JP4362913B2 - 駆動システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インターカレーション物質を利用した駆動システムに関する。より詳細には、この発明は、インターカレーション物質を用いて、供給される化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換し、この機械エネルギーにより駆動されて外部に対して仕事を行う駆動システムに関し、例えば、人工知能ロボット、マイクロエレクトロニクス、医療などの分野に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されているアクチュエータは、電気駆動による電磁モータや電歪素子(圧電素子)、流体圧駆動による油圧アクチュエータや空気圧アクチュエータがほとんどである。実際、工場における種々の自動化機器や各種輸送機器などで用いられる限りは、これらの既存のアクチュエータで実用上十分な特性が得られている。
【0003】
しかしながら、例えば、現在開発が急がれている自律型ロボット用アクチュエータでは、複数のアクチュエータが協調して三次元的自由度を有した動作を行う必要があり、このような場合、一つのアクチュエータの発生力および自重が他のアクチュエータの負荷となるため、その自由度が増すにつれ制御困難性や総重量が飛躍的に増大する。このような用途においては、生体が有する筋肉が、バランスのよい優れたアクチュエータといえる。具体的な数値をあげると、生体が有する筋肉は、変位は収縮方向に50%、応答時間は30ms、発生張力は(2〜10)×104 kgf/m2 (2〜10kgf/cm2 )、発生出力は単位重量当たり最大で(0.1〜0.3)×103 W/kg(0.1〜0.3W/g)となり、これら全てを満たすアクチュエータは現在のところ開発されていない(応用物理第60巻第3号(1991)p.258)。
【0004】
この生体筋類似の人工筋肉として注目されているものに高分子ゲルがある。高分子ゲルは電界印加で駆動するものもあるが、温度、pH、溶液濃度など環境の変化に応じて膨潤・収縮を繰り返すものであり、化学反応エネルギーを直接機械エネルギーに変換する、いわゆるメカノケミカルシステム(あるいはケモメカニカルシステム)を採用している。メカノケミカルシステム自体は生物の筋肉も採用しており、人工物質における例は、高分子ゲル、ゴム、コラーゲンなど有機高分子材料以外にはない(高森年著、「アクチュエータ革命」工業調査会、1987)。メカノケミカルシステムは、軽く柔軟であり、無騒音かつ燃焼に伴う排気ガスを発生しないなどの多くの利点を有する。しかしながら、現在開発中の高分子材料の多くはアモルファス状態であり、その構造は異方性を持たないので、力学的強度や耐久性に劣るという欠点を有している。
【0005】
一方、粘土鉱物に代表される無機層状物質の多くはインターカレーション物質と呼ばれ、電界印加や化学反応によって層間にイオンや分子を取り込むことができる。その際に格子定数が変化し、体積変化が生じるので、生体筋、高分子材料に次ぐ、第3のメカノケミカルシステムになる可能性がある。
【0006】
本発明者の知る限り、現在のところ、インターカレーション物質を用いたアクチュエータとしては、
・特開平02−131376号公報
・特開平04−127885号公報
・特開平05−110153号公報
・特開平06−125120号公報
に開示されたものがある。これらのアクチュエータの概要を述べると、特開平02−131376号公報に開示されたアクチュエータは電解質であるポリエチレンオキサイドを黒鉛層間化合物でサンドイッチした構造であり、その層間をLiが輸送されることにより屈曲が生じるものである。特開平4−127885号公報に開示されたアクチュエータは、正/負極にAg0.7 2 5 を用い、固体電解質に4AgI−Ag2 WO4 を用いた系である。これらのいずれのアクチュエータも、電界印加によってイオンをインターカレートさせ、その体積変化を駆動力としたものである。また、特開平05−110153号公報および特開平06−125120号公報に開示されたアクチュエータは、粘土鉱物などの無機層状物質へアミンなどの極性有機物質を挿入した化合物に外部から電界を印加して、無機層間に存在する有機物質の配向角度を変化させることにより変位が得られるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、インターカレーション物質を用いた従来のアクチュエータは、全て電界印加による駆動方式を採用しており、化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換することを記述した報告例はない。
【0008】
一方、本発明者の知見によれば、多自由度を有する駆動部位を必要とする人工知能ロボットあるいは自律型ロボットなどに用いられる次世代のアクチュエータは、メカノケミカルシステムを取り入れることにより、生体筋の有する優れた特性を手に入れることが可能になると考えられる。
【0009】
しかしながら、すでに述べたように、従来このシステムが人工的にできるのは高分子材料だけであり、それらの多くはアモルファス状態であり、その構造は異方性を持たないので、力学的強度や耐久性に劣るという欠点を有している。
【0010】
したがって、この発明が解決しようとする課題は、このような欠点のない、新たなメカノケミカルシステムとなる、インターカレーション物質を用いたアクチュエータを用いた駆動システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術が有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その概要について説明すると次の通りである。
【0012】
上述のように、従来のインターカレーション物質を用いたアクチュエータは、全て電界印加駆動方式であった。本発明者は、種々検討を行った結果、次世代のアクチュエータとして最も適当なものは、インターカレーション物質を用いて、溶液により供給される化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換することにより駆動されるメカノケミカルシステムのアクチュエータであるという結論に至った。このアクチュエータは、化学的手法によって、より具体的には外部からの溶液の供給による化学反応によってホスト物質である無機層状物質の層間にゲスト物質が出入りすることによって駆動されるものであり、電気を用いない簡易なシステム構成で大きな変位を可逆的に創出することが可能である。このアクチュエータは、インターカレーション物質として単結晶あるいはc軸配向膜を用いて、それを伸縮方向であるc軸方向に積み重ねることで巨大変位を創出する筋肉状アクチュエータ(人工筋肉)とすることができる。特に、分子長の大きい有機分子をゲスト物質とすることで、より効果的に巨大変位を得ることができる。
