JP4359324B2 - 分配型燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造 - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造 Download PDF

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Description

本発明は、燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を調節する機構に関する。
ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射ポンプで数百気圧に加圧された燃料はクランク回転角で上死点より20度程度前に噴射弁の噴口から燃焼室内に噴射される。ディーゼルエンジンは空気過剰の状態で燃焼が行われるため、ガソリンエンジンに比し、COおよびHCの排出濃度ははるかに少ないが、NOxは同程度排出されるので、その低減がもっとも重要課題とされている。NOxは空気中の窒素と酸素が高温にさらされて反応して生成されるので、一般に良好な燃焼状態ほど多量に排出される。すなわち、NOxの発生量は、燃焼が高温なほど、またその持続時間が長いほど多く、また空気と燃料の混合比のある値で最大値をとる。しかし、NOxを低減しようとすると一般に燃焼が悪化し、出力や熱効率の低下、COやHCの増加、低温始動性の悪化や黒煙濃度の増加などをきたすので、これらをいかにくい止めるかが重要になる。
NOxの低減には燃料噴射時期の遅延や燃焼室の改良など、エンジン自体を改良するいわゆるエンジンモディフィケーションと、排気ガスの一部を吸気に戻す排気再循環が有効であることが知られている。上述の燃焼悪化に対しては、燃焼室、噴射系、吸・排気系の変更による燃焼の最適化が図られている。また、変化するエンジンの回転数と負荷に応じて燃料噴射時期を精度よく、かつ敏速に制御し、また排気再循環も適時に、しかも必要最小限となるように制御することなども重要である。しかし、排気再循環を行うと排気中の煤が吸入空気を介して潤滑油に混入し、潤滑油の早期劣化とエンジン摺動部の摩耗が問題となる。また、ブローバイガス還元装置を装着した場合には、吸気マニホールド内壁に付着したオイルに煤が堆積し、吸気マニホールドを閉鎖して、エンジンの性能を低下させるという問題がある。
そこでエンジンの回転数と負荷に応じて燃料噴射時期を制御する方法として、従来、燃料噴射ポンプの燃料を押し出すプランジャに細工をほどこし、該燃料噴射ポンプの回転に伴う燃料の漏れ効果を制御することにより、燃料噴射時期を制御する機構が知られている。例えば、特開平6−50237に示されるものが知られている。
特開昭58−131354号公報 特開平10−339236号公報
しかし、プランジャの加工の精度により特性が大きく変化するため、燃料噴射ポンプの特性が加工過程により大きく依存する。このため、個々の燃料噴射ポンプの特性を均一化するためには、困難を要する。また、NOxを低減するために、燃料噴射時期を遅角させることが有効ではあるがエンジンの低温始動性の悪化を招き、アイドリング時に失火する可能性が高くなるとともに、未燃焼の燃料による白煙が発生する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
分配型燃料噴射ポンプ(1)において、プランジャ(7)とプランジャバレル(8)との間に燃料圧室(44)を形成し、該プランジャ(7)の往復運動によって、燃料ギャラリ(43)から該燃料圧室(44)に燃料を吸い込み圧送し、分配軸(9)により、燃料を複数のデリベリバルブ(18)へ分配し、該プランジャバレル(8)には、該燃料ギャラリ(43)に連通するメインポート(14)と、燃料のドレイン回路(51)に連通する該メインポート(14)より小径のサブポート(42)とを、該燃料圧室(44)に連通可能に穿設し、該燃料圧室(44)に対峙するプランジャ(7)の頭部には、該プランジャ(7)の回動にともなう所定の範囲に渡って、該サブポート(42)に連通可能なサブリード(7b)を形成し、該メインポート(14)が該プランジャ(7)の外周面により閉鎖されても、該サブリード(7b)を介して該燃料圧室(44)と該サブポート(42)とが連通可能となるように構成し、該サブポート(42)と該ドレイン回路(51)との間の上部ポンプハウジング(28a)内に、油密機能を有する弁室油路(45)と、該弁室油路(45)内で変位可能な弁体(46a)を内蔵する開閉弁を配設し、該弁体(46a)の上方一端に弁体作動部(47)を配設し、該弁体作動部(47)は、上方へ付勢するリターンスプリング(48a)に抗して、作動時に該弁体(46a)を下方に摺動すべく構成し、前記弁室油路(45)の上端開口部は、前記上部ポンプハウジング(28a)の外部より装着される該弁体作動部(47)により閉塞し、該弁室油路(45)の上端開口より燃料が流出しない構成とし、前記弁体作動部(47)は、電磁ソレノイド(47e)とし、該電磁ソレノイド(47e)よりプランジャ(47f)を下方に延設し、該プランジャ(47f)の下端を前記弁体(46a)の上端に当接し、該弁体(46a)の下部に、前記リターンスプリング(48a)を配置し、該電磁ソレノイド(47e)を温度検知手段からの信号により操作し、該開閉弁を自動制御し、エンジンが温まっていない場合には、燃料噴射時期を早め、エンジンが温まって一定温度以上の場合には、通常運転時の燃料噴射時期となるものである。
