JP4363038B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットヘッドに関し、詳しくは、圧電素子からなる駆動壁とチャネル部とが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネル部の出口と入口とが対向状に配置され、前記駆動壁に電圧を印加することにより該駆動壁をせん断変形させてチャネル部内のインクを吐出させるようにしたヘッドチップを有するインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チャネル部を区画する駆動壁に電圧を印加することにより該駆動壁をせん断変形させてチャネル部内のインクを吐出させるようにしたシェアモード型のインクジェットヘッドとして、インクを吐出させるためのアクチュエータを、圧電素子からなる駆動壁とチャネル部とが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネル部の出口と入口とが対向状に配置される所謂ハーモニカ型のヘッドチップにより構成することで、1枚のウェハーからの取り数が多く、極めて生産性を向上させたインクジェットヘッドが公知である(特許文献1〜3)。
【0003】
このようなインクジェットヘッドのチャネル部は、その入口から出口に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプとなるため、各駆動壁に形成された駆動電極に電圧を印加するための配線を形成することが困難である。
【0004】
例えば上記特許文献1〜3に記載の技術では、駆動壁を上下から挟むように対向している上部又は下部の基板に貫通孔を形成し、この貫通孔を利用して各駆動電極と電気的に接続される配線をヘッドチップの外面に引き出すようにしているが、チャネル部毎にこのような貫通孔を形成する作業は煩雑であり、しかも、この貫通孔に形成された配線に更に駆動回路からの配線を接続するための作業を要するため、駆動回路からの配線との電気的接続がより簡単に行える構造が望まれている。
【0005】
また、ヘッドチップの後面には、各チャネル部にその入口側(ノズルプレートと反対側)からインクを供給するためのインク供給室を構成するインクマニホールドが接着剤を用いて固着されるが、上記従来技術では、ヘッドチップの後面とインクマニホールドとを、固着面が各チャネル部にかからないように、その周囲のスペースを利用して接着剤を塗布して固着する必要がある。しかし、ヘッドチップの厚みは数mm程度しかなく、そのようなヘッドチップの後面において接着剤のはみ出しが生じない程度に塗布可能な糊代はせいぜい0.5mm程度のスペースしかない。従って、インクマニホールドを接着剤を用いてヘッドチップの後面に固着する際は、微小なスペースに接着剤をはみ出さないように慎重に塗布して行う必要があり、生産性に問題を残している。この場合、チャネル部の上部及び下部の基板を大きく(厚く)形成することで接着剤の塗布スペースを広く確保することも考えられるが、無駄にヘッドの大型化を招くこととなる。このため、ヘッドチップを無駄に大きくすることなく、更なる生産性の向上を図ることのできるインクジェットヘッド構造が望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−103612号公報
【特許文献2】
特開2002−103614号公報
【特許文献3】
特開2002−210955号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、各チャネル部内の駆動電極と駆動回路からの配線との電気的接続を簡単に行うことができると共に、各チャネル部内へのインク供給を行うインク供給室の形成を容易に行うことのできる、生産性の高いインクジェットヘッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0009】
請求項1記載の発明は、 それぞれ同一長さの上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板との間にそれらと長さが同じ圧電素子からなる駆動壁と、前記駆動壁と交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれ出口と入口とが対向状に配置されたチャネル部と、前記チャネル部内に臨む前記駆動壁に形成された駆動電極とを備えることにより、前面、後面、上面、下面及び両側面の6面を有するヘッドチップと、
前記ヘッドチップの上面又は下面に固着され、表面に前記各駆動電極に電圧印加するための駆動配線を有すると共に前記チャネル部の長さよりも長尺に形成された配線基板と、
前記ヘッドチップにおける前記配線基板との固着面と反対面に固着され、前記チャネル部の長さよりも長尺な流路基板と、
前記流路基板と前記配線基板との間に亘って前記ヘッドチップの後面を包囲するように設けられた囲い壁部と、
前記流路基板、前記配線基板及び前記囲い壁部によって囲まれる空間によって、前記ヘッドチップの後面側に形成され、各チャネル部にインクを供給するためのインク供給室とを有してなり、
前記ヘッドチップは、前記上部基板の上面及び前記下部基板の下面の少なくともいずれかの面に、各チャネル部内の駆動電極に対応する第1の接続配線が形成されていると共に、前記ヘッドチップの前記前面及び前記後面の少なくともいずれかの面に、前記各駆動電極と前記各第1の接続配線とを電気的に接続する第2の接続配線が形成されており、
