JP4365026B2 - ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファートを使用した化学発光反応 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学発光を産出するための化学発光方法と組成物に関する。特に、本発明は、酸素存在下でジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物とを反応させることを含む、化学発光を産出する方法に関する。また、本発明は、加水分解酵素の作用により、化学発光を産出するための化学発光方法と組成物に関する。化学発光を産出する方法は、加水分解酵素を、ヒドロキシ基の一つが酵素切断可能基で保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と反応させてジヒドロキシ芳香族化合物を遊離させ、これを複素環式エノールフォスファート化合物と反応させて化学発光を産出することを含む。本発明は、さらに、イムノアッセイ、核酸プローブアッセイなどを含む特異結合対アッセイにおいて、加水分解酵素と酵素標識化特異結合パートナーとを含む被検体を検出するためのアッセイにおける本発明の化学発光方法の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.加水分解酵素の化学発光検出。
アルカリホスファターゼとβ−ガラクトシダーゼなどの加水分解酵素は、しばしば、酵素結合アッセイにおいて、生物学的分子およびその他の興味のある被検体、例えば薬剤、ホルモン、ステロイドおよび腫瘍マーカーなどに対するマーカーもしくは標識(label)として用いられる。さらに、ホスファターゼ酵素、例えばアルカリホスファターゼ(AP)と酸性ホスファターゼ(AcP)は、医者と獣医の診断において臨床的に重要である。これらの酵素の化学発光の検出には、試料中における酵素量、または酵素標識化被検体もしくは被検体に対する標識化特異結合パートナーの量を、定量的に測定するための、安全で、使いやすく、かつ感度の高い手段が、要求される。特定の加水分解酵素の標識を定量するための多くの化学発光反応の概要が、当該分野において公知である。これらの概要の多くが、複雑かつ高価であり、多数の酵素もしくは複数の試薬を必要とする。大量試験用にそのような方法を商業的に採用することは、遅れている。
【0003】
a.アクリダン(Acridan)化合物とアルカリホスファターゼとの化学発光反応。
1997年1月15日に出願されたPCT出願US97/00015号に、ホスファターゼ酵素と、複素環式基およびエノールホスファート基を含む化合物との化学発光反応について記載されている。また、ホスファターゼと複素環式エノールホスファート化合物との化学発光反応において、カチオン性芳香族化合物を組み込むことによって、より改善されることが記載されている。本発明の方法に対して、これらの出願において開示された方法では、ホスファート基を切断するための、ホスファターゼ酵素と複素環式エノールホスファート化合物との反応に依存している。本発明では、ホスファート基を切断するために酵素を用いない。
【0004】
b.還元剤の生成を含む反応。
アルカリホスファターゼによって触媒作用を及ぼされたホスファートエステルから、還元剤を生成する化学発光方法が報告されている。(M.Maeda, A.Tsuji, K.H.Yang, S.Kamada, Biolum. and Chemilum. Current Status, 119-22(1991); M.Kitamura, M.Maeda, A.Tsuji, J. Biolumin. Chemilumin., 10, 1-7(1995); H.Sasamoto, M,Maeda, A.Tsuji, Anal. Chim. Acta, 306, 161-6(1995))。還元剤を、酸素およびルシゲニン(lucigenin)と反応させ、光を産出する。代表的な還元剤は、アスコルビン酸、グリセリン、NADH、ジヒドロキシアセトン、コルチゾール、およびフェナシルアルコールを含む。また、PCT出願WO96/04400号と文献(H.Arakawa, M.Maeda, A.Tsuji, Anal. Biochem., 199, 238-242(1991))に、インドキシルホスファート化合物と、脱リン酸化において還元種を生成するその他の関連ホスファート化合物を用いた、アルカリホスファターゼの化学発光アッセイ法が記載されている。化学発光は、ルシゲニンもしくはその他の発光増幅剤の存在下で、H2O2またはスーパーオキシドイオンとの反応によって産出する。
【0005】
Mahantに対する米国特許第5589328号に、化学発光反応について開示されており、それによれば、インドキシルエステル、チオインドキシルエステル、およびベンゾフランエステルが、酵素によって加水分解され、それによって、スーパーオキシドが産出する。この発光は、ルシゲニンなどの化学発光産出剤を添加することによって、増幅される。ルシゲニンは、スーパーオキシドと反応することによって、化学発光を産出する。
【0006】
c.酵素学的にトリガー可能なジオキシエタン。
保護化フェノールトリガー基を有する安定1,2−ジオキシエタンから、保護基が除去されると、化学発光分解が生じる[A.P.Schaap, T.S.Chen, R.S.Handley, R.DeSilva,およびB.P.Giri, Tetrahedron Lett., 1155(1987);A.P.Schaap, R.S.Handley,およびB.P.Giri, Tetrahedron Lett., 935(1987);A.P.Schaap, M.D.Sandison,およびR.S.Handley, Tetrahedron Lett., 1159(1987);A.P.Schaap, Photochem. Photobiol.,47S, 50S (1988)]。そのような酵素学的トリガー可能なジオキシエタンは、加水分解酵素との反応によってトリガーされ、それによって、次数規模でジオキシエタンの化学発光分解効率が増大する。そのようなトリガー可能なジオキシエタンの数多くの実施例が、当該分野において公知である。しかしながら、ほとんどのトリガー可能なジオキシエタンが有する不都合は、酵素不在下で、除々に熱分解することによって、または、非酵素学的加水分解によって、バックグラウンドの化学発光を生じる傾向にあることである。
【0007】
d.ルシフェリン誘導体。
ホタルルシフェリンのホスファートとガラクトシド誘導体が、公知である(N.Ugarova, Y.Vosny, G.Kutuzova, I.Dementieva, Biolum. and Chemilum. New Perspectives, P.StanleyおよびL.J.Kricka,版、Wiley, Chichester, 511-4(1981);W.Miska, R.Geiger, J. Biolumin. Chemilumin., 4, 119-28(1989))。ホタルルシフェリン誘導体を、適切な酵素で処理することにより、ホタルルシフェリンが遊離し、これが第2工程で、ルシフェラーゼおよびATPと反応して光を産出する。
【0008】
e.ルミノール誘導体。
ルミノールのホスファート誘導体とNAG誘導体が、公知である(K.Sasamoto, Y.Ohkura, Chem. Pharm. Bull., 38,1323-5(1991);M.Nakazono, H.Nohta, K.Sasamoto, Y.Ohkura, Anal. Sci.,8,779-83(1992))。ルミノール誘導体を、適切な酵素で処理することにより、ルミノールが遊離し、これが続く工程で、 ヘキサシアノ鉄(III)酸塩と反応して光を発する。
【0009】
f.酵素結合法。
PCT出願WO96/07911号において、加水分解酵素を用い、保護化フェノール化合物からフェノール増強剤を酵素学的に生成させることが開示されている。フェノール化合物は、ペルオキシダーゼ酵素と共に、アクリダンカルボン酸誘導体の化学発光酸化を増強する。米国特許第5306621号は、同様の酵素結合反応について開示しており、ジヒドロフタルアジンイオンが、ペルオキシダーゼの化学発光基質として用いられている。これらの方法では、ジヒドロキシ芳香族化合物がペルオキシダーゼ増強剤でないため、ヒドロキシ基の一つが加水分解酵素によって切断可能な基で保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物を使用できない。ホスファターゼ酵素などの加水分解酵素を、酵素結合反応を介して測定するためのその他多くの化学発光方法とアッセイが、公知である。そのような方法が、A.Tsuji, M.Maeda, H.Arakawa, Anal. Sci.,5,497-506(1989)において、一覧に編集されている。全ての酵素結合反応では、2種以上の酵素を要し、化学発光種としてルミノールもしくはルミノール類似体、ルシゲニンもしくは細菌のルシフェリンのいずれかの使用が必要である。
【0010】
上記方法の多くには、発光シグナルを産出するために、複数の剤や酵素が必要であるという欠点がある。検出感度に優れていることが証明されたにも関わらず、付加された費用、もしくは操作の煩雑性が妨げとなって、これらの方法は商業的に受容されていない。これらの感度レベルに達するが、酵素基質に加えてさらなる酵素や剤を必要としない、加水分解酵素を検出および定量するための化学発光方法が有益である。本発明は、そのような方法と化合物を提供する。
【0011】
2.電子転移剤(ETA)の酵素遊離。
a.比色および蛍光検出。
米国特許第4952495号には、検出可能な種を産出する電子転移反応を仲介することができる基質の酵素学的形成によって加水分解酵素を測定するための方法について開示および請求している。ETAは、一実施態様において、置換化ヒドロキノン化合物などの還元基質を含むことができる。検出される種は、着色性もしくは蛍光性の生成物を形成する。さらに、検出可能な種が、発色性、蛍光性もしくは化学発光性の種と連結基を介して連結したキノンを含むシフト可能な検出可能種であることができることが示されている。そのようなシフト可能な化合物以外、化学発光で検出可能ないかなる種についても示されていないし、提案されていない。本発明に記載した複素環式エノールホスファート化合物について、全く提案されていないし、示されていない。
【0012】
b.アルカリホスファターゼ(AP)の電流測定検出。
APによるモノホスファートからのヒドロキノンの酵素学的産出、ベンゾキノンを産出するための電極表面におけるヒドロキノンの酸化、電子を基質のグルコースから転移する第2の酵素のグルコースオキシダーゼによるヒドロキノンの再生を含むアルカリホスファターゼの電流測定検出法が知られている。AP量は、電流の増加として検出される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
本発明の目的は、ジヒドロキシ芳香族化合物を、ヘテロ環式基およびエノールホスファート基を含む第2の化合物と反応させることによって、化学発光を産出する方法であって、反応を酸素存在下で行わせて、化学発光を産出する方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、
a)ジヒドロキシ芳香族化合物を産出するために、加水分解酵素を、ヒドロキシ基の一つが加水分解酵素によって切断可能な基によって保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と反応させること、および
b)化学発光を産出するために、ジヒドロキシ芳香族化合物を、複素環式エノールホスファート化合物と反応させること、
を含む、加水分解酵素の作用によって化学発光を産出する方法を提供する。
【0015】
さらに、本発明の目的は、ジヒドロキシ芳香族化合物と、複素環式エノールホスファート化合物を含む化学発光組成物を提供することである。さらに、本発明の目的は、加水分解酵素との反応時に化学発光を産出する組成物であって、ヒドロキシ基の一つが加水分解酵素によって切断可能な基で保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と、複素環式エノールホスファート化合物とを含む組成物を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、化学発光を産出し、化学発光を測定し、化学発光を被検体の量に関係づけるために、ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物を反応させることを含む被検体のアッセイを行う方法を提供することである。
【0017】
更なる目的は、化学発光を産出し、化学発光を測定し、化学発光を被検体の量に関係づけるために、ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物を反応させることを含む被検体のアッセイを行う方法であって、複素環式エノールホスファート化合物が特異結合対員の標識として提供される方法を提供することである。
【0018】
更なる目的は、化学発光を産出し、化学発光を測定し、化学発光を被検体の量に関係づけるために、加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物を反応させることを含む被検体のアッセイを行う方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、化学発光を産出し、化学発光をサンプル中の加水分解酵素量に関係づけるために、加水分解酵素を含む、もしくは含むと推測される試料を、ヒドロキシ基の一つが酵素切断可能な基で保護された保護化ジヒロキシ芳香族化合物と、複素環式エノールホスファート化合物の存在下で反応させることを含む、試料中の加水分解酵素を検出する方法を提供することである。