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
分配型燃料噴射ポンプ(1)において、プランジャ(7)とプランジャバレル(8)との間に燃料圧室(44)を形成し、該プランジャ(7)の往復運動によって、燃料ギャラリ(43)から該燃料圧室(44)に燃料を吸い込み圧送し、分配軸(9)により、燃料を複数のデリベリバルブ(18)へ分配し、該プランジャバレル(8)には、該燃料ギャラリ(43)に連通するメインポート(14)と、燃料のドレイン回路(51)に連通する該メインポート(14)より小径のサブポート(42)とを、該燃料圧室(44)に連通可能に穿設し、該燃料圧室(44)に対峙するプランジャ(7)の頭部には、該プランジャ(7)の回動にともなう所定の範囲に渡って、該サブポート(42)に連通可能なサブリード(7b)を形成し、該メインポート(14)が該プランジャ(7)の外周面により閉鎖されても、該サブリード(7b)を介して該燃料圧室(44)と該サブポート(42)とが連通可能となるように構成し、該サブポート(42)と該ドレイン回路(51)との間の上部ポンプハウジング(28a)内に、油密機能を有する弁室油路(45)と、該弁室油路(45)内で変位可能な弁体(46a)を内蔵する開閉弁を配設したので、エンジンの燃焼効率を高めて失火を抑制し、或いは白煙の発生を抑えたいたい場合には、開閉弁構造部を閉弁して燃料噴射開始時期を進角側に進めてこれを実現することができ、排気中のNOxを低減させたい場合には、開弁して燃料噴射開始時期を遅らせてこれを実現できる。即ち、同一エンジンで、運転条件等の違いによって異なる噴射開始時期の要求をいずれも満たすことができ、エンジン全般の性能を向上できる。
また、該弁体(46a)の上方一端に弁体作動部(47)を配設し、該弁体作動部(47)は、上方へ付勢するリターンスプリング(48a)に抗して、作動時に該弁体(46a)を下方に摺動すべく構成し、前記弁室油路(45)の上端開口部は、前記上部ポンプハウジング(28a)の外部より装着される該弁体作動部(47)により閉塞し、該弁室油路(45)の上端開口より燃料が流出しない構成としたので、弁体作動部(47)の組み立てが容易であり、燃料噴射ポンプの構造を大きく変えることなく容易に本発明の開閉弁構造部を実現できる。
また、前記弁体作動部(47)は、電磁ソレノイド(47e)とし、該電磁ソレノイド(47e)よりプランジャ(47f)を下方に延設し、該プランジャ(47f)の下端を前記弁体(46a)の上端に当接し、該弁体(46a)の下部に、前記リターンスプリング(48a)を配置し、該電磁ソレノイド(47e)を温度検知手段からの信号により操作し、該開閉弁を自動制御し、エンジンが温まっていない場合には、燃料噴射時期を早め、エンジンが温まって一定温度以上の場合には、通常運転時の燃料噴射時期となるので、燃料噴射時期を早めたい時と遅らせたい時とで電磁ソレノイドの通電を切り換えるようにして、例えば、エンジンの低温始動時およびアイドリング時等、燃料噴射開始時期を早めたい場合には電磁ソレノイドを通電(非通電)にして燃料噴射時期を進角側に制御でき、低温始動性およびアイドリング時の失火および白煙の発生を低減できるとともに、エンジンの通常運転時等、燃料噴射開始時期を遅らせたい場合には、電磁ソレノイドを非通電(通電)にして燃料噴射時期を遅角側にするため、NOxの排出量を低減できる。こうして、エンジン全般の性能を向上できる。
さらに、エンジンが低温時に高負荷が発生した場合においてもエンストの発生を抑制する。これにより、エンジンの操作性を向上できる。
この構造においては、電磁ソレノイドの通電制御だけで、温度条件等にかかわらず、燃料噴射開始の要求時期が異なる場合に容易に開閉弁構造部の開閉を対応させることができ、燃料噴射時期の進角および遅角を容易に制御できる。
また、電磁ソレノイドへの通電時間の設定を容易に変更可能であり、各エンジンに対応して設定を行うことができる。
さらに、組み立てが容易であり、燃料噴射ポンプの構造を大きく変えることなく、電磁ソレノイドを装着でき、容易に本発明の燃料噴射時期制御構造を実現できる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は燃料噴射ポンプを装着したエンジンの側面図、図2は同じく後面図、図3は燃料噴射ポンプの側面図、図4は同じく正面図、図5および図6は本発明に係る開閉弁構造部を示す模式図、図7はサブポートからの燃料をポンプ外に戻す構造に設けた本発明に係る開閉弁構造部の他の例を示す模式図、図8は開閉弁構造部に温感部材を用いた例を示す燃料噴射ポンプ上部の正面断面図、図9は同じく要部正面断面図、図10は開閉弁構造部に温感部材として形状記憶バネを使用した例を示す要部正面断面図、図11はエンジンの油圧によりサブポートの開閉を行う開閉弁構造部の参考例を示す燃料噴射ポンプの正面一部断面図、図12は開閉弁構造部に電磁ソレノイドを用いた例を示す要部正面断面図、図13はサブポートからの逃がし燃料量を調節するための調節軸を配設した例を示す要部正面断面図、図14は同じく要部平面断面図である。
図1、図2において本発明の燃料噴射ポンプを装着するエンジンの構成について説明する。エンジン61は、クランクケース62、シリンダー部63およびシリンダヘッド部64により構成されており、該エンジン61のシリンダヘッド部64の側方には排気装置65が配設されている。エンジン61の側部には燃料噴射ポンプ1が配設されており、図示しない燃料タンクより供給される燃料を各シリンダ内に高圧で供給可能に構成されている。該エンジン61には燃料噴射ポンプ1より燃料が供給され、該燃料は空気とともにシリンダー部63内に導入される。シリンダー部63内には図示しない複数もしくは単数のシリンダおよびピストンが配設されており、前記導入された燃料と空気はシリンダにおいて図示しないピストンにより圧縮され、爆発した後に排気ガスとしてシリンダ部63より排出される。該シリンダ部63より排出される排気ガスはシリンダヘッド部64より排出される。
