の組立式収納家具において、前記左右に配置された各側板の内面の前側と後側のうち、一方には前記切欠き部を有する取付枠が、他方には前記切欠き部を有しない取付枠が装着され、左側板の前側用の前記取付枠は右側板の後側用の前記取付枠と交換可能であるとともに、左側板の後側用の前記取付枠は右側板の前側用の前記取付枠と交換可能であることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1(a)及び(b)は本発明の組立式収納家具の平面図、図2は天板、地板、外側板、端用連結部材の各部品の斜視図、図3は一対の外側板を対向して配置した場合の断面図、図4(a)は天板の断面図、図4(b)は地板の断面図、図5は取付枠の取り付けを示す斜視図、図6(a)は抽斗用のレールの取り付けを示す斜視図、図6(b)は抽斗用のレールの取り付けを示す要部断面図、図7(a)は中間棚板の取り付けを示す斜視図、図7(b)は中間棚板の取り付けを示す要部断面図、図8(a)は二重抽斗防止装置の平面図、図8(b)は二重引出防止装置の断面図、図9(a)は他の抽斗が押し込み状態で、1つの抽斗を引き出し始める状態の作用説明図、図9(b)は1つの抽斗の抽斗量が増大した状態の作用説明図、図10は縦仕切板の取り付けを示す斜視図、図11(a)、(b)及び(c)は組立式収納家具を応用した形態の平面図、図12は組立式収納家具を応用した形態の平面図、図13は中側板により増連した組立式収納家具の平面図、図14は天板、地板、外側板、中側板、端用連結部材、増連用連結部材の各部品の斜視図、図15は枠体を左右に増連した状態における外側板及び中側板の断面図である。
【0013】
図1(a)及び(b)に示すように、本発明に係る組立式収納家具1(以下、単に収納家具1という)は、左右に配置された外側板(請求項の側板に相当)2、2と、地板4及び天板5とを互いに直交するように、端用連結部材6を介して着脱自在に連結して枠体を構成し、この枠体で囲まれる空間を収納空間としたものである。この一対の外側板2、2、各1枚の地板4及び天板5とで構成された収納家具1を単位組立式収納家具と記載する。なお、この収納家具1は後述する中側板3を用いることで増連可能であるので、本発明における側板とは、外側板2及び中側板3の両者を含むものとする。
【0014】
本発明の収納家具1は、図1(a)(b)に示すように、収納空間に抽斗や棚板や扉等を組み合わせて様々な形態を構成することができるものである。図1(a)に例示する収納家具1は、一対の外側板2,2、及び各1枚の地板4及び天板5で構成された枠体内に水平に配置された構造棚板8によって、収納空間が上下に仕切られている。そして、上方の収納空間は、前面に開閉扉110が取り付けられ、その内部に中間棚板103が2段に取り付けられている。下方の収納空間には、抽斗105が2段取り付けられ、抽斗105の鏡板が前面に配置されている。図1(b)に例示する収納家具1は、図1(a)と同様の枠体内に平行に2枚の構造棚板8、8を配置して、これらに挟まれた収納空間を前後に開放した開放収納空間81とするとともに、開放収納空間81の上方には引き戸111を取り付け、さらにその内部に中間棚板103を1段取り付けている。また、開放収納空間81の下方には抽斗105を2段取り付け、抽斗105の鏡板が前面に配置されている。
【0015】
本実施形態では、外側板2、地板3及び天板4は薄い金属板を折り曲げるなどして平面視矩形状に形成されており、各板2〜4の幅寸法Dは収納家具1の奥行き寸法D(図2参照)と同じに設定されている。また、端用連結部材6は、環境に配慮したオレフィン系のPET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)やアルミダイカスト等からなる一体成形品であり、端用連結部材6の長さ寸法も収納家具1の奥行き寸法Dと同じに設定されている。地板4及び天板5の長さ寸法Wは、単位組立式収納家具の間口方向寸法Wと略等しく(若干短く)設定される(図2参照)。外側板2の長さ寸法Hは、単位組立式収納家具の高さ寸法Hに略等しく(若干短く)形成される。
【0016】
外側板2の基本形は、図3に示すが、外側板2の外面を構成する広幅の平板10の上下方向に沿って伸びる前後縁片を内方向へ断面コ字状に折り曲げた屈曲部10aを設ける。他方、平板10の内面にスポット溶接して固定する金属板製の前後端補強枠13は平板10の上下方向に沿って延び、断面L字状に屈曲された高さ寸法(L1)の低い端部14が前記屈曲部10aに添設され、前記端部14の奥側(収納家具1の奥行き方向の内方)にて高さ寸法(L2)の大きい段付部15が折り曲げ形成されて、前端段部11と後端段部12には略L字状で中空の嵌合部が形成される。低い端部14の奥行き寸法はD1となっている。この前端段部11と後端段部12は前記端用連結部材6の一部が嵌まり込むよう中空状の端嵌合部に形成されるものであって、補強部と兼用される。前後補強枠13には、補助嵌合部18が一体形成されている。
【0017】
また、前記平板10の内面の略中央部には、収納家具1の奥行き方向に長い断面コ字状の中央補強枠16を収納家具1の高さ方向に伸びるように添設してスポット溶接にて固定し、該中央補強枠16と平板10とで囲まれた中空状の中央嵌合部17が構成されている。また、中央補強枠16にはその両端縁片を断面コ字状に屈曲させた段部16a、16aが中央嵌合部17と間隔をあけて一体で形成されており、中央嵌合部17と段部16aとの間に窪み部16b、16bがそれぞれ形成されている。これにより、中央嵌合部17と段付部15との間には、深さ寸法がL4の凹所が形成され、この凹所の中間部には、段部16a、補助嵌合部18が凸形状となって含まれている。すなわち、外側板2の内面には、前側と後側に深さ寸法L4の凹所が2箇所形成されている。
【0018】
この外側板2は、前後端段部11、12も同じ寸法であり、収納家具1の奥行き方向に対称形状であるので、事実上、上下左右両側の部分に共用できるものである。