前記配線基板は、前記駆動配線の形成面を前記第1の接続配線と対向させて前記ヘッドチップに固着されることにより、前記駆動配線とそれぞれ対応する前記第1の接続配線とが前記固着面において電気的に接続されていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
【0010】
請求項2記載の発明は、それぞれ同一長さの上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板との間にそれらと長さが同じ圧電素子からなる駆動壁と、前記駆動壁と交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれ出口と入口とが対向状に配置されたチャネル部と、前記チャネル部内に臨む前記駆動壁に形成された駆動電極とを備えることにより、前面、後面、上面、下面及び両側面の6面を有するヘッドチップの2つが重ね合わされたヘッドチップと、
前記重ね合わされたヘッドチップにおける上面及び下面にそれぞれ固着され、表面に前記各駆動電極に電圧印加するための駆動配線を有すると共に前記チャネル部の長さよりも長尺に形成された2つの配線基板と、
前記2つの配線基板の間に亘って前記重ね合わされたヘッドチップの後面を包囲するように設けられた囲い壁部と、
前記2つの配線基板間及び前記囲い壁部によって囲まれる空間によって前記重ね合わされたヘッドチップの後面側に形成され、各チャネル部にインクを供給するためのインク供給室とを有してなり、
前記重ね合わされたヘッドチップの各々は、前記上部基板の上面及び前記下部基板の下面のいずれかの面に、各チャネル部内の駆動電極に対応する第1の接続配線が形成されていると共に、前記重ね合わされたヘッドチップの各々の前面及び後面の少なくともいずれかの面に、前記各駆動電極と前記各第1の接続配線とを電気的に接続する第2の接続配線が形成され、且つ、前記第1の接続配線が形成された面と反対面同士が重ね合わされて固着されており、
前記2つの配線基板の各々は、前記駆動配線の形成面を前記第1の接続配線と対向させて前記重ね合わされたヘッドチップにおける上面及び下面にそれぞれ固着されることにより、前記駆動配線とそれぞれ対応する前記第1の接続配線とが固着面において電気的に接続されていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記駆動電極、第2の接続電極及び駆動配線の表面に電極保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドである。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記配線基板に、駆動ICが実装されたフレキシブル基板が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッドである。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記配線基板に、駆動ICが実装されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
【0016】
請求項6記載の発明は、前記ヘッドチップにおける駆動壁以外の基板、前記配線基板及び前記流路基板のうちの少なくとも一つが、窒化アルミを成分に含むセラミックス、圧電材料及び液晶ポリマーのうちから選ばれるいずれかの材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
【0017】
請求項7記載の発明は、前記ヘッドチップにおける駆動壁以外の基板、前記配線基板及び前記流路基板のうちの少なくとも一つの熱膨張係数が、前記圧電素子の熱膨張係数の±2ppm/℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項8記載の発明は、前記ヘッドチップと前記配線基板とは、接着剤又は異方性導電フィルムによって固着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドの第1の実施形態を示す全体斜視図、図2はその縦断面図である。
【0020】
図中、Aはインクジェットヘッド、1はヘッドチップ、2はヘッドチップの前面に貼着されたノズルプレート、3はヘッドチップ1の下面に貼着された配線基板、4はヘッドチップの上面に貼着された流路基板、5は配線基板3と流路基板4の間に亘って設けられた囲い壁部である。
【0021】
なお、本明細書においては、ヘッドチップ1からインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッドチップ1において並設されるチャネル部を挟んで上下に位置する外側面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
【0022】
ヘッドチップ1は、上部基板13と下部基板11との間に、圧電素子12からなる駆動壁14とチャネル部15とが交互に並設されている。図示例では4つのチャネル部15と5つの駆動壁14とが形成されるものを例示している。上記チャネル部15の形状は、両側壁が垂直方向に向いており、そして互いに平行である。また、その入口から出口に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプである。このようにチャネル部15がストレートタイプであることにより、泡抜けが良く、電力効率が高く、発熱が少なく、高速応答性が良いインクジェットヘッドとすることができる。
【0023】
圧電素子12に用いられる圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じる公知の圧電材料を用いることができ、有機材料からなる基板、非金属製の基板等がある。特に、非金属製の圧電材料基板が好ましく、成形、焼成等の工程を経て形成される圧電セラミックス基板、又は成形、焼成を必要としないで形成される基板等がある。
