JP4361383B2 - 光強度分布監視方法、アニール装置及びアニール方法、結晶化装置 - Google Patents

光強度分布監視方法、アニール装置及びアニール方法、結晶化装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば半導体薄膜の加熱、不純物活性化、または結晶化するためのエキシマレーザアニール装置、YAGレーザ装置(高次高調波を含む)、エキシマランプ、i線ランプ、g線ランプ、Xeランプ、あるいは銅蒸気レーザ装置などの不可視光を微小領域に照射する際に、光強度分布の検出に適用して特に有効な光強度分布監視方法、アニール装置及びアニール方法、結晶化装置に関する。
アクティブマトリックス型液晶表示装置や有機EL表示装置等のような表示装置では、各画素を個別に駆動するために、ガラスやプラスチック等の絶縁基板上に多数の薄膜トランジスタ(TFT)が形成される。TFTのソース、ドレイン、チャネル領域に用いられるシリコン膜のうち非晶質シリコン(a-Si)膜は、形成温度が低く、気相法で比較的容易に形成することが可能であり、量産性にも富むため、TFTに用いる半導体薄膜として一般的に用いられている。しかし、a-Si膜は導電率等の物性が結晶性の多結晶シリコン(poly-Si)膜に比べて劣る(a-Siの移動度はpoly-Siのそれに比べて2桁以上低い)という欠点があるため、今後TFTの動作速度を高速化するためには、結晶性を有するpoly-Si膜をTFTのソース、ドレイン、チャネル領域とする製造方法を確立する必要がある。
現状ではpoly-Si膜を形成する方法として、例えば非特許文献1に記載されているエキシマレーザアニール(Excimer Laser Annealing;以下、ELA法という)が汎用ガラス基板を使用できる温度範囲(室温から500℃程度まで)で利用されている。ELA法は、主に基板上にa-Si膜を所定厚さ(例えば50nm程度)に成膜した後、このa-Si膜の微小領域にクリプトン弗素(KrF)エキシマレーザ光(波長248nm)やキセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ光(波長308nm)などを照射して溶融させ、poly-Si膜に変化させる技術に用いられている。ELA法では、レーザ光の強度を変化させることで、他にもさまざまなプロセスに適応可能である。例えば、レーザ光の強度を下げれば、加熱の作用のみになり、TFTを作る上で必要な不純物活性化工程に用いることができる。また、レーザ光の強度を極端に上げれば、急激な温度上昇を引き起こすため、TFTにおける膜の除去に利用することもできる。なお、これらの現象の利用はTFTに限定されるのみでなく、広く半導体プロセスに適応できるものである。
ところで、poly-Si膜の結晶粒界に存在する欠陥は、TFTのしきい値電圧Vthのばらつきを著しく増大させ、表示装置全体としての動作特性を大幅に低下させる原因となっている。このため、各TFTには、各チャネル領域での結晶粒界をできるだけ減らすことが要望されている。結晶粒界をできるだけ減らすためには、a-Si膜に照射するレーザ光の光強度分布である光強度分布の設計が極めて重要であることが判った。しかし、ミクロン単位の極めて微小な領域に照射されるエキシマレーザ光のような不可視光を正確に計測することは、非常に難しく、そのための計測技術は未だ確立されていないのが現状である。
これまで、不可視光の光強度分布を検出するためには、光強度に対して物性の変化する物質を検出したい面におき、化学的もしくは物理的変化を起こさせて評価する「物性変化による評価方法」が主に用いられていた。例えば、半導体デバイス製造のフォトリソグラフィプロセスにおける露光技術では、i線、g線などの紫外線の光強度分布を確認するために、照射面にレジストを塗布し、これに紫外線を照射して化学反応を生じさせ、さらに現像を行い、現像後のレジスト膜形状を観察する、物性変化による光強度分布評価方法を採用していた。
またELA法では、非特許文献1に示めされているように対象となるa-Si膜に結晶化(poly-Si膜化)を誘起する程度の閾値の光強度(フルエンス)でレーザ光を照射すると、光強度分布が強いところだけpoly-Siとなり、物性が部分的に変化する。このように光強度分布を反映した結晶化組織観察する方法、すなわち、物性変化による評価によりレーザの光強度分布を確認する方法が一般的に用いられている。また、予め調べておいたレーザ光に関する物理定数によって光強度分布を予測する方法も取られていた。
表面科学Vol.21,No.5,pp278−287(2000)
しかしながら、従来の物性変化による光強度分布の評価方法においては次の(i)および(ii)の問題点があった。
(i)物性が変化する材料(例えばレジスト、薄膜a-Siなど)では被分析材料の物性にバラツキを生じやすいので、計測結果の信頼性を高める工夫が必要である。
(ii)物性変化を観察するためにオフラインの検査となるので、光強度分布の検出結果を直接知ることができない。
例えば、従来のELA法における光強度分布の評価方法では、レーザ照射後に基板を取り出し、光学顕微鏡などを用いて薄膜半導体の結晶化組織の形状を確認しているが、基板をレーザアニール装置から取り出すために、非常に時間がかかってしまう。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、物性が変化する材料を対象とする場合であっても計測結果にバラツキを生ずることなく、安定に検出できる光強度分布監視方法、アニール装置およびアニール方法、結晶化装置を提供するものである。
また、拡大光学系の調整が容易であり、検出したい像面(アニール装置のフォーカス面など)を容易に特定でき、リアルタイムで計測結果が得られる低コストの光強度分布監視方法、アニール装置およびアニール方法、結晶化装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、1個又は複数個のTFTトランジスタを形成できる大きさの結晶化技術を開発している。この開発において、本発明者は、表示装置のように数センチから数十センチ角程度の大きな面に均一に信頼性の高い結晶化を実行するためには、a-Si膜に照射するレーザ光の光強度分布である光強度分布の設計や監視が極めて重要であることが判った。即ち、安定した光強度分布による結晶化は、バラツキのない安定した結晶化領域の形成に極めて有効であることが判った。本発明は、上記光強度分布をバラツキなく安定に検出できる光強度分布監視方法及び光強度分布監視装置、アニール装置およびアニール方法、結晶化装置を得るものである。
本発明に係る光強度分布監視方法は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系と、この結像光学系の結像位置に設けられ、前記レーザ光が照射されるべき被照射面がアニールされる被処理基板を可動に支持するX−Y−Zステージと、前記レーザ光を可視光に変換する波長変換部材と、前記波長変換部材に表示された可視光像を拡大して撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、前記結像光学系に対する前記X−Y−Zステージ上の被処理基板の相対高さ位置を測定するハイトセンサと、を具備するレーザアニール装置を用いて前記被処理基板をアニールするレーザ光の光強度分布を監視するに際し、
前記被処理基板の位置に前記レーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材を設置する工程と、
前記被処理基板の位置に設置された前記波長変換部材の高さ位置を前記ハイトセンサにより測定して予め記憶された高さ位置に調整することにより前記被処理基板と同一平面に前記波長変換部材を位置合せする工程と、
前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射する工程と、
前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を撮像装置により撮像する工程と、
最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶しておく工程と、
前記撮像装置により撮像した光強度分布像および光強度予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御するために前記撮像した光強度分布を持った微小な可視光像を監視する工程と、
前記ハイトセンサにより測定した前記波長変換部材の高さ位置を記憶する工程と、
前記波長変換部材を退避させ、前記波長変換部材があった位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射する工程と、を有することを特徴とする。
さらに、波長変換部材に対して不可視光を間欠的に照射し、この間欠的な照射に同期して拡大光学系により波長変換部材の他方面に表示された可視光の光強度分布を検出することが好ましい。不可視光はアッテネータで減衰され、光学系や被処理基板が焼け付かないようにフルエンスを調整しているが、それにもかかわらず連続照射を行うと光学系各部の寿命が短くなり、部品の交換頻度が増加する。間欠的な照射に同期して間欠的に計測することにより、光学系各部の寿命延長、特に波長変換部材の寿命延長を図ることができる。
不可視光を観察するためのサイズは、100μm×100μm程度必要だが、あわせて空間分解能が必要である。この空間分解能は、少なくとも5μm以下必要であり、検出精度をさらに向上させるために1μm以下とすることがより好ましく、0.5μm以下とすることが最も好ましい。数十ミクロン単位の観察領域であり、このように小さな領域での光強度分布を正確に計測することは非常に難しい。高い空間分解能(空間解像度)が要求されるからである。ちなみに、従来の光強度分布監視装置は、マクロエリアを対象とするものであり、その検出対象領域のサイズが数ミリから数センチメートル単位(例えば、4.5×6.0mm、φ65mm)の大きさであり、空間分解能(例えば、10〜20μm)もそれほど高いものではない。
