JP4364029B2 - 直接型液体燃料電池発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直接型液体燃料電池発電装置に関するものである。
燃料電池は、電気化学反応により水素、炭化水素あるいはアルコールなどの燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置であり、直接電気エネルギーに変換するため、高効率でかつ低公害型の発電装置として期待されている。
この燃料電池の内、イオン交換樹脂膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、電気自動車用の電源や、住宅用の電源として、近年開発が加速されている燃料電池である。この固体高分子型燃料電池は、アノード電極側に水素を含むガス、カソード電極側に酸素ガスあるいは空気を導入する。アノード電極及びカソード電極それぞれにおいて、下記の化学式1、化学式2に示す反応がおこなわれ、起電力が発生する。
アノード電極:2H2 → 4H++4e (化学式1)
カソード電極:O2+4H++4e → 2H2O (化学式2)
すなわち、アノード電極内部の触媒により、水素から電子とプロトンが生成する。電子は外部回路により取り出されて発電に用いられる。プロトンはプロトン導電性電解質膜内を拡散により移動してカソード電極に到達する。そして、カソード電極内部の触媒により、発電に用いられた電子とプロトンと酸素とが反応して水が生成する。このような電気化学反応によって発電が行われる。
一方、近年は、直接型メタノール燃料電池のような液体燃料電池が注目を集めている。この直接型メタノール燃料電池の起電部単位は、アノード電極と、カソード電極と、アノード電極とカソード電極の間に配置されたプロトン導電性電解質膜(例えば、パーフルフルオロカーボンスルホン酸系イオン交換膜であり、デュポン社製Nafionなどが好ましく用いられる)とを備える。この燃料電池を駆動するには、アノード電極側にメタノールと水、カソード電極に酸素ガスあるいは空気を導入することにより、アノード電極及びカソード電極それぞれで下記の化学式3及び化学式4に示す反応を生じさせる。
アノード電極:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e (化学式3)
カソード電極:(3/2)O2+6H++6e → 3H2O (化学式4)
すなわち、アノード電極の触媒層の触媒により、メタノールと水から電子とプロトンと二酸化炭素が生成し、生成した二酸化炭素は大気中に放出される。電子は外部回路により取り出されて発電に用いられる。また、プロトンはプロトン導電性電解質膜を移動してカソード電極に到達する。カソード電極触媒層中では、電子および酸素と反応して水が生成する。これによって発電が行われる。
このメタノールのアノードでの電極反応においては、水素をアノード電極側に供給するのとは別に、完全酸化されるまでの反応中間体と考えられているホルムアルデヒドや蟻酸などが、副生成物として未反応のまま電極から排出される可能性がある。また、アノード極側に供給された燃料中のメタノールが、拡散などによりプロトン導電性電解質膜や触媒層中を通過してカソード極側へ移動し、カソード極に供給されている酸化剤により酸化を受け、その過程においてもホルムアルデヒドや蟻酸などの副反応生成物を生成する可能性がある。
これらの副生成物の発生量は、未反応のまま排出されるメタノールに比較して微量であるものの、シックハウス症候群の誘因物質として注目されているホルムアルデヒドについては特に厳しい環境規制値が設定されており、直接型メタノール燃料電池発電装置の商品化においては、数種の副反応生成物への対策が必要不可欠といえる。また、メタノールについては、現在、職業的健康暴露限度として200ppm以下を1日平均8時間以内という基準が設定されているが、一般生活で日常的に使われるようになる場合、慢性的な中毒を防止するために更に規制が厳しくなることが予想される。人によっては30ppmでも臭気を感じる場合もあり、都市部での大気中でも数十ppb程度と報告されている点から考慮すると、将来的な規制は数ppm以下になる可能性も高く、発電により未反応で排出されるメタノールの処理は必須である。
直接型メタノール燃料電池におけるこれら有害物質の放出は、アノード電極に供給又は循環されている燃料そのものからの揮発成分、発電によりアノード電極側から生成放出される二酸化炭素に混入している気化燃料成分、カソード電極側でのクロスオーバー由来のメタノールやその副生成物による排出物、の大きく三つに由来する。
カソード電極反応で放出される気体の総体積は、アノード電極反応で放出される気体の総体積に比べ10倍から30倍であるため、一見カソード電極由来の有害物の濃度に注目しがちだが、発電装置から排出される気体成分を全て総括すると、実際にはアノード電極側から排出される有害排出物量の方が支配的である。
カソード電極反応由来のメタノールおよび副生成物は、アノード電極からクロスオーバーしてきたメタノールによるものであり、効率的な発電のためにも、一般的にはこのクロスオーバー減少を抑制する努力がなされている。結果、それら有害な排出物はカソード電極から放出される全気体成分において数100ppm程度である。
しかし、アノード電極反応および燃料からの揮発成分に含まれる有害物質の濃度は、電極に使用されている触媒活性や生成水の蒸散の目的で好まれている室温より比較的高い50℃前後の運転温度のために、アノード電極から放出される全気体成分において数%にも至る。
この高濃度の有害物を含む排出ガスを、より大きな体積であるカソード排出ガスで希釈したとしても、数1000〜1000ppmの濃度にしか下がらず、即ち、放出ガスの無害化を施す際には、アノード電極側由来の有害排出物を如何に減少させられるかが重要となってくる。
これらメタノールを含めた、蟻酸、ホルムアルデヒドに代表される有害排出物の無害化を行なう手段としては、活性炭やシリカゲルなどの吸着剤による吸着による回収や、もしくは触媒を用いた分解という2つの方法が代表的である。
直接型メタノール燃料電池発電装置の発電では、反応において生成した水によってカソード電極から排出される気体中の湿度が非常に高くなることや、電極の触媒層中での反応効率を高める点でも、起電部単位または燃料の温度は40℃〜70℃の範囲になる。生成する水は、前述した化学式3および化学式4から分かるように、燃料として消費されたメタノール水溶液の体積とほぼ同じ量である。