該シリンダヘッド部64には、図示しないバルブ機構が配設されており、該シリンダ部64内において生成した排気ガスが、バルブ機構を介してシリンダヘッド部64に配設された排気マニホールド66内に排出される。各シリンダより排出された排気ガスは排気マニホールド66に集合し、該排気マニホールド66には前記排気装置65が接続されている。該構成において排気マニホールド66に集合させられた排気ガスが該排気装置65内に導入される構成になっている。該燃料噴射ポンプ1にはエンジン61よりの駆動力が伝達されており、該エンジン61の各シリンダに対する燃料の噴射タイミングは燃料噴射ポンプ1において調節される。該燃料噴射ポンプ1に伝達される動力はエンジン61のクランクケース62内に内包されるクランク軸(詳しくは、該クランク軸に同期回転するカム軸)に同期しており、燃料噴射ポンプ1において燃料噴射時期を調節することにより、シリンダー部63に内装されるピストンの摺動に対応した燃料の噴射を行うことできる。燃料噴射ポンプ1より吐出された燃料はシリンダ部63に内装される各シリンダ内に図示しない噴射弁を介して噴射される。
次に、本発明の構造を具備する分配型燃料噴射ポンプの全体構成について、図3及び図4より説明する。燃料噴射ポンプ1の下部ハウジングを構成するポンプ駆動ハウジング28内に、カム5を備えたカム軸4が横設され、該カム軸4はカム軸受12を介してカム軸サポート3に回転自在に軸支されている。上部ポンプハウジング28a内には、カム5の上方位置にて、プランジャバレル8を、また、これと平行状に分配軸スリーブ10および複数のデリベリバルブ18・18・・・を上下方向に嵌入固設しており、これらプランジャバレル8、分配軸スリーブ10およびデリベリバルブ18間、また、ポンプ駆動ハウジング28内に形成する燃料ギャラリ43や外部の燃料タンク等との間を連通する様々な燃料連通路が穿設されている。該プランジャバレル8内には、上下摺動自在に嵌挿されたプランジャ7が配設され、該プランジャ7の下端にはタペット11が付設されている。プランジャ7及びタペット11はスプリング等の付勢部材により下方へ付勢され、該タペット11がカム5に当接している。これにより、カム5の回転によりプランジャ7が上下動するように構成している。
また、前記プランジャ7の側方には、分配軸9が該プランジャ7と軸心を平行に配設されており、該分配軸9は分配軸スリーブ10に回転自在に嵌挿されるとともに、該分配軸9の下端部より同軸下方に分配駆動軸19を連設し、該分配駆動軸19を該カム軸4にギア噛合させて、分配軸9を該カム軸4に同期回転駆動させる構造としている。なお、図4の如く、ポンプ駆動ハウジング28の外側方にフィードポンプ6を取り付けて、カム軸4の回転とともに該フィードポンプ6を駆動する構造としている。該フィードポンプ6より、上部ポンプハウジング28a上端に設けた、フィルター機構を内蔵する管継手6aを介して、上部ポンプハウジング28a内の燃料供給通路41より燃料ギャラリ43内に燃料を供給するようにしている。
このように構成した燃料噴射ポンプ1において、フィードポンプにより燃料ギャラリ43へ燃料が圧送され、プランジャ7が上下動範囲の下端部(下死点)に位置すると、プランジャバレル8内にてプランジャ7の上方に形成される燃料圧室とメインポート14とが連通して、燃料ギャラリ43内の燃料がメインポート14を通じて該燃料圧室内へ導入される。プランジャ7がカム5により押し上げられて上昇すると、該プランジャ7の外壁によりメインポート14と燃料圧室との間が遮閉され、該燃料圧室内の燃料はプランジャ7の上昇に伴って、プランジャバレル8を貫通する分配ポート49より分配軸スリーブ10及び分配軸9を介してデリベリバルブ18へ圧送され、該デリベリバルブ18から前記シリンダヘッド部64に配設した燃料噴射弁に吐出され、該燃料噴射弁からシリンダー内に噴射される。この場合、カム軸4と連動して回転する分配軸9により、燃料は複数のデリベリバルブ18へ分配されて圧送される。
そして、プランジャ7がさらに上昇すると、該プランジャ7に形成したプランジャリード16とメインポート14が連通し、これにより、プランジャバレル8内と燃料ギャラリ43とが連通して、該プランジャバレル8内に圧送された燃料は燃料ギャラリ43内へ逆流する。なお、ガバナ機構によりプランジャ7を軸心回りに回動させることで、プランジャリード16とメインポート14とが連通する際のプランジャ7の上下位置を変化させることができ、これにより、燃料噴射弁から噴射する燃料量を調節することができる。
ガバナハウジング36内においては、カム軸4の回転にて作動するガバナ機構が組み込まれている。即ち、該カム軸4の先端が、本体ハウジング28よりガバナハウジング36内に突入しており、ガバナウェイト支持部材32の中心に固設され、摺動体30内に挿入されている。該ガバナウェイト支持部材32にはガバナウェイト31・31・・・が枢支されていて、カム軸4と一体の該ガバナウェイト支持部材32が回転すると、その回転に伴って発生する遠心力にて、ガバナウェイト31・31・・・が開き、該摺動体30を、図中左側に押し出す。回転が速いほど、ガバナウェイト31の開度は大きくなるので、該摺動体30の押し出し量、即ち摺動量は大きくなる。該摺動体30の摺動は、アーム29を介してラック21を摺動させる。該ラック21は、ガバナハウジング3よりポンプ駆動ハウジング28内に摺動自在に嵌入されており、該プランジャ7に一体状に固設された制御スリーブ17に噛合している。前記のラック21の摺動とともに制御スリーブ17が回動し、これと一体状にプランジャ7が回動して、メインポート14に対するプランジャリード16の位置が該プランジャ7の回転方向に変化する。こうして、該プランジャ7の有効ストロークが調節され、その燃料圧送量が調節されて、調速操作がなされるのである。