【0024】
非金属製の圧電材料基板において、成形、焼成等の工程を経て形成される圧電セラミックス基板としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好ましい。さらにBaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO3等を用いてもよい。
【0025】
PZTとしては、PZT(PbZrO3−PbTiO3)と、第三成分添加PZTがある。添加する第三成分としてはPb(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3等がある。
【0026】
また、非金属製の圧電材料基板において、成形、焼成を必要としないで形成される基板としては、例えば、ゾル−ゲル法、積層基板コーティング法等で形成することができる。
【0027】
圧電素子12は、2枚の圧電材料基板12a、12bを分極方向を互いに反対に向けて接合してなる。これにより圧電素子12に複数列の溝を並設することで、分極方向が互いに反対方向となる駆動壁14が形成される。
【0028】
圧電材料基板12aと12bを接合する手段としては、接着剤を用いた接合を採用できるが、接合可能であれば、特にこれに限定されない。接着剤を用いて接合する場合、その接着剤層の硬化後の厚みは、1〜10μmの範囲が好ましい。
【0029】
なお、図示していないが、下部基板11の代わりに圧電材料基板12bを厚手のものとし、上側の圧電材料基板12a側から圧電材料基板12bの中途部までに亘って平行な複数列の溝を形成することで、上記同様の駆動壁14を形成するようにしてもよい。
【0030】
各駆動壁14には、チャネル部15内に臨んで駆動電極16が形成されている。駆動電極16を形成する金属は、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等があるが、NiやCuが好ましく、特に好ましくはNiである。
【0031】
駆動電極16の形成は、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD(化学気相反応法)等の真空装置を用いた方法等が挙げられるが、めっき法によるものが好ましく、特に無電解めっきにより形成されることが好ましい。無電解めっきによれば、均一且つピンホールフリーの金属被膜を形成することができる。
【0032】
無電解めっきによる電極形成においては、Ni−Pめっき又はNi−Bめっきを単独で使用してもよいし、あるいはNi−PとNi−Bを重層してもよい。Ni−PめっきはP含量が高くなると電気抵抗が増大するので、P含量が1〜数%程度がよい。Ni−BめっきのB含量は、普通1%以下なので、Ni−PよりNi含量が多く、電気抵抗が低く、且つ、外部の配線との接続性が良いため、Ni−PよりNi−Bの方が好ましいが、Ni−Bは高価なので、Ni−PとNi−Bを組み合わせることも好ましい。更に、Ni−Pめっき又はNi−Pめっきを下層として、その上層にAu(金)を電解めっき又は蒸着により形成してもよい。めっき膜の厚みは0.5〜5μmの範囲が好ましい。
【0033】
ヘッドチップ1の上面及び下面の少なくともいずれかの面には、各チャネル部15と同じピッチで第1の接続配線17が、各チャネル部15と同数、平行に形成されており、ヘッドチップ1の前面から後面に亘って延びている(図9、図10参照)。ここでは、ヘッドチップ1の下面にのみ形成しているが、上面でもよく、また上下両面にあってもよい。この第1の接続配線17は、詳細には後述するが、駆動回路からの電圧を各駆動電極16に印加するための配線基板3の駆動配線31と電気的に接続するため、ヘッドチップ1の上下両面に形成されていれば、この駆動配線31との接続をヘッドチップ1の上下両面のいずれからもとることができる。すなわち配線基板3をヘッドチップ1の上下いずれの面に固着することもできるので、ヘッドチップ1の向きを選ばず、インクジェットヘッドの作成上有利である。
【0034】
また、ヘッドチップ1の前面及び後面の少なくともいずれかの面には、一端が各チャネル部15内の駆動壁14に形成された駆動電極16とそれぞれ電気的に接続する第2の接続配線18が形成されており、その他端はそれぞれ対応する第1の接続配線17と電気的に接続されている。従って、各チャネル部15内の駆動壁14に形成された各駆動電極16への配線が、第2の接続配線18を介してヘッドチップ1の後面からヘッドチップ1の下面に亘って引き出されている。図示例では、ヘッドチップ1の後面にのみ形成しているが、前面のみであってもよく、また前後両面に形成されていてもよい。
【0035】
配線基板3は、ヘッドチップ1の幅(チャネル部15の並設方向の長さ)とほぼ同幅で、且つヘッドチップ1の長さ(ヘッドチップ1の前面から後面に亘る長さ)よりも十分に長尺な基板からなり、その表面に、ヘッドチップ1のチャネル部15と同じピッチで、図示しない駆動回路から供給される電圧を各チャネル部15の駆動壁14に形成された駆動電極16に印加するための駆動配線31が形成されている。
【0036】
この配線基板3は、その前端面がヘッドチップ1の前面と面一となるように、且つ、その表面の駆動配線31形成面をヘッドチップ1の第1の接続配線17と対向させ、各第1の接続配線17と各駆動配線31とが電気的に接続するようにヘッドチップ1、ここではヘッドチップ1の下面に固着されている。
【0037】