そのため、極性の高い分子を吸着しやすい、シリカゲルに代表される吸着剤の場合、メタノールやホルムアルデヒドよりも大過剰に排出されている水蒸気により吸着剤の寿命が著しく短縮され、安全性の面から必要なだけの吸着剤の量を確保することは、小型化という近年の燃料電池へのニーズに対し相反する。
活性炭では、多量の水の存在下においても有機溶媒を比較的選択的に吸着することが可能であり、ホルムアルデヒドや蟻酸のみが数ppm含まれているカソード電極側からの排出気体成分(以後、カソード電極側から排出される気体成分のことを、カソード排出ガス、アノード電極側から排出される気体成分のことをアノード排出ガスと称す)からの回収である場合ならば、必要とされる活性炭量は投入される燃料体積の10%前後で足りる。しかしながら、直接型メタノール燃料電池発電装置の発電運転では、アノード電極反応で生成する二酸化炭素を発電装置の外へ排出しなければならず、二酸化炭素とともに40℃〜70℃ともなる燃料から蒸発したメタノールの濃度は、少なくとも数千ppm以上の濃度となる。この高濃度メタノール蒸気を含む二酸化炭素を、カソード排出ガスにより希釈したとしても、数百ppm程度であり、活性炭の吸着効率や寿命が大幅に低下させられる。更には、活性炭による吸着は物理吸着が支配的であるため、排出温度の上昇に伴い吸着効率は減少し、直接型メタノール燃料電池発電装置の運転温度である40℃〜70℃においては、室温付近での能力の数分の一に低下する。そのため、非常に頻繁に活性炭を交換するか、大量の活性炭を有する必要があり、小型化や簡便化というニーズに対し、相反する。
これら吸着による回収法に対して、触媒を用いた分解手法においては、被毒等による劣化がない限り交換は不要であり、活性炭やシリカゲルに代表される簡易な吸着剤とは異なり、温度の上昇にともなって処理効率が上がるという利点もある。例えば、特許文献1には、燃料に水素ガスを使用する固体高分子型燃料電池において、酸素極排ガス中の酸素を利用して、水素極排ガス中の水素を燃焼させることが記載されている。
しかしながら、上記したように、直接型メタノール燃料電池発電装置においては、燃料にメタノール水溶液を使用しているため、カソード排出ガスおよびアノード排出ガス両方において高い湿度をもっており、既に結露した液滴の混入や触媒部中での結露により触媒部内での水詰まりが非常に生じ易い。又、直接型メタノール燃料電池発電装置としては、小型化と伴に、発電を安定に持続させるための補器の省電力化および補器そのものの省略を必要とされるため、排出ガス浄化用の空気を取り入れるためのポンプの設置は大きな負担であり、水詰まりによるカソード電極への送気ポンプへの負担も低減することも不可欠である。
更には、触媒部での水詰まりが生じた場合、触媒表面が液滴で覆われてしまうことで酸素との反応効率を下げ、加えて、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸は任意の割合で水に溶けるために、液滴にそれらが混ざることで液滴内での有害物の濃縮が起こる。特に蟻酸の場合、数百ppmの濃度においても液滴の酸性度をpH3以下にまで下げてしまうため、そのような液滴が触媒部から押し出され飛散した場合には、利用者に対し非常に危険であることは言うまでもなく、また直接型メタノール燃料電池発電装置の他の構成部品に対しても大きなダメージを与える恐れがある。
特開2003−132928号公報
この対策として、カソード電極側から排出される残余酸素を酸化剤として利用しつつ触媒部周囲の断熱による保温を行なったり、高温部への接触又はヒーターによる加熱などで触媒部内の結露を防止する試みが為されている。
しかしながら、前者については運転条件により状態が不安定になる場合もあり、後者の場合には配管の複雑さや余計な補器電力を消費するといった問題点あった。即ち、アノード電極側とカソード電極側から排出される有害物を一箇所において一括で処理しようとすることで、触媒に対しての能力的な負荷が大きく、ひいては発電運転自体にも不安定さを引き起こしかねないという弱点があった。又、発電効率を上げるために、起電部単位そのものの改良や、発電運転法の改良により、カソード電極側に供給しなければならない酸化剤量(空気量)が将来的には大きく削減される可能性が十分あり、その際には、残余酸素濃度が低くなり、いっそう触媒部への負担が大きくなりかねない。
本発明は、触媒部での結露を嵩体積を大幅に増加させることなく減少させることができ、カソード電極への酸化剤の供給を安定に行いつつ、アノード排出ガスを浄化することが可能な直接型液体燃料電池発電装置を提供することを目的とする。
本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置は、液体燃料が供給されるアノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極及び前記カソード電極の間に配置される電解質膜と、前記カソード電極に酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するセパレータとを備える少なくとも1つ以上の起電部単位と、
酸化剤供給器と、
前記酸化剤供給器から前記セパレータの酸化剤流路までの酸化剤供給流路に配置され、前記酸化剤供給器から供給された酸化剤とアノード排出成分を含むガスとが流入される酸化触媒フィルター部材と
前記セパレータの酸化剤流路の出口に接続された第3の酸化触媒フィルター部材と
を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、カソード電極への酸化剤の供給を安定に行いつつ、アノード排出ガスを浄化することが可能な直接型液体燃料電池発電装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。液体燃料は特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、少なくともメタノールを含む溶液などを挙げることができる。以下の実施形態では、液体燃料としてメタノール水溶液を使用する例を挙げる。
起電部単位群(起電部単位スタック)1は、1つあるいは2つ以上の起電部単位を積層したものである。各起電部単位は、アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極及び前記カソード電極の間に配置される電解質膜と、前記カソード電極に酸化剤を供給するための酸化剤流路及び前記アノード電極に液体燃料を供給するための燃料流路を有するセパレータとを備える。