【0019】
地板4及び天板5の基本形は、図4(a)(b)に示すように、それぞれ広幅の平板10の前後側縁に沿って断面略L字状の前後端段部11、12が形成されている。この前端段部11と後端段部12は前記端用連結部材6の一部が嵌まり込むよう中空状の端嵌合部に形成されるものであって、補強部と兼用される。すなわち、外側板2、地板4及び天板5の外面を構成する平板10の間口方向に沿って延びる前後端縁片を内方向に断面コ字状に折り曲げた屈曲部10aを設ける。他方、平板10の内面にスポット溶接して固定する金属板製の前後端補強枠13は平板10の間口方向に沿って延び、断面L字状に屈曲された高さ寸法(L1)の低い端部14が前記屈曲部10aに添設され、前記端部14の奥側(収納家具1の奥行き側の内方)にて高さ寸法(L2)の大きい段付部15が折り曲げ形成されている。従って、前端段部11と後端段部12には略L字状で中空の嵌合部が形成される。低い端部14の奥行き寸法はD1となっている。前後補強枠13には、補助嵌合部18が一体形成されている。
【0020】
また、前記平板10の内面の略中央部には、家具の奥行き方向に長いコ字状の中央補強枠16を家具の間口方向に延びるように添設してスポット溶接にて固定し、該中央補強枠16と平板10とで囲まれた中空状の中央嵌合部17を構成する。地板4及び天板5は同一形状であり、且つ前後端段部11、12も同じ寸法であり、収納家具1の奥行き方向にも対称形状であるので、事実上、上下左右に反転させて共用できるものである。
【0021】
そして、地板4には、中央嵌合部17と段付部15との間に形成されている凹所を覆うように取付枠29を嵌め込んで、地板4の上面を平坦化することもできる。
【0022】
端用連結部材6は、図2に示すように、断面略矩形の基体30がDの長さを有して奥行き方向に延びている。基体30の前後両端部には、それぞれ第1端嵌入片31a、31bと、第2端嵌入片32a、32bと、中央嵌入片33a、33bとが互いに直交する方向に突出するように設けられている。
【0023】
断面L字状の第2端嵌入片32a、32bは地板4及び天板5における前後端の断面L字状で中空の嵌合部を有する前端段部11と後端段部12にそれぞれ左右方向(間口方向)から嵌入できるものである。
【0024】
断面L字状の第1端嵌入片31a、31bは外側板2における前後端の略L字状で中空の嵌合部を有する前端段部11と後端段部12にそれぞれ嵌入できるものである。
【0025】
中央嵌入片33bは、地板4及び天板5における中央嵌合部17に対して横方向からきっちりと嵌入できるものであり、他方の中央嵌入片33aは外側板2における中央嵌合部17に対して上下方向からきっちり嵌入できるものである。
【0026】
次に、外側板2の内面に取り付けられる取付枠50について説明する。取付枠50は図5に示すように2種類あり、これら取付枠50a、50bはいずれも、1または複数の抽斗105を取り付けるための抽斗用取付部51と、1または複数の中間棚板103を取り付けるための棚板用取付部52とが一体で形成されており、抽斗用取付部51が棚板用取付部52の下方に配置されている。そして、一方の取付枠50aは、その抽斗用取付部51と棚板用取付部52とが同一幅に形成され、かつ断面略コ字状の形状で全体が上下方向に細長く形成されている。他方の取付枠50bでは、上方の棚用取付部52は取付枠50aとは同一断面形状であるが、下方の抽斗用取付部51は細幅に形成されている。取付枠50bには、抽斗用取付部51に沿って上下に長く矩形に切り取られた切り欠き部53が形成されており、この切り欠き部53が、1つの抽斗の引き出し時に他の抽斗の引き出し動を不能とする二重引出防止装置60を外側板2に取り付けるための構造となっている。なお、この二重引出防止装置60の詳細な説明は後述するが、抽斗105の左右の側板のいずれか一方に設ければよく、この実施の形態では、抽斗105の鏡板側から見て右側の側板の前寄りに取り付けるものとする。
【0027】
取付枠50に設けられている抽斗用取付部51は、図6(a)(b)に示すように、抽斗105の左右に摺動自在に嵌合する固定レール107が取り付けられる。固定レール107には、収納空間の外側後方(抽斗105の引き出し方向が前方となる)に開くように突出する係止片108が前後2箇所に設けられているため、抽斗用取付部51には、係止片108を後方に向かってきっちり差し込むことのできる矩形のレール用孔106が穿設されている。そして、抽斗用取付部51には、抽斗105を多段に配置するために、レール用孔106が適宜間隔を空けて上下方向に複数設けられている。但し、取り付け方法はこれに限定されるものではない。
【0028】
取付枠50に設けられている棚板用取付部52は、図7(a)(b)に示すように、係止孔102が適宜間隔で上下に穿設されている。係止孔102には、中間棚板103を支えるための棚板受け具104が差し込まれるが、この棚板受け具104は先端が屈曲した略L字状を呈しており、略L字状の一端が係止孔102に上向きに差し込まれる。そして、略L字状の受け面に、中間棚板103の端部が嵌め込まれて支持されるようになっている。
【0029】
このように形成された取付枠50a、50bのうち、取付枠50aは、右外側板2の後側の凹所と、左外側板2の前側の凹所の双方に装着される。また、取付枠50bは右外側板2の前側の凹所と、左外側板2の後側の凹所の双方に装着される(図3及び図5参照)。詳細に説明すると、右外側板2においては、取付枠50aは、後端段部12の段付部15と中央補強枠16との間に形成された凹所に、段部16aと補助嵌合部18の凸形状を覆うように嵌め込まれる。取付枠50bは、前端段部22の段付部15と中央補強枠16との間に形成された凹所に、上方の棚用取付部52が段部16aと補助嵌合部18の凸形状を覆うように嵌め込まれ、下方の抽斗用取付部51が補助嵌合部18の凸形状を覆うように嵌め込まれる。これにより、取付枠50bの抽斗用取付部51では切り欠き部53によって、外側板2の窪み部16bの下方を露出させている。左外側板2では、右外側板2と前後を変えて取付枠50が嵌め込まれる。そして、右外側板2の取付枠50bの切り欠き部53の構造を利用して、二重引出防止装置60が右外側板2に取り付けられる。なお、取付枠50にはネジ止め用の係止孔54(図5参照)が設けられており、外側板2もしくは端用連結部材6に形成されたネジ孔にネジ止め固定される。
