JP4358826B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

Description

本発明は、自動車の燃料タンクから内燃機関へと燃料を圧送するための燃料供給装置であって、燃料タンクに配置された複数のフィードユニットを備えており、これらのフィードユニットは、燃料を捕集するためのそれぞれ１つのサージチャンバと、サージチャンバの１つを充填するための少なくとも１つのサクションジェットポンプとを有している形式のものに関する。

このような燃料供給装置は、例えば高い出力消費量と狭い燃料タンクとを備えた自動車のために使用され、実際に公知である。この燃料供給装置では、出力の大きな個々のフィードユニットはしばしば組み付けることはできない。サージチャンバの充填は、サージチャンバに配置された燃料ポンプによって行われ、及び／又は、内燃機関から燃料タンクへと戻される燃料の分配と、サクションジェットポンプとを介して行われる。このサクションジェットポンプは燃料を燃料タンクからサージチャンバへと集める。サクションジェットポンプは主としてフィードユニットから、作動流体としての燃料を供給される。

公知の燃料供給装置における欠点は、全てのサージチャンバに燃料を継続的に充填することが、全ての使用時において確実には保証できないことである。例えば、今日の自動車はしばしば戻し導管を有していないか、又は内燃機関の所定の負荷状態では燃料は戻し導管を介して殆ど戻されない。燃料タンクから吸い込むサクションジェットポンプもしくは１ポンプ段を介して行われるサージチャンバの充填は、例えばカーブ走行の際には、サクションジェットポンプもしくは吸込個所が燃料の外部に位置し、各サージチャンバの充填が行われないことになる。従って、燃料タンクにおいて十分な燃料が存在しているにも関わらず、一方のサージチャンバが空になる危険がある。しかしながら、サージチャンバの一方が空になると、乾式運転の危険、ひいては、サージチャンバに配置されたフィードユニットの燃料ポンプの損傷の危険が生じる。

本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の燃料供給装置を改良して、燃料が確実にサージチャンバを介して分配されるように形成することにある。

この課題を解決するために本発明の構成では、第１のサージチャンバを充填するために設けられたサクションジェットポンプの吸込側が、第２のサージチャンバ内に配置されているようにした。

このような構成によれば、燃料を、十分充填された一方のサージチャンバからサクションジェットポンプによって吸い出し、十分には充填されていない他方のサージチャンバに供給することができる。これにより、一方のサージチャンバに集められた燃料が、別のサージチャンバを介して分配される。従って戻し導管から戻された燃料の分配は不要である。従って本発明による燃料供給装置は、戻し案内を行わない内燃機関を有した自動車のためにも適している。

燃料の分配をさらに均一にするためには、本発明の有利な別の構成のように、各サージチャンバに、燃料を他方のサージチャンバに圧送するサクションジェットポンプが配置されていると特に有利である。これにより、２つのサクションジェットポンプが互いに圧送し合い、これによりサージチャンバ内の燃料におけるほぼ均一な充填レベルが得られる。

本発明の別の有利な構成のように、サクションジェットポンプがそれぞれほぼ同じ吐出量を有しているならば、一方のサージチャンバの過充填が簡単に回避される。

サクションジェットポンプのフィード導管の成形誤差または組み付け誤差は、このサクションジェットポンプの吐出量を絞る恐れがある。本発明の別の有利な構成のように、サクションジェットポンプの吸込側が、サージチャンバにおける所定の最小高さよりも上方に配置されているならば、複数のサクションジェットポンプの不均一な吐出量により一方のサージチャンバが空になることが回避される。これにより、各サージチャンバはサクションジェットポンプによって所定の最小高さの下側で空になることはない。

本発明による燃料供給装置は、第１のサージチャンバへと圧送する各サクションジェットポンプが、第１のサージチャンバへと続く個々のフィード導管を有しているならば、構造的に特に簡単に形成できる。

本発明による燃料供給装置の、燃料タンクにおける組み付けは、異なるサージチャンバに配置されたサクションジェットポンプが、共通の集合導管を有しているならば特に簡単に構成される。このような構成により、設けられる導管の総数が特に少なく維持される。

燃料の分配のさらなる均一化のためには、本発明の別の有利な構成のように、集合導管が、各サージチャンバのために、サクションジェットポンプに接続されたそれぞれ１つの流入部と、サージチャンバに接続されたそれぞれ１つの流出部とを有していると有利である。集合導管は勿論、集合容器であっても良い。流入及び流出はこの場合、共通の導管によっても行われても良い。

