JP4358304B2 - 万能プラグ - Google Patents

Description

発明の範囲
本発明は、ヒト血液などの収集および取り扱い用にヘルスケアにおいて用いるようなサンプル容器の種々の直径の容器を閉めるのに用いることのできる万能プラグに関する。また、このプラグを自動化キャッピングおよび脱キャッピング装置に用い、該容器の自動化工程を可能とする。
発明の分野
患者から得られたサンプルをアッセイすることは、試料のアリコートを吸引することおよびこれを分析工程に供することに関して、高度に自動化されるようになっている。サンプル試料をこれらの分析装置に輸送することもまた、自動化において実質的な進歩の起こることが見られている。しかしながら、輸送メカニズム上への導入用に試料を調製すること、または、それらが一旦オン−ラインとなった後にそれらを開けることを自動化することはほとんどなされていない。プラグまたは試料容器もしくはボトル上のプラグを取り外すこと、および、容器内部の試料が採取され処理された後、口を再度閉めることに関しては、特に事実である。試料が汚染されないように、試料損失を防ぐように、または、将来の照合のためにそれらが利用可能であることを要求する法または規制を満たすように、クロージャーが必要とされる。
試料は、存在するクロージャーを取り外すことにより採取でき、技術者が自由に接触することが可能である。優れた研究室業務または規制は、新しくきれいなクロージャーを、試料に再度フタをするのに用いることを指示する。試料容器は、直径が様々であり、再度フタをするために種々のクロージャーの選択を必要とする。万能クロージャー（またはプラグ）は、研究室内で保存、処理される試料容器のクロージャーを提供する、迅速でコストの効率的な方法を提供できる。
結果として、試料の取り扱いをさらに自動化するために必要とされるものは、フタを取る／再度フタをする装置およびこの機械により処理可能な適合する万能プラグである。必要なフタを取る／再度フタをする装置は、１９９５年７月２４日出願の同時継続出願の米国特許出願番号６０／００１３７９号に見ることができる。本発明は、万能プラグを提供する。
発明の概要
本発明は、．４”〜．５８”の直径のどのような大きさの試料容器にも用いることのできる万能プラグを含む。万能プラグは、リングの１組を特定の直径の範囲に割り当てる。各中空のポスト上に位置する３組のリングがある。各リング組は、直径の十分な範囲のサブセットに適応する、ゾーンを含む。
リングの外側の直径および柱の外側の直径間の幾何学的関係は、必要な挿入力ならびにクロージャーおよび容器間のシールを制御し、流出を防ぐ。リング間およびリングの各ゾーン間が垂直方向に離れていることにより、容器中でのプラグの安定性が提供される。ポストの長さが、各ゾーンの挿入の深さを決定する。リングはまた、位置決めおよび挿入の容易さのための先のとがったまたは面取りされたリーディングエッジを備えてもよい。
核み付キャップは、プラグの手動、ロボットまたは自動化取り外しの容易な制御を提供できる。内面の平坦な表面を用い、プラグの手動、ロボットまたは自動化挿入を助ける。プラグ中の通気孔は、挿入の際の圧力の軽減、および温度変化に対する制御されたガス抜きが可能となる。
材料の厚さは、製造コストと、挿入、封止または掴みに必要な強度とのバランスを取る。全体の設計は、容易な取り外しまたは挿入を提供し、容器への損傷を防ぎ、試料の脱水または汚染を制限する。
【図面の簡単な説明】
本発明を、添付する図面を参考にして、単に例示として記載する。
図１は、装置の開放コアを見下ろす、プラグの上面図を示す。
図２は、プラグの断面図を示す。
発明の詳説
本万能プラグの設計は、医療試料を吸出すまたは処理するのに現在用いられている容器またはボトルに該プラグをしっかりと嵌合させることを目的とする。この設計は、滑らかな内腔を有する容器で特にうまく作動する。これは、現在医療で利用可能な血液を吸い出すための容器のいずれのタイプにおいても用いることができる。これらの容器は、大きさが約０．４〜約０．５８インチの範囲の内径を有する。一例が、滑らかな内腔を有し、針で貫くことのできる軟質ゴム製プラグで閉められた、汎用されている前以って真空状態にした血液引き込み容器である。かかる容器は、市販されている。最も一般的に利用可能な容器は、BectonDickinsonから市販される「Vacutainer^TM」である。通常、３つの大きさがあるこれらの容器では、フタをはずし、何らかの手段により試料を採取するか処理する。試料アリコートを取り出した後、その環境から汚染されるのを防ぐため、または、容器が揺さぶられたり倒された場合に、試料の損失を防ぐために、容器を閉めるべきである。最初のゴム製プラグは、再利用可能であるが、これはめったに行われない。研究室業務、規制またはガイドラインは、容器からプラグを取り外した場合には、該プラグを廃棄するように指示する。このことは、汚れたプラグが他の容器に用いられ、試料が交差汚染されることを防止する。このことはまた、ある者またはある物がプラグと接触し、それが有するかもしれないいずれかの残留物による汚染を減少させる。
本万能プラグは、かかるサンプル容器を閉めるための手段を提供する。これは、現在利用可能な容器すべてにおいて用いることができる。サンプル試料を、このように単離し、蒸発を減少させるか防ぐ。サンプルをこれらのプラグとともに輸送することを意図するものではない。それは、プラグを容器に挿入したならば、空気を逃すことができるように、プラグは、圧力放出孔を有するように設計されているためである。容器中の空気を圧縮することにより生じる圧力は、プラグを固定するか、または、容器から外れるプラグを押すために、相当な力を必要とする。このことは、容器を迅速に処理することを難しくし、通気孔のないプラグを固定するのに必要な圧力が容器のガラス壁を破損する可能性がある。
一般に、プラグは、段状に重ねられた実質的に同心円筒である下記の一連の中空ポストに設計される。各ポストは、複数の薄い可撓性リングを有し、各々は先のものよりも小さな直径を有する。もっとも大きな直径のポストは、手動、ロボットまたは自動化手段によりプラグを掴むために用いる厚いリングをさらに有する。薄いリングを容器にはめ込み、内容物がこぼれるのを防ぐ。各ポスト上の複数のリングは、挿入されたプラグの安定性、よりよい密封、および挿入の容易性を提供する。
第１のポストは、もっとも大きな直径を有する。これは本質的に円形である。内表面は、滑らかである。ポストの頂部は、ウェブを形成する複数のガセットが取りつけられた厚い外側のリングを有し、刻み付外表面を支持し、これによりキャップを形成する。刻み付を付すことにより、ヒト、ロボットまたは自動化手段により、よりよく掴むことが可能となる。刻み付キャップの下側には、１組の薄いリングがある。これらのリングは、もっとも大きな直径の容器中に挿入される。容器は、刻み付キャップの底表面に対して固定される。