一方、例えばELA法を用いるシリコン薄膜の結晶化プロセスでは直径が数ミクロンから10ミクロンを越える大サイズの結晶粒をTFTのチャネル領域に形成することを目指して研究開発が進められていることから、その解像度は非常に高いレベルが要求される。通常、光強度分布監視装置の空間分解能は、製造しようとする結晶粒径より1桁程度小さいことが望ましい。これは作製したい結晶粒径に対してその1/5から1/10程度より小さい空間分解能を要するということである。例えば、粒径10μmの結晶粒を形成する場合であれば、その1/5〜1/10の空間分解能、すなわち2μm〜1μmより小さい空間分解能が必要となる。そのため、拡大光学系は、可視光の像を鮮明に拡大しうる対物レンズと、上述の要求レベルを満たしうる高分解能の撮像手段、例えば撮像素子(エリアセンサのCCD)とを備える必要がある。このような要求に対応するために本発明では拡大光学系の拡大倍率を2倍から2000倍までの範囲とすることが好ましく、100倍から200倍までの範囲とすることが最も好ましい。観察対象領域のサイズを100μm×100μm以下とするからである。
波長変換部材は、中心波長が例えば400nm以下の紫外光を可視光に変換しうる蛍光物質を含むことができる。波長変換部材は、色素レーザで用いられる有機物質(例えばローダミンBなど)からなる。実験的には蛍光物質としてピラニン(Pyranine Conc;C16H7Na3O10S3)が最適である。ピラニンの正式な学術名称はトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネート(Trisodium 8-hydroxy-1,3,6-pyrenetrisulfonate)である。波長変換部材中の蛍光物質の発光強度は、照射光の強度に依存して正比例的に増加するが、光強度がある一定以上になると飽和する。例えば30mJ/cm以下の照射光の強度において、蛍光物質の発光強度はリニアリティのよい特性が得られている(図14参照)。しかし、光強度を過剰に強くすると有機系の蛍光物質が蒸散してしまうので、光強度をむやみに高くすることはできない。
紫外光波長領域の不可視光を可視光に変換するための蛍光物質として、ピラニンの他にTb又はEuをドープしたSiOの薄膜を用いることもできる。また、CdSeなどの数十ナノメートルの径をもつナノ粒子を塗布する方法もある。
また、中心波長が1.0μm程度のYAGレーザを用いる場合、波長変換部材には、中心波長が780nm以上の赤外光を可視光に変換しうる蛍光物質を用いると良い。このような蛍光物質には、薄膜化に適したYAGLASS(住田光学ガラス社商品名)などが最適である。
波長変換部材を保持する基材は、不可視光を吸収または遮断して可視光のみを透過させる材料でできていることが望ましい。さらに、波長変換部材から撮像素子までの間に配置され、不可視光を吸収または遮断して可視光のみを透過させるフィルタを有することが望ましい。このような基材またはフィルタの材料として、透明ガラス基板に複数の薄膜を被覆したマルチコーティング基板が適している。基材は波長変換部材を保持するものであるが、その保持のさせ方には種々の方法がある。最も一般的な保持方法は、蛍光体含有溶液を基材に塗布する方法である。なお、塗布法の他に、スパッタ法やCVD法で基材上に成膜する方法、あるいは溶射法で基材上に融着させた後に研磨する方法を用いることができる。
波長変換部材の平均膜厚は1nm以上3μm以下とすることが好ましい。波長変換部材の平均膜厚が3μmを上回ると空間分解能が低下するので、膜厚の上限値は3μmとする。一方、波長変換部材例えば波長変換部材の膜厚を1nmより薄くすると原子サイズの領域となり、膜形成の制御が困難になるので、膜厚の下限値は1nmとする。
本発明に係るアニール装置は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系および位相シフタと、この結像光学系の結像位置に設けられ、前記レーザ光が照射されるべき被照射面がアニールされる被処理基板を支持するX方向、Y方向、Z方向に移動可能なステージと、レーザ光の光強度分布を監視するビームプロファイラと、を具備するアニール装置であって、
前記ビームプロファイラは、
前記レーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材と、
前記波長変換部材に表示された可視光像を撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、
前記波長変換部材の高さ位置を検出するハイトセンサと、
前記ハイトセンサの測定結果が予め記憶された高さ位置になるように前記波長変換部材を位置合わせ制御すること、および前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射するように制御すること、および最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を前記撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶すること、および前記撮像装置により撮像した光強度分布像および強度予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御すること、および前記波長変換部材の高さ位置を記憶すること、および前記波長変換部材を退避させ、その位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射するように制御することを行うコンピュータと、を具備することを特徴とする。
本発明に係る結晶化装置は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを形成するための位相シフタと、前記レーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系と、この結像光学系の結像位置に設けられ、前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを有するレーザ光に照射される被照射面がアニールされる非晶質半導体層を含む被処理基板を支持するX方向、Y方向、Z方向に移動可能なステージと、レーザ光の光強度分布を監視するビームプロファイラと、を具備する結晶化装置であって、
前記ビームプロファイラは、
前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを有するレーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材と、
前記波長変換部材に表示された前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルの可視光像を撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、
前記波長変換部材の高さ位置を検出するハイトセンサと、
前記ハイトセンサの測定結果が予め記憶された高さ位置になるように前記波長変換部材を位置合わせ制御した後、前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射するように制御すること、および最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を前記撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶すること、および前記撮像装置により撮像した前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルの光強度分布像および強度が予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御すること、および前記波長変換部材の高さ位置を記憶すること、および前記波長変換部材を退避させ、その位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射するように制御することを行うコンピュータと、を具備することを特徴とする。
検出対象となる不可視光は、パルス光であってもよいし連続光であってもよい。紫外光領域のパルスレーザ光は、例えばクリプトン弗素(KrF)、アルゴン弗素(ArF)、キセノン弗素(XeF)、クリプトン塩素(KrCl)、アルゴン塩素(ArCl)、キセノン塩素(XeCl)のうちのいずれか1のエキシマレーザ光であってもよいし、赤外光領域のパルスレーザ光は、QスイッチNd:YAGレーザ光(基本波)、QスイッチNd:YVO4レーザ光(基本波)などであってもよい。あるいは紫外領域のCW(Continuous Wave)レーザ光は、Nd:YAGレーザ光(3倍波、4倍波)、QスイッチNd:YVO4レーザ光(3倍波、4倍波)などであってもよいし、赤外光領域のCWレーザ光は、CO2レーザ光やNd:YAGレーザ光(基本波)、Nd:YVO4レーザ光(基本波)などであってもよい。さらに、フォトリソグラフィプロセスの露光装置(ステッパ)に用いられるi線(波長365nm)やg線(波長436nm)を検出対象とすることもできる。
光強度分布像を撮像または観測する手段は、CCD素子や撮像管などが用いられる。観測手段により観測されたアナログ信号は、アナログ−デジタル変換器(AD変換器)により光強度情報と二次元位置情報(XY面上での座標情報)とを含む可視光の光強度分布に応じたデジタル信号(撮像データ)に変換され、解析手段(例えばパソコン)に出力される。別のAD変換を用いない方法としては、観測手段により観測されたアナログ信号はそのまま光強度情報に応じた電圧値(ビデオ信号など)として出力される(二次元イメージ)。得られた二次元イメージはアンプを使用して電圧波形として処理され、可視光の光強度分布の拡大像を表示装置の画面上に表示させる。
本明細書中において「二次元イメージ」とは、波長変換された可視光が投影される面上における光強度情報と二次元位置情報とを含むアナログデータ像のことをいう。
本明細書中において「Qスイッチ」とは、励起エネルギをレーザ媒質内に蓄積して反転分布数を増加させている間は共振器Q値を低く保ち、レーザ発振を抑えておき、反転分布が十分に高くなったときにQ値を瞬時に高くして反転分布蓄積エネルギを光子エネルギに急速に変換し、高ピーク・短パルス光を発振させる機能を有するスイッチング素子のことをいい、具体的には連続発振レーザをパルスレーザに変換するスイッチング素子のことをいう。また、本明細書中において「Qスイッチレーザ」とは、イオンポピュレーションの逆転が成立するまではQ値を低くしておき、不安定が起こる直前に高い値に切り換えて発振されるレーザのことをいう。Q値を変える方式には、共振器を構成するミラーのうちの1枚を回転させる機械的Qスイッチ方式、あるいは音響光学素子による光偏光を利用する方式、あるいは電気光学素子による偏光状態変化を利用する方式のいずれの方式をも用いることができる。