液体燃料が収容された内部燃料容器2は、第1の燃料供給流路31を通して起電部単位群1のセパレータの燃料流路の入口に連結されている。例えば燃料ポンプからなる燃料供給器3は、第1の燃料供給流路31に介装されている。例えばポリテトラフルオロエチレン膜のような撥水性膜を有する気液分離部材4は、内部燃料容器2内に収容されている。
液体燃料を濃縮したものが収容された燃料収容室を有する交換可能な燃料カートリッジ7は、第2の燃料供給流路32を通して内部燃料容器2に連結されている。例えば燃料ポンプからなる燃料補給器8は、第2の燃料供給流路32に介装されている。
例えば空気ポンプからなる酸化剤供給器6は、第1の酸化剤供給流路33を通して第1の酸化触媒フィルター部材9に連結されている。第1の酸化触媒フィルター部材9と、起電部単位群1のセパレータの酸化剤流路の入口とは、第2の酸化剤供給流路34を介して接続されている。
図2に第1の酸化触媒フィルター部材の一形態を示す。第1の酸化触媒フィルター部材9は、第1の酸化剤供給流路33を形成する配管11内に配置されるフィルター筐体12と、筐体12内に充填された触媒部13とを備える。触媒部13からの触媒の脱落を抑えるために、網目状構造を有する脱落防止部材14が、筐体12の前段側と後段側の開口部に配置されている。このうち、筐体12は配管11そのものの一部であっても良い。
セパレータの燃料流路の出口は、アノード排出物流路35を通して内部燃料容器2に連結されている。内部燃料容器2の排気口はアノード排出ガス流路36に接続され、アノード排出ガス流路36は第1の酸化剤供給流路33に連結されている。例えば逆止弁からなる逆流防止部材5は、アノード排出ガス流路36に介装されている。この逆流防止部材5は、酸化剤供給器6から第1の酸化剤供給流路33に供給された酸化剤がアノード排出ガス流路36に混入するのを防止する。
第3の酸化触媒フィルター部材10は、カソード排出ガス流路37を通してセパレータの酸化剤流路の出口に接続されている。第3の酸化触媒フィルター部材10により浄化されたガスは、排出管38を通して系外に放出される。
燃料供給器3を駆動させると、起電部単位群1を備えた燃料電池スタックに対し、発電装置内を循環する燃料を一時蓄えておく内部燃料容器2から第1の燃料供給流路31を通してスタック内のセパレータの燃料流路に燃料が供給され、これによりアノード電極に燃料が供給される。発電に伴うアノード電極での反応生成物及び使用されなかった燃料を含むアノード排出物は、セパレータの燃料流路出口からアノード排出物流路35を通して内部燃料容器2に戻り、内部燃料容器2に設置されている気液分離部材4より気体成分(これを以後アノード排出ガスと称する)が分離される。このアノード排出ガスには、アノード排出成分(例えば、液体燃料の気化成分、アノード電極での反応生成物の気化成分及び炭酸ガス)が含まれている。
分離されたアノード排出ガスは、アノード排出ガス流路36及び逆流防止部材5を通って、酸化剤供給器6から第1の酸化剤供給流路33に供給された酸化剤と合流する。
上述したようにアノード排出物(循環燃料)は内部燃料容器2に回収されるが、この回収や発電運転による燃料消費により内部燃料容器2の燃料濃度や貯蔵量が減少する。内部燃料容器2の燃料貯蔵量と燃料濃度を適正値に維持するために、発電装置から取り外し交換可能な燃料カートリッジ7から、濃縮された燃料が燃料補給器8により第2の燃料供給流路32を通して内部燃料容器2に補充される。
一方、酸化剤供給器6から第1の酸化剤供給流路33に供給された酸化剤と内部燃料容器2から第1の酸化剤供給流路33に供給されたアノード排出ガスの混合気体は、燃料スタックの上流に設けられた第1の酸化触媒フィルター部材9に流入する。第1の酸化触媒フィルター部材9において、アノード排出ガス中の液体燃料の気化成分及びアノード電極での反応生成物の気化成分を、酸化剤により酸化させ、アノード排出ガスを浄化させる。第1の酸化触媒フィルター部材9から、浄化されたアノード排出ガスと未使用の酸化剤が排出される。この排出された混合ガスは、第2の酸化剤供給流路34を通して燃料スタックのセパレータの酸化剤流路に供給され、これによりカソード電極に酸化剤が供給される。その後、燃料スタックのセパレータの酸化剤流路の出口から排出された気体(以後これをカソード排出ガスと称する)は、カソード排出ガス流路37を通して第3の酸化触媒フィルター部材10を通過し、排気管38から発電装置外へ放出される。
第1の酸化触媒フィルター部材9に含まれる触媒は、メタノール、ホルムアルデヒドあるいは蟻酸のような有害物質を酸化して水と二酸化炭素に変換する能力のあるものであれば良い。アノード電極に用いられている触媒がその一例である。具体的には、白金や銀などの貴金属系の触媒を活性炭やセラミックなどに担持させた公知のものでよく、白金を用いる場合には被毒を抑えるために白金とルテニウムの合金として用いることが好ましい。また、流入する有害物質の濃度が高くなるような場合には、担体そのものへの引火を防ぐためにもセラミック系の担体に担持することが望ましい。
このように、アノード排出ガスに由来するメタノール・ホルムアルデヒド・蟻酸といった発電運転における有害排出物の大部分を、カソード電極に流入する前の酸化剤と混合させ酸化させてしまうことにより、処理触媒部の水詰まりといった弊害を起こさず容易に有害排出物の処理を行うことが出来る。
本来、カソード電極に供給される酸素は、出力の低下を回避するためにも出来るだけ濃度の高いまま供給されることが好まれ、本発明のようにあえてカソード極に供給する前の酸化剤を有害排出物の処理に使用することは、通常、避けられることである。
アノード排出ガスに混合される酸化剤の量は、アノード排出ガスの数十倍と多く、仮にアノード排出ガス中の有害物の濃度が数%であったとしても、希釈されて0.1%程度となる。この濃度は、全有害排出物の大半を占めておりかつ環境基準値をはるかに超えているとしても、通常大気における酸素濃度の200分の1程度でしかなく、有害物の酸化処理に酸素を消費したとしても、その消費量は、酸化剤を供給する酸化剤供給器の機械的変動や大気中の酸素濃度または水蒸気量の変動による誤差と同程度にしかならない。
一方、アノード排出ガス成分の大半を占めるのは二酸化炭素であり、その体積はカソード排出ガスの数十分の1であるため、酸化剤と混合して酸化処理を施すことにより、カソード電極に供給される酸化剤中の二酸化炭素の濃度は5%前後となる。前述のように有害物の酸化処理に伴う酸素濃度の低下はほとんど無視できるが、二酸化炭素の混入による酸素分圧は顕著ではないが低下することになる。