【0013】
この発明は、以上の検討に基づいて案出されたものである。
【0014】
すなわち、上記課題を解決するために、この発明は、
溶液交換または溶液濃度変化により駆動される、インターカレーション物質を用いたアクチュエータと、
アクチュエータに駆動用の溶液を供給する溶液供給手段とを有する
ことを特徴とする駆動システムである。
【0015】
この発明において、アクチュエータは、典型的には、溶液供給手段から供給される溶液中に浸されるが、必ずしもその全部が溶液に接触している場合に限られず、少なくともその一部分が溶液に接触している場合もある。後述のように、この溶液は、ゲスト物質を含むものである。
【0016】
アクチュエータは、一つの要素部(モジュールあるいはユニット)により構成されることも、所望の大きさにするために複数の要素部の組み合わせにより構成されることもある。
【0017】
アクチュエータの形状は基本的にはどのような形状であってもよく、使用目的などに応じて設計される。具体的には、アクチュエータは、例えば、インターカレーション物質の伸縮方向を軸とする柱状(円柱状、角柱状など)または繊維状の形状を有し、好適には、インターカレーション反応に伴う層間隔変化時にその形状を保つために、少なくともその側面の一部、典型的には表面全体に溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の多孔質有機高分子がコーティングされるが、コーティングを省略してもよい。アクチュエータは、典型的には、柱状または繊維状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものであり、あるいはこの柱状または繊維状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものが複数並列接続された(あるいは束ねられた)構造を有する。伸縮運動に支障を生じないようにするために、これらの要素部相互間は接着などにより一体的に結合される。
【0018】
アクチュエータは、インターカレーション物質の伸縮方向が主面に垂直な膜状または板状の形状を有することもあり、好適には、インターカレーション反応に伴う層間隔変化時にその形状を保つために、少なくともその表面の一部、典型的には表面全体に溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の多孔質有機高分子がコーティングされるが、コーティングを省略してもよい。アクチュエータは、典型的には、膜状または板状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものであり、あるいはこの膜状または板状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものが複数並列接続された(あるいは束ねられた)構造を有する。伸縮運動に支障を生じないようにするために、これらの要素部相互間は接着などにより一体的に結合される。
【0019】
アクチュエータは、粉末状のインターカレーション物質を所望の形状に成型したものからなることもあり、好適には、インターカレーション反応に伴う層間隔変化時にその形状を保つために、少なくともその面の一部、典型的には表面全体に溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の多孔質有機高分子がコーティングされるが、コーティングを省略してもよい。アクチュエータは、典型的には、粉末状のインターカレーション物質を成型したものからなる要素部が複数直列接続されたものであり、あるいはこの粉末状のインターカレーション物質を成型したものからなる要素部が複数直列接続されたものが複数並列接続された(あるいは束ねられた)構造を有する。伸縮運動に支障を生じないようにするために、これらの要素部相互間は接着などにより一体的に結合される。
【0020】
アクチュエータはまた、溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の材料からなる管状の中空体の周囲にその軸の方向とインターカレーション物質の伸縮方向とがほぼ平行になるようにインターカレーション物質が接着されたものであってもよい。この場合、中空体の内部に溶液供給手段から溶液が供給される。用途にもよるが、この中空体としては、例えば中空糸を用いることができる。
【0021】
アクチュエータはさらに、上記のような種々の形状のものを使用目的などに応じて適宜に組み合わせることにより構成してもよい。
【0022】
アクチュエータは、第1のインターカレーション物質を用いた第1のアクチュエータと第2のインターカレーション物質を用いた第2のアクチュエータとが上記第1のインターカレーション物質および上記第2のインターカレーション物質の伸縮方向に対して垂直方向に接合されたバイモルフ構造を有することもあり、インターカレーション物質と弾性体とがインターカレーション物質の伸縮方向に対して垂直方向に接合されたユニモルフ構造を有することもある。前者の場合、第1および第2のインターカレーション物質は互いに同一であっても互いに異なってもよい。また、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとの間には、必要に応じて、例えば弾性体(例えば、フッ素系樹脂などの有機高分子材料、Ptなどの金属など)を介在させてもよい。後者の場合の弾性体としてもこれらのものを用いることができる。
【0023】
溶液供給手段は、好適には、アクチュエータに溶液を供給するとともに、この溶液を回収して再利用するように構成される。言い換えれば、溶液を還流させるように構成される。あるいは、溶液供給手段は、アクチュエータに溶液を供給するとともに、この溶液の少なくとも一部を廃棄し、廃棄分を新鮮な溶液と入れ替えて利用するように構成されることもある。
【0024】
典型的には、アクチュエータは容器に収納され、溶液供給手段はこの容器の一端および他端にこの容器を通る閉流路が形成されるように接続された少なくとも一本の溶液供給管を含む。この溶液供給管は通常、異なる溶液を供給することができるようにするために、複数本設けられる。また、好適には、これらの溶液供給管の途中に容器に溶液を送出するポンプおよび容器から排出される溶液を精製する排液処理部(排液精製部)が設けられる。この排液処理部は、例えば、イオン交換により溶液を精製するものである。