本明細書中において、「ビームプロファイラ」とは、空間分解能が5μm以下の光強度分布監視装置をいう。「光強度分布(ビームプロファイル)」とは、検出したい像面に入射される不可視光強度の二次元の分布をいう。「光強度の分布」とは、照射光(照明光)の検出面における光の強度(明るさ)の分布をいう。
本明細書中において「レーザフルエンス」とは、ある位置でのレーザのエネルギ密度を表わす尺度であり、単位面積当たりのエネルギ量を時間積分したものをいい、具体的には光源または照射領域において計測されるレーザ光の平均強度のことをいう。「平均レーザフルエンス」とは、ある処理面積内で均一化したレーザフルエンスを指す。「波長変換部材」とは、不可視光を可視光に変換する部材をいう。
本明細書中において「空間分解能」とは、白領域から黒領域へ遷移する遷移領域(図14に示す領域R)における撮像データ信号波形の傾斜の半値幅のことをいう。ここで「白領域」とは、暗レベルを含む明レベル像が鮮明に表われる領域をいう。また、「黒領域」とは暗レベルのみの領域をいう。また、「遷移領域」とは暗レベルを含む明レベル像が不鮮明に表われる領域をいう。
本明細書において「位相シフタ」とは、光の位相を変調するための空間強度変調光学素子のことをいい、フォトリソグラフィプロセスの露光工程で使用される位相シフトマスクとは区別されるものである。位相シフタは、例えば石英基材にエッチングにより段差が形成されたものである。
本明細書において「ホモジナイザ」とは、入射光を複数に分割し、これら分割光を収束させて、特定の面で光強度を均一化する光学素子のことをいう。また、「ホモジナイズ面」とは、プロジェクション方式においてホモジナイザを通った光が収束する特定の面のことをいう。
本明細書中において「位相シフタ面」とは、空間強度変調光学素子の光変調部位(位相シフタの段差)のボトムとトップとの中間に位置する面のことをいう。この位相シフタ面は、ホモジナイズ面と一致(完全オーバーラップ)させることが望ましいが、必ずしも一致させなければならないというものではなく、意図的にホモジナイズ面の位置から光軸に沿って所定距離だけシフトさせる場合もありうる。
本明細書中において「像面」とは、プロキシミティ型アニール装置の結像光学系を通った光が収束する面をいう。
本明細書中において「一次像面」とは、プロジェクション型アニール装置の一次結像光学系(ホモジナイザ、コンデンサレンズ、マスク等)を通った光が収束して像を形成する面をいう。この一次像面は、位相シフタ面および/またはホモジナイズ面と一致(完全オーバーラップ)場合は位相シフタ面および/またはホモジナイズ面を指す。また、一次像面を意図的に位相シフタ面および/またはホモジナイズ面の位置から光軸に沿って所定距離だけシフトさせる場合も含む。
本明細書中において「二次像面」とは、プロジェクション型アニール装置の二次結像光学系(縮小レンズ等)を通った光が収束して像を形成する面をいう。換言すれば、「二次像面」とは、一次像面に形成された像が基板側に転写される面のことをいう。この二次像面は、入射面と一致(完全オーバーラップ)する場合は入射面を指す。また、二次像面を意図的に入射面の位置から光軸に沿って所定距離だけシフトさせる場合も含む。
本明細書において「位相シフタの高さ」とは、プロキシミティ型アニール装置において、位相シフタの出射面からステージ上の基板の入射面までの相互間距離(図3のギャップd1)のことをいう。
本明細書において「ずれ量d2」とは、プロジェクション型アニール装置において、ホモジナイズ面から位相シフタ面までの距離のことをいう。ホモジナイズ面が位相シフタ面と一致する場合に、ずれ量d2はゼロになる(図10参照)。
本明細書において「ずれ量d3」とは、プロジェクション型アニール装置において、位相シフタ面から一次像面までの距離のことをいう。一次像面が位相シフタ面と一致する場合に、ずれ量d3はゼロになる(図10参照)。
本明細書において「ずれ量d4」とは、プロジェクション型アニール装置において、被処理基板又は波長変換部材の入射面から二次像面までの距離のことをいう。二次像面が入射面と一致する場合に、ずれ量d4はゼロになる(図10参照)。なお、ずれ量d3とずれ量d4は、一次像面上の像と二次像面上の像との縮小比率に正比例するものである。
本発明によればリアルタイムに光強度分布の検出結果を得ることができる。
また、物性が変化する材料(例えばレジスト、薄膜アモルファスシリコンなど)を用いて実測する従来法と比べて本発明の方法は検出結果にバラツキを生じないという利点がある。
さらに本発明では不可視光を可視光に変換したため次の効果(i)〜(iii)が認められる。
(i)拡大光学系を可視光像でチェックできるので、対物レンズ等の光学系の調整が容易になる。
(ii)波長変換部材63の面が検出したい面になるので、検出したい像面(アニール装置のフォーカス面)を特定することが非常に簡単になる。
(iii)照射光の波長における光学系は、不可視光学系の部品と比較して低コストである。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明の光強度分布監視装置を模式的に示す構成ブロック図である。光強度分布検出装置(ビームプロファイラ)6は、予め定められた光強度分布を持った微小な不可視光を、上記光強度分布を持った可視光に変換し、監視できるように構成するものである。この機能を有するビームプロファイラ6は、予め定められた光強度分布を持った微小な不可視光50の光路に不可視光を可視光に変換する波長変換部材として例えば蛍光板61を備えている。この蛍光板61は、透明体例えば透明ガラス板からなる基材62の片面例えば不可視光50の入射光側に蛍光膜63が被着されたものである。この蛍光膜63には一方面に入射した不可視光50を可視光50aに変換するための蛍光物質が含まれている。
蛍光膜63で変換された光強度分布を持った微小な可視光の監視は、不可視光の入射面に対して他方面側(裏面側)へ向かった可視光である。この蛍光膜63の裏面側へ向かった可視光の検出、監視が最適である。すなわち、蛍光膜63の入射面に発生した可視光50aの検出や監視を、不可視光50が入射する側と同じ側から行なうとすると、検出データに歪みを生じたり、特殊な光学系(暗視野による観察など)が必要になったりしてしまうので正確な結果を得ることが難しい。このため、可視光の検出や監視は、蛍光膜63の裏面側(不可視光50の照射側と反対側)から行う。蛍光膜63の裏面での光強度分布を持った微小な大きさの可視光は、光軸102と一致するので歪みを生じることなく正確に検出することができる。
蛍光板61の裏面側で、可視光に変換された光路には、フィルタ64が設けられている。なお、光学系を簡素化するために、基材62にフィルタ64の機能をもたせて、フィルタ64を省略してもよい。また、フィルタ64は蛍光板61と一体としてもよい。このとき、蛍光に寄与しなかった成分光、すなわち蛍光膜63を透過した不可視光50bは基材62に吸収される。
蛍光板61の可視光に変換された光路には、拡大光学系60が配置されている。この拡大光学系60は、蛍光膜63に形成される可視光の光強度分布を有する微小な光学像を拡大して撮像するためのものである。蛍光膜63の可視光の光強度分布が形成される面と電荷結合素子(CCD)69の感光面とは、共役関係に配置されている。
拡大光学系60は、図1に示すように対物レンズ65、光学筒66およびCCD69を備えている。対物レンズ65は、光学筒66の先端に取り付けられ、フィルタ64を介して蛍光板61の裏面に近接するように対向配置されている。対物レンズ65は他の補助レンズ(図示せず)との組合せにより微小な光強度分布を撮像できる大きさ例えば倍率が2倍から2000倍までの範囲で変えられるようになっているが、通常の場合は100〜200倍の範囲内の特定倍率(例えば150倍)が用いられる。拡大光学系60の視野は50μm径乃至300μm径が好適であり、例えば100μm径である。なお、光学筒66の末端側はCCD69に光学的に連結されている。
拡大光学系60の光軸に該当するビームプロファイラ光軸102Aは、結像光学系32のレーザ光軸102と平行となるようにアライメントされている。拡大光学系60と結像光学系32との位置合わせは、図1に示すビームプロファイラアライメント機構80と図2に示す基板ステージ7とを用いてなされる。設置スペースが狭く、レーザ光軸102方向にビームプロファイラ6の長さが制限されるときは、図2に示すように反射ミラー67を用いてビームプロファイラ光軸102Aを垂直から水平に90°曲げることができる。光軸102Aを90°曲げてやると、ビームプロファイラ6の垂直方向の長さが短くなり、装置が小型化するという利点がある。但し、この光軸曲げタイプの装置では、光学筒66を垂直から水平に90°曲げる必要があり、また光学筒66の水平部分を適当な支持部材(図示せず)で支持する必要がある。この場合は、支持部材を介してビームプロファイラアライメント機構80が光学筒66を可動に支持するようにできる。
電荷結合素子(CCD)69は、拡大された可視光の像を撮像するための撮像素子である。CCD69は、出力回路にアナログ−デジタル変換器を介して記録解析装置としてのコンピュータ8に通信線で接続され、このコンピュータ8に撮像信号(可視光の光強度分布波形信号)をデータ送信するようになっている。このときのビームプロファイラ6の実質的な空間分解能は、0.4μm以下である。
蛍光板61とCCD69との間にはフィルタ64が設けられ、透過した不可視光50bを吸収または反射して可視光50aの光強度分布がCCD69に結像されるようになっている。フィルタ64は例えば透明ガラス基板に誘電体のような多層コーティング膜を被覆したものである。さらに、蛍光板の基材62にも不可視光50bを吸収または反射する特性をもたせることができる。
図1に示すように、結像光学系32(図3参照)から入射した不可視光50の光強度分布(ビームプロファイル)は、波長変換部材63の像面にて結像するとともに、波長変換部材63によって可視光50aに変換される。次に、変換された可視光50aの光強度分布は、基材62において不可視光50bが吸収または反射され、さらに残りの不可視光50bがフィルタ64により吸収または反射される。
フィルタ64を蛍光板61とCCD69との間に設けることによって、不可視光50bによる悪影響、例えば、対物レンズ65の劣化、CCD69の損傷、CCD69での撮像信号へのノイズの混入などを回避することができる。