【0030】
二重抽斗防止装置60の取り付けでは、抽斗105の引き出し方向に応じて、2箇所の取付枠50bのうちの一方が利用される。図3のように矢印Aが抽斗105の引き出し方向となる場合には、右外側板2の前側の窪み部16bが、二重抽斗防止装置60の取り付け位置となる。
【0031】
抽斗105は、前記固定レール107を含むサスペンションレールによって、取付枠50の抽斗用取付部51に前後移動自在に懸架される。サスペンションレールとしては、図9(a)(b)に示すように、抽斗用取付部51に着脱自在に取り付けられる前記固定レール107と、固定レール107の内側に複数のコロを介して前後動自在に嵌挿された中間レール107bと、抽斗105の左右側板から突出する断面L字状の抽斗レール(図示していない)とからなり、この抽斗レールは、中間レール107bに設けられた複数のコロを介して前後移動自在に支持されている。
【0032】
各抽斗105の左右両側板から左右両外向きに突出するストッパ体75は、その下面が側面視において前下がりの傾斜状となる下傾斜面75aを備えるように金属板を屈曲形成したものである。また、側面視への字状の押し上げ体76は、前記ストッパ体75の下方位置にて前記金属板に一体的に形成されている。
【0033】
二重引出防止装置60は図8(a)に示すような縦杆61が、前記切り欠き部53から露出した窪み部16bに沿って上下に配置され、各段の抽斗105における固定レール107の側面と直角方向に交差する。
【0034】
図8(a)に示すように、ロック体62と、第1傾斜案内面64と第2傾斜案内面65とを有する案内体63と、落下防止片66とは、断面コ字状の基体67の内面に一体的に形成されたものであり、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂の射出成形品である。そして、前記断面コ字状の基体67の内面には、係合爪68を突設し、この係合爪68を縦杆61の所定間隔ごとに突設された係止孔(図示せず)に嵌め入れ、縦杆61の外周を基体67にて包囲するようにして装着する。
【0035】
図8(a)に示すように、ロック体62の上面は、抽斗105の引き出し方向に行くに従って低くなるように形成された当接傾斜面69を有している。また、案内体63は引き出し方向に行くに従って下がる第1傾斜面64と該第1傾斜面64の下端に連設された水平状の安定面70と、該安定面70の前端に連設し、抽斗105の引き出し方向に行くに従って高くなる第2傾斜面65とを備えた横長状の形状である。
【0036】
さらに、図8(b)に示すように、基体67の外周面には、前記窪み部16bの内面に摺接する縦長のスライダ条71が複数突設されている。この構成により、金属製の窪み部16bと縦杆61とが直接摺接することなく、縦杆61の上下動時に静かにかつ滑らかに動き得るものである。他方、前記各段の固定レール107の上面前後方向中途部には、中間レール107bの上面が開放される切り欠き部72を有し、中間レール107bの上面73の前後方向中途部には、中間レール107bの適宜深さ寸法だけ落ち込む平坦底面74aと前記上面73に連通する前後の傾斜面74b、74cとからなる落ち込み部74を備える。
【0037】
そして、前記各段における落下防止片66は、固定レール107の切り欠き部72の箇所から中間レール107bの上面に臨むように配設され、かつ各抽斗105が収納家具1に対して押し込み状態のとき、落下防止片66が平坦底面74aに対して当接する状態で嵌まり込んでいる(図示していない)。また、各抽斗105を前向き移動(引き出し動)するにつれて、中間レール107bが前に移動するとき、押し上げ体76が案内体63における第1傾斜案内面64に先に摺接して基体67を介して縦杆61ひいては落下防止片66を徐々に引き上げる(押し上げる)ため、当該落下防止片66が前記中間レール107bの落ち込み部74における平坦底面74aから後の傾斜面74cに当接しない状態にて中間レール107bの上面73の箇所まで移動するように構成されている(図9(a)参照)。
【0038】
一つの段の抽斗105を引き出し動するとき、その押し上げ体76が案内体63における水平な安定面70に当接して縦杆61を押し上げ上昇させると、前記落下防止片66の下端は、中間レール107bの上面73の箇所に摺接可能となり、次いで、押し上げ体76が案内体63における水平な安定面を超えて前方に移動すると、押し上げ体76による案内体63を介しての縦杆61の上昇駆動が解除されるが、落下防止片66が中間レール107bの上面73に摺接しているので、縦杆11の上昇位置が保持される(図9(b)の上段の抽斗参照)。
【0039】
従って、他の段における押し込み状態の抽斗105(図9(b)の下段の抽斗参照)の側面におけるストッパ体75の前面に、ロック体62の後面が位置することになり、その段の抽斗105の引き出し動を阻止することができ、二重引き出しを防止して、収納家具1の引き出し方向への転倒を阻止することができる。
【0040】
また、一旦引き出した1つの抽斗105の押し込み動にて、当該押し込み抽斗105におけるストッパ体75の下傾斜面75aが、前記上昇したロック体62の当接傾斜面69の上を通過するとともに、案内体63の下面側を押し上げ体76が通過し、当該押し上げ体76と案内体63との干渉が外れた状態で、且つ後退する中間レール107bにおける落ち込み部74上に落下防止片66が位置すれば、縦杆61が所定寸法だけ下方移動して下方位置に保持され、元の状態に戻る。
【0041】