次に、本発明の燃料の噴射時期制御構造について説明する。図5および図6に示すように、プランジャバレル8の内側は、前記の如く、プランジャ7の上方において、導入された燃料を加圧するための燃料圧室44が形成されており、該燃料圧室44内に導入された燃料はプランジャ7により加圧されたのちに、図3図示のプランジャバレル8の上部に設けられた分配ポート49を介して分配軸9に圧送される。
メインポート14は、上部ポンプハウジング28aに穿設された燃料供給油路41及び燃料ギャラリ43に連通しており、常時燃料が供給される構成になっている。また、プランジャバレル8には、プランジャ7を介してメインポート14の対向位置にサブポート42が設けられており、該サブポート42はメインポート14よりも小径に構成されている。更に、プランジャバレル8の内側により形成される燃料圧室44において燃料を圧縮するプランジャー7のプランジャー上縁部(頭部)7aの、前記プランジャリード16と略対向する側において、サブリード7bを設けて、プランジャ7の一定回転範囲にて前記サブポート42に連通可能に構成し、メインポート14がプランジャ7の外周面にて塞がれている場合にも、該サブリード7bを介して該燃料圧室44と該サブポート42とを連通可能とする。即ち、前記のプランジャ7の上下摺動において、カム上死点に達する前にプランジャ7の上縁部7aの外周面がメインポート14を閉じることにより、燃料圧室44から分配軸9への燃料圧送が、カム角の進角域にて開始されることとなるが、この進角域において、サブリード7bがサブポート42に連通していることにより、プランジャ7が上方摺動するのにもかかわらず、サブポート42から燃料を流出させて、燃料圧送の開始を遅れせることができるのである。なお、サブリード7bの深さとサブポート42の高さを調節することで、燃料圧送の開始時期の遅れ具合を調節できる。
図5及び図6の如く、プランジャバレル8の側面外周に燃料ギャラリ43が設けられており、該サブポート42は、同じくプランジャバレル8内に形成した弁室油路45を介して、該燃料ギャラリ43に連通しており、燃料圧室44内の燃料を燃料ギャラリ43に戻すドレイン回路を形成している。
なお、サブポート42からのドレイン回路は、図7の如く、ポンプハウジング外部の燃料タンクに燃料を戻す構造としてもよい。即ち、図7においては、上部ポンプハウジング28a内において、弁体46を内蔵する弁室油路45bをサブポート42に連通するとともに、ポンプハウジング外部の燃料タンクに燃料を戻すドレイン回路51に連通して、燃料圧室44よりサブポート42を介して流出した燃料が、弁室油路45bおよびドレイン回路51を介して図示しない燃料タンクに排出される構成になっている。また、上部ポンプハウジング28a内において、該ドレイン回路51はオーバーフローバルブ52を介して燃料ギャラリ43に接続されており、燃料ギャラリ43のオーバーフローした燃料が該オーバーフローバルブ52を介してドレイン回路51に流入する。こうして、サイドポート42より排出される燃料、および燃料ギャラリ43のオーバーフロー燃料を、ドレイン回路51により燃料タンクに排出することができる。
15、図6および図7に開示される、弁室油路45(または45b)内に弁体46を配設してなる開閉弁構造部について説明する。該弁体46は筒状に構成されて、弁体46には連通路46aが形成されている。該連通路46aは、弁体46を上下軸芯に沿って貫通する孔と、弁体46の外側面に環状に形成される溝とが連通して構成されており、その下端開口を介して弁室油路45に連通し、側面の環状溝部を介してサブポート42に連通可能である。該弁体46の挿入された弁室油路45は、内径が弁体46の外径と略同一になるよう構成されて、該弁体46の外周面が該弁室油路45の内壁面に対して摺動自在になるようにしている。図5または図7の如く、弁体46の側面における連通路46aの環状溝がサブポート42に連通する位置にある時は、燃料圧室44内の燃料がサブポート42より弁体46内の連通路46aを介して弁室油路45に流れ込み、燃料ギャラリ43に到達可能である。しかし、図6の如く、該連通路46aの側面環状溝がサブポート42の位置に合致しない場合には、サブポート42が弁体46の側面により塞がれるため、燃料圧室44内の燃料がサブポート42より流出することはない。さらに、弁体46の下端と弁室油路45の底面との間に、付勢部材48を介装して、弁体46を上方に付勢しており、該付勢部材48が自然長である場合には該連通路46aの弁体46側面における開口部の位置がサブポート42よりも上方になる構成になっている。