透過した可視光50aの光強度分布は、拡大光学系の対物レンズ65により所望の倍率に拡大されてCCD69に結像される。CCD69は光強度に応じた光強度分布信号を撮像データとして出力し、このデータを受け取ったコンピュータ8によってデジタル的(撮像データとして)もしくはアナログ的に(二次元イメージとして)画像信号処理され、表示装置8aの画面上に拡大された光強度分布(ビームプロファイル)が表示される。さらに、コンピュータ8は、撮像された信号(二次元イメージ)の光強度/位置情報および経時変化を記録し、解析する。
不可視光50は、蛍光膜63が不可視光を可視光に変換する適度な感度を有するエネルギ光量を有する光であり、波長、強度、サイズなどが適宜選択される光である。不可視光50は、蛍光膜63が適度な感度を有し、蛍光膜63が加熱されて焼損しない光量である。不可視光50とは、被処理基板例えば非晶質半導体層を加工例えば結晶化するに必要なエネルギ量の不可視光をいう。蛍光膜63の材料は、被加工体に加工するための光が紫外域光か赤外域光かによって異なるものが選択される。
なお、本実施形態では蛍光膜63を不可視光の入射面側に配置し、基材62を裏面側に配置した例について説明したが、これとは逆に基材62を入射面側に配置し、蛍光膜63を裏面側に配置するようにしてもよい。但し、このような逆転配置では、基材62には不可視光50bを吸収または遮断する材料を使用することはできないので、後段に可視光のみを透過させるフィルタ64を設けることが必須の要件となる。
[プロキシミティ方式での光強度分布の監視
次に、上記の光強度分布監視装置(ビームプロファイラ)6をプロキシミティ型レーザアニール装置に組み込んだときの実施の形態について図3〜図5を参照して説明する。
図3に示すようにレーザアニール装置10Aは、結晶化装置としての機能とアニール装置としての機能とを兼ね備えたものである。すなわち、レーザアニール装置10Aは、被処理基板の非晶質半導体層5c(図3に図示)を溶融させる結晶化装置の機能と、被処理基板を加熱処理するアニール装置の機能とを兼ね備えている。ここでは装置10Aを結晶化に用いた場合の実施の形態について説明する。エキシマレーザアニール装置10Aには、不可視光発生器としてのエキシマレーザ光源1を備えている。このエキシマレーザアニール装置10Aは、非晶質半導体層5cを加熱溶融させるエキシマレーザ光の光強度分布(ビームプロファイル)を監視、検出するために、上記の光強度分布監視装置6を設けたものである。この光強度分布監視装置6により非晶質半導体層に入射するエキシマレーザ光の光強度分布(ビームプロファイル)を監視、検出する際には、非晶質半導体層5cの位置に蛍光膜63が置換して設置される。非晶質半導体層5cを溶融するためのエキシマレーザ光のエネルギは例えば200mJ/cm以上の照明光である。光強度分布(ビームプロファイル)を監視、検出する際のエネルギ量は、10mJ/cm〜30mJ/cmである。光強度分布(ビームプロファイル)を監視、検出するためのエネルギ量が非晶質半導体層を溶融するためのエネルギ量より小さいのは、不可視光を可視光に変換する蛍光膜が適度な感度を持ち、かつ焼損しないエネルギ量に選択したためである。この実施形態では、不可視光による加工手段として、結晶化工程について説明した。しかし、加工エネルギが小さく、蛍光膜63が焼損しないエネルギ量であれば、加工する不可視光を蛍光膜63に入射させたときの光強度分布を得ることができる。
エキシマレーザアニール装置10Aの構成についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、エキシマレーザアニール装置10Aは、不可視光を出力するレーザ光源1例えばエキシマレーザのレーザ光軸102の始端側にアッテネータ2およびミラー4を配置し、レーザ光軸102の終端側に結像光学系32および位相シフタ31を配置し、結像光学系32の焦点位置に被処理基板5を配置している。この装置10Aは所謂プロキシミティ型であり、位相シフタ31Aが被処理基板5の入射光側の直前に配置されている。位相シフタ31Aは、被処理基板5に所望する処理に適合した光強度分布を形成させる空間強度変調光学素子である。
結像光学系32は、光源1からの不可視光の光強度分布を被処理基板5に縮小照明させるための光学系である。結像光学系32は、縮小のみに限らず等倍でも拡大でもよい。結晶化処理における最適の実施形態は縮小照明であり、アニール処理における最適の実施形態は等倍照明である。
移動ステージ7は、X方向、Y方向、Z方向に移動可能なステージである。この移動ステージ7上には光強度分布検出装置としてのビームプロファイラ6と被処理基板5とが並設されている。ビームプロファイラ6と被処理基板5とは、移動ステージ7の移動によりX方向、Y方向、Z方向の各方向にそれぞれ移動され、レーザ光軸102に対して位置合わせされるように構成されている。ビームプロファイラ6と被処理基板5とは、例えば結晶化工程時と光強度分布検出工程時とで光源1からのレーザ光軸102上に置換して設けられる。
移動ステージ7は、例えば図4に示すように概略3つのステージ71,72,73を備えている。すなわち、移動ステージ7は、例えば図示しないX方向に移動するリニアガイド上にXステージ71が可動に支持され、その上にY方向に移動するYステージ72が可動に支持され、その上にZ方向に移動するZステージ73が可動に支持されて構成されている。さらに、Zステージ73上の予め定められた位置には、蛍光板61および/または被処理基板5が設けられる。さらに、移動ステージ7には、Z軸まわりにZステージ駆動機構73を回転させるθ回転ステージ(図示せず)を追加して設けるようにしてもよい。さらに、移動ステージ7はヒータ7aを有し、被処理基板5を所定の温度に加熱することができる(図3参照)。
Zステージ73の本体上には左右一対のスライダ74a,74bがリニアガイド(図示せず)に沿って摺動案内されるように設けられている。両スライダ74a,74bの対向面は上向きに傾斜している。両スライダ74a,74b間には昇降台76が上向き傾斜面に沿って摺動案内されるように設けられている。すなわち、昇降台76は、両スライダ74a,74bの上向き傾斜面に整合する下向き傾斜面を有している。この昇降台76の上には蛍光板61および被処理基板5の両者又はいずれか一方が載置される。
スライダ74a,74bの側部は対応するボールスクリュウ75a,75bの一端にそれぞれ回転自由に連結されている。ボールスクリュウ75a,75bの他端はステッピングモータやサーボモータのような高精度電動機からなる昇降駆動機構9の回転駆動軸に連結されている。半導体レーザとその反射光量を検出するCCDからなるハイトセンサ78は、昇降台76の上面の高さ位置を検出するように設けられている。ハイトセンサ78から高さ位置検出信号が制御器8に送られると、制御器8は昇降駆動機構9の動作を制御してボールスクリュウ75a,75bをそれぞれ回転させ、昇降台76を上昇または下降させるようになっている。これにより昇降台76上の被処理基板5と蛍光板61は結像光学系32および位相シフタ31Aに対して高精度に位置合せされる。
図1に示すように、ビームプロファイラ6の拡大光学系60は、ビームプロファイラ光軸102Aがレーザ光軸102と平行に位置合わせされている。ビームプロファイラ6はビームプロファイラアライメント機構80の上に設けられている。このビームプロファイラアライメント機構80は、前述の移動ステージ7上にあるが、独立してX・Y・Zの各方向に駆動されるものである。なお、ビームプロファイラアライメント機構80は、移動ステージ7の上に設けるようにしてもよい。
ビームプロファイラアライメント機構80は、下側から順にXステージ81、Yステージ82、Zステージ83が積み重ねられている。すなわち、ビームプロファイラアライメント機構80は、図示しないリニアガイド上にXステージ81が可動に支持され、その上にYステージ82が可動に支持され、その上にZステージ83が可動に支持され、さらにその上にビームプロファイラ6が支持されている。蛍光板61と被処理基板5とは、移動ステージ7にそれぞれ支持されている。ハイトセンサ78でそれぞれの高さを記憶しておき、レーザ光軸102とビームプロファイラ光軸102Aとが一致する位置にビームプロファイラ6が移動されると、プロファイルの観測(撮像)が開始される。
図3は、プロキシミティ型アニール装置の光学系の概念図を示している。位相シフタ31A、結像光学系32および被処理基板5の構成を具体的に説明するための構成図である。図3に示すように、結像光学系32は、レーザ光軸102に沿って光源側から順次配列されたホモジナイザ32a、第1のコンデンサレンズ32b、第2のコンデンサレンズ32c、マスク32d、テレセントリック型の縮小レンズ32e、位相シフタ31Aを備えている。ホモジナイザ32aは、光源1からの発振レーザ光を均一化する機能を有する。第1のコンデンサレンズ32bは、ホモジナイザ32aからの均一化レーザ光を集光し、第2のコンデンサレンズ32cと共役関係に配置される。第2のコンデンサレンズ32cの出射光路にはマスク32dが設けられている。マスク32dは非有効レーザ光を遮断する。縮小レンズ32eは1/1〜1/20倍の範囲に像を縮小する機能を有する。この縮小レンズ32eを通過した光は、絶縁性キャップ膜5dの表面(被処理基板の入射面36)から被処理基板5に入射し、像面37にて収束する。像面37は、入射面36と一致させても一致させなくてもよい。通常の場合は、ギャップd1を調整することにより像面37を入射面36から所望距離シフトさせ、像面37は入射面36と不一致である。像面37/入射面36間のシフト量は、キャップ膜5dの膜厚に応じて最適に調整される。
位相シフタ31Aは、例えば、マスク32dを通過する光の位相をずらすことにより、位相シフト部において光強度が極小となる逆ピークパターンのビームプロファイルを形成し、この逆ピークパターンのビームプロファイルにより被処理基板5上において例えば非晶質半導体膜の一番最初に凝固する領域(結晶核)を位置制御し、そこから結晶を横方向に成長させる(ラテラル成長;膜面に沿った二次元成長)ことにより、大粒径の結晶粒を指定した位置に設ける。このとき、位相シフタ31Aの形状、位相シフタ31Aの高さ(図3中のギャップd1)、およびレーザ光の角度分布などにより、所望の光強度分布(ビームプロファイル)を設定する。なお、パソコン8は、ギャップd1が所望値になるように高精度にフィードバック制御する。なお、図中の符合34は位相シフタ面である。