流路基板4は、ヘッドチップ1の幅とほぼ同幅で、且つ、上記配線基板3よりも若干短尺であるが、ヘッドチップ1の長さよりも十分に長尺な基板により形成されており、その前端面がヘッドチップ1の前面と面一となるように、ヘッドチップ1における上記配線基板3の接合面と反対面、すなわち、ここでは上部基板13の上面に固着されている。これによりヘッドチップ1の後面は、該ヘッドチップ1の後面側にはみ出した配線基板3及び流路基板4によって上下が覆われる状態とされている。
【0038】
囲い壁部5は、この配線基板3と流路基板4との間に亘って前記ヘッドチップ1の後面を包囲するように設けられる平面視略コ字型を呈する側壁形成部材であり、ポリイミド、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高機能樹脂により形成されている。これによりヘッドチップ1の後面側には、上下が流路基板4と配線基板3とによって覆われると共に側面が囲い壁部5によって閉鎖された空間が形成され、この空間によって各チャネル部15にインクを供給するためのインク供給室51を構成している。52はインク供給室51内にインクを流入させるための流入口であり、これによりインク供給室51はインクマニホールドとして機能する。このインク供給室51は、図示しないが、ゴミの流入を防ぐためにフィルターを内蔵している。
【0039】
ノズルプレート2は、上面及び下面に流路基板4及び配線基板3がそれぞれ固着されたヘッドチップ1の前面側に、上記流路基板4及び配線基板3のそれぞれ前端面に亘る大きさを有して固着されている。ノズルプレート2には、各チャネル部15に対応するノズル孔21が開設されている。
【0040】
このインクジェットヘッドAには、駆動IC61が実装されたフレキシブル基板6が、その各配線が配線基板3表面の駆動配線31とそれぞれ電気的に接続するように異方性導電フィルム7により接合されている。62は外部配線との電気的接続を行うためのコネクタである。図示しない駆動回路からの駆動電圧は、コネクタ62を介して駆動IC61に入力され、該駆動IC61から各駆動配線31、第1の接続配線17及び第2の接続配線18を介して各駆動電極16に印加される。
【0041】
かかるインクジェットヘッドAでは、各駆動電極16に電圧印加するための配線を、第1の接続配線17及び第2の接続配線18によってヘッドチップ1の外面に引き出すようにしており、配線基板3に形成された駆動配線31と単に接合するだけで、駆動回路からの配線との電気的接続が極めて簡易に行うことが可能であり、従来のように各チャネル部15に対応して貫通孔を形成するといった複雑な配線形成は不要となる。
【0042】
また、各チャネル部15にインク供給を行うインク供給室51は、流路基板4と配線基板3との間に亘ってヘッドチップ1の後面を包囲するように固着される囲い壁部5によって形成されるため、ヘッドチップ1との固着部位は、該ヘッドチップ1の両側端部に位置する壁部分の後面側及びそれに隣接する上部基板13及び下部基板11の極く一部の領域のみで済む。従って、従来のようにチャネル部15を囲むように上部基板13や下部基板11の全域に対してもインクマニホールドを固着する必要がないため、上部基板13や下部基板11の全域にインクマニホールドを固着するための糊代を確保する必要も、該上部基板13や下部基板11全域に接着剤を塗布する必要もない。このため、従来のようにインク供給室51を形成するためにヘッドチップ1を無駄に大きく形成する必要も、微小スペースへの接着剤の塗布作業も不要となり、生産性の向上を図ることが可能である。
【0043】
本発明において、ヘッドチップ1における駆動壁14以外の基板、すなわち本実施形態では上部基板13及び下部基板11の両基板、配線基板3及び流路基板4のうちの少なくとも一つが、窒化アルミを成分に含むセラミックス、圧電材料及び液晶ポリマーのうちから選ばれるいずれかの材料からなることが好ましい。これにより放熱特性が優れ、また、温度変化に対して安定なインクジェットヘッドを得ることができる効果がある。
【0044】
また、上記ヘッドチップ1における駆動壁14以外の基板、配線基板3及び流路基板4のうちの少なくとも一つの熱膨張係数が、駆動壁14を構成する圧電素子12の熱膨張係数の±2ppm/℃であることが更に好ましい。熱膨張係数をこの範囲とすることで、各基板間に熱膨張係数の差による剥離等が起こらない。
【0045】
この第1の実施形態に示すインクジェットヘッドAでは、インク供給室51に第2の接続配線18及び駆動配線31の一部が臨むため、これらは各チャネル部15内の駆動電極16同様、インクと直に接触する。従って、インクとして水系インクを使用する場合には、各チャネル部15内の駆動電極16、第2の接続配線18及び駆動配線31の表面に電極保護膜が形成される。電極保護膜としては、柔軟性を有すると共に剥離しにくく、駆動壁14のせん断変形に追従し易く、また、駆動電極16の耐久性をより向上させることができることから、パリレン膜等の有機絶縁膜が好ましい。
【0046】
次に、かかるインクジェットヘッドAの製造方法の一例について図3〜図10に基づいて説明する。なお、以下に記載する数値は一例であり、本発明は以下の数値に限定されるものではない。
【0047】
まず、図3に示すように、分極方向(矢印で示す)を互いに反対方向に向けた各厚さ0.1mmの2枚の圧電材料基板(PZT)12a、12bを積層した圧電素子12を、厚さ0.6mmのセラミック基板からなる下部基板11(大きさ50mm角)に貼り付けた積層体を準備する。なお、下部基板11と圧電材料基板12bは同一であってもよく、この場合は分極方向を異ならせた2枚の圧電材料基板により積層体が構成される。
【0048】