そして、該弁体46の上方には、作動時に該弁体46を該付勢部材48に抗して下方に摺動するための手段である弁体作動部47を配設している。該弁室油路45の上端開口部は弁体作動部47により閉じられており、該弁室油路45の上端開口より燃料が流出しない構成になっている。弁体作動部47は、早期の燃料噴射時期を要求される場合に非作動状態に設定されて、図6の如く、付勢部材48の付勢力にて弁体46を上方摺動させてその側面の連通路46aの環状溝をサブポート42より上方にして、サブポート42とドレイン回路との間を遮断し、これにより、カム角度の進角域にてプランジャ7が燃料圧室44に対してメインポート14を閉じると同時に燃料圧室44から分配軸9への燃料圧送を開始するようにする。一方、燃料噴射時期を遅らせることが要求される場合には、弁体作動部47が作動状態に設定されて、図5及び図7の如く、付勢部材28に抗して弁体46を下方摺動させて、該連通路46aの側面環状溝がサブポート42に連通する図5または図7の位置にし、サブポート42とドレイン回路との間を連通させて、該進角域にて、サブポート42より燃料を排出して燃料圧室44からの燃料圧送の開始を遅らせるのである。
ディーゼルエンジンにおいては、エンジン始動時と駆動中とで燃料噴射の要求時期が異なる。即ち、エンジン始動時には、失火を抑制するために進角度を大きくすることが要求されるが、エンジン駆動中には、排気中のNOxを低減するために、進角度を小さくする、即ち、燃料噴射時期を遅らせることが要求される。該開閉弁構造部は、このように、運転条件によって異なる燃料噴射開始の要求タイミングを両方とも満たせるようにするためのものである。すなわち、エンジン61の排気ガス中のNOxの低減およびアイドリング時の騒音の低減のために、前記のように進角域にてサブリード7bをサブポート42に連通させて、燃料ポンプ1の燃料噴射タイミングを遅角側に設定している場合においても、該エンジンの始動時には、弁体作動部47を非作動状態にして弁体46を上方に摺動させ、サブポート42とドレイン回路との間を弁体46にて閉じて、サブポート42より油路45へ燃料が流れ込まないようにする。こうして該サブポート42を介して燃料圧室44の燃料が逃げないようにし、燃料ポンプ1からデリバリバルプ18への燃料圧送のタイミング、即ちシリンダー内における燃料噴射タイミングを早めることができる。これにより、失火が抑制されて、エンジンの始動性および低温時の燃焼性を向上できるのである。そして、エンジン始動後、温度が上昇して所定温度に達した状態で駆動している場合には、弁体作動部47を作動させて、付勢部材48に抗して弁体46を下方摺動させ、その側面の連通路46aの環状溝をサブポート42に連通する。これにより、プランジャ7の上下動に関するカム角進角域において、サブポート42からの燃料の排出がなされるようにより、燃料噴射時期は遅角側に移動し、NOxの排出量を低減するとともに、エンジンが温まった状態で燃料噴射時期が遅角側に設定されるので、エンジン排気からの白煙および黒煙を減少させることができる。
次に、該弁体46の上下摺動制御、即ちサブポート42とドレイン回路との間の連通路の開閉制御を行う前記弁作動部47を中心に、開閉弁構造部の様々な具体的構成例について説明する。まず、図8、図9図示の弁作動部は温感部材47bにて構成されており、上記サブポート42の開閉機構を該温感部材47bの温度に伴う伸縮と、該温感部材47bの伸縮に抗する付勢部材48により制御する構成となっている。図8、図9において、上部ハウジング28aには、プランジャバレル8側面に燃料ギャラリ43を形成するとともに、該燃料ギャラリ43に連通する前記弁室油路45に相当する弁室油路53がプランジャ7に平行に設けられており、該弁室油路53には、前記の図5乃至図7図示の弁体46にて穿設される連通路46aと同様の油密機構を有する弁体46が摺動自在に挿入されている。なお、本構成例において、弁体46の下部は上方に凹状に構成されており、該弁体46aの下部には、油路53の下面上に配設された前記付勢部材48としてのリターンスプリング48aの上部が挿入されている。この構造において、リターンスプリング48aに抗して弁体46の下端が弁室油路53の底端に達した時に、該連通路46aにおける弁体46側面の環状溝がサブポート42に連通するようになっており、該リターンスプリング48aが自然長の時には、該環状溝がサブポート42より上方になって、該サブポート42は該弁体46の側面にて閉じられた状態となる。
また、弁体46の上方には温感部材47bが配設されており、該温感部材47bの上部にはワックスペレットが内装されており、温感部材47bの下部は該ワックスペレットの膨張・収縮により上下に摺動する作動ピストン47cにより構成されて、該作動ピストン47cの下端を弁体46の上端に当接させている。すなわち、弁体46はリターンスプリング48aおよび温感部材47bの作動ピストン47cに挟持される構成になっている。
上記構成において、温感部材47bは低温域では縮んでおり、高温域で伸びるものを用いている。本構成例においてはワックスの膨張率を利用して伸縮するワックスペレット型のサーモスタットを用いているが、バイメタルを用いたものを用いることも可能である。上部ハウジング28aが温まり、それに伴い温感部材47bが温められ、該温感部材47b内のワックスが膨張すると、図8の如く、作動ピストン47cが下方に突出し、弁体46が下方に摺動し、やがてその側面の連通路46aの環状溝とサブポート42が一致し、油路が弁室油路53を介してドレイン回路に開くものである。また、上部ハウジング28aが冷え、温感部材47bのワックスが収縮した場合には、図9の如く、作動ピストン47cが上方に移動し、それに伴って、弁体46がリターンスプリング48aの付勢力により上方に摺動され、該弁体46の側面によりサブポート42が閉じる構成になっている。