二次元光強度分布(二次元ビームプロファイル)における逆ピークパターンの幅Wは、位相シフタ31Aと蛍光板61(または被処理基板5)との間のギャップd1の1/2乗に比例(W=k・d1/2;kは係数)して拡大する。なお、レーザ光50の平均光強度(平均レーザフルエンス)は、パワーメータなどを用いて別々に検出する。
蛍光板61は、被処理基板5と同一平面上あるいは平行平面上に設置する。蛍光板61を平行平面上に設置する場合は、移動ステージ7を上下して蛍光板61を被処理基板5と同じ高さになるようにハイトセンサ78で検出する。これにより、基板面におけるレーザ光の光強度分布(ビームプロファイル)を実際の照射時と同一条件で検出できるようにするので、蛍光板61と被処理基板5とは、同一平面上になくてもよい。例えば蛍光板61の待機位置は、被処理基板5の処理位置と同じ高さレベルのみに限られるものではなく、処理位置よりも上方あるいは処理位置よりも下方であってもよい。蛍光板61は、被処理基板5の表面と光学的に等価な位置としてもよい。
CCD69で受光し撮像した撮像データ(または観測データ)は、コンピュータ8に入力され、このコンピュータ8は、撮像データを任意の走査線でスライスし、画像信号の強度分布からレーザ光の強度と光強度分布(ビームプロファイル)を出力し、この出力を検出結果とする。
そして、検出した強度と予め設定した目標の強度とを比較して操作量を計算し、アッテネータ2に操作信号を出力して検出した強度が目標の強度になるようにフィードバックしながらアッテネータ2の角度を調節する。
また、検出した光強度分布像とあらかじめ設定した目標値の光強度分布像と、ハイトセンサ78からの信号を比較して操作量を計算し、その操作量に対応する信号を移動ステージ7に出力し、検出した光強度分布像が目標値の光強度分布像に一致するように機構をフィードバック制御する。これにより移動ステージ7側の蛍光板61(又は被処理基板5)と位相シフタ31Aとのギャップd1が決定される。
なお、本実施形態ではレーザ光強度、レーザ光分布、ギャップd1をフィードバック制御の手法により調節する例について説明しているが、本発明はこれのみに限られるものではなく、最初にレーザ光強度、レーザ光分布、ギャップd1のすべてを検出し、その検出結果を目標値として設定し、記憶(記録)しておき、レーザ照射する必要が生じたときにそれぞれ呼び出して用いることができる。これにより再現性の高いレーザ照射を実現でき、TFTチャネル部の結晶化を安定して行うことができる。
次に、図3を参照してレーザアニール装置による結晶化方法について詳しく説明する。
レーザアニール装置10Aは、予め基板5a例えばガラス基板の上に下地保護層5b、非晶質シリコン膜5c、キャップ層5dが順次積層された被処理基板5に対して強度と光強度分布(ビームプロファイル)が変調されたレーザ光50を照射し、結晶化するものである。結晶化の対象は非晶質シリコン膜5cである。下地保護層5bとキャップ層5dはそれぞれSiO絶縁膜からなる。
光源となるKrFエキシマレーザ発振装置1からは波長248nmの矩形ビームのレーザ光が出射される。レーザ光50は、先ずアッテネータ2において誘電体の多層膜コーティングフィルタの角度を調節してレーザフルエンスが光学的に変調される。次にミラー4を経由して結像光学系32に至り、2組(それぞれx方向とy方向)の小レンズ対からなるホモジナイザ32aによって発散ビームに分割される。なお、1ショットのパルス継続時間は30ナノ秒である。分割されたビームの各中軸光線は、コンデンサレンズ32b(凸レンズ#1)によってマスク32dの中心に集まる。
また、それぞれのビームは、僅かに発散型になっているために、マスク32dの全面を照明する。分割された微小出射領域を出た全ての光線群が、それぞれマスク32d上の全ての点を照射するので、レーザ出射面上の光強度に面内むらがあっても、マスク32dの光強度は均一になる。「面内むら」とは空間的に変化するエネルギ分布の不均一性のことをいう。
マスク32dの各領域を通過する光線群の中心光線、すなわちホモジナイザ32aの中心部分のレンズ対を通ってきた発散光線群は、マスク面近傍の凸レンズ32cによって平行光線になってから、テレセントリック型の縮小レンズ32eを通って、加熱ヒータ7aを備えた移動ステージ7上に置かれた被処理基板5を垂直に照射する。
移動ステージ7はX,Y,Zの各方向に位置を調整できるようになっているので、照射領域をずらしてアニールを繰り返すことにより、大面積を結晶化することが可能である。また、マスク32dの同一箇所を通過した光線群は基板面の一点に収束する。すなわち、マスク32dの縮小像が均一光強度で基板面上に作られる。なお、XYは水平面のX軸とY軸とを示し、Zは水平面に垂直な方向に延びる鉛直軸を示す。
基板表面の任意の点を照射する光線群は、レーザ光軸102を通る中心光線を含めて分割された光線から作られる。ある光線と中心光線のなす角は、ホモジナイザ32aの幾何学的形状で決まる、マスク32dでの当該光線と中心光線の作る角に、テレセントリック型レンズ32eの倍率を掛けた値になる。
被処理基板5(又は蛍光板61)から500μm以内に近接配置された位相シフタ31Aは、所定の段差31aを有し、段差31aのところで分割光線群にそれぞれ独立にフレネル回折を起こさせる。これらの回折パターンは基板表面で重畳されるから、基板表面の光強度分布には、位相シフタ31Aのパラメータ(ギャップd1、位相差θ)だけではなく、位相シフタ31Aに入射する光線群の広がり量(ε)や、光線間の干渉性が複雑に関係する。
位相シフタ31Aを透過したレーザ光は、被処理基板5のキャップ膜5dに結像される。キャップ膜5d上に入射したレーザ光は、キャップ膜5dを透過して非晶質Si膜5cに入射し、非晶質Si膜5cを加熱する。加熱された非晶質Si膜5cは、溶融する。溶融された非晶質Si膜5cは、自然冷却され固化し、結晶化される。
次に実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1として本発明の装置を用いてKrFエキシマレーザアニール装置から発振されるエキシマレーザ光(波長248nm)の光強度分布を検出した波長変換部材の平均膜厚は2μmとした。レーザ光の平均フルエンスを15mJ/cmとし、照射領域10を1mm×1mm角とした。
波長変換部材を構成する蛍光物質にはピラニン(Pyranine Conc;C16H7Na3O10S3)を用いた。ピラニンの発光強度(蛍光強度)は、低レベルから中レベルまでのエネルギ領域ではエキシマレーザ光のフルエンスに対して高い依存性を示す。例えば、入射レーザ光のフルエンスが30mJ/cm2以下のエネルギ領域ではピラニン蛍光物質の発光強度がレーザフルエンスに対して正比例増加することが判明している(図14参照)。
次に、図5を参照して光強度分布の解析手順の概要について説明する。
図5(a)は光強度分布の解析手順を示すフローチャート、図5(b)は同解析手順中における信号波形をそれぞれ示す図である。
先ず撮像前の準備手順について説明する。図3において、シャッタを閉じてCCD69にレーザ光50が入射しないように遮断する。なお、光学系には位相シフタ31を挿入していないが、波長変換部材63をもつ蛍光板61は撮像位置に配置してある。
このようにCCD69に像が入らない状態で撮像し、CCD出力における黒レベルの撮像データをパソコン8に送る。この黒レベル撮像データは、例えば図5の(b)に示す信号波形14xのようになり、低い強度レベルの直流成分を有するものである。パソコン8は、信号波形14xに対応する黒レベル撮像データ(暗レベル像)を撮像前の予備データとして記憶しておく(ステップF1)。
次いで、光源1から出射されるレーザ光50が暫定の規格化強度(例えば、15mJ/cm2)となるように、光源1を設定する(ステップF2)。この暫定の規格化強度は、波長変換部材を構成する蛍光物質が劣化または蒸散しない範囲で経験的に適宜選択される。本実施形態では暫定の規格化強度を15mJ/cm2としたが、これを20mJ/cm2とすることもできる。
CCD69のシャッタを開け、暫定規格化強度のレーザ光50をCCD69に入射して、CCD出力における白レベルの撮像データをパソコン8に送る。この白レベル撮像データは、例えば図5の(b)に示す信号波形14yのようになり、高い強度レベルの直流成分を有するものである。パソコン8は、信号波形14yに対応する白レベル撮像データ(暗レベルを含む明レベル像)を記憶しておく(ステップF3)。
次いで、パソコン8は、ステップF1で記憶しておいた黒レベル撮像データ(波形14xに対応)をメモリから呼び出すとともに、ステップF3で記憶しておいた暗レベルを含む明レベル像のデータ(波形14yに対応)をメモリから読み出し、波形14yから波形14xを引き算して図5(b)に示す波形14z(=14y−14x)を求め(ステップF4)、明レベル像データを求める。この波形14zに対応するデータをパソコン8に記憶させておく。
以上が撮像前の準備フローである。
次に、実際の撮像手順について説明する。
位相シフタ31Bを光学系の所定位置に挿入し、他の部材に対して位置合せする(ステップF5)。次いで、図5(b)に示す逆ピークパターン波形14aを実際の撮像時におけるCCD出力の撮像データ(光強度分布)としてパソコン8に入力する(ステップF6)。パソコン8は、ステップF1で記憶しておいた黒レベル撮像データをメモリから呼び出し、入力撮像データ(波形14aに対応)から黒レベル撮像データ(波形14xに対応)を引き算して図5(b)に示す波形14b(=14a−14x)を求める。このようにして黒レベル成分を取り除くことにより、CCD出力の撮像データの零点調整がなされる(ステップF7)。この零点調整ステップF7では、測定視野内の総ての光強度を積分して平均化した零点調整された波形14bを出力する。
次いで、零点調整された波形14bはパソコン8により規格化される(ステップF8)。規格化ステップF8において、パソコン8は、撮像前の準備フローで求めておいた波形14zに対応するデータをメモリから呼び出し、零点調整された波形14bの平均値を1として、これを波形14zで割り算して規格化し、規格化された波形14c(=14b/14z)を出力する。図5(b)の最後に示す波形14cが出力される光強度分布にあたるものであり、これを比較用データとして実際のレーザ照射を行う。