【0025】
典型的な一つの例では、溶液供給管は、インターカレーション物質を伸長させる第1の溶液を供給する第1の溶液供給管と伸長した上記インターカレーション物質を収縮させる第2の溶液を供給する第2の溶液供給管とを含む。この場合、容器に供給する溶液の切り替えを可能とするために、これらの第1の溶液供給管および第2の溶液供給管は通常、アクチュエータの伸縮に応じて開閉が制御される制御弁を介して容器の一端および他端に接続される。
【0026】
アクチュエータは、用途に応じて複数組み合わせて使用されることもある。例えば、アクチュエータとして第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを用い、これらの第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータが支柱を共有して拮抗した伸縮動作を行うように構成してもよい。
【0027】
この発明において、アクチュエータは、伸縮運動を用いるものであれば基本的にはどのような用途にも適用可能であるが、柔軟性や運動のしなやかさなどの観点より、人工筋肉に使用して好適なものである。特に、上述のように第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータが支柱を共有して拮抗した伸縮動作を行うようにすれば、生体筋に近い動作を行わせることが可能である。
【0028】
この発明において、典型的には、インターカレーション物質のホスト物質は少なくとも一種類の無機層状物質を含む物質であり、インターカレーション物質のゲスト物質はイオンまたは分子であり、ホスト物質の無機層状物質の層間に対してゲスト物質の出し入れを行うことにより層間隔変化を生じさせてアクチュエータを駆動する。ホスト物質は無機層状物質を基本とし、その層間に少なくとも一種類の有機物質をインターカレートした無機有機複合物質をホスト物質としてもよく、このホスト物質に他のゲスト物質を出し入れすることにより層間隔変化を生じさせて上記アクチュエータを駆動する。典型的には、ホスト物質はゲスト物質を含む溶液中に浸されており、このゲスト物質を含む溶液をこのゲスト物質を含まない溶液へ交換することにより、あるいは、このゲスト物質を含む溶液の濃度を変化させることにより、ホスト物質の層間に対してゲスト物質を可逆的に出し入れすることにより層間隔変化を生じさせてアクチュエータを駆動する。ゲスト物質は、典型的には有機物質であり、特に、その炭素位置の少なくとも一箇所に極性官能基が少なくとも一個あるものである。これらの物質の具体例を挙げると、アンモニア、アミン、アニリン、アミノ酸、尿素、アルコール、ヒドラジン、アルデヒド、アセトン、アクリロニトリル、糖、ピリジン、ホスフィン、エチレンオキサイドなどである。
【0029】
ホスト物質の無機層状物質は、例えば、層状ペロブスカイト・ニオブ系物質、層状ペロブスカイト銅系物質、層状チタン・ニオブ酸塩、層状岩塩酸化物、遷移金属酸化物ブロンズ系物質、遷移金属オキソ塩化物、層状ポリケイ酸塩、層状粘土鉱物、ハイドロタルサイト、遷移金属カルコゲナイド、リン酸ジルコニウム塩およびグラファイトからなる群より選ばれた少なくとも一種類の物質である。これらの物質の具体例を下記に示す。
【0030】
(1)層状ペロブスカイト・ニオブ系物質
KLaNb2 7 、KCa2 Nb3 10、RbCa2 Nb3 10
CsCa2 Nb3 10、KNaCa2 Nb4 13
(2)層状ペロブスカイト銅系物質
Bi2 Sr2 CaCu2 8 、Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 10
(3)層状チタン・ニオブ酸塩
KTiNbO5 、K2 Ti4 9 またはK4 Nb6 17
(4)層状岩塩酸化物
LiCoO2 、LiNiO2
(5)遷移金属酸化物ブロンズ系物質
MoO3 、V2 5 、WO3 、ReO3
(6)遷移金属オキソ塩化物
FeOCl、VOClまたはCrOCl
(7)層状ポリケイ酸塩
Na2 O−4SiO2 −7H2
(8)層状粘土鉱物
スメクタイト、バーミキュライト、マイカ(雲母)
(9)ハイドロタルサイト
Mg6 Al2 (OH)16CO3 −H2
(10)遷移金属カルコゲナイド
TaSe2 、TaS2 、MoS2 、VSe2
(11)リン酸ジルコニウム塩
Zr(HPO4 2 nH2
(12)グラファイト

この発明において、典型的には、ホスト物質からゲスト物質を脱離させるために酸性溶液および/またはアルカリ金属水酸化物溶液を用いる。ここで、酸性溶液としては塩酸、硝酸、フッ酸、硫酸などを用いることができ、アルカリ金属水酸化物溶液としてはKOHなどを用いることができる。特に、ゲスト物質がアミンである場合、ホスト物質からゲスト物質を脱離させるために塩酸を用いるのが有効である。
【0031】
上述のように構成されたこの発明による駆動システムによれば、溶液交換または溶液濃度変化により駆動される、インターカレーション物質を用いたアクチュエータを用いていることにより、化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換して駆動を行うメカノケミカルシステムの駆動システムを得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
この発明の実施形態による駆動システムを説明する前に、この駆動システムのアクチュエータに用いることができるインターカレーション物質の具体例について説明する。
【0034】
図1にKTiNbO5 系インターカレーション化合物の結晶構造を示す。母体物質であるKTiNbO5 は、Ti−Nb−Oからなる酸化物層の層間にKイオン(K+ )が挟まれた層状構造をしており、単位格子のc軸長はc=1.82nmである(図1A)。酸化物層間のK+ は他のイオン、例えばHイオン(H+ )に交換が可能であり、このときc=1.75nmである(図1B)。さらに、酸化物層間にアミンなどの有機分子を取り込むことも可能であり、このとき層間隔の変化に伴い、c≧2nmと大きく変化する(図1C)。
【0035】
KTiNbO5 セラミックスへ直鎖アルキルアミンをその炭素数で16までインターカレートさせる実験を行った。以下にその作製手順について簡単に説明する。
【0036】
まず、市販の原料粉K2 CO3 、TiO2 、Nb2 5 をそれぞれK:Ti:Nb=1:1:1のモル比で採取し、十分混合後、900℃で24時間仮焼し、これを粉砕する。混合→仮焼→粉砕の工程を計3回繰り返して、KTiNbO5 の単相粉末試料を得た。