【0020】
本発明の更なる目的は、化学発光を産出し、化学発光を測定し、化学発光を被検体の量に関係づけるために、加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物とを反応させることを含む被検体の測定を行う方法であって、加水分解酵素が、特異結合対員の標識として提供される方法を提供することである。
【0021】
【発明の実施の形態】
定義:
アルキル−1から20炭素を含む、分枝鎖状、直鎖状、もしくは環状の炭化水素基。ここに用いられる低級アルキルは、8炭素までを含むアルキル基を指す。
【0022】
アルケニル−少なくとも一つのC−C二重結合を含み、2から20炭素を含む分枝鎖状、直鎖状、もしくは環状の炭化水素基。ここに用いられる低級アルケニルは、8炭素までを含むアルケニル基を指す。
【0023】
アルキニル−少なくとも一つのC−C三重結合を含み、2から20炭素を含む分枝状鎖もしくは直鎖の炭化水素基。ここに用いられる低級アルキニルは、8炭素までを含むアルキニル基を指す。
【0024】
被検体−アッセイによって、試料中における存在または量が測定される基質。被検体は、有機的かつ生物学的分子を含み、特異的結合親和性を有する特異的結合対が存在する。典型的な被検体は、限定されないが、一本鎖DNAもしくは二本鎖DNA、RNA、DNA−RNA複合体、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体断片、抗体−DNAキメラ、抗原、ハプテン、タンパク質、レクチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンを含む。また、その他の典型的な被検体は、加水分解酵素、加水分解酵素阻害剤、およびジヒドロキシ芳香族化合物を含む。
【0025】
アリール−1から5炭素環式芳香環を含む芳香環含有基であって、H以外の1以上の置換基で置換することができる。
【0026】
生体臨床学的分析−興味のある被検体としての生物学的由来試料を分析すること。該分析は、イムノアッセイ、ウエスタンブロット、ノーザンブロット、サザンブロット、DNAハイブリダイゼーションアッセイ、DNAシークエンスアッセイ、コロニーハイブリダイゼーション、遺伝子発現分析、ハイスループット薬剤スクリーニング、感染物質もしくは病原菌の検出などであることができる。
【0027】
ジヒドロキシ芳香族化合物−芳香環式系を含む芳香環化合物であって、同様に一つ以上五つ以下の炭素環を含み、偶数の環の炭素原子によって隔てられた二つのヒドロキシ基で置換されている芳香環化合物。この置換のパターンは、ベンゼン環のオルト−とパラ−置換のパターン、および例えば、ナフタレン環の1,2−、1,4−、もしくは2,6−置換のパターンによって例示される。ビフェニルおよびビナフチルなどのジヒドロキシ置換化ビアリール環式系は、二つのヒドロキシ基を隔てる偶数の環の炭素原子があるものに限定する定義の範囲内であるとみなされる。ジヒドロキシ芳香族化合物は、さらにヒドロキシ基、すなわちトリヒドロキシ、テトラヒドロキシなどで置換することができ、さらに、少なくとも一対のヒドロキシ基が、偶数の環の炭素原子によって隔てられていることを規定する定義の範囲内である。
【0028】
ハロゲン−フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子。
【0029】
試料−アッセイされる一つ以上の被検体を含む、もしくは含むと推測される液体。化学発光反応法によって分析される典型的な試料は、体液を含む生体試料、例えば血液、血漿、血清、尿、***、唾液、細胞溶解液、組織抽出液等である。他のタイプの試料は、食物試料と環境試料、例えば土壌、水などを含む。
【0030】
特異的結合対−相互に結合親和性を示す二つの基質。実施例は、抗原−抗体、ハプテン−抗体もしくは抗体−抗体対、相補のオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、ホルモン−受容体、レクチン−炭化水素、IgG−プロテインA、核酸−核酸結合タンパク質、および核酸−抗核酸抗体を含む。
【0031】
「複素環式エノールホスファート化合物」、もしくは「ジヒドロキシ芳香族化合物」、もしくは「保護化ジヒドロキシ芳香族化合物」に関して、唯一の事例であることを明示しない限りは、記載された種の一つ以上を含むことを企図することを注記する。
【0032】
偶数の環の炭素原子によって隔てられた少なくとも二つのヒドロキシ基で置換された芳香環式系を含むある種のジヒドロキシ芳香族化合物が、複素環式基とエノールホスファート基を含む複素環式エノールホスファート化合物である第2の化合物と、酸素存在下で反応し、容易に検出可能な化学発光を産出することを、予期せず見出した。本発明のジヒドロキシ芳香族化合物の範囲内にまとめられる典型的な芳香環式系は、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ベンゾピレンおよびナフタセン環式系を含む。
【0033】
ジヒドロキシ芳香族化合物の好ましい基は、式Iを有する。
【化38】
式中、R1とR3の少なくとも一方はOH基であり、R1もしくはR3の他方と、R2、R4、およびR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アミノ、アミノアルキル、カルボキシル−C(=O)OH、カルボキシルエステル−C(=O)OR6、ホルミル−C(=O)H、アルキルカルボキシ−OC(=O)R6、アリールカルボキシ−OC(=O)R9およびハロゲン基から選択され、式中、隣接する基の対が一緒になって5もしくは6員脂肪環もしくは芳香環を完結することができ、式中R6は低級アルキル基、R7とR8は各々Hもしくは低級アルキル基であり、R9はアリール環式基である。
【0034】
式Iのより好ましい化合物は、式中、R3がOH基であり、R1、R2、R4、およびR5が、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される化合物である。より好ましくは、各R2、R4、およびR5が、水素であり、R1が、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される。
【0035】
二つのヒドロキシ基を有するジヒドロキシ芳香族化合物に加えて、同じ6員環に置換されたその他のジヒドロキシ芳香族化合物も、ジヒドロキシ芳香族化合物の範囲内であり、本発明の方法に有効であることが認識される。ヒドロキシ基が異なる6員環にある二芳香環式系を含むジヒドロキシ芳香族化合物が、代表的である。本発明の方法に有用であるジヒドロキシ芳香族化合物のいくつかの特別な実施例を、本発明の範囲を限定するためではなく、例示するために、表1に列挙する。
【0036】
表1.ジヒドロキシ芳香族化合物
DHA−1 2−クロロヒドロキノン
DHA−2 ヒドロキノン
DHA−3 2−フェニルヒドロキノン
DHA−4 3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスイン
ダン−5,5’,6,6’−テトロール,
DHA−5 2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン
DHA−6 2−メチルヒドロキノン
DHA−7 2−メトキシヒドロキノン
DHA−8 カテコール
DHA−9 1,2−ジヒドロキシアントラセン
DHA−10 7,8−ジヒドロキシ−6−メトキシクマリン
DHA−11 1−メチル−6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン
DHA−12 4−アミノレソルシノール
DHA−13 1,4−ジヒドロキシナフタレン
DHA−14 1,2,4−トリヒドロキシベンゼン
DHA−15 9,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン
DHA−16 4−ブロモレソルシノール
DHA−17 2,3−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシ−1,4−
アントラキノン
DHA−18 エラグ酸
DHA−19 2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド
DHA−20 2,3−ジクロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−
ナフトキノン
【化39】
【0037】
本発明の方法に有用である複素環式エノールホスファート化合物と、化学発光を産出するための組成物は、式:
【化40】
(式中、R10は、光の産出を許容する有機基であり、各R11−R18は独立して選択され、式中、隣接する基の対がベンゼン−融合環を完結することができ、R19はC、N、O、S、Pおよびハロゲン原子から選択される50原子までを含む有機基であり、ZはOとS原子から選択され、各Mは独立してHとカチオン性中心から選択され、nは電気的中性を満足する数である)
を有する。二重結合異性体が可能である式IIIの化合物において、該二重結合異性体の混合物を用いることができる。
【0038】
前記式IIIに関して、典型的な環の構造は、アスタリスクで環外二重結合部位を表示した以下の構造を含む。全ての潜在的な置換パターンを明示しておらず、各環の位置で水素以外の置換基を含むことができると理解される。
【化41】
【0039】
基R19は、好ましくは、アルキル、置換化アルキル、アリール、置換化アリール、アラルキルおよび置換化アラルキル基から選択されることが好ましい。より好ましい基R19は、置換化および非置換化低級アルキル基と置換化および非置換化ベンゼン基を含む。
【0040】
上記化合物の全てにおいて、基R11−R18は、各々独立して、Hもしくは光を産出するための置換基であり、通常、C、N、O、S、Pおよびハロゲン原子から選択される1から50原子までを含む。本発明の代表的な置換基は、限定されないが、アルキル、置換化アルキル、アリール、置換化アリール、アラルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミノ、置換化アミノ、カルボキシル、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、シアノおよびスルホナート基を含む。隣接する基の対、例えばR11−R12は、互いに結合し、ベンゼン融合環を形成することができる。特別の置換とその効果を、以下の特別の実施例に例示するが、如何なる点においても、本発明の範囲を限定しないものとみなされる。
【0041】
各基Mは、独立して、水素原子もしくはカチオン性中心である。カチオン性中心は、ナトリウムイオンNa+、アンモニウムイオンNH4 +などの原子基、または1以上の陽性荷電部位を有する分子の一部など、陽性に荷電された原子を意味する。後者の実施例は、米国特許出願第5451347号に記載されたジカチオン性化合物と、米国特許出願第5393469号に記載された多重カチオン性基を有するポリマー性化合物を含む。カチオン性中心の陽性電荷は、あらゆる単位値、すなわち1、2、3などを取ることができる。典型的なカチオン性中心は、限定されないが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、第四級アンモニウムイオン、第四級ホスホニウムイオンを含み、原子価で要求される数で存在する。電気的中性のために、二つの基が式Iの化合物中に存在することが要求される場合、それらは同じものであっても異なるものであっても良い。好ましい対イオンは、アルカリ金属イオンである。より好ましいものは、ナトリウムおよびカリウムイオンである。
【0042】
有機基R10は、光の産出を許容するあらゆる基であることができる。これは、基R10としてのいかなる基の存在によっても、最終的に化学発光を産出する式IIIの化合物の性能を妨げないことを意味する。後者によって、式IIIの化合物が、酸素存在下で、ジヒドロキシ芳香族化合物と反応した時に、速やかに化学発光が産出され、1以上の化学発光中間体の産出を伴うことを意味する。
【0043】
基R10は、好ましくは、基における原子の原子価を満足するために要求されるH原子の必要数を除き、C、N、O、S、Pおよびハロゲン原子から選択される1から50原子までを含む。基R10として機能できる基は、限定されないが、アルキル、置換化アルキル、アリール、置換化アリール、アラルキルおよび置換化アラルキル基を含む。例えばイオン性基または極性基など、H原子以外の置換基は、化合物の特性を修飾するため、もしくは最終のホスファート化合物の合成を好都合にするために、様々な数で、R10の炭素鎖もしくは環上の選択された部位に組み込ませることができる。そのような特性は、例えば、産出される化学発光量、酵素との反応効率、放射光の最大強度、放射光の持続時間、放射光の波長、反応培地中での可溶性等を含む。特定の置換およびそれらの効果を、以下の特定の実施例において例示するが、これらは、如何なる点においても、本発明の範囲を限定しないものと見なされる。
【0044】
化合物の好ましいクラスは、以下の式IIIaを有し、式中、ZはOまたはS原子であり、R19は低級アルキル基であり、Arは少なくとも一つの炭素環式芳香環を含むアリール環式基であり、さらに置換されることができる。