第２の中空ポストは、第１のポストに隣接して位置し、肩部はこの接合部により定義される。
第２のポストは、中間の大きさの直径を有する。これは本質的に円形である。内表面は、滑らかである。中間の大きさの容器に挿入された場合に、容器の封止を提供するために、中間の大きさのリングを用いる。ポストの底は、このポストをカップ様外観とする内部キャップを有する。このキャップ表面は、過剰の圧力を放出するための通気孔を有する。先のもっとも大きな直径のポストの最後のリングは、中間の大きさの容器の頂部のシートを提供する。
第３の中空ポストは、第２のポストに隣接して位置し、肩部はこの接合部により定義される。
第３のポストは、もっとも小さい直径を有する。これは本質的に円形である。内表面は、滑らかである。小さな大きさの容器に挿入された場合に、容器の封止を提供するために、もっとも小さいリングのセットを用いる。セットの最後のリングは、より小さく、プラグを小さな容器中に位置させるための面取り部を有する。先の中間の大きさの直径のポストの最後のリングは、小さい大きさの容器の頂部のシートを提供する。
この好ましい形態において、内径（ＩＤ）が０．４”〜０．５８”の間であり、開口部を形成するネックが本質的に平行な壁を有するいずれの容器のいずれの開口部にも適合するように、このプラグを設計する。これらの測定値は、ネック開口部の平均ＩＤを意味する。いくつかの容器では、ネックの口は、開口部のちょうど頂部部分でわずかに湾曲する；磨かれた(burnished)なる語は、しばしばこの丸いタイプを記載するのに用いられる。いくつかの容器では、ネックの頂部縁が漏斗のようにわずかに外にフレアであってもよい。この漏斗形状が著しすぎる場合、おそらくプラグがしっかりと固定されないこととなり、極端な場合には、まったく封止が得られない。漏斗がネックで逆になっている場合、プラグは容易に固定され、保持される。
このプラグにおいて、２またはそれ以上の可撓性の環状リングを用い、ネックの内表面を接触させる。これにより、プラグを固定し、容器が傾いた場合に内容物の損失を防ぐための手段が提供される。プラグが容器中に挿入されると、リングは上方に傾き、容器の内側にしっかりとついてそれを効果的に封止する。最低３つの封止が、内容物がこぼれるのを防ぐのに必要である。１つの封止が各リングにより提供され、最後の封止は、次のより大きな直径ゾーンの最後のリングにより提供される。
このプラグの他の好ましい特徴は、プラグを固定するのに必要な挿入力が小さいことである。下向きの力として測定する場合、約１０ポンドまたはそれ以下の挿入力が好ましい。この１０ポンドの力は、手動、ロボットまたは自動化手段が再度フタを閉めることを容易にする。この挿入力は、いくつかの方法で制御される。１つの方法は、リングの外側直径とポストの外側直径間の幾何学的な関係による。これはリングの深さである。好ましい深さは、０．０３５〜０．０５５である。挿入力に影響する第２の手段は、材料選択による。プラスチック、ゴム、または合成の材料を選択できる。挿入力に影響する第３の手段は、フィンの厚さによる。フィンの厚さは、材料選択および可撓性装置の必要性と関連して選択される。
プラグは通気孔を除いて充実体とすることができ；または、ポストの１またはそれ以上を充実体とし、他を中空のコアで作成してもよく；またはすべてが中空のコアを有するようにすることができる。中空のコア構造が好ましい。プラグが十分に剛性であり、挿入力に耐えることができるように、中空のコアプラグは、１またはそれ以上のポストに位置する少なくとも１つの充実体架橋を有する。通気孔を有する充実体架橋は小さいポストと中間のポストの間の肩部に位置付けできる。ポストが通気孔を構成する場合、壁厚さが変わり得る。壁厚さは、０．０１０”〜０．０３０”で変わり得る。
プラグの全体の高さは、０．３”〜１”の範囲であることができる。本明細書で例示する医療試料容器用に、プラグは、約０．５”の長さであるべきである。所定のポストの高さは、他のポストとは無関係に変わり得る。好ましい高さは、医薬試料容器について約０．２”である。他の容器については、プラグの全体の高さおよび各ポストの高さを、所定の容器のネックおよび開口部の要求を満たすように変えることができる。
環状リングをポストと同じであることのできる変形可能な材料またはより可撓性の材料で作成する。これらのプラグを作成するために、射出形成がコスト的に最も有効な方法であるので、該プラグ装置が１つの材料のものであることが期待される。リングは、可撓性であることが要求されるように、相対的に薄いが、破れたり構造的保存性をほとんど有さないかもしくは有さないほど、薄くはない。リングは、挿入の間または十分な変形下で、他のリングと接触しないように、ポスト上に置かなければならない。
ガス抜きを、内側から外側へおよび外側なら内側への圧力流を可能にする小さな封止されていない孔を作成することにより行う。この孔を、医療サンプルがもれることまたは湿気が入ることを防ぐ大きさとする。孔径は、約０．００２”である。
図面の説明
図１は、中空プラグの頂面図である。図２は、プラグの中央の断面図である。３つのポストは、（１）、（２）および（３）として示される。最も内側のポスト（３）は、もっとも小さい直径のリングであり、小さい直径のチューブに適合する大きさである。中間のポスト（２）は、中間の大きさの直径のリングであり、中程度の範囲の直径のチューブに適合する大きさである。外側のポスト（１）は、もっとも大きな直径のチューブに適合する大きさであり、掴むための刻み付（４）外側表面と一体化される。刻み付（４）外側表面と一緒になった外側のポスト（１）は、ハチの巣状の外観を有する。ハチの巣のリブ（５）は、取り外しおよび挿入の間、プラグに安定性と強度を提供する。ポスト（３）は、図２に示すようなキャップ様外観を含む表面（６）を有する。頂部表面（６）は、チューブからの圧力放出用の通気孔（７）を有する。
ポスト（１）は、２つのリング（９）および（１０）を有する。刻み付リング（８）の底は、リング（９）および（１０）上に挿入されたチューブの頂部に封止を形成する。リング（９）および（１０）は、類似の直径を有する。ポスト（２）は、２つのリング（１１）および（１２）を有する。リング（１０）の底は、リング（１１）および（１２）上に挿入されたチューブの頂部に封止を形成する。リング（１１）および（１２）は、類似の直径を有する。ポスト（３）は、３つのリング（１３）、（１４）および（１５）を有する。リング（１２）の底は、リング（１３）、（１４）および（１５）上に挿入されたチューブの頂部に封止を形成する。リング（１３）、（１４）および（１５）は、類似の直径を有する。リング１５は、面取り部（１６）を有し、プラグのチューブへの挿入を容易にする。