こうして、エンジンが始動時等で冷えている状態では、温感部材47bの作動ピストン47cが低温域の長さであり、弁体46が図6の如く上方に位置して、該弁体46の側面によりサブポート42が閉じ、プランジャバレル8内の燃料がプランジャ7のサブリード7bを介してサブーポート42より逃げることがなく、進角域の早期に燃料噴射を開始でき、失火の抑制、燃焼向上を実現する。そして、始動後暫くしてエンジンが温まり、規定温度以上になると、温感部材47bの作動ピストン47cが下方に延出して、図8及び図9図示の如く、メインポート42と連通路46aとが連通する状態となり、進角域において燃料噴射時期が遅れ、NOxの低減を実現する。また、エンジンが温まった状態で燃料噴射時期を遅らるため、白煙の減少を実現する。
次に、温感部材として形状記憶バネを用いた場合について、図10より説明する。前記と同一符号は同一の部材を示す。本参考例において、温感部材47aは低温域では縮んでおり、高温域で伸びる形状記憶バネよりなるものであり、該温感部材47aの上部は、弁室油路53を閉じるべく上部ハウジング28aに螺装されたキャップボルト28bに内装されている。すなわち、弁体46はリターンスプリング48aおよび温感部材47aに挟持される構成になっている。
上部ハウジング28aが温まり、上記温感部材47aが伸びて、該弁体46の下端が弁室油路53の底端に達した時には、該弁体46の側面の連通路46aの環状溝がサブポート42に一致し、また、上部ハウジング28aが冷え、温感部材47aが縮んだ場合には、弁体46がリターンスプリング48aにより上方に摺動され、該弁体46の側面によりサブポート42が閉じる構成になっている。
こうして、エンジンが始動時等で冷えている状態では、温感部材47aが低温域の長さであり、弁体46が図6の如く上方に位置して、該弁体46の側面によりサブポート42が閉じ、プランジャバレル8内の燃料がプランジャ7のサブリード7bを介してサブーポート42より逃げることがなく、進角域の早期に燃料噴射を開始でき、失火の抑制、燃焼向上を実現する。そして、始動後暫くしてエンジンが温まり、規定温度以上になると、温感部材47bの作動ピストン47cが下方に延出して、図10図示の如くメインポート42と連通路46aとが連通する状態となり、進角域において燃料噴射時期が遅れ、NOxの低減を実現する。
図11の開閉弁構造部の参考例は、エンジンの油圧に基づいて開閉制御されるものである。図11において、燃料ポンプにはエンジンの潤滑油がデリバリパイプ55を介して導入される。該デリバリパイプ55の一端はエンジン側面にユニオンボルトにより固設されており、デリバリパイプ55の該端部よりエンジンの潤滑油が流入する。本構成例においてはデリバリパイプ55にはエンジンのタペット部の潤滑を兼ねる油圧回路に接続されているが、該デリバリパイプ55を接続するのはエンジンの潤滑油の油圧の変化を後記弁室油路53b内に伝達させるものであればよく、特に限定されるものではない。
デリバリパイプ55の他端は燃料噴射ポンプの側面に接続されており、該デリバリパイプ55より燃料噴射ポンプのポンプ駆動ハウジング28に穿設した油路に接続されている。該油路はポンプ駆動ハウジング28に設けられた弁室油路53bに接続されており、該弁室油路53bは上部ハウジング28aに設けられた弁室油路53aに接続されている。該弁室油路53bおよび弁室油路53aは直線状に連通されており、内径を同一に構成している。弁室油路53bには油圧ピストン47dが挿入されており、該油圧ピストン47dはエンジンの油圧に連動して該油路53b内を摺動する構成になっている。該弁室油路53b内における該油圧ピストン47dの下方には、デリバリパイプ55からの潤滑油が浸入し、該油圧ピストン47dより上方の弁室油路53b及び弁室油路53a内には燃料が浸入するものであって、該潤滑油と該燃料とは油圧ピストン47dにて隔絶される。弁室油路53b・53a内において、油圧ピストン47dの上方には弁体46bが摺動自在に配設されており、該弁体46bの下部は油圧ピストン47dの上部に当接している。
弁体46bの外周側面には、上下平行に環状溝46c・46dが形成され、該弁体46b内にて上下両環状溝46c・46dが連通しており、上部環状溝46cはサブポート42に連通可能とし、下部環状溝46dは、上部ポンプハウジング28a内に形成した燃料ギャラリ43に常時連通するプランジャバレル8の連通溝8bに連通可能としている。該弁体46bの上部にはリターンスプリング48bの下部が挿入されており、該リターンスプリング48bの上部は弁室油路53aの上端における上部ポンプハウジング28aに当接している。該リターンスプリング48bが弁体46bを装着した状態において、自然長である場合には、弁体46bの側面によりサブポート42が閉じられる。
上記の構成において、エンジン停止時、始動時等で、エンジンの潤滑油圧が低い状態においては、作動ピストン47d下方における弁室油路53b内に浸入する潤滑油の体積が少ないので、作動ピストン47dには、弁体46bを上方に押し上げる力が働かず、リターンスプリング48bにより弁体46bは下方に位置しており、該弁体46bの側面により、サブポート42より燃料圧室44の燃料が流入することなく、燃料噴射時期が早まり、進角側に設定される。