【化42】
基R11からR18は、同一であっても異なっていても良く、各々、C、H、N、O、S、Pおよびハロゲン原子から選択される1から50原子までを含み、光の産出を許容する置換基であり、限定されないが、アルキル、置換化アルキル、アリール、置換化アリール、ベンジルなどのアラルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミノ、置換化アミノ基、カルボキシル、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、シアノおよびスルホナート基を含むことができる。好ましい化合物の一セットは、水素と低級アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、t−ブトキシなどから選択された基R11からR18を有する。その他の好ましい化合物は、式IIIbを有し、式中、ZはOまたはSであり、Arはフェニル基、置換化フェニル基、もしくはナフチル基から選択される。
【化43】
【0045】
複素環式エノールホスファート化合物のその他の好ましいセットは、化合物が標識として使用されることを許容する基−A−Qを含む。好ましい標識化合物は、R10もしくはR18もしくはR11からR18部位のいずれか一つにおける置換基として、基−A−Qを含む。化合物を標識する複素環式エノールホスファートの標識化合物の実施例は、式IIIc、dもしくはeを有する。
【化44】
【0046】
基−A−Qにおいて、Aは、C1−C10アルキレン、およびC2−C10オキシアルキレン基から選択されたスペーサー(spacer)基であり、Qは、被検体もしくは特異結合パートナー等に、抱合される分子と共有結合を形成し得る連結基である。連結基Qは、ハロゲン、ジアゾ、−NCO、−NCS、−CHO、酸無水物、オキシラニル(oxiranyl)、スクシンイミドオキシカルボニル(succinimidoxycarbonyl)、マレイミド、シアノ、トリアゾールおよびテトラゾール基、および当該分野において一般的に公知である類似体などの求電子部分であることができる。あるいは、連結基Qは、ヒドロキシル、−COOH、チオール、第一級アミノ、第二級アミノ基などの求核部分であることができる。式IIIeの化合物において、基A−Qが二つのベンゼン環のどちらか一方に存在できることが企図される。
【0047】
以下の特定の化合物は、本発明に記載された新規な化学発光法における使用のために、特に好ましいものである:
【化45】
【0048】
緩衝水溶液中における式IIIの化合物と、ジヒドロキシ芳香族化合物との反応により、室温で速やかに最大強度に到達する明るい化学発光を産出した。
【化46】
【0049】
この点で、この発見の特別のメカニズムの説明を前置きすることは望ましくないのだが、化学発光は、形式的に、複素環式エノールホスファート化合物の二重結合の酸化から得られたケトン化合物IVの電気的励起状態から放射されると考えられる。化学発光を産出するための必要な条件は、反応によりIVの励起状態を形成し、IVが蛍光を放つのに十分なエネルギーが産出されることである。活性酸化剤は、酸素、酸素の還元化型、例えばスーパーオキシドイオン、過酸化イオンもしくは過酸化ラジカルなど、またはジヒドロキシ芳香族化合物の酸化生成物、例えばキノンもしくはセミキノン型などである。
【0050】
本発明の反応および方法から放射される化学発光は、典型的には、100−200nm幅の放射帯域として産出され、電磁スペクトルの近紫外から可視領域における波長で最大強度を示す。典型的な最大強度の波長、λmaxは、350−500nmの範囲にある。共有結合した発蛍光団を担持している式IIIのホスファート化合物は、分子内エネルギーを伝達し、結果として、発蛍光団の励起状態から長波長で放射されることが企図される。
【0051】
本発明の方法によって放射された化学発光の光は、可視的に、もしくはルミノメーター、X線フィルム、高速写真フィルム、CCDカメラ、シンチレーションカウンターもしくは化学光量計等を用いたその他の好適な公知手段によって、検出することができる。各検出手段は、異なるスペクトル感度を有する。人間の眼は緑色光に対して最適であり、CCDカメラは赤色光に対して最大の感度を示し、UV、青色光、もしくは緑色光に対して最大の感応を有するX線フィルムが利用できる。検出機器は、適応性、価格、利便性、および恒久的な記録の作製が要求されるかを考慮して、選択される。
【0052】
酸素存在下における式Iと式IIIの化合物の反応を含む本発明の化学発光反応は、例えば、公知の光スティックおよび関連する新規なアイテム、もしくは非常灯など、化学光源としての使用を見い出せる。他は、生体臨床分析、食物分析もしくは汚染物質の環境分析において、試料中における式Iの化合物の検出方法において、使用できる。
【0053】
また、本発明の化学発光反応は、検出可能な標識化特異結合対によって、試料中の被検体のアッセイを行う方法においても用いることができる。そのようなアッセイ方法の一実地態様において、化合物Iもしくは化合物IIIが、標識化合物として提供される。標識化合物は、反応性標識基を担持する置換基を含み、それによって、反応性基が、特異結合対の一員と共有結合を形成し、検出可能な標識化特異結合対員を形成することができる。さらに、該分析方法は、標識された特異結合対を形成するための、標識された特異結合対員と被検体を検出するためのパートナーとの反応、および、必要に応じて、被検体を検出するための化学発光を産出するための、標識された特異結合対と化合物Iもしくは化合物IIIとの反応を含む。好ましくは、複素環式エノールホスファートは標識として提供される。
【0054】
アッセイ方法のその他の実施態様において、化合物Iもしくは化合物IIIは、特異結合対員に抱合されたリポソーム中に内包された検出可能な種として提供される。検出可能な種を含むリポソームの調製方法、および化学発光アッセイにおける検出可能な標識としてのそれらの使用は、ここに参照として組み込まれる米国特許第5595875号に記載されている。
【0055】
アッセイ方法のその他の実施態様において、化合物Iおよび化合物IIIは、相補する特異結合対員に付着するように、各々、別々のラテックス粒子物質に内包されて提供される。検出可能な種を含むラテックス粒子物資の調製方法と化学発光分析において検出可能な標識としての使用が、ここに参照として組み込まれる米国特許第5578498号に記載されている。
【0056】
アッセイ工程における化学発光測定時に、測定は、光強度を、アッセイ工程における結果に応じた時間の固定点で測定すること、もしくは一連の時間点で測定すること、または瞬間最大強度を測定すること、または特定した光強度に到達するまでの光の総量もしくは時間を測定することを含む。
【0057】
本発明の実施方法において、酸素は、典型的には、反応溶液中、外気と平衡状態で溶解されて供給される。溶液上の外気は、溶解酸素濃度を高めるために、酸素に富み、または酸素と置換させることができる。また、溶液を、加圧可能な密閉容器中に入れ、容器中の気体の空間を酸素で加圧することができる。その他の酸素の送達方法、例えば、空気もしくは酸素を散布すること、または化学反応によって酸素を産出することは、ここに記載および請求した方法の範囲内であると見なされる。
【0058】
その他の態様で、本発明は、pH7−10.5の範囲の水溶液、濃度0.001−20mMの範囲の式Iの化合物、および濃度0.001−20mMの式IIIの化合物を含む、化学発光を産出するための試薬組成物に関する。好ましくはpHが8−10の範囲であり、より好ましくはpHが9−10の範囲である。
【0059】
好ましい実施態様において、組成物は、さらに、アニオン性界面活性剤を、最終濃度が好ましくは0.001から5mg/mLの範囲となるように、より好ましくは0.01から2.5mg/mLの範囲となるように含む。
【0060】
化学発光を産出するための好ましい試薬組成物は、pHが8−10の範囲である水性緩衝液と、濃度約0.05−5mMの式Iのジヒドロキシ芳香族化合物と、濃度約0.05−5mMの式IIIcのアクリダンホスファートと、任意で、好ましくは濃度0.01から2.5mg/mLの間のアニオン性界面活性剤を含む。より好ましい組成物において、式Iのジヒドロキシ芳香族化合物は、ヒドロキノン、2−クロロヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、および2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノンから選択される。
【0061】
加水分解酵素の化学発光の検出
本発明の化学発光反応は、酵素学的化学発光反応の基礎として役立つことができ、これにおいて、加水分解酵素と、ヒドロキシ基の一つが酵素切断可能基で保護された保護化ジヒドロキシ芳香族化合物との反応によって、酵素切断可能基が除去され、ジヒドロキシ芳香族化合物が産出される。ジヒドロキシ芳香族化合物は、酸素存在下で、複素環式エノールホスファートと反応し、化学発光を産出する。好ましい保護化ジヒドロキシ芳香族化合物は、式IIを有し、式中、ジヒドロキシ芳香族化合物Iのヒドロキシ基の一つが加水分解酵素によって切断可能な基で保護されている。これらの方法において有用である保護化ジヒドロキシ芳香族化合物は、式IIの化合物を含む:
【化47】
(式中、R1もしくはR3のうちの一方はOX基であり、Xは加水分解酵素によって除去できる基であり、R1もしくはR3の他方と、R2、R4、およびR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アミノ、アミノアルキル、カルボキシル−C(=O)OH、カルボキシルエステル−C(=O)OR6、ホルミル−C(=O)H、アルキルカルボキシ−OC(=O)R6、アリールカルボキシ−OC(=O)R9およびハロゲン基から選択され、式中、隣接する基が一緒になって5もしくは6員脂肪環もしくは芳香環を完結することができ、R6は低級アルキル基、R7とR8は各々Hもしくは低級アルキル基であり、R9はアリール環式基である)。
【0062】
本発明のジヒドロキシ芳香族化合物において、X基は、加水分解酵素によって切断できるあらゆる基であることができる。加水分解酵素は、酵素分類系のクラスE.C.3.1もしくは3.2に分類されるそれらの酵素であり、概して、ホスファターゼ、ホスホジエステラーゼ、ヌクレアーゼ、グリコシダーゼ、リパーゼおよびエステラーゼ酵素を含む。特別の実施例は、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ホスホジエステラーゼ、ホスホリパーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−グルコシダーゼ、ラクターゼ、カルボキシルエステラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含む。可能なO−X基は、使用条件下で安定であり、酵素との反応により切断することができるあらゆる化学脱離基を含み、限定されないが、アルキルもしくはアリールカルボキシルエステル、リン酸塩と硫酸塩を含む無機オキソ酸塩、およびα−D−ガラクトシドとβ−D−ガラクトシド、α−グルクロニドとβ−グルクロニド、およびα−グルコシドとβ−クルコシド基を含む酸素−ピラノシド基、および当該分野において通常の技術を有するものにとって明らかである類似体を含む。好ましい加水分解酵素は、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼおよびβ−グルコシダーゼである。
【0063】
式IIの化合物と加水分解酵素との反応により、複素環式エノールホスファート化合物(III)の存在もしくは不在下で、ジヒドロキシ芳香族化合物が形成されることができ、それによって、Iの形成と化学発光の産出が、併発してもしくは連続して進行することができる。
【0064】
化学発光を産出する一つの方法において、保護化ジヒドロキシ芳香族化合物を、緩衝液中の複素環式エノールホスファート化合物の存在下で、適切な加水分解酵素と反応させる。pHは、酵素活性と化学発光反応を促す値、通常は、約pH8から10の間に、好ましくは約pH9から10の間に維持する。この方法で反応を行うことにより、持続的な化学発光シグナルを得る。
【0065】
本発明の化学発光を行う代替方法において、保護化ジヒドロキシ化合物を、加水分解酵素と、緩衝液中もしくは固体表面上で、第1のpHを好ましくは5.0−9.5の範囲とし、第1の時間を好ましくは数秒から数分までの範囲として反応させる。次いで、この溶液、もしくは該溶液の測定した一部を、複素環式エノールホスファート化合物および任意でアニオン界面活性持を含む第2の溶液と反応させ、光をピーク強度で測定する、または固定した時間もしくは放射光が消光するまでの時間で光を積算することにより測定する。第2の溶液のpHは、8以上、好ましくは9から10の間であり、典型的には緩衝溶液である。
【0066】
化学発光を産出するこの方法は、大量の試料を同時に処理してまとめて測定するアッセイにおいて有利である。また、この2ステップ方法は、β−ガラクドシダーゼもしくは酸性ホスファターゼなど、酸性から中性のpH(5−8)において、最適の活性を有する加水分解酵素を測定するために有用である。また、そのような化学発光反応もしくはアッセイに組み込ませることができる任意のステップは、全てのさらなる酵素反応を停止させるために、第1の時間後に酵素阻害剤を反応系に添加することである。