しかしながら、これにおいても、全体における酸素濃度が1%程度減るだけであり、必要であれば、初期の酸化剤供給量を上昇させることで容易に対処が可能である。
将来的により効率的な発電運転が行われるようになれば、カソード排出ガス中の酸素濃度は一層低下することが予想され、カソード排出ガス中の残余酸素での酸化燃焼効率が非常に悪くなることが考えられる。しかし、本実施形態によれば、カソード電極に供給される前の酸化剤を用いるがゆえに、今後進歩していくであろう直接型液体燃料電池発電装置においても問題なく適用することが出来る。
カソード排出ガス中の残余酸素により有害物の酸化処理を行う場合、カソード排出ガスおよびアノード排出ガス双方において常に高温でかつ水蒸気が飽和している状態であるため、触媒部中で結露する危険性が非常に高い。一度結露をしてしまった場合には、液滴に覆われることにより触媒表面の処理効率が下がり、酸化処理による発熱を期待することが出来なくなり、更に液滴の凝集を加速し、回復は容易に行えない。この悪循環は、ただでさえ濃度の高い有害物を処理するために密に触媒の詰められたフィルター部を水で埋め、大きな圧力損失を生じさせるため、酸化剤供給器への負担が大きくなり、ひいては供給すべき酸化剤量の減少や、供給量の変動、そして発電出力の低下、最悪の場合には起電部単位への不可逆なダメージを与えることにもなる。
しかし、本実施の形態によれば、アノード排出ガスが混合される酸化剤は室温でしかも水蒸気が飽和しているわけではなく、かつカソード排出ガスの残余酸素で酸化させる場合と同様の発熱を望むことが出来る。即ち、アノード排出ガスが水蒸気の飽和している状態であったとしても、それは比較的乾燥した数十倍の体積の酸化剤で希釈され飽和状態から脱し、かつ温度が上昇することにより、カソード排出ガスの残余酸素で酸化させる場合にくらべ格段に液滴の凝集・結露の可能性が下がることになる。
アノード排出ガス中の有害物を第1の酸化触媒フィルター部材で無害化させたとしても、カソード排出ガス中には有害物が存在しており、除去のために、スタック後段に触媒フィルター(これを第3の触媒フィルターと呼ぶ)を設置しなくてはならない。しかし、アノード排出ガス中の有害物の酸化燃焼を先んじて行うことで、その負担はカソード電極側そのものに由来する100〜200ppm程度の低い濃度のメタノールのみとなる。が、それでもまだ、常に水蒸気の飽和している状態であるため水詰まりの恐れがある。
図3は、一定濃度のメタノールを酸化処理するための触媒の嵩体積を、触媒の粒径に対してプロットしたものである。この図では、触媒粒径と総嵩体積がおおよそ比例関係にあることが分かる。一方、粒径を一定にした場合、流入するメタノール濃度とそれを全て酸化処理するための触媒嵩体積は比例する。即ち、触媒の嵩体積を変えない場合、流入濃度と触媒粒径は反比例の関係にあり、流入濃度が下がれば、触媒粒径を大きくすることが出来る。図4は、流入させる空気量を一定とし、触媒の総嵩体積を一定とした場合の、粒径と圧力損失の相関を見たものであり、粒径が大きくなるほど圧力損失は小さくなることが分かる。
即ち、アノード排出ガス中の有害物を第1の酸化触媒フィルター部材で処理することにより、第3の酸化触媒フィルター部材に流入するメタノール濃度を下げ、第3の酸化触媒フィルター部材での水詰まりの危険性を大きく削減することが可能である。もし、この第1の酸化触媒フィルター部材の設置をせず、第3の酸化触媒フィルター部材のみで十分な酸化処理の効率と、圧力損失の低減を望むとすれば、図3,4から明らかなように、触媒部の嵩体積は非常に大きくなってしまう。
燃料電池に設置される酸化剤(例えば空気)供給用のポンプは、補機に消費される電力(発電効率)を考慮した場合、複数設置せず、更にその負荷が小さいこと及び負荷変動が少ないことが望まれる。
その点、本実施形態のような第1の酸化触媒フィルター部材を備えた発電装置によれば、第3の酸化触媒フィルター部材に付随した複雑な工夫や発電運転全体に及ぼす影響を大幅に削減することができ、発電効率全体への悪影響が非常に少ない、安定した運転を促すことが出来るようになる。
本実施形態により得られる効果は、以上だけではない。
触媒部の発熱による酸化ガスの加熱が起こるため、カソード電極に直接大気雰囲気条件の酸化剤を供給する際よりも速やかな起電部単位の温度上昇が望める。また、酸化剤供給口側に起こりがちなカソード電極の乾燥を抑えるための酸化剤の加湿を僅かではあるが促進することが出来る。
更に、酸化剤中に含まれカソード電極に供給されることで起電部単位の出力低下させる要因となりうる、微量な有機物・無機物の酸化除去も同時に行うことが出来る。
なお、前述した図1における内部燃料容器2は、発電装置から取り外し交換可能であっても良い。その際には内部燃料容器2が燃料カートリッジ7を兼ねていても良い。
また、気液分離部材4から酸化剤供給経路へ通ずる部分を除き、内部燃料容器2と燃料カートリッジ7を含んだ燃料循環経路が十分に密閉するように対策を施されているならば、逆流防止部材5は無くともよい。ただし、何らかの運転上の不具合が生じ、燃料循環経路内の圧力よりも酸化剤供給経路の圧力の方が高くなるような場合のことも考え、設置しておくことが望ましい。
図1においては、気液分離部材4は内部燃料容器2に設置されているが、図5に例示されるようにスタックから排出されたアノード排出物が内部燃料容器2に回収される循環経路の途中に設置してもよい。具体的には、セパレータの燃料流路の出口は、アノード排出物流路39を通して気液分離部材4に連結されている。気液分離部材4により分離された液体成分が通過する液体回収流路40は、内部燃料容器2に連結されている。一方、気体成分であるアノード排出ガスの流路41は、第1の酸化剤供給流路33と合流する。逆流防止部材5は、アノード排出ガス流路41に介装されている。このような構成にすると、アノード排出物のうち、気液分離部材4により分離された液体成分のみが内部燃料容器2に回収されることとなる。
[第2の実施の形態]
図6に、本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置の第2の実施形態を示す概略構成図を示す。なお、前述した第1の実施の形態で説明したのと同様な部材については同符号を付して説明を省略する。第2の実施形態では、酸化剤として空気を使用した例を説明するが、これに限らず、酸素を含むガスであれば酸化剤として使用可能である。