【0037】
次に、2規定の塩酸で60℃で1時間イオン交換処理を施し、HTiNbO5 粉末を作製した。
【0038】
次の工程以降が直鎖アルキルアミンのインターカレーションであるが、その炭素数によって溶媒などが異なるので、以下に箇条書にして記す。
【0039】
(1)炭素数:1〜5の場合
溶媒は純水を用い、1mol/lのアミン溶液に対して、HTiNbO5 が0.05mol/lとなるように採取し、室温にて2時間攪拌、その後3日間乾燥のために放置した。
【0040】
(2)炭素数:8、10の場合
溶媒は純水とエタノールの50:50(体積比)の混合液を用い、その1mol/lアミン溶液に対して、HTiNbO5 が0.05mol/lとなるように採取し、室温にて2時間攪拌、その後3日間乾燥のために放置した。
【0041】
(3)炭素数:12、16の場合:
溶媒は純水とエタノールの50:50(体積比)の混合液を用い、その1mol/lのアミン溶液に対して、HTiNbO5 が0.05mol/lとなるように採取し、室温にて2時間攪拌、直ちに遠心分離器を用いて10分間、沈殿の促進を図り、上澄み液を捨てて、室温でその後2日間乾燥のために放置した。
【0042】
上記実験における、炭素数増加に伴うc軸長の変化の様子を図2に示す。図2に示すように、炭素数16のアミンを導入した場合のc軸長=8.2nmはHTiNbO5 のc軸長=1.7nmの約4.8倍であり、c軸方向に大きく伸長した。このときa軸長およびb軸長はほとんど変化しなかった。c軸格子定数C0 と炭素数nとの関係式はきれいな線形近似が可能で、
0 =1.847+0.40741n
となる。このように、直鎖アルキルアミンを用いた場合にはそれに含まれる炭素数が多い(すなわち分子長が大きい)ほどインターカレーション反応で得られる変位が大きくなるのである。
【0043】
上述のように、KTiNbO5 を母体物質とする層間化合物はアミンの導入によりc軸長の大きな伸びを示す。この伸びをマクロな現象として効率的に取り出すためには、KTiNbO5 の単結晶を用いることが理想的である。そこで、次に、この単結晶の処理方法を説明し、各過程におけるc軸の格子定数の変化を示す。ここでは、特にアミンのインターカレーション反応が可逆性を有することを示し、実用的なメカノケミカルシステムであることを示す。
【0044】
KTiNbO 5 単結晶の作製
KTiNbO5 粉末を白金るつぼに入れ、さらにこの白金るつぼを大気中にて1400℃で5時間保持後、1150℃まで10℃/hの冷却速度で徐冷した。焼成方法は、成型体を20mlの白金るつぼに入れ、この白金るつぼを一回り大きいアルミナるつぼに入れて、アルミナ製の蓋で密閉する二重るつぼの方法を採用した。得られた溶融凝固体を白金るつぼから取り出し、きれいな透明性の単結晶片を選び出した。KTiNbO5 結晶の形状は、結晶構造の異方性を反映して板状となっているものが一般的であり、機械的操作により単結晶を取り出すと最大(2〜3)×10-3m×(2〜3)×10-3m×(1〜2)×10-3m程度の大きさのものが得られる。得られたKTiNbO5 結晶のX線回折パターンを図3(a)に示す。図3(a)より、(001)の回折ピークのみが見られ、試料測定面がc面となっていることがわかる。同図の(002)ピークより計算したc軸の格子定数は1.80nmであった。ブロードな回折は基板ホルダーであるガラスに起因するものである。EDXにより組成の定量分析をすると、金属組成比がK:Ti:Nb=0.97:1:0.98であった。
【0045】
HTiNbO 5 単結晶の作製(KTiNbO 5 →HTiNbO 5
上記のKTiNbO5 結晶を、室温で1規定のHCl中に入れ、2週間静置した。この処理によりKTiNbO5 結晶中のKイオンがHイオンに交換され、HTiNbO5 結晶ができた。結晶の形状は、イオン交換前のKTiNbO5 とほとんど変化はない。得られたHTiNbO5 結晶のX線回折パターンを図3(b)に示す。同図の(002)回折から計算したc軸の格子定数は1.70nmとなり、KTiNbO5 より少し小さい値となっている。EDXによる組成の定量分析結果は、K:Ti:Nb=0.03:1:0.98となり、K成分がほとんど脱離していることがわかった。
【0046】
有機物インターカレーション(HTiNbO 5 →C 4 9 NH 2 −HTiNbO 5
上記のようにして得られたHTiNbO5 単結晶薄片へn−ブチルアミン(C4 9 NH2 )のインターカレーションを行った。溶媒は純水を用い、1mol/lのアミン溶液を作製し、HTiNbO5 に対してアミンのモル比が大幅に過剰になるようにして、室温にて3日間反応させた。この操作によってn−ブチルアミンがHTiNbO5 の層間に挿入されたインターカレーション化合物(C4 9 NH2 −HTiNbO5 で示す)の単結晶が得られた。得られたC4 9 NH2 −HTiNbO5 単結晶のX線回折パターンを図3(c)に示す。同図の(002)回折から計算したc軸の格子定数は3.55nmとなり、HTiNbO5 のそれに比べて2.1倍に伸長していることがわかった。
【0047】
有機物のインターカレーションにおける可逆性1(C 4 9 NH 2 −HTiNbO 5 →HTiNbO 5
上記のようにして得られたC4 9 NH2 −HTiNbO5 単結晶薄片を用いて再び塩酸処理を行った。同単結晶薄片を2規定の塩酸に浸し、室温にて7日間反応させた。この塩酸処理を行った単結晶のX線回折パターンを図3(d)に示す。同図の(002)回折から計算したc軸の格子定数は1.68nmとなり、HTiNbO5 に戻っていることが確認できた。このようにn−ブチルアミンのインターカレーションは可逆性を有し、この原理を用いれば、溶液を入れ換えることによって繰り返し駆動することができる。すなわち、アミン溶液に浸すとインターカレーション化合物は伸長し、これをまた塩酸溶液に浸すと収縮するのである。
【0048】
有機物のインターカレーションにおける可逆性2(C 4 9 NH 2 −HTiNbO 5 →KTiNbO 5
次に、C4 9 NH2 −HTiNbO5 単結晶薄片を用いてKOH溶液処理を行った。同単結晶薄片を2mol/lのKOH溶液に浸し、室温にして6日間反応させた。得られた試料のX線回折パターンを図3(e)に示す。同図の(002)回折から計算したc軸の格子定数は1.88nmとなっており、KTiNbO5 のそれに近い値であった。また、EDXによる組成の定量分析結果は、K:Ti:Nb=0.97:1:0.98となっていることから、ほぼKTiNbO5 に戻っていることが確認できた。
【0049】