次に、図4に示すように、この積層体の上下両面にスピンコート法によりポジレジスト100、101(光が照射された部分が現像で溶解される)をコーティングし、その後、圧電素子12と反対側にある下部基板11の下面のポジレジスト101をストライプ状のマスク(マスク幅0.07mm、ピッチ0.141mm)を用いて露光し、現像することにより、該下面に幅0.71mmのストライプパターンを得る。
【0049】
次いで、図5に示すように、上記圧電素子12の側から0.08mm厚の円盤状の砥石(ダイシングブレード)を用いて0.141mmピッチで互いに平行な溝151、151・・・を研削加工する。この溝151は、その長さ方向に亘って略均一な深さ(0.20mm)であり、長さ方向に亘って溝151の断面形状がほぼ変わらないストレートな溝である。加工する溝151の数は、例えば258本の加工を行うと、257本の駆動壁14と256本のチャネル部用の溝151及び両側に1本ずつの余りの溝151が形成される。
【0050】
その後、無電解めっき法により各溝151内及び上記ストライプパターンが形成された下部基板11の下面に0.5〜5μmの膜厚となるように金属層を形成させる。金属層は下層がNi−Bめっき層、上層がAuめっき層となる積層構造とする。このとき、無電解めっき処理の前処理を適切に行うことにより、レジスト上にはめっきが析出しない、いわゆる選択めっきを行うようにする。
【0051】
次いで、リムーバーでレジストを溶解除去することにより、各溝151の内面にはめっき層が形成されて駆動電極16が形成され、各駆動壁14の上部には電極が形成されず、また、下部基板11の下面には、各ストライプパターンの間にめっき層が形成されて第1の接続配線17が形成された図6の状態となる。
【0052】
以上のめっき法による駆動電極16及び第1の接続配線17の形成方法としてレジストを用いた選択めっき法を行う例を示したが、これに限定されるものではなく、他の方法として、レジストの代わりにドライフィルムレジストを用い、真空蒸着によりアルミニウムを全面に形成した後、溶剤でドライフィルムレジストと共に、ドライフィルムレジスト上のアルミニウムを除去するリフトオフ法でも同様な駆動電極16及び第1の接続配線17をパターン形成することができる。このとき、望ましくはアルミニウムの上に連続して金を蒸着するとよい。
【0053】
駆動電極16及び第1の接続配線17を形成した後、別途用意した上部基板13をエポキシ系接着剤を用いて圧電素子12からなる駆動壁14の上面に固着する。図7は上部基板13を固着した後の状態を示す。これにより、上部基板13と下部基板11との間に駆動壁14と溝151によって形成されたチャネル部15とが交互に並設されたヘッド基板aを形成する。
【0054】
次に、かかるヘッド基板aを、図7に示すように、チャネル部15の長さ方向と略直交するカットラインC1、C2、C3・・・に沿って切断し、1枚のヘッド基板aから複数のヘッドチップ1、1、1・・・を作成する。
【0055】
作成されたヘッドチップ1の切断面に、図8に示すように、各チャネル部15に対応する第2の接続配線形成用の開口201を有するドライフィルム200でパターニングを行い、その後アルミニウムを蒸着することで第2の接続配線18を形成する。蒸着は駆動電極16及び第1の接続配線17との電気的接続を確実にするため、方向を変えて2回行った。また、ここでの第2の接続配線18の形成方法としては、蒸着に限らず、スパッタリング法でもよい。その後、溶剤でドライフィルムとその上に形成されたアルミニウムを除去すると、各駆動電極16と各第1の接続配線17とが第2の接続配線18によって電気的に接続された図9の状態となる。
【0056】
なお、ここではヘッドチップ1の一方の切断面(後にヘッドチップ1の後面となる面)にアルミニウムを蒸着しているが、反対側の面であってもよく、また、前面及び後面の両面にあってもよい。
【0057】
別途、ヘッドチップ1のチャネル部15と同じピッチで表面に駆動配線31が形成された配線基板3を用意する。配線基板3の形成法としては、厚さ0.6mmの基板(大きさ約50mm角)に、配線材料としてCu、Ni、Auをめっきによりこの順で形成した。配線基板3としては約50mm角の基板を半分に切断し、幅25mm、長さ50mmとした。
【0058】
次いで、ヘッドチップ1と配線基板3とを、図10(a)(b)に示すように、第1の接続配線17と駆動配線31とを対向させてエポキシ接着剤で接合し固着した。ヘッドチップ1の第1の接続配線17と配線基板3の駆動配線31とは、接着剤の引っ張り応力で引きつけられており、良好な電気的接続をとることができる。なお、配線基板3の接合方法としては、接着剤による他、異方性導電フィルムを用いる方法、半田を用いる方法、導電性接着剤を用いる方法等が適用できる。
【0059】
その後、ヘッドチップ1の配線基板3の反対面に流路基板4を固着する。インクとして水系インクを使用する場合には、このようにヘッドチップ1に配線基板3及び流路基板4が固着された状態で、電極保護膜として、例えばCVD法により5μmの膜厚でパリレン膜を形成する。
【0060】
次いで、ヘッドチップ1の前面及び配線基板3と流路基板4の各前端面に亘って、各チャネル部15に対応する位置にノズル孔21が形成されたノズルプレート2を接合し、ヘッドチップ1の後面には、配線基板3と流路基板4との間に亘って該ヘッドチップ1の後面を包囲するように囲い壁部5を設け、インク供給室51を形成する。その後、配線基板3には、駆動IC61が実装されたフレキシブル基板6を異方性導電フィルム7により接合する(図1、図2参照)。
【0061】