戻し導管を備えた自動車では、本発明の別の有利な構成のように、サクションジェットポンプの作動流体接続部が、燃料を内燃機関から燃料タンクへと戻し案内する戻し導管に接続されているならば、サクションジェットポンプの運転は特に僅かなコストで済む。

本発明の別の有利な構成のように、サクションジェットポンプの作動流体接続部が、同じサージチャンバに配置されたフィードユニットに接続されているならば、内燃機関から戻された燃料の流れが生じない場合に起こるサクションジェットポンプの圧送の中断は簡単に回避できる。有利には、サクションジェットポンプには、各フィードユニットの主段を介して作動流体としての燃料が供給され、サージチャンバの直接的な充填のために予備段が設けられている。

本発明によれ多数の構成が可能である。基本原理を明らかにするために、以下に図面につき本発明を詳しく説明する。

図１には、自動車のための燃料タンク１が示されている。この燃料タンク１は、内燃機関２に燃料を供給するための燃料供給装置を備えている。燃料タンク１は、２つの室３，３′を備えた鞍形タンクとして形成されていて、充填管片４を有している。燃料供給装置は、それぞれ１つのサージチャンバ６，６′を備えた２つのフィードユニット５，５′を有している。燃料タンク１にはフィードユニット５，５′のすぐ上に組み付けフランジ７，７′が設けられている。これらの組み付けフランジ７，７′の一方は、フィードユニット５，５′から内燃機関２へと案内される供給導管８によって貫通されている。この場合、いわゆる戻し案内を行わない燃料供給装置である。このような燃料供給装置では、内燃機関２から、使用されなかった燃料が燃料タンクに戻されることはない。

フィードユニット５，５′はそれぞれ電気的に駆動され、それぞれ１つの予備段９と主段１０とを有している。予備段９は燃料を燃料タンク１からサージチャンバ６へと圧送し、主段１０は燃料をサージチャンバ６から供給導管８を介して内燃機関２へと圧送する。予備段９は燃料タンク１に配置されたフィルタ１１を有している。主段１０のフィルタ１２はサージチャンバ６内に配置されている。

さらに図１には、サージチャンバ６，６′の所定の高さに、サクションジェットポンプ１４，１４′のそれぞれ１つの吸込側１３，１３′が配置されていることが示されている。このサクションジェットポンプ１４，１４′はそれぞれ、同じサージチャンバ６，６′内に配置された主段１０に接続された作動流体接続部１５，１５′と、それぞれ他方のサージチャンバ６，６′に開口しているフィード導管１６，１６′とを有している。作動流体接続部１５，１５′を介してサクションジェットポンプ１４，１４′には、作動流体としての燃料が供給される。これによりサクションジェットポンプ１４，１４′は燃料を、各サージチャンバ６，６′から吸込み、それぞれ他方のサージチャンバ６，６′へと圧送する。一方のサージチャンバ６，６′における燃料の充填レベルが、サクションジェットポンプ１４，１４′の吸込側１３，１３′の高さの下側に下がると、このサージチャンバ６，６′からの燃料の圧送は行われない。この場合、このサージチャンバ６，６′には、他方のサージチャンバ６，６′のサクションジェットポンプ１４，１４′を介して燃料が充填される。

勿論、燃料供給装置は、図示した２つのサージチャンバ６，６′よりも多くのサージチャンバを有していても良い。その場合には、サクションジェットポンプ１４，１４′のフィード導管１６，１６′が、有利には１列に置かれ、これにより各サクションジェットポンプ１４，１４′が隣のサージチャンバ６，６′を充填する。

図２には、燃料供給装置の別の実施例が示されている。この燃料供給装置は、両サージチャンバ６，６′のサクションジェットポンプ１４，１４′が集合導管１７を介して互いに接続されている点で図１のものとは異なっている。これにより、サクションジェットポンプ１４，１４′は燃料を共通の集合導管１７に圧送し、ここに圧力を形成する。サージチャンバ６，６′の一方において、燃料の充填レベルが、そのサージチャンバ内部に配置されたサクションジェットポンプ１４，１４′の吸込側１３，１３′の高さより下がった場合には、このサクションジェットポンプ１４，１４′の吐出量は突然減少し、これにより燃料は、他方のサージチャンバ６，６′のサクションジェットポンプ１４，１４′から集合導管を介して流れる。さらに図２には、戻し導管１８が内燃機関２から燃料タンク１へと通じていることが示されている。戻し導管１８は、ここでは燃料タンク１に直接的に開口しており、戻し案内の行われないシステムでは省かれて良い。