次に、図6を参照して、本発明の装置により光強度分布を検出し、その検出結果に基づいて実際に非晶質シリコン薄膜をELA法により結晶化する方法の実施形態について具体的に説明する。なお、図1乃至図5で説明した部分については、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。
先ず、結晶化工程に先立ち結晶化用不可視光の光強度分布の確認を次のプロセスにより行う。アッテネータ2の平均レーザフルエンスを、ビームプロファイルを撮像または観察するために必要な値(10mJ/cm2)に調整した(工程S1)。次いで、被処理基板5を予め定められた位置に退避させたのち、プロファイラ6を進入させ、照射野に位置させた(工程S2)。アライメント機構7およびビームプロファイラアライメント機構80を用いてビームプロファイラ光軸102Aを光源側のレーザ光軸102と光軸アライメントした(工程S3)。パソコン8から上記のステップF1〜F8で得た波形データ(光強度分布の目標値)を呼び出し、像を解析して理論的に推定されるギャップd1を計算する(工程S4)。次に、位相シフタ31Aの移動機構、基板ステージ7とハイトセンサ78を用いて蛍光板61を位相シフタ31Aに対してアライメントしてギャップd1を計算で得られた目標値に調整した(工程S5)。レーザ光を照射してその光強度と光強度分布(ビームプロファイル)を検出した(工程S6)。工程S6の詳細は図5のステップF1〜F8に示している。この検出した光強度分布と予め定められた光強度分布とを照合し(工程S7)、相違していれば両者が一致するまでギャップd1を微調整する(工程S71)。両者が一致していれば、このときのギャップd1を記憶し、ビームプロファイラ6を照射野から退出させる(工程S8)。次に、基板ステージ7を照射野に進入させた(工程S9)。被処理基板5の入射面をアニールしたい位置に移動させ、光源側のレーザ光軸102とアライメントした(工程S10)。次に、基板ステージ7を用いて被処理基板5と位相シフタ31Aとのギャップd1を、工程S7で記憶した値に調整した(工程S11)。
次に、検出した強度と光強度分布があらかじめ設定した目標と一致するようにアッテネータ2の角度を調整した。すなわち、平均レーザフルエンスが1000mJ/cm2のときの波形が適していれば、そのような値になるアッテネータ2の角度になるように調整した(工程S12)。次に、設定した強度と光強度分布のレーザ光を被処理基板5に照射して非晶質シリコン膜5cをアニールした(工程S13)。
移動ステージ7はX-Y面内で所定間隔ごとにステップ移動して位置を変えることができるようになっているので、照射領域をずらしてアニールを繰り返すことにより、大面積を結晶化することができる(工程S14)。なお、XYは水平面のX軸とY軸を示し、Zは水平面に垂直な方向に延びる軸を示す。前の照射領域が最後であったか否かを判定し(工程S15)、工程S15の判定結果がNOの場合は、工程S13のアニールを実施した。工程S15の判定結果がYESの場合は、基板ステージをホーム位置に戻し、結晶化処理を終了する。
以上の検出、位置合わせ、照射を繰り返して同一基板内にTFTのサイズは異なるがチャネル領域での電流方向を横切る結晶粒界数の平均値が一定となる結晶領域をそれぞれ形成する。なお、検出、位置合わせ、照射の3つの動作は必ずしも毎回繰り返す必要はない。最初にすべての検出を行っておき、その検出結果を記憶(記録)しておき、それを必要に応じて呼び出し、位置合せに必要な操作量を求め、次に結晶領域毎に位置合わせと照射を並行して行うようにしてもよい。
また、上記実施例では光強度分布の検出、確認工程を、結晶化工程の前に1回実行した例について説明したが、光強度分布の検出、確認工程は、最初に実施し、1枚の被処理基板5の全面を結晶化してもよいし、結晶化領域数箇所毎に1回、数十、数百、数千箇所毎に1回実施することが望ましい。光強度分布の検出、確認工程は、多ければ多いほど均一な結晶化を実施することができる。
また、上記実施例では位相シフタを基板に対して所定位置に近接させて所定フルエンスのレーザ光を照射する所謂プロキシミティ方式について説明したが、これを投影法(位相シフタを基板から離れたレーザ光源側に配置するプロジェクション方式)と組み合せて用いるようにしてもよい。
[プロジェクション方式での光強度分布の監視
次に、上記の光強度分布監視装置(ビームプロファイラ)6をプロジェクション型レーザアニール装置に組み込んだときの実施の形態について図7〜図11を参照して説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
図7に示すレーザアニール装置10Bは、レーザ光源1の側から順に光軸102に沿って配置された第1の結像光学系32A、位相シフタ31B、ミラー4および第2の結像光学系32Bを備えている。この装置10Bは、位相シフタ31Bを第1の結像光学系32Aと第2の結像光学系32Bとの間に設けた所謂プロジェクション型レーザアニール装置であり、エキシマレーザ光50を第1の結像光学系32Aにより均一化し、均一化光を位相シフタ31Bにより光強度変調し、さらに光強度変調光を第2の結像光学系32Bにより所定倍率に縮小して波長変換部材6又は被処理基板5の入射面36に投影するようになっている。
次に、プロジェクション型レーザアニール装置における位相シフタ31Bのアライメント機構90について説明する。
図8は位相シフタホルダを上方から見て示す平面図である。ホルダ90は同心配置され互いに連結された外環91および内環92を備えている。ホルダ外環91は、X駆動機構93とY駆動機構94とZ駆動機構96により可動に支持され、X方向、Y方向およびZ方向にそれぞれ微調整移動されるようになっている。ホルダ内環92には、図示しない位相シフタ31Bを係止するための複数のストッパを有している。位相シフタ31Bは内環92のなかに嵌め込まれ、その周縁がストッパにより係止されている。ホルダ内環92はホルダ外環91に可動に保持されており、図示しない機構によってXY面内における内環92の回転角θを微調整することができる。
図9は位相シフタホルダの側面断図である。図示していない機構によって光軸102と位相シフタ31B面の法線とが成す角度φの調整が可能である。Z駆動機構96のシリンダロッドの移動量を制御することにより、位相シフタ31Bの像面制御ができる。このようにして位相シフタ31Bは、結像光学系32の他の部材と高精度に位置合せされる。
次に、図10を参照して光学系について詳しく説明する。
第1の結像光学系32Aは、ホモジナイザ32a、第1コンデンサレンズ32b、第2コンデンサレンズ32c、マスク32dを有する。これらの光学部品32a,32b,32c,32dは上述した装置10Aの結像光学系32の光学部品と実質的に同じものである。
第1及び第2の結像光学系32A,32Bは、図示しないフレームにそれぞれ固定支持されている。一方、位相シフタ31Bは、図8と図9に示すアライメント機構90により可動に支持されている。位相シフタ31Bは、ホモジナイズ面33と位相シフタ面34とのずれ量d2が所定値になるように、アライメント機構90により位置決めされた状態で、マスク32dの開口の近傍に配置されている。ずれ量d2は、ゼロ(ホモジナイズ面33と位相シフタ面34との一致(完全オーバーラップ))を標準とする。以後特に明記しない限りこの条件で説明する。また、光の進行方向を正とし、その逆方向を負とする。
第1の結像光学系32Aを通過した光は一次像面35上を通過し、第2の結像光学系32Bに入射する。第2の結像光学系32Bは、テレセントリック型縮小レンズ32eを有し、位相シフタ31Bで光強度変調されたレーザ光の二次元イメージを二次像面37に結像させる。この二次像面37は、ずれ量d4だけ入射面36から光軸102方向にシフトしている。ずれ量d4は、基板ステージ7の昇降により所望値に調整される。二次像面37上の像は一次像面35上の像が所定の縮小倍率で転写されたものであるので、ずれ量d4はずれ量d3に所定の縮小倍率Nの二乗を掛けた値(N×N)となる(両者は正比例関係にある)。ずれ量d4がゼロとなる二次像面37のとき、一次像面35は位相シフタ面34と一致(完全オーバーラップ)しているとする(ずれ量d2がゼロ)。例えば、ずれ量d4が+0.1mmのときの二次像面37は、ずれ量d2が+0.1mm/(N×N)mmの位置の一次像面35に対応する。しかし、これは位相シフタ移動機構90を固定した状態で、ずれ量d4を変化させることだけで任意の位置の一次像面35を二次像面37に投影することが出来る。なお、ずれ量d4がゼロとなる基板ステージ7の高さ(z値)において、ハイトセンサ78から得られる信号をゼロとしておく。
基板ステージ7は、ハイトセンサ78、アライメント機構71〜76および昇降機構9を備えている。基板ステージ7は、二次像面37と波長変換部材61(又は被処理基板5)の入射面36とのずれ量d4が所定値になるように、アライメント機構71〜76および昇降機構9により位置決めされている。この位置決めはパソコン8がする。すなわち、パソコン8は、ハイトセンサ78で検出した基板ステージ7の昇降台76の高さ位置信号を受け取ると、それに基づいてずれ量d4が所定値になるように昇降機構9の動作を制御する。この場合に、ずれ量d4は、ゼロを標準とするが、例えば5〜100μmとする場合もある。縮小レンズ32Bを通過した光は、二次像面37に置かれた被処理基板5上で収束する。
次に、図11を参照して、本発明の装置により光強度分布を検出し、その検出結果に基づいて実際に非晶質シリコン薄膜をELA法により結晶化する方法の実施形態について具体的に説明する。
先ず、結晶化工程に先立ち結晶化用不可視光の光強度分布の確認を次のプロセスにより行う。アッテネータ2の平均レーザフルエンスをビームプロファイルを撮像または観察するために必要な値(10mJ/cm2)に調整した(工程K1)。次いで、被処理基板5を予め定められた位置に退避させたのち、プロファイラ6を進入させ、照射野に位置させた(工程K2)。アライメント機構7およびビームプロファイラアライメント機構80を用いてビームプロファイラ光軸102Aを光源側のレーザ光軸102と光軸アライメントした(工程K3)。パソコン8から波形データ(目標値)を呼び出し、像を解析して理論的に推定されるずれ量d4を計算する(工程K4)。この波形データは前述した図5の準備フローF1〜F8により得られた光強度分布の記憶データであり、光強度分布に関して目標値となるものである。