次に、構造棚板8について説明する。この構造棚板8は、前記中間棚板103とは異なり、枠体で囲まれた収納空間を上下に仕切り、この仕切られた収納空間の前面や背面に、構造棚板8の前端縁部や後端縁部を利用して抽斗105の鏡板や、開閉扉110、引き戸111、背面板112等を取り付けることができるものである。
【0042】
構造棚板8の基本形は金属板の平板からなり、図10に示すように、平板の広幅は寸法がD3(D3=D−D1)で、その中央部の長さ寸法が地板4及び天板5の長さ寸法Wと等しく形成されている。この構造棚板8には、前端縁に沿って間口方向に延びるように、略T字状の前端縁部82が設けられている。この前端縁部82は構造棚板8の間口方向に沿って延びる高さ寸法L1の低い端部と、該端部の奥側(収納家具の奥行き側の内方)にて高さ寸法L3(>L2)の大きい段付き部とにより形成されている。低い端部の奥行き寸法は、構造棚板8の上下面でいずれもD1となっている。
【0043】
一方、構造棚板8の後端縁部83は高さ寸法がL3であるが、後端縁部83の後端面に設けられたスリットに、高さ寸法L1の形状を備える断面略T字状の後端縁部材を左右に挿入することによって、後端縁部83が前端縁部82と同様の略T字状に形成できるよう構成されている。すなわち、枠体の後端面に背面板112(図2参照)を取り付ける場合には、後端縁部材は不要であるが、後端面側(図13参照)に抽斗105や開閉扉110等を設ける場合には、オプショナルに後端縁部材が後端縁部83のスリットに挿入される。
【0044】
この構造棚板8の奥行き方向に沿う両側縁には、下向きに折曲げた側面に係止溝が切り欠き形成されているので(図10には図示していない)、この係止溝を取付枠50に設けられたねじ穴に一致させてねじ止めすることで、構造棚板8は固定される。
【0045】
この構造棚板8の上面は、図10に示すように凹凸が設けられているが、図4(b)に示す地板4と同様にオプショナルな取付枠29を用いることで、平坦面に形成することもできる。
【0046】
次に、縦仕切板90について説明する。この縦仕切板90は、図10に示すように、収納空間を左右に仕切る場合に用いられ、この左右に仕切られた収納空間の前面や背面に、縦仕切板90の前端縁部や後端縁部を利用して抽斗105の鏡板や、開閉扉110、引き戸111、背面板112等を取り付けることができるものである。縦仕切板90は、構造棚板8と天板5、または構造棚板8と地板4、または構造棚板8と構造棚板8、または天板5と地板4とで上下を挟まれた収納空間、もしくは前後に開放する開放収納空間81を左右に仕切るように用いられる。
【0047】
この縦仕切板90の基本形は金属板の平板からなり、図10に示すように、平板の広幅は寸法がD3(D3=D−D1)で、長さ寸法H2は、希望する収納空間(または開放収納空間)の高さに応じて、複数ある長さの異なるオプションの中から適宜選択できるようにしている。
【0048】
縦仕切板90の前端縁に沿って上下に延びるように略T字状の前端縁部94が設けられており、この前端縁部94は、高さ寸法L1の低い端部と、その奥側に高さ寸法L2の大きい段付き部が設けられ、縦仕切板90の表裏では、高さ寸法L3(L3>L2)となる。低い端部の奥行き寸法は、縦仕切板90の表裏面でいずれもD1となっている。
【0049】
縦仕切板90の後端縁部95は、高さ寸法L3であるが、後端縁部95の後端面に設けられたスリットに、高さ寸法L1の形状を備える断面略T字状の後端縁部材を上下に挿入することによって、後端縁部95が前端縁部94と同様の略T字状に形成できるよう構成されている。この後端縁部材は、構造棚板8の後端縁部材と同様にオプショナルに挿入される。
【0050】
この縦仕切板90の表裏面には、2箇所ずつ(計4箇所)の上下に延びる凹所が形成されている。そして、この凹所には、抽斗用取付部51を備え縦仕切板90に応じた長さ寸法の取付枠50d、50d´を装着することができる。取付枠50dは、二重抽斗防止装置60を縦仕切板90に取り付ける場合に適応させて、取付枠50d´よりも全体が細幅に形成されている。これらの取り付け方は、取付枠50a、50bの下方(抽斗用取付部51)の取り付け方に準じる。縦仕切板90に取り付けられる取付枠は、抽斗用取付部51を備える取付枠50d、50d´以外にも、オプショナルに複数用意されており、交換可能に取り付けられる。
【0051】
次に、このように構成された本発明の収納家具1の組立方法について説明する。
【0052】
まず、図2に示すように、外側板2の上下位置において、地板4及び天板5とを組むため、地板4及び天板5における間口方向の両側に、端用連結部材6を奥行き方向に基体30が延びるように並べる。次いで、端用連結部材30の横向きの第2端嵌入片32a、32bを地板4及び天板5における前後端の略L字状で中空の嵌合部を有する前端段部11と後端段部12にそれぞれ横方向(間口方向)から嵌入するとともに、中央嵌入片33bを地板4及び天板5における中央嵌合部17に対してそれぞれ横方向から嵌入する。
【0053】
次いで、地板4における両側の端用連結部材6では、それぞれ上向きの各第1端嵌入片31a、31bに対して、外側板2における前端縁部11と後端縁部12の下側の嵌合部を嵌合し、同様に上向きの中央嵌入片33aに対して外側板2における中央嵌合部17の下側を嵌合させる。また、天板5における両側の端用連結部材6では、それぞれ下向きの各第1端嵌入片31a、31bに対して、外側板2における前端縁部11と後端縁部12の上側の嵌合部を勘合し、同様に下向きの中央嵌入片33aに対して外側板2における中央嵌合部17の上側を嵌合させる。
【0054】
このようにして、外側板2、2、地板4、天板5を端用連結部材6により組み立てた後、締着ネジ(図示していない)にて、外側板2、地板4、天板5の各中央補強枠16と中央嵌入片33bとを固定する。
【0055】