【0067】
これら二つの反応方法は、様々な因子と特定の使用もしくは適用によって、選択されることが望ましい。それにも関わらず、両方法は有効である。酸性pHが最適である酵素の場合は、二つの独立したステップにおける反応を、各々、最適のpH、温度、イオン強度、緩衝塩などで行うことが望ましい。
【0068】
複素環式エノールホスファート存在下における加水分解酵素と化合物IIとの反応により化学発光を産出する場合、反応は、通常、温度5℃から50℃、好ましくは20℃から40℃で、pH7から10.5、好ましくは8.5から10の水性緩衝溶液中で行わせる。化合物IIIは、濃度1μMから20mM、好ましくは50μMから5mMの間で用いられる。化合物IIは、濃度1μMから20mM、好ましくは50μMから5mMの間で用いられる。
【0069】
また、アニオン性界面活性剤は、本発明の化学発光反応において用いられる。アニオン性界面活性剤は、ジヒドロキシ芳香族化合物不在下における複素環式エノールホスファートからの化学発光のバックグラウンドを低減する。使用時に、アニオン性界面活性剤は、最終反応溶液中に、0.01から5mg/mL、より好ましくは0.1から2.5mg/mLの間の量で用いられる。アニオン性界面活性剤増強剤は、アルキルサルファートとアルキルスルホナートを含む。界面活性剤の各カテゴリーの代表的な構造のより詳細な一覧を、界面活性剤におけるあらゆる標準的な専門書において見出すことができる。好ましい界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、SDSなどのC10−C20のアルキルスルホナートである。
【0070】
酵素学的化学発光方法の重要な使用は、被検体の存在もしくは被検体量を、化学発光反応によるアッセイ工程において検出するためである。方法は、被検体を含むと推測される試料を本発明の化学発光化合物と加水分解酵素と接触させるステップと、産出した光を質的方法で検出するステップと、定量が所望される場合には産出した光量を被検体量と関係づけるステップを含む。光強度と被検体量との関係は、被検体の既知濃度で検量曲線を構築することによって、容易に識別することができる。化学発光化合物は、典型的には、濃度約10-5Mから約10-2M、好ましくは約10-4Mから10-3Mで用いられる。加水分解酵素は、溶液中で検出する場合、好ましくは約10-9M以下である。
【0071】
本発明の方法によってアッセイできる被検体の複数のカテゴリーがある。これらは、さらなる加水分解酵素の添加が不必要である場合に、加水分解酵素を含む。例えば、加水分解酵素がアルカリホスファターゼである場合、そのような測定は、例えば、患者の肝機能状態の指標として、もしくはある病状のインデックスとして、血清中のアルカリホスファターゼのレベルを測定する場合に使用される。また、前立腺の酸性ホスファターゼの測定も、前立腺腫瘍の臨床的診断のインデックスとして有用である。
【0072】
本発明の化学発光アッセイによる酵素活性の検出および測定は、遺伝子発現アッセイにおいても使用される。β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼおよびアルカリホスファターゼ、特に排出された胎盤において産出されたアイソザイムが、レポーター遺伝子として有用である(J.Alam, J.Cook, Anal.Biochem.188, 245-54(1990))。この種のアッセイにおいて、レポーター酵素を発現する責任遺伝子を、生物の遺伝物質中にプラスミドを介して、プロモーターもしくはエンハンサー配列の近傍にクローニングする。転写活性におけるプロモーターもしくはエンハンサー配列の効果を、レポーター酵素の産出レベルを測定することによって評価する。
【0073】
また、この場合に用いられる被検体は、加水分解酵素阻害剤を含む。阻害剤は、保護化ジヒドロキシ芳香族化合物などの第2の基質と競合することによって可逆的に作用する化合物、並びに酵素を不活化することにより不可逆的に作用する阻害剤を含む。例えば、アルカリホスファターゼ阻害剤は、無機ホスファート、レバミソール、テトラミソールと他のイミダゾ[1,2−b]チアゾール、L−フェニルアラニンおよびL−ホモアルギニンを含み、R.B. McComb, G.N.Bowers, S.Posen , Alkaline Phosphatase, Plenum Press, New York 1979, pp.268-275, 332-334, 394-397, 410-413において同定されている。その他の加水分解酵素阻害剤は、通常、酵素アッセイの分野における当業者に公知である。酵素阻害剤を検出するために本発明の化学発光反応を用いる場合、好適な加水分解酵素を、式IIの化合物と反応させてジヒドロキシ芳香族化合物Iを形成させ、阻害剤基質の存在および不在下で、これを複素環式エノールホスファートIIIと反応させ、結果より阻害剤の存在もしくは量を比較測定する。放射された化学発光の差により、阻害剤の存在が示される。
【0074】
さらに、この場合に使用される被検体は、加水分解酵素で標識できる、もしくは酵素標識特異結合対を介して特異的に検出できる、様々なクラスの生物と生物学的分子を含む。酵素は、直接、標識として、被検体と結合した化合物に取り込まれることができる。あるいは、被検体結合化合物に対する少なくとも一つの酵素標識特異結合基質に、被検体結合化合物を結合させることができる。この形態の典型例は、オリゴヌクレオチドの酵素標識化検出を用いた核酸ハイブリダイゼーションアッセイである。あるいは、被検体結合化合物を、ビオチンなどの少なくとも一つの第2の特異結合基質で標識し、次いで、これをアビジンなど、第2の特異結合基質に対する酵素標識結合対に結合させることができる。
【0075】
1以上の加水分解酵素に抱合できる生物学的分子は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体フラグメント、抗体−DNAキメラ、抗原、ハプテン、タンパク質、レクチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンを含む。また、生物学的分子と接着するための機能を有する、リポソーム、ミセル、小胞、ポリマーなど、加水分解酵素を含む、もしくは取り込む複合体を、本発明の方法において使用することができる。
【0076】
酵素アッセイを行う技術は、公知である。ここに解説として実施例に提示されるガイダンスとともに、試料を調製するための様々な手順、試薬の適切な量と割合、反応時間の設定、検量曲線の構築などは、実験手順の一つとして工夫するために当業者が行う技術範囲内である。
【0077】
反応は、加水分解酵素によって触媒されるので、検出可能な光量を産出するためには、非常に少量の酵素で十分である。 1amol(1x10-18モル)以下の感度が達成されている。そのような少量の加水分解酵素を検出する性能により、本発明の化学発光技術は、酵素結合アッセイを用いた多くのタイプの被検体の分析に適している。 そのような分析およびアッセイでは、分析する試料中における被検体の含有量が少ない、もしくは試料量が限られていることにより、少量の加水分解酵素を検出する性能が要求される。このタイプのアッセイにおいて、アルカリホスファターゼは、特異結合対の一員に抱合される。実施例は、化学発光酵素結合イムノアッセイ、いわゆる酵素免疫結合アッセイもしくはELISAなどである。そのようなアッセイは、一般的に手動型、並びに自動化多重試験イムノアッセイ系で用いられる。典型的なイムノアッセイにおいて、被検体のハプテン、抗原、もしくは抗体を、被検体に対する酵素標識特異結合対もしくは被検体の酵素標識類似体の存在または量を検出することによってアッセイする。様々なアッセイ型と免疫化学ステップを行うためのプロトコールが、当該分野において公知である。これらのアッセイは、概して二つのカテゴリーに属する。競合的アッセイでは、被検体および被検体の類似体、例えば検出可能な標識化被検体分子などとの特異抗体の免疫学的結合が特徴である。サンドウィッチアッセイでは、連続して、もしくは同時に、被検体と二つの抗体(一つは検出可能に標識化)とが結合する。そのように形成された検出可能な酵素標識化結合対は、本発明の化合物と方法によりアッセイすることができる。測定は、当該分野において通常に使用されるビーズ、チューブ、マイクロウェル、マグネット粒子、テスト用細片、膜、およびフィルターなどを含む個体表面もしくは支持物に付着させた酵素標識化種で行うことができる。また、検出可能な酵素標識化種は、溶液中に遊離している、もしくはリポソームなどの構造体に内包されて存在することができ、後者の場合には、リポソームを溶解して検出可能な酵素を遊離するために溶解剤が用いられる。
【0078】
その他の代表的な使用は、ウェスタンブロッティング技術によるタンパク質の検出である。被検体として興味のあるタンパク質を含む試料を、電気泳動して分離する。分離したタンパク質を、毛管現象により、もしくは電場を使って、ブロッティング膜に写す。そのように写したタンパク質を、典型的には、第1の特異抗体と、第1の抗体を認識して結合する第2の酵素標識化抗体とを用いて、検出する。マーカー酵素活性の可視化は、被検体タンパク質の存在を反映する。本発明の方法をウェスタンブロッティングに適用するために、アルカリホスファターゼもしくはβ−ガラクトシダーゼなどの加水分解酵素に抱合させた第2の抗体を用いることができ、酵素基質として式IIの化合物と、化学発光剤として式IIIの化合物を使用した化学発光により、酵素活性を測定することができる。ビオチン化抗体とアビジン−酵素抱合体の使用などのこの技術の変形は、本発明の方法を用いて行うことができるアッセイの範囲内であると見なされる。
【0079】
また、前述の抗原−抗体、ハプテン−抗体もしくは抗体−抗体対に加えて、特異結合対は、相補的なオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、ホルモン受容体、レクチン−炭化水素、IgG−プロテインA、核酸−核酸結合タンパク質および核酸−抗核酸抗体を含むことができる。
【0080】
本発明の検出方法の特に有用な適用は、酵素標識化核酸プローブの使用による核酸の検出である。酵素標識を使用した核酸の分析および化学発光検出の方法、例えば、溶液ハイブリダイゼーションアッセイ、サザンブロッティングにおけるDNA検出、ノーザンブロッティングによるRNA検出、DNA配列決定、DNAフィンガープリンティング、コロニーハイブリダイゼーションおよびプラークリフトが、十分に確立された技術である。酵素標識(例えば、APもしくはβ−gal)は、オリゴヌクレオチドプローブとの直接的な抱合体として、もしくはオリゴヌクレオチドの捕捉体として存在することができ、もしくは当該分野の公知手段を使用した間接的な結合手段を介して取り込まれることができる。間接的な結合手段の実施例として、ハプテン−標識化オリゴヌクレオチドと抗ハプテン抗体−酵素抱合体、またはビオチン化オリゴヌクレオチドとアビジン−酵素抱合体の使用を含む。そのような核酸アッセイは、ブロッティング膜上、または当該分野において公知であるビーズ、チューブ、マイクロウェル、マグネット粒子、テスト用細片などを含む固体表面に付着させたオリゴヌクレオチドを使用した溶液中で行うことができる。
【0081】
他の面において、本発明は、加水分解酵素との反応により化学発光を産出する試薬組成物であって、式IIIの化合物と酸素の存在下において、化学発光を産出する式Iのジヒドロキシ芳香族化合物を産出する式IIの保護化ジヒドロキシ芳香族化合物を含む試薬組成物に関する。試薬組成物は、pH7−10.5の範囲である水性緩衝液、濃度0.001−20mMの式IIの化合物、および濃度0.001−20mMの式IIIの化合物を含む。加水分解酵素との化学発光反応のための製剤は、さらに、酵素活性を増強するもしくは維持するために、マグネシウムもしくは亜鉛などの金属塩を、濃度0.01−10mMで含むことができる。
【0082】
好ましい実施態様において、組成物は、さらにアニオン性界面活性剤を、最終反応溶液中、好ましくは濃度0.01から5mg/mL、より好ましくは0.1から2.5mg/mLの間で含むことができる。
【0083】
加水分解酵素との反応により、1ステップ方法で化学発光を産出するための好ましい試薬組成物は、pH8−10の範囲である水性緩衝液、濃度約0.05−5mMの式IIの保護化ジヒドロキシ芳香族化合物、濃度約0.05−5mMの式IIIcのアクリダンホスファート、および任意で、好ましくは濃度0.1から2.5mg/mLのアニオン性界面活性剤を含む。より好ましい組成物において、式IIの保護化ジヒドロキシ芳香族化合物は、式:
【化48】
(式中、Xは、加水分解酵素によって除去できる基である)
を有する。
【0084】
本発明の様々な局面をより十分に記載するために、化合物、調製方法、使用の組成と方法を記載した以下の実施例を提示する。実施例は、例示するものと見なされ、本発明の範囲を限定しない。
【0085】
(実施例)
1.アクリダン誘導体1の合成
【化49】
【0086】
a.フェニルアクリジン−9−カルボキシラート。
アクリジン−9−カルボン酸(1g、4.1mmol)を、塩化チオニル(5mL)に懸濁し、反応混合物を3時間還流させた。溶媒を減圧下で除去して得た黄色固体を、アルゴン下で、CH2Cl2とピリジン(350μL)に溶解した。この溶液を氷槽で冷却し、CH2Cl2中のフェノール溶液(0.78g、8.2mmol)を滴下した。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物を酢酸エチルに再度溶解し、水で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得て、これをシリカゲル(30%酢酸エチル/ヘキサン)上、クロマトグラフで分離し、黄色固体として純生成物を得た。1H NMR(CDCl3)δ7.35−7.57(m、5H)、7.63−8.37(m、8H)。