図３には、燃料供給装置の別の実施例が示されている。この実施例は図２のものとは特に、サージチャンバ６，６′に配置されているサクションジェットポンプ１４，１４′の作動流体接続部１５，１５′が、戻し導管１８に接続されている点で異なっている。両サクションジェットポンプ１４，１４′は燃料を共通の集合導管１９に圧送する。集合導管１９は、圧送された燃料の分配のために、サクションジェットポンプ１４，１４′に接続されたそれぞれ１つの流入部２０，２０′と、サージチャンバ６，６′に開口するそれぞれ１つの流出部２１，２１′とを有している。勿論、このような燃料供給装置にも、戻し導管１８の代わりにフィードユニット５，５′を介して作動流体としての燃料を供給することができる。サージチャンバ６，６′の１つにおいて燃料の充填レベルが、サクションジェットポンプ１４，１４′の吸込側１３，１３′の高さの下に下がると、このサージチャンバ６，６′から燃料はもはや圧送されない。集合導管１９の流出部２１，２１′を介して、圧送された全ての燃料が、全てのサージチャンバ６，６′を介してほぼ均一に分配されるので、両サージチャンバ６，６′の充填レベルが補償される。

２つのフィードユニットを有した本発明による燃料供給装置を概略的に示した図である 集合導管を有した本発明による燃料供給装置の別の実施例を概略的に示した図である 本発明による燃料供給装置のさらに別の構成を示した図である

Claims (9)

1. 自動車の燃料タンクから内燃機関へと燃料を圧送するための燃料供給装置であって、燃料タンクに配置された複数のフィードユニットを備えており、これらのフィードユニットは、燃料を捕集するためのそれぞれ１つのサージチャンバと、サージチャンバの１つを充填するための少なくとも１つのサクションジェットポンプとを有している形式のものにおいて、
   第１のサージチャンバ（６，６′）を充填するために設けられたサクションジェットポンプ（１４，１４′）の吸込側（１３，１３′）が、第２のサージチャンバ（６，６′）内に配置されていることを特徴とする、燃料供給装置。
2. 各サージチャンバ（６）に、それぞれ他方のサージチャンバ（６，６′）に燃料を圧送するサクションジェットポンプ（１４，１４′）が配置されている、請求項１記載の燃料供給装置。
3. サクションジェットポンプ（１４，１４′）がそれぞれほぼ等しい吐出量を有している、請求項１または２記載の燃料供給装置。
4. サクションジェットポンプ（１４，１４′）の吸込側（１３，１３′）が、サージチャンバ（６，６′）における規定された最小高さの上側に配置されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の燃料供給装置。
5. 第１のサージチャンバ（６，６′）へと圧送する各サクションジェットポンプ（１４，１４′）が、第１のサージチャンバ（６，６′）に通じる個々のフィード導管を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の燃料供給装置。
6. 異なるサージチャンバ（６，６′）に配置されたサクションジェットポンプ（１４，１４′）が、共通の集合導管（１７，１９）を有している、請求項１から５までのいずれか１項記載の燃料供給装置。
7. 各サージチャンバ（６，６′）のための集合導管（１９）が、サクションジェットポンプ（１４，１４′）に接続されたそれぞれ１つの流入部（２０）と、サージチャンバ（６，６′）に接続された１つの流出部（２１）とを有している、請求項１から６までのいずれか１項記載の燃料供給装置。
8. サクションジェットポンプ（１４，１４′）の作動流体接続部（１５，１５′）が、燃料を内燃機関から燃料タンクへと戻し案内する戻し導管（１８）に接続されている、請求項１から７までのいずれか１項記載の燃料供給装置。
9. サクションジェットポンプ（１４）の作動流体接続部（１５，１５′）が、同じサージチャンバ（６，６′）に配置されたフィードユニット（５，５′）に接続されている、請求項１から８までのいずれか１項記載の燃料供給装置。

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