次に、外側板2、2の内面に取り付けるための取付枠50a、50bが2つずつ用意される。そして、抽斗105の引き出し方向(図3の矢印A)を前側とすると、取付枠50aが、左外側板2の前側の凹所と、右外側板2の後側の凹所に取り付けられ、取付枠50bが、左外側板2の後側の凹所と、右外側板2の前側の凹所に取り付けられる(図3及び図5参照)。各取付枠50は、取り付け後に係止孔54を用い、締着ネジにて外側板2に固定される。または、凹所に対し各取付枠をネジを使わず嵌合(きつい嵌合)のみで取り付ける場合もある。
【0056】
同一の外側板2の内面に配置される前側と後側の取付枠50では、図5に示すように、取付枠50に穿設される抽斗用取付部51のレール用孔106及び棚板用取付部52の係止孔102の奥行き方向の位置が異なる。また、切り欠き53により全体の形状もことなっている。そのため、同一の外側板2の前側と後側では取付枠50を共用することができないが、本発明のように対向する外側板2、2の内面どうしで、取付枠を、側板に対する取付位置の前後を変えて(たすき掛け状に)で交換するように構成することで、取付枠50の共用化が図れ、取付枠の種類を少なくして収納家具1の部品点数の削減ができる。
【0057】
次に、右外側板2の前側で、取付枠50bにより露出している窪み部16bに、二重引出防止装置60の基体67のスライダ条71が摺接するように取り付けられる(図3参照)。仮に、抽斗105の引き出し方向を矢印Aと反対側にする場合には、二重抽斗防止装置60を図3の左外側板2の後側の窪み部16bに付け替えるだけでよいため、取付枠50の交換や取り外しは全く不要である。
【0058】
二重引出防止装置60では、あらかじめ抽斗の段数と位置に対応させて、縦杆61に基体67が取り付けられ、また各抽斗105の側板には、ストッパ体75が取り付けられている。そして、外側板2の下方ではそれぞれ、前後に配置された抽斗用取付部51、51のレール用孔106,106に、係止片108を後方に押し込むように固定レール107が差し入れられる。そして、中間レール107bと抽斗レールを介して抽斗105が取り付けられる。
【0059】
また、外側板2の上方では、4箇所の棚板用取付部52で、希望の高さの係止孔102に棚板受け具104が差し込まれて、これに中間棚板103が載置されて取り付けられる。
【0060】
このように抽斗105が取り付けられた収納空間には、その前面に鏡板が配置され、中間棚板103が取り付けられた収納空間には、開閉扉110や引き戸111が取り付けられたりする(中間棚板103が取り付けられていない収納空間に開閉扉110等を取り付けてもよい)。本発明の外側板2、2、地板4、天板5、構造棚板8、縦仕切板90では、前端縁部11、82、94、または後端縁部12、83、95によって、いずれの組み合わせによっても奥行き寸法D1の囲み枠がそれぞれ形成できる。そのため、寸法D1に略等しい厚さの開閉扉110や引き戸111、あるいは抽斗105の鏡板を取り付けても、これらが前端面もしくは後端面から突出しないように配置することができるので、外観をすっきりさせる効果が得られる。
【0061】
また、一般的に、抽斗105及び中間棚板103は、収納された物品の見易さや取り出し易さを、それぞれの構造に基づいて考慮すると、抽斗105は収納空間の下方に配置される方が扱いやすく、中間棚板103は収納空間の上方に配置される方が扱いやすい。そのため、本発明では、取付枠50a、50bとして、あらかじめ抽斗用取付部51を下方に配置し、棚板用取付部52を上方に配置して一体化した形態としている。この形態とすることで、1つの収納空間1に、抽斗と棚板の双方を備えることができるとともに、その使い易さを損なうことなく汎用性の高い取付枠50を提供することができるという効果が得られる。もちろん、必要に応じて、抽斗用取付部51を上方に棚板用取付部52を下方に配置して一体化した取付枠を形成してもよいことは言うまでもない。
【0062】
また、収納家具1では、取付枠50(50a、50b)に加えて、その他の形態の取付枠を組み合わせて、図1(a)(b)に示す以外にも収納空間を自由に応用して利用することができる。
【0063】
例えば図11(a)では、左右一対の外側板2、2と、各1枚の地板4及び天板5で構成された枠体の下方に、2段2列に抽斗105を設け、枠体の上方は、左右が独立した空間としてそれぞれに開放扉106を設けている。この形態では、左右の外側板2、2に図5と同様に取付枠50を取り付け、さらに構造棚板8で上下に仕切り、この上下の収納空間それぞれに縦仕切板90を取り付けている。そして、下方の収納空間の縦仕切板90には、表裏の4箇所の凹所に抽斗用の取付枠50d(図10参照)が取り付けられて、左右各2段の抽斗105が取り付けられる。上方の収納空間では、縦仕切板90の表裏4箇所の凹所に、その長さ寸法に応じた中間棚板用の取付枠が取り付けられる。そして、左右各2段の中間棚板103が取り付けられて、前面にそれぞれ開閉扉110が取り付けられている。
【0064】
また、この他に図11(b)に示すように、枠体の下方の収納空間を左右に独立させ、一方に2段の抽斗105を、他方に中間棚板103を備えて開閉扉110を設けた形態でもよい。この形態では、左右の外側板2,2のうち左外側板2の内側にのみ取付枠50a、50dを取り付け、右外側板2には、上下ともに棚板用取付部52が配置された取付枠が取り付けられている。そして、この収納空間を構造棚板8で上下に仕切り、下方の収納空間に縦仕切板90を取り付けている。縦仕切板90では表裏4箇所の凹所のうち、一方の面(図中左側)の2箇所の凹所には、抽斗用の取付枠50d(図10参照)を取り付け、他方の面(図中右側)の2箇所の凹所には、縦仕切板90に応じた長さの中間棚板用の取付枠が取り付けられている。
【0065】