【0087】
b.フェニル10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシラート・トリフルオロメタンスルホナート。
フェニルアクリジン−9−カルボキシラート(530mg、1.7mmol)を、アルゴン下、CH2Cl2に溶解し、メチルトリフルオロメタンスルホナート(1mL、8.8mmol)を添加した。溶液を室温で一晩攪拌し、厚い黄色沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、黄色結晶を得た。1H NMR(アセトン−d6)δ5.22(s、3H)、7.47−7.71(m、5H)、8.23−9.07(m、8H)。
【0088】
c.フェニル10−メチルアクリダン−9−カルボキシラート。
フェニル10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシラート・トリフルオロメタンスルホナート(10mg、0.0216mmol)を、無水エタノール(10mL)に懸濁し、この混合物を15分間還流し、透明な溶液を得た。塩化アンモニウム(88mg、1.6mmol)を溶液の一部に加え、次いで亜鉛(108mg、1.6mmol)を加えた。亜鉛の添加により、直ちに溶液の黄色が消えた。無色の溶液を2時間還流した。反応混合液のTLCにより、完全に無極性物質に転化していることが示された。溶液を濾過し、沈殿物をエタノール(3x20mL)で洗浄した。濾過物を濃縮し、オフホワイトの固体を得て、これをCH2Cl2中に再度溶解し、水(2x15mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得て、(30%酢酸エチル:ヘキサン)を使用した分取TLCによって精製した。純生成物を、オフホワイトの固体として得た。1H NMR(CDCl3)δ3.38(s、3H)、5.16(s、1H)、6.89−7.37(m、13H);13C NMR(CDCl3)δ33.29、49.72、112.93、120.19、121.36、125.73、128.67、129.16、129.26、142.37、151.04、170.22。
【0089】
d.9−(フェノキシホスホリルオキシメチリデン)−10−メチル−アクリダン、ビス(シアノエチル)エステル。
三口フラスコを、アルゴンで浄化し、5mLの無水THFとジイソプロピルアミン(0.04mL、0.29mmol)を注入した。フラスコを、ドライアイス−アセトン槽中で冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(0.116mL、0.29mmol)を加えた。20分後、5mLTHF中、ステップ(c)からアクリダンエステル溶液(70mg、0.22mmol)を、この溶液に加え、−78℃で30分間、攪拌を続けた。最終的に、3mLTHF中、POCl3溶液(0.027mL、0.29mmol)とピリジン(0.023mL、0.29mmol)を加え、ドライアイス槽を取り去った。45分後、ピリジン(0.039mL、0.58mmol)と3−ヒドロキシプロピオニトリル(0.094mL、1.16mmol)を加え、一晩攪拌を続けた。次いで、それを濾過し、溶剤を濾過物から除去した。残留物を、分取TLC(80%酢酸エチル/ヘキサン)にかけ、純生成物を得た。1H NMR(CDCl3)δ2.35−2.54(m、4H)、3.47(s、3H)、3.79−3.90(m、2H)、3.98−4.08(m、2H)、6.825−7.45(m、12H)、7.80−7.83(dd、1H);13C NMR(CDCl3)δ19.12、19.24、33.63、62.19、62.49、88.72、92.82、112.40、112.52、115.83、116.07、119.68、120.44、120.71、123.81、126.69、128.03、128.27、128.58、130.09、142.39、143.06、165.73、202.09。
【0090】
e.9−(フェノキシホスホリルオキシメチリデン)−10−メチル−アクリダン、二ナトリウム塩(1)。
50mLアセトン中、ビス(シアノエチル)ホスファート化合物溶液(2.897g、5.77mmol)を、30分間、アルゴンで浄化(purge)した。7.5mL水中、479mg(12mmol)NaOHのアルゴン浄化溶液を滴下し、溶液を一晩攪拌した。形成した沈殿物を濾過し、50mLのアルゴン浄化アセトンで洗浄し、風乾させた。3.473gの(1)を、水分を含んだ白色固体として得た。1H NMR(D2O)δ3.326(s、3H)、6.825−7.45(m、13H)、7.80−7.83(d、1H);13C NMR(D2O)δ32.95、102.86、102.92、112.30、115.85、120.68、121.01、122.35、122.41、122.62、127.48、127.66、128.23、129.66、143.17、143.32、144.66、156.01;31P NMR(D2O)δ0.581(外部標準H3PO4に対して)。
【0091】
2.アクリダン誘導体2の合成
【化50】
【0092】
a.9−(フェニチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチル−アクリダン、ビス(シアノエチル)エステル。
PCT出願WO95/28495号に記載されたように調製したフェニル10−メチルアクリダン−9−チオカリボキシラート(70mg、0.2mmol)を、THF中のLDA溶液(0.24mmol)に添加した。−78℃で30分間攪拌後、4mLTHF中のPOCl3(25μL)とピリジン(21μL)溶液を添加した。ドライアイス槽を取り去り、30分間持続して攪拌した。TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)により、出発物質が完全に反応したことが示された。溶液を氷槽で冷却し、4mLTHF中のピリジン(210μL)および3−ヒドロキシプロピオニトリル(44μL)と反応させた。室温で一晩攪拌後、沈殿したピリジン−HClを濾過除去し、反応溶液を減圧乾燥させた。残留物を分取TLC(酢酸エチル)にかけ、生成物を単離した;1H NMR(CDCl3)δ2.4−2.6(m、4H)、3.521(s、3H)、3.8−4(m、2H)、4.0−4.1(m、2H)、6.9−7.2(m、4H)、7.22−7.5(m、7H)、7.55−8(dd、2H)。
【0093】
b.9−(フェニルチオホスホリルオキシメチリジン)−10−メチル−アクリダン、二ナトリウム塩(5)。
50mlアセトン中、ビス(シアノエチル)ホスファート化合物(0.59g、1.21mmol)を、アルゴンで30分間浄化した。10mL水中のNaOH104mg(2.6mmol)のアルゴン浄化溶液を滴下し、溶液をアルゴン下で一晩攪拌した。形成した沈殿物を、吸引濾過し、50mLのアルゴン浄化アセトンで洗浄し、風乾した。少量のアセトンを含む淡黄色の固体として0.5gの5を得た。1H NMR(D2O)δ3.36(s、3H)、6.9−7.4(m、11H)、7.75−7.8(d、1H)、8.2−8.22(d、1H);31P NMR(D2O)δ1.85。
【0094】
実施例3.アクリダン誘導体3の合成。
【化51】
【0095】
a.4’−クロロフェニル・アクリジン−9−チオカルボキシラート。
クロロ−チオフェノール(4.75g)と7.22gのアクリジン−9−カルボニルクロライドを、100mlのCH2Cl2中に溶解し、次いで12.1mLのピリジンに溶解させた。反応混合物は、橙褐色になった。混合物を、アルゴン下、一晩室温で攪拌した。溶媒を乾燥後、固体を、100mLのヘキサンで洗浄、濾過し、さらに100mLのヘキサンで洗浄、濾過し、次いで、500mLの水で洗浄、濾過し、風乾させた。淡茶黄色のチオエステル(8.71g)を得た。1H NMR(CDCl3)δ7.47−7.50(m、2H)、7.58−7.67(m、4H)、7.81−7.86(m、2H)、8.12(d、2H)、8.29(d、2H)。
【0096】
b.4’−クロロフェニルアクリダン−9−チオカルボキシラート。
4’−クロロフェニルアクリジン−9−チオカルボキシラート(2.0g)を、CH2Cl2(25mL)中に溶解した。溶液をアルゴンで浄化し、次いで3.72gの亜鉛粉末を添加し、次いで0.45mLの酢酸を添加した。TLCにより、出発物質が20分で消費されたことが示された。混合物を濾過し、固体を、CH2Cl2で洗浄した。複合化CH2Cl2溶液を水(3x50mL)で洗浄し、乾燥させた。少量の生成物を分取TLCによって、特性分析用に精製した。残りの生成物は、さらなる精製を行わずに使用した。1H NMR(CDCl3)δ5.22(s、1H)、6.28(s、1H)、6.79−7.31(m、12H)。
【0097】
c.4’−クロロフェニル10−メチルアクリダン−9−チオカルボキシラート。
4’−クロロフェニルアクリダン−9−チオカルボキシラート(2.0g)をCH2Cl2(30mL)中に、アルゴン下、溶解させ、メチルトリフラート(6.5g)を添加し、一晩攪拌した。褐色溶液を乾燥させ、粗生成物を、30%酢酸エチル/ヘキサンを使用したカラムクロマトグラフィーによって精製した。それによって、純生成物(1.8g)を得た。1H NMR(CDCl3)δ3.47(s、3H)、5.09(s、1H)、7.02−7.39(m、12H)。
【0098】
d.9−(4−クロロフェニルチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチルアクリダン、ビス(シアノエチル)エステル。
10mL無水THF中、4−クロロフェニル10−メチルアクリダン−9−チオカルボキシラート(0.70g)を、THF中のLDA溶液(1.4eq)に、−78Cで滴下した。−78Cで60分間攪拌後、黄色溶液を、4mLのTHF中、POCl3(0.517g)とピリジン(1.52mL)溶液で、ゆっくりと処理した。30分後にドライアイス槽を取り去り、1時間攪拌を続けた。溶液は黄色くなり、沈殿物を形成した。
【0099】
混合物を氷槽中で冷却し、3−ヒドロキシプロピオニトリル(0.89g)と1.0mLピリジンで処理した。添加終了後、氷槽を取り去った。室温で一晩攪拌後、沈殿したピリジン−HClを濾過除去し、THFで洗浄した。複合化濾過物を減圧乾燥し、得られた褐色物質を酢酸エチルに溶解し、4x25mLの水で洗浄した。酢酸エチル溶液を乾燥させ、濃縮した。残留物を、80−100%酢酸エチル/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによって分離し、0.325gの生成物を単離した;1H NMR(CDCl3)δ2.48−2.64(m、4H)、3.53(s、3H)、3.86−4.16(m、42H)、6.94−7.94(m、12H);31P NMR(D2O)δ9.48(p)。
【0100】
e.9−(4−クロロフェニルチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチルアクリダン、二ナトリウム塩(3)。
10mLアセトン中、ビス(シアノエチル)ホスファート化合物(0.325g)溶液をアルゴンで浄化した。2.5MNaOH溶液(473μL)を添加し、さらに500μLの水を添加した。溶液をアルゴン下、一晩攪拌した。形成された沈殿物を、吸引濾過し、風乾した。元溶液には、モノ(シアノエチル)保護化化合物(140mg)が含まれていることが見出された。NaOHの再脱保護化を繰り返すことによって、二ナトリウム塩の第2の生成物を得た。1H NMR(D2O)δ3.35(s、3H)、6.92−7.36(m、10H)、7.78(d、1H)、8.20(d、1H);31P NMR(D2O)δ1.22s。
【0101】
実施例4.アクリダン誘導体4の合成。
【化52】
【0102】
a.ナフチルアクリジン−9−チオカルボキシラート。
2−ナフタル−エネチオール(48.81g)と、65.17gのアクリジン−9−カルボン酸から調製したアクリジン−9−カルボニルクロライドを、100mLのCH2Cl2に溶解し、次いで、120mLのピリジンを添加した。混合物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。溶媒を乾燥後、固体を500mLヘキサンで洗浄、濾過し、さらに500mLヘキサンで洗浄、濾過し、次いで、600mL水で洗浄、濾過し、一晩風乾させた。チオエステルを、1500mlのCH2Cl2に溶解し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧乾燥させた。褐色固体としてチオエステル(94.67g)を得た。1H NMR(CDCl3)δ7.54−8.00(m、11H)、8.17−8.31(m、4H)。
【0103】
b.ナフチル10−メチルアクリジニウム−9−チオカルボキシラート・トリフラート。