以上の説明では、配線基板3に駆動IC61が実装されたフレキシブル基板6を接合する態様を例示したが、第1の実施形態の別の態様として、図11に示すように、配線基板3の表面に駆動IC32を実装するようにしてもよい。33は外部機器との接続を行うためのコネクタ、34は該コネクタ33と駆動IC32とを電気的に接続する配線である。駆動IC32の実装方法としては、ワイヤボンディング、バンプを用いたフリップチップ実装等、通常の実装工程で用いられる方法が適用できる。
【0062】
この場合は、上述したように駆動ICを実装した基板を別途接合する手間が省ける上に、構成も簡素化でき、極めてコンパクトなインクジェットヘッドを構成することができる。また、射出するインクの種類によっては、インクを加熱する必要があるが、これには配線基板3上若しくは配線基板3に隣接してヒーターを設ける必要がある。しかし、このように配線基板3に駆動IC32を実装すれば、発熱した駆動IC32をインクの加熱手段として用いることもできる。
【0063】
次に、本発明に係るインクジェットヘッドの第2の実施形態について説明する。図12は第2の実施形態に係るインクジェットヘッドBを示す縦断面図である。第1の実施形態と同一符号は同一構成を示し、特に相違がない限り詳しい説明は省略する。
【0064】
第2の実施形態に係るインクジェットヘッドBは、上記第1の実施形態において説明したものと同様の構成からなるヘッドチップ1を2つ重ね合わせている。但し、ここでは、各チャネル部15内の駆動電極16に対応する第1の接続配線17が、各ヘッドチップ1の上面又は下面のいずれかの面、ここでは各ヘッドチップ1の下部基板11側に形成されている。この第1の接続配線17とを電気的に接続する第2の接続配線18は、ヘッドチップ1、1の前面及び後面の少なくともいずれかの面に形成されていればよい。
【0065】
各ヘッドチップ1、1は、それぞれ第1の接続配線17が形成された面に、表面にヘッドチップ1の各駆動電極16に電圧印加するための駆動配線31が形成された配線基板3が、その駆動配線31が第1の接続配線17のそれぞれと電気的に接続するように固着されており、更に、それぞれ配線基板3、3が固着された2つのヘッドチップ1、1が、該ヘッドチップ1、1における配線基板3との固着面と反対面同士、ここでは上部基板13同士を重ね合わせて固着されている。このインクジェットヘッドBでは、重ね合わされたヘッドチップ1、1の上下両面に配線基板3、3が配置されるため、流路基板4の必要はない。
【0066】
また、2つの配線基板3、3同士の間に亘って2つのヘッドチップ1、1の後面を共通に包囲するように囲い壁部5を設けることによって、2つのヘッドチップ1、1の各チャネル部15にインクを供給するためのインク供給室51を形成している。
【0067】
ノズルプレート2は、2つのヘッドチップ1、1の前面及び2つの配線基板3、3の前端面に亘る大きさを有すると共に、2つのヘッドチップ1、1の各チャネル部15に対応するように、ノズル孔21が上下2列に形成されている。
【0068】
ここでは各配線基板3の駆動配線31形成側の面に、それぞれ駆動IC32、32を実装し、これをそれぞれ配線34、34によって一つのコネクタ33と電気的に接続している態様を示しているが、図1、図2と同様に、それぞれ駆動IC61を実装したフレキシブル基板6と別途接合する態様としてもよい。
【0069】
この第2の実施形態に係るインクジェットヘッドBによれば、配線基板3をそれそれ固着したヘッドチップ1、1同士を重ね合わせるだけで容易に積層構造化することができ、ノズル数が2倍のインクジェットヘッドを簡単に構成することができる。しかも、各ヘッドチップ1、1の各駆動電極16と駆動配線31との電気的接続も第1の実施形態の場合と同様に極めて簡易に行うことができる。
【0070】
なお、このインクジェットヘッドBでは、重ね合わされたヘッドチップ1、1の重合面に位置する基板(ここでは上部基板13、13)を1枚として、上下のヘッドチップ1、1で共用させることもでき、部品点数の削減を図ることも可能である。
【0071】
また、2枚のヘッド基板a、aを張り合わせた後に、図7に示すのと同様に、C1、C2、C3でカットして、ヘッドチップとして、それに配線基板3、3を固着させる順番で作成してもよい。
【0072】
次に、本発明に係るインクジェットヘッドの第3の実施形態について説明する。図13は第3の実施形態に係るインクジェットヘッドCを示す縦断面図である。第1の実施形態と同一符号は同一構成を示し、特に相違がない限り詳しい説明は省略する。
【0073】
この第3の実施形態に係るインクジェットヘッドCには、第1の実施形態に係るインクジェットヘッドAにおける第1の接続配線17及び第2の接続配線18は形成されていない。ヘッドチップ1には、表面にヘッドチップ1の各駆動電極16に電圧印加するための駆動配線31が形成された配線基板3が、該駆動配線31がヘッドチップ1と反対側の面となるように固着されており、そのヘッドチップ1の前面と配線基板3の前端面とに亘って、各駆動電極16と配線基板3表面の駆動電極31とを電気的に接続する前面配線19を形成した構成としている。
【0074】
このインクジェットヘッドCでは、ヘッドチップ1と配線基板3とを固着した後に、例えば図8に示したようにヘッドチップ1の前面及び配線基板3の表面(ヘッドチップ1の固着面と反対側面)にドライフィルムを用いてパターニングを行い、その後アルミニウムを蒸着することで、駆動配線31と電気的に接続された前面配線19とを一挙に形成することができる。このため製造工程を簡略化でき、コスト削減を図ることができる。しかも、インク供給室51内にチャネル部15内の駆動電極16以外の配線が存在しないため、水系インクを使用する場合には、インクと直に接触する駆動電極16にのみ電極保護膜を形成すればよい。従って、電極保護膜の欠陥により電極が腐食して断線する確率が低くなり、信頼性を更に向上させることができる。