以上のアミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質の可逆性をまとめると図4に示すようになる。図4より、アミンをインターカレートした結晶は、塩酸を用いればHTiNbO5 へ戻すことができ、KOH溶液を用いればKTiNbO5 へ戻すことができる。KTiNbO5 とHTiNbO5 との間のイオン交換の可逆性はKikkawa らが報告している(S.Kikkawa,M.Koizumi,Physica,105B(1981)234-237)。また、amine-HTiNbO5 とHTiNbO5 との間の可逆性については、ジアルキルアミンの場合についてGrandin らが報告している(A.Grandin,M.N.Borel,B.Raveau:J.Solid State Chemistry,60(1985)366-375) 。amine-HTiNbO5 とKTiNbO5 との間の可逆性については、本発明者の知る限りこれまで報告されておらず、本発明者によって初めて見い出された新規なものである。
【0050】
上述のようにして得られたHTiNbO5 単結晶へn−ブチルアミンをインターカレートし、その変位を直接検出した結果について以下に説明する。変位の測定には非接触のレーザー変位計を用いた。厚さ0.20×10-3mのHTiNbO5 単結晶を1mol/lのブチルアミン溶液に入れ、2時間静置した。乾燥後単結晶の厚さを測定したところ0.61×10-3mとなっており、その厚さは約3倍に伸長した。これは、先に挙げた例で測定したc軸長の伸びが約2.1倍であったことと比較すると若干大きい値であるが、この原因は主としてインターカレーション時に生じる層間の空隙によるものである。このようにインターカレーション物質は化学反応のみによってアクチュエータとして実用上十分大きい変位を得ることができ、それを実際に測定することができた。
【0051】
インターカレーション物質を用いたアクチュエータを実際に作製するときには、十分な変位が得られるように、インターカレーション物質の単結晶あるいは配向フィルムを伸縮方向であるc軸方向に積み重ねる必要がある。
【0052】
上述したような単結晶にインターカレートする以外に、c軸方向に配向したフィルムを用いても大きい変位が得られる。配向フィルムの作り方であるが、HTiNbO5 粉末をアミン溶液に入れ、懸濁液をキャストすることによって作製可能である。Lambert らによるとこの方法で炭素数が3までのアミンは容易に配向膜が得られる(J.-F.Lambert,Z.Dend,J.-B.D'espinose and J.J.Fripiat,J.Colloid and Interface Science,132(1989)337-351) 。
【0053】
図5はこの発明の第1の実施形態による駆動システムに使用するアクチュエータを示す。図5に示すように、このアクチュエータは、中心軸がc軸方向と一致した円柱状のインターカレーション物質1の周面および両端面、すなわち.表面全体に、多孔質有機高分子2がコーティングされたものである。ここでは、インターカレーション物質1は円柱であるが、インターカレーション物質1のc軸方向がアクチュエータの伸縮方向と一致していることが重要であって、形状は直方体など他の形状でもよい。インターカレーション物質ではイオンや分子の出入りが層と平行な方向で生じるため、応答速度を大きくするためには、円柱状のインターカレーション物質1の直径を小さくすることが必要である。しかしながら、あまりにインターカレーション物質1の直径を小さくし過ぎると、層の剥離や崩れが起きやすくなるため、形状保持のためにインターカレーション物質1の表面に多孔質有機高分子2がコーティングされている。この多孔質有機高分子2は、ホスト物質を保持しつつゲスト物質を通過させる微小な孔を有し、なおかつインターカレーション物質1の伸縮時に負担とならないように伸縮性を有しているものである。この多孔質有機高分子2としては、具体的には例えば、耐薬品性に優れるフッ素ゴムなどを用いることができる。
【0054】
図6は、図5に示すようなアクチュエータ11をその軸を共有して複数直列接続した繊維状のアクチュエータを示す。両端のアクチュエータ11には、外部に駆動力を伝達するための伝達棒12が取り付けられている。ここで、図6においては4個のアクチュエータ11が接続された例が示されているが、これは一例であって、アクチュエータ11の個数は任意に選ぶことができる。また、アクチュエータ11同士の結合には、その系に適した接着剤(例えば、多孔質有機高分子2にフッ素ゴムを用いる場合にはエポキシ系接着剤など)を用いてもよいし、インターカレーション物質1の両端面にコーティングされた多孔質有機高分子2を接着剤として用いてもよい。
【0055】
この第1の実施形態においては、図6に示す繊維状のアクチュエータを複数本束ねて生物の筋肉に似た形状としたアクチュエータを用いる。すなわち、図7に示すように、この第1の実施形態による駆動システムにおいては、図6に示す繊維状のアクチュエータを複数本(ここでは一例として4本の例を示す)束ね、さらに各繊維状のアクチュエータの両端の伝達棒12を一体化したものによりアクチュエータ13が構成されている。このアクチュエータ13は容器14内に収納され、その両端の伝達棒12は容器14外に引き出されて、駆動力を伝達すべき外部の支柱(図示せず)に接続される。この容器14の一端および他端には溶液取り入れ口14aおよび溶液排出口14bが設けられており、溶液供給源(図示せず)から供給される駆動用の溶液が溶液取り入れ口14aから容器14内に取り入れられるとともに、溶液排出口14bから容器14内に溶液が排出されるようになっている。使用する溶液は、アクチュエータ13の伸縮動作に応じて変更する。具体的には、例えば、先に述べたアミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質を用いる場合、アクチュエータ13の伸長を行わせるときにはアミンを供給し、アクチュエータ13の収縮を行わせるときには塩酸を供給する。
【0056】
以上のように、この第1の実施形態によれば、アクチュエータ13がインターカレーション物質を用いたもので溶液変化により駆動されるものであるため、電界印加を必要とせず、化学反応のみによって駆動されるメカノケミカルシステムのアクチュエータを用いた駆動システムを得ることができる。この駆動システムは、生物の筋肉に似た人工筋肉などに使用して好適なものである。
【0057】
図8はこの発明の第2の実施形態による駆動システムを示す。
【0058】