ナフチルアクリジン−9−チオカルボキシラート(26.38g)を、CH2Cl2(200mL)に懸濁した。メチルトリフルオロメタンスルホナート(24.5ml)を添加し、混合物を一晩攪拌した。混合物を濾過し、固体を、CH2Cl2(300ml)とヘキサン(500ml)で洗浄した。風乾後、黄色固体として生成物(28.83g)を得た。1H NMR(アセトン−d6)δ5.20(s、3H)、7.66−7.75(m、2H)、7.88−7.92(m、1H)、8.03−8.09(m、2H)、8.15(d、1H)、8.26(t、2H)、8.48(s、1H)、8.61−8.68(m、2H)、8.80(d、2H)、9.03(d、2H)。
【0104】
c.ナフチル10−メチルアクリダン−9−チオカルボキシラート。
ナフチル10−メチルアクリジニウム−9−チオカルボキシラート・トリフラート(65.50g)を、CH2Cl2(1000mL)に、アルゴン下、懸濁し、氷酢酸(21.2ml)と亜鉛(40.43g)を添加した。一晩攪拌後、TLCにより、出発物質が消失し、新しい生成物の形成が示された。反応混合物を、シリカゲル吸着床に濾過し、CH2Cl2を減圧除去した。得られた淡黄色固体を、イソプロパノール(500ml)中で攪拌し、濾過し、さらにイソプロパノール500mlで洗浄し、風乾した。これによって、純生成物(46.36g)を得た。1H NMR(CDCl3)δ3.47(s、3H)、5.13(s、1H)、7.00−7.06(m、4H)、7.25−7.49(m、7H)、7.70−7.79(m、4H)。
【0105】
d.9−(ナフチルチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチル−アクリダン、ビス(シアノエチル)エステル。
600mL無水THF中のナフチル10−メチルアクリダン−9−チオカルボキシラート(17.32g)を、THF中のLDA溶液(1.25eq.)に、−78Cで滴下した。−78Cで90分間攪拌後、橙褐色溶液を、150mLTHF中のPOCl3(20.80g)とピリジン(50mL)溶液で、穏やかに処理した。ドライアイス槽を60分後に取り去り、攪拌を1時間続けた。溶液は褐色になり、沈殿物を形成した。
【0106】
混合物を、3−ヒドロキシプロピオニトリル(27.8ml)で処理した。室温で一晩攪拌後、沈殿したピリジン−HClを濾過除去し、THFで洗浄した。複合化濾過物を減圧乾燥し、得られた褐色の油脂を、50−100%酢酸エチル−ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーで分離し、生成物を単離した。黄色の油脂を、CH2Cl2(300ml)に溶解し、水(450ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧乾燥させた。これにより、黄色固体として生成物(17.76g)を得た。1H NMR(CDCl3)δ2.33−2.53(m、4H)、3.53(s、3H)、3.82−4.06(m、4H)、6.93(t、1H)、7.03(d、1H)、7.10−7.18(m、2H)、7.25−7.55(m、5H)、7.79−7.92(m、5H)、7.79−7.92(m、5H)、8.02(d、1H);31P NMR(CDCl3)δ−9.69(p)(外部標準H3PO4に対して)。
【0107】
e.9−(ナフチルチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチル−アクリダン、二ナトリウム塩(4)。
200mLアセトン中のビス(シアノエチル)ホスファート化合物(17.28g)を、アルゴンで浄化した。50ml水中のNaOH(2.76g)溶液を添加し、該溶液を、アルゴン下、一晩攪拌した。形成された沈殿物をアセトン中20%水(300mL)で吸引濾過洗浄し、減圧乾燥させた。淡黄色の固体として、生成物(15.07g)を得た。1H NMR(D2O)δ3.22(s、3H)、6.67(d、1H)、6.87(t、1H)、7.01(t、1H)、7.08−7.15(m、2H)、7.23(d、1H)、7.31−44(m、3H)、7.51(s、1H)、7.59(d、2H)、7.73(d、1H)、7.86(d、1H);31P NMR(D2O)δ1.30(s)。
【0108】
実施例5.付加的に調製したさらなる複素環式エノールホスファート。
また、以下の式IVの化合物を調製し、本発明の化学発光反応に用いた。
【化53】
【0109】
R11−R16は、示さない限りHである。化合物6−8は、二重結合異性体の混合物として得られた。化合物5−14の各々は、実施例1−4に記載された一般的な合成方法により調製した。さらに、式:
【化54】
[式中、Vは、t−ブチル、CH3、OCH3、F、Cl、Br、I、COCH3、CNおよびNO2、ならびに式:
【化55】
(式中、Uは、p−I、p−CH3、m−OCH3、o−Cl、m−Cl、o−Br、m−Br、p−Brおよびp−NO2、並びにこの式で3,4−ジクロロ−、2,5−ジクロロ−、および2,6−ジクロロフェニル基を有する化合物)の化合物である]
の化合物を調製し、ジヒドロキシ芳香族化合物との反応時に化学発光を産出させる。
【0110】
実施例6.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の4−ヒドロキシフェニルホスファート、二ナトリウム塩の調製。
ヒドロキノンを、0℃でCH2Cl2中、塩化ベンゾイルとピリジンとの反応により、収量62%で、一安息香酸エステルとして産出した。ジクロロホスファート誘導体を、10当量の3−ヒドロキシプロピオニトリルと反応させて、ビス(シアノエチルホスファート)を89%収量で産出した。シアノエチルとベンゾイル保護基を、室温で一晩、水性NaOH/アセトンで加水分解した。沈殿した生成物をメタノールに溶解し、アセトンで沈殿させて、二ナトリウム塩として、4−ヒドロキシフェニルホスファートを産出した。1H NMR(D2O)δ6.56(d、1H)、6.92(t、1H)。
【0111】
実施例7.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の2−ヒドロキシフェニルホスファート、二ナトリウム塩。
カテコールを、0℃でCH2Cl2中、塩化ベンゾイルとピリジンとの反応により、収量62%で、一安息香酸エステルとして保護化した。エステルを、0℃で、CH2Cl2中、過剰量のPOCl3とピリジンで、リン酸化した。ジクロロホスファート誘導体を、10当量の3−ヒドロキシプロピオニトリルと反応させて、ビス(シアノエチルホスファート)を、収量90%で産出した。シアノエチルとベンゾイル保護基を、室温で一晩、水性NaOH/アセトンで加水分解した。沈殿した生成物をメタノールに溶解し、アセトンで沈殿させて、固体を再びメタノールで洗浄し、二ナトリウム塩として、2−ヒドロキシフェニルホスファートを産出した。1H NMR(D2O)δ6.56−6.61(m、1H)、6.68−6.71(d、1H)、6.82−6.87(m、1H)、7.19−7.22(d、1H)。
【0112】
実施例8.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルホスファート、二ナトリウム塩の調製。
2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノンを、室温で一晩、DMF中、t−ブチルジメチルシリルクロライドとイミダゾールとの反応により、収量46%で、モノ(t−ブチルジメチルシリル)エーテルとして保護化した。クロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製後、シリルエーテルを、0℃で、ピリジン中、過剰量のPOCl3でリン酸化した。ジクロロホスファート誘導体を、10当量の3−ヒドロキシプロピオニトリルと反応させて、ビス(シアノエチルホスファート)誘導体を産出し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、75−100%酢酸エチル)にかけた後、収量55%で脱シリル化した。シアノエチル保護基を、室温で2日間、水性NaOH/アセトンで加水分解した。沈殿した生成物をメタノールに溶解し、アセトンで沈殿させて、二ナトリウム塩を産出した。31P NMR(CD3OD)δ4.244;19F NMR(CD3OD)δ−169.02(d、2F)、−161.16(d、2F)。
【0113】
実施例9.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物2−および3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルホスファート、二ナトリウム塩の調製。
2−クロロヒドロキノン、20g(Aldrich, Milwaukee, Winsconsin)を、350mLの暖めた10%酢酸エチル/CH2Cl2中に溶解して、再結晶させ、濾過し、1.5Lのヘキサンを添加した。一晩、4℃に冷却した後、11gのオフホワイトの固体を回収した。精製した2−クロロヒドロキノンを、氷温で、CH2Cl2中の塩化アセチル/ピリジンでモノアセチル化し、異性体のモノアセタートとジアセタートとの混合物を産出した。混合物を、0℃で、ピリジン中、過剰量のPOCl3でリン酸化した。反応生成物を、過剰量の2−シアノエタノールと反応させ、異性体のビス(シアノエチルホスファート)誘導体の4:1混合物を産出し、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)によって、ジアセタートから単離した。アセタートとシアノエチル保護基を、0℃で19時間、水性NaOH/アセトン(NaOH3eq.)で加水分解した。沈殿した生成物をメタノールに溶解し、アセトンで沈殿させて、異性体の二ナトリウムリン酸塩を産出した。1H NMR(D2D)δ6.56−7.19(m、3H);31P NMR(D2O)δ1.36、1.39。
【0114】
実施例10.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の4−ヒドロキシフェニルβ−D−ガラクトピラノシドの調製。
ヒドロキノンを、エタノール/水性NaOH中、α−ブロモガラクトーステトラアセタート(1.5eq.)と、室温で2日間、遮光した容器中で反応させた。エトキシドナトリウム(5eq.)を添加し、溶液を1時間後に濃縮した。残留物を、水と酢酸エチルとの間で分配した。水層を乾燥し、生成物をシリカ上のクロマトグラフィー(30%メタノール/CH2Cl2)で精製した。1H NMR(CD3OD)δ3.57−3.88(m、6H)、4.68(d、1H)、6.68(d、2H)、6.96(d、2H)。
【0115】
実施例11.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の4−ヒドロキシフェニルβ−D−グルクロニドの調製。
ヒドロキノン(10g)を、CH2Cl2中、塩化ベンゾイルとピリジンとの反応により、一安息香酸エステルに転化させた。7gのエステルを得た。1H NMR(CDCl3)δ4.880(s、1H)、6.87(d、2H)、7.08(d、2H)、7.52(t、2H)、7.64(t、1H)、8.20(d、2H)。
【0116】
後者(200mg)を、アセトン中の水性NaOHで脱プロトンし、無水エタノール中のエチルα−D−ブロモグルクロナートと反応させることによって、β−グルクロニドエチルエステル誘導体に転化させた。分取TLCによる精製により、50mgの二重保護化化合物を産出した。1H NMR(CD3OD)δ1.290(t、3H)、3.601−3.780(m、3H)、4.146−4.258(m、3H)、4.64(br s、1H)、4.86(br s、1H)、5.192(d、1H)、7.187−7.285(m、4H)、7.635(t、2H)、7.767(t、1H)、8.208(d、2H)。
【0117】
後者化合物の50mg試料を、アセトン中水性NaOHで加水分解し、安息香酸エステルとエチルエステル基を加水分解した。沈殿した生成物(16mg)を濾過して乾燥した。1H NMR(CD3OD)δ3.4−3.5(m、3H)、3.64(d、1H)、4.65(d、1H)、6.53(d、2H)、6.87(d、2H)。
【0118】
実施例12.ジヒドロキシ芳香族化合物の評価。
複数のジヒドロキシ芳香族化合物をスクリーニングし、1の化学発光反応の誘導における全般的な効果を測定した。テスト化合物の保存溶液(エタノール/10%DMSOもしくはDMSO中、2x10-4M)を調製した。5μLの各試料を、96ウェルマイクロプレートに分注した。0.2M2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール緩衝液、pH9.6、0.88mMMg2+および0.1%SDS中に、0.66mM化合物1を含む溶液95μLを、各ウェルに添加した。全てのウェルで、光強度を30分間スキャンした。各テストウェルに対して、最大強度と最大になるまでの時間を測定した。
【0119】
【0120】
実施例13.化学発光強度の速度推移
アクリダンホスファート1とヒドロキノン(DHA−2)を含む組成物からの化学発光の速やかな産出を図1に示す。反応混合物は、0.88mMMgCl2を含む2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール(221)緩衝液、0.2M、pH9.6中に、0.66mMアクリダンホスファート(1)と4μMヒドロキノンを含んでいた。
【0121】
実施例14.アクリダンホスファート2とDHA−1の化学発光の検出。
以下の実施例では、ジヒドロキシ芳香族化合物との化学発光反応の使用によって、微量の複素環式エノールホスファート化合物を検出するための性能を例示する。
【0122】