また、エンジンが温まると、該エンジン内の潤滑油の流動性が上昇し、該エンジンの油圧が上昇する。該エンジン内の潤滑油は図示しないオイルポンプによりデリバリパイプ55により燃料噴射ポンプにも供給されており、該デリバリパイプ55を介して弁室油路53b内に導入される。このエンジン内の潤滑油の油圧により、油圧ピストン47dが上方に摺動され、これとともに、弁体46bが上方に摺動される。なお、上方に摺動した弁体46bは、前記の上部環状溝46cがサブポート42に連通した位置において、その上端が該弁室油路53aの上端に当接して、それ以上は摺動しない。こうして、エンジンの潤滑油圧が一定以上高い状態においてはサブポート42と上部環状溝46cとが連通するとともに、下部環状溝46dが該連通溝8bを介して燃料ギャラリ43に連通するので、進角域において、燃料圧室44内の燃料がサブポート42より燃料ギャラリ43に流出し、これにより、燃料噴射時期が遅くなる。すなわち燃料噴射時期が遅角側に設定される。
このように、エンジンが冷えている状態における燃料噴射時期は、エンジンが温まった状態における燃料噴射時期よりも早くなり、白煙の減少を行う。また、これにより、エンジンが温まっていない場合においても始動性を確保するとともに、通常運転時には燃料噴射時期を遅らせて、遅角側としNOxの低減および白煙の減少を行う。本構成例は、エンジンの温度に略正確に反応するエンジンの潤滑油圧の変化を用いて燃料の噴射時期を調節するため、エンジンの温度状態に略正確に則した燃料噴射時期の調節を行うことが出来る。
図12図示の開閉弁構造部は、弁体作動部47として電磁ソレノイドを用いた構成である。弁室油路53内に、弁体46を摺動自在に嵌入し、弁体46と弁室油路53の底部との間に付勢部材48であるリターンスプリング48aを介装した構造は、図10等にて図示される構造と同様であり、該弁体46の連通路46aによる油密機構とサブポート42との連通位置関係も同様である。本実施例においては、弁体作動部47として、該弁室油路53の上部に電磁ソレノイド47eが配設されており、該電磁ソレノイド47eよりプランジャ47fが下方に延設されて、その下端を弁体46の上端に当接させており、該電磁ソレノイド47eに電界を生じさせることにより、プランジャ47fが上方に摺動し、電磁ソレノイド47eへの通電を切ると、電磁ソレノイド47cに内装されたバネにより、プランジャ47gが下方に押し出される構成になっている。なお、弁体46の長さや電磁ソレノイド47cのプランジャ47dの長さを調節し、電磁ソレノイド47cが通電することにより、サブポート42を開き、該電磁ソレノイド47cへの通電を切ることにより、サブポート42を閉じる構成をとることも可能である。
こうして、電磁ソレノイド47eの通電を切ることにより、弁体46における連通路46aの側面環状溝をサブポート42に一致させて、該サブポート42をドレイン回路に連通させ、電磁ソレノイド47eを通電させることにより、弁体46の側面にてサブポート42を閉じて、ドレイン回路への連通を遮断するものである。この電磁ソレノイド47eへの通電の入り切り操作を、例えば温度検知手段に基づいて自動制御させる。即ち、エンジンが停止中もしくは始動中で温まっていない場合には、温度検知手段が低温を検知していることに基づいて電磁ソレノイド47eを通電させる。これにより、プランジャ47fが上方摺動し、弁体46はリターンスプリング48aの付勢力によって上方摺動して、サブポート42を閉じ、燃料噴射時期を早める。そして、エンジンが温まって温度検知手段が一定以上の温度を検知している場合には、電磁ソレノイド47eの通電を止めて、プランジャ47f及び弁体46を下方摺動させ、これにより、サブポート42を連通路46aに連通させて、燃料噴射時期を遅らせるのである。
なお、温度検知手段を用いなくても、エンジン始動時から一定の通電期間を設定しておき、該期間が過ぎたら電磁ソレノイド47eを非通電として、弁体46を開弁するようにすることもできる。また、このような通電期間は、エンジン毎に対応させて設定すればよい。更に、電磁ソレノイド47eは、温度条件以外にも、同一エンジンにおいて、要求される燃料噴射開始時期が異なる場合に対応して、容易に該弁体46の開閉弁制御を行うことができる。また、電磁ソレノイド47eは、上部ハウジング28aの外部より装着されるため、組み立てが容易であり、燃料噴射ポンプの構造を大きく変えることなく容易に本発明の開閉弁構造部を実現できる。
次に、以上のような燃料噴射時期制御用の開閉弁構造部を有する燃料噴射ポンプにおいての、サブポート42からの燃料の逃がし量を調節する機構について、図13及び図14より説明する。開閉弁構造部の弁体46を開弁している状態では、サブポート42がドレイン回路に連通して、燃料噴射開始時期を遅らせるが、この際のサブポート42からの燃料逃がし量は、適用するエンジンの違い等によってその適当な量が異なる場合がある。また、同一規格の燃料噴射ポンプを製造しても、その性能(ここではサブポートからの燃料逃がし量)にはバラツキがある。本機構は、このような理由でサブポート42からの燃料逃がし量を調節したい場合に適用されるものである。
本構成は、サブポート42と、サブポート42に接続する油路を開閉する弁体46との間にて、サブポート42の通路面積を調節する調節手段として、調節軸56を配設するものである。なお、図13及び図14図示の参考例では、弁体作動部47として、図8及び図9図示の作動ピストン47cを具備する温感部材47bを用いた開閉弁構造部を開示しているが、他の、例えば図10、図11、図12図示のいずれかの構造の開閉弁構造部を用いてもよい。図14に示すごとく、上部ポンプハウジング28aにはプランジャ7および弁室油路53に直交する方向の軸芯を有する流量調節油路53cを、サブポート42の外端より延長するように設けており、該流量調節油路53cは弁室油路53に接続されている。流量調節油路53cには、調節軸56が挿入されている。流量調節油路53cは先端が円錐形に構成されており、該先端をサブポート42の外端部に連接させた形状となっている。調節軸56は、上部ポンプハウジング28aの外側面にその外端を突出させ、その突出外端部に調節ツマミ56aを取り付けており、該調節ツマミ56aの回動操作により、流量調節油路53c内において該調節軸56の位置を調節可能に構成されており、これにより調節軸56の先端の、サブポート42と流量調節油路53cとの間を接続する油路への挿入量を調節して、該サブポート42より弁体46の連通路46aを介して弁室油路53内に流入する燃料の流量を調節可能としている。