また、この他に図11(c)に示すように、枠体を左右に仕切り、左側の上方に中間棚板103を備えて開閉扉110を設け、左側の下方には2段の抽斗105を設けるとともに、右側は、中間棚板103を備えた開閉扉110のみとした形態でもよい。この形態では、外側板2と略同じ長さ寸法の縦仕切板90を用いて、収納空間を左右に仕切り、左外側板2の内側にのみ取付枠50a、50dを取り付け、右外側板2には、上下ともに棚板用取付部52が配置された取付枠が取り付けられている。縦仕切板90には、表裏4箇所の凹所に、その長さ寸法に応じた取付枠が取り付けられるが、これら取付枠によって、図中左側の収納空間の上方に中間棚板103、その下方に抽斗105、図中右側の収納空間すべてに中間棚板103を取付できるものが選択される。そして、図中左側の収納空間には、図10に示す構造棚板8の約半分の長さ寸法(W/2)の構造棚板8aがを取り付けられる。
【0066】
さらに、この他に図12に示すように、枠体で構成された収納空間を、その前面と後面の双方から使用できるようにした形態でもよい。この形態では、左右の外側板2、2に図5に示すように取付枠50a、50bをそれぞれ取り付けて、上方に中間棚板103を、下方に抽斗105を取り付けているが、上方に配置した開放扉110の開閉方向と、下方に配置した抽斗105の引き出し方向が、異なる方向となるようにしている。
【0067】
なお、図1(a)(b)、図11(a)〜(c)及び図12に示した収納家具1は、一部の例に過ぎず、本発明はこれらに限定するものではない。例えば、本発明の枠体は、左右の外側板2、2と背面板112を一体で形成し、これに天板5と地板4を取り付けた形態や、左右の外側板2、2と天板5を一体で形成し、これに地板4と背面板112を取り付けた形態であってもよい。
【0068】
上述の説明では、1組の外側板2,2と、各1枚の地板4、天板5で構成された収納家具1について説明したが、本発明は、中側板3と増連用連結部材7を用いて枠体を左右に増連する収納家具1の場合にも適用できるため、次にこの増連する場合の形態について説明する。
【0069】
図13に示す収納家具1は、左右に配置する外側板2,2と、これら外側板2,2の間に配置する1または複数の中側板3と、複数の地板4及び天板5とを互いに直交するように端用連結部材6及び増連用連結部材7とを介して着脱自在に連結したものである。この収納家具1は、中側板3、地板4及び天板5の数によって任意の数だけ枠体が増連可能である。
【0070】
中側板3の基本形は、図14及び図15に示すように、同形状に形成された平板20、20がその前後及び上下を逆にして固着され、全体として奥行き寸法Dとなるように形成されている。平板20の略中央部には、コ字状に屈曲され上下方向に延びる補強部21が形成され、2枚の平板20,20は、補強部21どうしが対向するようにスポット溶接されることで、中央嵌合部23を構成している。そして、中側板20の前後端縁に沿って上下に延びるように、略T字状の前端段部24と後端段部25とを設けている。この前端段部24と後端段部25とは、平板20の一方の縁片を断面L字状に折曲げて形成した屈曲部20aと、平板20の片面にスポット溶接して固定する金属板製の断面L字状に折曲げた前後端補強枠26とにより構成される。そして、前記T字状の前後両端部24,25は中側版3の間口前面に沿って延びる高さ寸法L1の低い端部27と、該端部27の奥側(収納家具の奥行き側の内方)にて高さ寸法L2の大きい段付き部28とにより形成されている。従って、段付き部28と屈曲部20aによる段部の高さ寸法L3(>L2)となり、前端段部24と後端段部25とは略T字状で中空の嵌合部が形成される。低い端部の奥行き寸法は、中側板3の表裏面でいずれもD1となっている。
【0071】
平板20では、補強部21と屈曲部20aの間に断面コ字状に屈曲させて段部21aを設け、この段部21aと補強部21との間には、窪み部21bが形成される。また、平板20では、屈曲部20aと反対側の縁片を断面コ字状に屈曲させて段部23aを設け、この段部23aと補強部21との間に、窪み部23bが形成される。
【0072】
また、補強部21では、その前後で平板20の屈曲の高さが異なるため、補強部21と段付部28との間には、深さ寸法L4の凹所(その中間部に段部23aを含む)が形成され、補強部21と屈曲部20aとの間には、深さ寸法L5(<L4)の凹所(その中間部に段部21aを含む)が形成される。すなわち、中側板3では、平板20の表裏面に2箇所ずつ、計4箇所の凹所が形成されるが、同一平面の2箇所の凹所では、それぞれ深さ寸法が異なる(L4、L5)とともに、表面の深さ寸法L4の凹所に対応する裏面の凹所では深さ寸法L5となり、表面の深さ寸法L5に凹所に対応する裏面の凹所では深さ寸法L4となっている。
【0073】
増連用連結部材7は、図14に示すように、端用連結部材6とほぼ同じ形態で、Dの長さを有して奥行き方向に延びる細長い基体40を有する。基体40の前後両端部には、それぞれ第1端嵌入片41a、41bと、第2端嵌入片42a、42bと、中央嵌入片43a、43bとが互いに直交する方向に突出するように設けられている。また、実施形態では、増連用連結部材7も基体40の長手方向の中央に対して左右対称形状に形成されている。
【0074】
断面L字状の第2端嵌入片42a、42bは、地板4及び天板5における前後端の略L字状で中空の嵌合部を有する前端段部11と後端段部12にそれぞれ左右方向(間口方向)から嵌入できるものである。第1端嵌入片41a、41bは、基体40から前記第2端嵌入片42a、42bの突出方向と直交する方向に一体的に突出する断面略矩形状のものであって、端用連結部材6と増連用連結部材7とを背中合わせにした状態で、中側板3における断面T字状の前端段部24及び後端段部25の一部、すなわち前記屈曲部20aの中空部内に上下方向からきっちりと嵌入できるものである。
【0075】
中央嵌入片43bは、地板4及び天板5における中央嵌合部17に対して横方向からきっちりと嵌入できるものであり、中央嵌入片43aは、端用連結部材6と増連用連結部材7とを背中合わせにした状態で、端用連結部材6における中央嵌入片33aとともに中側板3における中央嵌合部23に対して上下方向からきっちりと嵌入できるものである。