3つの白色マイクロウェルの各々に、0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.1%SDS中のアクリダンホスファート2溶液(6.6x10-11から6.6x10-17molの間で含有する希釈液)100μLを分注した。水中、2−クロロヒドロキノン(DHA−1)の0.01mM溶液100μLを各ウェルに分注し、光強度を2.5分で測定した。図2に示す結果より、光強度は、試験した全範囲に亘って、ホスファート化合物の量と正の相関関係であった。
【0123】
本実施例では、連結可能基で適切に官能基化された誘導体が、特異結合アッセイにおける単一生成標識として機能し得るのに十分な低濃度で、複素環式エノールホスファートを検出し得ることを実証した。
【0124】
実施例15.アルカリホスファターゼの化学発光を検出するための試薬。
アルカリホスファターゼの化学発光を検出するために有効な試薬組成物は、0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.33mMアクリダンホスファート1、および1mM4−ヒドロキシフェニルホスファートを含んでいた。上記組成物100μLを、8x10-17molのAPと、Turner TD−20eルミノメーターに設置したテストチューブ中、25℃で反応させることにより、容易に測定できる青色の化学発光を産出した。典型的な反応の時間推移を図3に示す。
【0125】
実施例16.その他の複素環式エノールホスファート化合物の化学発光の検出。
前記実施例と同様にして、化合物1の代わりに、各アクリダンホスファート2−4を含む組成物を、APと、25℃で反応させた。各々、AP不在下でのバックグラウンドを越えて識別でき、容易に測定できる化学発光を産出した。
【0126】
実施例17.保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の濃度の効果。
加水分解酵素の化学発光アッセイにおいて有用である、保護化ジヒドロキシ芳香族化合物の濃度範囲を、測定するために実験を行った。0から10mMまでの範囲の濃度の4−ヒドロキシフェニルホスファート(mg/mLで:a、1;b、3.3;c、0.66;d、0.83;e、10;f、0.1;g、0)を含む0.2M221緩衝液、pH9.6中、0.33mMアクリダンホスファート1溶液と0.88mMMgCl2を含む試薬を、8x10-17molのAPと、25℃で反応させた。図4に、化学発光放射の様々な速度推移を示す。4−ヒドロキシフェニルホスファートを欠く溶液は、ほとんど化学発光を産出しなかったことから、光の放射が、単に、エノラートの自動酸化を生じる、APによる1からのホスファート保護基の除去によるものではないことが明らかである。
【0127】
実施例18.1ステップアッセイにおけるアクリダンホスファートとAPの検出直線性。
様々な量のAPを、0.2M221緩衝液、pH9.6中、0.66mMアクリダンホスファート1、0.66mM4−ヒドロキシフェニルホスファートおよび0.88mMMgCl2を含む試薬組成物100μLと、25℃で、Labsystems Luminoskanルミノメーターに設置した96ウェルプレート中で、反応させることによって、APの化学発光アッセイを行った。図5に示すように、25分で測定した光強度が、8x10-17から8x10-20モル範囲の酵素量に相関した。
【0128】
実施例19.β−ガラクトシダーゼの化学発光の検出。
β−ガラクトシダーゼ(Grade VIII、カタログ番号.G5635、Sigma Chemical社)の保存溶液を、0.01Mリン酸緩衝液、pH7.0、0.01MNaCl、0.01MMgCl2中に、4.9x10-15から1.6x10-18モル酵素/μLまでを含むように段階希釈した。0.05Mリン酸緩衝液、pH7.5、0.01MNaCl、3mMMgCl2中、1mMの4−ヒドロキシフェニル−β−D−ガラクトシド130μLを、各酵素希釈液2.6μLと共に、37℃で35分間インキュベーションした。50μLずつ、黒色マイクロウェル2連に分注し、室温まで冷却した。以下の組成:0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.66mMアクリダンホスファート3および0.1%SDSを有するアクリダンホスファート3溶液50μLを、各ウェルに分注した。ウェルにおけるβ−ガラクトシダーゼ酵素量は、4.9x10-15から1.6x10-18モルまでの範囲であった。β−ガラクトシダーゼ量に関連して、5分で測定した化学発光強度を、図6に示す。
【0129】
実施例20.β−グルクロニダーゼの化学発光の検出。
β−グルクロニダーゼ(タイプX−A、カタログ番号.G7896、Sigma Chemical社、MW=290,000)保存液を、0.01Mリン酸緩衝液、pH7.0、0.15MNaCl中に、3.3x10-14から3.3x10-18モル酵素/μLを含むように段階希釈した。0.05Mリン酸緩衝液、pH7.0、0.01MNaCl中、1mMの4−ヒドロキシフェニル−β−D−グルクロニド130μLを、各酵素希釈液2.6μLと共に、37℃で30分間インキュベーションした。50μLずつ、黒色マイクロウェル2連に分注し、室温まで冷却した。以下の組成:0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.66mMアクリダンホスファート4および0.1%SDSを有するアクリダンホスファート4溶液50μLを、各ウェルに注入した。β−グルクロニダーゼ量に相関して11分で測定した化学発光強度を、図7に示す。
【0130】
実施例21.アルカリホスファターゼ−抱合体を使用したウェスタンブロットアッセイ。
本発明の組成物を、ウェスタンブロットにおいて、タンパク質抗原、β−ガラクトシダーゼを、ニトロセルロース膜上で、AP標識化抗体により、検出、定量するために使用した。タンパク質を5000、1000、180、30、および5pgずつ含むβ−ガラクトシダーゼ希釈液を、各々、電気泳動し、ニトロセルロース膜(Hybond ECL、Amersham、Arlington Heights、Illinois)に写した。膜を、T−TBS(TBS中、0.05%Tween20;TBSは50mmol/LTris−HCl、pH7.4、0.15mol/LNaClである)中、1%無脂肪ミルク(NFM)で、室温、1時間、ブロッキングし、次いで、ブロッキング緩衝液中のマウス抗−β−ガラクトシダーゼ溶液3.3μg/mLの1:1500希釈液、T−TBS洗浄用緩衝液、および次いで、ヒツジ抗マウスIgG−AP抱合体溶液416U/mLの1:600希釈液で、段階的に処理した。T−TBSで洗浄後、膜を、0.88mMMgCl2、0.66mMヒドロキノンホスファート二ナトリウム塩、0.66mMアクリダンホスファート3および0.1%SDSを含む0.2M221緩衝液、pH9.6を含む検出用試薬にしばらく浸した。膜を、透明なプラスチックシートの間にはさみ、X線フィルムに露光した。β−ガラクトシダーゼの5本のバンド全てを、15分後に、1分露光して検出した。これらの組成物を使用して産出した光によって、少なくとも1日で現像できる強い放射がもたらされた。
【0131】
実施例22.ドットブロットアッセイ。
ドットブロットアッセイにおいて、本発明の試薬の使用の代表液な実施例を、以下の実施例において明らかにする。
【0132】
ジゴキシゲニン−標識化DNA(pBR328)、抗−ジゴキシゲニン−AP抱合体を、キット(Genius 3, Boehringer-Mannheim, Indianapolis, Indiana)として入手し、ブロッキング用緩衝液と陽性に荷電したナイロン膜を、Boehringer-Mannheimkaraetaから得た。洗浄用緩衝液は、0.1Mマレイン酸、pH7.5、0.15MNaCl、0.05%SDSであった。検出用試薬は、0.2M221緩衝液、pH9.6中、0.66mMアクリダンホスファート2、0.66mM4−ヒドロキシフェニルホスファート、0.88mMMgCl2、0.1%SDSを含んだ。
【0133】
DNA希釈液(10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01pg)を、製造元のプロトコールに従って、ナイロン膜上にドットブロットし、ブロッキングし、洗浄し、抗体−AP抱合体と反応させた。過剰量の緩衝液を排出除去し、ブロットを上記検出用試薬中に、3分間浸した。過剰量の試薬を排出除去し、ブロットを透明のシートにはさみ、様々な長さの時間で、X線フィルムに露光した。即時1分の露光により、10pg−0.3pgのスポットを検出した。30分後、全7つのスポットを、20分間の露光で検出した。数日間で多重露光を行うことができた。例えば、5日後、全7つのスポットを、1−5分の露光で検出することができた。0.66mMアクリダンホスファート3、もしくは0.66mM2−および3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルホスファートの混合溶液を含む検出用試薬によっても、同様の結果が得られた。
【0134】
実施の形態および実施例は、例示するものに過ぎず、限定するものとしてはみなされない。明確に開示されていない特別の化合物と方法の変形を、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の精神と範囲から逸脱することなく、行うことができると認識される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、室温でのアクリダンホスファート1とヒドロキノンとの反応によって速やかに生じた化学発光を示すプロットである。反応混合物は、0.66mMアクリダンホスファート1と4μMのヒドロキノンを、0.88mMMgCl2を含有する0.2Mの2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール(221)緩衝液、pH9.6、中に含む。
【図2】 図2は、化学発光強度とアクリダンホスファート2の量との関係を示したグラフである。0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.1%SDS中、様々な量のアクリダンホスファート2(6.6x10-22から6.6x10-17モルまでを含むように希釈されたもの)からなる組成剤100μLを、100μLの2−クロロヒドロキノン(DHA−1)の0.01mM水溶液と反応させることによって放射した化学発光を、2.5分で測定した。
【図3】 図3は、0.1M221緩衝液、pH9.6中に、0.33mMアクリダンホスファート1溶液と1mm4−ヒドロキシルフェニルホスファートとからなる剤100μLに、25℃で、8x10-17モルのアルカリホスファターゼ(AP)を添加してトリガーさせることによって、放射した化学発光強度の時間推移を示すプロットである。
【図4】 図4は、4−ヒドロキシルフェニルホスファートの濃縮機能としての化学発光放射の時間推移を示すプロットである。様々な濃度の4−ヒドロキシルフェニルホスファート(mg/mLで、a、1;b、3.3、;c、0.66;d、0.83;e、10;f、0.1;g、0)を含む0.2M221緩衝液、pH9.6中、0.33mMアクリダンホスファート1溶液と0.88mMMgCl2からなる組成剤を、8x10-17モルのAPと、25℃で反応させた。
【図5】 図5は、0.2M221緩衝液、pH9.6中に、0.66mMアクリダンホスファート1、0.66mM4−ヒドロキシルフェニルホスファートおよび0.88mMMgCl2を含む組成剤100μLによって放射された化学発光の強度と、APの量との関係を示したグラフである。上記組成(100μL)は、8x10-15から8x10-20モルの間の酵素を含むAP溶液10μL、またはブランク剤としての水10μLと、上記温度で、黒色のマイクロプレートのウェル中で反応させた。光強度を25分後に測定した。0.1amol未満のAPが検出された。
【図6】 図6は、β−ガラクトシダーゼの量と化学発光強度との関係を示したグラフである。0.05Mリン酸緩衝液、pH7.5、0.01MNaCl、3mMMgCl2中の4−ヒドロキシフェニルβ−ガラクトシド(1mM)溶液を、β−ガラクトシダーゼ希釈液と共に、37℃で35分間インキュベーションした。一部を、以下の組成:0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.66mMアクリダンホスファート3溶液および0.1%SDSを有するアクリダンホスファート3溶液の等量と反応させた。ウェル中の酵素量を、β−ガラクドシダーゼの4.9x10-15から1.6x10-18モルまでの範囲とした。化学発光強度を5分で測定した。
【図7】 図7は、β−グルクロニダーゼの量と化学発光強度との関係を示したグラフである。0.05Mリン酸緩衝液、pH7.0、0.01MNaCl中、4−ヒドロキシルフェニルβ−グルクロニド(1mM)溶液を、β−グルクロニダーゼ希釈液と、37℃で30分間インキュベーションした。一部を、以下の組成:0.2M221緩衝液、pH9.6、0.88mMMgCl2、0.66mMアクリダンホスファート4溶液および0.1%SDSを有するアクリダンホスファート4溶液の等量と反応させた。ウェル中の酵素量を、β−グルクロニダーゼの3.3x10-14から3.3x10-18モルまでの範囲とした。化学発光強度を11分で測定した。