アクチュエータの駆動用の溶液を効率的に利用するためには、その供給方法に工夫が必要である。すなわち、アクチュエータが微細になればなるほど溶液供給のための流路も微細になるので、その流路に適した素材の選定が重要である。そこで、この第2の実施形態においては、流路の素材として中空糸に着目し、その中空糸とインターカレーション物質との複合化を考えた。すなわち、図8に示すように、この第2の実施形態による駆動システムにおいては、中空糸21の外側にこの中空糸21を取り巻くようにインターカレーション物質22が接着されてアクチュエータが構成されている。インターカレーション物質22のc軸方向は中空糸21の中心軸と一致している。中空糸21の内部には溶液供給源(図示せず)からの駆動用の溶液が流されるようになっている。この中空糸21はインターカレーション物質22とともに伸縮するものであり、この中空糸21とインターカレーション物質22との接着部から溶液がインターカレーション物質22に流入する仕組みになっている。この中空糸21の素材としては、具体的には例えば、ポリビニルアルコール系やポリアクリロニトリル系などを用いることができる。
【0059】
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることもできる。すなわち、第1の実施形態による駆動システムでは、繊維状のアクチュエータが束ねられたものによりアクチュエータが構成されているので、太く束ねられるほど、中心部に溶液が行き渡りにくい構造となっている。これに対して、この第2の実施形態においては、中空糸21の外側にインターカレーション物質22が接着され、中空糸21の内部に供給される溶液が接着部からインターカレーション物質22に流入するため、アクチュエータの直径が大きくても、その深部まで十分に溶液を供給可能である。そして、このように溶液がアクチュエータを構成するインターカレーション物質22の全体に素早く行き渡ることにより、応答速度が向上し、さらには、中空糸21との複合化により強度などの構造的安定性が向上する。
【0060】
図9はこの発明の第3の実施形態による駆動システムを示す。
【0061】
図9に示すように、この駆動システムは、互いに同一または異なるインターカレーション物質を用いた二つの膜状または板状のアクチュエータ25、26がそれらのインターカレーション物質の伸縮方向であるc軸方向に対して垂直方向に接合されたバイモルフ構造を有する。これらのアクチュエータ25、26は、それらの伸縮方向と平行な方向に延びた中空糸(図示せず)がそれらの面内に例えば等間隔で互いに平行に複数配列されたものが、全体として膜状または板状のインターカレーション物質中に埋設されたものである。中空糸の内部には溶液供給源(図示せず)からの駆動用の溶液が流されるようになっている。この中空糸はインターカレーション物質とともに伸縮するものであり、この中空糸とインターカレーション物質との接着部から溶液がインターカレーション物質に流入する仕組みになっている。この中空糸の素材としては、具体的には例えば、ポリビニルアルコール系やポリアクリロニトリル系などを用いることができる。アクチュエータ25、26間は、それらの接合部において、これらのアクチュエータ25、26の中空糸にそれぞれ供給される溶液が互いに混じり合わないように、例えば接着剤などにより完全に分離されている。
【0062】
この駆動システムの駆動方法について説明する。一例として、アクチュエータ25、26を構成するインターカレーション物質がいずれもアミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質であるとする。例えば、アクチュエータ25、26の一方にその中空糸を通して塩酸を供給し、他方にその中空糸からアミン溶液を供給するか、あるいはアクチュエータ25、26に供給される溶液の濃度を変化させたりするなどの操作によって、大きな屈曲を生じさせることができる。一例として、アクチュエータ25に塩酸を供給し、アクチュエータ26にアミン溶液を供給した場合の屈曲の様子を図10に示す。
【0063】
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、上記のような屈曲により、インターカレーション物質の層間隔拡大に伴う変位量をさらに拡大することができるという利点を得ることができる。
【0064】
図11はこの発明の第4の実施形態による駆動システムを示す。この駆動システムは人工筋肉の駆動システムである。
【0065】
図11に示すように、この駆動システムは、人工筋肉31とこの人工筋肉31の駆動用の溶液供給系とからなる。人工筋肉31としては、例えば、第1の実施形態または第2の実施形態と同様なアクチュエータを用いることができる。人工筋肉31は容器32内に収納されており、人工筋肉31の両端の伝達棒33は容器32の外部に引き出されている。容器32の一端には二叉に分かれた溶液取り入れ口32a、32bが設けられ、他端には同じく二叉に分かれた溶液排出口32c、32dが設けられている。そして、溶液取り入れ口32aと溶液排出口32cとの間および溶液取り入れ口32bと溶液排出口32dとの間にそれぞれ溶液供給管33、34が接続されている。容器32への溶液の供給および容器32からの溶液の排出は、溶液取り入れ口32a、32bおよび溶液排出口32c、32dにそれぞれ取り付けられた弁35、36、37、38により制御されるようになっている。溶液供給管33、34の途中にはそれぞれポンプ39、40が取り付けられており、これらのポンプ39、40により溶液の送出が行われるようになっている。また、溶液供給管33、34の途中には排液処理部41が取り付けられている。これは、人工筋肉31の駆動に用いる溶液が互いに混じり合うことは避けられないため、この排液処理部41により溶液を精製処理し、再利用するためである。
【0066】
人工筋肉31の駆動に用いる溶液の具体例を挙げると、先に述べたアミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質を用いる場合、溶液供給管33には人工筋肉31の伸長を行わせる溶液としてアミン溶液を流し、溶液供給管34には人工筋肉31の収縮を行わせる溶液として塩酸を供給する。より具体的には、この場合、例えば、溶液供給管33には1mol/lのアミン溶液が満たされ、溶液供給管34には1規定の塩酸が満たされ、これらの溶液供給管33、34の内壁にはポンプ39、40により常に1気圧より大きい圧力がかけられている。そして、弁35、36、37、38の開閉によって、これらのアミン溶液および塩酸が交互に人工筋肉31に供給される。
【0067】