このような構成により、弁体46にて燃料の噴射時期を変更可能であるとともに、調節軸56により、燃料圧室44よりサブポート42を介して逃がす燃料の流量を調節できるため、該調節を各燃料噴射ポンプについて行い、各燃料噴射ポンプの特性のバラツキを均一化できる。即ち、燃料噴射ポンプの個体差をなくして、特性の一定した性能の燃料噴射ポンプの供給が可能である。また、適用するエンジンの違いによってサブポートからの燃料逃がし量を調節したい場合にも適用が可能である。
また、前記弁体作動部(47)は、温度変化とともに伸縮して該弁体(46)を作動する温感部材(47b)とし、該温感部材(47b)による作動に抗して該弁体(46)を付勢する付勢部材(48)とにより開閉弁構造を構成し、該温感部材(47b)の感知する温度が低温の時には閉弁し、該温度が所定温度以上になると開弁するよう制御されるので、エンジンの低温下での始動時やアイドリング時等、エンジンが低温の時に燃料噴射時期を進角側に制御でき、低温始動性およびアイドリング時の失火および白煙の発生を低減できるとともに、エンジンの通常運転時で、エンジン温度が一定以上に高まっている場合には、燃料噴射時期を遅角側にするため、NOxの排出量を低減できる。こうして、エンジン全般の性能を向上できる。さらに、エンジンが低温時に高負荷が発生した場合においてもエンストの発生を抑制する。これにより、エンジンの操作性を向上できる。容易な構成により、燃料の噴射時期を調節するため、燃料噴射ポンプの組立性が良く、コストを低くできる。
燃料噴射ポンプを装着したエンジンの側面図である。 同じく後面図である。 燃料噴射ポンプの側面図である。 同じく正面図である。 本発明に係る開閉弁構造部を示す模式図である。 同じく模式図である。 サブポートからの燃料をポンプ外に戻す構造に設けた本発明に係る開閉弁構造部の他の例を示す模式図である。 開閉弁構造部に温感部材を用いた例を示す燃料噴射ポンプ上部の正面断面図である。 同じく要部正面断面図である。 開閉弁構造部に温感部材として形状記憶バネを使用した例を示す要部正面断面図である。 エンジンの油圧によりサブポートの開閉を行う開閉弁構造部の参考例を示す燃料噴射ポンプの正面一部断面図である。 開閉弁構造部に電磁ソレノイドを用いた例を示す要部正面断面図である。 サブポートからの逃がし燃料量を調節するための調節軸を配設した例を示す要部正面断面図である。 同じく要部平面断面図である。
7 プランジャ
14 メインポート
42 サブポート
43 燃料ギャラリ
44 燃料圧室
46 弁体
47 弁体作動部
51 ドレイン回路
52 オーバーフローバルブ
53 弁室油路
55 デリバリパイプ
56 調節軸

Claims (1)

  1. 分配型燃料噴射ポンプ(1)において、プランジャ(7)とプランジャバレル(8)との間に燃料圧室(44)を形成し、該プランジャ(7)の往復運動によって、燃料ギャラリ(43)から該燃料圧室(44)に燃料を吸い込み圧送し、分配軸(9)により、燃料を複数のデリベリバルブ(18)へ分配し、該プランジャバレル(8)には、該燃料ギャラリ(43)に連通するメインポート(14)と、燃料のドレイン回路(51)に連通する該メインポート(14)より小径のサブポート(42)とを、該燃料圧室(44)に連通可能に穿設し、該燃料圧室(44)に対峙するプランジャ(7)の頭部には、該プランジャ(7)の回動にともなう所定の範囲に渡って、該サブポート(42)に連通可能なサブリード(7b)を形成し、該メインポート(14)が該プランジャ(7)の外周面により閉鎖されても、該サブリード(7b)を介して該燃料圧室(44)と該サブポート(42)とが連通可能となるように構成し、該サブポート(42)と該ドレイン回路(51)との間の上部ポンプハウジング(28a)内に、油密機能を有する弁室油路(45)と、該弁室油路(45)内で変位可能な弁体(46a)を内蔵する開閉弁を配設し、該弁体(46a)の上方一端に弁体作動部(47)を配設し、該弁体作動部(47)は、上方へ付勢するリターンスプリング(48a)に抗して、作動時に該弁体(46a)を下方に摺動すべく構成し、前記弁室油路(45)の上端開口部は、前記上部ポンプハウジング(28a)の外部より装着される該弁体作動部(47)により閉塞し、該弁室油路(45)の上端開口より燃料が流出しない構成とし、前記弁体作動部(47)は、電磁ソレノイド(47e)とし、該電磁ソレノイド(47e)よりプランジャ(47f)を下方に延設し、該プランジャ(47f)の下端を前記弁体(46a)の上端に当接し、該弁体(46a)の下部に、前記リターンスプリング(48a)を配置し、該電磁ソレノイド(47e)を温度検知手段からの信号により操作し、該開閉弁を自動制御し、エンジンが温まっていない場合には、燃料噴射時期を早め、エンジンが温まって一定温度以上の場合には、通常運転時の燃料噴射時期となることを特徴とする分配型燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造。
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