【図8】 図8は、0.2M221緩衝液、pH9.6中に、0.66mMアクリダンホスファート4、0.66mM4−ヒドロキシフェニルホスファート、0.1%SDS、および0.88mMMgCl2を含む組成剤を用いたDNA希釈液のドットブロット解析の画像である。画像は、膜と検出用剤と接触させた36時間後に1分間露光した結果である。
Claims (65)
- a)炭素環式芳香環を1から5個含み、環の偶数個の炭素原子で隔てられた二つのヒドロキシ基で置換されているジヒドロキシ芳香族化合物;およびb)式
を有する複素環式エノールホスファート化合物、を、酸素存在下で、反応させることを含む化学発光を産出する方法。 - 該ジヒドロキシ芳香族化合物が、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、およびアントラセン環から選択される芳香環式系を含む請求項1に記載の方法。
- 該ジヒドロキシ芳香族化合物が、式I
を有する請求項1に記載の方法。 - 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R1、R2、R4およびR5が、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から各々独立して選択される、請求項3に記載の方法。
- 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R2、R4およびR5が各々水素であり、R1が水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項3に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物における基R19が、置換化および無置換化低級アルキル基と置換化および無置換化ベンジル基から選択される、請求項1に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項1に記載の方法。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項5に記載の方法。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 複素環式エノールホスファート化合物が、基−A−Qを含む、請求項1に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、R10もしくはR19もしくはR11−R18のいずれか一つの位置における置換基として、基−A−Qを含む請求項7に記載の方法。
- ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物を含む溶液中に、酸素が外気と平衡状態で溶解して供給される、請求項1に記載の方法。
- ジヒドロキシ芳香族化合物と複素環式エノールホスファート化合物が、pH7から10.5までの水性緩衝液を含む溶液中に存在し、ジヒドロキシ芳香族化合物が濃度0.001−20mMで存在し、複素環式エノールホスファート化合物が濃度0.001−20mMで存在する、請求項1に記載の方法。
- a)炭素環式芳香環を1から5個含み、環の偶数個の炭素原子で隔てられた二つのヒドロキシ基で置換されているジヒドロキシ芳香族化合物;およびb)式
を有する複素環式エノールホスファート化合物、を含む、酸素存在下で化学発光を産出するための組成物。 - 該ジヒドロキシ芳香族化合物が、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、およびアントラセン環から選択される芳香環式系を含む請求項15に記載の組成物。
- 該ジヒドロキシ芳香族化合物が、式I
を有する請求項15に記載の組成物。 - 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R1、R2、R4およびR5が、各々、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項17に記載の組成物。
- 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R2、R4およびR5が各々水素であり、R1が水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項17に記載の組成物。
- 複素環式エノールホスファート化合物における基R19が、置換化および無置換化低級アルキル基と置換化および無置換化ベンジル基から選択される、請求項15に記載の組成物。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項15に記載の組成物。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項19に記載の組成物。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 複素環式エノールホスファート化合物が、基−A−Qを含む、請求項15に記載の組成物。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、R10もしくはR19もしくはR11−R18のいずれか一つの位置における置換基として、基−A−Qを含む請求項25に記載の組成物。
- 濃度0.001−20mMのジヒドロキシ芳香族化合物と、濃度0.001−20mMの複素環式エノールホスファート化合物を含有するpH7から10.5までの範囲の水性緩衝液を含む請求項15に記載の組成物。
- pHが8−10の範囲であり、濃度0.05−5mMのジヒドロキシ芳香族化合物と、濃度0.05−5mMの複素環式エノールホスファート化合物を含有する請求項27に記載の組成物。
- さらに、ジヒドロキシ芳香族化合物の一つのヒドロキシ基が酵素切断可能基Xによって保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物を、酵素切断可能基を除去するために加水分解酵素と反応させることによって、ジヒドロキシ芳香族化合物を産出することを含む、請求項1に記載の方法。
- 加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物との反応が、複素環式エノールホスファート不在下で行われる、請求項29に記載の方法。
- 加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物との反応が、複素環式エノールホスファート存在下で行われる、請求項29に記載の方法。
- 加水分解酵素が、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼおよびβ−グルコシダーゼから選択され、酵素切断可能基が、ホスファート、β−ガラクトシド、β−グルクロニドおよびβ−グルコシド基から選択される、請求項29に記載の方法。
- 保護化ジヒドロキシ芳香族化合物が、式
を有する、請求項29に記載の方法。 - 基R3がOX基であり、R2、R4およびR5が各々水素であり、R1が水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項33に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項29に記載の方法。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、
- a)炭素環式芳香環を1から5個含み、環の偶数個の炭素原子で隔てられた二つのヒドロキシ基で置換されていて、一つのヒドロキシ基が酵素切断可能基Xによって保護されている、保護化ジヒドロキシ芳香族化合物;およびb)式
を有する複素環式エノールホスファート化合物、を含み、加水分解酵素との反応により酸素存在下で化学発光を産出するための組成物。 - 該ジヒドロキシ芳香族化合物が、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、およびアントラセン環から選択される芳香環式系を含む請求項37に記載の組成物。
- 該保護化ジヒドロキシ芳香族化合物が、式I
を有する請求項37に記載の組成物。 - 式Iの化合物における基R3がOX基であり、R1、R2、R4およびR5が、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から独立して選択される、請求項39に記載の組成物。
- 式Iの化合物における基R3がOX基であり、R2、R4およびR5が各々水素であり、R1が水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項39に記載の組成物。
- 複素環式エノールホスファート化合物における基R19が、置換化および無置換化低級アルキル基と置換化および無置換化ベンジル基から選択される、請求項37に記載の組成物。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項37に記載の組成物。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項37に記載の組成物。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 濃度0.001−20mMの保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と、濃度0.001−20mMの複素環式エノールホスファート化合物を含有するpH7−10.5の範囲の水性緩衝液を含む請求項37に記載の組成物。
- pHが8−10の範囲であり、濃度0.05−5mMの保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と、濃度0.05−5mMの複素環式エノールホスファート化合物を含有する請求項46に記載の組成物。
- さらにアニオン性界面活性剤を含む請求項46に記載の組成物。
- アニオン性界面活性剤がC10−C20アルキルサルファートである請求項48に記載の組成物。
- アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムである請求項48に記載の組成物。
- a)炭素環式芳香環を1から5個含み、環の偶数個の炭素原子で隔てられた二つのヒドロキシ基で置換されており、かつ、ジヒドロキシ芳香族化合物の一つのヒドロキシ基が酵素切断可能基Xで保護されている保護化ジヒドロキシ芳香族化合物と加水分解酵素とを反応させて、脱保護されたジヒドロキシ芳香族化合物を産出すること;
b)化学発光を産出するために、ジヒドロキシ芳香族化合物を式
を有する複素環式エノールホスファート化合物と、酸素存在下で反応させること;
c)化学発光を測定すること;および
d)化学発光を、被検体の量と関係づけること、
を含む、加水分解酵素、加水分解酵素阻害剤、又は加水分解酵素標識特異結合対の一員から選択される被検体のアッセイを行う方法。 - 該保護化ジヒドロキシ芳香族化合物が、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、およびアントラセン環から選択される芳香環式系を含む請求項51に記載の組成物。
- 該保護化ジヒドロキシ芳香族化合物が、式I
を有する請求項51に記載の方法。 - 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R1、R2、R4およびR5が、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から独立して選択される、請求項53に記載の方法。
- 式Iの化合物における基R3がOH基であり、R2、R4およびR5が水素であり、R1が水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールおよびアラルキル基から選択される、請求項53に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物における基R19が、置換化および無置換化低級アルキル基と置換化および無置換化ベンジル基から選択される、請求項51に記載の方法。
- 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項51に記載の方法。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、式
を有する、請求項53に記載の方法。 - 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 複素環式エノールホスファート化合物が、
- 加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物との反応が、複素環式エノールホスファート不在下で行われる、請求項51に記載の方法。
- 加水分解酵素と保護化ジヒドロキシ芳香族化合物との反応が、複素環式エノールホスファート存在下で行われる、請求項51に記載の方法。
- 加水分解酵素が、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼおよびβ−グルコシダーゼから選択され、酵素切断可能基が、ホスファート、β−ガラクトシド、β−グルクロニドおよびβ−グルコシド基から選択される、請求項51に記載の方法。
- 被検体が加水分解酵素である請求項51に記載の方法。
- 加水分解酵素が、特異結合対の一員の標識として提供される、請求項51に記載の方法。
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