次に、基板ステージ7とハイトセンサ78とを用いてずれ量d4を計算で得られた目標値に調整した(工程K5)。レーザ光を照射してその光強度と光強度分布(ビームプロファイル)を検出した(工程K6)。工程K6の詳細な内容は図5の準備フローに示している。この検出した光強度分布と予め定められた光強度分布とを照合し(工程K7)、相違していれば両者が一致するまでずれ量d4を微調整する(工程K71)。両者が一致していれば、このときのずれ量d4を記憶し、ビームプロファイラ6を照射野から退出させる(工程K8)。次に基板ステージ7を照射野に進入させた(工程K9)。被処理基板5の入射面をアニールしたい位置に移動させ、光源側のレーザ光軸102とアライメントした(工程K10)。次に、基板ステージ7を用いて被処理基板5のずれ量d4を、工程K7で記憶した値に調整した(工程K11)。次に、検出した強度と光強度分布があらかじめ設定した目標と一致するようにアッテネータ2の角度を調整した。すなわち、平均レーザフルエンスが1000mJ/cm2のときの波形が適していれば、そのような値になるアッテネータ2の角度になるように調整した(工程K12)。そして、工程K12で設定した強度と光強度分布のレーザ光を照射した。(工程K13)。
移動ステージ7はX-Y面内で所定間隔ごとにステップ移動して位置を変えることができるようになっているので、照射領域をずらしてアニールを繰り返すことにより、大面積を結晶化することができる(工程K14)。なお、XYは水平面のX軸とY軸を示し、Zは水平面に垂直な方向に延びる軸を示す。前の照射領域が最後であったか否かを判定し(工程K15),工程K15の判定結果がNOの場合は、工程K13のアニールを実施した。工程K15の判定結果がYESの場合は、基板ステージをホーム位置に戻し、結晶化処理を終了する。
(実証試験)
次に、図12および図13を参照して試料表面上の光強度分布の実測結果から変調レーザ光の特徴とその実像について説明する。
平行光を用いたときの孤立位相シフタ(光路差δは180°)による一次元の規格化Fresnel回折パターンを図12の(a)に示す。位相シフタとプロファイラとの相互間距離(位相シフタ/基板間のギャップd1と同等)は110μmとした。図12の(b)は図12(a)の回折パターンの一次元光強度分布を示す特性線図である。図中の特性線A(細線)はコンピユータシミュレーション結果を示し、特性線B(太線)はビームプロファイラ蛍光板面での実測結果を示す。これらの実測結果から明らかなように高次の振動を含めて理論結果と良い一致が得られた。特に、最小強度がほぼゼロであることは、エキシマレーザ光が強い自己干渉性を有していることを示している。なお、ビームプロファイラの空間分解能は、製造しようとする結晶粒径より1桁程度小さいのが望ましく、図12の(a),(b)の検出例では0.4μmの分解能であった。
図13にIn-plane cross-coupled位相シフタによる二次元の規格化Fresnel回折像(ビームプロファイルの二次元データ)を示す。この図はビームプロファイラ蛍光板面に現れたレーザフルエンスの実像を示したものである。ギャップd1を30μm、位相差を180°とした。図中の太い線で囲まれた正方格子は一辺の長さが5μmである。格子状の主パターン(太線)以外に内部の微細二次元パターン(細線)も捉えることができており、このプロファイラが二次元パターンの評価にも有効であることが実証された。
図14は、横軸をエキシマレーザ光の照射強度(単位はmJ/cm2)とし、縦軸をレーザ光照射されたピラニンの蛍光強度(単位は相対値)として、ピラニンのエキシマレーザ光のフルエンスに対する発光強度依存性について調べた結果を示す特性線図である。この図によれば、入射レーザ光のエネルギ量が30mJ/cmまでは、ピラニン蛍光物質の発光強度が直線的に増加していることが判明した。
図15は、横軸をメタルマスクのエッジ位置(μm)とし、縦軸を蛍光強度(相対値)として、メタルマスクを用いて本発明の光強度分布検出装置の空間分解能を評価した結果を示す特性線図である。空間分解能の測定には、有機蛍光材(ピラニン)を透明基材に塗布した波長変換部材を用いた。図中の特性線Cの高位部分は白領域(メタルの無い所;暗レベルを含む明レベル領域)に該当し、低位部分は黒領域(メタルの有る所;暗レベルのみの領域)に該当する。図中の記号Rは白領域から黒領域に変化する遷移領域を示す。すなわち、図中にて遷移領域Rより左側はメタルのない領域を示し、遷移領域Rより右側はメタルのある領域を示している。
この波形Cを用いれば、空間分解能評価試験におけるイメージ像中の白領域から黒領域へ変化する状態を示す一次元グラフであるから空間分解能を評価できる。図から明らかなように、遷移領域Rにおいて、その傾斜の半値幅(すなわち分解能)はおよそ0.4μmであった。この像におけるMTF(Modulation Transfer Function)評価を行ったところ、低位、高位のコントラスト比10%で2500本/mmの分解能を有することが判明した。
高分解能ビームプロファイラによってエキシマレーザ光の性質を抽出した。この結果、試料表面上光強度分布を設計することが可能となった。さらに、各種臨界光強度を評価して、これらの結果を総合することにより、高充填率で大結晶粒を成長させる光学系を設計した。この有効性を上述の実証試験により確認した。
(実施例2)
実施例2として本発明の装置を用いてQスイッチYAGレーザ装置からパルス発振される赤外レーザ光(波長1064nm)の光強度分布を検出した。
波長変換部材中に含ませる蛍光物質にはYAGLASS(ヤグラス)住田光学ガラス社製品名を用いた。波長変換部材の平均膜厚は2μmとした。光強度変調素子にはSi製の一部をCrメタルで遮蔽した基板を用いた。レーザ光の平均フルエンスを30mJ/cmとし、ビーム径を1mm×1mm角とした。
本発明装置によるQスイッチYAGレーザ光の光強度分布の検出結果から10μmの高解像度の像を確認できた。
(実施例3)
実施例3として本発明の装置を用いて露光装置のi線ランプから照射される紫外線(波長365nm)の光強度分布を検出した。
波長変換部材中に含ませる蛍光物質にはナノ粒子のCdSeを塗布した基板を用いた。波長変換部材の平均膜厚は0.5μmとした。光強度変調素子には合成石英製で一部をCrメタルで遮蔽したものを用いた。ランプ光の平均出力を30mW/cmとし、ビーム径を1mm×1mm角とした。
本発明装置による紫外光の光強度分布の検出結果から0.4μmの高解像度の像を確認できた。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明は、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置のような表示装置の回路に用いられるTFTのチャネル領域となる半導体薄膜を結晶化または不純物を活性化させるためのエキシマレーザアニール技術(ELA法)ばかりでなく、赤外線波長領域のレーザ光を発振するQスイッチYAGレーザや銅蒸気レーザ、あるいは紫外線波長領域の光を照射する半導体製造装置のエキシマランプ、i線ランプ、g線ランプ、Xeランプなど数μm程度の大きさの光強度分布を計測する技術など様々な技術分野において利用することが可能である。
本発明の光強度分布監視装置を模式的に示す構成ブロック図。 本発明の光強度分布監視装置をプロキシミティ型レーザアニール装置と組み合せた例を模式的に示す概略構成図。 プロキシミティ型レーザアニール装置の結像光学系の一例を示す構成ブロック図。 波長変換部材の位置決め機構を模式的に示す構成ブロック図。 (a)は光強度分布の解析手順を示すフローチャート、(b)は同解析手順中における信号波形を示す図。 本発明の光強度分布監視方法を利用したELA法の一例を示すフローチャート。 本発明の光強度分布監視装置をプロジェクション型レーザアニール装置と組み合せた例を模式的に示す概略構成図。 位相シフタの位置決め機構を示す平面図。 位相シフタの位置決め機構の一部を示す拡大断面図。 プロジェクション型レーザアニール装置の結像光学系の一例を示す構成ブロック図。 本発明の光強度分布監視方法を利用したELA法の一例を示すフローチャート。 (a)は孤立位相シフタのビームプロファイラ蛍光面における二次元イメージを示すSEM像、(b)はその一次元光強度分布特性線図。 レーザ照射領域における二次元イメージの一例を示すSEM像。 本発明の光強度分布監視方法を用いてエキシマレーザの光強度分布を計測したときの一例を示す特性線図。 有機蛍光材を塗布した波長変換部材を有するビームプロファイラの空間分解能について調べた結果を示す特性線図。
符号の説明
1…光源、
2…アッテネータ
31A,31B…位相シフタ(空間強度変調光学素子)
32…結像光学系
32A…第1の結像光学系
32B…第2の結像光学系
32a…ホモジナイザ(光強度均一化光学素子)
32b,32c…コンデンサレンズ
32d…マスク、32e…テレセントリック型縮小レンズ
33…ホモジナイズ面
34…位相シフタ面
35…一次像面(第1の結像光学系の結像面)
36…波長変換部材又は被処理基板の入射面
37…二次像面(第2の結像光学系の結像面)
d1…位相シフタ面から入射面までのギャップ
d2…ホモジナイズ面と位相シフタ面とのずれ量
d3…一次像面と入射面とのずれ量
d4…二次像面と入射面とのずれ量
5…被処理基板、5a…基板、5b…下地保護層
5c…非晶質半導体層(結晶化対象膜、非晶質シリコン膜)
5d…キャップ層
50…不可視光(レーザ光)
50a…可視光
50b…吸収または反射される不可視光
6…ビームプロファイラ(光強度分布監視装置
60…拡大光学系
61…蛍光板(波長変換部材)
62…基材
63…蛍光膜(波長変換部材)
64…フィルタ
65…対物レンズ
66…光学筒
67…ミラー
68…支持体
69…CCD(撮像手段、像計測手段)
7…移動ステージ(X−Y−Zステージ、基板ステージ、基板用位置合せ機構)
71…Xステージ
72…Yステージ
73…Zステージ
74a,74b…スライダ
75a,75b…ボールスクリュウ
76…昇降台
78…ハイトセンサ(位置検出手段)
8…コンピュータ(解析手段、処理装置)
8a…表示装置
80…ビームプロファイラアライメント機構
81…Xステージ
82…Yステージ
83…Zステージ
9…昇降機構
90…アライメント機構(位相シフタ用位置合せ機構)
91…ホルダ外環
92…ホルダ内環、92a…ストッパ
93…X駆動機構、94…Y駆動機構
95a〜95c…ピボット、96a…シリンダ
102…レーザ光軸
102A…ビームプロファイラ光軸
103…移動軸

Claims (13)