図6においては、燃料カートリッジ7内に空気浄化フィルター部材15が配置されていることと、この空気浄化フィルター部材15が第3の酸化剤供給流路42を通して酸化剤供給器6に連結されることによりアノード排出ガスと混合される前に酸化剤が空気浄化フィルター部材15を通過するようになっている点以外は、第1の実施の形態と同様である。
アノード排出ガスと混合する前の酸化剤を空気浄化フィルター部材15に通過させる場合、図6のように空気浄化フィルター部材15を酸化剤供給器6の上流に位置させても良く、酸化剤供給器6の下流でかつアノード排出ガスと混合される前に位置させても良い。ただし後者の場合、酸化剤供給器6で空気浄化フィルター部材15に送った後、空気浄化フィルター部材15から酸化剤供給器6を経由して第1の酸化触媒フィルター部材9に供給しなければならないため、空気浄化フィルター部材15と酸化剤供給器6の間に最低二本のガス経路が必要となり、発電装置の構造が複雑になりやすいため、一つの経路で空気浄化フィルター部材15から第1の酸化触媒フィルター部材9までを接続可能な前者の形態の方が好ましい。
このような空気浄化フィルター部材を備えた燃料カートリッジの一形態として、図7,8が挙げられる。
図7は、内部燃料容器2と燃料カートリッジとの接続部に対して空気浄化フィルター部材15が離れた部分に位置するような構造の一形態である。
燃料カートリッジの筐体16内には、濃縮燃料が収容される燃料収容室17が設けられている。発電装置本体に接続するためのジョイント18は、筐体16の外側に設けられており、さらに詳しく述べると、燃料収容室17が接続部と向き合うような位置に設けられている。燃料収容室17の濃縮燃料を内部燃料容器2に供給する配管19は、ジョイント18の表面から外部に突き出ており、突き出た先端が第2の燃料供給流路32を形成する配管に接続されるようになっている。
空気浄化フィルター部材15は、これとジョイント18との間に燃料収容室17が位置するように筐体16内に配置されている。空気浄化フィルター部材15は、フィルター本体20と、フィルター本体20の両面に配置された多孔質なフィルター本体支持材21とを備えるものである。このような空気浄化フィルター部材15は、一方のフィルター本体支持材21が筐体16の開口部に配置され、かつ他方のフィルター本体支持材21が燃料収容室17との間に隙間を開けた状態で配置されている。他方のフィルター本体支持材21と燃料収容室17との間の空間から、燃料収容室17と筐体16との間の空間までは、空気浄化フィルター部材15を通過した空気が燃料カートリッジ内を通過する通路22である。ジョイント18に形成された通過孔23は、通路22と連通している。通路22を通過した空気は、通過孔23を通して第3の酸化剤供給流路42へ供給される。筐体16とジョイント18の隙間に環状の封止部24が嵌め込まれており、これにより空気浄化フィルター部材15を通過していない空気が通過孔23に混入することを防止している。
図8は、ジョイント18に対し燃料収容室17と同程度に接するような近い位置に空気浄化フィルター部材15が位置する形態のカートリッジの一例を示す。
燃料カートリッジの筐体16の下部側は、濃縮燃料が収容される燃料収容室17になっている。筐体16の上部側には、空気浄化フィルター部材15が燃料収容室17との間に隙間を開けて配置されている。空気浄化フィルター部材15の一方のフィルター本体支持材21が筐体16の開口部に配置され、かつ他方のフィルター本体支持材21が燃料収容室17と対向している。第2の内部燃料容器2に接続するためのジョイント18は、筐体16の外側に、燃料収容室17と空気浄化フィルター部材15の双方が接続部と向き合うように設けられている。ジョイント18のフィルター本体支持材21と対向する面には、空気を取り入れるための取り入れ口25が開口されている。
燃料収容室17の濃縮燃料を内部燃料容器2に供給する配管19は、ジョイント18の表面から外部に突き出ており、突き出た先端が第2の燃料供給流路32を形成する配管に接続されるようになっている。
他方のフィルター本体支持材21と燃料収容室17との間の空間は、取り入れ口25から空気浄化フィルター部材までを通過した空気が燃料カートリッジ内を通過する通路22である。ジョイント18に形成された通過孔23は、通路22と連通している。通路22を通過した空気は、通過孔23と第3の酸化剤供給流路42を通して第1の酸化剤供給流路33に供給される。筐体16とジョイント18の隙間に環状の封止部24が嵌め込まれており、これにより空気浄化フィルター部材を通過していない空気が通過孔23に混入することを防止している。
前述した第1の実施形態において説明したように、第1の酸化触媒フィルター部材は発電運転によって生成した有害物の大半を処理することが可能であるだけでなく、酸化剤供給器により取り入れられた酸化剤中の有機溶媒や無機物の揮発性不純物を酸化処理することも可能であるが、突発的な要因により一時的にそれらが高濃度となった場合には、第1の酸化触媒フィルター部材中の触媒に被毒を起こさせ、発電運転由来有害物の処理効率を下げるだけでなく、完全に処理しきれなくなった有害物のカソード電極への侵入により、発電出力を低下させる恐れがある。
第1の酸化触媒フィルター部材では、発電運転由来有害物の処理を目的としているため、基本的にはその目的のための効率のみを有していれば十分であるが、一時的にであれ、大気中に高濃度となる可能性のある数多くの揮発性不純物の全ての種類に対して、どんな濃度であっても完全な酸化処理を行わせようと望むことは困難である。
したがって、万が一にも第1の酸化触媒フィルター部材の主たる効果を失わせないためにも、第1の酸化触媒フィルター部材に流入する酸化剤成分中の揮発性不純物を予め取り除く酸化剤清浄部材を設けることが必要となる。
この酸化剤清浄部材には、第2の酸化触媒フィルター部材の触媒による酸化処理を用いても良いし、また活性炭、活性アルミナ、ゼオライトといった吸着剤による除去手段を用いても良い。
しかしながら、上記のように、あらゆる日常的に起こりうる可能性のある種類と濃度を想定した処理を行わせる場合、触媒においては多かれ少なかれ触媒の被毒による処理効率の低下と寿命を想定しなければならず、吸着剤を用いた場合においても、吸着剤部分に不純物を溜め込むという原理である以上、寿命を想定せねばならない。したがってこれら両者とも定期的に交換を行わなければならず、メンテナンスという労力を割かねばならない。