【0075】
なお、図13においては図示していないが、配線基板3には、図1、図2と同様に、駆動IC61を実装したフレキシブル基板6を接合してもよいし、図11と同様に、駆動IC32を直に実装し、コネクタ33により外部機器との電気的接続を行うことができるようにしてもよい。
【0076】
次に、本発明に係るインクジェットヘッドの第4の実施形態について説明する。図14は第4の実施形態に係るインクジェットヘッドDを示す縦断面図である。第1、第2及び第3の実施形態と同一符号は同一構成を示し、特に相違がない限り詳しい説明は省略する。
【0077】
第4の実施形態に係るインクジェットヘッドDは、上記第3の実施形態において説明したものと同様の構成からなるヘッドチップ1及び配線基板3を2つ用いて重ね合わせている。
【0078】
すなわち、各ヘッドチップ1、1には、表面にヘッドチップ1の各駆動電極16に電圧印加するための駆動配線31が形成された配線基板3、3が、該駆動配線31がヘッドチップ1と反対側の面となるようにそれぞれ固着されており、その各ヘッドチップ1、1の前面と配線基板3、3の前端面とに亘って、各駆動電極16と配線基板3、3表面の駆動電極31とを電気的に接続する前面配線19を形成した構成としている。
【0079】
また、2つの配線基板3、3同士の間に亘って2つのヘッドチップ1、1の後面を共通に包囲する囲い壁部5を設けることによって、2つのヘッドチップ1、1の各チャネル部15にインクを供給するためのインク供給室51を形成している。
【0080】
ノズルプレート2は、2つのヘッドチップ1、1の前面及び2つの配線基板3、3の前端面に亘る大きさを有すると共に、2つのヘッドチップ1、1の各チャネル部15に対応するように、ノズル孔21が上下2列に形成されている。
【0081】
この第4の実施形態に係るインクジェットヘッドDによれば、配線基板3をそれそれ固着したヘッドチップ1、1同士を重ね合わせ、前面配線19を形成すれば、各ヘッドチップ1、1の各駆動電極16と駆動配線31との電気的接続を極めて簡易に行うことができる積層構造のインクジェットヘッドを構成することができる。しかも、重ね合わされたヘッドチップ1、1の上下両面に配線基板3、3が配置されるため、流路基板4の必要はなく、部品点数を削減することができる。また、重ね合わされたヘッドチップ1、1の重合面に位置する基板(ここでは上部基板13、13)を1枚として、上下のヘッドチップ1、1で共用させることもでき、更に部品点数の削減化を図ることも可能である。
【0082】
更に、第3の実施形態と同様、インク供給室51内には配線が形成されないため、水系インクを使用する場合には、インクと直に接触する駆動電極16にのみ電極保護膜を形成すればよく、電極保護膜の欠陥により電極が腐食して断線する確率が低くなり、信頼性を更に向上させることができる。
【0083】
なお、ここでは各配線基板3の駆動配線31形成側の面に、それぞれ駆動IC32、32を実装し、これをそれぞれ配線34、34によって各コネクタ33、33と電気的に接続している態様を示している。この態様では、駆動IC32、32はそれぞれ反対側に向くため、駆動IC32、32の発熱を効果的に外部に逃がすことができる。もちろん、図1、図2と同様に、各配線基板3、3に駆動IC61を実装したフレキシブル基板6をそれぞれ接合してもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、各チャネル部内の駆動電極と駆動回路からの配線との電気的接続を簡単に行うことができると共に、各チャネル部内へのインク供給を行うインク供給室の形成を容易に行うことのできる、生産性の高いインクジェットヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの第1の実施形態を示す全体斜視図
【図2】図1に示すインクジェットヘッド縦断面図
【図3】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図4】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図5】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図6】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図7】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図8】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図9】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図10】インクジェットヘッドの製造方法の一工程を示す図
【図11】第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの別の態様を示す全体斜視図
【図12】インクジェットヘッドの第2の実施形態を示す全体斜視図
【図13】インクジェットヘッドの第3の実施形態を示す全体斜視図
【図14】インクジェットヘッドの第4の実施形態を示す全体斜視図
【符号の説明】
A、B、C、D:インクジェットヘッド
1:ヘッドチップ
11:下部基板
12:圧電素子
13:上部基板
14:駆動壁
15:チャネル部
16:駆動電極
17:第1の接続配線
18:第2の接続配線
19:前面配線
2:ノズルプレート