排液処理部41における溶液の精製は、具体的には例えばイオン交換膜を用いて行われる。すなわち、人工筋肉31で利用され、容器32から排出された溶液は排液処理部41においてイオン交換膜を通されて精製され、再度ポンプ39、40で容器32に供給される。このイオン交換膜としては、過フッ素樹脂やスチレン系重合ポリマーなどを基材とし、それに極性基としてイオン交換基を導入したものを用いることができ、具体的には例えばナフィオン膜などを用いることができる。極性基としてスルホン基(−SO3 - )を有する陽イオン交換膜を用いた場合、この膜を通じて溶液を流せば、アミン成分がアルキルアンモニウムイオンとなってスルホン基にトラップされる。したがって、陽イオン交換膜を通った排液は塩酸溶液となって再利用可能である。この場合、アミン成分は陽イオン交換膜で消費されることになるため、新たに補給する必要がある。一方、極性基として4級アンモニウム基(−NR3 + )(Rは例えばメチル基−CH3 )を有する陰イオン交換膜を用いた場合には、塩素イオンが取り除かれ、アミン溶液が再利用可能となる。この場合、塩酸を新たに補給する必要がある。
【0068】
アミンあるいは塩酸の補給を必要としない洗練されたシステムとして、陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を共に用いた排液処理部41の一例を図12に示す。図12に示すように、アミンと塩酸とが混じり合った溶液が入ってくる入り口側から二叉に分かれた出口側に至る排液流路51において、二叉に分かれる部分にそれぞれ陽イオン交換膜52および陰イオン交換膜53が設けられ、さらにこれらの陽イオン交換膜52および陰イオン交換膜53に対向して電極54、55が排液流路51の内壁に設けられている。陽イオン交換膜52側の電極54にマイナス電圧、陰イオン交換膜53側の電極55にプラス電圧を印加すると、溶液中の陽イオン(アルキルアンモニウムイオン)が陽イオン交換膜52を通過、陰イオン(塩素イオン)が陰イオン交換膜53を通過することにより、陰極、すなわち電極54側にはアルキルアンモニウムイオン溶液、すなわちアミン溶液が精製物として得られ、陽極、すなわち電極55側には塩酸が精製物として得られる。
【0069】
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、人工筋肉31の駆動に必要な溶液をリサイクルすることができるため、省資源で環境にもやさしい人工筋肉駆動システムを実現することができる。
【0070】
図13はこの発明の第5の実施形態による駆動システムを示す。この駆動システムは人工拮抗筋の駆動システムである。
【0071】
図13に示すように、この駆動システムは、二つの人工筋肉61、62を組み合わせたものである。これらの人工筋肉61、62としては、例えば、第1の実施形態または第2の実施形態と同様なアクチュエータを用いることができる。人工筋肉61は容器63内に収納されており、人工筋肉61の両端の伝達棒64は容器63の外部に引き出されている。同様に、人工筋肉62は容器65内に収納されており、人工筋肉62の両端の伝達棒66は容器65の外部に引き出されている。人工筋肉61、62の一端の伝達棒64、66は支柱67と接続されている。同様に、人工筋肉61、62の他端の伝達棒64、66は支柱68と接続されている。これらの支柱67、68は関節69を介して相互に結合されており、この関節69を中心として回転することができるようになっている。
【0072】
図示は省略するが、容器63、65の両端には溶液取り入れ口および溶液排出口が設けられ、それらに溶液供給管が接続され、これらの溶液供給管に溶液送出用のポンプおよび排液処理部などが取り付けられているが、これらは第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
この第5の実施形態においては、生物の骨に当たる支柱67、68に対して人工筋肉61、62が拮抗した動作を行う。すなわち、人工筋肉61、62の協調動作により、拮抗筋と類似の動作を行うことができる。例えば、図13に示した状態では、人工筋肉61は収縮しているのに対し、人工筋肉62はこれと逆に伸長している。これらの人工筋肉61、62の駆動に用いる溶液の具体例を挙げると、先に述べたアミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質を用いる場合、これらの人工筋肉61、62のうち伸長を行わせる方にアミン溶液、収縮を行わせる方に塩酸を供給する。
【0074】
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、二つの人工筋肉61、62を組み合わせて拮抗筋を構成しているので、人工筋肉を単独で駆動させるよりもバランスの取れた動きが可能となるという利点を得ることができる。
【0075】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0076】
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構造、材料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構造、材料、プロセスなどを用いてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、溶液交換または溶液濃度変化により駆動される、インターカレーション物質を用いたアクチュエータと、アクチュエータに駆動用の溶液を供給する溶液供給手段とにより駆動システムを構成しているので、次のような効果を得ることができる。
【0078】
すなわち、このアクチュエータは、化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換可能なメカノケミカルシステムであるので、その一般的な利点として以下のものが得られる。
【0079】
(1)化学反応を駆動力としているため、電極や配線などの複雑な周辺装置が不要である。
【0080】
(2)駆動が無騒音に行われ、燃焼に伴う排気ガスなどを発生しない。
【0081】
(3)アクチュエータを液体に浸した環境で用いるため、しなやかな運動機能が得られる。
【0082】
また、アクチュエータにインターカレーション物質を用いる利点として以下のものが得られる。
【0083】
(1)ホスト物質に無機骨格を用いることにより、強度耐久性に優れる。
【0084】
(2)ゲスト物質に分子長の大きい有機物を使用することにより巨大変位を創出することができる。
【0085】
(3)無機有機複合化が分子レベルで可能であり、それにより無機物の強靭性と有機物の柔軟性とを兼ね備えた複合材料となり、高性能のアクチュエータを得ることができる。