これに加え、吸着能力は吸着剤の温度に影響を受ける。その一例を、図9に示す。図9は、一定体積の活性炭フィルターに、規定の濃度のアセトルデヒドが混入した空気を通過させ、活性炭フィルターから排出されるアセトアルデヒドの濃度の経時変化を見たものである。活性炭の粒径は250〜500μmであり、総嵩体積は約0.5ccとしてある。この図9から分かるように、平均的な気温である25℃の場合に比較して、燃料電池が動作される温度に近い50℃付近では、吸着除去能力が数分の1に低下してしまう。
即ち、燃料電池発電装置における吸着剤は、発電運転による温度上昇の影響を受けにくく、最も温度の低い場所に配置させておくことがその効力を十分に発揮させるために望ましい。
ここで、直接型液体燃料発電装置においては発電に伴い燃料を消費するため、原理的に必ず、燃料の補充を行う特徴がある。その方法の1つとして、濃縮燃料を封入した燃料カートリッジの交換という形態が取られる。このカートリッジの交換時間は、カートリッジ交換時直後からの積算運転時間とほぼ対応し、同様に、カートリッジ交換時直後からの酸化剤の積算供給量と比例する。
即ち、この燃料カートリッジに前述の酸化剤清浄部材を内包し一体化させることにより、燃料の交換とともに酸化剤清浄部材の交換も同時に行うことが出来、メンテナンス作業を省略させることが可能で、更に、上記カートリッジは構造的に発電装置本体において最も端に配置させることが利便性において良く、そのカートリッジの外側に上述のフィルター部を設置することによって、発電に伴う加熱から保護することが可能となる。
このカートリッジに内包させる酸化剤清浄部材については、揮発性不純物を吸着させる吸着剤のみを設置してもよいし、酸化処理を行わせるための触媒をのみを設置させてもよい。触媒を用いる場合には、想定外の揮発性不純物には対応できないことがあるため、吸着剤も共に設置させておくことが望ましい。
いずれにしても、通常環境での揮発性不純物の濃度を想定した、カートリッジの交換時間と同等かそれ以上の酸化剤清浄部材の能力と総体積を備えさせることが好ましい。吸着剤と触媒を合わせて具備させる場合には、吸着剤の寿命を少しでも長くするために、低濃度の不純物処理を行う触媒を前段、それで対処できない高濃度への対処として後段に吸着剤を設置させる方が良い。
又、特に悪影響を及ぼす可能性のある有機物または無機物に呈色を示す、少なくとも1種類以上の物質を、吸着剤の更に後段に設置し、変色により酸化剤清浄部材の寿命を認識できるようにすることが好ましい。
更には、触媒の温度を検知するセンサーをカートリッジ内に設置し、センサーの信号を発電装置の運転制御部と同期するようにしてもよい。このような構造を採用すれば、万が一高濃度の有機溶媒が流入した場合には、カートリッジ内の触媒の温度が急激に上昇するため、それを検知して、発電運転を即時停止し、酸化剤供給を停止させ、酸化剤清浄部材の能力維持と第1の酸化触媒フィルター部材の能力保持と、しいては不可逆的な起電部単位へのダメージを3段構えで防ぐことが可能である。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
前述した図1に示す構成の直接型メタノール燃料電池発電装置を以下に説明する方法で製造した。
起電部単位は、公知のプロセス(R. Ramakumar et al. J. Power Sources 69 (1997) 75)により作製した。
起電部単位スタックのアノード電極側には、濃度約2mol/lのメタノール水溶液燃料が約3ml/minで供給され、カソード電極側には500ml/minまたは300ml/minの空気を供給した。この発電条件における起電部単位の電流電圧特性を図10に示す。図10の縦軸は起電部単位の電圧(V)で、横軸は負荷電流を示す。
発電運転は、図10においてXで示された値における一定電流負荷で行い、燃料補給器から一定量で95%メタノール水溶液を補充し、循環燃料の濃度が一定になるよう調整した。発電運転中に内部燃料容器中の液量に過不足の不都合が生じた場合や、燃料濃度の大幅なずれが生じた際には、適宜調整を行った。空気の供給は、300ml/minで行った。この一定負荷発電運転時におけるカソード排出ガス中の酸素濃度は、アノード排出ガスとカソード供給空気との混合を行わない比較例1において約16%であり、本実施例1のように混合を行った場合において約15%となった。又、いずれの状況においても、カソード排出ガス中のメタノール濃度は、100〜200ppmであり、水蒸気量は約80mg/L(カソード排出ガス体積中で水蒸気体積が約10%)であった。
発電中は、燃料供給器から排出された燃料を起電部単位スタックに流入させる前に図示されていないヒーターにより加熱し、起電部単位が約60℃になるように温度を保持した。その結果、発電運転開始後、定常状態になった循環燃料の温度は約50℃であった。
二酸化炭素と共存しているメタノール蒸気の温度とメタノール水溶液濃度依存性の理論値を図11に示す。図11の縦軸はアノード排出ガス中のメタノール濃度(%)で、横軸は二酸化炭素と共存しているメタノール蒸気の温度(℃)である。定常運転時に排出される約12ml/minのアノード排出ガス中のメタノール濃度は2%前後を推移し、図11に予測された範囲と一致した。また、カソード電極側への供給空気と混合されることでアノード排出ガス中の成分は希釈され、混合直後のメタノール濃度は800ppm前後を推移した。
第1の酸化触媒フィルター部材に使用した触媒は、起電部単位の作製と類似した方法により触媒の担持を行って得た。触媒担体として粒径150〜250μmの活性炭を使用し、Pt:Ru比が2:1である合金触媒を嵩体積当たり60(mg/cm3)になるよう担持させた。作製された触媒の、21%酸素空気に任意の濃度で混入させたメタノールを100ppm以下に減少させるために必要とした嵩体積の相関図を図12に示す。図12の縦軸はメタノール濃度を100ppm以下に減少させるために必要な触媒の嵩体積(cc)で、横軸は空気中に混入させたメタノール濃度(ppm)である。また、図12には、16%酸素空気、12%酸素空気の場合も併記する。
図12より、メタノール濃度約1000ppmである混合ガス中のメタノールを約100ppm以下に減少させるためには、上記で作製された担持触媒が2cc以上必要とされることが予測される。本実施例1においては若干の余裕を持たせるために、触媒の嵩体積を2.5ccに設定した。