【0076】
この中側板3の内面に取り付けられる取付枠50は、図15に示すように2種類ある。中側板3の深さ寸法L4の凹所には、外側板2に取り付ける取付枠50bがそのまま利用され、段付部28と段部23aの間に嵌め込まれる。一方、中側板3の深さ寸法L5の凹所には、前述の取付枠50aを深さ寸法L5用に変更した取付枠50cが、屈曲部20aと補強部21との間に、段部21aの凸形状を覆うように嵌め込まれる。そして、取付枠50bの切り欠き部53によって、窪み部23bの下方が露出するため、抽斗105の引き出し方向に応じた位置の窪み部23bの内部に二重抽斗防止装置60が取り付けられる。
【0077】
そのため、増連により中側板3、3が対向するよう左右に配置された収納空間では、取付枠50cが左中側板3の前側の凹所と右中側板3の後側の凹所の双方に用いられ、取付枠50bが左中側板3の後側の凹所と右中側板3の前側の凹所の双方に用いられる。
【0078】
このように、中側板3、3が対向した場合でも、外側板2,2が対向した場合と同様に、対向する内面どうしでは、取付枠は、側板に対する取付位置の前後を変えること(たすき掛け状に)で交換可能であるので、4箇所の凹所であっても2つの取付枠で対応でき、取付枠の共用化による部品点数の削減が可能である。また、外側板2と中側板3でも、図15に示すように、取付枠50bを共用することができるので、さらに取付枠の部品点数の削減が可能となる。
【0079】
参考例としては、図16(a)(b)に示すように、抽斗用取付部51を有する取付枠50fと棚板用取付部52を有する取付枠50eとを別個に形成し、これらを上下に並べて配置して外側板2または中側板3に装着する形態でもよい。図16(a)は参考例の取付枠の取り付けを示す斜視図で、図16(b)は取付枠に構造棚板を取り付けた状態の断面図である。
【0080】
この実施の形態では、図16(a)(b)に示すように、棚板用取付部52からなる棚板用の取付枠50eの下端面と、抽斗用取付部51からなる抽斗用の取付枠50fの上端面が付き合わされて、外側板2の凹所に装着されている。これら取付枠50e、50fは図16(a)のように上下端面を当接させて上下に重ねることで、地板4と天板5の間の高さ寸法にきっちり収まるように構成されている。
【0081】
そして、取付枠50e、50fの境界部分に構造棚板8の側面を当接させ、この側面に切り欠き形成された係止溝84を取付枠50fに設けられたねじ孔55に一致させてビス85によりねじ止めすることで、構造棚板8が固定されるとともに、取付枠50e、50fが外側板2側へ押し付け固定される。なお、構造棚板8は、ビス85によって取付枠50fに固定されているが、中央補強枠16にビス止めする場合もある。
【0082】
また、この他の参考例としては、図17(a)(b)に示すように、抽斗用取付部51を有する取付枠50hと棚板用取付部52を有する取付枠50gとを別個に形成し、これらを構造棚板8を挟んで対向するように上下に配置する形態でもよい。図17(a)は参考例の取付枠の取り付けを示す斜視図で、図17(b)は取付枠に構造棚板を取り付けた状態の断面図である。
【0083】
この参考例は、図17(a)(b)に示すように、棚用取付部52からなる棚板用の取付枠50gと、抽斗用取付部51からなる抽斗用の取付枠50hとが、構造棚板8の一部を挟んで対向するように上下に配置され、外側板2の凹所に装着されている。構造棚板8には、外側板2(中側板3の場合もある)側の凹所に面した側面から、凹所側に突出する突出部86が設けられている。そして、取付枠50g、50h、及び構造棚板8の突出部86は、これらを当接させて上下に重ねることで地板4と天板5の間の高さ寸法にきっちり収まるように構成されている。
【0084】
突出部86は、断面コ字状に下方に折り曲げ形成された金属板によって形成されており、構造棚板8の広幅面で凹所側に開放するように形成された窪みにスポット溶接されている。この突出部86の上面と構造棚板8の上面は同一平面となっている。そして、構造棚板8の側面に切り欠き形成された係止溝84を取付枠50hに設けられたねじ孔55に一致させてビス85によりねじ止めすることで、構造棚板8が固定されるとともに、取付枠50hが外側板2側へ押し付け固定される。また、取付枠50gは、断面コ字状に形成されており、その形状による弾性で外側板2の凹所に保持されるようになっている。なお、構造棚板8は、ビス85によって取付枠50hに固定されているが、中央補強枠16にビス止めする場合もある。
【0085】
これら図16(a)(b)及び図17(a)(b)に示された参考例でも側板2(3)、地板4、天板5で構成された1つの収納空間内に、抽斗や棚板を自由に組み合せて配置することができる。
【0086】
【発明の作用・効果】
以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の組立式収納家具は、左右に配置された側板と、地板及び天板とにより枠体を構成し、当該枠体で囲まれる空間を収納空間とする組立式収納家具であって、前記側板の内面の前側と後側とには、抽斗用取付部を棚板用取付部の下方に配置して一体化した上下方向に細長い取付枠が、間隔をあけて着脱可能に各々装着されてなり、前記抽斗用取付部は前記収納空間に配置される抽斗に摺動自在に嵌合するレールを1または複数取り付けるためのものであり、前記棚板用取付部は前記収納空間に1または複数の棚板を取り付けるためのものであり、前記側板の内面の前側及び後側に装着された前記取付枠のうち、少なくとも一方には、前記抽斗用取付部に沿って上下に長い切欠き部が設けられ、1つの抽斗の引き出し時に他の抽斗の引き出し動を不能とする二重引出防止装置は前記切欠き部を介して前記枠体に取り付け可能に構造されていることを特徴とするものである。
これによれば、抽斗用取付部と棚板用取付部とを一体で備えた取付枠を配置するだけで、枠体で囲まれる収納空間内に、簡単に抽斗と棚板の双方の取り付けが可能となる。