21:ノズル孔
3:配線基板
31:駆動配線
32:駆動IC
33:コネクタ
34:配線
4:流路基板
5:囲い壁部
51:インク供給室
52:流入口
6:フレキシブル基板
61:駆動IC
62:コネクタ
Claims (8)
- それぞれ同一長さの上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板との間にそれらと長さが同じ圧電素子からなる駆動壁と、前記駆動壁と交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれ出口と入口とが対向状に配置されたチャネル部と、前記チャネル部内に臨む前記駆動壁に形成された駆動電極とを備えることにより、前面、後面、上面、下面及び両側面の6面を有するヘッドチップと、
前記ヘッドチップの上面又は下面に固着され、表面に前記各駆動電極に電圧印加するための駆動配線を有すると共に前記チャネル部の長さよりも長尺に形成された配線基板と、
前記ヘッドチップにおける前記配線基板との固着面と反対面に固着され、前記チャネル部の長さよりも長尺な流路基板と、
前記流路基板と前記配線基板との間に亘って前記ヘッドチップの後面を包囲するように設けられた囲い壁部と、
前記流路基板、前記配線基板及び前記囲い壁部によって囲まれる空間によって、前記ヘッドチップの後面側に形成され、各チャネル部にインクを供給するためのインク供給室とを有してなり、
前記ヘッドチップは、前記上部基板の上面及び前記下部基板の下面の少なくともいずれかの面に、各チャネル部内の駆動電極に対応する第1の接続配線が形成されていると共に、前記ヘッドチップの前記前面及び前記後面の少なくともいずれかの面に、前記各駆動電極と前記各第1の接続配線とを電気的に接続する第2の接続配線が形成されており、
前記配線基板は、前記駆動配線の形成面を前記第1の接続配線と対向させて前記ヘッドチップに固着されることにより、前記駆動配線とそれぞれ対応する前記第1の接続配線とが前記固着面において電気的に接続されていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - それぞれ同一長さの上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板との間にそれらと長さが同じ圧電素子からなる駆動壁と、前記駆動壁と交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれ出口と入口とが対向状に配置されたチャネル部と、前記チャネル部内に臨む前記駆動壁に形成された駆動電極とを備えることにより、前面、後面、上面、下面及び両側面の6面を有するヘッドチップの2つが重ね合わされたヘッドチップと、
前記重ね合わされたヘッドチップにおける上面及び下面にそれぞれ固着され、表面に前記各駆動電極に電圧印加するための駆動配線を有すると共に前記チャネル部の長さよりも長尺に形成された2つの配線基板と、
前記2つの配線基板の間に亘って前記重ね合わされたヘッドチップの後面を包囲するように設けられた囲い壁部と、
前記2つの配線基板間及び前記囲い壁部によって囲まれる空間によって前記重ね合わされたヘッドチップの後面側に形成され、各チャネル部にインクを供給するためのインク供給室とを有してなり、
前記重ね合わされたヘッドチップの各々は、前記上部基板の上面及び前記下部基板の下面のいずれかの面に、各チャネル部内の駆動電極に対応する第1の接続配線が形成されていると共に、前記重ね合わされたヘッドチップの各々の前面及び後面の少なくともいずれかの面に、前記各駆動電極と前記各第1の接続配線とを電気的に接続する第2の接続配線が形成され、且つ、前記第1の接続配線が形成された面と反対面同士が重ね合わされて固着されており、
前記2つの配線基板の各々は、前記駆動配線の形成面を前記第1の接続配線と対向させて前記重ね合わされたヘッドチップにおける上面及び下面にそれぞれ固着されることにより、前記駆動配線とそれぞれ対応する前記第1の接続配線とが固着面において電気的に接続されていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記駆動電極、第2の接続電極及び駆動配線の表面に電極保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
- 前記配線基板に、駆動ICが実装されたフレキシブル基板が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
- 前記配線基板に、駆動ICが実装されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
- 前記ヘッドチップにおける駆動壁以外の基板、前記配線基板及び前記流路基板のうちの少なくとも一つが、窒化アルミを成分に含むセラミックス、圧電材料及び液晶ポリマーのうちから選ばれるいずれかの材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
- 前記ヘッドチップにおける駆動壁以外の基板、前記配線基板及び前記流路基板のうちの少なくとも一つの熱膨張係数が、前記圧電素子の熱膨張係数の±2ppm/℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
- 前記ヘッドチップと前記配線基板とは、接着剤又は異方性導電フィルムによって固着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
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