一方、カソード側から排出される気体成分中のメタノールを除去するための第3の酸化触媒フィルター部材には、第1の酸化触媒フィルター部材におけるものと同じ方法により作製した触媒を使用した。ただし、前述したようにカソード側から排出される濃度は100〜200ppmであり、第3の酸化触媒フィルター部材での処理の効率は第1の酸化触媒フィルター部材での効率よりも低く設定できるため、触媒の総体積を2ccのままで、触媒粒径を500〜1000μmとした。
上記の構成において発電試験を行い、図1にA〜Eで示した各箇所におけるメタノール濃度と酸素濃度と圧力の運転開始約40分後の測定結果を表1に、一定負荷運転時における箇所B,Dでの圧力変化の経時変化を図13に示す。図13の縦軸が大気圧を基準圧とした場合の各箇所の圧力(Pa)で、横軸が運転時間(min)である。なお、図1において、アノード排出ガス流路36のうち逆流防止部材5よりも上流の地点をA、アノード排出ガス流路36と第1の酸化剤供給流路33の合流地点よりも下流で、かつ第1の酸化触媒フィルター部材9よりも上流の地点をB、第1の酸化触媒フィルター部材9よりも下流の地点をC、第3の酸化触媒フィルター部材10の上流地点をD、下流地点をEとした。
Figure 0004364029
図13から明らかなように、実施例1の発電装置によると、第1の酸化触媒フィルター部材と第3の酸化触媒フィルター部材それぞれに供給するガスの圧力を一定に保つことができ、運転時間によらず安定した圧力損失が各酸化触媒フィルター部材で維持されており、本発明の効果が実証された。
(比較例1)
実施例1の構成に対し、第1の酸化触媒フィルター部材が設置されておらず、第3の酸化触媒フィルター部材が第1の酸化触媒フィルター部材を兼ねている構成において、有害排出物除去処理の試験を行った。構成を図14に示す。
図14では第1の酸化触媒フィルター部材を設置していない。このため、酸化剤供給器6は、第4の酸化剤供給流路43を通して直接、燃料スタックのセパレータの酸化剤流路の入口に連結されている。また、内部燃料容器2内の気液分離部材4により分離されたアノード排出ガスの流路44は、カソード排出ガス流路37に連結され、第3の酸化触媒フィルター部の直前においてアノード排出ガスとカソード排出ガスを混合させるようにしている。また、実施例1での第3の酸化触媒フィルター部材はカソード排出ガス中の希薄な有害物のみを除去するための能力を持たせてあったが、本比較例1ではアノード排出ガス中の有害排出物も処理させる必要があるため、実施例1における第1の酸化触媒フィルター部材の嵩体積に対し、約1.2倍の体積である3ccとした。
このような構成において発電運転を行い、排出される有害物の濃度を図14にF〜Jに示す箇所で測定した。その結果を表2に示す。また、実施例と同様に一定負荷運転時における箇所G,Iでの圧力変化の経時変化を図13に示す。また、箇所G,Iでの運転開始10分後と40分後の圧力を表2に併記する。なお、図14において、アノード排出ガス流路44をF、第4の酸化剤供給流路43をG、アノード排出ガス流路44とカソード排出ガス流路37の合流地点よりも上流をH、かつ下流をI、第3の酸化触媒フィルター部材10の下流をJとした。
Figure 0004364029
表2および図13から分かるように、約30分経過において第3の酸化触媒フィルター部材において水詰まりが生じ、結果、約300Paの圧力負荷の増大が酸化剤供給器に生じている。実施例1および比較例1に用いている酸化剤供給器は一般的な小型の空気ポンプであるが、この圧力損失の増大により供給量が約10%低下し、スタック出力も約10%低下した。
同時に、第3の酸化触媒フィルター部材においては結露による酸化効率の低下が起こり、流入してくる高濃度のメタノールを完全に処理しきれなくなった。
これに対し、結露による圧力損失の増大を招かないように第3の酸化触媒フィルター部材の粒径を実施例1の第3の酸化触媒フィルター部材と同様の500〜1000μmとし、結露による酸化効率の低下を考慮しつつ完全に処理を行えるようにした場合、更に6倍以上の触媒の嵩体積の増大が見込まれる。
しかし、実施例1によれば、第1の酸化触媒フィルター部材の効果によって第3の酸化触媒フィルター部材へ流入するメタノール濃度が非常に低いため、多少の結露が生じたとしても有害排出物の処理不十分や致命的な圧力損失の増大を招かないような対策を、触媒部体積の顕著な増大無しに第3の酸化触媒フィルター部材に施すことが可能であり、本発明の有用性が示されている。
(実施例2)
実施例1と同じ構成において、空気の汚染を模擬したものとして酢酸が約3ppm混入した空気を作製し、酸化剤供給器によって発電装置内に取り入れられるようにした。結果を図15に示す。図15には、実施例1の発電装置において酢酸の混入していない空気を使用した例と、酢酸が約3ppm混入した空気を比較例1の発電装置において使用した例とを併記する。
図15から明らかなように、実施例1の発電装置によると、混入してくる酢酸を第1の酸化触媒フィルター部材で酸化燃焼処理することができ、酢酸が未混入の空気を使用した場合と変らない良好な電圧出力特性を示していることが分かる。
これは、第1の酸化触媒フィルター部材の設置が、発電による有害な排出物の除去を安定して効率的に行えるようになる効果のみならず、カソード電極に悪影響を及ぼすごく微量な有機溶媒の清浄化にも効果を発揮するということを示している。しかし、この有機溶媒の混入が高濃度で急激である場合には、有機溶媒の清浄化の点が不十分となる恐れがある。
実施例1の発電装置において、一定負荷運転の間、数分のみ300ppmのエタノールを空気に混入させた際の電圧出力の経時変化を測定し、その結果を図16に示す。
図16における吸着剤部無し(実施例2)で示すプロットにおいては、300ppmと比較的高濃度のエタノールを第1の酸化触媒フィルター部材で酸化燃焼処理しきれず、電圧出力の低下を招いている。一般に、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸に比べて、炭素数が多いエタノール、アセトアルデヒド、酢酸、プロパノールなどの有機分子は、触媒による完全酸化の効率が低い。ゆえに、より高濃度で流入するメタノールに対しては十分な処理が行えても、エタノール等については、触媒のみでなく吸着による除去対策を施すことが望ましい。
(実施例3)
図7に示す構造の燃料カートリッジ7を用いること以外は実施例1で説明したのと同様な構成の発電装置を組み立て、実施例3の発電装置とした。この実施例3の発電装置では、酸化剤供給器である空気ポンプを駆動すると、空気が燃料カートリッジ7内の空気フィルター部を通過した後、第1の酸化触媒フィルター部材に供給される。