Claims (1)

1. 均一な直径のネックで形成され、１センチメートル〜１．５センチメートル（０．４インチ〜０．５８インチ）の内径を有する開口部を有するどのような容器にでも用いることのできる万能プラグであって、段状に重ねられた同心円筒である下記の一連の中空ポスト：
   ａ）刻み付外面と、プラグの同心軸に対して垂直な面を有する第１のポストの最下部にある肩と、第１のポストと一体化構築された１個またはそれ以上の環状の変形可能なリングとを有し、プラグの最上部に位置する第１のポスト、ここに、最下部のリングは、第１のポストの肩と一体化され、外側に伸びている；
   ｂ）プラグの同心軸に対して垂直な面を有する第２のポストの最下部にある肩と、第２のポストと一体化構築された１個またはそれ以上の環状の変形可能なリングとを有し、第１のポストと第３のポストの間に位置し、第１のポストの直径よりも小さい直径を有する第２のポスト、ここに、最下部のリングは、第２のポストの肩と一体化され、外側に伸びている；および
   ｃ）第３のポストと一体化構築された１個またはそれ以上の環状の変形可能なリングと、容器から圧力を逃がすための通気口を有する頂部表面を有し、プラグの最下部に位置し、第２のポストの直径よりも小さい直径を有する第３のポスト、ここに、最下部のリングは、当該プラグの容器への挿入を補助するための面取り部を有する；
   を含む万能プラグ。

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