【0086】
(4)強い異方性を利用してより迅速な応答およびエネルギー変換効率の向上を期待することができる。
【0087】
このようにインターカレーション物質は従来からある高分子材料を凌ぐメカノケミカル材料となり得る。特に、高分子ゲルとの比較においては、無機物を骨格とするインターカレーション物質を用いることにより、強度耐久性に優れ、また層状構造を有するので、その異方性を利用することにより応答速度やエネルギー変換効率が向上する。このようにして、無機物の強靭性と有機物の柔軟性とを兼ね備えた生体筋に近い複合材料によるアクチュエータを実現することができる。
【0088】
また、アクチュエータそのものは化学的エネルギーによって駆動することができるのに対し、少なくとも弁やポンプに制御信号を送るための電気システムが必要であると考えられるが、アクチュエータとして電磁モータも用いる従来の一般的な駆動システムよりは消費電力がはるかに少なくて済む。このようにして、消費電力が少なく柔軟であり静かに駆動する人工筋肉のシステムを実現することができ、これによって自律型ロボットなどの開発に大きな進展がもたらされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】KTiNbO5 、HTiNbO5 およびRNH2 −HTiNbO5 の結晶構造を示す略線図である。
【図2】直鎖アルキルアミン(RNH2 )に含まれる炭素数とRNH2 −HTiNbO5 のc軸格子定数との関係を示す略線図である。
【図3】アミン−KTiNbO5 系インターカレーション化合物単結晶のX線回折パターンを示す略線図である。
【図4】アミン−KTiNbO5 系インターカレーション物質の可逆性を示す略線図である。
【図5】インターカレーション物質を用いたアクチュエータを示す断面図である。
【図6】繊維状のアクチュエータを示す斜視図および断面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による駆動システムを示す略線図である。
【図8】この発明の第2の実施形態による駆動システムを示す略線図である。
【図9】この発明の第3の実施形態による駆動システムを示す略線図である。
【図10】この発明の第3の実施形態による駆動システムの動作を説明するための略線図である。
【図11】この発明の第4の実施形態による駆動システムを示す略線図である。
【図12】この発明の第4の実施形態による駆動システムにおける排液処理部の具体例を説明するための略線図である。
【図13】この発明の第5の実施形態による駆動システムを示す略線図である。
【符号の説明】
1、22・・・インターカレーション物質、2・・・多孔質有機高分子、11、13、25、26・・・アクチュエータ、21・・・中空糸、31、61、62・・・人工筋肉

Claims (14)

  1. 無機層状物質または無機層状物質の層間に少なくとも一種類の有機物質をインターカレートした無機有機複合物質からなるホスト物質に供給する溶液をゲスト物質を含む溶液もしくはゲスト物質を含まない溶液へ交換することにより、または、上記ホスト物質に供給する、ゲスト物質を含む溶液の濃度を変化させることにより、上記ホスト物質の上記無機層状物質の層間に対して上記ゲスト物質を可逆的に出し入れすることにより層間隔変化を生じさせて駆動されるアクチュエータを有する駆動システム。
  2. 上記アクチュエータは上記ホスト物質の伸縮方向を軸とする柱状または繊維状の形状を有する請求項1記載の駆動システム。
  3. 上記アクチュエータは上記ホスト物質の伸縮方向を軸とする柱状または繊維状の形状を有し、少なくともその側面の一部に溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の多孔質有機高分子がコーティングされている請求項1記載の駆動システム。
  4. 上記アクチュエータは、上記ホスト物質の伸縮方向を軸とする柱状または繊維状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものからなる請求項1記載の駆動システム。
  5. 上記アクチュエータは、上記ホスト物質の伸縮方向を軸とする柱状または繊維状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものが複数並列接続された構造を有する請求項1記載の駆動システム。
  6. 上記アクチュエータは上記ホスト物質の伸縮方向が主面に垂直な膜状または板状の形状を有する請求項1記載の駆動システム。
  7. 上記アクチュエータは上記ホスト物質の伸縮方向が主面に垂直な膜状または板状の形状を有し、少なくともその表面の一部に溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の多孔質有機高分子がコーティングされている請求項1記載の駆動システム。
  8. 上記アクチュエータは、上記ホスト物質の伸縮方向が主面に垂直な膜状または板状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものからなる請求項1記載の駆動システム。
  9. 上記アクチュエータは、上記ホスト物質の伸縮方向が主面に垂直な膜状または板状の形状を有する要素部が複数直列接続されたものが複数並列接続された構造を有する請求項1記載の駆動システム。
  10. 上記アクチュエータは粉末状の上記ホスト物質を成型したものからなる請求項1記載の駆動システム。
  11. 上記アクチュエータは、溶液が通過可能な微細な孔を有する伸縮性の材料からなる管状の中空体の周囲にその軸の方向と上記ホスト物質の伸縮方向とがほぼ平行になるように上記ホスト物質が接着されたものからなる請求項1記載の駆動システム。
  12. 上記アクチュエータに上記ゲスト物質を含む溶液を供給するとともに、この溶液を回収して再利用するように構成されている請求項1記載の駆動システム。
  13. 上記アクチュエータに上記ゲスト物質を含む溶液を供給するとともに、この溶液の少なくとも一部を廃棄し、廃棄分を新鮮な溶液と入れ替えて利用するように構成されている請求項1記載の駆動システム。
  14. 上記アクチュエータは第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータからなり、上記第1のアクチュエータおよび上記第2のアクチュエータが支柱を共有して拮抗した伸縮動作を行うように構成されている請求項1記載の駆動システム。
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