また、一般的に抽斗は収納空間の下方に、棚板は上方に配置されるほうが、それぞれの機能上好都合であるため、あらかじめ抽斗取付部を棚板用取付部の下方に配置して取付枠を構成しておくことで、使用頻度の高い取付枠を提供することができる。
さらに、抽斗が多段に配置された場合に二重引出防止装置を取り付けると、一方の抽斗が引き出し状態にある場合に他の抽斗が引き出し動することを防止することができるため、二重引き出しによる枠体の前方向への転倒を防止することができ、安全性が向上される。
【0087】
【0088】
また、請求項に記載の発明は、請求項記載の組立式収納家具において、前記左右に配置された各側板の内面の前側と後側のうち、一方には前記切欠き部を有する取付枠が、他方には前記切欠き部を有しない取付枠が装着され、左側板の前側用の前記取付枠は右側板の後側用の前記取付枠と交換可能であるとともに、左側板の後側用の前記取付枠は右側板の前側用の前記取付枠と交換可能であることを特徴とするものである。これによれば、対向する側板間では、取付枠の装着箇所が4箇所設けられているが、取付枠の共用化により2種類の取付枠で対応できるため、部品点数の削減ができ、製造や在庫管理の効率化が可能となる。
【0089】
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の組立式収納家具の平面図である。
【図2】天板、地板、外側板、端用連結部材の各部品の斜視図である。
【図3】一対の外側板を対向して配置した場合の断面図である。
【図4】(a)は天板の断面図、(b)は地板の断面図である。
【図5】取付枠の取り付けを示す斜視図である。
【図6】(a)は抽斗用のレールの取り付けを示す斜視図、(b)は抽斗用のレールの取り付けを示す要部断面図である。
【図7】(a)は中間棚板の取り付けを示す斜視図、(b)は中間棚板の取り付けを示す要部断面図である。
【図8】(a)は二重抽斗防止装置の平面図、(b)は二重引出防止装置の断面図である。
【図9】(a)は他の抽斗が押し込み状態で、1つの抽斗を引き出し始める状態の作用説明図、(b)は1つの抽斗の抽斗量が増大した状態の作用説明図である。
【図10】縦仕切板の取り付けを示す斜視図である。
【図11】(a)、(b)及び(c)は組立式収納家具を応用した形態の平面図である。
【図12】組立式収納家具を応用した形態の平面図である。
【図13】中側板により増連した組立式収納家具の平面図である。
【図14】天板、地板、外側板、中側板、端用連結部材、増連用連結部材の各部品の斜視図である。
【図15】増連した状態における外側板及び中側板の断面図である。
【図16】(a)は参考例の取付枠の取り付けを示す斜視図、(b)は取付枠に構造棚板を取り付けた状態の断面図である。
【図17】(a)は他の参考例の取付枠の取り付けを示す斜視図、(b)は取付枠に構造棚板を取り付けた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 組立式収納家具
2 外側板
3 中側板
4 地板
5 天板
6 端用連結部材
7 増連用連結部材
8、8a 構造棚板
10 平板
10a 屈曲部
11 前端段部
12 後端段部
13 前後端補強枠
14 端部
15 段付部
16 中央補強枠
16a 段部
16b 窪み部
17 中央嵌合部
18補助嵌合部
20平板
20a屈曲部
21補強部
21a段部
21b窪み部
23中央嵌合部
23a段部
23b窪み部
24前端段部
25後端段部
26補強枠
27端部
28段付き部
29取付枠
30基体
31a、31b、41a、41b第1端嵌入片
32a、32b、42a、42b第2端嵌入片
33a、33b、43a、43b中央嵌入片
50a、取付枠
51抽斗用取付部
52棚板用取付部
53切り欠き部
54係止孔
55ねじ孔
60二重引出防止装置
61縦杆
62ロック体
63案内体
64第1傾斜案内面
65第2傾斜案内面
66落下防止片
67基体
68係合爪
69当接傾斜面
70安定面
71スライダ条
72切り欠き部
73上面
74落ち込み部
74a平坦底面
74b、74c傾斜面
75ストッパ体
75a下傾斜面
76押し上げ体
81開放収納空間
82前端縁部
83後端縁部
84係止溝
85ビス
90縦仕切板
91前端縁部
102係止孔
103中間棚板
104棚板受け具
105抽斗
106レール用孔
107固定レール
107b中間レール
108係止片
110開閉扉
111引き戸
112背面板

Claims (2)

  1. 左右に配置された側板と、地板及び天板とにより枠体を構成し、当該枠体で囲まれる空間を収納空間とする組立式収納家具であって、
    前記側板の内面の前側と後側とには、抽斗用取付部を棚板用取付部の下方に配置して一体化した上下方向に細長い取付枠が、間隔をあけて着脱可能に各々装着されてなり、
    前記抽斗用取付部は前記収納空間に配置される抽斗に摺動自在に嵌合するレールを1または複数取り付けるためのものであり、
    前記棚板用取付部は前記収納空間に1または複数の棚板を取り付けるためのものであり、
    前記側板の内面の前側及び後側に装着された前記取付枠のうち、少なくとも一方には、前記抽斗用取付部に沿って上下に長い切欠き部が設けられ、
    1つの抽斗の引き出し時に他の抽斗の引き出し動を不能とする二重引出防止装置は前記切欠き部を介して前記枠体に取り付け可能に構造されていることを特徴とする組立式収納家具。
  2. 前記左右に配置された各側板の内面の前側と後側のうち、一方には前記切欠き部を有する取付枠が、他方には前記切欠き部を有しない取付枠が装着され、
    左側板の前側用の前記取付枠は右側板の後側用の前記取付枠と交換可能であるとともに、左側板の後側用の前記取付枠は右側板の前側用の前記取付枠と交換可能であることを特徴とする請求項1記載の組立式収納家具
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