  1. レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系と、この結像光学系の結像位置に設けられ、前記レーザ光が照射されるべき被照射面がアニールされる被処理基板を可動に支持するX−Y−Zステージと、前記レーザ光を可視光に変換する波長変換部材と、前記波長変換部材に表示された可視光像を拡大して撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、前記結像光学系に対する前記X−Y−Zステージ上の被処理基板の相対高さ位置を測定するハイトセンサと、を具備するレーザアニール装置を用いて前記被処理基板をアニールするレーザ光の光強度分布を監視するに際し、
    前記被処理基板の位置に前記レーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材を設置する工程と、
    前記被処理基板の位置に設置された前記波長変換部材の高さ位置を前記ハイトセンサにより測定して予め記憶された高さ位置に調整することにより前記被処理基板と同一平面に前記波長変換部材を位置合せする工程と、
    前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射する工程と、
    前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を撮像装置により撮像する工程と、
    最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶しておく工程と、
    前記撮像装置により撮像した光強度分布像および光強度予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御するために前記撮像した光強度分布を持った微小な可視光像を監視する工程と、
    前記ハイトセンサにより測定した前記波長変換部材の高さ位置を記憶する工程と、
    前記波長変換部材を退避させ、前記波長変換部材があった位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射する工程と、
    を有することを特徴とする光強度分布監視方法。
  2. 前記波長変換部材に対して前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択した不可視光を間欠的に照射し、この間欠的な照射に同期して前記不可視光の光強度分布を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 直径が数ミクロンから10ミクロンを越える大サイズの結晶粒を形成するために前記拡大光学系の拡大倍率は2倍から2000倍までの範囲であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の方法。
  4. 前記拡大光学系における光強度分布の検出視野のサイズを100μm×100μm以下とし、空間分解能を5μm以下とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
  5. 数十ミクロン単位の観察領域の光強度分布を正確に計測するために前記拡大光学系の空間分解能が0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記空間分解能が低下しないようにするために前記波長変換部材は、平均膜厚が1nm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
  7. 不可視光による悪影響を回避するために前記波長変換部材と前記拡大光学系との間の光路に不可視光を吸収または反射して可視光のみを透過させるフィルタを配置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の方法。
  8. レーザ光源と、
    このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系および位相シフタと、
    この結像光学系の結像位置に設けられ、前記レーザ光が照射されるべき被照射面がアニールされる被処理基板を支持するX方向、Y方向、Z方向に移動可能なステージと、
    レーザ光の光強度分布を監視するビームプロファイラと、
    を具備するアニール装置であって、
    前記ビームプロファイラは、
    前記レーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材と、
    前記波長変換部材に表示された可視光像を撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、
    前記波長変換部材の高さ位置を検出するハイトセンサと、
    前記ハイトセンサの測定結果が予め記憶された高さ位置になるように前記波長変換部材を位置合わせ制御すること、および前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射するように制御すること、および最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を前記撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶すること、および前記撮像装置により撮像した光強度分布像および強度予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御すること、および前記波長変換部材の高さ位置を記憶すること、および前記波長変換部材を退避させ、その位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射するように制御することを行うコンピュータと、
    を具備することを特徴とするアニール装置。
  9. 直径が数ミクロンから10ミクロンを越える大サイズの結晶粒を形成するために前記拡大光学系の拡大倍率が2倍から2000倍までの範囲であることを特徴とする請求項8記載のアニール装置。
  10. 前記空間分解能が低下しないようにするために前記波長変換部材は、1nm以上3μm以下の平均厚さであることを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項記載のアニール装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載されたアニール装置を用いて被処理基板をアニールするアニール方法であって、
    前記不可視光の光強度分布を検出するに際し、前記被処理基板と前記波長変換部材とが前記不可視光路上にある前記被処理基板を移動させた後、前記波長変換部材を前記不可視光路上に移動させる波長変換部材移動工程と、
    前記不可視光路上に移動された前記被処理基板に前記光源から前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に制御した不可視光を出射させ、前記位相シフタを透過した透過光の光強度分布を検出する光強度分布検出工程と、
    を具備してなることを特徴とするアニール方法。
  12. 前記位相シフタを透過した透過光の光強度分布を検出したとき、この検出した光強度分布を予め定められた光強度分布と照合し、両者が相違していれば一致させた後、前記波長変換部材の位置に前記被処理基板を位置させ、前記被処理基板の加工するに必要な予め定められたエネルギー量の不可視光を前記光源から出射し、該被処理基板をアニール処理することを特徴とする請求項11記載のアニール方法。
  13. レーザ光源と、
    このレーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを形成するための位相シフタと、
    前記レーザ光源からのレーザ光の光軸に設けられた結像光学系と、
    この結像光学系の結像位置に設けられ、前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを有するレーザ光に照射される被照射面がアニールされる非晶質半導体層を含む被処理基板を支持するX方向、Y方向、Z方向に移動可能なステージと、
    レーザ光の光強度分布を監視するビームプロファイラと、
    を具備する結晶化装置であって、
    前記ビームプロファイラは、
    前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルを有するレーザ光を可視光に変換して可視光の光強度分布像を表示するために所望の空間分解能を有するトリソディウム8−ハイドロオキシ−1,3,6−ピレネトリスルフォネートを含む波長変換部材と、
    前記波長変換部材に表示された前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルの可視光像を撮像する撮像装置を有する拡大光学系と、
    前記波長変換部材の高さ位置を検出するハイトセンサと、
    前記ハイトセンサの測定結果が予め記憶された高さ位置になるように前記波長変換部材を位置合わせ制御した後、前記レーザ光源からのレーザ光のエネルギー量を前記波長変換部材が劣化または蒸散しないエネルギー量に選択したレーザ光を前記レーザ光源から出射するように制御すること、および最初に前記被処理基板をアニールすべきレーザ光の光強度分布が前記波長変換部材に表示された可視光の光強度分布像を前記撮像装置により撮像し、前記レーザ光の光強度および光強度分布像を検出し、その検出結果をあらかじめ目標値として設定し、記憶すること、および前記撮像装置により撮像した前記位相シフト部において光強度が極小となるビームプロファイルの光強度分布像および強度予め記憶されている前記目標値の光強度分布像および強度と一致するように前記波長変換部材の高さ位置を制御すること、および前記波長変換部材の高さ位置を記憶すること、および前記波長変換部材を退避させ、その位置に前記被処理基板を移動させ、前記記憶しておいた目標値を呼び出し、前記レーザ光源から前記目標値に対応する前記被処理基板をアニールするエネルギー量の光強度と光強度分布を有するレーザ光を前記被処理基板に照射するように制御することを行うコンピュータと、
    を具備することを特徴とする結晶化装置。
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