燃料カートリッジ7内に設置している空気浄化フィルター部材の空気フィルター20には、実施例2で挙げた例と同様に粒径250〜500μmの活性炭からなる吸着剤を使用した。吸着剤の総嵩体積は2ccとした。なお、この活性炭量においては、エタノール300ppmに対しては数分の吸着能力を持つ。
この構成において、実施例2で行ったのと同様に、数分のみ300ppmのエタノールを空気に混入させた結果を、吸着部有り(25℃)のプロットとして図16に併記する。
本実施例3の発電装置では、燃料カートリッジ7内の吸着剤部(空気浄化フィルター部材)は発電装置本体と反対側に位置しており、吸着剤部の温度は室温とほぼ同じ25℃前後であった。ゆえに、後述の実施例4と比べて、吸着能力の著しい低下を見せることなく効果を発揮できた。
(実施例4)
吸着剤部(空気浄化フィルター部材)を燃料カートリッジ内に配置する代わりに、燃料電池本体内部の酸化剤供給器の前段に設置した。吸着剤部には、実施例3と同じ仕様の活性炭を用いた。
この構成において、実施例3で行ったのと同様に、数分のみ300ppmのエタノールを空気に混入させた結果を、吸着部有り(45℃)のプロットとして図16に示す。
全く吸着剤部を通過させずに直接第1の酸化触媒フィルター部材に流入させた場合ほど、電圧出力の低下は著しくない。しかし、燃料電池本体内に位置させたために吸着剤部の温度が45℃と高くなり、実施例3での場合に比べて、吸着能力の低下が見られる。
燃料電池発電装置を特に携帯型の電子機器等に適用する場合、流入する有機溶媒の濃度や時間を正確に予測することは難しい。また、あらゆる状況を考慮して多量の吸着剤を用意することは、携帯用途の利便性に反している。
したがって、実際には、発電装置またはカートリッジ本体の総体積から許される必要最低限の吸着剤の体積しか搭載することが許されず、その吸着能力を、余計な電力の消費のないまま、最大限発揮出来るようにすることが重要である。
しかし、燃料電池発電装置においては、装置本体の温度は多かれ少なかれ室温よりも上昇することが予想されるため、最も温度の上昇しにくい(高濃度の燃料が充填されているため、むしろ温度の上昇をさせてはならない)燃料カートリッジ部分に具備させることが、最も効果的と言える。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置の第1の実施形態を示す概略構成図。 図1の直接型液体燃料電池発電装置で使用される第1の酸化触媒フィルター部材の構成を示す断面図。 一定濃度のメタノールを酸化処理するための触媒の嵩体積と、触媒の粒径との関係を示す特性図。 流入させる空気量を一定とし、触媒の総嵩体積を一定とした場合の、触媒粒径と圧力損失の相関を示す特性図。 本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置の第1の実施形態における別な例を示す概略構成図。 本発明に係る直接型液体燃料電池発電装置の第2の実施形態を示す概略構成図。 図6の直接型液体燃料電池発電装置に用いられる燃料カートリッジの構成を示す断面図。 図6の直接型液体燃料電池発電装置に用いられる燃料カートリッジの構成の別な例を示す断面図。 一定体積の活性炭フィルターに、規定の濃度のアセトルデヒドが混入した空気を通過させた際、活性炭フィルターから排出されるアセトアルデヒドの濃度の経時変化を示す特性図。 実施例1の直接型メタノール燃料電池発電装置の起電部単位の電流電圧特性を示す特性図。 二酸化炭素と共存しているメタノール蒸気の温度とメタノール水溶液濃度依存性の理論値を示す特性図。 種々の酸素濃度の空気に任意の濃度で混入させたメタノールを100ppm以下に減少させるために必要とした嵩体積と、空気へのメタノール混入濃度との関係を示す特性図。 実施例1及び比較例1の直接型メタノール燃料電池発電装置における酸化触媒フィルター部材への供給圧力の経時変化を示す特性図。 比較例1の直接型メタノール燃料電池発電装置を示す概略構成図。 実施例1及び比較例1の直接型メタノール燃料電池発電装置における酢酸混入試験時の電圧出力特性を示す特性図。 実施例2〜4の直接型メタノール燃料電池発電装置におけるエタノール混入試験時の電圧出力特性を示す特性図。
符号の説明
1…起電部単位群、2…内部燃料容器、3…燃料供給器、4…気液分離部材、5…逆流防止部材、6…酸化剤供給器、7…燃料カートリッジ、8…燃料補給器、9…第1の酸化触媒フィルター部材、10…第3の酸化触媒フィルター部材、11…配管、12…フィルター筐体、13…触媒部、14…脱落防止部材、15…空気浄化フィルター部材、16…燃料カートリッジの筐体、17…燃料収容室、18…ジョイント、19…配管、20…フィルター本体、21…フィルター本体支持材、22…酸化剤通路、23…通過孔、24…封止部、25…酸化剤取り入れ口。

Claims (3)

  1. 液体燃料が供給されるアノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極及び前記カソード電極の間に配置される電解質膜と、前記カソード電極に酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するセパレータとを備える少なくとも1つ以上の起電部単位と、
    酸化剤供給器と、
    前記酸化剤供給器から前記セパレータの酸化剤流路までの酸化剤供給流路に配置され、前記酸化剤供給器から供給された酸化剤とアノード排出成分を含むガスとが流入される酸化触媒フィルター部材と
    前記セパレータの酸化剤流路の出口に接続された第3の酸化触媒フィルター部材と
    を具備することを特徴とする直接型液体燃料電池発電装置。
  2. 前記酸化剤供給器の上流に配置され、前記液体燃料もしくはその濃縮燃料が収容される燃料収容室と酸化剤浄化フィルターとを備える交換可能な燃料カートリッジをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の直接型液体燃料電池発電装置。
  3. 前記酸化剤浄化フィルターは、前記燃料収容室を間に挟んで前記起電部単位と反対側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の直接型液体燃料電池発電装置。
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